JP2010066394A - 現像装置とこれを用いる画像形成装置及びトナー補給制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像装置へのトナーの補給量を正確に制御することができる現像装置とこれを用いる画像形成装置及びトナー補給制御方法を提供する。
【解決手段】トナーと磁性キャリアとを含む現像剤Dが搬送される第1搬送路(現像剤搬送路)Pと、第1搬送路Pに設けられて現像剤Dを撹拌しながら所定方向へ搬送する第1搬送部材(現像剤搬送部材)112aと、第1搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給パイプ116とを備えた現像装置2において、トナー補給パイプ116の外周部に沿って、トナー補給パイプ116内に磁界を形成する電磁石118を備えて、電磁石118により磁気ブラシシャッタJを形成することを特徴とするものとする。
【選択図】図5
【解決手段】トナーと磁性キャリアとを含む現像剤Dが搬送される第1搬送路(現像剤搬送路)Pと、第1搬送路Pに設けられて現像剤Dを撹拌しながら所定方向へ搬送する第1搬送部材(現像剤搬送部材)112aと、第1搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給パイプ116とを備えた現像装置2において、トナー補給パイプ116の外周部に沿って、トナー補給パイプ116内に磁界を形成する電磁石118を備えて、電磁石118により磁気ブラシシャッタJを形成することを特徴とするものとする。
【選択図】図5
Description
本発明は、トナーを補給可能な現像装置とこれを用いる画像形成装置及びトナー補給制御方法に係り、特に、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を用いたトナーの補給量を正確に制御することができる現像装置とこれを用いる画像形成装置及びトナー補給制御方法に関する。
静電電子写真方式を利用する画像形成装置は、一般的に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程、クリーニング工程及び除電工程を経て記録媒体上に画像を形成する装置である。
帯電工程では、帯電装置によって、回転駆動される感光体の表面が均一に帯電される。露光工程では、露光装置によって、帯電状態にある感光体表面にレーザ光が照射されて画像情報に対応する静電潜像が形成される。現像工程では、現像装置によって、感光体表面に形成された静電潜像が現像されてトナー像が形成される。転写工程では、転写装置によって、感光体表面に形成されたトナー像が記録媒体に転写される。定着工程では、定着装置によって、転写されたトナー像が加熱及び加圧されることにより記録媒体に定着される。
クリーニング工程では、クリーニング装置によって、トナー像転写後に感光体表面に残留するトナーが除去されて、感光体表面が清浄化される。このとき除去されたトナーは、所定の回収部に回収される。除電工程では、除電装置によって、清浄化された感光体表面に残留する残留電荷が除去されて、次の画像形成に備えられる。
このような画像形成装置では、現像剤として、トナーのみからなる一成分現像剤又はトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像するようになっている。
一成分現像剤は、トナーとキャリアとを均一に混合するための攪拌機構を必要としない点から、現像装置の構成が簡単になり装置を小型化できるといった利点を有するが、トナーの帯電量が安定化しにくいという欠点がある。
一方、二成分現像剤は、トナーとキャリアとを均一に混合するための攪拌機構を必要とする点から、現像装置の構成が複雑になり装置が大型化してしまうという欠点を有する。しかしながら、トナーの帯電安定性及び高速機への適合性に優れるといった利点を有するため、高速画像形成装置及びカラー画像形成装置によく使用される。
近年では、省エネルギー化及び高画質化に対するユーザの要望に応えるため、軟化温度が低く体積平均粒径が5μm〜9μm程度の小粒径トナーがよく使用される。このような小粒径トナーは、低温定着が可能であり、また高解像度化及び粒状感の低減効果に優れているため高画質化の達成に有効である。
二成分現像剤中のトナーは、現像操作の度毎に消費されるため、現像装置にはトナー消費量に応じて現像装置内にトナーを補給するためのトナー補給装置が設けられている。このようなトナー補給装置として、例えば、スクリューオーガからなるトナー排出部材を回転させることによりトナーをトナー排出口に導き、現像装置へと供給するように構成されたトナー補給装置が知られている(特許文献1を参照)。
特開2001−83802号公報
しかしながら、上述したスクリューオーガからなるトナー排出部材を用いたトナー補給装置では、トナー補給が行われていない状態において、すなわちトナー濃度が十分に高い場合であっても、画像形成装置の振動等によって、トナー排出スクリューの隙間にあったトナーが突発的に流出する現象が起こることがあった。このため、現像装置へのトナーの補給量を正確に制御できないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、現像装置へのトナーの補給量を正確に制御することができる現像装置とこれを用いる画像形成装置及びトナー補給制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明に係る現像装置とこれを用いる画像形成装置及びトナー補給制御方法は、次の通りである。
本発明は、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路に設けられて前記現像剤を撹拌しながら所定方向へ搬送する現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給路とを備えた現像装置において、前記トナー補給路の外周部に沿って、前記トナー補給路内に磁界を形成する電磁石を備えることを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、例えば、前記トナー補給路の外周部に沿って設けられた電磁石により前記トナー補給路内に磁界を発生させて、前記電磁石により発生した磁界により前記現像剤を吸着させて前記トナー補給路を一時的に閉鎖することを特徴とするものである。
