JP5712949B2 - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、発光装置において発光素子上に蛍光体を塗布するための技術に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)系の青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップの近傍にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体等の蛍光体を配置された白色発光装置を得る技術が広く用いられている。このような白色発光装置では、青色LEDチップから出射される青色光と、蛍光体が青色光を受けて二次発光することにより出射される黄色光との混色により白色光を発光させている。また、青色LEDチップから出射される青色光と、各蛍光体が青色光を受けて二次発光することにより出射される赤色光及び緑色光との混色により白色光を発光させる技術も用いられている。
このような白色発光装置には様々な用途があり、例えば、蛍光灯や白熱電灯の代替品としての需要がある。また、自動車のヘッドライト等の非常に高い輝度が求められる照明装置へも使われつつある。
このような白色LEDでは、蛍光体を分散させた透明樹脂を用いてLEDチップや実装部を封止する方法が一般的である。しかし、封止樹脂中を通過する光路長が放射角により異なるため、放射角により色味が異なるという課題がある。
この課題に対し、発光素子上に直接蛍光体液をスプレー塗布することで、発光素子上に均一な膜厚で波長変換層を形成する検討が行われている。
WO2011/083841 特許3925137
蛍光体液には溶剤が含まれているため、スプレー時の乾燥性が低いと、液流れや表面張力等の影響を受け、発光素子側面や、コーナーエッジ部への付着性が悪くなる。
このため、従来例では、いずれもスプレー塗布時に、基板(被塗布物)を加熱することにより乾燥性を向上させていた。
しかしながら、蛍光体分散液を塗布する際、発光素子自身を加熱した場合、発熱体の近傍で多量の溶剤が一度に揮発する危険性があるため、厳重な防爆対策が必要となる。また、揮発した溶剤をダクトで排気する必要があるため、系内を不活性ガス雰囲気下にすることが困難で、結果として酸素存在下で加熱することとなり、電極や反射層のような金属部品の酸化を促進する恐れがある。
本発明では、発光素子上に蛍光体分散液を塗布する際に、発光素子を加熱することなく、蛍光体層を形成することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、所定波長の光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射された光を受けて、前記所定波長とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、を備える発光装置の製造方法であって、前記発光素子を加熱することなく、蛍光体、無機微粒子、沈殿防止剤、及び溶剤を含む蛍光体分散液を、前記発光素子に向けて間欠的に噴霧することで当該発光素子上に塗布する段階を含み、前記波長変換部を形成する工程を備えたことを特徴とする発光装置の製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項2に記載の発光装置の製造方法であって、前記溶剤は、沸点が100℃未満のアルコールを含んで構成された第1の溶剤と、沸点が100℃以上の水またはアルコールを含んで構成された第2の溶剤とを含むことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発光装置の製造方法であって、前記溶剤は、沸点が100℃未満のアルコールを含んで構成された第1の溶剤と、沸点が100℃以上の水またはアルコールを含んで構成された第2の溶剤とを含むことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発光装置の製造方法であって、前記第1の溶剤の成分重量M1と前記第2の溶剤の成分重量M2とが、M2≦M1≦M2×2の条件を満たすことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法であって、前記沈殿防止剤は、層状ケイ酸塩鉱物を含むことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法であって、前記工程では、前記蛍光体分散液を塗布した後に、有機金属化合物を含むセラミック前駆体液を、前記発光素子上に塗布する段階を含むことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法であって、前記工程では、前記蛍光体分散液の吐出とその停止とを繰り返すことで、前記間欠的に噴霧し、前記吐出の時間T1は、5[ms]≦T1≦1000[ms]の条件を満たすことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項7に記載の発光装置の製造方法であって、前記蛍光体分散液の吐出を停止している期間中に、0[ms]<T2≦1000[ms]の条件を満たす時間T2の範囲で、前記発光素子上に空気を噴霧することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の発光装置の製造方法であって、前記吐出と停止を繰り返す周期T3は、50[ms]≦T3≦2000[ms]を満たすことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法であって、前記発光素子は、上面と側面とを有する板状に形成され、前記工程では、前記上面の法線方向に対して所定の角度θ1だけ傾けられた方向に、前記蛍光体分散液を吐出することで、前記発光素子上に塗布することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発光装置の製造方法であって、前記角度θ1は、20°≦θ1≦70°の条件を満たすことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の発光装置の製造方法であって、前記角度θ1は、45°≦θ1≦70°の条件を満たすことを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項10〜請求項12のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法であって、前記発光素子は、前記上面が四角形の形状であって、前記上面の周囲に4つの側面を有し、前記工程では、前記蛍光体分散液が吐出される方向と、隣接する2つの側面の成す角の二等分線を延長した方向とが、前記法線方向に垂直な面上で成す角度θ2が、−25°≦θ2≦25°の条件を満たして噴霧することで、前記上面と前記2つの側面とに前記蛍光体分散液を塗布することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発光装置の製造方法であって、前記上面と前記2つの側面とに前記蛍光体分散液が塗布した後に、前記発光素子の向きを、前記上面の法線方向を軸に180°回転させ、前記2つの側面とは反対側に位置する他の2つの側面と、前記上面とに前記蛍光体分散液を塗布することを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の発光装置の製造方法であって、前記上面と前記2つの側面とに前記蛍光体分散液が塗布した後に、前記発光素子の向きを、前記上面の法線方向を軸に90°回転させ、前記2つの側面の組とは異なる他の2つの側面の組と、前記上面とに前記蛍光体分散液を塗布することを特徴とする。
この発明によると、蛍光体分散液を間欠的に塗布することで、蛍光体分散液の吐出を停止している期間を利用して、直前に塗布された蛍光体分散液の乾燥性を促進させることが可能となる。また、沸点の異なる複数の溶剤を配合することにより、蛍光体の分散安定性を維持しつつ、乾燥性を促進させることが可能となり、両者の組み合わせにより、スプレー塗布時の加熱を不要とすることが可能となる。
本実施形態に係る発光装置の構成を示した概略断面図である。 本実施形態に係る蛍光体塗布装置の構成を示した概略図である。 本実施形態に係る蛍光体塗布装置の構成を示した概略的な側面図である。 発光素子がアレイ状に形成された被塗布物の一例を示した概略的な平面図である。 スプレー手段の一態様を示した概略図である。 発光素子の概略的な斜視図である。 ノズルと発光素子の位置関係について説明するための図である。 ノズルと発光素子の位置関係について説明するための図である。 本発明の実施形態における塗布方法について説明するための図である。 本発明の実施形態における塗布方法について説明するための図である。 蛍光体分散液の塗布に係る一連の処理の流れを示したフローチャートである。 実施例1の評価結果である。 実施例2−1及び実施例2−2の評価結果である。 比較例に係る発光装置の概形を示した概略断面図である。 変形例における塗布方法について説明するための図である。 変形例における塗布方法について説明するための図である。 変形例における塗布方法について説明するための図である。 変形例における塗布方法について説明するための図である。 変形例における塗布方法について説明するための図である。 変形例における塗布方法について説明するための図である。
