JP2019003188A - 液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子を提供する。【解決手段】上記方法において、特定な製法により得られた特定な組成を持つ液晶配向剤を薄膜トランジスタの基材に塗布してプレコーティング層を形成した後で、プレコーティング層に対してプリベーク処理、ポストベーク処理及び配向処理を行い、適当な抵抗光安定性を持つ液晶配向膜を製造する。上記薄膜トランジスタの基材は、材料が酸化インジウムガリウム亜鉛である能動層を含む。上記方法により製造された液晶配向膜を含む液晶表示素子は、良好な蓄積電荷除去性を持つ。【選択図】図2

Description

本発明は、液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子に関し、特に、酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide;IGZO)の能動層を含む薄膜トランジスタの基材に設けられた液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子に関する。
近年、新規の液晶表示素子の開発が盛んに行われており、例えば、業界において、基板の表面に平行な電界を発生させるように片側の基板に2つの電極をくし歯状に配置して液晶を駆動させることで、液晶分子を制御する液晶表示素子が開発される。上記液晶表示素子は、一般的に、横電界効果型(In−Plane Switching;IPS型)と呼ばれ、広視野角特性に優れていることが知られている。しかしながら、上記IPS型の液晶表示素子では、イオン密度が高過ぎるため残像という問題がやはりある。
日本国特許特開第2006−259716号公報
日本国特許特開第2006−259716号公報には、低イオン密度の液晶配向膜及び液晶配向膜の調製に用いられるピペラジン(piperazine)構造含有のジアミン化合物が開示される。ピペラジン構造含有のジアミン化合物を使用することで、製造された配向膜は、イオン密度が高すぎるという問題が改善される。しかしながら、上記液晶配向剤により製造された液晶配向膜がIPS型の液晶表示素子に適用される場合、蓄積電荷の除去が緩慢であることで、残留電荷が高すぎ、更に残像を生じるという問題がやはりある。上記からわかるように、現在のIPS型の液晶ディスプレイの業者の要求に対応するように、蓄積電荷除去性が良好な液晶表示素子を形成可能な液晶配向膜、及び液晶配向膜形成用の液晶配向剤を提供することは、当業者の努力して研究する目標である。
そのため、本発明の一態様は、酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide;IGZO)の能動層を含む薄膜トランジスタの基材に、特定の製造方法で得られた特定な組成を持つ液晶配向剤を塗布して、液晶配向膜を形成する液晶配向膜の製造方法を提供することにある。特に、本発明の特徴は、良好な蓄積電荷除去性を持つ液晶表示素子を製造するように、上記液晶配向膜が特定の抵抗光安定性を有する。
本発明の別の態様は、上記の液晶配向膜の製造方法により製造された液晶配向膜を含む液晶表示素子を提供することにある。
図1を参照されたい。図1は、本発明の一実施例に記載の検査セル100を示す模式図である。本発明の抵抗光安定性については、下記の測量方法によって測量を行う。(1)まず、検査セル100を組み立てる。検査セル100は、基板110、画素電極120及び上記液晶配向膜130により組成される。画素電極120がくし歯状にパターニングされるように基板110の表面に形成される。液晶配向膜130が画素電極120の表面に形成される。(2)そして、イオン密度測定システム(株式会社東陽テクニカ(TOYO corporation)製;規格6254型)を使用して、周波数0.01Hz、振幅10Vの電圧にして、上記検査セル100に流れる電流及び対応する電圧によって、検査セル100の第1の抵抗Rを測量する。上記電流は3.16nAであり、且つ上記測量は、23℃の温度及び50%の湿度の雰囲気で行う。(3)その後、照度6mW/cmのバックライトセルによって上記検査セル100を300秒間も照射し、第2の抵抗Rを測量する。前記バックライトセルは、発光スペクトルの主ピーク値が430nm〜500nmの範囲にあるチップ発光層、及び光ルミネセンス蛍光体を有する白色発光ダイオードである。前記チップ発光層の構成材料は、窒化物系化合物半導体、III−V族系化合物半導体、II−IV族系化合物半導体、IV−VI族系化合物半導体、又はそれらの組み合わせから選ばれる。(4)また、下記式(1)に基づいて抵抗光安定性(△RUV)を算出する。
△RUV=R−R 式(1)。
前記液晶配向膜の抵抗光安定性(△RUV)500GΩより小さく、好ましくは400GΩより小さく、より好ましくは300GΩより小さい。
液晶配向膜の抵抗光安定性が上記の範囲にならないと、製造された液晶表示素子の蓄積電荷除去性が不良である。
本発明の上記態様によると、液晶配向剤を薄膜トランジスタの基材に塗布してプレコーティング層を形成する工程と、プレコーティング層に対してプリベーク処理、ポストベーク処理及び配向処理を行って液晶配向膜を製造する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法を提出する。薄膜トランジスタの基材は、材料がIGZOである能動層を含み、且つ前記液晶配向膜が500GΩより小さいの抵抗光安定性を有する。以下、記載された液晶配向剤及び液晶配向膜の製造方法についてそれぞれ説明する。
液晶配向剤
本発明の液晶配向剤は、ポリマー(A)及び溶剤(B)を含む。以下、別々に説明する。
ポリマー(A)
本発明のポリマー(A)は、テトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)を含む混合物により反応して得られる。
上記ポリマー(A)の好適な具体例としては、ポリアミド酸ポリマー、ポリイミドポリマー、ポリイミド系ブロック共重合体、又はそれらの組み合わせがある。ポリイミド系ブロック共重合体の好適な具体例としては、ポリアミド酸ブロック共重合体、ポリイミドブロック共重合体、ポリアミド酸−ポリイミドブロック共重合体、又はその中の1つの組み合わせがある。
テトラカルボン酸二無水物組成物(a)
本発明に係わるテトラカルボン酸二無水物組成物(a)の好適な具体例としては、(1)脂肪族テトラカルボン酸二無水物化合物、(2)脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物、(3)芳香族テトラカルボン酸二無水物化合物又は(4)式(a−1)〜(a−6)を有するテトラカルボン酸二無水物化合物等がある。
本発明に係わる(1)脂肪族テトラカルボン酸二無水物化合物は、エタンテトラカルボン酸二無水物又はブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物化合物を含んでもよいが、それに限定されない。
本発明に係わる(2)脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物は、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、シス−3,7−ジブチル−シクロヘプチル−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又はビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物を含むが、それに限定されない。
本発明に係わる(3)芳香族テトラカルボン酸二無水物化合物の具体例としては、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物、ピロメリト酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルエタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキシド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(無水トリメリット酸)、プロピレングリコール−ビス(無水トリメリット酸)、1,4−ブタンジオール−ビス(無水トリメリット酸)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(無水トリメリット酸)、1,8−オクタンジオール−ビス(無水トリメリット酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(無水トリメリット酸)、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラン)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物等を含んでもよいが、それに限定されない。
本発明に係わる(4)式(a−1)〜式(a−6)に示すテトラカルボン酸二無水物化合物については、下記のように詳しく説明する。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
式(a−5)において、Aは芳香環含有の2価基を表し、rは1〜2の整数を表し、A及びAは同一又は異なってもよく、且つそれぞれ水素原子又はアルキル基を表してもよい。好ましくは、式(a−5)に示すテトラカルボン酸二無水物化合物は、下記式(a−5−1)〜式(a−5−3)に示す化合物から選ばれてよい。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
式(a−6)において、Aは芳香環含有の2価基を表し、A及びAは同一又は異なってもよく、且つそれぞれ水素原子又はアルキル基を表す。好ましくは、式(a−6)に示すテトラカルボン酸二無水物化合物は、下記式(a−6−1)に示す化合物から選ばれてよい。
Figure 2019003188
上記のテトラカルボン酸二無水物組成物(a)は、単独で使用しても又は複数種類を混合して使用してもよい。