また、本発明は、前記電磁石を、前記トナー補給路を挟んで複数個配置し、複数個の電磁石により前記トナー補給路内に同一方向の磁界を形成することが好ましい。
また、本発明は、前記電磁石により形成される磁界を、前記トナー補給路内の磁束密度が500mT以上2000mT以下となるようにすることが好ましい。
また、本発明は、前記電磁石を、前記トナー補給路下方の現像剤搬送路内の現像剤の表面から5〜30mm離間した配置に配置することが好ましい。
また、本発明は、前記トナー補給路を介して対向して配置される電磁石間の距離を、5〜25mmとすることが好ましい。
また、本発明は、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置とを備えて、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、本発明は、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給路とを備えた現像装置に、前記トナー補給路を通じてトナー補給装置からトナーを補給するトナー補給制御方法において、前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行わない時に、前記トナー補給路内に磁界を発生させる工程と、前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行う時に、前記トナー補給路内に磁界を発生させない工程と、を備えることを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、例えば、前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行わない時に、前記トナー補給路の外周部に沿って設けられた電磁石に通電することより発生した磁界により現像剤が吸引されている時に、この磁界に吸着された現像剤によって前記トナー補給路を閉鎖する工程と、前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行う時に、前記電磁石への通電を停止することにより磁界が消滅してトナー補給路を開放する工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路に設けられて前記現像剤を撹拌しながら所定方向へ搬送する現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給路とを備えた現像装置において、前記トナー補給路の外周部に沿って、前記トナー補給路内に磁界を形成する電磁石を備えることで、前記電磁石により発生した磁界により前記現像剤を吸着させて前記トナー補給路を一時的に閉鎖することができるので、トナー補給時以外にトナー補給パイプを閉鎖することによって、トナー補給装置からトナーが不意に落下して現像剤中に供給されることを防止できる。その結果、トナー濃度が過度に高まることによって生じるトナー飛散やカブリの発生を抑えることができる。
また、本発明によれば、前記電磁石を、前記トナー補給路を挟んで複数個配置し、複数個の電磁石により前記トナー補給路内に同一方向の磁界を形成することで、緻密な磁気ブラシシャッタが形成されるので、トナー補給装置から不意に落下してくるトナーを完全にトラップできる。
また、本発明によれば、前記電磁石により形成される磁界を、前記トナー補給路内の磁束密度が500mT以上2000mT以下となるようにすることで、トナー補給時には、現像剤搬送路内の現像剤の流動性を低下させることなく、トナー補給を行わない時には、磁気ブラシシャッタを形成することができる。
また、本発明によれば、前記電磁石を、前記トナー補給路下方の現像剤搬送路内の現像剤の表面から5〜30mm離間した配置に配置することで、磁気ブラシシャッタを確実に形成することができる。
また、本発明によれば、前記トナー補給路を介して対向して配置される電磁石間の距離を、5〜25mmとすることで、磁気ブラシシャッタを確実に形成することができる。
また、本発明によれば、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置とを備えて、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることで、トナー飛散に起因するトナー汚れやカブリのない画像を得ることができる。
また、本発明によれば、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給路とを備えた現像装置に、前記トナー補給路を通じてトナー補給装置からトナーを補給するトナー補給制御方法において、前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行わない時に、前記トナー補給路内に磁界を発生させる工程と、前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行う時に、前記トナー補給路内に磁界を発生させない工程と、を備えることで、この磁界に引き寄せられた現像剤によって前記トナー補給路を閉鎖し、トナー補給路を開放状態とすることができる。これにより、トナー補給の不必要な時にトナーが補給されることがないので、トナー濃度の制御を安定して行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る現像装置が用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る現像装置が用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
本実施形態は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、現像装置2にトナーを補給するトナー補給装置(トナー補給装置)101と、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置100において、現像装置2として、本発明に係る現像装置の構成を採用したものである。
