JP5712154B2 - 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁性一成分現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像する為の現像装置、およびこの現像装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、プリンター等の画像形成装置に用いられ、磁性一成分現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置として、特許文献1に記載されているような現像装置が知られている。かかる現像装置は、固定マグネットを内包する回転スリーブと、この回転スリーブ上に形成されるトナー層の厚みを規制するトナー層厚規制部材と、回転スリーブにトナーを供給する攪拌部材と、を有する。トナー層厚規制部材は、磁性体の板状部材から構成されたブレードを備える。また、攪拌部材は、回転スリーブの下端よりも、下方に配置された回転軸を中心に回転駆動され、回転スリーブにトナーを供給する。
上記の技術では、回転スリーブの内側の固定マグネットのうち、トナー層規制部材が対向する位置には、層規制用の磁極が配置される。
特開2003−167426号公報
上記のように、磁性一成分の現像剤が層規制されるにあたって、層規制部材に対向する磁極に、トナーが引き寄せられながら流動されると、トナーがストレスを受け、トナーの劣化が促進することがある。この結果、トナーの回転スリーブへの付着力が弱まり、トナーの現像性能が低下してしまう。
一方、前記磁極の磁力を低下させ、層規制領域におけるトナーのストレスを低減すれば、トナーの劣化は抑制されるが、トナーの帯電が不十分となる。この結果、トナーのかぶりなどが問題となる。この場合、現像装置のライフの短縮を許容することや、現像装置に投入するトナー量を増大させるなどの対応が必要となってしまう。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、特に、磁性一成分現像剤が、攪拌部材から現像剤担持体に供給されたのち、層規制部材によって層規制されるにあたり、層規制領域における現像剤の劣化を抑止し、現像剤を好適に帯電させることが可能な現像装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る現像装置は、円筒形状を有し、回転駆動され、周面に磁性トナーを担持するスリーブと、前記スリーブに内包され、前記スリーブの周方向に複数の磁極を有する固定磁石と、を備える現像剤担持体と、前記固定磁石の前記複数の磁極のうち、第1の磁極に対向して、前記スリーブと間隔をおいて配置され、磁性材料から構成され、前記スリーブ上の前記磁性トナーの厚さを規制する層規制部材と、前記固定磁石の前記第1の磁極の前記スリーブの回転方向上流側において、前記第1の磁極とは異極磁極であって、前記第1の磁極に隣接する第2の磁極に対向して、前記スリーブと間隔をおいて前記現像剤担持体の下方に配置され、前記スリーブに前記磁性トナーを供給する攪拌部材と、を備え、前記第1の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力をP1(mT)、前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力をP2(mT)とした場合、P1/X1≦P2≦P1/X2、(X1=5.3、X2=2.7)を満たし、前記スリーブの軸方向と直交する断面視における前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の磁力の分布において、前記最大磁力を備える位置よりも前記回転方向上流側の磁力の積分値A1および前記最大磁力を備える位置よりも前記回転方向下流側の磁力の積分値A2が、A1:A2=1:1.2〜1.5の関係を満たすことを特徴とする。
本構成によれば、現像剤担持体は、回転駆動されるスリーブと、スリーブに内包される固定磁石とを備える。現像剤担持体のスリーブと間隔をおいて配置される層規制部材によって、スリーブ上のトナーの厚さが規制される。層規制部材は、固定磁石の第1の磁極に対向して配置される。また、層規制部材よりも、スリーブの回転方向上流側では、前記第1の磁極とは異極の磁極であって、前記第1の磁極に隣接する第2の磁極に対向して、攪拌部材が配置される。攪拌部材は、現像剤担持体の下方に配置され、スリーブ上に磁性トナーを供給する。前記第1の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力をP1(mT)、前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力をP2(mT)とした場合、P1/X1≦P2≦P1/X2、(X1=5.3、X2=2.7)が満たされる。本構成によれば、第2の磁極に引き寄せられて、攪拌部材からスリーブに供給される磁性トナーの量が好適に低減される。したがって、トナーが攪拌部材から層規制部材まで至る領域において、トナーが受けるストレスが低減される。また、第2の磁極よりも高い磁力を備えた第1の磁極と層規制部材とが対向する領域において、磁性トナーが好適に帯電される。この結果、層規制領域における磁性トナーの劣化が抑止されるとともに、磁性トナーの帯電が安定して実現される。また、本構成によれば、第2の磁極の磁力分布が、スリーブの回転方向の上流側と下流側とで、非対称とされる。この結果、攪拌部材からスリーブ上に供給された磁性トナーの流動性が向上する。したがって、第2の磁極の最大磁力が、比較的弱いながらも、下流側の磁力配分が大きくされることで、トナーが攪拌部材から層規制部材に至る領域のトナーの搬送性を高めることが可能となる。