ジアミン組成物(b)の使用量100molに対して、テトラカルボン酸二無水物組成物(a)の使用量は、20mol〜200molの範囲にある。好ましくは30mol〜120molである。
ジアミン組成物(b)
一実施例において、本発明のジアミン組成物(b)は、少なくとも式(b−1)に示すジアミン化合物(b1)を含む。別の実施例において、本発明のジアミン組成物(b)は、上記ジアミン化合物(b1)及び式(b−2)に示すジアミン化合物(b2)を含む。上記実施例において、本発明のジアミン組成物(b)は、他のジアミン化合物(b3)を更に含んでもよい。
ジアミン化合物(b1)
前記の式(b−1)に示すジアミン化合物(b1)は、下記のように表す。
Figure 2019003188
式(b−1)において、hは1〜12の整数を表す。
具体的には、式(b−1)に示すジアミン化合物(b1)は、下記式(b−1−1)〜式(b−1−3)に示す構造を有するジアミン化合物を含む。
Figure 2019003188
式(b−1−1)〜式(b−1−3)において、hは1〜12の整数を表す。
前記式(b−1−1)に示す構造を有するジアミン化合物の具体例としては、ビス(4−アミノフェノキシ)メタン、1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−ビス(4−アミノフェノキシ)デカン又は上記化合物の如何なる組み合わせであってよい。
前記式(b−1−2)に示す構造を有するジアミン化合物の具体例としては、ビス(2−アミノフェノキシ)メタン、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン、1,3−ビス(2−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(2−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(2−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(2−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(2−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(2−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(2−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−ビス(2−アミノフェノキシ)デカン又は上記化合物の如何なる組み合わせであってよい。
前記式(b−1−3)に示す構造を有するジアミン化合物の具体例としては、ビス(3−アミノフェノキシ)メタン、1,2−ビス(3−アミノフェノキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−ビス(3−アミノフェノキシ)デカン又は上記化合物の如何なる組み合わせであってよい。
好ましくは、式(b−1)に示すジアミン化合物(b1)の具体例としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,3−ビス(2−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(2−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(2−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(2−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(2−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(2−アミノフェノキシ)オクタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7−ビス(3−アミノフェノキシ)ヘプタン又は1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン等であってよい。
ジアミン組成物(b)の使用量の合計100molに対して、ジアミン化合物(b1)の使用量は15mol〜95molであり、好ましくは20〜mol93molであり、より好ましくは25mol〜90molである。
ジアミン組成物(b)に式(b−1)に示すジアミン化合物(b1)を含有しない場合、上記液晶配向剤により製造された液晶配向膜を含む液晶表示素子の蓄積電荷除去性が不良である。
ジアミン化合物(b2)
前記の式(b−2)に示すジアミン化合物(b2)は、下記のように表す。
Figure 2019003188
式(b−2)において、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アセチルアミノ基、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、mはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。
式(b−2)において、Rは、好ましくはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を表す。
式(b−2)により示すジアミン化合物(b2)の具体例としては、式(b−2−1)〜式(b−2−28)により示すジアミン化合物の少なくとも1つを含むが、それに限定されない。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
式(b−2)により示すジアミン化合物(b2)は、単独して使用しても、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
前記ジアミン組成物(b)の使用量の合計100molに対して、ジアミン化合物(b2)の使用量は5mol〜50molであり、好ましくは7mol〜45molであり、より好ましくは10mol〜40molである。
液晶配向剤にジアミン化合物(b2)を使用すると、形成された液晶表示素子の蓄積電荷除去性を更に向上させることができる。
次に、前記ジアミン化合物(b1)とジアミン化合物(b2)とのモル比[(b1)/(b2)]は0.5〜10.0であってよいので、好ましくは1.0〜8.0であり、且つより好ましくは1.5〜5.0である。ジアミン化合物(b1)とジアミン化合物(b2)とのモル比[(b1)/(b2)]が前記の範囲にあると、形成された液晶表示素子の蓄積電荷除去性を更に向上させることができる。
他のジアミン化合物(b3)
本発明の他のジアミン化合物(b3)としては、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、4,4’−ジアミノヘプタン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルプロパン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−4,4−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−3−メチルヘプタン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエンジアミン、トリシクロ(6.2.1.02,7)−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)シクロヘキサン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシメチレン)アダマンタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン[9,10−bis(4−aminophenyl)anthracene]、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、5−[4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニルメチレン−1,3−ジアミノベンゼン{5−[4−(4−n−pentylcyclohexyl)cyclohexyl]phenylmethylene−1,3−diaminobenzene}、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−(4−エチルフェニル)シクロヘキサン{1,1−bis[4−(4−aminophenoxy)phenyl]−4−(4−ethyl phenyl)cyclohexane}又は下記式(b−3−1)〜式(b−3−29)に示す他のジアミン化合物を含んでもよいが、それに限定されない。
Figure 2019003188
式(b−3−1)において、X
Figure 2019003188
を表し、且つXはステロイド含有基、トリフルオロメチル、フッ素基、炭素数2〜30のアルキル基又はピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジン及びピペラジン等から誘導された窒素原子環状構造を含む1価基を表す。
上記式(b−3−1)に示す他のジアミン化合物としては、好ましくは2,4−ジアミノフェニルエチルホルマート(2,4−diaminophenyl ethyl formate)、3,5−ジアミノフェニルエチルホルマート(3,5−diaminophenyl ethyl formate)、2,4−ジアミノフェニルプロピルホルマート(2,4−diaminophenyl propyl formate)、3,5−ジアミノフェニルプロピルホルマート(3,5−diaminophenyl propyl formate)、1−ドデコキシ−2,4−ジアミノベンゼン(1−dodecoxy−2,4−diamino−benzene)、1−ヘキサデコキシ−2,4−ジアミノベンゼン(1−hexadecoxy−2,4−diaminobenzene)、1−オクタデコキシ−2,4−ジアミノベンゼン(1−octadecoxy−2,4−diaminobenzene)又は下記式(b−3−1−1)〜式(b−3−1−6)に示す他のジアミン化合物であってよい。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
