JP5709174B2 - 茄子漬けの製造方法、および、それによって製造した茄子漬け - Google Patents

茄子漬けの製造方法、および、それによって製造した茄子漬け Download PDF

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Description

この発明は、茄子漬けの製造技術に関連するものであり、特に、茄子果実の鮮度と茄子紺に称される色鮮やかな茄子色とに秀れた茄子漬けを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、展示、販売に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点では想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
生茄子の紫紺色は、アントシアニンの一種であるナスニンという色素によるものであり、このナスニンは、熱や紫外線に弱いという性質をもち、茄子漬けに加工すると、ミョウバンの金属イオンがナスニンと結合してメタロアントシアニンを生成し、茄子紺と呼ばれる青系の色を安定化させことができるが、茄子漬けに加工した後であっても、空気に触れると、茄子に含まれるポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素が酸化して黒っぽく変色し、茄子紺色が褐変してしまうという致命的な欠点があり、こうした現象を抑制する技術として、一定以上の温度に加熱して酸素を失活させたり、高塩分で1ないし2年以上漬け込んだりすることによって褐変を防止することができる。
しかし、漬け茄子果実中の酸素を失活させるまで充分に加熱処理すると、茄子紺色素が分解したり、溶け出したりして茄子紺色が薄くなるという現象を来してしまい、また、高塩分で1ないし2年以上も漬け込むと、水分が抜けて漬け物本来の外観を呈したものとすることはできても、収穫直後の茄子果実の新鮮な外観や食感がすっかり失われてしまうという食味上に鮮度を求める漬物食品としては不向きであるばかりではなく、長期間に亘る保存および品質管理を要することにより、結果的に割高となって消費者に跳ね返り、それを押えようとする製造元には経済的利点が薄れてしまういう問題を抱えることとなっていた。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、店頭陳列、販売に際して茄子紺の発色や、パッケージ商品の外観に工夫を凝らすなどして商品価値を高めるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、浅漬け風漬け茄子を、少なくとも適量のキトサンを含む調味液の適量と共に袋詰めして、茄子漬け製品の色素の溶出を無くし、漬け茄子本来の茄子紺色を十分に維持し続け、且つ包装の外がわから調味液を透して茄子果実の色や形を視覚的に確認可能なものとして商品価値を高めたものや、同特許文献1(2)のように、袋状シート材に茄子を内包した内包装体を、漬床が充填された外容器内に装填し、漬床に手を触れずに該隔離状態を解除して両者を混合可能なものとし、利用者が食するタイミングを見計らって袋状シート材を引き抜き、漬込みを開始できるようにして、茄子漬けの漬かり具合を好みに応じて選択できるようにしてなるものなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)および後者特許文献1(2)に示されているような茄子漬け商品などは、生産から輸送、冷蔵保管、陳列、販売までの間は、密閉包装されているから、茄子漬けの鮮度、および、鮮明な茄子紺色を維持可能であるが、一旦、開封して外気に曝されてしまうと、茄子果実に褐変を生じてしまい、例えば、お弁当のおかずとしてや、皿の上に並べたままに放置した場合などには、次第に鮮やかな茄子紺色とその抗酸化成分とを失ってしまい、外的美感だけでなく果実の鮮度も低下してしまうという大きな課題を残すものとなっていた。
(1)特開2002−199841号公報 (2)特開2009−225753号公報
(問題意識)
上述した従来の技術に見たとおり、従前までに提案のある各種茄子漬け商品類は、何れも、商品パッケージに密封されている間は、鮮明な茄子紺色を呈して高い商品価値を維持できるものの、一旦開封してしまうと酸化が始まり、次第に褐変して果実外観を含め、抗酸化成分を失うなど鮮度が大きく低下してしまうという欠点が解消されないままである一方、最近の食生活には、鮮度や見栄えに拘る傾向が強まっており、こうした環境を考慮した漬物食品の提供を志すには、短期間の中に経済的に生産可能であり、生茄子の鮮度をそのまま失わないで鮮明な茄子紺を確実に得ることができ、長時間外気に触れても容易には褐変せず、高品質を維持できるようにした新たな茄子漬けを提供すべきとの考えに至ったものである。
(発明の目的)
