JP5711007B2 - 開放型x線源用冷却構造及び開放型x線源 - Google Patents

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Description

本発明は、開放型X線源用冷却構造及び開放型X線源に関する。
従来の開放型X線源として、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。特許文献1〜3記載の開放型X線源は、電子ビームを出射する電子源と、電子ビームの入射によってX線を発生するターゲットと、電子源からターゲットに至る電子ビームを通過させる電子通路と、電子通路を囲むように配置された電磁コイルと、を備えている。これらの開放型X線源は、外部雰囲気に対する電子通路の開放及び閉鎖、並びに閉鎖時における電子通路の真空引きが可能となっている。
特許文献1〜3記載の開放型X線源には、水冷によりターゲットや電磁コイルを冷却する冷却構造が用いられている。これにより、開放型X線源の動作時における構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動の抑制、延いては、その焦点移動に伴う特性の劣化の抑制が図られている。
特公平6−18119号公報 特公平7−82824号公報 特許第3950389号公報
しかしながら、特許文献1〜3記載の開放型X線源にあっては、特に微小焦点での使用条件が必要とされるX線管において、構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動の抑制が不十分となるおそれがある。その理由は、次のとおりである。
すなわち、微小焦点を実現させるためには、電子ビームの集束に加え、電子ビームの散乱成分の除去も非常に重要となる。そこで、電子ビームの散乱成分を除去すべく、アパーチャが形成されたアパーチャ部が電子通路上に配置される。この場合、アパーチャ部では、例えば、電子源から出射された電子ビームの実に8〜9割が除去されることもある。これにより、アパーチャ部での発熱量が非常に大きいものとなる。従って、ターゲットや電磁コイルの冷却だけでは、構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動の抑制が不十分となるおそれがあるのである。
そこで、本発明は、アパーチャ部で発生した熱を効果的に除去し、開放型X線源において、アパーチャ部の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を確実に抑制することができる開放型X線源用冷却構造、及びそのような冷却構造を備える開放型X線源を提供することを目的とする。
本発明の開放型X線源用冷却構造は、電子ビームを出射する電子源と、電子ビームの入射によってX線を発生するターゲットと、電子源からターゲットに至る電子ビームを通過させる電子通路と、を備え、外部雰囲気に対する電子通路の開放及び閉鎖、並びに閉鎖時における電子通路の真空引きが可能な開放型X線源に用いられる冷却構造であって、電子通路上に配置され、電子ビームの通過を制限するアパーチャが形成されたアパーチャ部と、アパーチャ部を保持する保持部と、保持部に接続された放熱部と、を備え、放熱部は、第1の冷媒流路構成部を含む第1の放熱部材、及び第2の冷媒流路構成部を含む第2の放熱部材を有し、第1の冷媒流路構成部と第2の冷媒流路構成部とは、組み合わせられることにより、冷媒流路を構成していることを特徴とする。
この開放型X線源用冷却構造では、冷媒流路が放熱部に形成されているため、アパーチャ部で発生した熱が保持部及び放熱部を介して冷媒流路中の冷媒に伝播することになる。従って、この開放型X線源用冷却構造によれば、アパーチャ部で発生した熱を効果的に除去し、開放型X線源において、アパーチャ部の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を確実に抑制することができる。
ここで、アパーチャ部は、保持部よりも融点の高い材料からなり、保持部は、アパーチャ部よりも熱伝導率の高い材料からなることが好ましい。この構成によれば、アパーチャ部において電子ビームの通過の制限を安定的に行うことができる。さらに、アパーチャ部で発生した熱をアパーチャ部から保持部に効率良く伝播させることができるので、アパーチャ部の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動をより確実に抑制することが可能となる。
