従来より、車両の通行路線の路側等で工事を行う場合或いは左右の通行路線を一時的に仕切って工事を行う場合等において、当該工事の安全及び通行車両の通行に支障が生じないように仮設としての仕切り構造体を設置している。該仮設用仕切り構造体としてはカラーコーン(登録商標)や鋼製・木製・樹脂製・FRP製等或いはそれら材料を組み合わせたバリケ-ドのような簡易なものの他、コンクリート製の基礎にH型鋼やガードレール等を組み合わせたもの、コンクリートブロックとガードレールとを組み合わせたもの、鋼板を独自の形状に加工したもの、複数のH型鋼や覆工板などの鋼材を組み立ててその道路側にガードレールを取り付けたもの等が使用されている。
既設の通行路線を有する施工現場での仮設用仕切り構造体の設置作業は、交通規制を伴う場合が多く、場合によっては夜間の所定の時間の限られた時間内により多くの作業を行うことが強いられている。そこで上記のような簡易な仕切り構造体とすることにより、作業の短縮化を図り、それにより労働災害の発生を抑え、工事価格を抑えることを可能としていた。そのような観点から、下記する特許文献1乃至3が先行技術としてある。
図14に示す特許文献1は、鉄箱の基礎Aの上面に支柱取付筒Bを設け、更に、該基礎Aの上面にH型鋼挿通筒Cを一体的に取り付け、該支柱取付筒Bに支柱Dを挿着し、該支柱Dの上部に防護柵本体Eをボルトとナットによって固定支持している。上記構成の基礎Aの複数個を施工現場において並べ、該H型鋼挿通筒CにH型鋼Fを挿通して連結することにより、防護柵としての仮設用支持構造を提供している。該基礎Aは地盤上に設置するだけでもよいし、該基礎Aの下側に取付けられている金具Gを介しアンカーによって該地盤に固定するだけでよく、施工現場での作業の短縮化を図ったものである。
また、図15に示す特許文献2は、支柱台としてH型鋼Jを用い、仮設すべき位置に置いた該H型鋼Jに支柱Kを適宜の間隔で溶接固定し、この支柱Kにビーム材Lをボルトとナットで締結固定するものである。H型鋼Jへの支柱Kの溶接に時間を必要とするものの、施工現場での設置時間の短縮化を図ったものである。
更に、図16に示す特許文献3のように、水出入れ口Mと支柱取り付け部Oとを有し、内部に水を収容できる容器状の支柱台Pを間隔をあけて施工現場に配置し、ビーム材Qを支持する支柱Rを該支柱台Pの支柱取り付け部Oに取り付け設置し、その後に該支柱台P内の空間に水を満たす仮設防護柵がある。施工現場での仮設用防護柵の設置の短縮化を図ったものである。
仮設用仕切り構造体においては、上記のように、路線相互の仕切りや通行路線部分と工事部分とを分ける仕切りとしての機能を有するものとして、設置時間の短縮化が求められる一方、車両の進入を阻止する強固な構造物としての機能、騒音・排気ガス・飛散物等の進入防止をする遮蔽機能或いは視線を避ける目隠し機能又は逆に視線を生かす機能等、様々な異なる機能が求められている。更に、経済的な面及び資源保護の観点から仮設用仕切り構造体を恒久的な仕切り構造体又はその他の機能を備えた恒久的な仕切り構造体への転用可能な機能も求められている。
工事等の仮設用仕切り構造体として用いる場合に、その工事期間において、当該工事路線の工事中の間、車両の最高速度を一時的に落とす対策をしたり、暫定的な使用ということで恒久的に用いる場合の耐力(衝突車両の想定衝突速度や設置期間中の想定最大風速等)を下げて設計すること等が考えられ、そのような状態の仮設用仕切り構造体を耐力を向上させて恒久的な仕切り構造体として使用するとなると、少なくとも仮設使用時の耐力との差となる耐力差分に相当する重量や設置幅や地中に埋設した分の滑動抵抗力等を増やす必要がある。
上記のように、耐力や強度が不足した仮設的なものをそのまま恒久的なものへ転用することはできなかった。従って、仮設用仕切り構造体を生かした状態で恒久的な仕切り構造体へと転用することはできず、該恒久的仕切り構造体又はその他の機能を有する構造体を得るには、別途、恒久化を可能とする新たな材料や構造体を選択して構造物を得る必要があり、従来通りの恒久的な仕切り構造体等として製造し、それを所定場所に設置しなければならず、多くの経費と時間を費やすことが繰り返されていた。
他方、当初から恒久的な耐力を有して製造したものを仮設用として使用するとなると、重量が重く、設置のコストが増大し、また、設置幅が広くなり現場の所定設置幅内に入り切らないという問題が生じたり、路面付近の形状が車両用防護柵として定められた形状と異なるために使用することができないという根本的な問題も生じていた。
本出願人は、施工の短縮化と、通行車両との接触、衝突等の衝撃対応機能等を備えた仮設用仕切り構造体として、コンクリート製の自立型或いはアンカー併用型のものを工場等で製造し、それらを現場において設置或いは簡易な固定をするだけでよく、現場での工事の短縮化と所定強度が得られる他に、仮設用仕切り構造体として求められる様々な機能も得ることができるものを先に提案した。
それら仮設用仕切り構造体は、所定の工事等が終了すれば、他の同様な工事現場へ移設して仮設用として同様に使用することが可能であったが、そのような現場が存在しない場合や、量的に余分が生じる場合等にあっては、それら使用の定まらない仮設用仕切り構造体は、所定の場所にストックするか或いは廃棄しなければならなかった。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)、(c)は、仮設用仕切り構造体1を示し、図1(d)、(e)、(f)は、切欠部の形状を示し、図1(g)、(h)、(i)は、上記仮設用仕切り構造体1を恒久的な仕切り構造体2に転用した実施例を示している。