そこで、この発明においては、生茄子果実の鮮度を失わず、短期間で効率的に製造可能であり、茄子紺色の発色と、ヘタ下の白色青色の境目とが共に鮮明且つ綺麗で、しかも外気に長時間曝された場合にも容易には褐変することもなく、この鮮明な茄子紺色をそのまま維持可能なものとすることができる新たな漬け物製造技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の茄子漬けの製造方法、および、それによって製造した茄子漬けを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の茄子漬けの製造方法は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、水洗いした生茄子を、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液、設定塩分5% 未満にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬をしてから、加工茄子に塩振りし、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管して本漬けをした上、真空または脱気包装して加熱処理し、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けするようにしてなるものとした構成を要旨とする茄子漬けの製造方法である。
この基本的な構成からなる茄子漬けの製造方法は、その表現を変えて示すならば、水洗いしてヘタカットおよび選別した生茄子を、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液、設定塩分5%未満にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管して本漬けをした上、真空または脱気包装して加熱処理し、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしてなるものとした構成からなる茄子漬けの製造方法となる。
より具体的には、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液、設定塩分3.5%にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8ないし25%にて冷蔵庫保管して本漬けをした上、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理し、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしてなるものとした構成からなる茄子漬けの製造方法と云うことができる。
さらに具体的に示すと、水洗いしてヘタカットおよび選別した生茄子を、同生茄子100gに対し、水100ml、塩7g、ミョウバン0.5g、ビタミンC0.05gの水溶液、設定塩分3.5%にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8ないし25%にて冷蔵庫保管して本漬けした上、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理し、水で冷却した加工茄子を、茄子100gに対し、水900ml、ミョウバン0.45g、ビタミンC0.225gの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしてなるものとした構成からなる茄子漬けの製造方法となる。
(関連する発明)
上記した茄子漬けの製造方法に関連し、この発明には、それによって製造した茄子漬けも包含している。
即ち、ヘタカットおよび選別された生茄子が、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液に漬け込まれ、設定塩分5%未満にて冷蔵庫保管して下漬けされ、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りされ、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管して本漬けされた上、真空または脱気包装して加熱処理され、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩して加工茄子を設定塩分2.5%に調整され、さらに各種味付けされて得られるようにした、この発明の基本をなす前記茄子漬けの製造方法によって製造した茄子漬けである。
