JP2018112713A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過することを抑制しつつ、現像剤に掛かる負荷を低減する。【解決手段】 案内部は、現像剤担持体の回転方向において第1の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも下流側且つ第2の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における現像剤担持体の表面であって、磁束密度の絶対値が所定値以下であり、現像領域を通過した現像剤が現像剤担持体の表面から剥離するための磁力領域と対向し、且つ現像剤担持体との間に所定のクリアランスを持って配置され、磁性体は、現像剤担持体の回転方向において案内部よりも下流側且つ第2の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における現像剤担持体の表面と対向して配置され、第2の磁極による磁場によって磁性体が磁化されることにより磁性体と現像剤担持体との間に現像剤を保持するための磁界が形成される。【選択図】 図5

Description

本発明は、静電潜像を現像する現像装置に関する。
特許文献1に記載の現像装置は、現像剤担持体にトナーと磁性キャリアを含む現像剤を供給する機能と、現像剤担持体から現像剤を回収する機能が分離している、所謂、機能分離型の現像装置である。この現像装置では、現像剤担持体に現像剤を供給するための現像室と、現像剤を撹拌するための撹拌室を仕切るための仕切り部材(隔壁)を有し、現像剤担持体の下方に現像室が配置され、現像剤担持体に対向して撹拌室が配置されている。また、この現像装置では、像担持体と対向する現像領域を通過した現像剤(以降、現像工程後の現像剤と呼ぶ)が、マグネットの隣り合う同極の磁極(剥ぎ取り極と汲み上げ極)によって形成される反発磁界により現像剤担持体の表面から剥ぎ取られる。そこで、この現像装置では、現像剤担持体の表面から剥ぎ取られた現像工程後の現像剤を撹拌室に回収するように案内するための案内部が隔壁に設けられている。この案内部は、現像剤担持体との間に所定のクリアランスを持って配置される。
現像工程において現像剤担持体が回転することで、現像剤担持体の周囲で空気流が発生し、現像剤担持体の表面では空気流の速度が特に速くなっている。現像剤担持体の表面に担持された現像工程後の現像剤は、反発磁界により現像剤担持体の表面から剥ぎ取られる。そして、現像剤担持体の表面から剥ぎ取られた現像工程後の現像剤が、現像剤担持体の表面における空気流に乗って、撹拌室に回収されることなく、案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過してしまうと、以下に述べる問題が生じる。
案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過した現像工程後の現像剤は、現像工程で現像剤中のトナーが消費されているために、現像剤中のトナー濃度が低下している。現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過してしまうと、トナー濃度が低下している状態のまま、撹拌を十分に受けることなく、現像剤担持体の表面に再び担持され、現像領域で再び現像に供されてしまう虞がある。このことは、現像剤担持体の回転速度が速いほど、現像剤担持体の表面における空気流の速度が速くなるので、画像形成時のプロセススピードが速いときに特に問題となる。
特許文献1には、剥ぎ取り極の磁束密度の極大ピーク位置に案内部を対向させ、且つ隔壁の下面又は対向面に磁性板を設けて、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体とのクリアランスを通過することを抑制する構成が挙げられる。
特開2011−81281号公報
特許文献1の構成では、剥ぎ取り極による磁場によって磁化された磁性板と、現像剤担持体との間に磁界が形成され、この磁界により案内部と現像剤担持体とのクリアランスに現像剤が滞留する。この構成では、現像剤担持体の表面に担持された現像工程後の現像剤は、現像剤担持体の回転に伴って、案内部と現像剤担持体とのクリアランスに滞留している現像剤に衝突し摺擦されて、撹拌室に回収されるものである。このため、現像剤に負荷が掛かり、現像剤の劣化を招く虞がある。
そこで、機能分離型の現像装置において、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過することを抑制しつつ、現像剤に掛かる負荷を低減することができる新たな構成が望まれている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、機能分離型の現像装置において、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過することを抑制しつつ、現像剤に掛かる負荷を低減することができる装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る現像装置は以下のような構成を備える。即ち、回転可能に設けられ、トナーと磁性キャリアを含む現像剤を担持して像担持体と対向する現像領域に前記現像剤を搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の下方に配置され、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給室と、前記現像剤担持体と対向して配置され、前記現像領域を通過した前記現像剤を前記現像剤担持体から回収する回収室と、前記現像剤担持体の内部に固定して配置され、第1の磁極と、前記現像剤担持体の回転方向において前記第1の磁極の下流側であって前記第1の磁極と隣り合うように配置され、前記第1の磁極と同極である第2の磁極を備えた、前記現像領域を通過した前記現像剤を前記現像剤担持体の表面から剥離させるための磁界を発生するマグネット手段と、前記マグネット手段により発生する前記磁界により前記現像剤担持体の表面から剥離された前記現像剤を前記回収室に回収するように案内するための案内部を備えた、前記供給室と前記回収室とを隔てる隔壁と、外部磁場によって磁化する磁性体と、を備え、前記案内部は、前記現像剤担持体の回転方向において前記第1の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも下流側且つ前記第2の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における前記現像剤担持体の表面であって、磁束密度の絶対値が所定値以下であり、前記現像領域を通過した前記現像剤が前記現像剤担持体の表面から剥離するための磁力領域と対向し、且つ前記現像剤担持体との間に所定のクリアランスを持って配置され、前記磁性体は、前記現像剤担持体の回転方向において前記案内部よりも下流側且つ前記第2の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における前記現像剤担持体の表面と対向して配置され、前記第2の磁極による磁場によって前記磁性体が磁化されることにより前記磁性体と前記現像剤担持体との間に前記現像剤を保持するための磁界が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、機能分離型の現像装置において、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過することを抑制しつつ、現像剤に掛かる負荷を低減することができる装置を提供することにある。
