JP5712320B2 - 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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本発明は、磁性一成分現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像する為の現像装置、およびこの現像装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、プリンター等の画像形成装置に用いられ、磁性一成分現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置として、特許文献1に記載されているような現像装置が知られている。かかる現像装置は、固定マグネットを内包する回転スリーブと、この回転スリーブ上に形成されるトナー層の厚みを規制するトナー層厚規制部材とを有する。トナー層厚規制部材は、磁性体の板状部材から構成されたブレードと、このブレードにおける回転スリーブの回転方向上流側に取り付けられた磁石とを備える。
上記の技術では、回転スリーブの内側の固定マグネットのうち、トナー層規制部材が対向する位置には、トナー層規制部材の磁石と同極の磁極が配置される。このように、トナー層が規制される領域で、同極の磁石が向かい合うことによって、トナーの薄層形成が可能となる。この結果、トナーの帯電が向上し、かぶりなどの画質欠陥が抑制される。
特開2003−167426号公報
上記のように、磁性一成分の現像剤が層規制されるにあたって、同極の磁石が対向して配置され、反発磁界によってトナーの薄層が形成される場合、トナーの搬送が不安定となることがある。この場合、回転スリーブ上のトナーの不安定な搬送状態が、像担持体へのトナー供給のむらに繋がってしまう。この結果、プリント画像において、縦筋などの画質欠陥が引き起こされることがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、特に、磁性一成分現像剤が、現像剤担持体と層規制部材との間に形成された反発磁界によって層規制されるにあたり、現像剤の搬送不良を抑止した現像装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る現像装置は、円筒形状を有し、回転駆動され、周面に磁性トナーを担持するスリーブと、前記スリーブに内包され、前記スリーブの周方向に複数の磁極を有する固定磁石と、を備える現像剤担持体と、前記固定磁石の前記複数の磁極のうち、一の磁極に対向して、前記スリーブと間隔をおいて配置される先端部を備え、磁性材料から構成され、前記先端部と前記スリーブの周面との間で前記スリーブ上の前記磁性トナーの厚さを規制する層規制部材と、前記層規制部材の前記スリーブの回転方向上流側に前記スリーブと間隔をおいて配置され、前記複数の磁極のうち、前記一の磁極の径方向の最大磁力を備える位置と重複する位置に、対向する第1対向面を有し、かつ、前記第1対向面に前記一の磁極と同極の磁極を備える対向磁石と、前記対向磁石の前記回転方向上流側に連設され、前記スリーブと間隔をおいて配置される非磁性部材と、を備え、前記対向磁石の前記第1対向面は、前記層規制部材の前記先端部よりも前記スリーブの周面から遠い位置に配置され、前記対向磁石は、前記第1対向面の前記回転方向上流側において、前記第1対向面と交差し、前記スリーブから離れる方向に位置する第1壁部を有し、前記非磁性部材は、前記スリーブに対向する第2対向面と、前記第2対向面の前記回転方向下流側において、前記第2対向面と交差し、前記スリーブから離れる方向に立設される第2壁部と、を有し、前記非磁性部材の前記第2壁部は、前記対向磁石の前記第1壁部に密着して配設され、前記非磁性部材の前記第2対向面は、前記対向磁石の前記第1対向面よりも、前記スリーブから離間して配置されることを特徴とする。
本構成によれば、現像剤担持体は、回転駆動されるスリーブと、スリーブに内包される固定磁石とを備える。現像剤担持体のスリーブと間隔をおいて配置される層規制部材によって、スリーブ上のトナーの厚さが規制される。更に、層規制部材の回転方向上流側には、対向磁石が配置される。対向磁石は、固定磁石の複数の磁極のうちの、一の磁極と対向する第1対向面を備えると共に、前記第1対向面に前記一の磁極と同極の磁極を備える。また、対向磁石の回転方向上流側には、スリーブと間隔をおいて、非磁性部材が配置される。スリーブ上を層規制部材に向かって搬送される磁性トナーは、対向磁石と固定磁石の同極間に作用する磁界によって、薄層化される。この際、非磁性部材が、対向磁石の回転方向上流側に配置されているため、対向磁石の回転方向上流側で、対向磁石に磁性トナーが付着することが抑制される。その結果、磁力の集中が緩和され、磁性トナーが、対向磁石と現像剤担持体との間に進入する際に、磁性トナーが受ける圧力が低減される。したがって、磁性トナーが、層規制部材によって層規制される過程において、磁性トナーが受けるストレスが低減され、かつ、磁性トナーが薄層化された上で、磁性トナーの層規制が実現される。また、本構成によれば、対向磁石のうち、回転方向上流側の第1壁部に、非磁性部材の第2壁部が密着して配置される。更に、本構成によれば、非磁性部材の第2対向面は、対向磁石の第1対向面よりも、スリーブから離間して配置される。このため、前記第2対向面が、前記第1対向面よりも、現像剤担持体のスリーブ側に突出することがない。この結果、トナーの流動が妨げられることがなく、トナー画像に濃度勾配が生じることが、より抑止される。
上記の構成において、前記スリーブの円筒軸の軸方向において、前記非磁性部材の両端部は、前記対向磁石の両端部よりも内側に配置されることが好ましい。
本構成によれば、磁性トナーが、スリーブ上を層規制部材に向かって搬送される際に、スリーブの軸方向の両端部における磁性トナーの搬送量が多い場合であっても、層規制部材の両端部側に、多量の磁性トナーが押し込まれることが抑止される。