以上のとおり、この発明の茄子漬けの製造方法によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、従前までの茄子漬けでは、密封包装を開封して空気中に取り出すと、元来より茄子果実に含まれているポリフェノールオキシダーゼが酸化・褐変してしまうという性質により、器に盛り付けたり、弁当のおかずに詰めたりした後に、しばらく時間を経て食す段になったときには、美しい茄子紺色を失ってしまい、鮮明な彩りを期待していたお客様を落胆させてしまうことがあり、こうした欠点を解決するために、茄子漬けを加熱して果実中の酸素を失活させたり、高塩分で1ないし2年以上漬け込んだりする必要があり、茄子漬けの紫紺色の主たる要素であるナスニンが加熱によって劣化してしまったり、複数年という長期間に亘って漬け込む間に、収穫直後の鮮度を失ってしまったりするという様々な課題を、設定塩分5%未満の下漬けに続く本漬けにて設定塩分8%以上としたことによって悉く解決し、収穫直後の茄子の鮮度を失わず、短期間で効率的且つ安定して製造可能である上、茄子紺色の発色と、ヘタ下の白色青色の境目とが共に鮮明且つ綺麗で、しかも外気に長時間曝された場合にも褐変することなく、この鮮明な茄子紺色をそのまま維持可能なものとすることができるという秀れた効果を発揮するものとなる。
加えて、収穫後の生茄子を水洗いし、ヘタカットおよび選別した後に、下漬けおよび本漬けを順次行うことにより、茄子紺色の発色と、ヘタ下の白色青色の境目とが共に格段に鮮明且つ綺麗なものにすることができ、さらに、下漬けにて設定塩分3.5%とし、本漬けでは設定塩分8ないし25%とした上、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理することにより、一段と鮮明な茄子紺色を得ることができ、それによって得た加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしたことにより、基本的に同じ工程で製造した茄子漬けについて多種多様な商品展開を経済的に実現化可能とすることができる。
また、生茄子100gに対して、水100ml、塩7g、ミョウバン0.5g、ビタミンC0.05gの水溶液に漬け込んだ後、設定塩分3.5%にて冷蔵庫保管し下漬けしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8ないし25%にて冷蔵庫保管し本漬けした上、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理し、水で冷却した加工茄子を、茄子100gに対して、水900ml、ミョウバン0.45g、ビタミンC0.225gの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにした場合には、特に、外的美感、香り、風味、鮮度、味覚、食感および開封後の保存性が格段に秀れた茄子漬けを製造することができる。
そして、この発明の茄子漬けの製造方法によって製造した茄子漬けは、複数年に亘って漬け込んだものとは異なり、外観的にも高い鮮度を維持しており、鮮明な茄子紺色は、外気に曝されても褐変することなく鮮やかなままに保つことができ、しかも製造工程の全体を既存の漬け物工場設備のままで短期間の中に製造可能であるから、経済的に大量生産して低廉にて提供することができるという大きな効果を奏することになる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
この発明の茄子漬けの製造方法に使用する生茄子は、果皮が青色、紺色ないし紫色を呈する品種のものとしなければならず、茄子漬けの製造方法にて鮮やかな茄子紺色となるものとすべきであり、茄子漬けの鮮度を重視するならば、収穫当日中から、遅くとも収穫後数日の生茄子を速やかに加工すべきであり、例えば、丸ごと食すことができる大きさの小茄子、長小茄子および丸小茄子といった一口サイズの茄子とするのが望ましいが、一般的な長茄子、丸茄子などを用いることも勿論可能である。
下漬けの段階で使用する水溶液は、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液としなければならず、それぞれの成分の混合割合は、適宜変更、調節することが可能であるが、生茄子の鮮度ある形や色、味、食感などを得るには、永年の経験と製造実験に基づくと、後述する実施例に示すように、生茄子100gに対して、水100ml、塩7g、ミョウバン0.5g、ビタミンC0.05gの水溶液とするのが望ましく、さらに、同下漬けにおいて該水溶液に漬け込んだ後、生茄子の鮮度を保ちながら漬け込む目的から、設定塩分5%未満にて冷蔵庫保管するものとしなければならず、過度な漬け込みによって茄子果実中の水分が減少してしまうのを防止するよう、後述する実施例に示すように、設定塩分3.5%とするのが望ましい。
本漬けの工程では、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りしなければならず、当該加工茄子原料比は、特に限定するものではなく、所望する果実外観、食感および調味の範囲内で適宜設定可能であり、例えば、後述する実施例に示すように、10%ないし60%に設定することができ、また、10%未満または60%超えに設定することも可能である。