上記の構成において、P1/X3≦P2≦P1/X4、(X3=5.0、X4=3.0)を満たすことが好ましい。
本構成によれば、層規制領域における磁性トナーの劣化が、更に抑止されるとともに、磁性トナーの帯電が、更に安定して実現される。
上記の構成において、前記攪拌部材は、前記スリーブの前記周面のうち、鉛直下方に面する第1の位置に向かって、前記磁性トナーを前記スリーブに供給し、前記層規制部材は、前記スリーブの前記周面のうち、鉛直上方に面し、かつ、前記第1の位置の上方に位置する第2の位置において、前記スリーブ上の前記磁性トナーの厚さを規制することが好ましい。
本構成によれば、現像剤担持体の下方に配置される攪拌部材から、スリーブに磁性トナーが供給される構成において、第1の磁極と第2の磁極の磁力バランスが好適に維持されることによって、磁性トナーの供給機能に加え、安定したトナーの帯電とトナー劣化の抑止が実現される。
上記の構成において、前記層規制部材の前記スリーブの回転方向上流側に前記スリーブと間隔をおいて配置され、前記第1の磁極の前記周面と垂直な方向の最大磁力を備える位置と重複する位置に、対向する対向面を有し、かつ、前記対向面に前記第1の磁極と同極の磁極を備える対向磁石を有することが好ましい。
本構成によれば、スリーブと対向磁石との間には、反発磁界が形成される。該反発磁界は、スリーブの回転方向上流側に向かう磁界と、回転方向下流側に向かう磁界とに分類される。この結果、スリーブ上を搬送され、対向磁石の下部に進入された磁性トナーは、スリーブの周面に移動する力を付与される。この結果、磁性トナーが薄層化された状態で、トナーの層規制が実現される。
上記の構成において、前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力は、40mT以下であることが好ましい。
本構成によれば、攪拌部材からスリーブに供給される磁性トナーの量が必要最小限に維持される。この結果、第2の磁極から第1の磁極までの領域において、スリーブ上に滞留する磁性トナーの量が低減される。したがって、層規制部材の周辺に位置する磁性トナーに、無駄な押圧力(ストレス)が付与されず、トナーの劣化が効果的に抑止される。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上記に記載の現像装置と、表面に静電潜像が形成され、前記現像剤担持体から前記トナーが供給される像担持体と、を備えることを特徴とする。
本構成によれば、第2の磁極に引き寄せられて、攪拌部材からスリーブに供給される磁性トナーの量が好適に低減される。したがって、攪拌部材から層規制部材までの領域において、トナーが受けるストレスが低減される。また、第2の磁極よりも高い磁力を備えた第1の磁極と層規制部材とが対向する領域において、磁性トナーが好適に帯電される。この結果、層規制領域における磁性トナーの劣化が抑止されるとともに、磁性トナーの帯電が安定して実現される。したがって、長期に亘って、トナーかぶりと濃度低下の抑止された画像形成が実現される。
本発明によれば、磁性一成分現像剤が、攪拌部材から現像剤担持体に供給されたのち、層規制部材によって層規制されるにあたり、層規制領域における現像剤の劣化を抑止し、現像剤を好適に帯電させることが可能となる。この結果、長期に亘って、トナーかぶりの無い画像を得ると共に、安定した画像濃度を得ること可能となる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像ローラーの磁力分布を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す側断面図である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング10と、この本体ハウジング10内に収容される給紙部20、画像形成部30、定着部40及びトナーコンテナ50と、を含む。
本体ハウジング10の前面側には前カバー11が、後面側には後カバー12が各々備えられている。前カバー11が開放されることで、トナーコンテナ50が前面側に露出する。これにより、ユーザーは、トナー切れの際にトナーコンテナ50を本体ハウジング10の前面側から取り出すことができる。後カバー12は、シートジャムやメンテナンスの際に開放されるカバーである。画像形成部30及び定着部40の各ユニットは、後カバー12が開放されることで、本体ハウジング10の後面側から取り出し可能となる。また、本体ハウジング10の側面には、左カバー12L(図1)と、左カバー12Lとは反対側の右カバー12R(図1には表れていない)とが、それぞれ鉛直方向に延伸するように配設されている。左カバー12Lの前側部分には、本体ハウジング10内に空気を取り込むための吸気口12Laが配設されている。また、本体ハウジング10の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部13が備えられている。前カバー11と、後カバー12と、左カバー12Lと、右カバー12Rと、排紙部13とによって画定される内部空間S(図2)に、画像形成を実行するための各種装置が内装される。
給紙部20は、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット21を含む(図2)。この給紙カセット21は、その一部が本体ハウジング10の前面からさらに前方に突出している。給紙カセット21のうち、本体ハウジング10内に収容されている部分の上面は、給紙カセット天板21Uによって覆われている。給紙カセット21には、前記シートの束が収容されるシート収容空間、前記シートの束を給紙のためにリフトアップするリフト板等が備えられている。給紙カセット21の後端側の上部にはシート繰出部21Aが設けられている。このシート繰出部21Aには、給紙カセット21内のシート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すための給紙ローラー21Bが配置されている。