上記の構成において、前記スリーブの円筒軸と交差する断面視において、前記固定磁石の前記一の磁極の径方向の磁力分布の前記回転方向上流側の端部を始点とし、前記一の磁極の前記最大磁力を有する位置よりも、前記回転方向上流側であって、前記一の磁極の前記最大磁力の50%の磁力を有する位置を終点とする領域に、前記非磁性部材の前記第2対向面の前記回転方向上流側の端部が、対向して配置されることが好ましい。
本構成によれば、一の磁極の周方向の磁力が高い領域に対向して、非磁性部材が配置される。このため、磁性トナーの周方向の移動が促進され、層規制部材に向かって搬送される磁性トナーの流動性が向上される。更に、非磁性部材の回転方向上流側の端部が、一の磁極よりも上流側の他の磁極に対向することがない。このため、非磁性部材とスリーブとの間に、多量の磁性トナーが流入し、スリーブの回転トルクが増大することが抑止される。この結果、トナー画像において、ギアピッチムラが生じることが抑制される。
上記の構成において、前記非磁性部材の前記第2対向面が、前記対向磁石の前記第1対向面よりも、前記スリーブから離れる方向に離間する距離をH(mm)、前記非磁性部材の前記第2対向面の前記回転方向の厚さをW(mm)としたとき、W>0.8×H+0.5×H、(H≧0)の関係を満たすことが好ましい。
本構成によれば、層規制部材に向かって搬送される磁性トナーの搬送性が高く維持され、トナー画像に縦筋が発生することが抑止される。
上記の構成において、前記非磁性部材は、導電性材料から構成され、前記スリーブと同電位に設定されることが好ましい。
本構成によれば、スリーブによって搬送され、非磁性部材に接触する磁性トナーが異常帯電を起こすことが抑止される。この結果、現像剤担持体によって形成されるトナー画像に、トナーかぶりが生じることが抑制される。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上記に記載の現像装置と、表面に静電潜像が形成され、前記現像剤担持体から前記トナーが供給される像担持体と、を備えることを特徴とする。
本構成によれば、磁性トナーが、対向磁石と現像剤担持体との間に進入する際に、磁性トナーが受ける圧力が低減される。したがって、磁性トナーが、層規制部材によって層規制される過程において、磁性トナーが受けるストレスが低減され、かつ、磁性トナーが薄層化された上で、磁性トナーの層規制が実現される。この結果、像担持体上に形成されるトナー画像に、副走査方向に沿った縦筋が形成されることが抑止され、良好なプリント画像が維持される。
本発明によれば、磁性一成分現像剤が、現像剤担持体と層規制部材との間に形成された反発磁界によって層規制される際に、現像剤の搬送不良を抑止することが可能となる。特に、層規制部材の上流側に形成された反発磁界に、現像剤が進入される際に、現像剤が受けるストレスが低減された現像装置、およびこれを備えた画像形成装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像ローラーの周辺の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の作用を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の作用を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の没入高さHに関する評価結果である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の没入高さHと厚さWに関する評価結果である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の没入高さHと厚さWに関する評価結果である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の配置を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る非磁性部材の軸方向の位置関係を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す側断面図である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング10と、この本体ハウジング10内に収容される給紙部20、画像形成部30、定着部40及びトナーコンテナ50と、を含む。
本体ハウジング10の前面側には前カバー11が、後面側には後カバー12が各々備えられている。前カバー11が開放されることで、トナーコンテナ50が前面側に露出する。これにより、ユーザーは、トナー切れの際にトナーコンテナ50を本体ハウジング10の前面側から取り出すことができる。後カバー12は、シートジャムやメンテナンスの際に開放されるカバーである。画像形成部30及び定着部40の各ユニットは、後カバー12が開放されることで、本体ハウジング10の後面側から取り出し可能となる。また、本体ハウジング10の側面には、左カバー12L(図1)と、左カバー12Lとは反対側の右カバー12R(図1には表れていない)とが、それぞれ鉛直方向に延伸するように配設されている。左カバー12Lの前側部分には、本体ハウジング10内に空気を取り込むための吸気口12Laが配設されている。また、本体ハウジング10の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部13が備えられている。前カバー11と、後カバー12と、左カバー12Lと、右カバー12Rと、排紙部13とによって画定される内部空間S(図2)に、画像形成を実行するための各種装置が内装される。
給紙部20は、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット21を含む(図2)。この給紙カセット21は、その一部が本体ハウジング10の前面からさらに前方に突出している。給紙カセット21のうち、本体ハウジング10内に収容されている部分の上面は、給紙カセット天板21Uによって覆われている。給紙カセット21には、前記シートの束が収容されるシート収容空間、前記シートの束を給紙のためにリフトアップするリフト板等が備えられている。給紙カセット21の後端側の上部にはシート繰出部21Aが設けられている。このシート繰出部21Aには、給紙カセット21内のシート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すための給紙ローラー21Bが配置されている。