本漬けの工程では、茄子果皮の茄子紺色を鮮明なものとするよう、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りしてから、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管しなければならず、設定塩分8%未満として冷蔵庫保管した場合には、本漬けの後に加熱処理して酸素を失活させる場合、特に茄子の種類を問わず、何れの茄子であっても、茄子紺色が劣化したり、ヘタ下の白色と茄子紺青色との境目が不明瞭となってしまったりして外的美観を損ねてしまうという欠点を生じるものである一方、設定塩分8%以上に設定した場合には、こうした欠点を生ずることなく、美しい茄子紺を呈すると共に、ヘタ下の白色と茄子紺青色との境目が鮮明なものとなって秀れた品質を得ることができ、特に、設定塩分8ないし25%にて冷蔵庫保管した場合には、後に続く、脱塩および味付けなどの工程を簡単且つ迅速に行えるものとなり、設定塩分が25%を超えるようにした場合には、茄子紺色を鮮明に保つことはできるが、脱塩工程に長時間を要するものとなってしまい、その後の味付け工程も難しい作業となるばかりでなく、茄子の新鮮な外観を損ねたり硬い食感になってしまったりという欠点を生じる虞があり、特徴的な調味や食感の追求などを目的とする場合などには、設定塩分が25%を超えるように設定することも可能である。
本漬けの工程を経た茄子漬けは、その後、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理し、水で冷却して酸素を失活させるようにしなければならず、数℃および数分の違いは効果に差はあるものの許容されるものとして示すならば、80℃を下る温度、および/または30分を下回る時間での加熱では、茄子漬け中の酸素を充分に失活させることができず、80℃を超えた温度および/または30分超えた時間での加熱では、茄子漬けの鮮度が低下して商品価値を損ねてしまう虞があり、同じ理由により加熱直後に速やかに水で冷却するようにすべきである。
加熱および冷却処理した後、ミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩しなければならず、それぞれの成分の混合割合は、適宜変更、調節することが可能であるが、生茄子の鮮度ある形、色、食感および味などを得るには、永年の経験と製造実験に基づくと、後述する実施例に示すように、茄子100gに対し、水900ml、ミョウバン0.45g、ビタミンC0.225gの水溶液にて脱塩するのが望ましく、その後の各種味付けを考慮すると、脱塩後の加工茄子を設定塩分2.5%に調整したものとすべきであって、設定塩分2.5%未満では塩味が薄くなり、設定塩分2.5%を超えると塩味が濃くなり、その味付けを難しいものにしてしまうという欠点を生ずる虞はあるものの、商品展開として設定塩分2.5%から外れて自由に調節することができる。
各種味付けは、鮮度を維持して茄子紺色が鮮明で、ヘタ下の白色と茄子紺青色との境目が明瞭な状態を維持し、食味に良質の変化を与えるものとしなければならず、例えば、塩の外、醤油、味噌、酢、甘酢、わさび、からし、みりん、粕、糠、麹、砂糖、唐辛子、キムチ、魚醤、各種酒類、各種果汁類、各種香料類、香辛料、香味料、その他の調味食品類、またはそれらの組合せとすることが可能である。
この発明の基本である茄子漬けの製造方法は、茄子漬けを所定量ずつ小分けにして輸送、陳列、販売できるよう、各種の商品包装を施して出荷することができる外、保存用の水溶液を入れた店頭設置用の漬け物樽などに浸して陳列・展示し、顧客の注文に応じた数量の茄子漬けを取り出して、樹脂袋や樹脂パックなどに収容、密閉状とするように包装して販売できるようにすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成について詳述することとする。
図面は、この発明の茄子漬けの製造方法、および、それによって製造した茄子漬けの技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
茄子漬けの製造方法を示すフローチャートである。
図1のフローチャートに示す事例は、生茄子(1)を所定水溶液に漬け込んだ後、設定塩分5%未満にて冷蔵庫保管(6)し荒漬け(5)してから、加工茄子(1)に塩振り(8)し、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管(9)するようにし、本漬け(7)した上、加熱処理(11)・冷却(12)後に脱塩(14)した加工茄子(1)を設定塩分2.5%に調整(15)した後、各種味付け(16)するようにしてなる、この発明の茄子漬けの製造方法における代表的な一実施例を示すものである。