式(b−3−2)において、X
Figure 2019003188
を表し、X及びX10は2価の脂肪族環、2価の芳香環又は2価の複素環基を表し、且つX11は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルコキシ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
上記式(b−3−2)に示す他のジアミン化合物は、好ましくは下記式(b−3−2−1)〜式(b−3−2−13)に示すジアミン化合物であってよい。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
式(b−3−2−10)〜式(b−3−2−13)において、sは、3〜12の整数を表してよい。
Figure 2019003188
式(b−3−3)において、X12は水素原子、炭素数1〜5のアシル基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲンを表す。X13は1〜3の整数である。X13が1より大きくなると、複数のX12は同一又は異なってもよい。
上記式(b−3−3)に示すジアミン化合物は、(1)X13は1:p−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、o−ジアミノベンゼン又は2,5−ジアミノトルエン等、(2)X13は2:4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル又は4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等、(3)X13は3:1,4−ビス(4’−アミノフェニル)ベンゼン等から選ばれることが好ましく、p−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル又は1,4−ビス(4’−アミノフェニル)ベンゼンから選ばれることがより好ましい。
Figure 2019003188
式(b−3−4)において、X14は1〜5の整数を表す。前記式(b−3−4)は、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルスルフィドから選ばれる。
Figure 2019003188
式(b−3−5)において、X15及びX17は同一又は異なってもよく、且つそれぞれ2価の有機基を表し、X16はピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジン及びピペラジン等から誘導された窒素原子環状構造を含む2価基を表す。
Figure 2019003188
式(b−3−6)において、X18、X19、X20及びX21はそれぞれ同一又は異なってもよく、且つ炭素数1〜12のアルキル基を表してよい。X22は1〜3の整数を表し、且つX23は1〜20の整数を表す。
Figure 2019003188
式(b−3−7)において、X24
Figure 2019003188
又はシクロへキシレン基を表し、X25
Figure 2019003188
を表し、X26はフェニレン基又はシクロへキシレン基を表し、且つX27は水素原子又はヘプチル基を表す。
上記式(b−3−7)に示すジアミン化合物は、好ましくは下記式(b−3−7−1)及び式(b−3−7−2)に示すジアミン化合物から選ばれる。
Figure 2019003188
式(b−3−8)〜式(b−3−29)に示す他のジアミン化合物は、下記の通りである。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
式(b−3−16)〜式(b−3−19)において、X28は、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましい。式(b−3−20)〜式(b−3−24)において、X29は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましい。
ジアミン組成物(b3)としては、好ましくは1,2−ジアミノエタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、5−[4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニルメチレン−1,3−ジアミノベンゼン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−(4−エチルフェニル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノフェニルエチルホルマート、p−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、o−ジアミノベンゼン、式(b−3−1−1)、式(b−3−1−2)、式(b−3−1−5)、式(b−3−2−1)、式(b−3−2−11)、式(b−3−7−1)、式(b−3−25)又は式(b−3−28)に示す化合物を含むが、それに限定されない。
前記のジアミン組成物(b3)は、1つを単独して使用し又は複数種類を混合して使用してよい。
ジアミン組成物(b)の使用量の合計100molに対して、他のジアミン化合物(b3)の使用量は0〜80molであり、好ましくは0〜73molであり、より好ましくは0〜65molである。
ポリマー(A)の製造方法
本発明に係わるポリアミド酸ポリマーの調製は、一般的な方法であってよい。好ましくは、ポリアミド酸ポリマーの調製方法は、下記の工程を含む。テトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)を含む混合物を溶剤に溶解させ、0℃〜100℃の温度条件で重縮合反応を行って1時間〜24時間反応して、上記の反応溶液を蒸発機で減圧蒸留を行い、ポリアミド酸ポリマーが得られる。或いは、上記の反応溶液を大量の不良溶剤に入れ、析出物を得て、減圧乾燥するように析出物に対して乾燥処理を行い、ポリアミド酸ポリマーが得られる。
重縮合反応に用いられる溶剤は、下記の液晶配向剤における溶剤と同一又は異なってもよく、且つ反応物及び生成物を溶解させるものであれば、特に制限されない。好ましくは、溶剤は、(1)例えば、N−メチル−2−ピロリジノン(N−methyl−2−pyrrolidinone;NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素又はヘキサメチルリン酸トリアミノ等の非プロトン性極性溶剤;(2)例えば、m−クレゾール、キシレノール、フェノール又はハロゲン化フェノール類等のフェノール系溶剤を含むが、それに限定されない。混合物の使用量100重量部に対して、重縮合反応に用いられる溶剤の使用量は好ましくは200重量部〜2000重量部であり、より好ましくは300重量部〜1800重量部である。
特に、重縮合反応において、ポリアミド酸ポリマーを析出させない適量な不良溶剤を溶剤に併用してよい。不良溶剤は、単独で使用しても又は複数種類を混合して使用してもよく、且つ(1)例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール又はトリエチレングリコール等のアルコール類;(2)例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はシクロヘキサノン等のケトン類;(3)例えば、メチルアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル又はエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;(4)例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールノルマルプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールノルマルブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;(5)例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;(6)例えば、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の炭化水素類又は上記溶剤の如何なる組み合わせを含むが、それに限定されない。ジアミン組成物(b)の使用量100重量部に対して、不良溶剤の用量は好ましくは0重量部〜60重量部であり、より好ましくは0重量部〜50重量部である。
本発明に係わるポリイミドポリマーの調製は、一般的な方法であってよい。好ましくは、ポリイミドポリマーの調製方法として、テトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)を含む混合物を溶液に溶解させ、重合反応を行って、ポリアミド酸ポリマーを形成する。そして、脱水剤及び触媒の存在下で、ポリアミド酸ポリマーにおけるアミド酸官能基が脱水閉環反応によってイミド官能基(即ちイミド化)になるように、更に加熱して、脱水閉環反応を行い、ポリイミドポリマーを得る。
脱水閉環反応に用いる溶剤は、下記液晶配向剤における溶剤と同一であってよいので、ここで詳しく説明しない。ポリアミド酸ポリマーの使用量100重量部に対して、脱水閉環反応に用いる溶剤の使用量は好ましくは200重量部〜2000重量部であり、より好ましくは300重量部〜1800重量部である。