また、保持部は、電子通路を囲むフランジ部を有し、フランジ部を介して放熱部に面接触していることが好ましい。この構成によれば、保持部と放熱部との接触面積を大きくして、アパーチャ部で発生した熱を保持部から放熱部に効率良く伝播させることができるので、アパーチャ部の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動をより確実に抑制することが可能となる。
また、第1の放熱部材と第2の放熱部材とは、同じ材料からなることが好ましい。この構成によれば、熱膨張率の違いに起因して第1の冷媒流路構成部と第2の冷媒流路構成部との間に隙間が生じることが抑制されるので、冷媒流路から冷媒が漏れるのを確実に防止して、アパーチャ部で発生した熱を安定的に除去することができる。
また、第1の冷媒流路構成部と第2の冷媒流路構成部とは、一方に対して他方が嵌め合わされることで組み合わせられており、嵌め合わされた面において第1の冷媒流路構成部と第2の冷媒流路構成部との間には、封止部材が配置されていることが好ましい。この構成によれば、冷媒流路から冷媒が漏れるのをより確実に防止して、アパーチャ部で発生した熱をより安定的に除去することができる。
本発明の開放型X線源は、電子ビームを出射する電子源と、電子ビームの入射によってX線を発生するターゲットと、電子源からターゲットに至る電子ビームを通過させる電子通路と、を備え、外部雰囲気に対する電子通路の開放及び閉鎖、並びに閉鎖時における電子通路の真空引きが可能な開放型X線源であって、上記開放型X線源用冷却構造を備えることを特徴とする。
この開放型X線源によれば、上述した開放型X線源用冷却構造を備えているので、アパーチャ部で発生した熱を効果的に除去し、開放型X線源において、アパーチャ部の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を確実に抑制することができる。
本発明によれば、アパーチャ部で発生した熱を効果的に除去し、開放型X線源において、構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を確実に抑制することができる。
本発明の一実施形態のX線発生装置の縦断面図である。 図1のX線発生装置の上側筒状部の縦断面図である。 図1のX線発生装置のアパーチャ冷却構造の縦断面図である。 実施例のX線発生装置におけるX線の焦点移動の時間変化を示すグラフである。 比較例のX線発生装置におけるX線の焦点移動の時間変化を示すグラフである。 図3のアパーチャ冷却構造の変形例の縦断面図である。 図3のアパーチャ冷却構造の変形例の縦断面図である。 図3のアパーチャ冷却構造の変形例の縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、X線発生装置(開放型X線源)1は、電子ビームEを出射する電子銃(電子源)2と、電子ビームEの入射によってX線を発生するターゲット3と、電子銃2からターゲット3に至る電子ビームEを通過させる電子通路4と、を備えている。電子銃2は、ステンレス鋼からなる円筒状の下側筒状部5内に収容されている。ターゲット3は、ターゲット部Tに形成されている。ターゲット部Tは、二重円筒状の上側筒状部6の上端部に着脱自在に取り付けられている。電子通路4は、電子銃2からターゲット3に至るように筒状部5,6内に設けられている。
上側筒状部6は、ヒンジ部7を介して下側筒状部5上に立設されている。この状態で、下側筒状部5の上端開口5aは、上側筒状部6の下壁8によって閉鎖されている。X線発生装置1では、ヒンジ部7を介して上側筒状部6を下側筒状部5に対して傾動させることで(図1の二点鎖線参照)、下側筒状部5の上端開口5aを開放し、電子銃2のグリッド部9内に配置されたフィラメント部Fを交換することができる。
下側筒状部5の側壁5bには、電子通路4を高真空状態にするための真空ポンプ11が接続されている。これにより、ターゲット部Tやフィラメント部Fの交換時に、電子通路4が外部雰囲気に対して開放されるものの、ターゲット部Tやフィラメント部Fの交換後に、電子通路4が外部雰囲気に対して閉鎖された状態で、電子通路4の真空引きを行うことができる。
下側筒状部5の下端開口5cには、電子銃2との一体化が図られたモールド電源部12が気密に固定されている。モールド電源部12は、電気絶縁性の樹脂によって高圧発生部等がモールド成形されたものであり、下側筒状部5の下側に位置する直方体状の本体部12a、及び本体部12aから下側筒状部5内に突出する円柱状のネック部12bを有している。本体部12aは、金属からなるケース13内に収容されている。