図1(g)、(h)、(i)の恒久的な仕切り構造体2は、図1(a)、(b)、(c)に示す仮設用仕切り構造体1を形成していた防護柵3の下部となるベース部4の下面に、基礎ブロック、現場打ちコンクリート又はその他の構造物となる矩形状重量部材よりなる安定構造物5を取着したものである。
実施例1の仮設用仕切り構造体1は、防護柵3よりなり、該防護柵3は、車両の衝突に対抗でき、風荷重や地震力等により転倒しないように下方側に設けた重量及び強度と幅のあるベース部4と、その上方側の厚い部材よりなる立ち上がり部6とより構成し、コンクリート製自立型或いはアンカー併用型として形成している。
該防護柵3は、車両の衝突や衝撃に耐える厚みと幅及び高さを有し、且つ想定される車両の側面が接触する衝撃エネルギーを分散させる効果及び衝突車両が衝突後に防護柵3に沿って走行する誘導機能等を有している。その直接的な衝撃により、該防護柵3には背面方向へ移動する力及び衝突した側とは反対側の舗装面との接触点を中心として衝突した側とは反対方向へ転倒させる力とが作用することになるが、該防護柵3を所定の厚みのある重量と幅を有し、且つ、それらを長手方向に連続した状態で形成することにより、地盤との接地幅を広くした強度及び転倒抵抗性能や滑動抵抗性能の有る重量物となっており、それらの設置部からの移動防止を可能としている。
また、該防護柵3の前面部を背面側へ後退させた形状とすることにより衝突による衝撃を緩和することと衝突車両の進行方向を防護柵と平行方向に誘導転換させることができる。
上記該防護柵3よりなる仮設用仕切り構造体1は、工場等で製造し、施工現場に運搬してそのまま設置し或いは簡易な固定だけで、隣接する他の仮設用仕切り構造体1a、1b、…と連結して完成させることができる。
図1(a)、(b)、(c)に示すように、仮設用仕切り構造体1は、その隣接する他の仮設用仕切り構造体1a、1b、…と、その防護柵3、3a、3b、…の側壁部の端部に設けた凹部やボルト孔等の連結部7において相互間に架け渡したブロック側壁連結鋼板及び立ち上がり部6の天端部の端部に設けた凹部やボルト孔等の連結部8において相互間に架け渡したブロック天端連結鋼板を鋼板取付ボルトで側壁及び天端に各々固定することにより仮設用仕切り構造体1a、1b、1c、…相互を強固に連結している。図1(c)は、長手方向に連結した状態を示すものである。
該仮設用仕切り構造体1は、連続した強度の有る恒久的な仕切り構造体2、2a、2b、…とするために、その立ち上がり部6にPC鋼より線又はPC鋼棒等を挿入するためのシース孔9を製造段階で予め設けている。また、ベース部4、4a、4b、…には安定構造物5、5a、5b、…と一体化するためのアンカーや取付金具の取付部となる切欠部10、10a、10b、…を、上記同様、製造段階で予め設けている。仮設用仕切り構造体1として使用する場合は、該シース孔9及び又は取付部となる切欠部10、10a、10b、…は特に使用することはない。切欠部10、10a、10b、…については現場の状況に応じてアンカー固定用として適宜使用することができる。
該切欠部10、10a、10b、…は、ベース部4、4a、4b、…に所定間隔毎に設けたもので、図1(d)、(e)、(f)に示すように、前方に向けて緩やかに傾斜した該ベース部4、4a、4b、…の前面部の一部を前面側或いは背面側から所定幅を三角柱、四角柱又は五角柱状に切除し、コ字型の開口部を形成している。従って、奥側の壁面は、少なくとも立ち上がり部6の前面側或いは背面側の壁面と同一か或いはそれらより奥側へ入り込む位置とし、外方に向けて開口が得られる開口部を形成している。これによりアンカー孔の形成、アンカーや取付金具の配置及びそれらのナットの締め付け等の固定のための作業ができるようにしている。従って、切欠部10、10a、10b、…の開口部となる開口幅及びその奥行幅等は、後述するベース部と安定構造物との関係により予め選択形成しておくことになる。また、ベース部となる背面側に突出した水平部の隅部の一部を切除して切欠部とすることもできる。このことは、他の全ての実施例においても共通する構成である。
また、該切欠部10、10a、10b、…となる開口部に、別途、取着金物を配設し、該取着金物を介してアンカーや取付金具と連結することもできる。
更に、恒久的な仕切り構造体とする場合は、該切欠部において、アンカー又は取付金具等で固定後、錆止め等を施し、当該箇所をコンクリート、モルタル等によって隣接する箇所と同一レベルとなるように埋め込み、他のベース部と面一形状とすることができる。
該仮設用仕切り構造体1は、適宜現場に設置或いは簡易固定して使用することになるが、使用後は、該ブロック側壁連結鋼板及びブロック天端連結鋼板等を取り除くだけで簡単に撤去することができる。また、場合によっては仮止めしたアンカーを取り除くこともある。撤去したものをそのままの状態で他の現場で仮設用として再利用することも可能であるが、他に同様な仮設を必要とする工事現場がない場合は、それらをそのまま恒久的な仕切りを必要とする現場へ運搬し、安定構造物と一体化させることで恒久的な仕切り構造体2として転用することを可能としている。
上記仮設用仕切り構造体1を再使用する場合又は恒久的な仕切り構造体2へと転用させるためには、連結を取り除いた該仮設用仕切り構造体1となる防護柵3、ブロック側壁連結鋼板、ブロック天端連結鋼板及びそれらの取付ボルトやナット等を所定の現場に運搬し、それらを再度使用することになる。