図1によって明確に把握できるとおり、この発明の茄子漬けの製造方法は、圃場にて収穫した生小茄子(1)を、収穫当日中かまたは収穫後数日間保管した後かの何れかの段階にて加工場に搬入し、浄水で水洗い(2)してヘタをカットすると共に、果実(1)の大きさや形、色などの品質毎に選別(3)した上、漬け込み(4)の荒漬け(5)にて、同生茄子(1)100gに対して、水100ml、塩7g、ミョウバン0.5g、ビタミンC0.05gの水溶液に漬け込んだ後、設定塩分3.5%にて冷蔵庫保管(6)するようにし、続く同漬け込み(4)の本漬け(7)は、加工茄子(1)原料比10%とするよう塩振り(8)し、設定塩分8%にて冷蔵庫保管(9)し、該本漬け(7)を終えた加工茄子(1)は、真空包装(10)して80℃・30分間加熱処理(11)した上、水で冷却(12)し、真空包装を開封(13)してから、茄子(1)100gに対して、水900ml、ミョウバン0.45g、ビタミンC0.225gの水溶液にて脱塩(14)し、加工茄子(1)を設定塩分2.5%に調整(15)した後、各種味付け(16)をした後、適宜数量毎に商品包装(17)するようにしてなるものである。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の茄子漬けの製造方法に従い製造した茄子漬けは、小茄子、長小茄子、丸小茄子などの各種小茄子の何れにあっても、新鮮な外観を保ったまま、鮮明な茄子紺色と、へた下の白色と濃紺青色との境目の綺麗さとを呈するものとすることができ、こうした効果を安定して得られるようになるまで、多くの実験を繰り返し行ってきた結果の一部を以下に示して行くこととする。
下記表1は、一般的に加工茄子に含まれる酸素を失活するために加熱処理を行うと、茄子紺色が劣化してしまうという性質があり、この茄子紺色が劣化してしまう現象に対し、本発明の本漬け(7)工程における設定塩分濃度を変えた場合の影響を試験して得た実験結果であり、長小茄子を使用して塩分濃度を20%ないし10%に設定した場合に、茄子紺色の綺麗さ、および、へた下の白色と濃紺青色との境目の綺麗さの双方ともで高い品質を得ることができ、塩分濃度を5%ないし2.5%に設定した場合には、茄子紺色が薄くなり、また、へた下の白色と濃紺青色との境目がぼやけて不明瞭なものとなってしまった。
Figure 0005709174
従って、上記表1から、加工茄子に含まれる酸素を失活するために加熱処理を行う場合には、必ず本漬け(7)工程における設定塩分濃度を5%超えの値に設定しなければならず、10%以上とすれば確実に茄子紺色の綺麗さ、および、へた下の白色と濃紺青色との境目の綺麗さの双方を達成可能であるということが判明した。
また、各表中に比較のため実験、記載した非加熱の茄子漬けの場合には、設定塩分濃度2.5%であっても鮮明な茄子紺色が得られ、充分に高い品質を得ることができるが、外気に曝されると酸化・褐変してしまうという欠点を残すものである。
入荷(収穫)後の日数が、茄子紺色の綺麗さ、および、へた下の白色と濃紺青色との境目の綺麗さに影響するか、否かの実験を行い、下記表2ないし表6に示すように、入荷後0日保管の小茄子は、設定塩分8%で、綺麗な茄子紺色と、へた下の白色と濃紺青色との境目が、ぼやけることなくある程度鮮明になり、設定塩分15%では、茄子紺色の綺麗さ、および、へた下の白色と濃紺青色との境目の綺麗さの双方で高い品質を得ることができた。
Figure 0005709174
また、入荷後0日保管の長小茄子も、下記表3に示すように、同様の結果を得た。
Figure 0005709174
下記表4に示すように、入荷後3日保管した長小茄子を使用した場合にも、結果は変わらず同じであった。
Figure 0005709174
下記表5に示すように、入荷後0日保管の丸小茄子の場合は、設定塩分8%で茄子紺色は良品としての鮮明さを得ることができ、へた下の白色と濃紺青色との境目が、ぼやけることなくある程度際立ったものとなり、設定塩分15%とすると、確実に茄子紺色の綺麗さ、および、へた下の白色と濃紺青色との境目の綺麗さの双方を達成することが可能である。
Figure 0005709174
そして、下記表6に示すように、入荷後3日保管の丸小茄子を使用した場合にも、結果は、全く同じであった。
Figure 0005709174
従って、上記表2ないし表6に示す実験結果から、入荷後の保管日数に関わらず、設定塩分8%を境に、8%以上の塩分濃度にて本漬け(7)工程を実施することにより、各種小茄子の何れであっても、収穫当初の果実鮮度を保ちつつ、鮮明な茄子紺色と、へた下の白色と濃紺青色との境目が明瞭な、高品質の茄子漬けを得ることができることが判明した。
さらに、下記表7ないし表13に示すように、設定塩分25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、2.5%の夫々について、より細かく確認実験を行った結果、小茄子、長小茄子、丸小茄子の何れも、入荷後の保管日数に関わらず、設定塩分8%を境に、8%以上に設定した場合に、高果実鮮度、鮮明な茄子紺色、および、へた下の白色と濃紺青色との境目が明瞭な、茄子漬けを製造できることが確認できた。
Figure 0005709174