図2に示されるように、上側筒状部6は、円筒状の内筒部14及び外筒部15を有している。内筒部14の上端部14a及び外筒部15の上端部15aは、上側に向かって円錐台状に縮径されている。外筒部15には、上壁16及び下壁17が一体的に形成されている。上壁16は、内筒部14の上端部14aから離間した状態で上端部14aに対向している。下壁17は、内筒部14の下端に接触している。
内筒部14内には、ステンレス鋼からなるパイプ部材18が挿入されている。パイプ部材18の上端部18aは、上壁16の貫通孔16aを介してターゲット3に対向している。パイプ部材18の下端部18bは、下壁17を貫通しており、下壁8の貫通孔8aを介して電子銃2に対向している。つまり、パイプ部材18は、電子銃2からターゲット3に至る電子ビームEを通過させる電子通路4の一部を構成している。
内筒部14と外筒部15との間には、ボビン19にエナメル線を巻き付けてなる電磁コイル21が配置されている。電磁コイル21は、電子通路4を囲んでおり、電子通路4を通過する電子ビームEをターゲット3に集束させる。なお、内筒部14、外筒部15、上壁16及び下壁17は、軟鉄等の磁性材料からなり、電磁コイル21によって生じる磁束が通過する磁気回路の一部を構成している。
ボビン19には、内筒部14とボビン19とが対向する部位の略全体において、内筒部14を囲むように冷媒流路22が設けられている。具体的には、冷媒流路22を波型や櫛歯状、ジグザグ形状や螺旋状等に設けることで、冷却面積を大きくし、電磁コイル21全体を冷却している。冷媒流路22には、X線発生装置1の動作時に、液体の冷媒として、例えば水が流通させられる。これにより、X線発生装置1の動作時に電磁コイル21が通電によって発熱しても、電磁コイル21で発生した熱がボビン19を介して冷媒流路22中の水に伝播することになる。従って、冷媒流路22によれば、電磁コイル21で発生した熱を除去し、電磁コイル21の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を抑制することができる。
上側筒状部6の上壁16上には、ターゲット部Tを保持する円形板状の保持部23が気密に固定されている。保持部23の貫通孔23aは、上壁16の貫通孔16aとターゲット部Tのターゲット3との間に位置している。ターゲット部Tは、ステンレス鋼からなる円環状の支持枠24を有している。支持枠24には、ベリリウムからなるX線出射窓25が固定されている。X線出射窓25の下面には、タングステンからなるターゲット3が形成されている。
保持部23とターゲット部Tの支持枠24との間には、Oリング26が配置されている。この状態で、支持枠24は、保持部23に取り付けられたキャップ状の押圧部材27によって保持部23に対して押圧されている。これにより、ターゲット部Tと保持部23との間の気密性が確保されている。X線発生装置1では、押圧部材27を取り外すことで、ターゲット部Tを交換することができる。
保持部23の下面には、外筒部15の上端部15aを囲む円環状の放熱部28が固定されて接続されている。放熱部28には、外筒部15の上端部15aを囲む円環状の冷媒流路29が設けられている。冷媒流路29には、X線発生装置1の動作時に、液体の冷媒として、例えば水が流通させられる。これにより、X線発生装置1の動作時にターゲット部Tが電子ビームEの入射によって発熱しても、ターゲット部Tで発生した熱が保持部23及び放熱部28を介して冷媒流路29中の水に伝播することになる。従って、冷媒流路29によれば、ターゲット部Tで発生した熱を除去し、ターゲット部Tの発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を抑制することができる。
図2及び図3に示されるように、X線発生装置1には、アパーチャ冷却構造(開放型X線源用冷却構造)10が用いられている。アパーチャ冷却構造10は、電子通路4上に配置された段付円柱状のアパーチャ部31を備えている。アパーチャ部31の上側部分31aは、上壁16の貫通孔16a内に配置されている。アパーチャ部31の下側部分31bは、上側部分31aよりも拡径されており、上壁16の下側に配置されている。下側部分31bの下端面には、凹部32が形成されている。上側部分31aには、凹部32の底面から上側部分31aの上端面に至るアパーチャ33が形成されている。アパーチャ33は、凹部32よりも小径の貫通孔であって、電子ビームEの通過を制限する。