好適なポリアミド酸ポリマーのイミド化の程度を取得するように、脱水閉環反応の操作温度は好ましくは40℃〜200℃であり、より好ましくは40℃〜150℃である。脱水閉環反応の操作温度が40℃より低くなると、イミド化の反応が不完全であり、ポリアミド酸ポリマーのイミド化の程度が低下する。しかしながら、脱水閉環反応の操作温度が200℃より高くなると、得られたポリイミドポリマーの重量平均分子量がやや低い。
脱水閉環反応に用いる脱水剤は、酸無水物類化合物から選ばれてよく、その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸又は無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物類化合物がある。ポリアミド酸ポリマーの1molに対して、脱水剤の使用量は0.01mol〜20molである。脱水閉環反応に用いる触媒としては、(1)例えば、ピリジン、トリメチルピリジン又はジメチルピリジン等のピリジン類化合物;(2)例えば、トリエチルアミン等の第三級アミン類化合物から選ばれてよい。脱水剤の使用量1molに対して、触媒の使用量は0.5mol〜10molである。
本発明に係わるポリイミド系ブロック共重合体の好適な具体例としては、ポリアミド酸ブロック共重合体、ポリイミドブロック共重合体、ポリアミド酸−ポリイミドブロック共重合体、又はそれらの如何なる組み合わせがある。
本発明に係わるポリイミド系ブロック共重合体の調製は、一般的な方法であってよい。好ましくは、ポリイミド系ブロック共重合体の調製方法として、上記の少なくとも1つのポリアミド酸ポリマー及び/又は上記の少なくとも1つのポリイミドポリマーを含み且つテトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)を更に含んでもよい開始物を溶剤に溶解させ、重縮合反応を行う。
前記開始物におけるテトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)は、上記調製ポリアミド酸ポリマーに用いるテトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)と同一であり、且つ重縮合反応に用いられる溶剤は、下記液晶配向剤における溶剤と同一であってよいので、ここで詳しく説明しない。
開始物の使用量100重量部に対して、重縮合反応に用いられる溶剤の使用量は好ましくは200重量部〜2000重量部であり、より好ましくは300重量部〜1800重量部である。重縮合反応の操作温度は好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜100℃である。
好ましくは、開始物は、(1)末端基が異なり且つ構造が異なる2種類のポリアミド酸ポリマー;(2)末端基が異なり且つ構造が異なる2種類のポリイミドポリマー;(3)末端基が異なり且つ構造が異なるポリアミド酸ポリマー及びポリイミドポリマー;(4)ポリアミド酸ポリマー、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物、ただし、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物の少なくとも1つがポリアミド酸ポリマーを形成するためのテトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)の構造と異なる;(5)ポリイミドポリマー、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物、ただし、前記テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物の少なくとも1つがポリイミドポリマーを形成するためのテトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)の構造と異なる;(6)ポリアミド酸ポリマー、ポリイミドポリマー、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物、ただし、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミンの少なくとも1つがポリアミド酸ポリマー又はポリイミドポリマーを形成するためのテトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)の構造と異なる;(7)構造が異なる2種類のポリアミド酸ポリマー、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物;(8)構造が異なる2種類のポリイミドポリマー、テトラカルボン酸二無水物化合物及びジアミン化合物;(9)末端基が無水物基であり且つ構造が異なる2種類のポリアミド酸ポリマー及びジアミン化合物;(10)末端基がアミノであり且つ構造が異なる2種類のポリアミド酸ポリマー及びテトラカルボン酸二無水物化合物;(11)末端基が無水物基であり且つ構造が異なる2種類のポリイミドポリマー及びジアミン化合物;(12)末端基がアミノであり且つ構造が異なる2種類のポリイミドポリマー及びテトラカルボン酸二無水物化合物を含むが、それに限定されない。
本発明の効果に影響を与えない範囲で、好ましくは、前記ポリアミド酸ポリマー、前記ポリイミドポリマー及び前記ポリイミド系ブロック共重合体は、分子量が調節された末端修飾型ポリマーであってよい。末端修飾型のポリマーを使用することで、液晶配向剤の塗布性を改善することができる。前記末端修飾型ポリマーの調製方法として、ポリアミド酸ポリマー重縮合反応を行うと共に、単官能性化合物を加えることで製造してよい。単官能性化合物は、(1)例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルコハク酸無水物、n−ドデシルコハク酸無水物、n−テトラデシルコハク酸無水物又はn−ヘキサデシルコハク酸無水物等の一元酸無水物;(2)例えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン又はn−エイコシルアミン等のモノアミン化合物;(3)例えば、イソシアン酸フェニル又はナフチルイソシアナート等のモノイソシアネート化合物を含むが、それに限定されない。
本発明のポリマー(A)のゲル浸潤クロマトグラフィーにより測定されたポリスチロール換算の重量平均分子量は10,000〜90,000であり、好ましくは12,000〜75,000であり、より好ましくは15,000〜60,000である。
本発明のポリマー(A)は、少なくとも、下記のように製造されたポリアミド酸ポリマー、ポリイミドポリマー又はポリイミド系ブロック共重合体の一つを含む。前記方式の具体例としては、重縮合反応の時にテトラカルボン酸二無水物組成物をロットして添加すること、重縮合反応の時にジアミン組成物をロットして添加すること、重縮合反応の時に溶剤をロットして添加すること又は重縮合反応の時に変温して制御すること等を含む。
ポリマー(A)が上記のように製造されたポリアミド酸ポリマー、ポリイミドポリマー又はポリイミド系ブロック共重合体を含まない場合、製造された液晶配向膜の抵抗光安定性は不良である。
溶剤(B)
本発明の液晶配向剤に用いる溶剤は、ポリマー(A)及び他の如何なる成分を反応せずに溶解可能なものであれば、特に制限されなく、好ましくは前記合成ポリアミド酸に用いる溶剤と同様であり、その同時に、前記ポリアミド酸を合成する場合に使用する不良溶剤と併用してもよい。
溶剤(B)の具体例としては、N−メチル−2−ピロリジノン(N−methyl−2−pyrrolidone;NMP)、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールノルマルプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールノルマルブチルエーテル(ethylene glycol n−butyl ether)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート又はN,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド(N,N−dimethyl acetamide)等を含むが、それに限定されない。溶剤(B)は、単独して使用しても、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
ポリマー(A)の使用量100重量部に対して、溶剤(B)の使用量は800〜4000重量部であり、好ましくは900〜3500重量部であり、且つより好ましくは1000〜3000重量部である。
添加剤(C)
本発明の効果に影響を与えない範囲で、液晶配向剤には、エポキシ化合物又は官能性基含有のシラン化合物等の添加剤(C)を選択的に添加してもよい。添加剤(C)は、前記液晶配向膜と基板の表面との接着力を向上させるためのものである。添加剤(C)は、単独で使用しても又は複数種類を混合して使用してもよい。
前記のエポキシ化合物は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−グリシジル−p−エポキシプロポキシアニリン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン等を含んでよいが、それに限定されない。
ポリマー(A)の使用量100重量部に対して、エポキシ化合物の使用量は、一般的に40重量部以下であり、好ましくは0.1重量部〜30重量部である。
上記官能性基含有のシラン化合物は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシリル(3−ureidopropyltrimethoxysilane)、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランを含んでよいが、それに限定されない。
ポリマー(A)の使用量100重量部に対して、シラン化合物の使用量は一般的に10重量部以下であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
液晶配向剤の調製方法