この画像形成装置100は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100の上方にスキャナ等を備えてもよい。
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、図1に示すように、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。
したがって、画像形成装置100においては、図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
なお、上記a〜dの符号は、aが黒画像形成用の部材、bがシアン画像形成用の部材、cがマゼンタ画像形成用の部材、dがイエロー画像形成用の部材であることを示したものである。また、画像形成装置100には、露光ユニット1、定着ユニット12、シート搬送路S、給紙トレイ10及び排紙トレイ15が備えられている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
帯電器5としては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
露光ユニット1は、図1に示すように、レーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3に形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーにより顕像化する(現像する)ものである。現像装置2(2a,2b,2c,2d)は、トナー補給装置101(101a,101b,101c,101d)、トナー補給パイプ116(116a,116b,116c,116d)、現像槽(現像剤収容部)111(111a,111b,111c,111d)を備えている。
トナー補給装置101は、現像槽111よりもH方向側に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置101から現像槽111へトナー補給パイプ116を介してトナーが供給されるようになっている。
クリーナユニット4は、現像及び画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、及び中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料から形成され、他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)から形成される。
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、及び中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部及び露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシート及び手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部(転写ローラ11)、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)等が配置されている。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
定着ユニット12は、ヒートローラ81及び加圧ローラ82等を備え、これらヒートローラ81及び加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融、混合、圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、図1に示すように、上述したように予めシートを収納する給紙トレイ10、及び少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両トレイには各々ピックアップローラ16(16a,16b)が配置され、これらピックアップローラ16によってシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給するようになっている。
片面印字の場合は、給紙トレイ10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
また、手差しトレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
次に、本実施形態の特徴的な現像装置2について図面を参照して説明する。
図2は本実施形態に係る画像形成装置を構成する現像装置の構成を示す断面図、図3は図2のA−A断面矢視図、図4は図2のB−B断面矢視図である。
現像装置2は、図2に示すように、現像槽111内に、感光体ドラム3と対向するように配置された現像ローラ(現像剤担持部材)114を有し、現像ローラ114によって感光体ドラム3の表面にトナーを供給して、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像を顕像化する(現像する)装置である。
現像装置2は、現像ローラ114の他に、現像槽111、現像槽カバー115、トナー補給口119、ドクターブレード117、第1搬送部材112a、第2搬送部材112b、仕切り板(仕切り壁)113、トナー補給パイプ116、電磁石118を備えている。
現像槽111は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」と称する。)を収容する槽である。また、現像槽111には、現像ローラ114、第1搬送部材112a、第2搬送部材112b等が配設されている。なお、本実施形態のキャリアは、磁性を有する磁性キャリアである。