アパーチャ部31は、保持部34によって保持されている。保持部34は、上側に開口し、内面に段差部を有する円筒状の本体部34a、及び電子通路4を囲む円環状のフランジ部34bを有している。フランジ部34bは、本体部34aの上端部に一体的に形成されている。本体部34aの底部には、電子ビームEを通過させる電子通過孔35が形成されている。本体部34a内には、段差部上に載るようにしてアパーチャ部31の下側部分31bが配置されている。本体部34aの下側部分は、パイプ部材18の上端部18a内に配置されている。この状態で、フランジ部34bは、上壁16の下面に気密に固定されている。
保持部34には、内筒部14の上端部14aを囲む円環状の放熱部36が固定されて接続されている。保持部34は、フランジ部34bを介して放熱部36と面接触している。放熱部36は、上側に位置する放熱部材(第1の放熱部材)37、及び下側に位置する放熱部材(第2の放熱部材)38を有している。
放熱部材37は、電子通路4を囲む円環状の冷媒流路構成部(第1の冷媒流路構成部)41を含んでいる。冷媒流路構成部41の断面形状は、矩形状となっている。冷媒流路構成部41には、電子通路4を囲む円環状の切欠き部41aが形成されている。切欠き部41aの断面形状は、外側及び下側に開口した矩形状となっている。
放熱部材38は、電子通路4を囲む円環状の冷媒流路構成部(第2の冷媒流路構成部)42を含んでいる。冷媒流路構成部42の断面形状は、矩形状となっている。冷媒流路構成部42には、電子通路4を囲む円環状の溝部42aが形成されている。溝部42aの断面形状は、上側に開口した矩形状となっている。
冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42とは、冷媒流路構成部41が冷媒流路構成部42に対して嵌め合わされることで(すなわち、冷媒流路構成部41が溝部42aに嵌め合わされることで)管状構造を構成するように組み合わせられている。これにより、冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42とは、電子通路4を囲む円環状の冷媒流路43を構成している。冷媒流路43は、切欠き部41aと溝部42aとが重なる領域に相当する。冷媒流路43には、X線発生装置1の動作時に、液体の冷媒として、例えば水が流通させられる。
互いに接触する冷媒流路構成部41の外側側面及び溝部42aの外側側面(嵌め合わされた面)において、冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42との間には、Oリング(封止部材)44が配置されている。同様に、互いに接触する冷媒流路構成部41の内側側面及び溝部42aの内側側面(嵌め合わされた面)において、冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42との間には、Oリング44が配置されている。
ここで、アパーチャ部31は、保持部34よりも融点の高い材料からなり、保持部34は、アパーチャ部31よりも熱伝導率の高い材料からなる。例えば、アパーチャ部31がモリブデンからなり、保持部34が銅或いは銅合金からなる場合に、この条件を満たす。また、放熱部材37と放熱部材38とは、例えば真鍮というように、同じ材料からなる。なお、液体の冷媒として冷媒流路43に純水が流通させられる場合には、放熱部材37,38の材料として、銅或いは銅合金を用いることができる。
以上のように構成されたX線発生装置1においては、外部雰囲気に対して電子通路4が閉鎖されて、電子通路4が高真空度に真空引きされた状態で、電子銃2のフィラメント部Fから電子ビームEが上側に出射される。出射された電子ビームEは、電子通路4を通過している最中に、電磁コイル21によって集束されると共にアパーチャ33によって絞られて、ターゲット部Tのターゲット3に入射する。これにより、ターゲット3からX線が上側に出射される。
このX線発生装置1の動作時には、上述したように、電磁コイル21で発生した熱が冷媒流路22によって除去され、ターゲット部Tで発生した熱が冷媒流路29によって除去される。これらにより、電磁コイル21やターゲット部Tの発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を抑制することができる。
加えて、アパーチャ冷却構造10が用いられているため、アパーチャ部31で発生した熱が保持部34及び放熱部36を介して冷媒流路43中の水に伝播することになる。従って、アパーチャ部31で発生した熱を効果的に除去し、アパーチャ部31の発熱による構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を確実に抑制することができる。
このようにアパーチャ部31で発生した熱を除去することは、X線発生装置1に微小焦点でのX線の出射が要求される場合に特に有効となる。その理由は、次のとおりである。