図1(g)、(h)、(i)に示すように、恒久的な仕切り構造体2への転用の場合、まず、恒久的に使用する所定現場の地盤中に、基礎ブロック或いはコンクリートの打設等により基盤となる安定構造物5、5a、5b、…を埋設形成し、その際、該安定構造物5、5a、5b、…からはアンカー11等の連結ボルトを所定間隔毎に突出しておく。該安定構造物5、5a、5b、…がブロックの場合は、一体性を図るために、隣接する他のブロックとその相互間は必要に応じてブロック連結鋼板等により連結することになる。この連結は必ずしも必要とするものではない。該アンカー11をベース部4に設けた切欠部10へ立設し、当該箇所においてナット締め等により固定し、ベース部4、4a、4b、…と安定構造物5、5a、5b、…とを一体的に取着する。
該アンカー11は、防護柵3、3a、3b、…を安定構造物5、5a、5b、…上に設置後、切欠部10、10a、10b、…にドリルを差し込み、該安定構造物5、5a、5b、…に所定の深さの削孔をし、当該箇所にアンカー11を取着してもよい。
他方、上記ブロック側壁端部に設けた連結部7及びブロック天端端部に設けた連結部8を該防護柵3と隣接する他の防護柵3aの連結部7、8に連続するように位置させ、該連結部7、8に連結鋼板を架け渡し、再び当該現場において取付ボルトやナットにより固定する。このことを長手方向において繰り返すことにより、強度の有る恒久的な仕切り構造体2となる連続する該防護柵3、3a、3b、…が構築される。その後、必要に応じて、予め形成してあるシース孔9へ、PC鋼より線又はPC鋼棒12等を挿通し、緊張連結することにより該防護柵3、3a、3b、…相互を強固に連結できることになり、長手方向に連続した重量及び強度の有る恒久的な仕切り構造体2を完成させることができる。下記する全ての実施例においても特に記載しないが、必要に応じてシース孔及び緊張手段を採用して防護柵相互を強固に連結できるようにすることは同様である。
この実施例1の場合、防護柵3が仮設用仕切り構造体1であり、該防護柵3により恒久的な仕切り構造体2を構築することになる。
図2(a)、(b)、(c)に示す仮設用仕切り構造体13、13aは、コンクリート製自立型或いはアンカー併用型の強度の有る防護柵14、14aの背面側に仮設用防護壁15、15aを設けたものである。
図2(a)の仮設用仕切り構造体13は、防護柵14の背面に仮設用防護壁15を設けたもので、該仮設用防護壁15は、支柱部材18と飛散物等の進入を防止する遮蔽機能、視線を避ける目隠し機能、防塵機能或いは落石防止機能等を有する防護部材19とで形成され、2〜4m程度の高いものが工事現場において構築される。
該防護柵14のベース部16の背面側に設けた縦孔17に、該支柱部材18の下端側を挿入して立ち上げ、長手方向に複数本設けた支柱部材18には、上記遮蔽機能、目隠し機能、防塵機能、落石防止機能等を有する防護部材19を固定している。
支柱部材18の下端部は、防護柵14のベース部16の背面側に設けた縦孔17に挿入され、その立ち上がり部は、防護柵14から突出させた固定金具20により支持されている。下端部が移動することなく、立ち上がり部が防護柵14に固定された強固な支柱部材18を得ることができる。
該支柱部材18としては、鋼管、鋼棒、H型鋼・I型鋼・T型鋼・L型鋼等の鋼材、鉄筋又はワイヤー等の強度の有る棒状部材であれば適宜なものが使用できる。また、防護部材19としては、支柱部材18間に架け渡す鋼製矢板、木製矢板、鉄板、サイディング等の遮蔽部材或いは軽量角パイプ、棒状部材、ワイヤー等とネット等とを組み合わせたネット関連部材等の適宜部材を選択することができ、その現場の状況を把握して採用される。例えば、ネットを採用し、且つ、網目の粗いネットを使用する場合は、風が通り抜け、風荷重による抵抗を回避することができる。従って、背面側の仮設用重量部材を軽く或いは省略して使用することも可能である。
該ベース部16には、前面側に実施例1と同様の切欠部30を設け、恒久的な仕切り構造体への転用時におけるアンカーや取付金具のための取付部としている。なお、該切欠部30は、仮設用仕切り構造体の場合でも必要に応じて取付部としての機能を発揮することができる。また、防護柵14、14a、14b、…の側壁部の端部に設けた連結部及び天端部の端部に設けた連結部は、上記実施例1と同様である。
図2(b)、(c)の仮設用仕切り構造体13aは、上記同様、防護柵14aの背面に仮設用防護壁15aを設けたもので、該仮設用防護壁15aは、飛散物等の進入を防止する遮蔽機能、視線を避ける目隠し機能、防塵機能或いは落石防止機能等を有するもので、2〜4m程度の高いものが工事現場において構築される。
該防護柵14aのベース部16aに設けた横孔21の開口部に、その一端を挿入した基盤側横架部材22を、該防護柵14aより水平直交方向に突出させ、他方、防護柵14aのベース部16aの背面側に設けた複数の縦孔17aより支柱部材18aを長手方向にわたって複数本立ち上げ、その立ち上がり部は、防護柵14aから突出させた固定金具20aにより支持され、該支柱部材18a間に網目の細かい(1mm×1mm程度)防塵のための防護部材19aとなるネットを張り付け固定したものである。
該防護柵14aのベース部16aの該横孔21に挿入された基盤側横架部材22は外方へ延出され、その他端部において高さ調整角材23を下に据え付け調整することにより、該基盤側横架部材22の水平状態が保持されるようにしている。該基盤側横架部材22の延出先端側からは、該支柱部材18aの補強のための傾斜部材24が該支柱部材18aの上方部に向けて斜設され、該傾斜部材24は該基盤側横架部材22及び支柱部材18aの各々の交差部において交差固定金具25、25aによって強固に固定される。