画像形成装置の構成を示す断面図である。 機能分離型の現像装置の構成を示す断面図である。 機能分離型の現像装置の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。 磁性板の取り付け機構を示す断面図である。 第1の実施形態に係る現像装置の構成における磁束密度と磁気吸引力の分布を示す図である。 第2の実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。 第3の実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本発明は、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
[第1の実施形態]
(画像形成装置の構成)
まず、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成について、図1の断面図を用いて説明する。
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト(ITB)7、及び、中間転写ベルト7の回転方向(矢印R7方向)に沿って上流側から下流側にかけて4つの画像形成部S(Sa、Sb、Sc、Sd)を備える。
画像形成部S(Sa、Sb、Sc、Sd)のそれぞれは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のトナー像を形成する。
画像形成部S(Sa、Sb、Sc、Sd)は、像担持体としての回転可能な感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備える。
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)のそれぞれは、矢印R1(R1a、R1b、R1c、R1d)方向(時計回り)に回転駆動される。感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周囲には、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)が配設されている。また、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周囲には、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の回転方向に沿って、潜像形成手段としての露光装置3(3a、3b、3c、3d)が配設されている。
更に、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周囲には、現像手段としての現像装置4(4a、4b、4c、4d)、一次転写手段としての一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)が配設されている。また、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)の周囲には、感光体クリーナとしての感光体クリーニングブレード6(6a、6b、6c、6d)が配設されている。
現像装置4のそれぞれは、画像形成装置100に着脱可能である。現像装置4(4a、4b、4c、4d)のそれぞれは、非磁性トナー(以降、単にトナーとも呼ぶ)と磁性キャリアを含む二成分現像剤(以降、単に現像剤とも呼ぶ)を収容する現像容器41(41Y、41M、41C、41K)を有する。
中間転写ベルト7は、一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)、二次転写対向ローラ8、テンションローラ17、及び、テンションローラ18によって掛け渡されている。二次転写対向ローラ8は、駆動ローラを兼ねている。
中間転写ベルト7は、中間転写ベルト7の裏面側から一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)によって押圧されている。
また、中間転写ベルト7の表面は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に当接させている。これにより、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)と中間転写ベルト7との間には、一次転写部としての一次転写ニップ部T1(T1a、T1b、T1c、T1d)が形成されている。
また、二次転写対向ローラ8の矢印R8方向(反時計方向)の回転に伴って、中間転写ベルト7が矢印R7方向に回転する。中間転写ベルト7の回転速度は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)のそれぞれの回転速度(プロセススピード)と略同一に設定されている。
中間転写ベルト7の表面において二次転写対向ローラ8に対応する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配設されている。中間転写ベルト7は、二次転写対向ローラ8と二次転写ローラ9との間で挟持されている。これにより、二次転写ローラ9と中間転写ベルト7との間には、二次転写部としての二次転写ニップ部T2が形成されている。
また、中間転写ベルト7の表面においてテンションローラ17に対応する位置には、中間転写体クリーナとしてのベルトクリーナ11が当接されている。
画像形成部S(Sa、Sb、Sc、Sd)によって画像形成に供される記録材P(例えば、紙、透明フィルム)は、記録材収納部としての給送カセット10に積載された状態で収納されている。そして、給送ローラ、搬送ローラ、レジストローラ等を有する給搬送装置によって、二次転写ニップ部T2に記録材Pが供給される。二次転写ニップ部T2よりも記録材Pの搬送方向の下流側には、定着ローラ14と加圧ローラ15を有する定着装置13が配設されている。また、定着装置13よりも記録材Pの搬送方向の下流側には、機外に排出された記録材Pを積載するための排出トレイが配設されている。
(画像形成部の構成)
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、負帯電特性の有機光半導体である感光層を有した円筒状(ドラム型)の電子写真感光体である。感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、例えば、直径が30mm、長手方向の長さが360mmであり、250mm/secのプロセススピード(周速度)である。また、画像形成時において、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、モータによって正方向(矢印R1(R1a、R1b、R1c、R1d)方向)に回転駆動される。
帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)と接触し、加圧バネによって感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に向かって付勢されている。画像形成時において、帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に従動回転する。帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)は、例えば、直径が14mm、長手方向の長さが320mmである。帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)には、例えば、印加手段としての高圧電源から帯電バイアス(DC電圧:−900V、ACピーク間電圧:1500V)が印加される。これにより、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)が均一に帯電される。
露光装置3(3a、3b、3c、3d)は、帯電ローラ2により帯電処理された感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)にレーザ光を照射するための半導体レーザを備えたレーザビームスキャナである。露光装置3(3a、3b、3c、3d)は、画像形成装置100に入力される画像信号に基づいて、帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)によって帯電された感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に静電潜像を形成する。
現像装置4(4a、4b、4c、4d)は、露光装置3(3a、3b、3c、3d)によって感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に形成された静電潜像を現像剤(トナーによって現像する。これにより、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上の露光部(レーザ光の照射部分)には、トナーが付着し、可視像化される。尚、現像装置4の詳細については、図2以降で後述する。
転写装置は、一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)を備えた一次転写部と、二次転写ローラ9を備えた二次転写部を有している。
一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)と挟持される中間転写ベルト7の表面に対して、所定の押圧力をもって圧接される。これにより、一次転写部としての一次転写ニップ部T1(T1a、T1b、T1c、T1d)が形成される。
また、二次転写ローラ9は、二次転写対向ローラ8と挟持される中間転写ベルト7の表面に対して、所定の押圧力をもって圧接される。これにより、二次転写部としての二次転写ニップ部T2が形成される。
一次転写ローラ5(5a、5b、5c、5d)には転写バイアスが印加され、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト7上に転写される。一次転写後の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に僅かに残った転写残トナーは、感光体クリーニングブレード6(6a、6b、6c、6d)によって掻き取られて回収される。
給送カセット10から給送された記録材Pは、レジストローラによって二次転写部へと給送される。二次転写ローラ9には転写バイアスが印加され、中間転写ベルト7上に形成されたトナー像が、記録材P上に転写される。二次転写後の中間転写ベルト7上に僅かに残った転写残トナーは、ベルトクリーナ11によって掻き取られて回収される。
定着装置13は、記録材P上に転写されたトナー像を定着する。定着装置13により定着処理を受けた記録材Pは、排出トレイに排出される。
以上説明したような画像形成部による一連の画像形成プロセスが終了し、次の画像形成動作に備えられる。
(機能分離型の現像装置の参考例)
第1の実施形態に係る現像装置4では、現像剤担持体にトナーと磁性キャリアを含む現像剤を供給する機能と、現像剤担持体から現像剤を回収する機能が分離している、所謂、機能分離型の現像装置である。
第1の実施形態に係る現像装置4の説明の前に、機能分離型の現像装置の構成について、図2の断面図、及び、図3の模式図を用いて説明する。
図2は、現像剤担持体である現像スリーブ44の回転軸線に直交する断面における現像装置40の断面図である。図3は、現像装置40の上面図(模式図)である。
現像装置40は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する現像容器41を有する。非磁性トナーは、ポリエステル、スチレンアクリル等の樹脂に着色料、ワックス成分などを内包し、粉砕あるいは重合によって粉体としたものに、酸化チタン、シリカ等の微粉末を表面に添加したものである。磁性キャリアは、フェライト粒子や磁性粉を混錬した樹脂粒子からなるコアの表層に樹脂コートを施したものである。
現像容器41には、感光体ドラム1に対向する現像領域に相当する位置に開口部が設けられている。そして、現像スリーブ44の一部が現像容器41の開口部に露出するように、現像容器41に対して現像スリーブ44が回転可能に配置されている。現像スリーブ44は、非磁性材料で構成され、直径が20mm、長手方向の長さが334mmであり、425mm/secのプロセススピード(周速度)で、現像動作時には、図2に示す矢印R44方向に回転する。また、現像容器41には、現像スリーブ44の表面に現像剤の薄層を形成する現像剤規制部材としての規制ブレード42が配置されている。
現像容器41の内部は、垂直方向に延在する隔壁70によって現像室41aと撹拌室41bとに区画されている。また、現像室41aと撹拌室41bは、水平方向に関して左右に並べて配設されている。現像室41aには、現像室41a内の現像剤を撹拌し且つ搬送する搬送手段(回転可能な現像剤搬送部材)としての第1スクリュー部71が、現像スリーブ44の長手方向(回転軸線方向)に沿って略平行に配置されている。第1スクリュー部71は、回転可能な軸部としての磁性体の回転軸71aと、回転軸の外周に沿って設けられた現像剤搬送部としての螺旋状の羽根部71bを備える。又、撹拌室41bには、撹拌室41b内の現像剤を撹拌し且つ第1スクリュー部71とは逆方向に搬送する搬送手段(回転可能な現像剤搬送部材)としての第2スクリュー部72が、現像スリーブ44の長手方向(回転軸線方向)に沿って略平行に配置されている。第2スクリュー部72は、回転可能な軸部としての磁性体の回転軸72aと、回転軸の外周に沿って設けられた現像剤搬送部としての螺旋状の羽根部72bを備える。
現像スリーブ44は、現像スリーブ44の表面に現像剤が担持される領域(以降、コート領域と呼ぶ)と、現像スリーブ44の表面に現像剤が担持されない領域(以降、非コート領域と呼ぶ)によって構成されている。コート領域は、現像スリーブ44の長手方向における中央部に位置し、非コート領域は、現像スリーブ44の長手方向における両端部に位置する。非コート領域には、現像スリーブ44の端部にある現像剤を磁気的に捕捉するためのマグネットシートが、現像スリーブ44の端部の外周に沿って設けられている。