(発光装置の構成)
図1を参照しながら、本発明に係る蛍光体塗布装置1を用いて生成された発光装置50の構成について説明する。発光装置50は、基板51を有しており、その底部にはメタル部52が設けられ、メタル部52上には直方体状の発光素子53が配置されている。この発光素子53は、所定波長の光を出射する発光素子の一例である。発光素子53のメタル部52に対向する面には、突起電極54が設けられており、メタル部52と発光素子53とが突起電極54を介して接続されている(フリップチップ型)。なお、ここでは、一つの基板51に対して一つの発光素子53が設けられる構成を図示しているが、一つの基板51上に複数の発光素子53を設けることとしてもよい。
本実施形態の発光装置50では、発光素子53として青色発光素子が用いられている。青色発光素子は、例えば、サファイア基板上にn−GaN系クラッド層、InGaN発光層、p−GaN系クラッド層、及び透明電極を積層してなる。
基板51には、発光素子53の周囲を封止するように波長変換部55が形成されている。波長変換部55は、蛍光体を含有する透光性を有するセラミック層(以降では、「透明セラミック層」と呼ぶ場合がある)として構成される透光性薄膜である。この波長変換部55の厚みは、蛍光体の種類、目標とする発光色(色度座標値)により異なるが、概ね1〜200μmであり、好ましくは、10〜50μmである。ここで、波長変換部55は、発光素子53の上面及び側面のみに設けられる構成としてもよい。発光素子53の周囲のみに波長変換部55を設ける方法としては、波長変換部55を形成する際にマスクを設置する方法等が用いられる。なお、本実施形態では、蛍光体分散液およびセラミック前駆体液を塗布後、焼成することで形成された薄膜をセラミック層と呼ぶ。
次に、波長変換部55の構成について詳述する。波長変換部55は、蛍光体分散液およびセラミック前駆体液を発光素子53上に塗布し、これを乾燥・焼成させることで形成される。蛍光体分散液とセラミック前駆体液は、予め混ぜて1液として塗布してもよく、また、蛍光体分散液を塗布・乾燥後、セラミック前駆体液を塗布してもよい。なお、以降では、蛍光体分散液とセラミック前駆体液とを分離する場合を「2液処方」、前述した分離しない場合を「1液処方」と呼ぶ。
蛍光体分散液としては、蛍光体、沈降防止材、無機微粒子を溶媒中に分散した塗布液を使用する。本実施形態では、溶媒として、水またはアルコール系溶剤を使用するのが望ましい。水またはアルコール系溶剤は、臭気等もなく取扱いが容易で安全性が高く、かつ比較的低沸点のため、乾燥性も良好である。アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のアルコール類が好ましい。これの溶媒を単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。以下に、本実施形態における溶剤の組成比の一例について説明する。
本実施形態に係る蛍光体分散液の溶剤は、沸点が100[℃]未満の溶剤と、沸点が100[℃]以上の溶剤とを混合して用いる。詳細は後述するが、本実施形態では、発光素子53を加熱することなく蛍光体分散液をスプレー塗布し、その後、これを焼成させて波長変換部55を形成する。スプレー時に加熱不要とするために、100[℃]以上の溶剤(水またはアルコール)に対する、100[℃]未満の溶剤(アルコール)の成分比率を高くし、この溶剤を用いた蛍光体分散液の乾燥性を高める。また、沸点が100[℃]未満である低沸点の溶剤、100[℃]以上200[℃]未満である中沸点の溶剤、及び200[℃]以上の高沸点の溶剤を組み合わせてもよい。なお、低沸点の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが挙げられる。また、中沸点の溶剤としては、例えば、水、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。また、高沸点の溶剤としては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、グリセリンが挙げられる。これらの低沸点、中沸点、及び高沸点の各溶剤は、それぞれについて単体で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また、後述する沈降防止材(層状ケイ酸塩)との組み合わせにおいて、増粘効果があり、長期にわたって蛍光体が沈降することなく分散安定性のよい塗布液を形成することが可能である。具体的には、アルコール系の中でもより低沸点のイソプロピルアルコールを加える。ただし、イソプロピルアルコールは低粘度のため、含有量を多くし過ぎると蛍光体の沈降が発生する。そのため、プロピレングリコール、ブタンジオール等の高粘度のアルコール系溶剤と組み合わせた混合溶剤とすることが望ましい。
沈降防止材としては、層状ケイ酸塩鉱物を用いるのが望ましい。層状ケイ酸塩鉱物は、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造等の構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、なかでも膨潤性に富むスメクタイト構造が特に好ましい。これは、前述の水またはアルコール系溶剤との組み合わせにおいて、混合液の粘性を増加させる効果があり、蛍光体の沈降防止に大きな役割を果たす。
セラミック層中における層状ケイ酸塩鉱物の含有量が0.5重量%未満になると混合液の粘性を増加させる効果が十分に得られない。一方、層状ケイ酸塩鉱物の含有量が20重量%を超えると焼成後のセラミック層の強度が低下する。従って、層状ケイ酸塩鉱物の含有量は0.5重量%以上20重量%以下とすることが好ましく、0.5重量%以上10重量%以下がより好ましい。
セラミック前駆体液は、蛍光体、層状ケイ酸塩鉱物、無機微粒子を封止するバインダーとしての役割を果たす有機金属化合物を含む。
1液処方の場合、予め蛍光体分散液にセラミック前駆体液を加える。本実施形態で用いる有機金属化合物としては、例えば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート等が挙げられるが、加水分解と重合反応によりゲル化し易い金属アルコキシドが好ましい。これにより、蛍光体分散液をスプレー塗布後、加熱する工程において、ゲル化状態を経て、さらに焼成する、いわゆるゾル・ゲル法により、透明セラミック層(ガラス体)を得ることができる。その透明セラミック層中に蛍光体、層状ケイ酸塩鉱物、無機微粒子を含有することとなり、強固な蛍光体分散膜(波長変換部)が形成可能となる。蛍光体分散液と有機金属化合物とを別々に塗布する場合に比べて、製造工程の簡略化が可能となる。
金属アルコキシドは、テトラエトキシシランのような単分子のものでも良いし、有機シロキサン化合物が鎖状または環状に連なったポリシロキサンでも良いが、混合液の粘性が増加するポリシロキサンが好ましい。なお、透光性のガラス体を形成可能であれば金属の種類に制限はないが、形成されるガラス体の安定性や製造の容易性の観点から、ケイ素を含有していることが好ましい。また、複数種の金属を含有していても良い。
また、溶媒に対する有機金属化合物の混合量が5重量%未満になると混合液の粘性を増加させることが困難となり、有機金属化合物の混合量が50重量%を超えると重合反応が必要以上に速く進んでしまう。そのため、溶媒に対する有機金属化合物の混合量は5重量%以上50重量%以下が好ましく、8重量%以上40重量%以下がより好ましい。
また、蛍光体分散液中にセラミック前駆体材料である有機金属化合物を含有していると、塗布液(即ち、蛍光体分散液)の保存時に反応が進むことで粘度が上昇し、塗布性が悪化する場合がある。また、セラミック前駆体材料の反応は一般的に非可逆的な反応であり、蛍光体粒子を含有する混合液中でセラミック前駆体材料である有機金属化合物の反応が進行した場合には、蛍光体粒子を含む混合液全てが使用不可能となる恐れがある。
そのため、蛍光体分散液を塗布し乾燥させた後に、有機金属化合物を含むゾル状の前駆体液を、前記発光素子上に塗布してもよい(2液処方)。このように、蛍光体分散液とセラミック前駆体液とを分離し、2回に分けて塗布する構成とすることで、蛍光体分散液の保存安定性を高めるとともに、セラミック前駆体材料の反応が進行した場合においても蛍光体粒子が無駄にならない。なお、以降では、蛍光体分散液と有機金属化合物を含む液とを分離する場合を「2液処方」、前述した分離しない場合を「1液処方」と呼ぶ場合がある。