画像形成部30は、給紙部20から送り出されるシートにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部30は、感光体ドラム31(像担持体)と、この感光体ドラム31の周囲に配置された、帯電装置32、露光装置(図2には表れていない)、現像装置33、転写ローラー34及びクリーニング装置35とを含む。画像形成部30は、左カバー12Lと右カバー12Rとの間に、配設される。
感光体ドラム31は、回転軸と、回転軸回りに回転する円筒面と、を備える。円筒面には、静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー像が円筒面に担持される。感光体ドラム31としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。
帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を均一に帯電するものであって、感光体ドラム31に当接する帯電ローラーを含む。
クリーニング装置35は、不図示のクリーニングブレードを有し、トナー像転写後の感光体ドラム31の周面に付着したトナーを清掃するとともに、不図示の回収装置に該トナーを搬送する。
露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム31の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。現像装置33は、感光体ドラム31上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム31の周面にトナーを供給する。現像装置33は、感光体ドラム31に供給するトナーを担持する現像ローラー331と、現像ハウジング330の内部で現像剤を攪拌しながら循環搬送する第1搬送スクリュー332及び第2搬送スクリュー333とを含む。
転写ローラー34は、感光体ドラム31の周面に形成されたトナー像をシート上に転写させるためのローラーである。転写ローラー34は、感光体ドラム31の円筒面に当接し、転写ニップ部を形成している。この転写ローラー34には、トナーと逆極性の転写バイアスが与えられる。
定着部40は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部40は、加熱源を内部に備えた定着ローラー41と、この定着ローラー41に対して圧接され、定着ローラー41との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー41による加熱および加圧ローラー42による押圧により、シート上に定着される。
トナーコンテナ50は、現像装置33に補給するトナーを貯留する。トナーコンテナ50は、トナーの主な貯留箇所となるコンテナ本体51と、コンテナ本体51の一側面の下部から突設された筒状部52と、コンテナ本体51の他の側面を覆う蓋部材53と、コンテナ内部に収容されトナーを搬送する回転部材54とを含む。トナーコンテナ50内に貯留されたトナーは、回転部材54が回転駆動されることによって、筒状部52の先端下面に設けられたトナー排出口521から現像装置33内に供給される。また、トナーコンテナ50の上方を覆うコンテナ天板50Hは、排紙部13の下方に位置する(図2参照)。
本体ハウジング10内には、シートを搬送するために、主搬送路22F及び反転搬送路22Bが備えられている。主搬送路22Fは、給紙部20のシート繰出部21Aから画像形成部30及び定着部40を経由して、本体ハウジング10上面の排紙部13に対向して設けられている排紙口14まで延びている。反転搬送路22Bは、シートに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートを主搬送路22Fにおける画像形成部30の上流側に戻すための搬送路である。
主搬送路22Fは、感光体ドラム31および転写ローラー34によって形成される転写ニップ部を、下方から上方に向かって、通過するように延設される。また、主搬送路22Fの、転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対23が配置されている。シートは、レジストローラー対23にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路22F及び反転搬送路22Bの適所には、シートを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口14の近傍には排紙ローラー対24が配置されている。
反転搬送路22Bは、反転ユニット25の外側面と、本体ハウジング10の後カバー12の内面との間に形成されている。なお、反転ユニット25の内側面には転写ローラー34及びレジストローラー対23の一方のローラーが搭載されている。後カバー12及び反転ユニット25は、それらの下端に設けられた支点部121の軸回りに各々回動可能である。反転搬送路22Bにおいてシートジャムが発生した場合、後カバー12が開放される。主搬送路22Fでシートジャムが発生した場合、或いは感光体ドラム31のユニットや現像装置33が外部に取り出される場合には、後カバー12に加えて反転ユニット25も開放される。
<現像装置の説明>
図3は、現像装置33の内部構造を示す平面図である。現像装置33は、一方向(現像ローラー331の軸方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング330を備え、現像ハウジング330は内部空間335を有する。内部空間335には、現像ローラー331と、第1攪拌スクリュー332および第2攪拌スクリュー333とが、平行に配設されている。本実施形態では、この内部空間335には、磁性一成分現像剤として、磁性トナーが充填される。