すなわち、微小焦点を実現させるためには、電子ビームEの集束に加え、電子ビームEの散乱成分の除去も非常に重要となる。そのため、電子通路4上に配置されたアパーチャ部31では、例えば、電子銃2から出射された電子ビームEの実に8〜9割が除去されることもある。つまり、微小焦点を実現させるためには、アパーチャ部31での発熱量が非常に大きいものとなるのである。
X線発生装置1では、電磁コイル21やターゲット部Tで発生した熱が冷媒流路22,29によって除去されることに加え、アパーチャ部31で発生した熱がアパーチャ冷却構造10によって効果的に除去される。よって、X線発生装置1によれば、その動作時における構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を確実に抑制し、延いては、その焦点移動に伴う特性の劣化を確実に抑制することが可能となる。このようなX線発生装置1は、微小焦点でのX線の出射が要求される場合であっても、X線の焦点移動を確実に抑制することができることから、X線CT装置に好適に用いることができる。さらに、冷媒流路43は、放熱部36に直接形成されていることから、放熱効果も高い。また、冷媒流路43は、放熱部材37の冷媒流路構成部41と、放熱部材38の冷媒流路構成部42とを組み合わせることで管状構造を形成するので、大きさや数、形状等に関する設計自由度が高く、かつ容易に製造することができる。
また、アパーチャ部31は、保持部34よりも融点の高い材料からなり、保持部34は、アパーチャ部31よりも熱伝導率の高い材料からなる。これにより、アパーチャ部31において電子ビームEの通過の制限を安定的に行うことができる。さらに、アパーチャ部31で発生した熱をアパーチャ部31から保持部34に効率良く伝播させることができる。
また、保持部34は、電子通路4を囲むフランジ部34bを有し、フランジ部34bを介して放熱部36に面接触している。これにより、保持部34と放熱部36との接触面積を大きくして、アパーチャ部31で発生した熱を保持部34から放熱部36に効率良く伝播させることができる。
また、冷媒流路43が設けられる放熱部材37,38は、互いに同じ材料からなる。これにより、熱膨張率の違いに起因して冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42との間に隙間が生じることが抑制される。しかも、冷媒流路構成部41が冷媒流路構成部42に対して嵌め合わされており、嵌め合わされた面において冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42との間には、Oリング44が配置されている。従って、冷媒流路43から水が漏れるのを確実に防止して、アパーチャ部31で発生した熱を安定的に除去することができる。
図4は、実施例のX線発生装置におけるX線の焦点移動の時間変化を示すグラフである。実施例のX線発生装置は、上述したX線発生装置1と同様の構成を有するものである。図4に示されるように、実施例のX線発生装置では、X線発生装置の動作開始から200分を経過しても、X方向及びY方向(水平面内に設定された直交座標のそれぞれの方向)におけるX線の焦点移動は+0.5μm以内に抑えられ、Z方向(上下方向、つまり光軸方向)におけるX線の焦点移動は−3μm以内に抑えられた。また、ターゲット電流も安定して得られており、このことから、一定のX線量を安定して得られることが分かった。
一方、図5は、比較例のX線発生装置におけるX線の焦点移動の時間変化を示すグラフである。比較例のX線発生装置は、上述したX線発生装置1において冷媒流路22,29,43に水が流通させられなかったものである。図5に示されるように、比較例のX線発生装置では、X線発生装置の動作開始から50分を経過した時点で、Z方向におけるX線の焦点移動は+10μmを超え、X線発生装置の動作開始から150分を経過した時点で、Y方向におけるX線の焦点移動は−20μmを超えた。
従って、実施例のX線発生装置は、比較例のX線発生装置に比べ、動作時における構成部材の熱膨張に起因したX線の焦点移動を抑制し得るものといえる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、冷媒流路構成部41が冷媒流路構成部42の溝部42aに嵌め合わされていたが、冷媒流路構成部41に溝部を形成するなどして、冷媒流路構成部42を冷媒流路構成部41の溝部に嵌め合わせてもよい。