蛍光体は、発光素子53からの出射光の波長(励起波長)により励起されて、励起波長と異なる波長の蛍光を出射するものである。本実施形態では、青色発光素子から出射される青色光(波長420nm〜485nm)を黄色光(波長550nm〜650nm)に変換するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体を使用している。
このような蛍光体は、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La、Gaの酸化物、または高温で容易に酸化物となる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して混合原料を得る。或いは、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶液をシュウ酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。そして、得られた混合原料にフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して加圧し、成形体を得る。得られた成形体を坩堝に詰め、空気中で1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成し、蛍光体の発光特性を持つ焼結体を得る。次に、この焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥して、最後に篩を通すことで所望の蛍光体を得ることができる。
また、得られた蛍光体の組成を調べ、所望の蛍光体であることを確認し、465nmの励起光における発光波長を調べたところ、おおよそ570nmにピーク波長を有していることを確認した。つまり、青色の光を照射すると黄色の発光を示す蛍光体を得ることができる。
なお、本実施形態ではYAG蛍光体を使用しているが、蛍光体の種類はこれに限定されるものではなく、例えばCeを含まない非ガーネット系蛍光体等の他の蛍光体を使用することもできる。また、蛍光体の粒径が大きいほど発光効率(波長変換効率)は高くなる反面、有機金属化合物との界面に生じる隙間が大きくなって形成された透明セラミック層の膜強度が低下する。従って、発光効率と有機金属化合物との界面に生じる隙間の大きさを考慮し、平均粒径が1μm以上50μm以下のものを用いることが好ましい。蛍光体の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定することができる。
無機微粒子は、有機金属化合物と、蛍光体及び層状ケイ酸塩鉱物との界面に生じる隙間を埋める充填効果、加熱前の混合液の粘性を増加させる増粘効果、及び焼成後の透明セラミック層の膜強度を向上させる膜強化効果を有する。本発明に用いられる無機微粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物微粒子、フッ化マグネシウム等のフッ化物微粒子等が挙げられる。特に、有機金属化合物としてポリシロキサン等の含ケイ素有機化合物を用いる場合、形成される透明セラミック層に対する安定性の観点から酸化ケイ素の微粒子を用いることが好ましい。
透明セラミック層中における無機微粒子の含有量が0.5重量%未満になると上述したそれぞれの効果が十分に得られない。一方、無機微粒子の含有量が50重量%を超えると焼成後のセラミック層の強度が低下する。従って、透明セラミック層中における無機微粒子の含有量は0.5重量%以上50重量%以下とすることが好ましく、1重量%以上40重量%以下がより好ましい。また、無機微粒子の平均粒径は、上述したそれぞれの効果を考慮して0.001μm以上50μm以下のものを用いることが好ましい。無機微粒子の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定することができる。
なお、有機金属化合物や溶媒との相溶性を考慮して、無機微粒子の表面をシランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理したものを適宜用いることもできる。
蛍光体分散液の調製手順としては、例えば、表面処理された親油性の層状ケイ酸塩鉱物を用いる場合は、先ず溶媒に層状ケイ酸塩鉱物を予備混合し、その後に蛍光体、無機微粒子を混合する。また、表面処理されていない親水性の層状ケイ酸塩鉱物を用いる場合は、先ず層状ケイ酸塩鉱物と水とを予備混合し、その後に蛍光体、無機微粒子を混合する。これにより、層状ケイ酸塩鉱物を均一に混合して増粘効果をより高めることができる。混合液の好ましい粘度は25〜800cPであり、最も好ましい粘度は30〜500cPである。
蛍光体分散液中に含まれる上記各成分の最も好ましい組成範囲は、層状ケイ酸塩鉱物が0.1〜5重量%、無機微粒子が1〜40重量%である。
2液処方の場合、以上のようにして得られた蛍光体分散液を発光素子53に所定量塗布・乾燥後、セラミック前駆体液を塗布し、乾燥・焼成させることで、所定の膜厚の蛍光体分散膜(即ち、波長変換部55)を形成する。
1液処方の場合、上記した溶液の調整時に、予めセラミック前駆体である有機金属化合物を溶媒に混合した溶液を用いて行う。このセラミック前駆体を含む蛍光体分散液を発光素子53に所定量塗布後、乾燥・焼成させることで、所定の膜厚の蛍光体分散膜(即ち、波長変換部55)を形成する。
なお、本発明の、加熱することなく塗布する環境条件は、気温10〜40℃、湿度20〜80%が望ましく、その中でも、気温は高め、湿度は低めがより望ましい。
また、形成された蛍光体分散膜(即ち、波長変換部55)の厚みが5μm未満である場合は波長変換効率が低下して十分な蛍光が得られず、蛍光体分散膜の厚みが500μmを超える場合は膜強度が低下してクラック等が発生し易くなる。従って、蛍光体分散膜の厚みは5μm以上500μm以下であることが好ましい。
(蛍光体塗布装置の構成)
次に、波長変換部55を形成するために、発光素子53に対して蛍光体分散液をスプレー塗布する方法と、これを実現する蛍光体塗布装置について説明する。従来の方法では、発光素子53に蛍光体分散液をスプレー塗布する際に、発光素子を加熱することで乾燥性を高め、波長変換部55を形成していた。本実施形態では、蛍光体分散液の吐出と停止を繰り返して、発光素子53に蛍光体分散液を間欠的に塗布する。このように動作させることで、吐出を停止している間に蛍光体分散液の乾燥を促進させて、蛍光体分散液の塗布中に発光素子を加熱することなく波長変換部55を形成する。以降では、図2A及び図2Bを参照しながら、本実施形態に係る蛍光体塗布装置の構成について説明する。図2Aは、本実施形態に係る蛍光体塗布装置の構成を示した概略図である。なお、図2Aにおける横方向はx方向を示しており、これに垂直な縦方向はz方向、x方向及びz方向の双方に垂直な奥行き方向はy方向を示している。また、図2Bは、本実施形態に係る蛍光体塗布装置を、x方向から見た概略的な側面図である。
本実施形態に係る蛍光体塗布装置1は、基板51に搭載された発光素子53に蛍光体分散液をスプレー手段12により塗布する装置である。図2A及び図2Bに示すように、蛍光体塗布装置1は、スプレー手段12と、ステージ13と、これらを所定の位置に保持するための支持部11と、エアー供給部2と、制御部3とを含んで構成される。ステージ13には、基板51に搭載された発光素子53が保持される。なお、図2A及び図2Bでは、以降の説明を分かりやすくするために、発光素子53のみを図示ししている。また、スプレー手段12は、蛍光体分散液を貯留するためのタンク123と、蛍光体分散液を噴霧するノズル121と、蛍光体分散液をタンク123からノズル121まで給送する配管122とを含んで構成されている。
(エアー供給部2)
エアー供給部2は、エアーを供給する供給部であり、例えば、ポンプ等により構成されている。エアー供給部2には、エアー供給管21、22および23それぞれの一端が接続されている。エアー供給管22の他端は、タンク123に接続されている。即ち、エアー供給管22を介して出力されたエアーは、タンク123に供給される。このエアーの圧力により、タンク123内の蛍光体分散液が、配管122を介してノズル121まで供給される。また、エアー供給管23の他端は、ノズル121に供給され、エアーの供給と停止を逐次切り替えることで、ノズル先端のバルブを開閉し、ノズル開時にタンク123より供給された蛍光体液が、ノズル121から噴霧される。また、エアー供給管21の他端は、ノズル121に接続されている。即ち、エアー供給管21を介して出力されたエアーは、ノズル121に供給されて、ノズル121からエアーのみが噴霧される。エアー供給部2は、エアー供給管21、22及び23それぞれに独立してエアーを供給し、それぞれへのエアーの供給タイミングは、後述する吐出制御部32により制御される。これにより、例えば、エアー供給管23へのエアーの供給と停止を遂次切り替えることで、ノズル121から蛍光体分散液を間欠的に噴霧することが可能となる。また、エアー供給管23へのエアー供給を停止している間に、エアー供給管21にエアーを供給することで、蛍光体分散液の噴霧を停止している間に、ノズル121からエアーのみを噴霧させて、塗布された蛍光体分散液の乾燥を促進させることが可能となる。