前記トナーは、内部空間335内において攪拌搬送され、静電潜像を現像するために、逐次現像ローラー331に供給され、消費される。その消費分に対応して、補充トナーがトナーコンテナ50から適宜供給される。
現像ローラー331は、現像ハウジング330の長尺方向に延設される円筒形状を有し、外周に回転駆動されるスリーブ部分を有する。スリーブ表面に担持されたトナーは、現像ハウジング330に配設された開口部(不図示)まで搬送され、対向する感光体ドラム31に供給される。現像ローラー331には、不図示のバイアス印加手段から、現像バイアスが印加される。現像バイアスは、直流電圧に交流電圧が重畳されたバイアスである。なお、現像ローラー331の構造については、後記で詳述する。
現像ハウジング330の内部空間335は、左右方向に延びる仕切り板334によって、左右方向に長尺の第1通路336と第2通路337とに区画されている。仕切り板334は、現像ハウジング330の左右方向幅よりも短く、仕切り板334の右端及び左端には、第1通路336と第2通路337とをそれぞれ連通させる上流連通部338及び下流連通部339が備えられている。これにより、現像ハウジング330の内部には、第1通路336、上流連通部338、第2通路337及び下流連通部339に至る循環経路が形成されている。
第1通路336には第1攪拌スクリュー332が収容され、第2通路337には第2攪拌スクリュー333が収容されている。第1攪拌スクリュー332及び第2攪拌スクリュー333は、それぞれ回転軸と、この回転軸の周上にスパイラル状に突設された撹拌羽根とを含む。第1攪拌スクリュー332は、回転軸回りに回転駆動されることで、図3の矢印a方向にトナーを搬送する。一方、第2攪拌スクリュー333は、回転軸回りに回転駆動されることで、矢印b方向にトナーを搬送する。第1攪拌スクリュー332及び第2攪拌スクリュー333が回転駆動されることで、上述の循環経路に沿ってトナーが循環搬送される。
尚、現像装置33の第1攪拌スクリュー332及び第2攪拌スクリュー333は、本来は図示しない天板で覆われている。現像装置33にトナーが補給されるトナー補給口350は、この天板に穿孔された開口部であり、第1通路336の右端付近の上方に配置されている(図3の点線部)。トナー補給口350の上方には、トナー搬送路が形成されたトナーコンテナ50が配置されている。トナーコンテナ50は、トナーコンテナ50の長手方向(トナー搬送路が形成されている方向)が、現像装置33の長手方向(第1攪拌スクリュー332の現像剤搬送方向)に直交する方向に位置するように、現像装置33に組みつけられている。トナーコンテナ50から落下したトナーは、トナー補給口350を介して、現像装置33に補給される。
トナーコンテナ50のトナー排出口521から供給されたトナーは、第1通路336に落下して既存のトナーと混合され、第1攪拌スクリュー332により矢印a方向に搬送される。この際、トナーは攪拌され、帯電される。
ここで、第1攪拌スクリュー332には、トナー補給口350よりトナー搬送方向下流側に搬送能力抑制部351が設けられている。搬送能力抑制部351は、第1攪拌スクリュー332の攪拌羽根が一部欠損している部分であり、この欠損部におけるトナーの搬送量は欠損部以外の搬送量に比べて低下する。このため、第1通路336を搬送されるトナーは、搬送能力抑制部351の搬送方向上流側で滞留することになる。
尚、本実施の形態では、第1攪拌スクリュー332の攪拌羽根が欠損した部分を搬送能力抑制部351とするが、この他に、第1攪拌スクリュー332の攪拌羽根の周縁部に回転軸と並行して棒部材を配設し、この棒部材が付設された部分が搬送能力抑制部351であってもよい。攪拌羽根に付設された棒部材によって、トナーの搬送能力が抑制され、トナーを滞留させることができる。
搬送能力抑制部351を設けることで、第1通路336を矢印a方向へ搬送されるトナーは、搬送能力抑制部351の直ぐ上流側であって、トナー補給口350に対向する位置にて滞留し、滞留部が形成される。従って、トナー補給口350からトナーが補給されて現像ハウジング330内のトナー量が増えると、この滞留部で滞留したトナーがトナー補給口350を塞ぐように作用し、それ以上のトナーの補給を抑制する。その後、現像ハウジング330内のトナーが消費され、滞留部で滞留したトナーが減少すると、トナー補給口350を塞いでいたトナーが減り、再びトナーがトナー排出口521から流入するようになる。
<現像ローラー331の周辺の構造>
次に、本実施形態に係る現像装置33の現像ローラー331の周囲の構造について、詳述する。図4は、現像装置33において、現像ローラー331の周辺を拡大した断面図である。同図は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面における断面図である。図5は、現像ローラー331の周囲のトナーの動きを説明するための模式的な断面図である。
現像ローラー331(現像剤担持体)は、回転駆動される円筒形状のスリーブ331Sと、スリーブ331Sの内部に、軸方向に沿って固定配置される円柱形状のマグネット331M(固定磁石)とを備える。スリーブ331Sは、不図示の駆動手段によって、矢印D41方向に回転駆動され、周面に磁性トナーを担持する。マグネット331Mは、スリーブ331Sの内部に、スリーブ331Sの周方向に複数の磁極を有する固定磁石である。マグネット331Mは、周方向に配置される4つの磁極S1極、N1極、S2極、N2極を備える。