現像スリーブ44の内部には、現像領域を通過した現像剤を現像スリーブ44の表面から剥離させるための磁界を発生するマグネット手段(磁界発生手段とも呼ぶ)としてのマグネットロール44aが固定して配置されている。マグネットロール44aは、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って複数の磁極を有する。図2の例では、マグネットロール44aは、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、汲み上げ極S2、規制極N1、現像極S1、搬送極N2、剥ぎ取り極S3の5つの磁極を有する。
汲み上げ極S2は、現像室41a内の現像剤を現像スリーブ44の表面に引き付けるための磁極であり、現像室41aに対向して配置されている。規制極N1は、規制ブレード42に対向して配置されている。現像極S1は、感光体ドラム1に対向する現像領域に配置されている。搬送極N2は、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)において現像極S1よりも下流側、且つ剥ぎ取り極S3よりも上流側に配置されている。剥ぎ取り極S3は、現像スリーブ44の表面に担持された現像剤を現像スリーブ44から引き離すための磁極であり、撹拌室41bに対向して配置されている。
図2の例において、マグネットロール44aの各磁極の磁束密度の極大ピーク位置は、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度を用いて以下のように規定される。
剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク位置は、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度が150度である。また、汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置は、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度が270度である。また、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度が200度から220度である位置に、現像スリーブ44の法線方向を正としたときの磁束密度の絶対値が所定値以下である低磁力領域が生じる。この低磁力領域の、現像スリーブ44の法線方向を正としたときの磁束密度の絶対値(以降、単に磁束密度の絶対値と呼ぶ)は、現像領域を通過した現像剤が現像スリーブ44の表面から剥離するような値であり、例えば、0[mT]以上10[mT]以下である。この低磁力領域は、剥ぎ取り極S3と汲み上げ極S2との間で形成された反発磁界による反発力に起因して生じるものである。
即ち、低磁力領域は、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)において剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク位置よりも下流側、且つ汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側に生じる。また、低磁力領域では、磁気吸引力の現像スリーブ44の表面に対する法線方向成分(Fr)の大きさが小さく、現像剤を現像スリーブ44の中心方向に向かって引き付ける力が弱くなっている。そのため、低磁力領域では、現像スリーブ44の表面に担持された現像剤が剥離される。
即ち、低磁力領域は、現像領域を通過した現像剤(以降、現像工程後の現像剤と呼ぶ)が現像スリーブ44の表面から剥離するための領域(剥離領域とも呼ぶ)になっている。この低磁力領域は、現像スリーブ44の回転方向において剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク位置よりも下流側かつ汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における現像スリーブ44の表面上に形成されている。
隔壁70は、低磁力領域で現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像剤(即ち、現像工程後の現像剤)を撹拌室41bに回収するように案内するための案内部70bを有する。案内部70bには、画像形成装置100に対して現像装置40が装着されたときに、水平面に対して傾斜するような傾斜面が形成されている。また、案内部70bの現像スリーブ44と対向する側の端部70aは、現像スリーブ44の表面上の低磁力領域に対向するように突出している。
案内部70bの現像スリーブ44と対向する側の端部70aは、現像スリーブ44との間に所定のクリアランス(以降、「クリアランスA1」と呼ぶ)を持って配置されている。これにより、現像動作時における現像スリーブ44の回転に伴い、案内部70bの現像スリーブ44と対向する側の端部70aが現像スリーブ44の表面に突き当たり、現像スリーブ44の表面が摺擦されて、現像スリーブ44の表面が摩耗することを防いでいる。
現像室41a内の現像剤(以降、供給現像剤D1と呼ぶ)は、汲み上げ極S2による磁場の影響により汲み上げられ、現像スリーブ44に供給される。このように、現像室41aから現像スリーブ44へ現像剤が供給されるので、現像室41aのことを、供給室とも呼ぶ。現像スリーブ44に供給された現像剤は、マグネットロール44aの発生する磁界によって現像スリーブ44の表面に所定の現像剤量が担持され、現像剤溜まりを形成する。現像スリーブ44の表面に担持された現像剤は、現像スリーブ44が回転することによって、現像剤溜まりを通過して規制ブレード42によって層厚が規制されると共に、感光体ドラム1に対向する現像領域へと搬送される。
続いて、現像スリーブ44の表面に担持された現像剤は、現像領域で穂立ちして磁気穂を形成する。そして、現像領域で形成された磁気穂を感光体ドラム1に接触させて、現像剤中のトナーを感光体ドラム1に供給することで、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。このとき、静電潜像へのトナーの付与率(現像効率)を向上させるために、通常、現像スリーブ44には、直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。
感光体ドラム1にトナーを供給後の現像スリーブ44の表面上の現像剤(即ち、現像工程後の現像剤と呼ぶ)は、現像スリーブ44の回転に伴い、剥ぎ取り極S3と汲み上げ極S2によって形成された反発磁界により現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られる。そして、反発磁界により現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像剤(以降、回収現像剤D2と呼ぶ)は、案内部70bの傾斜面に落下し、案内部70bの傾斜面を重力により滑り落ちた後、撹拌室41bに落下することにより、撹拌室41bへと回収される。即ち、機能分離型の現像装置では、現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像剤は、現像室41aにて回収されずに、撹拌室41bにて直接的に回収される。このように、機能分離型の現像装置では、現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像剤(現像工程後の現像剤)が、撹拌室41bで回収されるので、撹拌室41bのことを回収室とも呼ぶ。