なお、本実施例では、ノズル先端のバルブの開閉をエアーで行う例を示したが、ノズル121内のバルブを電気的に開閉しても良い。その場合、エアー供給管23の代わりに制御部より電気的な信号線がノズル121と接続され、エアー供給管21へのエアー供給のタイミングと、電気的なバルブ開閉信号とのタイミングを制御することで、間欠的な噴霧を可能とする。
(制御部3)
制御部3は、位置制御部31と、吐出制御部32とを含んで構成されている。
位置制御部31は、蛍光体分散液を塗布するための工程ごとに、ノズル121とステージ13との相対的な位置関係を示す制御情報をあらかじめ記憶している。位置制御部31は、この制御情報に基づいて後述する支持部11の各部の動作を制御し、ノズル121及びステージ13の位置及び向きを調整する。この相対的な位置関係には、ステージ13を基準として、ノズル121の相対的な位置と、法線方向(z軸)を軸にしたノズル121の回転、及び、ステージ13上の発光素子53に対する蛍光体分散液の入射角の制御が含まれる。これらの動作の詳細については、支持部11の説明とあわせて後述する。
吐出制御部32は、ノズル121から蛍光体分散液及びエアーそれぞれを吐出するタイミングを示す制御情報をあらかじめ記憶している。吐出制御部32は、この制御情報に基づくタイミングでエアー供給部2の動作を制御し、ノズル121から蛍光体分散液またはエアーを噴霧させる。具体的には、吐出制御部32は、蛍光体分散液の吐出タイミングに合わせて、エアー供給部2にエアー供給管23へのエアーの供給を指示する。また、吐出制御部32は、エアーの吐出タイミングに合わせて、エアー供給部2にエアー供給管21へのエアーの供給を指示する。
なお、蛍光体分散液を間欠的に塗布する場合には、蛍光体分散液を吐出する時間をT1とした場合、5[ms]≦T1≦1000[ms]とすることが望ましい。これは、T1が1000[ms]より長くなると、蛍光体分散液の吐出時間が長くなりすぎ、実質的には、蛍光体分散液を連続で吐出している場合と同等となり、乾燥性が悪いためである。また、エアー供給部2のバルブ開閉のタイミングを5[ms]未満のサイクルで制御することは難しい。そのため、T1を5[ms]未満にすることは困難である。
また、蛍光体分散液の吐出を停止している期間中にノズル121からエアーを噴霧してもよい。このように動作させることで、発光素子53に塗布された蛍光体分散液の乾燥を促進させることが可能となる。また、エアーの噴霧により、ノズル121先端に残留した蛍光体分散液が排出される。これにより、ノズル121の液詰まりを抑制し、間欠塗布時の塗布量の安定性を高めることが可能となる。なお、エアーを噴霧する時間をT2とした場合、0[ms]<T2≦1000[ms]とすることが望ましい。これは、T2が1000[ms]より長くなると、乾燥した蛍光体分散液を噴霧されたエアーで吹き散らす可能性があるためである。
以上から、蛍光体分散液の吐出と停止を繰り返す周期T3は、50[ms]≦T3≦2000[ms]とすることが望ましい。なお、吐出の停止期間や、エアーの出力期間は、蛍光体分散液の粘度に応じて、上記したT1、T2、及びT3の範囲で変更するとよい。
支持部11は、ステージ13上に保持された発光素子53に対して所定の方向から発光体分散液が噴霧されるように、スプレー手段12と、ステージ13とを所定の位置に保持するための保持部材である。以下に、支持部11の具体的な構成の一例について説明する。
支持部11は、ベース部材111と、支持部材112、113、及び114と、移動機構115と、回転機構116とを含んで構成されている。ベース部材111の上面のx方向における中央近傍には、移動機構115が設けられており、この移動機構115の上面には回転機構116が載置されている。回転機構116の上面には、ステージ13が保持されている。
ここで、図2Cを参照する。図2Cは、発光素子53が複数個マトリックス状に形成された基板51の構成を示した概略的な平面図である。基板51には、位置合わせのための凹部131が設けられている。また、ステージ13の上面には凸部を設けておき、この凸部を凹部131と嵌合させることで、基板51が、ステージ13の所定の位置に、所定の向きで保持される。一般的には、このように複数の発光素子53に対して同時に蛍光体分散液を塗布するが、以降では、説明をわかりやすくするために、1個の発光素子53に着目して説明する。なお、発光素子53の大きさに対して、蛍光体分散液の放射角は広いため、発光素子53が複数配置された場合においても、各発光素子53に対して同じ条件(例えば、蛍光体分散液の入射角や塗布量)で蛍光体分散液が塗布される。
移動機構115は、その上面に載置された回転機構116及びステージ13をy軸方向に沿って移動させる。また、回転機構116は、xy平面上で回転可能に構成されており、この回転により、上面に保持されたステージ13のxy平面上における向きが変更される。移動機構115及び回転機構116の動作は、モーター等の駆動手段により実現され、この駆動手段の動き(即ち、支持部材113及び114の位置)は、位置制御部31により制御される。
また、ベース部材111の上面には、一対の支持部材112が、ステージ13をx方向に沿って挟み込むように設けられている。また、一対の支持部材112により、支持部材113が架設・保持されている。また、支持部材113には、これに沿ってx方向に移動可能に支持部材114が保持されている。さらに、支持部材114には、これに沿ってz方向に移動可能に支持部材117が保持されている。支持部材114及び117の位置の変更は、モーター等の駆動手段により実現され、この駆動手段の動き(即ち、支持部材114及び117の位置)は、位置制御部31により制御される。
また、支持部材117からy方向に向けて延伸するように軸部材124が設けられている。軸部材124には、スプレー手段12が、この軸部材124を軸に回転可能に保持されている。これにより、xz平面上においてノズル121の向きが調整され、ステージ13上に保持された発光素子53に対して、所定の角度で蛍光体分散液を塗布することが可能となる。なお、スプレー手段12は、あらかじめ決められた向きで軸部材124に固定されていてもよいし、軸部材124を軸にスプレー手段12を回転させる駆動手段を設けてもよい。駆動手段を設ける場合には、スプレー手段12の向き(即ち、駆動手段の動作)は、位置制御部31により制御させるとよい。
以上のように、支持部材114及び117と、移動機構115を設けることにより、ステージ13に対して、ノズル121を、x軸、y軸、及びz軸のそれぞれに沿って相対的に平行移動させることが可能となる。また、回転機構116を設けることで、ステージ13に対して、ノズル121を、法線方向(z軸)を軸に相対的に回転させることが可能となる。また、スプレー手段12が、軸部材124を軸にxz平面上で回転可能に保持されているため、この回転により、ステージ13上の発光素子53に対する蛍光体分散液の入射角を調整することが可能となる。なお、以降では、このスプレー手段12の回転は、位置制御部31により制御されるものとして説明する。
なお、図2A及び図2Bの例では、タンク123内の蛍光体分散液をエアー供給部2からのエアーの圧力で押し出す例について説明したが、このタンク123としてシリンジ型タンク125を用いてもよい。例えば、図2Dは、シリンジ型タンク125を用いた場合の一例を示した概略図である。シリンジ型タンク125は、シリンジ1251と、プランジャー1252と、シリンジ/供給管接続部1253と、シリンジ/ノズル接続部1254とを含んで構成されている。
シリンジ/供給管接続部1253は、シリンジ1251の一方に開口部に設けられている。このシリンジ/供給管接続部1253で、シリンジ1251とエアー供給管22が接続されることで、エアー供給管22から供給すされるエアーがシリンジ内に流入する。また、シリンジ1251の他方の開口部にはシリンジ/ノズル接続部1254が設けられている。シリンジ1251内には、プランジャー1252が収められており、プランジャー1252とシリンジ/ノズル接続部1254との間の空間には塗布液(即ち、蛍光体分散液)が収められている。
シリンジ/供給管接続部1253からシリンジ1251内にエアーが流入すると、このエアーの圧力によりプランジャー1252がシリンジ/ノズル接続部1254に向けて押し出される。このとき、プランジャー1252により、塗布液がシリンジ/ノズル接続部1254からシリンジ1251外に押し出される。