本発明の液晶配向剤の調製方法としては、一般的な混合方法を採用すれば、特に制限されない。例えば、まず、テトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)を均一に混合して、反応してポリマー(A)を形成する。そして、ポリマー(A)に対して、温度0℃〜200℃の条件で溶剤(B)を加え、更に添加剤(C)を選択的に加えてもよく、撹拌装置で溶解まで持続的に撹拌すればよい。好ましくは、20℃〜60℃の温度で、ポリマー(A)を溶剤(B)に加える。
液晶配向膜の形成方法
本発明は、また、前記液晶配向剤により製造された液晶配向膜を提供する。
好ましくは、液晶配向膜の形成方法としては、上記の液晶配向剤をロールコート法、スピンコート法、プリント法、インキジェット法(ink−jet)等の方法によって、画素電極が設けられた基材の表面に塗布し、プレコーティング層を形成して、次にプレコーティング層を、プリベーク処理(pre−bake treatment)、ポストベーク処理(post−bake treatment)及び配向処理(alignment treatment)によって製造する。上記のように形成された膜の膜厚は、好ましくは0.001μm〜1μmであり、より好ましくは0.005μm〜0.5μmである。
本発明のここで言う基材は、少なくとも1つの薄膜トランジスタの基材を含む。、上記薄膜トランジスタ基材は、第1の基板(図1に示す基板110と同一の材料を有してもよい)、複数の薄膜トランジスタセル及び絶縁層を含む。薄膜トランジスタセルは、第1の基板に設けられ、且つそれぞれゲート絶縁層、能動層、ソース及びドレインを含む。且つ能動層の材料は、酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide;IGZO)である。また、絶縁層は、前記薄膜トランジスタセルに設けられ、且つそれぞれ前記薄膜トランジスタセルのドレインを露出する複数の接触孔を有する。画素電極は、絶縁層に設けられ、且つドレインと電気的に接続するように上記接触孔へ延伸する。配向膜は、画素電極を被覆する。
前記プリベーク処理は、プレコーティング層における有機溶剤を揮発させるためのものである。好ましくは、プリベーク処理の操作温度は、30℃〜120℃の範囲にあり、より好ましくは40℃〜110℃であり、更に好ましくは50℃〜100℃である。
上記の配向処理は、特に制限されず、ナイロン、レーヨン、綿等の繊維により造れた布をロールに巻き付いて、一定の方向で摩擦して配向してよい。上記配向処理については、当業者に周知されるので、詳しく説明しない。
ポストベーク処理工程は、プレコーティング層におけるポリマーに対して更に脱水閉環(イミド化)反応を行うためのものである。好ましくは、ポストベーク処理の操作温度は、150℃〜300℃の範囲にあり、又好ましくは180℃〜280℃にあり、より好ましくは200℃〜250℃である。
薄膜トランジスタセルの能動層の材料に酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)を含まないと、製造された液晶表示素子の蓄積電荷除去性が不良である。
一実施例において、液晶配向膜を形成する前に、本発明の液晶配向膜の製造方法は、図1に示す検査セル100によって液晶配向剤により形成された液晶配向膜に対して抵抗光安定性の測量を行うことを更に含む。具体な検査方法については、前記図1及び後文の抵抗光安定性の評価方法に記述の通りである。
液晶表示素子の製造方法
本発明は、また、前記の液晶配向膜を含む液晶表示素子を提供する。
液晶表示素子の製作方法については、当業者に周知されるので、以下、簡単に説明する。
図2を参照されたい。本発明液晶表示素子200の好適な実施例は、第1のセル210、第2のセル220及び液晶セル230を含む。第2のセル220と第1のセル210とが間隔をあけて対向し、且つ液晶セル230が第1のセル210と第2のセル220のとの間に設けられる。
第1のセル210は、薄膜トランジスタの基材212、画素電極214及び第1の液晶配向膜216を含む。画素電極214がくし歯状にパターニングされるように薄膜トランジスタの基材212の表面に形成され、且つ第1の液晶配向膜216が画素電極214の表面に形成される。薄膜トランジスタの基材212は、第1の基板、複数の薄膜トランジスタセル及び絶縁層を含む。
第2のセル220は、第2の基板222及び第2の液晶配向膜226を含む。第2の液晶配向膜226が第2の基板222の表面に設けられる。
上記の第1の基板及び第2の基板222は、透明材料等から選ばれる。透明材料は、液晶表示装置に用いられる無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、硬質ガラス(パイレックス(登録商標)ガラス(Pyrex glass))、石英ガラス、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート等を含んでもよいが、それに限定されない。画素電極114の材質としては、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)等の透明電極、又はクロム等の金属電極から選ばれる。
第1の液晶配向膜216及び第2の液晶配向膜226は、それぞれ上記の液晶配向膜であり、液晶セル230にプレチルト角を形成させるためのものであり、且つ液晶セル230が画素電極214による平行な電界により駆動される。
液晶セル230の使用する液晶は、単独して又は複数種類を混合して使用してもよい。液晶は、ジアミノベンゼン類液晶、ピリダジン(pyridazine)類液晶、シッフ塩基(shiff base)類液晶、アゾキシ基(azoxy)類液晶、フェニルシクロヘキサン類液晶、ビフェニル(biphenyl)類液晶、フェニルシクロヘキサン(phenylcyclohexane)類液晶、エステル(ester)類液晶、ターフェニル(terphenyl)、ビフェニルシクロヘキサン(biphenylcyclohexane)類液晶、ピリミジン(pyrimidine)類液晶、ジオキサン(dioxane)類液晶、ビシクロオクタン(bicyclooctane)類液晶、キュバン(cubane)類液晶等を含むが、それに限定されなく、且つ必要に応じて、例えば、コレステリルクロライド(cholesteryl chloride)、コレステリルノナノアート(cholesteryl nonanoate)、コレステリルカーボネート(cholesteryl carbonate)等のコレステロール系液晶、又は商品名「C−15」、「CB−15」(メルク株式会社(Merck Co. LTD.)製のキラル(chiral)剤等、或いはp−デシルオキシベンジリデン−p‐アミノ−2−メチルブチルシンナマート等の強誘電性(ferroelectric)類液晶を更に添加してもよい。
本発明の液晶配向剤により製造された液晶表示素子は、例えば、TN、STN、TFT、VA、IPS等の液晶表示素子のような様々なネマチック液晶に好適に用いられる。また、選択された液晶によって、強誘電性又は反強誘電性等の異なる液晶表示素子に使用されてもよい。上記液晶表示素子において、特にIPS型の液晶表示素子に好適に用いられる。
下記実例によって本発明を詳しく説明するが、本発明がそれらの実例に開示する内容に限定されないことを意図しない。
下記の図面の詳細な説明は、本発明の上記又はその他の目的、特徴、利点及び実施例をより分りやすくするためのものである。
本発明に係わる一実施例に記載の検査セルを示す模式図である。 本発明に係わる一実施例に記載の液晶表示素子を示す構造模式図である。
ポリマー(A)の合成例
以下、ポリマー(A)の合成例A−1−1〜A−1−12、合成例A−2−1〜A−2−6、比較合成例A’−1−1〜A’−1−4及び比較合成例A’−2−1〜A’−2−2を説明する。上記合成例と比較合成例との各成分の使用比は表1及び表2に示す。
合成例 A−1−1
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、1.73g(0.0075mol)ビス(4−アミノフェノキシ)メタン(b1−1と略称)、2.16g(0.02mol)p−ジアミノベンゼン(b3−1と略称)、4.96g(0.025mol)4,4’−ジアミノジフェニルメタン(b3−2と略称)及び80gのN−メチル−2−ピロリジノン(NMPと略称)を加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、9.82g(0.045mol)のピロメリト酸二無水物(a−1と略称)及び20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した後で、1.08g(0.005mol)のa−1を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−1)を得た。
合成例A−1−2
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、3.23g(0.0125mol)1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン(b1−2と略称)、6.70g(0.025mol)式(b−2−1)に示すジアミン化合物(b2−1と略称)、2.50g(0.0125mol)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(b3−3と略称)及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、8.82g(0.045mol)の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(a−2と略称)及び20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した後で、0.99g(0.005mol)のa−2を20分間ごとに、等量で2回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−2)を得た。