画像形成部30は、給紙部20から送り出されるシートにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部30は、感光体ドラム31(像担持体)と、この感光体ドラム31の周囲に配置された、帯電装置32、露光装置(図2には表れていない)、現像装置33、転写ローラー34及びクリーニング装置35とを含む。画像形成部30は、左カバー12Lと右カバー12Rとの間に、配設される。
感光体ドラム31は、回転軸と、回転軸回りに回転する円筒面と、を備える。円筒面には、静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー像が円筒面に担持される。感光体ドラム31としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。
帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を均一に帯電するものであって、感光体ドラム31に当接する帯電ローラーを含む。
クリーニング装置35は、不図示のクリーニングブレードを有し、トナー像転写後の感光体ドラム31の周面に付着したトナーを清掃するとともに、不図示の回収装置に該トナーを搬送する。
露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム31の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。現像装置33は、感光体ドラム31上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム31の周面にトナーを供給する。現像装置33は、感光体ドラム31に供給するトナーを担持する現像ローラー331と、現像ハウジング330(図3)の内部で現像剤を攪拌しながら循環搬送する第1搬送スクリュー332及び第2搬送スクリュー333とを含む。
転写ローラー34は、感光体ドラム31の周面に形成されたトナー像をシート上に転写させるためのローラーである。転写ローラー34は、感光体ドラム31の円筒面に当接し、転写ニップ部を形成している。この転写ローラー34には、トナーと逆極性の転写バイアスが与えられる。
定着部40は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部40は、加熱源を内部に備えた定着ローラー41と、この定着ローラー41に対して圧接され、定着ローラー41との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー41による加熱および加圧ローラー42による押圧により、シート上に定着される。
トナーコンテナ50は、現像装置33に補給するトナーを貯留する。トナーコンテナ50は、トナーの主な貯留箇所となるコンテナ本体51と、コンテナ本体51の一側面の下部から突設された筒状部52と、コンテナ本体51の他の側面を覆う蓋部材53と、コンテナ内部に収容されトナーを搬送する回転部材54とを含む。トナーコンテナ50内に貯留されたトナーは、回転部材54が回転駆動されることによって、筒状部52の先端下面に設けられたトナー排出口521から現像装置33内に供給される。また、トナーコンテナ50の上方を覆うコンテナ天板50Hは、排紙部13の下方に位置する(図2参照)。
本体ハウジング10内には、シートを搬送するために、主搬送路22F及び反転搬送路22Bが備えられている。主搬送路22Fは、給紙部20のシート繰出部21Aから画像形成部30及び定着部40を経由して、本体ハウジング10上面の排紙部13に対向して設けられている排紙口14まで延びている。反転搬送路22Bは、シートに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートを主搬送路22Fにおける画像形成部30の上流側に戻すための搬送路である。
主搬送路22Fは、感光体ドラム31および転写ローラー34によって形成される転写ニップ部を、下方から上方に向かって、通過するように延設される。また、主搬送路22Fの、転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対23が配置されている。シートは、レジストローラー対23にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路22F及び反転搬送路22Bの適所には、シートを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口14の近傍には排紙ローラー対24が配置されている。
反転搬送路22Bは、反転ユニット25の外側面と、本体ハウジング10の後カバー12の内面との間に形成されている。なお、反転ユニット25の内側面には転写ローラー34及びレジストローラー対23の一方のローラーが搭載されている。後カバー12及び反転ユニット25は、それらの下端に設けられた支点部121の軸回りに各々回動可能である。反転搬送路22Bにおいてシートジャムが発生した場合、後カバー12が開放される。主搬送路22Fでシートジャムが発生した場合、或いは感光体ドラム31のユニットや現像装置33が外部に取り出される場合には、後カバー12に加えて反転ユニット25も開放される。
<現像装置の説明>
図3は、現像装置33の内部構造を示す平面図である。現像装置33は、一方向(現像ローラー331の軸方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング330を備え、現像ハウジング330は内部空間335を有する。内部空間335には、現像ローラー331(現像剤担持体)と、第1攪拌スクリュー332および第2攪拌スクリュー333とが、平行に配設されている。本実施形態では、この内部空間335には、磁性一成分現像剤として、磁性トナーが充填される。