Figure 0005709174
Figure 0005709174
Figure 0005709174
Figure 0005709174
Figure 0005709174
Figure 0005709174
(結 び)
叙述の如く、この発明の茄子漬けの製造方法、および、それによって製造した茄子漬けは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、それまでの茄子漬けの製造手段を殆ど踏襲可能とするものであって、当然製造が簡便なものとなり、それだけ安価であって、しかも、天然の安全な食品添加剤によって製造可能とし、新鮮な茄子果実の食感を保持しつつ、外気に触れても褐変せずに鮮明な茄子紺色を保持できるものとなることから、厳しい競争関係に置かれている漬け物業界からは固よりのこと、何よりも最近益々健康志向にこだわる一般消費者から高い評価がなされ、広く普及していくものになると予想される。
1 生小茄子(原料保管)
2 水洗い工程
3 ヘタカットおよび選別工程
4 漬け込み工程
下漬け工程(漬け込み工程)
6 冷蔵庫保管(漬け込み工程、下漬け工程)
7 本漬け工程(漬け込み工程)
8 塩振り工程(漬け込み工程、本漬け工程)
9 冷蔵庫保管(漬け込み工程、本漬け工程)
10 真空包装工程
11 加熱処理工程
12 水冷却工程
13 真空包装の開封工程
14 脱塩工程
15 設定塩分の調整工程
16 味付け工程
17 商品包装工程

Claims (5)

  1. 水洗いした生茄子を、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液、設定塩分5%未満にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子に塩振りし、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管して本漬けをした上、真空または脱気包装して加熱処理し、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けするようにしてなるものとしたことを特徴とする茄子漬けの製造方法。
  2. 水洗いしてヘタカットおよび選別した生茄子を、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液、設定塩分5%未満にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管して本漬けをした上、真空または脱気包装して加熱処理し、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしてなるものとしたことを特徴とする茄子漬けの製造方法。
  3. 水洗いしてヘタカットおよび選別した生茄子を、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液、設定塩分3.5%にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8ないし25%にて冷蔵庫保管して本漬けをした上、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理し、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしてなるものとしたことを特徴とする茄子漬けの製造方法。
  4. 水洗いしてヘタカットおよび選別した生茄子を、同生茄子100gに対し、水100ml、塩7g、ミョウバン0.5g、ビタミンC0.05gの水溶液、設定塩分3.5%にて漬け込み、冷蔵庫保管するようにした下漬けをしてから、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りし、設定塩分8ないし25%にて冷蔵庫保管して本漬けした上、真空または脱気包装して80℃・30分間加熱処理し、水で冷却した加工茄子を、茄子100gに対し、水900ml、ミョウバン0.45g、ビタミンC0.225gの水溶液にて脱塩し、加工茄子を設定塩分2.5%に調整した後、各種味付けをしてから、適量毎に商品包装するようにしてなるものとしたことを特徴とする茄子漬けの製造方法。
  5. ヘタカットおよび選別された生茄子が、塩、ミョウバン、ビタミンCの水溶液に漬け込まれ、設定塩分5%未満にて冷蔵庫保管して下漬けされ、加工茄子原料比を所定値とするよう塩振りされ、設定塩分8%以上にて冷蔵庫保管して本漬けされた上、真空または脱気包装して加熱処理され、水で冷却した加工茄子をミョウバン、ビタミンCの水溶液にて脱塩して加工茄子を設定塩分2.5%に調整され、さらに各種味付けされて得られる、請求項1ないし4何れか一項記載の茄子漬けの製造方法によって製造した茄子漬け
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