S1極は、マグネット331Mのうち、前方かつ上方の位置に配置される。S1極は、トナー層を規制するために使用される。N1極は、マグネット331Mのうち、後方かつ上方の位置に配置される。N1極は、現像極として、感光体ドラム31にトナーを供給する機能を備える。N2極は、マグネット331Mのうち、前方かつ下方の位置に配置される。N2極は、現像ローラー331にトナーを汲み上げる機能を備える。S2極は、マグネット331Mのうち、N1極よりもスリーブ331Sの回転方向下流側であって、N2極よりもスリーブ331Sの回転方向上流側の位置に配置される。S2極は、主に、マグネット331Mのうち、後方かつ下方の位置に配置される。S2極は、N1極において、感光体ドラム31側に移動されなかったトナーを、現像ハウジング330に回収する機能を備える。図4において、現像ローラー331を囲む曲線MCは、各磁極によってもたらされる現像ローラー331の半径方向の磁力を、スリーブ331S上の周方向の分布として示したものである。
現像ローラー331よりも、前方かつ下方の位置に、第2攪拌スクリュー333が配置される。すなわち、第2攪拌スクリュー333は、マグネット331MのN2極に、対向して配置される。
現像装置33は、更に、層規制部材60と、磁石プレート70と、非磁性プレート80と、を備える。
層規制部材60は、現像ローラー331よりも、前方かつ上方の位置に配置される。層規制部材60は、現像ローラー331の軸方向に沿って、現像ローラー331(スリーブ331S)の周面に対向して配置される。詳しくは、層規制部材60は、現像ローラー331のうち、マグネット331MのS1極に対向して配置される。層規制部材60は、磁性材料から構成される板状部材である。層規制部材60は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面(図5)において、現像ローラー331に向かう方向を長辺とする矩形形状を備える。層規制部材60の先端部601は、現像ローラー331のスリーブ331Sと、間隔を置いて配置される。この結果、先端部601と、スリーブ331Sとの間で、層規制ギャップGが形成される。層規制部材60は、第2攪拌スクリュー333からスリーブ331S上に汲み上げられたトナーの層厚を規制する。
磁石プレート70(対向磁石)は、層規制部材60の前側に、層規制部材60に沿って配置される。換言すれば、磁石プレート70は、層規制部材60よりも、現像ローラー331のスリーブ331Sの回転方向(図4の矢印D41、図5の矢印D51、52)上流側に配置される。本実施形態では、磁石プレート70は、板状形状を備えた永久磁石から構成される。磁石プレート70は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面(図5)において、層規制部材60に沿って延設される矩形形状を備える。磁石プレート70は、層規制部材60の前側壁部である前面部602の下方部分に固定される。
磁石プレート70は、現像ローラー331のスリーブ331Sに対向する磁石下端部70S1(第1対向面)を備える。また、磁石プレート70は、磁石下端部70S1の回転方向上流側で、磁石下端部70S1と交差し、スリーブ331Sから離れる方向に位置する磁石縦壁70S2(第1壁部)を備える。磁石下端部70S1は、マグネット331MのS1磁極の径方向のピーク磁力S1P(図4)を備える位置と重複する位置に対向して配置される。磁石下端部70S1は、層規制部材60の先端部601よりも、スリーブ331Sの周面から遠い位置に配置される。磁石プレート70は、現像ローラー331に近い側に、マグネット331MのS1極と同極のS極を備える。また、磁石プレート70は、現像ローラー331に対して、前記S極よりも遠い側に、N極を備える。
非磁性プレート80(非磁性部材)は、磁石プレート70の前側に、磁石プレート70に沿って配置される。換言すれば、非磁性プレート80は、磁石プレート70よりも、現像ローラー331のスリーブ331Sの回転方向上流側に連設され、スリーブ331Sと間隔をおいて配置される。本実施形態では、非磁性プレート80は、板状形状を備えた、カーボンを含有したABS樹脂から構成される。非磁性プレート80は、スリーブ331Sと対向する下端部80S1(第2対向面)と、下端部80S1の回転方向下流側で、下端部80S1と交差し、スリーブ331Sから離れる方向に立設される縦壁80S2(第2壁部)と、を備える。非磁性プレート80の縦壁80S2は、磁石プレート70の磁石縦壁70S2に密着して配設される。非磁性プレート80の下端部80S1は、磁石プレート70の磁石下端部70S1よりも、スリーブ331Sから離間して配置される。なお、非磁性プレート80の下端部80S1と磁石プレート70の磁石下端部70S1とは、スリーブ331Sに対向し、面一となるように配置されてもよい。
このように、本実施形態では、層規制部材60よりも、現像ローラー331(スリーブ331S)の回転方向上流側に、磁石プレート70が配置される。更に、磁石プレート70よりも、現像ローラー331の回転方向上流側に、非磁性プレート80が配置される。換言すれば、現像ローラー331の回転方向上流側から下流側に向かって、非磁性プレート80、磁石プレート70、層規制部材60が順に、現像ローラー331の周面に対向して配置される。
<非磁性プレート80の作用>
次に、本実施形態に係る現像装置33の作用について説明する。図6および図7は、現像ローラー331の周囲のトナーの分布および動きを説明するための模式的な断面図である。図6(A)は、本実施形態に係る非磁性プレート80を備えない場合の図であり、図6(B)および図7は、本実施形態に係る非磁性プレート80を備えた場合の図である。
図6(A)を参照して、第2攪拌スクリュー333からスリーブ331Sに汲み上げられたトナーは、現像ローラー331(スリーブ331S)の回転(矢印D61)に伴って、層規制部材60が現像ローラー331に対向する領域に向かって搬送される。層規制部材60よりも、現像ローラー331の回転方向上流側(層規制部材60の裏面)には、磁石プレート70が配置される。この際、マグネット331MのS1極および磁石プレート70のS極によって、磁石プレート70と現像ローラー331との間には、反発磁界が形成される。反発磁界は、現像ローラー331のスリーブ331Sの周面近傍では、周方向に沿った形状をもって分布する。このため、現像ローラー331上に担持されるトナーは、前記反発磁界によって、スリーブ331Sの周面に密着するような力を受ける。この結果、現像ローラー331上のトナーが薄層化される。一方、磁石プレート70の周辺には、磁石プレート70のS極から、磁石プレート70の前方を通って、磁石プレート70のN極に向かう磁界MF(図7参照)が形成される。この結果、磁界MFに沿って、現像ローラー331上を搬送されたトナーが、磁石プレート70に強固に付着する(図6(A)のT1)。