前記トナーは、内部空間335内において攪拌搬送され、静電潜像を現像するために、逐次現像ローラー331に供給され、消費される。その消費分に対応して、補充トナーがトナーコンテナ50から適宜供給される。
現像ローラー331は、現像ハウジング330の長尺方向に延設される円筒形状を有し、外周に回転駆動されるスリーブ部分を有する。スリーブ表面に担持されたトナーは、現像ハウジング330に配設された開口部(不図示)まで搬送され、対向する感光体ドラム31に供給される。現像ローラー331には、不図示のバイアス印加手段から、現像バイアスが印加される。現像バイアスは、直流電圧に交流電圧が重畳されたバイアスである。なお、現像ローラー331の構造については、後記で詳述する。
現像ハウジング330の内部空間335は、左右方向に延びる仕切り板334によって、左右方向に長尺の第1通路336と第2通路337とに区画されている。仕切り板334は、現像ハウジング330の左右方向幅よりも短く、仕切り板334の右端及び左端には、第1通路336と第2通路337とをそれぞれ連通させる上流連通部338及び下流連通部339が備えられている。これにより、現像ハウジング330の内部には、第1通路336、上流連通部338、第2通路337及び下流連通部339に至る循環経路が形成されている。
第1通路336には第1攪拌スクリュー332が収容され、第2通路337には第2攪拌スクリュー333(攪拌部材)が収容されている。第1攪拌スクリュー332及び第2攪拌スクリュー333は、それぞれ回転軸と、この回転軸の周上にスパイラル状に突設された撹拌羽根とを含む。第1攪拌スクリュー332は、回転軸回りに回転駆動されることで、図3の矢印a方向にトナーを搬送する。一方、第2攪拌スクリュー333は、回転軸回りに回転駆動されることで、矢印b方向にトナーを搬送する。第1攪拌スクリュー332及び第2攪拌スクリュー333が回転駆動されることで、上述の循環経路に沿ってトナーが循環搬送される。
尚、現像装置33の第1攪拌スクリュー332及び第2攪拌スクリュー333は、本来は図示しない天板で覆われている。現像装置33にトナーが補給されるトナー補給口350は、この天板に穿孔された開口部であり、第1通路336の右端付近の上方に配置されている(図3の点線部)。トナー補給口350の上方には、トナー搬送路が形成されたトナーコンテナ50が配置されている。トナーコンテナ50は、トナーコンテナ50の長手方向(トナー搬送路が形成されている方向)が、現像装置33の長手方向(第1攪拌スクリュー332の現像剤搬送方向)に直交する方向に位置するように、現像装置33に組みつけられている。トナーコンテナ50から落下したトナーは、トナー補給口350を介して、現像装置33に補給される。
トナーコンテナ50のトナー排出口521から供給されたトナーは、第1通路336に落下して既存のトナーと混合され、第1攪拌スクリュー332により矢印a方向に搬送される。この際、トナーは攪拌され、帯電される。
ここで、第1攪拌スクリュー332には、トナー補給口350よりトナー搬送方向下流側に搬送能力抑制部351が設けられている。搬送能力抑制部351は、第1攪拌スクリュー332の攪拌羽根が一部欠損している部分であり、この欠損部におけるトナーの搬送量は欠損部以外の搬送量に比べて低下する。このため、第1通路336を搬送されるトナーは、搬送能力抑制部351の搬送方向上流側で滞留することになる。
尚、本実施の形態では、第1攪拌スクリュー332の攪拌羽根が欠損した部分を搬送能力抑制部351とするが、この他に、第1攪拌スクリュー332の攪拌羽根の周縁部に回転軸と並行して棒部材を配設し、この棒部材が付設された部分が搬送能力抑制部351であってもよい。攪拌羽根に付設された棒部材によって、トナーの搬送能力が抑制され、トナーを滞留させることができる。
搬送能力抑制部351を設けることで、第1通路336を矢印a方向へ搬送されるトナーは、搬送能力抑制部351の直ぐ上流側であって、トナー補給口350に対向する位置にて滞留し、滞留部が形成される。従って、トナー補給口350からトナーが補給されて現像ハウジング330内のトナー量が増えると、この滞留部で滞留したトナーがトナー補給口350を塞ぐように作用し、それ以上のトナーの補給を抑制する。その後、現像ハウジング330内のトナーが消費され、滞留部で滞留したトナーが減少すると、トナー補給口350を塞いでいたトナーが減り、再びトナーがトナー排出口521から流入するようになる。
<現像ローラー331の周辺の構造>
次に、本実施形態に係る現像装置33の現像ローラー331の周囲の構造について、詳述する。図4は、現像装置33を拡大した断面図である。同図は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面における断面図である。
現像ローラー331(現像剤担持体)は、回転駆動される円筒形状のスリーブ331Sと、スリーブ331Sの内部に、軸方向に沿って固定配置される円柱形状のマグネット331M(固定磁石)とを備える。スリーブ331Sは、不図示の駆動手段によって、矢印D41方向に回転駆動され、周面に磁性トナーを担持する。マグネット331Mは、スリーブ331Sの内部に、スリーブ331Sの周方向に複数の磁極を有する固定磁石である。マグネット331Mは、周方向に配置される4つの磁極S1極、N1極、S2極、N2極を備える。図4において、現像ローラー331を囲む曲線MCは、各磁極によってもたらされる現像ローラー331の半径方向の磁力を、スリーブ331S上の周方向の分布として示したものである。
S1極(第1の磁極)は、マグネット331Mのうち、前方かつ上方の位置に配置される。S1極は、規制極として、トナー層を規制するために使用される。