現像ローラ114は、回転するマグネットローラであり、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持し、表面に担持している現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム3に供給するものである。現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクターブレード(層厚規制用ブレード)117が配されている。
また、現像槽111の上側には、図2,図4に示すように、取り外し可能な現像槽カバー115が設けられている。さらに、現像槽カバー115には、図3,図4に示すように、現像槽111に未使用のトナーを補給するための、矩形状の貫通孔を形成するトナー補給口119が設けられ、断面が矩形状のトナー通過孔を有する四角柱状のトナー補給パイプ116が連結されている。
そして、図1に示すように、トナー補給装置101に収容されているトナーは、トナー補給パイプ116及びトナー補給口119を介して現像槽111に移送され、これにより現像槽111にトナーが補給されるようになっている。
トナー補給口119近傍には、トナー補給パイプ116を挟んで2つの電磁石118が配置されている。電磁石118,118は、トナー補給パイプ116を挟んで対向する2つの面がS極、N極として向かい合うように配置されている。
電磁石118が形成するトナー補給パイプ116中の磁界の磁束密度は、500mT以上2000mT以下が好ましい。すなわち、500mT未満では、十分な磁気ブラシシャッタを形成することが難しくなり、2000mTを超えると、磁気ブラシが第2搬送部材で搬送される現像剤の流動性を低下させ、現像剤搬送性が低下するためである。
電磁石118が設けられる位置は、現像剤面から5mm以上30mm以下で離間した高さとすることが好ましい。すなわち、5mm未満の距離では、トナー補給パイプ116内に形成された磁気ブラシが第1搬送部材112aで搬送される現像剤の流動性を低下させ、これにより、現像剤搬送性が低下する。一方、30mmを超える距離では、磁界が現像剤から離れ過ぎるため、トナー補給パイプ116内に十分な磁気ブラシシャッタを形成することが難しくなる。
現像装置2へのトナー補給は、図1に示すように、トナー補給装置101に収容されたトナーが、トナー補給パイプ116を介してトナー補給口119から現像槽111内に移送されることで行われる。
第1搬送部材112aおよび第2搬送部材112bは、図3に示すように、現像槽111において現像剤を撹拌及び搬送するための螺旋状の搬送羽根からなるスクリューオーガであり、モータ等の駆動手段(図示せず)によって軸が回転駆動することで、現像剤を撹拌すると共に搬送するようになっている。
第2搬送部材112bの鉛直方向下方の現像槽111底面には、図示しないトナー濃度検知センサが、センサ面が現像槽111の内部に露出するように設けられる。トナー濃度検知センサは、図示しない制御手段に電気的に接続され、トナー濃度検知センサによる検知結果がトナー濃度設定値よりも低いと判定されると、トナー補給装置へトナー補給動作を作動させる制御信号を送り、トナー補給が行なわれる。
第1搬送部材112a及び第2搬送部材112bは、互いの周面同士が仕切り板113を介して対向するように且つ互いの軸同士が平行になるように並列され、互いに逆方向に回転するように設定されている。そして、第1搬送部材112aは、図3に示すように、矢印X方向に現像剤を搬送し、第2搬送部材112bは、矢印X方向とは逆の矢印Y方向に現像剤を搬送するように設定されている。
現像槽111には、第1搬送部材112aと第2搬送部材112bとの間に仕切り板113が配設されている。仕切り板113は、第1および第2搬送部材112a,112bの各軸方向(各回転軸方向)に平行に延設されている。現像槽111の内部は、仕切り板113によって、第1搬送部材112aが配されている第1搬送路Pと、第2搬送部材112bが配されている第2搬送路Qとに区画される。
仕切り板113は、第1搬送部材112a及び第2搬送部材112bの各軸方向の両端部において、現像槽111の内側の壁面から離間して配置されている。これにより、現像槽111には、第1搬送部材112a及び第2搬送部材112bの各軸方向の両端部付近において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する連通路が形成されている。以下では、図3に示されるように、矢印X方向側に形成されている連通路を第1連通路a、矢印Y方向側に形成されている連通路を第2連通路bと称する。
また、本実施形態では、トナー補給口119は第1搬送路P内の領域であり且つ第2連通路bよりも矢印X方向側の位置に形成されている。つまり、第1搬送路Pにおいて、第2連通路bの下流側にトナーが補給されることになる。
現像槽111において、第1搬送部材112a及び第2搬送部材112bは、モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動し、現像剤を搬送する。
具体的には、第1搬送路Pにおいて、現像剤は、第1搬送部材112aによって撹拌されながら矢印X方向へ搬送され、第1連通路aに到達する。第1連通路aに到達した現像剤は、第1連通路aを通過して第2搬送路Qへ搬送される。
また、第2搬送路Qにおいて、現像剤は、第2搬送部材112bによって、撹拌されながら矢印Y方向へ搬送され、第2連通路bに到達する。そして、第2連通路bに到達した現像剤は、第2連通路bを通過して第1搬送路Pへ搬送される。
つまり、第1搬送部材112aと第2搬送部材112bとは、互いに逆方向に現像剤を撹拌しながら搬送している。
このようにして、現像剤は、現像槽111において、第1搬送路Pと第1連通路aと第2搬送路Qと第2連通路bとを、第1搬送路P→第1連通路a→第2搬送路Q→第2連通路b、という順序にて循環移動していることになる。そして、現像剤は、第2搬送路Qにて搬送されている間に、現像ローラ114の回転にてその表面に担持されて汲み上げられ、汲み上げられた現像剤中のトナーが感光体ドラム3へと移動して、順次消費されていく。
このように消費されるトナーを補うべく、未使用のトナーがトナー補給口119から第1搬送路Pへ補給される。補給されたトナーは第1搬送路Pにおいて従前より存在する現像剤と混合撹拌される。