現像ローラー331によって搬送されるトナーは、磁界MFに沿って磁石プレート70に付着したトナーと摺擦されながら、磁石プレート70と現像ローラー331との間を通過することとなる。このため、現像ローラー331上のトナーがストレスを受け、トナーの劣化が促進されてしまう。更に、磁界MFに沿って磁石プレート70に付着される磁性トナーによって、磁界の集中が起こり、磁石プレート70の下面ではトナーの搬送性が悪化する。この結果、トナーの表面に添加された外添剤などが埋没し、トナーの流動性が低下したり、トナーの荷電性が低下してしまう。これにより、プリント画像上に、濃度低下やトナーかぶりが発生することがある。
このような課題を解決するために、本実施形態では、磁石プレート70の裏面に、前述の非磁性プレート80が配置される。図7を参照して、非磁性プレート80が配置された場合、磁石プレート70のS極からN極に向かう磁界MFに沿ってトナーが付着しない。このため、磁石プレート70に強固に付着するトナーによって、磁石プレート70の周辺に形成される磁界の集中が抑止される。
この結果、図6(B)に示すように、層規制部材60および磁石プレート70と、現像ローラー331との間において、トナーが吸着される領域が、非磁性プレート80を備えない場合(図6(A))と比較して、小さく形成される(図6(B)のT2)。そして、マグネット331MのS1極、層規制部材60、磁石プレート70によって形成される磁界に引き寄せられるトナーの量が少ないため、トナーに過大なストレスが生じることがない。このため、トナーが、層規制ギャップGに向かって進入される際に、トナーが受けるストレスが低減される。更に、マグネット331MのS1極と磁石プレート70のS極の効果によって、反発磁界が形成され、トナーが薄層化された上で、トナーが層規制ギャップを通過することが可能となる。したがって、トナーが受けるストレスが低減されつつ、トナーの流動性が確保された状態で、トナーの薄層形成が実現される。
次に、現像装置33における非磁性プレート80の更に好ましい態様について、実施例をもとに説明する。なお、以後の各実施例は、下記の実験条件にて行った。
<実験条件について>
・感光体ドラム31:OPCドラム
・感光体ドラム31の周速度:146mm/sec
・現像ローラー331(スリーブ331S)の周速度:204mm/sec
・層規制ギャップG:0.3mm
・現像バイアスAC成分:矩形波振幅1.7kV、Duty50%
現像バイアスDC成分:270V
・感光体ドラム31の表面電位:430V
・現像ローラー331の直径:16mm
・感光体ドラム31の直径:24mm
・マグネット331MのN1ピーク磁力:80mT
S1ピーク磁力:80mT
N2ピーク磁力:30mT
S2ピーク磁力:20mT
・磁性トナーの平均粒子径:6.8μm(D50)
・層規制部材60の下端に対する磁石プレート70の下端の配置:層規制部材60の下端から0〜0.5mm
<非磁性プレート80の没入高さHについて>
図8は、磁石プレート70の磁石下端部70S1に対する、非磁性プレート80の下端部80S1の配置(没入高さH)について、好ましい態様を評価した結果である。なお、縦筋解消性とは、非磁性プレート80から層規制部材60に及ぶ領域において、トナーの搬送不良が生じた場合に、ハーフトーン画像に生じる画像欠陥である。図8において、縦筋解消性○とは、画像中に縦筋が殆ど発生していない状態を表しており、縦筋解消性△とは、画像中に若干の縦筋が発生している状態を表している。図8に示すように、没入高さが0〜1.5mmの範囲において、縦筋が顕著に発生しないことが知見された。また、没入高さHは、0〜1.0mmの範囲であることが更に望ましい。没入高さHが1.0mmから1.5mmの範囲では、トナーが、磁石プレート70の側面の露出部に若干付着するためである。また、没入高さHが0mm未満、すなわち、非磁性プレート80の下端部80S1が、磁石プレート70の磁石下端部70S1よりも下方に突き出した場合、下端部80S1の軸方向の傾斜や形状が、画像上に、濃度勾配として現れる場合がある。このため、没入高さHは、0mm以上であることが好ましい。
<非磁性プレート80の没入高さHと厚さWについて>
次に、図9を参照して、非磁性プレート80の厚さWおよび没入高さHの好ましい関係について説明する。図9のグラフの縦軸は、縦筋レベルを表している。縦筋レベルとは、前述の縦筋解消性を12段階において評価した結果である。縦筋レベル1とは、縦筋が発生していない状態を示し、縦筋レベル12とは、縦筋が顕著に発生している状態を示している。なお、縦筋レベル12は、図6(A)に示されるように、現像装置33に非磁性プレート80が備えられていない場合の画像レベルに等しい。また、図9のグラフでは、各条件において、ハーフトーン画像を4枚ずつサンプルし、各サンプルの縦筋レベルを平均化したものを表している。
本評価では、厚さWの異なる複数の非磁性プレート80に対して、没入高さHを変化させた上で、縦筋レベルの評価を行った。この結果、没入高さHが小さいほど、縦筋レベルが良好であること、また、厚さWが、厚いほど、縦筋レベルが良好であることが知見された。そして、非磁性プレート80の各厚さWの条件において、非磁性プレート80が備えられていない場合の縦筋レベル12と等しい結果となる没入高さHは、表1に示す結果となった。
Figure 0005712320
表1に示される厚さWおよび没入高さHの関係をグラフ化したものを図10に示す。図10の曲線よりも左側(上側)の領域において、縦筋レベルが良好であることが知見された。この結果、非磁性プレート80の厚さWおよび没入高さH(≧0)において、