また、ノズル121側には、配管122に替えて、液供給部122’が設けられている。この液供給部122’にシリンジ/ノズル接続部1254が接続されることで、シリンジ型タンク125がノズル121に装着される。このような構成とすることで、プランジャー1252によりシリンジ1251外に押し出された塗布液は、この液供給部122’を介してノズル121内に供給される。このように、シリンジ型タンク125を用いることで、プランジャー1252によりタンク内壁への液残りを少なくすることが可能となり、例えば、液を無駄なく使用可能となる。また、液残りが少なくなるため、タンク内壁に付着した液固形分の剥離等による液濃度の変動を抑止することが可能となる。また、液供給部122’を設けることで、ノズル121にシリンジ型タンク125を直接装着することが可能となる。これにより、ノズル121とシリンジ型タンク125との間の距離が短くなり、配管洗浄に係るメンテナンス性が向上する。
なお、液供給部122’とシリンジ/ノズル接続部1254との間に2条ネジ構造を設け、シリンジ型タンク125を着脱可能に構成してもよい。このような構成とすることで、塗布液(即ち、蛍光体分散液)の供給を、シリンジ型タンク125ごと交換することで容易に行うことが可能となる。また、上記では、液供給部122’を介して、ノズル121にシリンジ型タンク125を装着する例について説明したが、前述した実施形態のように、配管122を介してノズル121にシリンジ型タンク125を接続してもよい。
(蛍光体分散液の塗布方法)
次に、蛍光体分散液の塗布方法について説明する。本実施形態に発光装置50では、発光素子53の上面及び側面を覆うように波長変換部55を設けている。そのため、波長変換部55を形成する際に、発光素子53の上面及び側面の双方に蛍光体分散液を塗布する必要がある。そこで、本実施形態に係る蛍光体塗布装置1は、軸部材124を軸にスプレー手段12の向きを調整することで、ステージ13上の発光素子53に対する蛍光体分散液の吐出方向を調整し、発光素子53の上面及び側面の双方に蛍光体分散液を塗布する。以降では、この動作について具体的に説明する。
まず、図3Aを参照する。図3Aは、発光素子53の概略的な斜視図である。以降では、図3Aに示すように、発光素子53は、四角形状の上面531と、その周囲に設けられた側面532a〜532dとを有する板状である場合を例に説明する。なお、以降では、側面532a〜532dを特に区別しない場合には、「側面532」と記載する。
ここで、図3B及び図3Cを参照する。図3B及び図3Cは、ノズル121と発光素子53との位置関係について説明するための図であり、ノズル121及び発光素子53をy方向から見た概略的な図である。図3B及び図3CにおけるL10は、xz平面上において、ノズル121から蛍光体分散液が吐出される吐出方向を示している。また、L11は、上面531の法線方向を示しており、これはz方向(鉛直方向)に相当する。また、L12は、側面532の法線方向を示しており、これはy方向(水平方向)に相当する。図3Bに示すように、方向L10及びL11の成す角度α1は、上面531に対する蛍光体分散液の入射角を示している。また、図3Cに示すように、方向L10及びL12の成す角度α2は、側面532に対する蛍光体分散液の入射角を示している。
上面531及び側面532に対する蛍光体分散液の入射角α1及びα2は、軸部材124を軸としたスプレー手段12の回転、即ち、xz平面上におけるスプレー手段12の向きの調整により決定される。このスプレー手段12の向きの調整は、位置制御部31により制御される。なお、以降では、ノズル121の傾斜角(xz平面上における向き)を、図3B及び図3Cに示す角度α1で示すものとする。
このように、上面531及び側面532の双方に対して斜めに入射するように、蛍光体分散液の吐出方向L10を調整することで、上面531及び側面532の双方に蛍光体分散液を塗布することが可能となる。上面531及び側面532の各面に対する入射角が70[°]を超えると、その面に対して蛍光体分散液が十分に付着しなくなる。そのため、ノズル121の傾斜角α1を調整するための制御情報は、20[°]≦α1≦70[°]の範囲内で調整するように生成されている。位置制御部31は、この制御情報に基づき傾斜角がα1となるようにノズル121の向きを制御する。なお、傾斜角α1が、45[°]≦α1≦70[°]の条件を満たすことが、より好ましい。この詳細も含めて、ノズル121の傾斜角α1(即ち、蛍光体分散液の吐出方向L10)の具体的な条件については、実施例1として後述する。
ノズル121の傾斜角α1を調整したら、位置制御部31は、ステージ13(即ち、発光素子53)に対するノズル121のxy平面上における相対的な向きの調整を行う。このノズル121の向きの調整に係る具体的な動作について、図4A及び図4Bを参照しながら説明する。図4A及び図4Bは、本実施形態における塗布方法について説明するための図であり、xy平面上における発光素子53とノズル121との間の相対的な位置関係を示している。図4Aは、ノズル121が側面532a及び532bを臨むように配置されている場合を示している。また、図4Bは、図4Aの状態から、ステージ13をxy平面上で180[°]回転させて、ノズル121が側面532c及び532dを臨むように配置されている場合を示している。
図4A及び図4BにおけるL20は、xy平面上において、ノズル121から蛍光体分散液が吐出される吐出方向を示している。また、図4AにおけるL21は、側面532a及び532bが成す角度の二等分線を、ノズル121側に向けて延長した線を示している。また、角度βは、吐出方向L20と二等分線L21との成す角度を示している。この角度βが、|β|>25[°]の場合には、側面532a及び532bのうちのいずれかに対して、蛍光体分散液の入射角が70[°]を超え、その面に対して蛍光体分散液が十分に付着しなくなる。そのため、角度βを調整するための制御情報は、−25[°]≦β≦25[°]の範囲内で調整するように生成されている。位置制御部31は、この制御情報に基づき、隣接する2つの側面532の成す角度がβとなるように、発光素子53に対するノズル121の向きを制御する。より好ましくは、2つの側面双方への入射角は等しくなるβ=0[°]すなわち角度の二等分線の方向となるよう制御する。これは、図4Bに示す場合についても同様である。即ち、図4BにおけるL21は、側面532c及び532dが成す角度の二等分線を示しており、角度βは、吐出方向L20と二等分線L21との成す角度を示している。位置制御部31は、図4Aに示した場合と同様にして、前述した制御情報に基づき、隣接する2つの側面532の成す角度がβ(−25[°]≦β≦25[°])となるように、発光素子53に対するノズル121の向きを制御する。
図4A及び図4Bに示すように、隣接する2つの側面(例えば、図4Aにおける側面532a及び側面532b)の双方に対して斜めに入射するように、蛍光体分散液の吐出方向L20を調整することで、その2つの側面の双方に蛍光体分散液を塗布することが可能となる。即ち、上述したように傾斜角α1と角度βを調整することで、ノズル121が、上面531と、隣接する側面(例えば、側面532a及び532b)とを臨むように配置される。そのため、例えば、図4Aに示すように、発光素子53及びノズル121が配置された後に、ノズル121から蛍光体分散液を噴霧することで、上面531と、側面532a及び532bとの3面に蛍光体分散液が塗布される。その後に、回転機構116を制御し、ステージ13を180[°]回転させて、図4Bに示すように、発光素子53及びノズル121を配置することで、上面531と、蛍光体分散液が塗布されていない側面532c及び532dとに蛍光体分散液を塗布することが可能となる。なお、このような構成とした場合には、各側面に対して蛍光体分散液が1回塗布される間に、上面531に対して蛍光体分散液が2回塗布されることになる。そのため、この塗布回数の差を考慮して、各面の膜厚が所望の厚さとなるように、ノズル121の傾斜角α1を調整するとよい。
なお、ノズル121から蛍光体分散液を噴霧させる際に、ノズル121とノズルと向き合う側面532とが近付くように、ノズル121及びステージ13のいずれかを移動させるとよい。具体的には、図4Aに示す場合には、位置制御部31は、支持部材114のx方向の移動を制御し、ノズルと向き合う側面532aおよび532bをy方向に沿ってノズル121に接近するように移動させる。このように動作させることで、支持部材114を移動させない場合に比べて、蛍光体分散液が発光素子53の各面に衝突する際の速度が高くなる。そのため、この衝突時のインパクトを利用して、発光素子53への付着性や、蛍光体分散液の乾燥性を高めることが可能となる。