また、ベース部16aから突出した該基盤側横架部材22は、防護柵14aの長手方向において適宜間隔毎に複数本突出形成され、その直交方向に複数の重量物支持部材26が該防護柵14aの長手方向と平行に架け渡され、それを床面として仮設用重量部材27が載置固定されている。該仮設用重量部材27は、大型土嚢(重量1t〜2t程度)、H型鋼、コンクリート塊、容器に水を入れたもの等様々な重量物を使用することができる。上記により組み立てられた仮設用防護壁15aは該防護柵14aと一体化し、強固に立設されることになる。
上記防塵のための防護部材19aとなるネットは、支柱部材18a間に横方向の押さえ部材28で保持し、網目の細かさにより十分な目隠し機能を得ることができる一方、上記した目の粗い目隠しのためのネットに比較して風荷重を受けることになる。しかし、上記した強度の有る防護柵14aと仮設用防護壁15aとを一体としたことにより風荷重に十分対抗することが可能である。全体として風荷重に対して抵抗できる重量と幅の有るコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体を形成している。
また、ベース部16aの前方下方部には切欠部30aを設け、取付部としている。更に、側壁部及び天端部の各々の端部に連結部7a、8aを設けることにより、同形状の防護柵14aを長手方向に連続し、設置強度を高めることができる。
図2(d)、(e)は、仮設用仕切り構造体13b、13cにおいて防護柵14b、14cと仮設用防護壁15b、15cとなる基盤側横架部材との関係を示す他の実施例で、防護柵14b、14cと他のコンクリート製基盤側横架部材22b、22cとは交差固定金具25b、25cにより高さを調整して連結固定した状態を示している。該コンクリート製基盤側横架部材22b、22cにより重量と強度の有る仮設用重量部材としての役割を達成することを可能としている。また、基盤側横架部材として比較的軽量のものを使用し、その上に仮設用重量部材積載用の部材を敷き、仮設用重量部材を載せることもできる。防護柵14b、14cのベース部には切欠部30b、30cを各々設け、側壁部及び天端部の各々の端部には連結部8b、8cを設けている。
また、図2(f)に示すように、仮設用仕切り構造体13として、防護柵14と防護壁15との関係において、上記と同様の該防護壁15を形成する支柱部材18bの立ち上がり部を該防護柵14と連結する固定金具20により固定支持するが、垂直方向において2箇所或いは複数個所で固定することもできる。この場合は、該支柱部材18bの下端側は該防護柵14のベース部4bの背面側に縦孔を設けることなく、該ベース部4bに当接或いは近接した状態で該防護柵14に固定することが可能となる。
上記実施例2においても、実施例1同様、使用後において仮設用仕切り構造体13、13a、13b、13cを解体し、防護柵14、14a、14b、14cの背面側で組み立てた仮設用防護壁15、15a、15b、15cを取り除き、図2(g)に示すように、防護柵14、14a、14b、14cのみを恒久的な仕切り構造体31として転用することができる。該防護柵14、14a、14b、14cは、地盤中に形成された基礎ブロック或いはコンクリートの打設基礎等よりなる安定構造物29と連結され、予め該防護柵14、14a、14b、14cに形成したシース孔9及び/又は切欠部30、連結部7、8を使用して恒久的な仕切り構造体31として転用構築することができる。
また、該コンクリート製基盤側横架部材22b、22cとして厚手のものを使用する場合は、該基盤側横架部材22b、22cを安定構造物29として使用することもできる。該基盤側横架部材22b、22cは、防護柵14b、14c及び仮設用防護壁15b、15cに固定されることになる。その際には、予めアンカー挿通孔を設けておく。上記基盤側横架部材22、22b、22cは、一実施例を示したもので、これらと同様の機能を果たすことのできるものであれば、その方法や材料或いは形状や取着位置等は適宜選択することができる。
なお、仮設用防護壁15、15a、15b、15cとして使用した各部材は、解体することにより鋼管にあっては通常の単管となり、様々な用途に別途使用することができる。例えば、鋼管と交差固定金具としてのクランプ等はリース品として再利用することもできる。また、当初よりリース品を使用して仮設用仕切り構造体を構築することもできる。また、他の鋼材や棒状部材も様々な用途として再利用することができ、無駄なくリーズナブルに使用することができる。安価なだけでなく、資源保護にも貢献することができる。
図3(a)は、他の実施例となるコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13dを示すもので、防護柵14dのベース部16dを背面後方側に延出して安定性と強度の有るものとし、該防護柵14dの背面後方側に延出した該ベース部16dの表面に支柱部材18dの下端部を位置させ、その立ち上がり部は、該防護柵14dへ固定金具20dを取り付けることにより支持されている。該固定金具20dは、通常の取着手段の他、取り付け時及び解体時のことを考慮して背面側から取着及び脱着ができるアンカー金具のようなものが望ましい。
上記支柱部材18d間は、実施例2と同様、防護部材19bとしてネットを貼り付け固定している。また、ベース部16dの下方部には切欠部30dを設け、該切欠部30dを使用して別体の安定構造物と連結一体化し、恒久的な仕切り構造体として転用構築することができる。更に、必要に応じて防護柵14dの天端部の端部には連結部8dを設ける。