厚さW>0.8×(没入高さH)+0.5×(没入高さH)・・・(式1)
の関係が満たされる場合に、非磁性プレート80によって、層規制部材に向かうトナーの搬送性が高く維持され、縦筋レベルが特に好適に改善される。
<非磁性プレート80の上流端部の配置について>
次に、図11を参照して、非磁性プレート80の好ましい配置について説明する。図11は、現像ローラー331のマグネット331Mのうち、N2極とS1極の磁力パターンを模式的に示すと共に、S1極の磁力パターンに対する磁石プレート70および非磁性プレート80の周方向の配置を示した図である。トナーは、紙面右側から左側に向かって、現像ローラー331上を搬送される。磁力パターンを示す曲線のうち、S1極径方向磁力S1R、N2極径方向磁力N2Rは、それぞれ、S1極およびN2極の径方向の磁力の分布を示している。S1極とN2極の境界には、S1極始点S1B(N2極終点N2B)が位置する。また、S1極周方向第1磁力S1T1、S1極周方向第2磁力S1T2は、S1極の周方向(接線方向)の磁力の分布であって、現像ローラー331の回転方向上流側と下流側の分布をそれぞれ示している。同様に、N2極周方向第1磁力N2T1、N2極周方向第2磁力N2T2は、N2極の周方向(接線方向)の磁力の分布であって、現像ローラー331の回転方向上流側と下流側の分布をそれぞれ示している。
前述のとおり、現像ローラー331のマグネット331MのS1極と、磁石プレート70のS極との間で、反発磁界が形成される。このため、図11に示すように、磁石プレート70は、マグネット331MのS1極の径方向の磁力のピーク磁力S1Pに対向して配置される。一方、非磁性プレート80の下端部80S1のうち、現像ローラー331の回転方向上流側の端部に相当する上流端部801は、S1極のうち、領域Zに対向して配置されることが望ましい。ここで、領域Zとは、S1極の径方向の磁力が、ピーク磁力S1Pの50%となる位置であって、現像ローラー331の回転方向上流側の位置(S1極半値位置S1H)から、S1極始点S1B(N2極終点N2B)までの領域に相当する。
表2は、層規制部材60および磁石プレート70の位置を固定させた状態で、非磁性プレート80の厚さWを変化させることで、上流端部801の位置を変化させた場合の縦筋解消性およびギヤピッチムラについて、評価した結果である。層規制部材60の周辺と現像ローラー331との間に、多量のトナーが凝集されると、現像ローラー331の回転トルクが上昇され、現像ローラー331に回転駆動において振動が発生する。この結果、現像ローラー331に回転駆動力を伝達する不図示の駆動ギアのピッチに応じた画像欠陥が、プリント画像にもたらされる。この画像欠陥を、ギヤピッチムラと呼ぶ。表2において、ギヤピッチムラ○とは、プリント上において、ギヤピッチムラが発生していない状態を表しており、ギヤピッチムラ△とは、ギヤピッチムラが若干発生している状態を表している。
Figure 0005712320
表2に示すように、非磁性プレート80の上流端部801が、S1極半値位置S1H(表2の50%)よりも上流側(表2の0%側)に配置されることで、縦筋解消性が良好となる。これは、領域Zにおいて、S1極の周方向の磁力(S1極周方向第1磁力S1T1)が強まるため、トナーの周方向の移動が促進されるためである。すなわち、上流端部801が、領域Zに配置されることで、トナーが径方向に移動される拘束力が弱まり、現像ローラー331の回転方向におけるトナーの流動性が向上する。一方、非磁性プレート80の上流端部801が、領域Zよりも上流側であって、N3極に対向する領域に対向された場合(N3極10%)、ギヤピッチムラに若干の悪化が生じる。これは、非磁性プレート80の厚さWが増すに従って、非磁性プレート80と現像ローラー331との間に滞留するトナーが増えるために、現像ローラー331のトルクアップが引き起こされるためである。このように、スリーブ331Sの円筒軸と交差する断面視において、マグネット331MのS1極の径方向の磁力分布の回転方向上流側の端部(S1B)を始点とし、S1極の最大磁力を有する位置(S1P)よりも、回転方向上流側であって、S1極の最大磁力の50%の磁力を有する位置(S1H)を終点とする領域に、非磁性プレート80の上流端部801が、対向して配置されることが好ましい。
<非磁性プレート80の軸方向端部について>
次に、図12を参照して、非磁性プレート80の軸方向の配置の好ましい態様について、説明する。図12は、現像ローラー331の回転軸が延伸される方向における、現像ローラー331、層規制部材60、磁石プレート70、非磁性プレート80の位置関係を模式的に示した図である。同図は、現像ローラー331の回転方向上流側から見た図である。現像ローラー331は、層規制部材60よりも、軸方向外側まで延伸される。磁石プレート70は、層規制部材60と略同等の長さをもって、層規制部材60に固定される。一方、非磁性プレート80は、磁石プレート70の軸方向内側に配置される。換言すれば、非磁性プレート80の軸方向の長さAX2は、磁石プレート70の軸方向の長さAX1よりも短い。この結果、非磁性プレート80の軸方向の両端部には、非磁性プレート80が配置されていない領域SD1、SD2が存在する。
現像ローラー331が製造されるにあたり、軸方向の両端部331X、331Yでは、磁力線が磁石側面との間で形成されるため、磁力が高くなる。この場合、現像ローラー331の表面では、現像ローラー331の軸方向の両端部XおよびYにおいて、トナー層が厚くなる。この結果、現像ローラー331上に担持された多量のトナーが、非磁性プレート80および磁石プレート70の下方に搬送されると、トナーは圧力の低い領域に移動しようとするため、領域XおよびYよりも、更に軸方向の外側に向かって移動する。この結果、層規制部材60の両端部において、トナーの圧力が更に増大されてしまう。したがって、層規制部材60の両端部において、トナーの圧力が増大することを抑止するために、磁石プレート70の両端部において、トナーに対する圧力が低減されることが望ましい。このため、図12に示すように、非磁性プレート80は、軸方向の両端部において、磁石プレート70の内側に配置されることが好ましい。