また、蛍光体分散液を塗布する際に、吐出制御部32は、エアー供給部2によりエアー供給部23を介してノズル121内のバルブの開閉を制御し、ノズル121から蛍光体分散液を間欠的に噴霧させる。このように、蛍光体分散液を発光素子53に塗布することで、蛍光体分散液の吐出を停止している期間を利用して、直前に塗布された蛍光体分散液の乾燥を促進させることが可能となる。換言すると、スプレー塗布中に乾燥のために基板加熱を行うことなく、蛍光体分散液とエアーの塗布タイミングを制御して乾燥を促進させることが可能となる。なお、蛍光体分散液の吐出を停止する期間を長くするほど、蛍光体分散液の乾燥性を高くすることが可能となる。また、蛍光体分散液の吐出を停止している期間中に、ノズル121からエアーを出力させてもよい。エアーを出力させることで、吐出の停止期間中における蛍光体分散液の乾燥をさらに促進させるとともに、ノズル121先端に残留した蛍光体分散液を排出される。これにより、ノズル121の液詰まりを抑制し、間欠塗布時の塗布量の安定性を高めることが可能となる。なお、吐出の停止期間や、エアーの出力期間は、蛍光体分散液の粘度に応じて変更するとよい。
次に、蛍光体分散液の塗布に係る一連の処理の流れについて図5を参照しながら説明する。図5は、蛍光体分散液の塗布に係る一連の処理の流れを示したフローチャートである。
(ステップS11)
まず、蛍光体分散液の被塗布物である発光素子53(厳密には、発光素子53が設置された基板51)をステージ13上に設置する。
(ステップS12)
ステージ13上に発光素子53が設置されると、位置制御部31は、あらかじめ記憶された制御情報に基づき支持部11の動作を制御して、ノズル121の傾斜角がα1となるように調整する。なお、この制御情報は、ノズル121の傾斜角α1が、20[°]≦α1≦70[°](より好ましくは、45[°]≦α1≦70[°])の範囲内で調整されるように生成されている。
(ステップS13)
ここで、図4Aを参照する。ノズル121の傾斜角が調整されたら、位置制御部31は、回転機構116の動作を制御してステージ13を回転させることで、ノズル121が、側面532a及び532bの双方を臨むように、発光素子53とノズル121との間の相対的な位置関係を調整する。なお、この制御情報は、側面532a及び532bが成す角度の二等分線L21と、蛍光体分散液の吐出方向L20との成す角βが、−25[°]≦β≦25[°]の範囲内(より好ましくは、β=0[°])で調整されるように生成されている。また、このとき、ノズル121の傾斜角はα1となるように調整されているため、ノズル121は、上面531と側面532a及び532bとの3面を臨むように配置される。
(ステップS14)
図4Aに示すように、発光素子53及びノズル121が配置されたら、吐出制御部32は、あらかじめ記憶された制御情報に基づくタイミングでエアー供給部2の動作を制御し、ノズル121から蛍光体分散液またはエアーを噴霧させる。なお、この制御情報には、ノズル121から蛍光体分散液及びエアーそれぞれを吐出するタイミングを示す情報、具体的には、蛍光体分散液を吐出する時間T1、エアーを噴霧する時間T2、及び、蛍光体分散液の吐出と停止を繰り返す周期T3を示す情報が含まれている。なお、時間T1は、5[ms]≦T1≦1000[ms]、時間T2は、0[ms]<T2≦1000[ms]、周期T3は、50[ms]≦T3≦2000[ms]とすることが望ましい。
(ステップS15)
全ての側面532に対して蛍光体分散液の塗布が完了していない場合(ステップ15、N)には、位置制御部31は、回転機構116の動作を制御して、ノズル121が他の側面532を臨むようにステージ13を回転させる。このようにして、ノズル121と発光素子53との間の相対的な位置関係を変更されたら、吐出制御部32は、エアー供給部2の動作を制御し、ノズル121から蛍光体分散液またはエアーを噴霧させる。このように動作させることで、上面531と全ての側面532とに対して蛍光体分散液が塗布される。全ての側面532に対して蛍光体分散液が塗布されたら(ステップS15、Y)、蛍光体塗布装置1は、一連の動作を終了する。
(実施例1)
次に、実施例1として、ノズル121の傾斜角α1を20[°]〜70[°]の範囲で変更した場合における、上面531への蛍光体分散液の付着性を検証した。この検証にあたり、縦250[μm]、横500[μm]、厚さ100[μm]の発光素子53を、300[μm]間隔で8×50個アレイ状に配置し、これらを被塗布物とした。また、スプレーノズルには、アネスト岩田製、AS−80−011を用いた。また、塗布物の組成として、蛍光体液に、平均粒径10〜20[μm]のYAG蛍光体を150g、層状ケイ酸塩鉱物に親水性スメクタイトを4g、無機微粒子にRX300を5g用い、溶剤には、イソプロピルアルコール100gと、エチレングリコール50gと、1、4−ブタンジオール50gとを混合したものを用いた。また、セラミック前駆体液には、ポリシロキサンとイソプロピルアルコールとを1:6の割合で混合したものを用いている。また、蛍光体塗布装置1の動作条件として、霧化圧力を0.1[Mpa]、塗布液圧力を0.01[Mpa]、塗布液吐出時間を50[msec]、エアー吐出時間を50[msec]、塗布液の吐出及び停止を繰り返す周波数を5[Hz]、ステージ13に対するノズル121の塗布液吐出期間中における相対移動速度を5[mm/sec]とした。また、塗布環境の条件として、気温を25℃、湿度を40%とした。
上記の条件で、発光素子53に蛍光体分散液を塗布し、上面531及び側面532に付着した蛍光体分散液の膜厚を測定した。この検証結果を図6Aに示す。図6Aは、ノズル121の傾斜角α(即ち、入射角α)[°]を20[°]〜70[°]の範囲で変更した場合における、上面531への蛍光体の付着膜厚[μm]及び側面への蛍光体の付着膜厚[μm]との関係を示した測定値である。
図6Aに示すように、ノズル傾斜角αが大きくなるほど上面531への付着膜厚は薄くなり、側面532への付着膜厚は厚くなる。換言すると、各面への入射角が大きくなるほど(即ち、その面に対して浅く入射するほど)、付着膜厚が薄くなることになる。
また、上面531及び側面532の各面に対する入射角が70[°]を超えると、その面に対して蛍光体分散液が十分に付着しなくなる。そのため、位置制御部31は、ノズル121の傾斜角α1を、20[°]≦α1≦70[°]の範囲内で決定する。また、すべての側面532に対して蛍光体分散液を塗布する場合には、上面531に蛍光体分散液を複数回塗布することになる。そのため、1回の塗布で、上面531よりも側面532に蛍光体分散液が多く塗布されることが望ましく、具体的には、傾斜角α1を、20[°]≦α1≦70[°]の範囲内で決定するとよい。なお、上述したように、本実施形態では、各側面532に対して蛍光体分散液を1回ずつ塗布する間に、上面531に蛍光体分散液を2回塗布する。そのため、上面531と各側面532との双方にほぼ均一に蛍光体分散液を塗布する場合には、1回の塗布で、上面531の膜厚よりも側面532の膜厚が厚くなるように塗布するとよい。具体的には、傾斜角α1を、45[°]≦α1≦70[°]の範囲内で決定するとよい。
次に、波長変換部55を形成するための塗布液の具体的な組成について実施例として以下に説明する。具体的には、塗布液中の溶剤の組成を変化させたサンプルとして、比較例1〜3と、実施例2−1及び2−2とを生成し、各サンプルに対して「付着性評価」を行った。溶剤は、低沸点溶剤としてイソプロピルアルコール、中沸点溶剤としてエチレングリコール、高沸点溶剤として1、4−ブタンジオールを用いた。比較例1は、従来と同様に蛍光体分散液をスプレーする際に、基板を加熱することで乾燥させる例を示している。また、比較例2、比較例3、実施例2−1、及び実施例2−2は、蛍光体分散液をスプレーする際に、基板加熱することなく塗布する場合を示しており、蛍光体分散液中の溶剤の組成比を変更させた場合をそれぞれが示している。なお、比較例2は、比較例1と溶剤の組成比を同様にした場合を示している。
この評価の結果については、図6Bに示す。図6Bは、比較例1〜3、実施例2−1、及び実施例2−2の評価結果を示した表である。図6Bにおける加熱の有無は、蛍光体分散液をスプレー塗布中に、乾燥のための基板の加熱を施すか否かを示している。また、比較例1〜3、実施例2−1、及び実施例2−2では、それぞれ溶剤の組成比を変更している。具体的には、沸点が100[℃]未満である低沸点の溶剤、100[℃]以上200[℃]未満である中沸点の溶剤、及び200[℃]以上の高沸点の溶剤の組成比を実施例ごとに変更している。なお、低沸点の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが挙げられる。また、中沸点の溶剤としては、例えば、水、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。また、高沸点の溶剤としては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、グリセリンが挙げられる。なお、図6Bにおける溶剤組成比の数値は重量比を示している。