合成例A−1−3
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、3.58g(0.0125mol)1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン(b1−3と略称)、5.95g(0.03mol)のb3−2、0.50g(0.0025mol)のb3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、11.21g(0.05mol)の2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(a−3と略称)及び20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した後で、0.99g(0.005mol)のb3−2を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−3)を得た。
合成例A−1−4
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、3.14g(0.01mol)の1,7−ビス(3−アミノフェノキシ)ヘプタン(b1−4と略称)、8.40g(0.025mol)式(b−2−4)に示すジアミン化合物(b2−2と略称)、1.08g(0.010mol)のb3−1及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.91g(0.05mol)のa−1及び20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した後で、0.54g(0.005mol)のb3−1を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−4)を得た。
合成例A−1−5
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、4.60g(0.02mol)ビス(2−アミノフェノキシ)メタン(b1−5と略称)、5.94g(0.03mol)のb3−2及び60gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.30g(0.0525mol)のa−2及び20gのNMPを加えて、室温で1時間反応した後で、20gのNMPを加えて、室温で1時間反応した。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−5)を得た。
合成例A−1−6
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、6.45g(0.025mol)1,3−ビス(2−アミノフェノキシ)プロパン(b1−6と略称)、3.24g(0.010mol)式(b−2−14)に示すジアミン化合物(b2−3と略称)、4.92g(0.015mol)式(b−2−19)に示すジアミン化合物(b2−4と略称)及び60gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、11.21g(0.05mol)のa−3及び20gのNMPを加えて、室温で1時間反応した後で、20gのNMPを加えて、室温で1時間反応した。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−6)を得た。
合成例A−1−7
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、2.58g(0.01mol)のb1−2、4.29g(0.015mol)のb1−3、5.01g(0.025mol)のb3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.91g(0.05mol)のa−1及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応し、また氷浴で室温まで降温して30分間反応した。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−7)を得た。
合成例A−1−8
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、9.43g(0.03mol)のb1−4、1.76g(0.005mol)式(b−2−23)に示すジアミン化合物(b2−5と略称)、1.62g(0.015mol)のb3−1及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、9.81g(0.05mol)のa1−2及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応し、また氷浴で室温まで降温して30分間反応した。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−8)を得た。
合成例A−1−9
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、8.05g(0.035mol)のb1−1、1.48g(0.005mol)式(b−2−28)に示すジアミン化合物(b2−6と略称)、1.98g(0.010mol)のb3−2及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、9.53g(0.0425mol)のa−3及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応した後で、また氷浴によって室温まで降温し、1.12g(0.005mol)のa−3を10分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−9)を得た。
合成例A−1−10
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、3.45g(0.015mol)のb1−1、5.16g(0.020mol)のb1−2、1.13g(0.0035mol)のb2−3、2.00g(0.010mol)のb3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、9.82g(0.045mol)のa−1及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応した後で、また氷浴によって室温まで降温し、1.08g(0.005mol)のa−1を10分間ごとに、等量で4回分けた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−10)を得た。
合成例A−1−11
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、11.45g(0.04mol)のb1−3、0.27g(0.0025mol)のb3−1及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、3.27g(0.015mol)のa−1、6.86g(0.035mol)のa−2及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応した後で、また氷浴によって室温まで降温し、0.54g(0.005mol)のb3−1を10分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−11)を得た。
合成例A−1−12
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、13.35g(0.0425mol)のb1−4、1.34g(0.004mol)のb2−2及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、11.21g(0.05mol)のa1−3及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応した後で、また氷浴によって室温まで降温し、1.57g(0.005mol)のb1−4を10分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−1−12)を得た。
合成例A−2−1
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、1.73g(0.0075mol)のb1−1、2.68g(0.01mol)のb2−1、6.94g(0.035mol)のb3−2及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、8.82g(0.045mol)のa−2及び20gのNMPを加えた。室温で2時間反応した後で、0.99g(0.005mol)のa−2を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、97gのNMP、2.55gの無水酢酸及び7.91gのピリジンを加え、60℃まで昇温し、且つ持続的に2時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−2−1)を得た。
合成例A−2−2
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、2.58g(0.010mol)のb1−2、2.16g(0.020mol)のb3−1、3.00g(0.015mol)のb3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.91g(0.05mol)のa−1及び20gのNMPを加えた。室温で2時間反応した後で、1.00g(0.005mol)のb3−3を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、97gのNMP、2.55gの無水酢酸及び7.91gのピリジンを加え、60℃まで昇温し、且つ持続的に4時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応溶液を1500mlの水に注いで、ポリマーを析出させるために。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−2−2)を得た。