長手方向に並べられた防護柵14d相互は、図3(b)に示すように、該防護柵14dの側壁部の端部に連結部7dを設け、該連結部を7dを利用してブロック側壁連結鋼板によって隣接防護柵相互を連結することができる。また、実施例1のように、該ブロック側壁連結鋼板を通行路線側及び作業側のいずれ側も同様の取着方法を採用すると、該防護柵14dとなるブロックを設置するとき又は撤去するときに作業員が通行路線側に立ち入り、該ブロック側壁連結鋼板を取り付けたり取り除く作業をすることになるが、図3(c)に示すように、該ブロック側壁連結鋼板の取り付けを貫通長ボルト7xとし、通行路線側に予めブロック連結鋼板を固定する該貫通長ボルト7xの頭部側を固定し、防護柵14dを挿通させて裏側の作業側にその先端部を位置させ、その先端側をワッシャ、ナット等を介して反対側のブロック側壁連結鋼板を取り付けることにより、設置時又は解体時に作業員が通行路線側に入り込むことなく作業を遂行することができる。
図4は、実施例3で示したコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13dの内、防護柵14dを恒久的な仕切り構造体31eへと転用した実施例である。
防護柵14eを該防護柵14eに設けた切欠部30e及び該防護柵14eの背面後方側に延出したベース部16eに設けた切欠部30eを利用し、地盤中に埋設した安定構造物29eと連結する。また、該防護柵14eの長手方向の側壁部の端部及び天端部の端部に連結部7e、8eを設けることは、上記実施例と同様である。その後、該防護柵14eの立ち上がり背面側及び該ベース部16e上に土、砂、砂利等を盛り込み、該防護柵14eを土留めとなる恒久的なL型擁壁として使用することになる。
該L型擁壁には、水抜孔32を設け、必要に応じて該防護柵14eの表面側の適所に緊急避難用昇降ステップ33及び手摺34を設けることができる。上記緊急避難用昇降ステップ33により交通事故や緊急避難時に通行路線側から歩道側或いは他の安全な避難場所へと退避することが可能となる。
図5は、実施例3で示したコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13dの内、防護柵14dを利用し、更にその背面側の延出ベース部16fから恒久的な防護壁35を立ち上げて恒久的な仕切り構造体31fへと転用した実施例である。
防護柵14fを該防護柵14fの前面側に設けた切欠部30f及び該防護柵14fの背面後方側に延出したベース部16fに設けた切欠部30fを利用し、地盤中に埋設した安定構造物29fと連結する。その後、該防護柵14fの背面側に沿うようにして該延出ベース部16fより支柱部材18fを適宜間隔毎に立ち上げる。該支柱部材18fは、H型鋼・I型鋼・T型鋼・L型鋼等の鋼材とし、その下方側は、インサート金具等の固定金具20fにより該防護柵14fの背面側に固定し、該防護柵14fより突出する上方側の該支柱部材18f間には、鉄板、鋼製矢板、木製矢板、サイディング等の防護部材19fを取着又は間挿固定させる。適宜枚数の部材を必要な高さ分だけ採用して下方側から取着又は間挿固定していく。
該防護柵14fの長手方向側壁部の端部及び天端部の端部には各々連結部7f、8fを設け、上記実施例同様に、連結した強固な構造体とすることができる。
図6は、他の実施例となるコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13gを示すもので、防護柵14gの背面側のベース部16g下部の一部を切り欠いて溝部36を形成し、該溝部36にH型鋼・I型鋼・T型鋼・L型鋼等の鋼材よりなる支柱部材18gの下端部を位置させ、該支柱部材18gは、該防護柵14gと固定金具20gにより支持されている。該固定金具20gは、インサート金具のような取着手段で、背面側からのボルトのインサートにより行い、該支柱部材18eを立設固定する。
防護柵14gの側壁部の端部には連結部7gを形成し、実施例3の図3(c)に示した連結手段により、取り付け時及び解体時のことを考慮して背面側から取着及び脱着ができるようにしている。また、防護柵14gの天端部の端部に連結部8gを形成し、隣接する防護柵14g相互を連結している。
該支柱部材18gは、該防護柵14gより上方へ突出立設され、該防護柵14gに所定間隔毎に固定され、該支柱部材18g間には鉄板、鋼製矢板、木製矢板等の防護部材19gを固定する。該防護部材19gは、1枚のもの或いは分割された適数枚のものでよく、該支柱部材18gに別途固定金具等の固定手段により固定される。
ベース部16gの先端部には所定間隔毎に切欠部30gを設け、該防護柵14gが恒久的な仕切り構造体への転用時に別途安定構造物と連結できるようにしている。また、必要に応じて仮設用仕切り構造体の構築においても地盤や他の物との取り付け手段として使用することができる。
図7は、他の実施例となるコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13hを示すもので、防護柵14hの背面側のベース部16h側に削狭部37を形成することにより作業側の作業幅が確保できるようにしたものである。背面側が狭いので防護柵14hの立ち上がり部6hの背面位置にH型鋼・I型鋼・T型鋼・L型鋼等の鋼材よりなる支柱部材18hの下端部を位置させ、該防護柵14hの背面側上方部に位置させた該支柱部材18hは、該防護柵14hと固定金具20hにより固定支持させている。該固定金具20hは、通常の取着手段の他、背面側からのボルトのインサートを採用し、該支柱部材18hをその下端部側が浮いた状態で立設固定する。