機能分離型の現像装置は、撹拌室41b内の現像剤搬送方向の上流から下流にかけて、第2スクリュー部72によって現像剤が搬送される経路(以降、循環経路C1と呼ぶ)を有する。また、機能分離型の現像装置は、現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像剤が案内部70bを介して撹拌室41bへと搬送される経路(以降、循環経路C2と呼ぶ)を有する。図3に示したように、隔壁70の長手方向における隔壁70の一端部には、現像室41aから撹拌室41bへ現像剤を受け渡すための受け渡し部(第1連通部)である第1連通口41cが設けられている。即ち、第1連通口41cを介して、現像室41aから撹拌室41bへ現像剤を連通可能になっている。また、隔壁70の長手方向における隔壁70の他端部には、撹拌室41bから現像室41aへ現像剤を受け渡すための受け渡し部(第2連通部)である第2連通口41dが設けられている。即ち、第2連通口41dを介して、撹拌室41bから現像室41aへ現像剤を連通可能になっている。
第1スクリュー部71と第2スクリュー部72は、現像スリーブ44の長手方向(回転軸線方向)に沿って互いに逆方向に現像剤を搬送する。そして、第1連通口41c及び第2連通口41dを介して、第1スクリュー部71によって搬送される現像剤の流れと、第2スクリュー部72によって搬送される現像剤の流れが形成される。即ち、現像室41aから撹拌室41bへは、第1連通口41cを介して現像剤の受け渡しが行われ、撹拌室41bから現像室41aへは、第2連通口41dを介して現像剤の受け渡しが行われる。
現像装置40が画像形成装置100に装着されたとき、撹拌室41bの鉛直方向上方には、トナーを補給するためのトナー補給機構が配置されている。また、撹拌室41bには、トナー補給機構によって補給されたトナーを、撹拌室41bと現像室41aとの間で現像剤が循環する循環路に受け渡すための受け渡し部(トナー補給部)であるトナー補給口49が設けられている。図3の例では、第2スクリュー部72の現像剤搬送方向において、撹拌室41bの最上流部よりも更に上流側に30mmだけ延伸した位置にトナー補給口49が設けられている。
トナー補給口49からは、帯電していない状態のトナー(以降、補給トナーと呼ぶ)が、撹拌室41bと現像室41aとの間で現像剤が循環する循環路に受け渡される。トナー補給口49から撹拌室41bに受け渡された補給トナーは、撹拌室41b内の現像剤と混合・撹拌されることにより、撹拌室41b内の現像剤中の磁性キャリアと接触して摩擦帯電される。摩擦帯電により、トナーは負極性に帯電し、磁性キャリアは正極性に帯電する。摩擦帯電したトナーは、静電気力によって磁性キャリアの表面に付着して保持される。故に、トナーは、磁性キャリアとの接触機会が多くなるほど、トナー帯電量Q/Mが大きくなる。二成分現像剤では、トナー濃度T/Dが小さいほど、トナーが磁性キャリアと接触する機会が多くなるので、トナー帯電量Q/Mが大きくなる。感光体ドラム1の表面に形成された同一の静電潜像を現像する場合を基準として、トナー帯電量Q/Mが大きいときは、トナー帯電量Q/Mが小さいときと比べて、現像された画像の濃度が低下する関係にある。
感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像する際に、現像剤中のトナーは消費されるが、現像剤中の磁性キャリアは消費されない。即ち、現像工程後の現像剤は、現像剤中のトナーが消費されているために、現像剤中のトナー濃度が低下している。そして、機能分離型の現像装置では、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が、撹拌室41bで回収される。そこで、撹拌室41bと現像室41aとの間で現像剤が循環する循環路を循環している現像剤中のトナー濃度T/Dは、撹拌室41b内に設けられた透磁率センサ48を用いて常時検知される。より具体的には、透磁率センサ48によって現像剤の平均透磁率を検知し、検知した値から、現像剤中に占めるトナーの重量比を算出する。そして、撹拌室41bと現像室41aとの間で現像剤が循環する循環路を循環している現像剤中のトナー濃度T/Dが略一定になるように、トナー補給機構によって補給すべきトナーの補給量が調整される。
一方、現像工程において現像スリーブ44が回転することで、現像スリーブ44の周囲で空気流が発生し、現像スリーブ44の表面では空気流の速度が特に速くなっている。現像スリーブ44の表面に担持された現像工程後の現像剤は、剥ぎ取り極S3と汲み上げ極S2によって形成される反発磁界により現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られる。そして、現像工程後の現像剤が、現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた後、現像スリーブ44の表面における空気流に乗って、撹拌室41bに回収されることなく、「クリアランスA1」を通過してしまうと、以下に述べる問題が生じる。
即ち、「クリアランスA1」を通過した現像工程後の現像剤(トナー濃度が低下している現像剤)が、撹拌を十分に受けることなく、現像スリーブ44の表面に再び担持され、感光体ドラム1に対向する現像領域で再び現像に供されてしまう虞がある。このことは、現像スリーブ44の回転速度が速いほど、現像スリーブ44の表面における空気流の速度が速くなるので、画像形成時のプロセススピードが速いときに特に問題となる。
そこで、現像工程後の現像剤が「クリアランスA1」を通過することを抑制するために、「クリアランスA1」に現像剤を滞留させる構成を採ったとする。しかしながら、この構成では、現像スリーブ44の表面に担持された現像工程後の現像剤が、現像スリーブ44の回転に伴って、「クリアランスA1」に滞留している現像剤に衝突し摺擦されて、撹拌室41bに回収される。このため、現像剤に負荷が掛かり、現像剤の劣化を招く虞がある。
そこで、本発明の実施形態では、以下に述べる構成を採ることで、機能分離型の現像装置において、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が「クリアランスA1」を通過することを抑制しつつ、現像剤に掛かる負荷を低減するものである。