(付着性評価)
付着性評価では、実施例ごとに上面531の膜厚が40[μm]、側面532の膜厚が30[μm]となるように発光素子53上に波長変換部55を形成する。そのうえで、上面531と側面532の境界に相当するコーナー部の膜厚を測定し、30〜40[μm]の範囲の場合には「○」、それ以外の場合には「×」とした。即ち、この評価では、各面に対して均一な膜厚で波長変換部55が形成されているかを評価する。
次に、比較例1〜3、実施例2−1、及び実施例2−2の具体的な条件と、各評価の結果について以下にまとめる。
(比較例1)
比較例1は、従来どおり蛍光体分散液の塗布中に基板加熱処理を施すことで、発光素子53に塗布された蛍光体分散液を乾燥させる例を示している。比較例1では、溶剤組成比を、低沸点成分の30に対して高沸点成分を60とした。なお、溶剤については、一般的に、溶剤の沸点が高いものほど粘度が高く、蛍光体分散液中の蛍光体粒子を沈降させないためには、所定の粘度を要するため、高沸点の溶剤がより好ましい。一方で、スプレー手段12により霧化させるためには、揮発性が比較的高い低沸点の溶剤を添加することが好ましい。この組成比の溶剤を用いて蛍光体分散液を生成し、これを発光素子53に塗布する際、基板加熱処理を施してこれを乾燥させたものを評価の対象とした。図6Bに示すように、比較例1の付着性評価の結果は「○」であった。
(比較例2)
比較例2は、比較例1と同様の溶剤組成比で蛍光体分散液を生成し、これを間欠塗布するのだが、その際、塗布中に基板加熱処理を行わない場合を示している。図6Bに示すように、比較例2の付着性評価の結果は「×」であった。比較例2に係るサンプルの具体的な状態について図6Cに示す。図6Cは、比較例2に係るサンプルの概形を示している。図6Cに示すように、比較例2に係るサンプルは、十分な乾燥性を得られず、塗布膜中に多くの残留溶剤が残るため、その表面張力によりコーナー部分に十分な膜厚を確保することができなかった。
(比較例3)
比較例3は、溶剤として低沸点の溶剤のみを使用して蛍光体分散液を生成し、これを間欠塗布することで、加熱処理を行わずにこれを乾燥させる場合を示している。図6Bに示すように、付着性評価の結果は「×」であった。具体的には、比較例3に示す溶剤組成比の場合には、粘度が低く蛍光体粒子が沈降してしまい、塗布量を安定させることが困難で、付着性評価の結果を「×」としている。このように、低沸点成分が多すぎる場合には、蛍光体分散液は、分散状態での保存安定性が低く、これを塗布するためには常時撹拌し続ける必要があり、本実施形態に係る蛍光体分散液を生成するための溶剤の組成としては望ましくない。
(実施例2−1)
次に、実施例2−1について説明する。本実施例では溶剤組成比として、低沸点成分を60、高沸点成分を40とした。即ち、本実施例では、比較例1及び比較例2に比べて低沸点成分の比率を高くしている。この溶剤を使用して蛍光体分散液を生成し、これを発光素子53に間欠塗布することで、加熱処理を行わずに乾燥させたものを評価の対象とした。図6Bに示すように、本実施例の付着性評価の結果は「○」であった。
(実施例2−2)
次に、実施例2−2について説明する。本実施例では実施例2−1の溶剤組成比を基本として、高沸点の溶剤の一部を中沸点の溶剤に置き換えている。具体的には、低沸点成分を60、中沸点成分を30、高沸点成分を30とした。この溶剤を使用して蛍光体分散液を生成し、これを発光素子53に間欠塗布することで、加熱処理を行わずに乾燥させたものを評価の対象とした。図6Bに示すように、本実施例の付着性評価の結果は、実施例2−1と同様に「○」であった。なお、実施例2−1に示す溶剤は、乾燥性が高まるが粘度が経時変化するという問題がある。しかしながら、本実施例のように、中沸点の溶剤を加えることにより、実施例2−1の場合に比べて、粘度の経時変化を小さくすることが可能となる。
以上、実施例2−1及び実施例2−2に示すように、100[℃]以上の溶剤(水またはアルコール)に対する、100[℃]未満の溶剤(アルコール)の成分比率を高くすることで、この溶剤を用いた蛍光体分散液の乾燥性を高めることが可能となる。また、実施例2−1及び実施例2−2は、100[℃]未満(低沸点)の溶剤の成分量をM1、100[℃]以上(中沸点及び高沸点)の溶剤の成分量をM2としたときに、M2≦M1≦M2×2の条件を満たしている。このような組成比の溶剤を用いて蛍光体分散液を生成することで、蛍光体分散液中の蛍光体粒子を沈降させること無く、さらに、乾燥性を高めることが可能となる。また、このような溶剤を用いて蛍光体分散液を用いることで、スプレー塗布中に基板加熱をすることなく蛍光体分散液を塗布可能となるため、加熱に伴う溶剤の揮発を抑止することが可能となり、厳重な防爆対策が不要となる。また、加熱を行う必要が無いため、スプレー塗布中に、メタル部52や突起電極54のような金属部分の、加熱による酸化を抑制することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る蛍光体塗布装置1は、発光素子53に蛍光体分散液を間欠的に塗布することで、蛍光体分散液の吐出を停止している期間を利用して、直前に塗布された蛍光体分散液の乾燥を促進させることが可能となる。また、適切な溶剤の選択により、蛍光体の分散安定性を維持しつつ、乾燥性を高めることが可能となる。これら両者の組み合わせにより、蛍光体分散液をスプレー塗布する際に、発光素子53を加熱する必要が無くなる。
また、本実施形態に係る蛍光体塗布装置1は、ステージ13に載置された発光素子53に対して、上面531及び側面532の双方を臨むようにノズル121を傾斜させて蛍光体分散液を塗布する。このように動作させることで、上面531及び側面532の双方に容易に蛍光体分散液を塗布することが可能となる。また、ステージ13に対してノズル121を相対的に回転させることで、他の側面532に対しても同様に蛍光体分散液を塗布することが可能である。また、ノズル121の傾斜角α1を適宜調整することで、上面531及び側面532に塗布される蛍光体分散液の膜厚を容易に調整することが可能となる。
(変形例)
次に、変形例に係る蛍光体分散液の塗布方法について説明する。前述した実施形態では、上面531と隣接する2つの側面532の3面に蛍光体分散液を塗布した後、ステージ13を180[°]回転させてノズル121に対する発光素子53の向きを変更することで、他の2つの側面532に蛍光体分散液を塗布していた。換言すると、発光素子53の向きをxy平面上で180[°]ずつ変更しながら、蛍光体分散液を2回に分けて塗布することで、全ての側面532に対して蛍光体分散液を塗布していた。変形例に係る蛍光体分散液の塗布方法では、蛍光体分散液の塗布ごとに、発光素子53の向きをxy平面上で90[°]ずつ変更しながら、4回に分けて、発光素子53に蛍光体分散液を塗布する。以下に、図7A及び図7Bを参照しながら、変形例に係る蛍光体分散液の塗布方法について説明する。図7A及び図7Bは、変形例における塗布方法について説明するための図であり、xy平面上における発光素子53とノズル121との間の相対的な位置関係を示している。図7Aは、ノズル121が側面532a及び532bを臨むように配置されている場合を示している。また、図7Bは、図7Aの状態から、ステージ13をxy平面上で90[°]回転させて、ノズル121が側面532b及び532cを臨むように配置されている場合を示している。
図7A及び図7BにおけるL21は、xy平面上において、ノズル121から蛍光体分散液が吐出される吐出方向を示している。変形例に係る蛍光体分散液の塗布方法では、まず、位置制御部31が、図7Aに示すように、ノズル121が側面532a及び532bを臨むようにステージ13を制御する。その後、吐出制御部32が、エアー供給部2を制御し、上面531と側面532a及び532bとの3面に蛍光体分散液を塗布する。この3面への蛍光体分散液の塗布が完了すると、位置制御部31は、図7Bに示すように、ノズル121が側面532b及び532cを臨むようにステージ13を90[°]回転させる。ステージ13が90[°]回転されたら、吐出制御部32は、エアー供給部2を制御し、上面531と側面532b及び532cとの3面に蛍光体分散液を塗布する。以降は同様にして、ステージ13を90[°]ずつ回転させながら、上面531と隣接する2つの側面532とに蛍光体分散液を塗布することで、4回に分けて全ての側面532に蛍光体分散液を塗布する。