該支柱部材18hは、該防護柵14hの上端部或いはその近接位置で折曲する部材を使用し、該防護柵14hの立ち上がり部6hを切欠させることなく上方部を垂直となるように延設している。また、該支柱部材18hは、該防護柵14hより上方へ突出立設され、該防護柵14hに所定間隔毎に固定され、該支柱部材18h間には鉄板、鋼製矢板、木製矢板等の防護部材19hを固定する。該防護部材19hは、1枚のもの或いは分割された適数枚のものでよく、該支柱部材18hに別途固定金具等の固定手段により固定される。
該防護柵14hのベース部16h側には、切欠部30hが形成され、仮設用仕切り構造体13hから恒久的な仕切り構造体への転用時に別途安定構造物と連結できるようにしている。仮設時のアンカー止めとして使用することもできる。また、防護柵14hの側壁部の端部に連結部7hを形成し、取り付け時及び解体時のことを考慮して背面側から取着及び脱着ができるように、実施例3の図3(c)に示した取着手段を使用している。更に、該防護柵14hの天端部の端部に連結部8hを形成し、隣接する防護柵相互を連結している。
図8は、他の実施例となるコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13iを示すもので、作業幅が狭隘の場合の実施例で、防護柵14iの背面側のベース部16i側に削狭部37iを形成し、立ち上がり部6iにH型鋼・I型鋼・T型鋼・L型鋼等の鋼材よりなる支柱部材18iの下端部を位置させ、該支柱部材18iは、該防護柵14iと固定金具20iにより支持されている。該固定金具20iは、通常の取着手段の他、背面側からのボルトのインサートを採用し、該支柱部材18iをその下端側が浮いた状態で立設固定する。
該支柱部材18iは、該防護柵14iの立ち上がり部6iを切欠させることなく、該防護柵14iの立ち上がり部6iの背面側傾斜面に沿うように傾斜固定されることになるので、上方側が表面方向へ傾斜した状態で延設されることになる。従って、該支柱部材18iは、該防護柵14iからの上方への突出高さは低く抑えて立設され、該防護柵14iに所定間隔毎に固定され、該支柱部材18i間には鉄板、鋼製矢板、木製矢板等の防護部材19iを固定する。該防護部材19iは、1枚のもの或いは分割された適数枚のものでよく、該支柱部材18eに別途固定金具等の固定手段により固定される。
該防護柵14iのベース部16i側には、切欠部30iが形成され、仮設用仕切り構造体13iから恒久的な仕切り構造体への転用時に別途安定構造物と連結できるようにしている。仮設時のアンカー止めとして使用することもできる。また、防護柵14iの側壁部の端部に連結部7iを形成し、取り付け時及び解体時のことを考慮して背面側から取着及び脱着ができるように、実施例3の図3(c)に示した取着手段を使用している。更に、該防護柵14iの天端部の端部に連結部8iを形成し、隣接する防護柵相互を連結している。
図9(a)は、他の実施例となるコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13jを示すもので、防護柵14jの背面側に高さの有る仮設用防護壁15jを重量及び強度の有る仮設用重量部材を兼ねて取着した実施例である。仮設用仕切り構造体13jとして高さの低い防護柵14jの背面側に、高さの有る仮設用防護壁15jを仮設用重量部材27jと一体としたものである。該仮設用重量部材27jは、防護柵14jの背面となる位置に矩形状の重量物として形成し、その上方に該仮設用防護壁15jを立ち上げている。仮設用防護壁15jは、重量の有るコンクリート構造物として該仮設用重量部材27jと一体化されており、重量部材としての役割も兼用している。
図9(a)に示すように、仮設用防護壁15jの背面より更に後面側へ突出したコンクリート構造物は、防護柵14jの前面側から後面側へ貫通した貫通孔38へ挿通したアンカー39により該防護柵14jと一体的に固定している。
また、必要に応じて、コンクリート構造物よりなる仮設用重量部材27jの上部表面側に、排水孔の有る凹部Pを設けることにより、当該凹部Pを植栽のための空間或いは工事中の仮設通信ケーブルや仮設通水管を収納する空間とすることができるとともに、恒久的な仕切り構造体としての設置時に、排水路としての機能を持たせることもできる。
上記よりなる仮設用仕切り構造体13jの使用後、貫通孔38のアンカー39を取り除き、該防護柵14jから仮設用防護壁15jを分離する。図9(b)に示すように、恒久的な仕切り構造体として該仮設用防護壁15jの前面及び背面を逆に位置させ、設置場所となる地盤中に下方の該仮設用重量部材27jを埋設して安定構造物29jとし、その前方側上部に該防護柵14jを設置する。該防護柵14jに予め形成してあった切欠部30jにおいて該防護柵14jと該埋設安定構造物29jとをアンカー40により固定する。該切欠部30jは、仮設用防護壁15jのときのアンカーを利用した立設にも利用することができるが、恒久的な構造物とする場合は必須のものとなる。
更に、該防護柵14jの背面で該安定構造物29j上となる箇所には仮設用防護壁15jが位置することになり、防護壁を兼ねた重量物としての防護壁兼用安定構造物41となる。仮設用に使用していた防護柵14jの貫通孔38を利用してアンカー39により該防護壁兼用安定構造物41となるように該防護柵14jと一体化している。
上記した凹部Pを設けたものにあっては、図9(c)に示すように、防護柵14jの底面と地盤中の安定構造物29jとによって閉鎖されることになるので、排水路としての機能を持たせることが可能となる。