以上、本発明の実施形態に係る非磁性プレート80を備えた現像装置33、およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、非磁性プレート80はカーボン含有のABS樹脂の板状部材から構成される態様にて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。非磁性プレート80が非磁性材料から構成されるものであれば、他の材料が使用されてもよい。なお、非磁性プレート80にアルミニウムのような、非磁性かつ導電性の材料が使用される場合、現像ローラー331と非磁性プレート80との間を、不図示の導通路によって同電位とさせてもよい。この場合、現像ローラー331に印加される現像バイアスが、非磁性プレート80にも印加され、現像ローラー331と非磁性プレート80とが同電位に設定される。この場合、現像ローラー331によって搬送され、非磁性プレート80に接触するトナーが異常帯電を起こすことが抑止される。この結果、感光体ドラム31上に、トナーかぶりが生じることが抑制される。
(2)上記の実施形態では、現像ローラー331のマグネット331Mが、4つの磁極を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。マグネット331Mは、複数の磁極を備えるものであればよく、また、磁石プレート70に対向して配置されるマグネット331Mの磁極は、S極に限定されるものではない。現像ローラー331の使用態様に応じて、S極またはN極が、磁石プレート70に対向して配置されればよい。この場合、磁石プレート70の磁石下端部70S1には、マグネット331Mの対向磁極と同極の磁力が設定される。
33 現像装置
330 現像ハウジング
331 現像ローラー(現像剤担持体)
331S スリーブ
331M マグネット(固定磁石)
332 第1攪拌スクリュー
333 第2攪拌スクリュー
334 仕切り板
335 内部空間
336 第1通路
337 第2通路
338 上流連通部
339 下流連通部
350 トナー補給口
60 層規制部材
70 磁石プレート(対向磁石)
70S1 磁石下端部(第1対向面)
70S2 磁石縦壁(第1壁部)
80 非磁性プレート(非磁性部材)
80S1 下端部(第2対向面)
80S2 縦壁(第2壁部)
801 上流端部

Claims (6)

  1. 円筒形状を有し、回転駆動され、周面に磁性トナーを担持するスリーブと、前記スリーブに内包され、前記スリーブの周方向に複数の磁極を有する固定磁石と、を備える現像剤担持体と、
    前記固定磁石の前記複数の磁極のうち、一の磁極に対向して、前記スリーブと間隔をおいて配置される先端部を備え、磁性材料から構成され、前記先端部と前記スリーブの周面との間で前記スリーブ上の前記磁性トナーの厚さを規制する層規制部材と、
    前記層規制部材の前記スリーブの回転方向上流側に前記スリーブと間隔をおいて配置され、前記複数の磁極のうち、前記一の磁極の径方向の最大磁力を備える位置と重複する位置に、対向する第1対向面を有し、かつ、前記第1対向面に前記一の磁極と同極の磁極を備える対向磁石と、
    前記対向磁石の前記回転方向上流側に連設され、前記スリーブと間隔をおいて配置される非磁性部材と、を備え、
    前記対向磁石の前記第1対向面は、前記層規制部材の前記先端部よりも前記スリーブの周面から遠い位置に配置され
    前記対向磁石は、前記第1対向面の前記回転方向上流側において、前記第1対向面と交差し、前記スリーブから離れる方向に位置する第1壁部を有し、
    前記非磁性部材は、前記スリーブに対向する第2対向面と、前記第2対向面の前記回転方向下流側において、前記第2対向面と交差し、前記スリーブから離れる方向に立設される第2壁部と、を有し、
    前記非磁性部材の前記第2壁部は、前記対向磁石の前記第1壁部に密着して配設され、 前記非磁性部材の前記第2対向面は、前記対向磁石の前記第1対向面よりも、前記スリーブから離間して配置されることを特徴とする現像装置。
  2. 前記スリーブの円筒軸の軸方向において、前記非磁性部材の両端部は、前記対向磁石の両端部よりも内側に配置されることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  3. 前記スリーブの円筒軸と交差する断面視において、前記固定磁石の前記一の磁極の径方向の磁力分布の前記回転方向上流側の端部を始点とし、前記一の磁極の前記最大磁力を有する位置よりも、前記回転方向上流側であって、前記一の磁極の前記最大磁力の50%の磁力を有する位置を終点とする領域に、前記非磁性部材の前記第2対向面の前記回転方向上流側の端部が、対向して配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記非磁性部材の前記第2対向面が、前記対向磁石の前記第1対向面よりも、前記スリーブから離れる方向に離間する距離をH(mm)、前記非磁性部材の前記第2対向面の前記回転方向の厚さをW(mm)としたとき、
    W>0.8×H+0.5×H (H≧0)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  5. 前記非磁性部材は、導電性材料から構成され、前記スリーブと同電位に設定されること
    を特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の現像装置。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載の現像装置と、
    表面に静電潜像が形成され、前記現像剤担持体から前記トナーが供給される像担持体と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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