ここで、本実施形態に係る現像装置2のトナー補給パイプ116における電磁石118による特徴的な作用について図面を参照して説明する。
図5は本実施形態に係る画像形成装置の現像装置において電磁石に通電した時にトナー補給パイプ内に現像剤により磁気ブラシシャッタが形成された状態を示す説明図、図6は前記現像装置において電磁石の通電を停止した時にトナー補給パイプ内の磁気ブラシシャッタが消滅した状態を示す説明図である。
現像装置2において、トナー補給パイプ116の外周部に配置された電磁石118に通電された状態では、図5に示すように、現像剤Dが電磁石118により発生した磁界(磁場)により引き寄せられて、トナー補給パイプ116内に現像剤Dによる磁気ブラシシャッタJが形成される。この状態において、トナーTがトナー補給装置101から振動等により不意に落下したとしても、磁気ブラシシャッタJによりトラップされるため、現像槽111内にトナーTが補給されるのを防止することができる。
従って、トナー補給装置101から現像装置2にトナー補給を行わない時には、電磁石118に通電された状態にしてトナー補給パイプ116内に磁界を発生させて、現像剤Dによる磁気ブラシシャッタJを形成して、現像槽111内にトナーTが余計に補給されるのを防止することができる。
一方、電磁石118の通電を停止した状態では、トナー補給パイプ116内に磁界が無くなるため、図6に示すように、磁界により引き寄せられていた現像剤Dが落下して磁気ブラシシャッタJは消滅する。この状態において、トナー補給パイプ116内に障害となるものがなくなる。
従って、トナー補給装置101から現像装置2にトナー補給を行う時には、トナー補給装置101から供給されたトナーTはスムーズに現像槽111内に補給される。
以上のように構成したので、本実施形態によれば、現像装置2において、現像槽111内にトナーを供給するトナー補給パイプ116の外周部に沿って、トナー補給パイプ116内に磁界を形成する電磁石118を設けたことで、電磁石118に通電した時にだけ、トナー補給パイプ116内に一時的に現像剤Dによる磁気ブラシシャッタJを形成して、現像槽111内にトナーが余計に補給されるのを防止することができる。これにより、現像装置2へのトナーの補給量を正確に制御することができる。
従って、本実施形態によれば、トナー補給パイプ116内にシャッター等の構成要素を別途設けることなく、簡単な構成でトナー補給パイプ116内を落下するトナーの通過の可/不可を制御することができる。
尚、上述した実施形態では、本発明に係る現像装置2を図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、トナー補給装置101を用いて現像装置2にトナーを補給する画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
2 現像装置
100 画像形成装置
101 トナー補給装置
112a 第1搬送部材(現像剤搬送部材)
112b 第2搬送部材(現像剤搬送部材)
116 トナー補給パイプ(トナー補給路)
118 電磁石
119 トナー補給口
D 現像剤
J 磁気ブラシシャッタ
P 第1搬送路(現像剤搬送路)
Q 第2搬送路(現像剤搬送路)
T 補給トナー
100 画像形成装置
101 トナー補給装置
112a 第1搬送部材(現像剤搬送部材)
112b 第2搬送部材(現像剤搬送部材)
116 トナー補給パイプ(トナー補給路)
118 電磁石
119 トナー補給口
D 現像剤
J 磁気ブラシシャッタ
P 第1搬送路(現像剤搬送路)
Q 第2搬送路(現像剤搬送路)
T 補給トナー
Claims (7)
- トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路に設けられて前記現像剤を撹拌しながら所定方向へ搬送する現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給路とを備えた現像装置において、
前記トナー補給路の外周部に沿って、前記トナー補給路内に磁界を形成する電磁石を備えることを特徴とする現像装置。 - 前記電磁石は、前記トナー補給路を挟んで複数個配置され、複数個の電磁石により前記トナー補給路内に同一方向の磁界を形成することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記電磁石により形成される磁界は、前記トナー補給路内の磁束密度が500mT以上2000mT以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 前記電磁石は、前記トナー補給路下方の現像剤搬送路内の現像剤の表面から5〜30mm離間した位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
- 前記トナー補給路を介して対向して配置される電磁石間の距離は、5〜25mmとすることを特徴とする請求項3または4に記載の現像装置。
- 感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置とを備えて、電子写真方式により画像を形成する画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1乃至5のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - トナーと磁性キャリアとを含む現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路に補給トナーを導入するためのトナー補給路とを備えた現像装置に、前記トナー補給路を通じてトナー補給装置からトナーを補給するトナー補給制御方法において、
前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行わない時に、前記トナー補給路内に磁界を発生させる工程と、
前記トナー補給装置から前記現像装置にトナー補給を行う時に、前記トナー補給路内に磁界を発生させない工程と、
を備えることを特徴とするトナー補給制御方法。
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