コンクリート構造物よりなる恒久的な仕切り構造体31jは、その下方部は、厚みと高さを有する基礎としての安定構造物29jと、上方部は高さの有るコンクリート構造物よりなる防護壁兼用安定構造物41として、仮設用防護壁15jの全てを恒久的な防護壁として使用でき、防護柵と防護壁の役割を達成できる重量及び強度の有る他の機能を備えた恒久的な構造物を得ることができる。高さの有る仮設用仕切り構造体13jから、同様に、背の高い厚みの有る安定したコンクリート構造物よりなる恒久的な仕切り構造体31jへと転用することができる。
また、防護柵14jの側壁部の端部に連結部7jを形成し、実施例3の図3(c)に示した取着手段により、天端部の端部の連結部8jにより、隣接する防護柵相互を取着及び脱着できるようにしている。
図10(a)、(b)は、仮設用の防護柵14kとその上方に一体的に設けた仮設用防護壁15k及び該防護柵14kの背面に重量及び強度の有る矩形状の仮設用重量部材27kを一体化することにより安定性を増したコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13kの実施例を示している。
該仮設用仕切り構造体13kは、仮設状態で所定箇所に設置するもので、車両の進入等を防止する主として防護機能を有する防護柵14kとしての役割と、その上方へ延設した遮音機能、背面の法面を切土したときに生じる落石等の飛散物遮蔽手段、目隠し機能等を有する仮設用防護壁15kとより形成している。
該仮設用仕切り構造体13kは、上記実施例と同様、車両の衝突に対抗でき、風荷重や地震力等により転倒しないように下方側を重量及び強度の有る部材で形成し、上方側は落石等の飛散物を遮蔽する手段として比較的薄い部材で形成している。
また、必要に応じて、上方へ更に延設する追加部材42を、該仮設用防護壁15kの上端部において連結金具43等の適宜連結手段により連結し、高さを増した仮設用仕切り構造体13kとすることができるとともに、図10(c)に示すように、恒久的な仕切り構造体31kとして使用する場合に、追加部材42を取り外した高さで使用することができる。
該防護柵14kは、車両の衝突や衝撃に耐える厚みと高さを有し、且つ想定される車両の側面が接触する衝撃エネルギーを分散させる効果及び衝突車両が衝突後に該防護柵14kに沿って走行する誘導機能等を有している。しかしながら、高さが高いために大きな風荷重を受けるため、防護柵14kと追加部材42の重量と接地幅だけでは最大風荷重を受けると転倒することとなり、背面部材の仮設用重量部材27kと組み合わせることにより必要な重量と幅を確保できることになる。
該防護柵14kには、図10(b)に示すように、仮設用重量部材27kを取り付けるための取付手段としてのアンカー44を該仮設用重量部材27kの背面側から該防護柵14kの背面側へ螺着や打設により取り付け、該防護柵14kと仮設用重量部材27kとを強固に一体化している。防護柵14kの背面にアンカー44がアンカーボルトの場合はアンカー雌ネジを予め設けておくとよい。
上記仮設用仕切り構造体13kは、コンクリート製自立型構造物或いはアンカー併用型の防護柵14k、仮設用防護壁15k、追加部材42及び仮設用重量部材27kを工場等で製造し、現場作業を少なくするために予め工場で組み立てた状態で出荷することができるとともに、工事現場等において組み立てて設置してもよい。該仮設用仕切り構造体13kは、自立型構造物としてもよいし、切欠部30kを利用してのアンカー併用型構造物としてもよい。使用後には組み立てたそのままの状態で撤去してもよいし、簡単に分解して撤去することもできる。
撤去後、長期間にわたり使用することを目的として、図10(c)、(d)に示す恒久的な仕切り構造体31kへと転用することができる。転用にあたっては、追加部材42をそのまま残して使うこともできるし、必要に応じ、該仮設用仕切り構造体13kから、追加部材42を取り除き、該防護柵14k、仮設用防護壁15k及び仮設用重量部材27kだけを使用してもよい。
地盤等に強固に固定するため、安定構造物29kとして、別途、コンクリート製の矩形状となるプレキャストコンクリート構造物又は現場打設コンクリート基礎を地盤中に設け、該防護柵14kの底面と固定することができる。一体化は、上記した実施例と同様、該防護柵14kのベース部に予め形成してあった切欠部30kにおいて、該安定構造物29kから突出したアンカー45の頭部を固定することにより施工することができる。該切欠部30kは、該防護柵14kの長手方向において適宜間隔毎に予め仮設用仕切り構造体13kの段階で形成してある。
該安定構造物29kとして、上記したように、仮設用重量部材27kをそのまま使用することもできる。該仮設用重量部材27kを貫通して設けたアンカー44のための孔を該安定構造物29kのアンカー45の設置位置と同じ位置にしておくことにより、該仮設用重量部材27kも恒久的な仕切り構造体31kの安定構造物29kとして再使用することができる。
また、仮設用仕切り構造体13kとして使用していた追加部材42を、図10(e)に示すように、別途、切土や盛土の縁ブロックや境界ブロック、又は切土法面の防火ブロック46等として使用したり、遮音壁下部の土留板46等として使用したり、その形状に合う様々なものに転用が可能である。仮設用として使用した各コンクリート構造物を全て再利用することが可能となる。
また、防護柵14kの側壁部の端部に、上記実施例同様に、連結部7kを形成し、追加部材42又は該防護柵14kの天端部の端部に連結部8kを形成し、隣接する防護柵相互を連結するようにしている。
図11(a)、(b)は、他の実施例を示すもので、図11(a)に示す仮設用仕切り構造体13mから図11(b)に示す恒久的な仕切り構造体31mへと転用した状態を示している。