ここで、図8A及び図8Bを参照する。図8A及び図8Bは、前述した実施形態において、上面531に塗布された蛍光体分散液(即ち、波長変換部55)をy方向から見た概略図である。図8A及び図8Bは、発光素子53の向きを変更する前の状態と、ステージ13を180[°]回転させて発光素子53の向きを変更した後の状態とを示している。図7AにおけるL31は、発光素子53の向きを変更する前の蛍光体分散液の吐出方向を示している。蛍光体分散液を間欠的に塗布し波長変換部55を形成する場合には、最初の吐出で、まず波長変換部55aが形成される。その後、次に蛍光体分散液が吐出される際に、蛍光体分散液の粘度や吐出の条件によっては、先に形成された波長変換部55aが、次に吐出される蛍光体分散液の一部を遮蔽しながら波長変換部55bが形成される。そのため、図8Aに示すように、波長変換部55a及び55bの間に凹部が形成され、これが繰り返されることにより、y方向に沿った凹凸を有する波長変換部55が形成される場合がある。
これは、図8Bに示す場合も同様である。図8BにおけるL32は、ステージ13を180[°]回転させた後の蛍光体分散液の吐出方向を示している。図8Bに示すように、例えば、波長変換部55bの部分に蛍光体分散液が塗布される際には、と出される蛍光体分散液の一部が波長変換部55cにより遮蔽される。そのため、波長変換部55のy方向に沿った凹凸がより強調される。
ここで、図9Aを参照する。図9Aは、図8Aに示した状態をz方向から見た概略図である。図9AにおけるL31は、蛍光体分散液の吐出方向を示しており、図8Aにおける吐出方向L31に対応している。また、波長変換部55a及び55bは、蛍光体分散液の間欠吐出により形成された波長変換部55の一部を示しており、波長変換部55a、55bの順に形成される。
上述した実施形態では、ノズル121が臨む上面531及び隣接する2つ側面532に蛍光体分散液を塗布した後、発光素子53を180[°]回転させることで、ノズル121が他の2つの側面532を臨むように配置する。しかしながら、このような場合には、図9Aに示した状態と同様に、波長変換部55a及び55bが形成する溝に対して垂直に蛍光体分散液を塗布することになる。そのため、波長変換部55a及び55bによる凹凸がより強調される。
これに対し、変形例に係る蛍光体分散液の塗布方法では、ステージ13を90[°]ずつ回転させながら蛍光体分散液を塗布する。図9Bは、図9Aに示した状態から、発光素子53をxy平面上で90[°]回転させることで、ノズル121に対する発光素子53の向きを変更した後の状態を示している。このようにノズル121と発光素子53との間の位置関係を調整することで、図9Bに示すように、ノズル121は、波長変換部55a及び55bが形成する溝に沿って蛍光体分散液を塗布することが可能となる。これにより、蛍光体分散液の間欠塗布により波長変換部55a及び55bに示すような凹凸が形成された場合においても、この凹凸を埋めるように蛍光体分散液を塗布することが可能となる。
以上のように変形例に係る蛍光体分散液を塗布方法では、ステージ13を90[°]ずつ回転させながら、上面531と隣接する2つの側面532とに蛍光体分散液を塗布することで、4回に分けて全ての側面532に蛍光体分散液を塗布する。これにより、蛍光体分散液の間欠塗布により波長変換部55a及び55bに示すような凹凸が形成された場合においても、その後に、ノズル121は、波長変換部55a及び55bが形成する溝に沿って、この凹凸を埋めるように蛍光体分散液を塗布することが可能となり、結果として、表面平坦性の高い塗布膜を形成することが可能となる。
なお、繰り返しとなるが、予め蛍光体分散液とセラミック前駆体液を混合した1液処方の場合は、この蛍光体分散液を上記のように所定量塗布後、乾燥・焼成させることで、所定の膜厚の波長変換部55を形成する。2液処方の場合には、セラミック前駆体液を混合していない蛍光体分散液を上記のように所定量塗布・乾燥後、セラミック前駆体液を塗布し、乾燥・焼成させることで、所定の膜厚の波長変換部55を形成する。
1 蛍光体塗布装置
11 支持部
111 ベース部材
112、113、114、117 支持部材
115 移動機構
116 回転機構
12 スプレー手段
121 ノズル
122 配管
122’ 液供給部
123 タンク
124 軸部材
125 シリンジ型タンク
1251 シリンジ
1252 プランジャー
1253 シリンジ/供給管接続部
1254 シリンジ/ノズル接続部
13 ステージ
131 凹部
21 エアー供給管
22 エアー供給管
23 エアー供給管
31 位置制御部
32 吐出制御部
2 エアー供給部
3 制御部
50 発光装置
51 基板
52 メタル部
53 発光素子
54 突起電極
55 波長変換部

Claims (15)

  1. 所定波長の光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射された光を受けて、前記所定波長とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、を備える発光装置の製造方法であって、
    前記発光素子を加熱することなく、蛍光体、無機微粒子、沈殿防止剤、及び溶剤を含む蛍光体分散液を、前記発光素子に向けて間欠的に噴霧することで当該発光素子上に塗布する段階を含み、前記波長変換部を形成する工程を備えたことを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記溶剤は、水もしくはアルコール、または、その組み合わせを含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記溶剤は、沸点が100℃未満のアルコールを含んで構成された第1の溶剤と、沸点が100℃以上の水またはアルコールを含んで構成された第2の溶剤とを含むことを特徴とする請求項2に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記第1の溶剤の成分重量M1と前記第2の溶剤の成分重量M2とが、M2≦M1≦M2×2の条件を満たすことを特徴とする請求項3に記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記沈殿防止剤は、層状ケイ酸塩鉱物を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記工程では、前記蛍光体分散液を塗布した後に、有機金属化合物を含むセラミック前駆体液を、前記発光素子上に塗布する段階を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記工程では、前記蛍光体分散液の吐出とその停止とを繰り返すことで、前記間欠的に噴霧し、前記吐出の時間T1は、5[ms]≦T1≦1000[ms]の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記蛍光体分散液の吐出を停止している期間中に、0[ms]<T2≦1000[ms]の条件を満たす時間T2の範囲で、前記発光素子上に空気を噴霧することを特徴とする請求項7に記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記吐出と停止を繰り返す周期T3は、50[ms]≦T3≦2000[ms]を満たすことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記発光素子は、上面と側面とを有する板状に形成され、
    前記工程では、前記上面の法線方向に対して所定の角度θ1だけ傾けられた方向に、前記蛍光体分散液を吐出することで、前記発光素子上に塗布することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記角度θ1は、20°≦θ1≦70°の条件を満たすことを特徴とする請求項10に記載の発光装置の製造方法。
  12. 前記角度θ1は、45°≦θ1≦70°の条件を満たすことを特徴とする請求項10に記載の発光装置の製造方法。
  13. 前記発光素子は、前記上面が四角形の形状であって、前記上面の周囲に4つの側面を有し、
    前記工程では、前記蛍光体分散液が吐出される方向と、隣接する2つの側面の成す角の二等分線を延長した方向とが、前記法線方向に垂直な面上で成す角度θ2が、−25°≦θ2≦25°の条件を満たして噴霧することで、前記上面と前記2つの側面とに前記蛍光体分散液を塗布することを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
  14. 前記上面と前記2つの側面とに前記蛍光体分散液が塗布した後に、前記発光素子の向きを、前記上面の法線方向を軸に180°回転させ、前記2つの側面とは反対側に位置する他の2つの側面と、前記上面とに前記蛍光体分散液を塗布することを特徴とする請求項13に記載の発光装置の製造方法。
  15. 前記上面と前記2つの側面とに前記蛍光体分散液が塗布した後に、前記発光素子の向きを、前記上面の法線方向を軸に90°回転させ、前記2つの側面の組とは異なる他の2つの側面の組と、前記上面とに前記蛍光体分散液を塗布することを特徴とする請求項13に記載の発光装置の製造方法。
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