具体的には、案内部70bは、磁束密度の絶対値が所定値以下である低磁力領域と対向し且つ現像スリーブ44との間に所定のクリアランスを持って配置されている。低磁力領域は、現像スリーブ44の回転方向において剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク位置より下流側且つ汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置より上流側での現像スリーブ44の表面であって現像領域を通過した現像剤が剥離するための領域である。即ち、低磁力領域では、現像領域を通過した現像剤(トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤)がマグネットロール44aにより発生する磁界により剥離する。また、磁性体は、現像スリーブ44の回転方向において案内部70bよりも下流側且つ汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における現像スリーブ44の表面と対向して配置されている。そして、汲み上げ極S2による磁場によって磁性体が磁化されることにより磁性体と現像スリーブ44との間に現像剤を保持するための磁界が形成されるものである。以下に詳細を説明する。
第1の実施形態に係る現像装置4(機能分離型の現像装置)の構成について、図4の断面図、及び図5の断面図を用いて説明する。図4及び図5は、現像スリーブ44の回転軸線に直交する断面で見たときの断面図である。図4及び図5において、図2と同一の符号を付したものは同一の構成を示している。現像装置4の構成について、図2で前述した現像装置40の構成と異なるところを中心に以降説明する。
現像装置4の構成では、現像スリーブ44の直径を20[mm]、磁性キャリアの直径を50[μm]、磁性キャリアの比重を3[g/cm3]、キャリア比透磁率を5%としている。
図4及び図5に示すように、現像室41aには、強磁性体である磁性板80が、現像スリーブ44に近接するように設けられている。磁性板80は、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)において案内部70bよりも下流側、且つ汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における現像スリーブ44の表面と対向して配置されている。
第1の実施形態では、磁性板80は、冷間圧延鋼板(例えば、SPCC)にニッケルメッキを施した強磁性体である。また、磁性板80の厚みは、1mmであり、磁性板80の長手方向の長さは、現像スリーブ44のコート領域の長手方向の長さよりも長くなっている。また、磁性板80は、現像スリーブ44の非コート領域まで延伸している。
また、第1の実施形態では、磁性板80の長手方向にわたってシール部材81(例えば、ポリエステル系発砲体)が設けられている。これにより、磁性板80と隔壁70との間がシール部材81によって埋められて、磁性板80と隔壁70との間における空気流の通り道が塞がれる。
ここで、磁性板80の取り付け機構について、図6の断面図を用いて説明する。
磁性板80は、現像容器41の両端部で支持される。磁性板80の長手方向における磁性板80の端部80eと、現像容器41との間には、シール部材84を有する。第1の実施形態では、シール部材81とシール部材84を同一の材質としている。
現像スリーブ44には、現像スリーブ44の軸部45を回転可能に支持する軸受46が設けられている。現像容器41には、軸受46の外周部が係合する係合穴が設けられ、この係合穴の一部にスリット41eを有する。そして、磁性板80の長手方向における磁性板80の端部80eがスリット41eの幅に係合して取付けられることにより、現像スリーブ44の回転方向における磁性板80の位置が決まる。更に、現像容器41の外側における側面からスペーサ83を嵌め込むことで、スペーサ83の端部83aがスリット41eに係合し、スペーサ83の端部83aが軸受46の外周部と磁性板80との距離を決める。スペーサ83は、ビスによって現像容器41と結合される。
第1の実施形態では、上述した磁性板80の取り付け機構を用いて、磁性板80と現像スリーブ44との間の最近接距離が、0.5mmとなるように設定している。
ここで、図4及び図5の説明に戻る。図4及び図5に示すように、案内部70bの現像スリーブ44と対向する側の端部70a(以降、単に案内部70aと呼ぶ)と現像スリーブ44との間には「クリアランスA1」が設けられている。また、磁性板80の一部分80a(以降、単に磁性板80aと呼ぶ)と現像スリーブ44との間には「クリアランスA2」が設けられている。
磁性板80aは、汲み上げ極S2による磁界領域(図5に示す破線部)に設けられている。磁性板80aは、強磁性体であるために、汲み上げ極S2による磁場によって磁化される。
続いて、第1の実施形態に係る現像装置4(機能分離型の現像装置)の構成における磁束密度及び磁気吸引力の分布について図7のグラフを用いて説明する。図7に示すグラフの横軸は、現像スリーブ44の回転方向に沿って、現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度である。また、図7に示すグラフの縦軸は、磁束密度の現像スリーブ44の表面に対する法線方向成分(Br)、及び、磁気吸引力の現像スリーブ44の表面に対する法線方向成分(Fr)である。
現像装置4の構成では、剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク位置を150度とし、汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク位置を270度としている。また、剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク値を30[mT]、汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク値を30[mT]としている。そして、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度が200度から220度である位置に、現像領域を通過した現像剤が現像スリーブ44の表面から剥離するための低磁力領域が生じる。この低磁力領域の磁束密度の絶対値は、所定値以下(例えば、0[mT]以上10[mT]以下)である。
また、現像装置4の構成では、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、現像スリーブ44の回転中心を通る水平面となす角度が240度である位置に、磁性板80が配置されている。そして、剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク値を30[mT]、汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク値を30[mT]としたとき、磁性板80aの磁束密度の極大ピーク値は、13.8[mT]となる。この例では、汲み上げ極S2による磁場によって磁化された磁性板80aの磁束密度のピーク値は、汲み上げ極S2の磁束密度のピーク値の46%となっている。即ち、汲み上げ極S2による磁場によって磁化された磁性板80aの磁束密度のピーク値は、汲み上げ極S2の磁束密度のピーク値よりも小さくなる。
このように、汲み上げ極S2による磁場によって磁性板80aが磁化された結果、磁性板80aと現像スリーブ44との間に磁界が形成される。この磁界によって、供給現像剤D1が磁気的に引き付けられて、磁性板80aと現像スリーブ44との間に供給現像剤D1が保持される。これにより、「クリアランスA2」が供給現像剤D1によって埋められて、「クリアランスA2」における空気流の通り道が塞がれる。