N1極は、マグネット331Mのうち、後方かつ上方の位置に配置される。N1極は、現像極として、感光体ドラム31にトナーを供給する機能を備える。
N2極(第2の磁極)は、マグネット331Mのうち、前方かつ下方の位置に配置される。N2極は、キャッチ極(汲上極)として、現像ローラー331にトナーを汲み上げる機能を備える。
S2極は、マグネット331Mのうち、N1極よりもスリーブ331Sの回転方向下流側であって、N2極よりもスリーブ331Sの回転方向上流側の位置に配置される。S2極は、主に、マグネット331Mのうち、後方かつ下方の位置に配置される。S2極は、N1極において、感光体ドラム31側に移動されなかったトナーを、現像ハウジング330に回収する搬送極としての機能を備える。
現像ローラー331よりも、前方かつ下方の位置に、第2攪拌スクリュー333が配置される。すなわち、第2攪拌スクリュー333は、マグネット331MのN2極に、対向して配置される。第2攪拌スクリュー333の回転(矢印D42)に伴って、第2攪拌スクリュー333からスリーブ331Sにトナーが供給される。第2攪拌スクリュー333の回転軸333Cは、スリーブ331Sの回転軸331Cよりも下方に位置する。更に、第2攪拌スクリュー333の回転軸333Cは、スリーブ331Sの周面の下端部331Lよりも下方に位置する。本実施形態では、現像ローラー331へのトナーの供給経路は、第2攪拌スクリュー333から供給される経路のみによって、形成される。したがって、第2攪拌スクリュー333は、現像ローラー331に対して、下方からトナーを汲み上げることによって、スリーブ331Sにトナーを供給する。
現像装置33は、更に、層規制部材60と、磁石プレート70と、を備える。
層規制部材60は、現像ローラー331よりも、前方かつ上方の位置に配置される。層規制部材60は、現像ローラー331の軸方向に沿って、現像ローラー331(スリーブ331S)の周面に対向して配置される。詳しくは、層規制部材60は、現像ローラー331のうち、マグネット331MのS1極に対向して配置される。層規制部材60は、磁性材料から構成される板状部材である。層規制部材60は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面において、現像ローラー331に向かう方向を長辺とする矩形形状を備える。層規制部材60の先端部は、現像ローラー331のスリーブ331Sと、間隔を置いて配置される。この結果、前記先端部と、スリーブ331Sとの間で、層規制ギャップGが形成される。層規制部材60は、第2攪拌スクリュー333からスリーブ331S上に汲み上げられたトナーの層厚を規制する。
磁石プレート70は、層規制部材60の前側に、層規制部材60に沿って配置される。換言すれば、磁石プレート70は、層規制部材60よりも、現像ローラー331のスリーブ331Sの回転方向(図4の矢印D41)上流側に配置される。本実施形態では、磁石プレート70は、板状形状を備えた永久磁石から構成される。磁石プレート70は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面において、層規制部材60に沿って延設される略矩形形状を備える。磁石プレート70は、層規制部材60の下方部分に固定される。磁石プレート70は、マグネット331MのS1極と対向する位置に、S1極と同極のS極の磁力を備える。また、磁石プレート70は、マグネット331MのS1極に対して、前記S極よりも遠い位置に、N極を備える。
このように、本実施形態では、層規制部材60よりも、現像ローラー331(スリーブ331S)の回転方向上流側に、磁石プレート70が配置される。換言すれば、現像ローラー331の回転方向上流側から下流側に向かって、磁石プレート70、層規制部材60が順に、現像ローラー331の周面に対向して配置される。
かくして、本実施形態では、第2攪拌スクリュー333は、スリーブ331Sの周面のうち、鉛直下方に面する第1の位置P1に向かって、トナーをスリーブ331Sに供給し、層規制部材60は、スリーブ331Sの周面のうち、鉛直上方に面し、かつ、第1の位置P1の上方に位置する第2の位置P2において、スリーブ331S上のトナーの厚さを規制する。この際、マグネット331MのS1極と磁石プレート70のS極が、同極の磁力を有することから、スリーブ331Sと磁石プレート70との間には、反発磁界が作用する。該反発磁界は、スリーブ331Sの回転方向上流側に向かう磁界と、回転方向下流側(層規制部材60側)に向かう磁界とに分類される。この結果、スリーブ331S上を搬送され、磁石プレート70の下部に進入されたトナーは、スリーブ331Sの周面に移動する力を付与される。この結果、トナーが薄層化された状態で、トナーの層規制が実現される。更に、層規制部材60の層規制ギャップGに進入されなかったトナーは、反発磁界に促進され、スリーブ331Sの回転方向上流側に向かって流動する。
次に、本実施形態におけるマグネット331Mの磁極について、更に詳述する。本実施形態では、S1極、S2極、N1極、N2極のそれぞれの径方向の磁力の最大磁力(スリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力)は、93mT、20mT、80mT、30mTに設定される。