合成例A−2−3
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、3.58g(0.0125mol)のb1−3、8.40g(0.025mol)のb2−2、2.48g(0.0125mol)のb3−2及び60gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.30g(0.0525mol)のa−2及び20gのNMPを加えた。室温で1時間反応した後で、20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した。反応完了後、97gのNMP、5.1gの無水酢酸及び11.86gのピリジンを加え、50℃まで昇温し、且つ持続的に2時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−2−3)を得た。
合成例A−2−4
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、2.86g(0.010mol)のb1−3、6.28g(0.020mol)のb1−4、0.97g(0.003mol)のb2−3、3.00g(0.015mol)のb3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、11.21g(0.05mol)のa−3及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して1時間反応し、また氷浴によって室温まで降温し1時間反応した。反応完了後、97gのNMP、5.1gの無水酢酸及び11.86gのピリジンを加え、50℃まで昇温し、且つ持続的に4時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−2−4)を得た。
合成例A−2−5
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、8.05g(0.035mol)のb1−1、1.62g(0.015mol)のb3−1及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、2.94g(0.015mol)のa−2、6.73g(0.030mol)のa−3及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応した後で、また氷浴によって室温まで降温し、1.12g(0.005mol)のa−3を10分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、97gのNMPを加え、7.65gの無水酢酸及び19.78gのピリジン、50℃まで昇温し、且つ持続的に4時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−2−5)を得た。
合成例A−2−6
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、10.97g(0.0425mol)のb1−2、0.82g(0.0025mol)のb2−4及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.91g(0.05mol)のa−1及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して30分間反応した後で、また氷浴によって室温まで降温し、1.29g(0.005mol)のb1−2を10分間ごとに、等量で4回分けた。反応完了後、97gのNMP、7.65gの無水酢酸及び19.78gのピリジンを加えて、50℃まで昇温し、且つ持続的に4時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A−2−6)を得た。
比較合成例A’−1−1
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、6.7g(0.025mol)と略称b2−1、2.48g(0.0125mol)b3−2、2.50g(0.0125mol)b3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、8.82g(0.045mol)のa−2及び20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した後で、0.99g(0.005mol)のa−2を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A’−1−1)を得た。
比較合成例A’−1−2
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、8.40g(0.025mol)b2−2、1.08g(0.01mol)のb3−1、1.98g(0.01mol)b3−2及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.91g(0.05mol)のa−1及び20gのNMPを加えて、室温で2時間反応した後で、0.54g(0.005mol)のb3−1を20分間ごとに、等量で3回分けて加えた。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A’−1−2)を得た。
比較合成例A’−1−3
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、加える3.24g(0.010mol)b2−3、4.92g(0.015mol)b2−4、2.7g(0.025mol)b3−1及び60gのNMP、室温で溶解まで撹拌した。そして、11.21g(0.05mol)のa−3及び20gのNMPを加えて、室温で1時間反応した後で、20gのNMPを加えて、室温で1時間反応した。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A’−1−3)を得た。
比較合成例A’−1−4
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、8.05g(0.035mol)のb1−1、1.48g(0.005mol)のb2−6、1.98g(0.010mol)のb3−2及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.64g(0.0475mol)のa−3及び20gのNMPを加えて、60℃で2時間反応した。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A’−1−4)を得た。
比較合成例A’−2−1
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、1.73g(0.0075mol)のb1−1、2.68g(0.01mol)のb2−1、6.94g(0.035mol)のb3−2及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、9.81g(0.05mol)のa−2及び20gのNMPを加えた。室温で2時間反応した後で、97gのNMP、2.55gの無水酢酸及び7.91gのピリジンを加えて、60℃まで昇温し、且つ持続的に2時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応完了後、ポリマーを析出させるために、反応溶液を1500mlの水に入れた。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A’−2−1)を得た。
比較合成例A’−2−2
容量500mlの四つ口コニカルフラスコに窒素ガス入口、撹拌器、凝縮管及び温度計を設けて、窒素ガスを導入した。その後、四つ口コニカルフラスコに、0.97g(0.003mol)b2−3、5.95g(0.030mol)のb3−2、3.00g(0.015mol)のb3−3及び80gのNMPを加えて、室温で溶解まで撹拌した。そして、10.91g(0.05mol)のa−1及び20gのNMPを加えて、60℃で1時間反応した後で、氷浴によって40℃まで降温して1時間反応し、また氷浴によって室温まで降温し1時間反応した。反応完了後、97gのNMP、2.55gの無水酢酸及び7.91gのピリジンを加えて、60℃まで昇温し、且つ持続的に4時間撹拌して、イミド化反応を行った。反応溶液を1500mlの水に注いで、ポリマーを析出させるために。その後、得られたポリマーをろ過して、メタノールで洗浄し濾過する工程を3回繰り返し、真空オーブンに入れて、温度60℃で乾燥させて、ポリマー(A’−2−2)を得た。
液晶配向剤の製造
実施例1
実施例1は、100重量部のポリマー(A−1−1)と800重量部のN−メチル−2−ピロリジノン(B−1)とを室温で混合させて、実施例1の液晶配向剤を製造した。実施例1の液晶配向剤の具体的な組成及び後の評価結果は、表3に示す。
液晶配向膜及び液晶表示素子の調製
上記実施例1により得られた液晶配向剤を、スピンコートによって画素電極を有し且つ能動層がIGZOである薄膜トランジスタの基材に形成した。前記画素電極は、1対のITO電極(電極幅:10μm、電極間隔:10μm、電極高度:50nm)を有するIPS駆動用電極である。前記ITO電極は、それぞれくし歯状の形状を有し、且つ互いのくし歯状部分が離間して噛み合うように配置される。その後、80℃の加熱板に2分間プリベーク処理し、230℃で20分間ポストベーク処理して、膜厚100nmの塗膜を得た。そして、配向処理した後で、液晶配向膜を有する薄膜トランジスタの基材を形成した。なお、対向基材として画素電極が形成されていない高4μmの柱状のスペーサーを有するガラス基板に対しても同様に塗膜を形成し、且つ同様に配向処理を行って別の液晶配向膜を得た。その後、前記2枚の基材を1組として、2枚の基材の摩擦方向を180度で反対するように貼りついた後で、減圧注入法によって液晶MLC−2041(Merck会社製造)を注入し、且つ紫外線固化ゲルによって液晶注入口を封止して、紫外線ランプによる光で紫外線固化ゲルを固化させて、実施例1の液晶表示素子になった。