また、前述したように、磁性板80と隔壁70との間はシール部材81によって埋められているため、磁性板80と隔壁70との間における空気流の通り道も塞がれている。このため、空気流の通り道が塞がれた空間には、現像スリーブ44の回転に伴って、図5に示す渦流F2が形成される。現像スリーブ44の回転に伴って発生する空気流F0は、渦流F2の存在によって、「クリアランスA1」を通過しづらくなり、現像スリーブ44の外周における流速FLに引き寄せられやすくなる。その結果、空気流F0が流速FLに引き寄せられて、案内部70bの斜面上を沿うように空気流F1が形成される。
これにより、剥ぎ取り極S3と汲み上げ極S2によって形成される反発磁界により現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像工程後の現像剤(回収現像剤D2)は、空気流F1に沿って、撹拌室41bにスムーズに回収される。このため、回収現像剤D2に負荷が掛かることなく、回収現像剤D2が「クリアランスA1」を通過することを抑制することができる。重力によって撹拌室41bに落下した回収現像剤D2は、第2スクリュー部72による撹拌を受ける。
尚、第1の実施形態では、汲み上げ極S2による磁場によって強磁性体である磁性板80aが磁化されたときの磁性板80aの磁界の強さは、永久磁石の磁界の強さよりも弱くなる。即ち、磁性板80aが強磁性体である場合、永久磁石と比べて、磁性板80aが現像剤を磁気的に引き付ける力が相対的に弱いため、磁性板80aに保持された供給現像剤D1は、現像スリーブ44の回転に伴って磁性板80aから剥離しやすい傾向にある。磁性板80aから剥離された現像剤(供給現像剤D1)は、現像室41a内に落下した後、第1スクリュー部71による撹拌を受ける。また、磁性板80aから剥離された現像剤(供給現像剤D1)は、汲み上げ極S2による磁場によって磁化された磁性板80aに磁気的に引き付けられて、磁性板80aに再び保持される。このため、図5に示した渦流F2が維持されるとともに、案内部70bの斜面上に沿った空気流F1が維持される。
以上説明したように、第1の実施形態では、機能分離型の現像装置において、トナー濃度が低下している現像工程後の現像剤が案内部と現像剤担持体との間の所定のクリアランスを通過することを抑制しつつ、現像剤に掛かる負荷を低減することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る現像装置4の構成について、図8の模式図を用いて説明する。図8において、図5と同一の符号を付したものは同一の構成を示している。
第2の実施形態では、磁性板80と隔壁70との間にシール部材81が設けられていないところが、第1の実施形態とは異なる。即ち、第2の実施形態では、磁性板80と隔壁70との間に「クリアランスA3」が設けられている。
尚、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図6及び図7で前述した磁性板80の取り付け機構を用いて、磁性板80と現像スリーブ44との間の最近接距離が、0.5mmとなるように設定している。
図8に示した渦流F2の存在により、現像スリーブ44の回転に伴って発生する空気流F0は、「クリアランスA1」を通過しづらくなっている。しかしながら、「クリアランスA1」を通過する空気流F0が少なからず存在するため、回収現像剤D2が「クリアランスA1」を通過することがある。
一方、第2の実施形態では、「クリアランスA3」が設けられているため、図8に示す空気流F3が形成される。このため、「クリアランスA1」を通過する空気流F0に乗って、「クリアランスA1」を通過した回収現像剤D2は、空気流F3に乗って、「クリアランスA3」を通過する。「クリアランスA3」は、汲み上げ極S2による磁界が及ばない領域であるので、「クリアランスA3」を通過した回収現像剤D2は、現像室41aにスムーズに回収される。そして、重力によって現像室41aに落下した回収現像剤D2は、第1スクリュー部71による撹拌を受ける。
即ち、回収現像剤D2が「クリアランスA1」を通過したとしても、「クリアランスA1」を通過した回収現像剤D2は、第1スクリュー部71による撹拌を受けることになる。故に、回収現像剤D2が「クリアランスA1」を通過したとしても、トナー濃度が低下している状態で現像スリーブ44の表面に再び担持されることを抑制することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る現像装置4の構成について、図9の模式図を用いて説明する。図9において、図5と同一の符号を付したものは同一の構成を示している。
第3の実施形態では、現像室41aにおいて、現像スリーブ44に近接するように設けられた磁性体が、強磁性体である磁性板80ではなく、強磁性体である磁性ロール82であるところが、第1の実施形態とは異なる。
第3の実施形態では、磁性ロール82の外周面と現像スリーブ44の表面との最近接距離が、0.6mmとなるように設定している。
第3の実施形態では、磁性ロール82は、鋼材(例えば、SUM材)にニッケルメッキを施した強磁性体である。また、磁性ロール82の直径は4mmであり、磁性ロール82の両端部が現像容器41によって支持される。また、磁性ロール82と隔壁70との間には、磁性ロール82の長手方向にわたってシール部材81が設けられている。これにより、磁性ロール82と隔壁70との間がシール部材81によって埋められて、磁性ロール82と隔壁70との間における空気流の通り道が塞がれる。
また、磁性ロール82の外周面と現像スリーブ44との間には「クリアランスA4」が設けられている。磁性ロール82の一部分82a(以降、単に磁性ロール82aと呼ぶ)は、汲み上げ極S2による磁界領域(図9に示す破線部)に設けられている。磁性ロール82は強磁性体であるため、磁性ロール82aは、汲み上げ極S2による磁場によって磁化される。
このように、汲み上げ極S2による磁場によって磁性ロール82aが磁化された結果、磁性ロール82aと現像スリーブ44との間に磁界が形成される。この磁界によって、供給現像剤D1が磁気的に引き付けられて、磁性ロール82aと現像スリーブ44との間に供給現像剤D1が保持される。これにより、「クリアランスA4」が供給現像剤D1によって埋められて、「クリアランスA4」における空気流の通り道が塞がれる。
また、前述したように、磁性ロール82と隔壁70との間はシール部材81によって埋められているため、磁性ロール82と隔壁70との間における空気流の通り道も塞がれている。このため、空気流の通り道が塞がれた空間には、現像スリーブ44の回転に伴って、図9に示す渦流F2が形成される。現像スリーブ44の回転に伴って発生する空気流F0は、渦流F2の存在によって、「クリアランスA1」を通過しづらくなり、現像スリーブ44の外周における流速FLに引き寄せられやすくなる。その結果、空気流F0が流速FLに引き寄せられて、案内部70bの斜面上を沿うように空気流F1が形成される。
これにより、剥ぎ取り極S3と汲み上げ極S2によって形成される反発磁界により現像スリーブ44の表面から剥ぎ取られた現像工程後の現像剤(回収現像剤D2)は、空気流F1に沿って、撹拌室41bにスムーズに回収される。このため、回収現像剤D2に負荷が掛かることなく、回収現像剤D2が「クリアランスA1」を通過することを抑制することができる。重力によって撹拌室41bに落下した回収現像剤D2は、第2スクリュー部72による撹拌を受ける。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