本実施形態では、現像ローラー331が製造されるにあたり、N1極とN2極が着磁される際に、N1極とN2極の間に、反発磁極が形成されることを利用して、S2極が低い磁力をもって設定される。すなわち、S2極が配置される位置には、マグネット331Mは、磁石を備えてない。または、マグネット331Mが着磁される際に、S2極が配置される位置には、固有の電磁コイルが配置されない。このように、S2極の磁力が低く設定されることによって、トナーの磁気的な凝集が弱められる。S2極の磁力が大きい場合、トナーの残留磁化が大きくなり、トナーの磁気的な凝集が起こり易い。一方、S2極の最大磁力が小さい場合、トナーの残留磁化が小さくなり、トナーの磁気的な凝集が起き難くなる。このように、トナーの磁気的な凝集が抑制されると、トナーの帯電が向上する。この結果、第1攪拌スクリュー332や第2攪拌スクリュー333の周辺において、トナーが、かまくら状(トンネル状)に凝集することが抑止される。このため、画像形成装置1が低印字条件において動作され、現像装置33内のトナーの流動性が低下し易い場合であっても、第1攪拌スクリュー332や第2攪拌スクリュー333におけるトナーの搬送不良が抑止される。
一方、S2極の磁力が過度に低すぎると、N1極からS2極を経由して現像ハウジング330の内部に向かうトナーの搬送がスムーズに行われない。このため、本実施形態では、S2極の磁力のピークS2Pが、N1極に近い位置に設定されている。そして、N1極側にピークS2Pが設定される為に、
N1極の最大磁力(80mT)>N2極の最大磁力(30mT)
の関係が満たされている。特に、N1極側にS2極のピークS2Pが設定される為に、N1極の最大磁力は、N2極の最大磁力の2倍以上とされている。この結果、S2極のピークが、低磁力をもって、N1極側に配置される。したがって、トナーの帯電が好適に維持されながら、トナーの現像ハウジング330への搬送が安定して実現される。
更に、本実施形態では、N2極の磁力が、低く設定されることによって、第2攪拌スクリュー333からスリーブ331Sに汲み上げられるトナーの量が少なくなるように設定されている。そして、S1極のスリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力をP1(mT)、N2極のスリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力をP2(mT)とした場合、P1/X1≦P2≦P1/X2、(X1=5.3、X2=2.7)の関係が満たされる。この結果、N2極からS1極までの領域において、スリーブ331S上に滞留するトナーの量が低減される。したがって、層規制部材60の周辺に位置するトナーに、無駄な押圧力(ストレス)が付与されず、トナーの劣化が効果的に抑止される。一方、規制極であるS1極の磁力が高く設定されることによって、低印字条件の印刷において、トナーかぶり性能が向上される。
<実施例>
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。なお、以後の各実施例は、下記の実験条件にて行った。
<実験条件について>
・感光体ドラム31:OPCドラム
・感光体ドラム31の周速度:146mm/sec
・現像ローラー331(スリーブ331S)の周速度:204mm/sec
・層規制ギャップG:0.3mm
・現像バイアスAC成分:矩形波振幅1.7kV、Duty50%
現像バイアスDC成分:270V
・感光体ドラム31の表面電位:430V
・現像ローラー331の直径:16mm
・感光体ドラム31の直径:24mm
・マグネット331MのN1ピーク磁力:80mT
S1ピーク磁力:93mT
N2ピーク磁力:30mT
S2ピーク磁力:20mT
・スリーブ331Sの表面粗さ(Rz十点平均粗さ):6.5μm
・磁性トナーの平均粒子径:6.8μm(D50)
<実験1>
表1に、規制極であるS1極とキャッチ極であるN2極のピーク磁力の関係について評価した実験1の結果を示す。
Figure 0005712154
実験1では、表1に示されるS1極およびN2極を備える現像ローラー331(NO.1〜NO.7)を用意した上で、現像ハウジング330内にトナーを充填したのち、それぞれ3000枚分の印刷を実行した。なお、実験1に使用した現像ローラー331では、S1極の最大磁力P1は、80mTから100mTに分布し、N2極の最大磁力P2は、15mTから40mTに分布している。上記の印刷中、500枚ごとに画像サンプルを採取し、I.D(Image Density:画像濃度+紙の濃度)を測定した。I.Dの測定には、DENSITOMETER TC-6DS(東京電装株式会社製)が使用された。上記の画像サンプルのI.Dが1.1未満となった状態が、濃度低下が発生した状態と判断される。本評価方法に基づき、表1において、○は、濃度低下未発生の状態を表し、△は、濃度低下傾向が見られたが、I.D1.1以上であったことを表し、×は、濃度低下が顕著に発生したことを表している。
また、上記の画像サンプルにおいて、トナーかぶりの評価を同時に行った。トナーかぶりは目視で評価し、○は、トナーかぶりがほとんど発生していない状態を表し、△は、トナーかぶりが若干発生しているが問題ないレベルを表し、×は、トナーかぶりが顕著に発生している状態を表している。
表1を参照して、S1極のスリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力P1(mT)、N2極のスリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力P2(mT)に関して、P1/P2が、2.7以上5.3以下の範囲において、濃度低下が発生せず、トナーかぶりが良好に維持される。この場合、N2極からS1極までの領域において、スリーブ331S上に滞留するトナーの量が低減され、トナーに過度な押圧力(ストレス)が付与されない。この結果、トナーの劣化が効果的に抑止される。また、規制極であるS1極の磁力が高く維持されるため、層規制部材60におけるトナーへの帯電が好適に実現される。
一方、表1において、P1/P2が、3.0未満となると若干の濃度低下が見られる。また、P1/P2が、2.3未満となると、濃度低下が顕著となる。P1/P2が2.3未満の場合、キャッチ極(N2極)の磁力が高いために、第2攪拌スクリュー333から現像ローラー331にキャッチされるトナーの量が多く、トナーの劣化が促進されてしまう。トナーの劣化が進むと、トナーのスリーブ331Sに対する付着力が高まり、トナーが十分現像されなくなる。この結果、トナーの劣化に伴う濃度低下が生じることとなる。