また、図6に示されるように、冷媒流路構成部41に、下側に開口した溝部41bを形成し、冷媒流路構成部42に、上側及び外側に開口した切欠き部42bを形成して、切欠き部42bに冷媒流路構成部41を配置することで、冷媒流路43を構成してもよい。この場合、上記実施形態に比べ、容易に冷媒流路43を構成することができる。さらに、図7に示されるように、冷媒流路構成部41に、切欠き部や溝部を形成せず、冷媒流路構成部42に、上側に開口した溝部42aを形成して、冷媒流路構成部41に溝部42aを覆わせることで、冷媒流路43を構成してもよい。この場合、上記実施形態に比べ、より容易に冷媒流路43を構成することができる。
また、図8に示されるように、保持部34と放熱部36の放熱部材37とを一体的に形成してもよい。なお、以上説明したいずれの場合にも、冷媒流路構成部41と冷媒流路構成部42との間に配置されるOリング44の位置決め用の溝は、冷媒流路構成部41,42が互いに接触する面であれば、冷媒流路構成部41,42のいずれか一方に形成されていてもよいし、対向するように両方に形成されていてもよい。
また、冷媒流路22,29,43には、水以外の冷媒を流通させてもよい。また、冷媒流路43は、二重や三重といった複数の円環状としてもよいし、円環状に限らず、多角形状や、複数の流路を組み合わせることで電子通路4を囲む(挟む)ようにしてもよい。また、X線発生装置1の構成部材の材料及び形状には、前述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を適用することができる。
1…X線発生装置(開放型X線源)、2…電子銃(電子源)、3…ターゲット、4…電子通路、10…アパーチャ冷却構造(開放型X線源用冷却構造)、31…アパーチャ部、33…アパーチャ、34…保持部、34b…フランジ部、36…放熱部、37…放熱部材(第1の放熱部材)、38…放熱部材(第2の放熱部材)、41…冷媒流路構成部(第1の冷媒流路構成部)、42…冷媒流路構成部(第2の冷媒流路構成部)、43…冷媒流路、44…Oリング(封止部材)、E…電子ビーム。

Claims (6)

  1. 電子ビームを出射する電子源と、前記電子ビームの入射によってX線を発生するターゲットと、前記電子源から前記ターゲットに至る前記電子ビームを通過させる電子通路と、を備え、外部雰囲気に対する前記電子通路の開放及び閉鎖、並びに前記閉鎖時における前記電子通路の真空引きが可能な開放型X線源に用いられる冷却構造であって、
    前記電子通路上に配置され、前記電子ビームの通過を制限するアパーチャが形成されたアパーチャ部と、
    前記アパーチャ部を保持する保持部と、
    前記保持部に接続された放熱部と、を備え、
    前記放熱部は、第1の冷媒流路構成部を含む第1の放熱部材、及び第2の冷媒流路構成部を含む第2の放熱部材を有し、
    前記第1の冷媒流路構成部と前記第2の冷媒流路構成部とは、組み合わせられることにより、冷媒流路を構成していることを特徴とする開放型X線源用冷却構造。
  2. 前記アパーチャ部は、前記保持部よりも融点の高い材料からなり、前記保持部は、前記アパーチャ部よりも熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする請求項1記載の開放型X線源用冷却構造。
  3. 前記保持部は、前記電子通路を囲むフランジ部を有し、前記フランジ部を介して前記放熱部に面接触していることを特徴とする請求項1又は2記載の開放型X線源用冷却構造。
  4. 前記第1の放熱部材と前記第2の放熱部材とは、同じ材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の開放型X線源用冷却構造。
  5. 前記第1の冷媒流路構成部と前記第2の冷媒流路構成部とは、一方に対して他方が嵌め合わされることで組み合わせられており、嵌め合わされた面において前記第1の冷媒流路構成部と前記第2の冷媒流路構成部との間には、封止部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の開放型X線源用冷却構造。
  6. 電子ビームを出射する電子源と、前記電子ビームの入射によってX線を発生するターゲットと、前記電子源から前記ターゲットに至る前記電子ビームを通過させる電子通路と、を備え、外部雰囲気に対する前記電子通路の開放及び閉鎖、並びに前記閉鎖時における前記電子通路の真空引きが可能な開放型X線源であって、
    請求項1〜5のいずれか一項記載の開放型X線源用冷却構造を備えることを特徴とする開放型X線源。
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