上記実施形態では、現像領域を通過した現像剤が現像スリーブ44の表面から剥離する低磁力領域の磁束密度の絶対値が0[mT]以上10[mT]以である例について説明したが、これに限られない。現像スリーブ44の表面から現像剤が剥離する磁束密度の大きさの範囲は、磁性キャリアの直径や磁性キャリアの比重等の各種のパラメータによって変動するものである。そのため、現像領域を通過した現像剤が現像スリーブ44の表面から剥離されるのであれば、低磁力領域の磁束密度の絶対値の上限は、10[mT]よりも大きくてもよい。ただし、低磁力領域の磁束密度の絶対値の上限は、剥ぎ取り極S3の磁束密度の極大ピーク値や、汲み上げ極S2の磁束密度の極大ピーク値よりも小さい。
上記実施形態では、図4に示したように、マグネットロール44aが、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、5つの磁極を有する例について説明したが、これに限られない。マグネットロール44aが、現像スリーブ44の回転方向(矢印R44方向)に沿って、4つ以上の磁極、又は6つ以上の磁極を有する構成の現像装置に本発明を適用することも可能である。その場合にも、案内部70bは、現像スリーブ44の回転方向において剥ぎ取り極の磁束密度の極大ピーク位置よりも下流側且つ汲み上げ極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側での現像スリーブ44の表面であって低磁力領域と対向して配置させればよい。また、外部磁場によって磁化する磁性体を、現像スリーブ44の回転方向において案内部70bよりも下流側且つ汲み上げ極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における現像スリーブ44の表面と対向して配置させればよい。
また、上記実施形態では、図1に示したように、中間転写ベルト7を像担持体として用いる構成の画像形成装置100を例に説明したが、これに限られない。感光体ドラム1に順に記録材を直接接触させて転写を行う構成の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。その場合には、感光体ドラム1が、トナー像を担持する回転可能な像担持体を構成する。
また、上記実施形態では、図4に示したように、現像スリーブ44が反時計回りに回転し、且つ、規制ブレード42が現像スリーブ44の下方に配置されている構成の現像装置4を例に説明したが、これに限られない。現像スリーブ44が時計回りに回転し、且つ、規制ブレード42が現像スリーブ44の上方に配置されている構成の現像装置に本発明を適用することも可能である。
4 現像装置
41a 現像室
41b 撹拌室
44 現像スリーブ
44a マグネットロール
70 隔壁
70b 案内部
80 磁性板

Claims (10)

  1. 回転可能に設けられ、トナーと磁性キャリアを含む現像剤を担持して像担持体と対向する現像領域に前記現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の下方に配置され、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給室と、
    前記現像剤担持体と対向して配置され、前記現像領域を通過した前記現像剤を前記現像剤担持体から回収する回収室と、
    前記現像剤担持体の内部に固定して配置され、第1の磁極と、前記現像剤担持体の回転方向において前記第1の磁極の下流側であって前記第1の磁極と隣り合うように配置され、前記第1の磁極と同極である第2の磁極を備えた、前記現像領域を通過した前記現像剤を前記現像剤担持体の表面から剥離させるための磁界を発生するマグネット手段と、
    前記マグネット手段により発生する前記磁界により前記現像剤担持体の表面から剥離された前記現像剤を前記回収室に回収するように案内するための案内部を備えた、前記供給室と前記回収室とを隔てる隔壁と、
    外部磁場によって磁化する磁性体と、
    を備え、
    前記案内部は、前記現像剤担持体の回転方向において前記第1の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも下流側且つ前記第2の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における前記現像剤担持体の表面であって、磁束密度の絶対値が所定値以下であり、前記現像領域を通過した前記現像剤が前記現像剤担持体の表面から剥離するための磁力領域と対向し、且つ前記現像剤担持体との間に所定のクリアランスを持って配置され、
    前記磁性体は、前記現像剤担持体の回転方向において前記案内部よりも下流側且つ前記第2の磁極の磁束密度の極大ピーク位置よりも上流側における前記現像剤担持体の表面と対向して配置され、
    前記第2の磁極による磁場によって前記磁性体が磁化されることにより前記磁性体と前記現像剤担持体との間に前記現像剤を保持するための磁界が形成される
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記所定値は、10[mT]である
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記磁性体の長手方向の長さは、前記現像剤担持体のコート領域の長手方向の長さよりも長い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記第2の磁極による磁場によって磁化された前記磁性体の磁束密度の極大ピーク値は、前記第2の磁極の磁束密度の極大ピーク値よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記第2の磁極による磁場によって磁化された前記磁性体の磁界の強さは、永久磁石の磁界の強さよりも弱い
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記磁性体と前記隔壁との間には、前記磁性体の長手方向にわたってシール部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記磁性体は、磁性板である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 前記磁性体は、磁性ロールである
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記回収室に回収された前記現像剤を前記供給室に搬送する搬送手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置。
  10. 記録材に画像を形成する画像形成装置に前記現像装置が装着されたとき、前記供給室と前記回収室は、水平方向に関して左右に並べて配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像装置。
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