また、P1/P2が、5.3を越えるとトナーかぶりが若干発生し、P1/P2が、6.7を越えると、トナーかぶりが顕著となる。P1/P2が、6.7を越えると、キャッチ極(N2極)の磁力が低すぎるために、層規制部材60の周辺に滞留するトナー量が不足する。この結果、層規制部材60の周辺において、トナーの帯電が十分行われず、トナーかぶりが発生する。
以上の結果から、P1/P2は、2.7以上5.3以下に設定されることが好ましく、3.0以上5.0以下に設定されることが更に好ましい。換言すれば、P1およびP2は、P1/X1≦P2≦P1/X2、(X1=5.3、X2=2.7)を満たすことが好ましく、P1/X3≦P2≦P1/X4、(X3=5.0、X4=3.0)を満たすことが更に好ましい。
<実験2>
表2に、N2極(キャッチ極)の垂直磁力の分布について評価した実験2の結果を示す。
Figure 0005712154
実験2では、実験1において、濃度低下およびトナーかぶりの結果が好適であった現像ローラー(NO.3およびNO.5)と同じ最大磁力を備える現像ローラーを用いて評価した。S1極およびN2極が、上記の磁力を備える現像ローラーであって、N2極の磁力分布が、それぞれ異なる複数の現像ローラーを用いて、評価を行った。図5は、現像ローラー331のマグネット331Mにおいて、S1極およびN2極のうち、スリーブ331Sの周面と直交する方向(垂直方向、径方向)の磁力分布を模式的に示した図である。図5において、トナーは、紙面右側から左側に向かって(矢印D5方向)搬送される。
表2に示される各実験水準において、「N2極の上下流面積比(A1/A2)」とは、図5に示される領域N2aおよびN2bの面積比を表している。すなわち、N2極のスリーブ331Sの周面と直交する方向の磁力分布において、N2極の最大磁力を備える位置N2Pよりも、回転方向上流側の磁力N2aが積分された値が、A1に相当し、N2極の最大磁力を備える位置N2Pよりも、回転方向下流側の磁力N2bが積分された値が、A2に相当する。表2の実験水準では、該A2/A1が、1.1から1.6の範囲に設定されている。この場合、スリーブ331Sの回転方向において、N2極の最大磁力を備える位置N2Pは、N2極の分布の幅の中心よりも、回転方向上流側にずれている。
このように、N2極の最大磁力を備える位置N2Pが、回転方向上流側にシフトした磁力分布は、マグネット331Mの着磁過程において、N2極を着磁させるための電磁コイルの配置を、S1極を着磁させるための電磁コイルから遠ざけることで実現される。また、上記の磁力分布は、マグネット331Mを構成する磁石のうち、N2極に相当する磁石の一部が欠損されることによっても、実現される。
また、表2におけるキメおよび搬送ムラは、各条件において採取したハーフ画像の画像サンプルにて評価した。ここで、キメとはハーフ画像を構成する各ドットの集合体のキメ(滑らかさ)を意味し、搬送ムラとは、層規制部材60の周辺において生じたスリーブ331S上のトナーの搬送ムラが、ハーフ画像に濃度ムラとして発生することを意味している。キメおよび搬送ムラのいずれの評価も、N2極の上下流面積比(A2/A1)が、1の場合の画質に対する相対評価で行っている。すなわち、表2において、◎は、相対的に良い状態を意味し、○は、相対的にやや良い状態を意味し、△は、A2/A1が1の場合と比べて、ほとんど差がない状態を意味している。
表2を参照して、S2極とN2極の最大磁力の比(P1/P2)が5.0および3.0のいずれの条件においても、N2極の上下流面積比(A2/A1)が、1.1から1.6の範囲において、キメおよび搬送ムラが、A2/A1が1の場合と比べて、同等以上の結果を示している。N2極(キャッチ極)の上下流面積比(A2/A1)が1よりも大きくなると、N2極の磁力分布が、上流側と下流側とで、非対称となる。そして、下流側磁力N2bの面積A2が大きくなることによって、下流側磁力N2bの勾配が小さくなる。この現象は、図5の領域Zの磁力の勾配が緩やかになっていることからも、確認される。このように、下流側磁力N2bの勾配が小さくなると、トナーが現像ロールに引きつけられる力(磁気吸引力)が小さくなる。この結果、トナーが、領域Zに対応するスリーブ331S上において、流動し易くなる。
表2において、前記上下流面積比(A1/A2)が、1.2以上1.5以下の領域において、キメおよび搬送ムラが、特に向上される。前記上下流面積比(A1/A2)が、1.6以上となると、下流側磁力N2bが、トナーを上流側から引き寄せる力が減少する。このため、搬送ムラの性能が、若干低下し、A2/A1が1の場合と同等の結果となる。逆に、前記上下流面積比(A1/A2)が、1.1以下となると、N2極の磁力分布の非対称の効果が低下するため、トナーの流動性が、A2/A1が1の場合と同等となる。このため、画像のキメの性能も、A2/A1が1の場合と同等の結果となっている。
このように、現像ローラー331の下方に配置される第2攪拌スクリュー333(図4)から、現像ローラー331にトナーが供給される構成において、キャッチ極であるN2極と、規制極であるS1極の磁力バランスが好適に維持されることによって、トナーの供給機能に加え、安定したトナーの帯電とトナー劣化の抑止が実現される。特に、S1極のスリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力P1(mT)、N2極のスリーブ331Sの周面と垂直な方向の最大磁力P2(mT)に関して、P1/X1≦P2≦P1/X2、(X1=5.3、X2=2.7)を満たすことが好ましく、P1/X3≦P2≦P1/X4、(X3=5.0、X4=3.0)を満たすことが更に好ましい。この結果、好適なトナーの帯電とトナーの劣化抑止が維持され、長期にわたって、トナーかぶりと濃度低下の抑止された画像形成が実現される。