実施例2〜18及び比較例1〜6
実施例2〜18及び比較例1〜6は、実施例1と同一の方法を使用するが、実施例2〜18及び比較例1〜6では、液晶配向剤におけるポリマー、溶剤、添加剤及び/又はその使用量を変えることに異なった。実施例2〜18及び比較例1〜6の液晶配向剤の具体的な組成及び評価結果については、表3及び表4を参照されたい。
比較例7
比較例7も、実施例2と同じような方法を使用するが、比較例7の液晶配向膜により調製された薄膜トランジスタの基材の能動層は低温多結晶シリコン(Low Temperature Poly−silicon;LTPS)であることに異なった。比較例7の具体的な組成及び評価結果については、表4を参照されたい。
評価方法
1.抵抗光安定性
上記液晶配向剤をプリンタ(日本写真印刷株式会社(Nissha Co., Ltd.)製、規格S15−036)によってそれぞれITO(indium tin oxide)により構成されたくし歯状にパターニングされた画素電極を有するガラス基板に塗布して、プレコーティング層を形成した。その後、ガラス基板を加熱板に置き、温度100℃、時間5分間の条件でプリベーク処理を行った。次に、循環オーブンで、温度220℃、時間30分間の条件でポストベーク処理を行って、上面に膜厚100nmの液晶配向膜が形成されたガラス基板を得、抵抗光安定性を測量するための検査セルであった。
イオン密度測定システム(株式会社東陽テクニカ(TOYO corporation)製;規格6254型)を使用し、周波数0.01Hz、振幅10Vの電圧にし、上記検査セルに流れる電流及び対応する電圧によって、検査セルの第1の抵抗Rを測量した。上記電流は3.16nAであり、且つ上記測量は、23℃の温度及び50%の湿度の雰囲気で行った。その後、照度6mW/cmの白色発光ダイオードによって上記検査セルを300秒間も照射し、第2の抵抗Rを測量した後で、下記式(1)に基づいて抵抗光安定性(△RUV)を算出した。
△RUV=R−R (1)
◎:△RUV <300GΩ。
○:300GΩ≦△RUV<400GΩ。
△:400GΩ≦△RUV<500GΩ。
×:500GΩ≦△RUV
2.蓄積電荷除去性
実施例1〜18及び比較例1〜7により製造された液晶表示素子を、それぞれ3Vの直流電圧で30分間印加して、電気測量機器(TOYO Corporation製;規格Model 6254)によって液晶表示素子の電圧解除後の蓄積電圧(VR1)及び電圧解除後の15分間の蓄積電圧(VR2)を測量し、下記式(IV)に基づいて蓄積電荷除去勾配(V)を算出し、下記基準によって評価を行った。
Figure 2019003188
※:80%<V
◎:75%<V≦80%。
○:70%<V≦75%。
△:65%<V≦70%。
×:V≦65%。
表3を参照されたい。本発明の実施例1〜18の液晶配向剤におけるポリマー(A)は、特定の製造方法及び特定のジアミン化合物(b1)によって製造され、上記ポリマー(A)により調製された液晶配向剤は、何れも良好な抵抗光安定性を有する。上記実施例の液晶配向剤は、IGZO能動層を有する薄膜トランジスタの基材に液晶配向膜を形成して、良好な蓄積電荷除去性を持つ液晶表示素子を製造することができる。更にいうと、液晶配向剤のポリマー(A)がジアミン化合物(b2)によって合成され、及び/又はジアミン化合物(b1)とジアミン化合物(b2)とのモル比[(b1)/(b2)]が一定の範囲にある場合も、液晶表示素子の蓄積電荷除去性を更に向上させることができる。
一方、表4からわかるように、本発明の主張したポリマー(A)によって液晶配向剤を調製しないと、所望の抵抗光安定性を達成させできず、上記液晶配向剤により形成された液晶配向膜を含む液晶表示素子の蓄積電荷除去性が不良である。また、本発明の主張したポリマー(A)によって良好な抵抗光安定性を持つ液晶配向剤を形成しても、製造された液晶配向膜がIGZO能動層を有する薄膜トランジスタの基材と組み合わせなくとも、液晶表示素子の蓄積電荷除去性が不良である。
本発明を複数の実施例によって以上のように開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、各種の変更及び修飾することができる。本発明は、特許請求の範囲の記載によって限定される。
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
Figure 2019003188
100:検査セル
110:基板
120:画素電極
130:液晶配向膜
200:液晶表示素子
210:第1のセル
212:薄膜トランジスタの基材
214:画素電極
216:第1の液晶配向膜
220:第2のセル
222:第2の基板
226:第2の液晶配向膜
230:液晶セル

Claims (11)

  1. 液晶配向剤を薄膜トランジスタの基材に塗布してプレコーティング層を形成し、また前記プレコーティング層に対してプリベーク処理、ポストベーク処理及び配向処理を行うことで前記液晶配向膜を製造する液晶配向膜の製造方法において、
    前記薄膜トランジスタの基材は、材料が酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide;IGZO)である能動層を含み、且つ前記液晶配向剤は、
    テトラカルボン酸二無水物組成物(a)及びジアミン組成物(b)を含む混合物により反応して得られ、且つ前記ジアミン組成物(b)は式(b−1)に示すジアミン化合物(b1)を含む
    Figure 2019003188
    (前記式(b−1)において、前記hは1〜12の整数を表す)ポリマー(A)と、
    溶剤(B)と、を含み、
    前記液晶配向膜の抵抗光安定性△RUVは、500GΩより小さく、且つ下記の工程により測定される液晶配向膜の製造方法:
    (i)基板、前記基板における画素電極及び前記画素電極における前記液晶配向膜により組成される検査セルを提供する工程;
    (ii)イオン密度測定システムを使用し、周波数0.01Hz及び振幅10Vの電圧にし、前記検査セルに流れる電流及び対応する電圧によって、前記検査セルの第1の抵抗Rを測量し、前記電流は3.16nAであり、且つ23℃の温度及び50%の湿度で前記第1の抵抗Rを測量する工程;
    (iii)照度6mW/cmの白色発光ダイオードによって前記検査セルを300秒間も照射して前記検査セルの第2の抵抗Rを測量する工程;及び
    (iv)下記式(1)に基づいて前記抵抗光安定性(△RUV)を算出する工程:
    △RUV=R−R 式(1)。
    により測定される液晶配向膜の製造方法。
  2. 前記液晶配向膜の前記抵抗光安定性△RUVは、400GΩより小さい請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  3. 前記液晶配向膜の前記抵抗光安定性△RUVは、300GΩより小さい請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  4. 前記ジアミン組成物(b)は、式(b−2)により示すジアミン化合物(b2)を含み、
    Figure 2019003188
    前記式(b−2)において、前記Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アセチルアミノ基、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表し、前記Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、前記mはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、前記nは0〜4の整数を表す請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  5. 前記式(b−2)のジアミン化合物(b2)において、前記Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はアセチルアミノ基を表す請求項4に記載の液晶配向膜の製造方法。
  6. 前記ジアミン組成物(b)の合計モル数100molに対して、前記式(b−1)により示す前記ジアミン化合物(b1)の使用量は15〜95molである請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  7. 前記ジアミン組成物(b)の合計モル数100molに対して、前記式(b−2)により示す前記ジアミン化合物(b2)の使用量は5〜50molである請求項4に記載の液晶配向膜の製造方法。
  8. 前記ジアミン化合物(b1)と前記ジアミン化合物(b2)とのモル比[(b1)/(b2)]は、0.5〜10.0である請求項4に記載の液晶配向膜の製造方法。
  9. 前記ポリマー(A)の使用量の合計100重量部に対して、前記溶剤(B)の使用量は800〜4000重量部である請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  10. 前記薄膜トランジスタの基材は、
    第1の基板と、
    前記第1の基板に設けられ、それぞれゲート絶縁層、前記能動層、ソース及びドレインを含む複数の薄膜トランジスタセルと、
    を含む請求項1に記載の液晶配向膜の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の液晶配向膜の製造方法により製造された液晶配向膜を含む液晶表示素子。
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