また、N2極の磁力分布が、上流側と下流側とで、非対称とされることで、トナーの流動性が向上し、キメおよび搬送ムラの画質が向上される。特に、キャッチ極であるN2極の上下流面積比(A2/A1)が、1.2以上1.5以下の範囲に設定されることが好ましい。この場合、N2極の最大磁力が、比較的弱いながらも、下流側の磁力配分が大きくされることで、トナーが第2攪拌スクリュー333から層規制部材60に至る領域のトナーの搬送性を高めることが可能となる。
また、現像ローラー331の軸方向のトナー画像を形成する領域において、N2極の磁力が、最大40mT以下に設定されることによって、第2攪拌スクリュー333からスリーブ331Sに汲み上げられるトナーの量が必要最小限に確保される。この結果、N2極からS1極までの領域において、スリーブ331S上に滞留するトナーの量が最小限に維持される。したがって、層規制部材60の周辺に位置するトナーに、無駄な押圧力(ストレス)が付与されず、トナーの劣化が効果的に抑止される。
以上、本発明の実施形態に係る現像装置33、およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
上記の実施形態では、現像ローラー331のマグネット331Mが、4つの磁極を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。マグネット331Mは、複数の磁極を備えるものであればよく、また、規制極として、層規制部材60に対向して配置されるマグネット331Mの磁極は、S極に限定されるものではない。現像ローラー331の使用態様に応じて、S極またはN極が、規制極として層規制部材60に対向して配置されればよい。この場合、キャッチ極として、第2攪拌スクリュー333に対向する磁極には、規制極と異極の磁極が設定される。
33 現像装置
330 現像ハウジング
331 現像ローラー(現像剤担持体)
331S スリーブ
331M マグネット
332 第1攪拌スクリュー
333 第2攪拌スクリュー(攪拌部材)
334 仕切り板
335 内部空間
336 第1通路
337 第2通路
338 上流連通部
339 下流連通部
350 トナー補給口
60 層規制部材
70 磁石プレート

Claims (6)

  1. 円筒形状を有し、回転駆動され、周面に磁性トナーを担持するスリーブと、前記スリーブに内包され、前記スリーブの周方向に複数の磁極を有する固定磁石と、を備える現像剤担持体と、
    前記固定磁石の前記複数の磁極のうち、第1の磁極に対向して、前記スリーブと間隔をおいて配置され、磁性材料から構成され、前記スリーブ上の前記磁性トナーの厚さを規制する層規制部材と、
    前記固定磁石の前記第1の磁極の前記スリーブの回転方向上流側において、前記第1の磁極とは異極の磁極であって、前記第1の磁極に隣接する第2の磁極に対向して、前記スリーブと間隔をおいて前記現像剤担持体の下方に配置され、前記スリーブに前記磁性トナーを供給する攪拌部材と、を備え、
    前記第1の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力をP1(mT)、前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力をP2(mT)とした場合、P1/X1≦P2≦P1/X2、(X1=5.3、X2=2.7)を満たし、
    前記スリーブの軸方向と直交する断面視における前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の磁力の分布において、前記最大磁力を備える位置よりも前記回転方向上流側の磁力の積分値A1および前記最大磁力を備える位置よりも前記回転方向下流側の磁力の積分値A2が、A1:A2=1:1.2〜1.5の関係を満たすことを特徴とする現像装置。
  2. P1/X3≦P2≦P1/X4、(X3=5.0、X4=3.0)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記攪拌部材は、前記スリーブの前記周面のうち、鉛直下方に面する第1の位置に向かって、前記磁性トナーを前記スリーブに供給し、
    前記層規制部材は、前記スリーブの前記周面のうち、鉛直上方に面し、かつ、前記第1の位置の上方に位置する第2の位置において、前記スリーブ上の前記磁性トナーの厚さを規制することを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記層規制部材の前記スリーブの回転方向上流側に前記スリーブと間隔をおいて配置され、前記第1の磁極の前記周面と垂直な方向の最大磁力を備える位置と重複する位置に、対向する対向面を有し、かつ、前記対向面に前記第1の磁極と同極の磁極を備える対向磁石を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の現像装置。
  5. 前記第2の磁極の前記スリーブの前記周面と垂直な方向の最大磁力は、40mT以下であることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の現像装置。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載の現像装置と、
    表面に静電潜像が形成され、前記現像剤担持体から前記磁性トナーが供給される像担持体と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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