仮設用仕切り構造体13mは、コンクリート製の防護柵14m、仮設用防護壁15m及び仮設用重量部材27mとよりなり、該仮設用防護壁15mは、該防護柵14m上に連結金具48により連結一体化され、該防護柵14mと仮設用重量部材27mとはアンカー49により一体とされ、全体としてコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13mとしている。
上記仮設用仕切り構造体13mの仮設としての役割の終了後、連結金具48及びアンカー49を取り外し、該防護柵14mから仮設用防護壁15m及び仮設用重量部材27mを分離し、防護柵14mのみを、安定構造物29mとなる橋梁端部と連結一体化して恒久的な仕切り構造体31mとしての壁高欄へ転用した実施例である。
上記恒久的な仕切り構造体31mは、上記実施例と同様、防護柵14m下部の一部に適宜間隔毎に予め設けてあった切欠部30mへ、安定構造物29mとしての橋梁の端部から立設したアンカー50が露出するように挿通させ、その頭部側を固定することにより恒久的な仕切り構造体31mへと転用することができる。
なお、切欠部30mは、仮設用仕切り構造体13mとしての設置時に、アンカーの取付部として使用することもできる。
また、防護柵14mの側壁部の端部に連結部7mを形成し、該防護柵14mの天端部又は仮設用防護壁15mの天端部の端部に連結部8mを形成し、隣接する防護柵相互を連結し、長手方向に延びた仕切り構造体を構築するようにしている。
図12(a)は、他の実施例となるコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13nを示すもので、仮設用仕切り構造体13nとなる防護柵14nの背面側に断面凹型形状の仮設用重量部材27nを取着したものである。
仮設用仕切り構造体13nは、該防護柵14nと、その上方の仮設用防護壁15n及び仮設用重量部材27nとよりなり、該仮設用重量部材27nは、矩形状でもよいし、前方側側面に恒久的な仕切り構造体への転用時に排水路又は通信管路等として使用するための凹部を設けた断面コ字型形状又は円形空間形状の重量及び強度の有るコンクリート構造物でもよい。該凹部にあっては、その開口側となる突出する上下の側壁部27na、27nbの端縁部を該防護柵14nの背面側側壁部14naと取着して一体化する。
該防護柵14nの背面側側壁部14naに断面コ字型形状の仮設用重量部材27nを形成する上下の側壁部27na、27nbの各々から、該防護柵14nの背面側側壁14naへアンカー51を挿通して固定することにより該仮設用重量部材27nを該防護柵14nに一体的に取着することができる。他方、円形空間形状を設けた仮設用重量部材27nも上記同様、該仮設用重量部材27nとして該防護柵14nの背面側側壁14naへ固定されることになる。
上記仮設用重量部材27nの取着により、一方面が該防護柵14nの背面側側壁部14naにより、その他の面が断面コ字型形状を形成する上下の側壁部27na、27nb及び該仮設用重量部材27nの立設部によって囲まれた閉塞空間S1が形成され、他方、円形空間形状の場合は、予め閉塞空間S1を形成しておくことができる。該空間S1は、工事中の電気管路、通信管路等として使用することができる。
図12(a)では、防護柵14nのベース部となる背面側下部に水平方向に延出したベース部16nを形成し、該ベース部16nの上に該仮設用重量部材27nを載置し、該背面側側壁部14naと該仮設用重量部材27nとをアンカー52により連結一体化しているが、ベース部16nのない防護柵14nの場合でも、該仮設用重量部材27nを地盤上に載置し、同様の方法で取着することができる。また、切欠部30nからアンカーを地盤等に取着することにより仮設用仕切り構造体13nを設置することもできる。移動防止に有効となる。
また、該仮設用仕切り構造体13nの設置時に、該部材をクレーン等で吊り上げることになるが、その際、該部材が垂直を維持して安定運搬ができるように、該仮設用重量部材27nをバランスウェイト部材として使用することも可能である。
上記仮設用仕切り構造体13nの使用後、該防護柵14nから該仮設用重量部材27nを取り除き、所定の工事現場において、該仮設用重量部材27nを90度回転させて上方側に凹部が形成される状態とし、該仮設用重量部材27nを安定構造物29nとして地盤中に埋設する。該安定構造物29nとして上面に断面コ字型形状の開口部が表面側に露出した断面凹型形状のものへと設置方向を変え、その開口側を形成する突出する側壁部29na、29nbの端縁部を防護柵14nのベース部16nの底面部16naとアンカー53、55により取着し、一体化することにより、該安定構造物29nの底部を有する囲まれた閉塞空間S2を形成することができる。
また、図12(c)に示すように、円形空間形状のものを防護柵14nのベース部の底面部16naと取着し、アンカー53、55により一体化する。該安定構造物29nの内側には閉塞空間S2がそのまま残ることになる。
該安定構造物29nは、恒久的な仕切り構造体31nを形成するために、防護柵14nの下方部となる地盤等に埋設され、その一方の側壁部29naは該防護柵14nに予め形成してあった切欠部30nにおいてアンカー53の頭部を取着することにより固定し、他方の側壁部29nbは防護柵14nのベース部16nの背面側に予め形成してあった貫通孔56へ挿通したアンカー55の頭部を固定することにより防護柵14nと一体化することになる。
図12(b)では、該防護柵14nの背面側から突出したベース部16nに設けた取付部としての貫通孔56に挿通したアンカー55によって安定構造物29nの一方側を連結一体化しているが、延出ベース部16n以外の他の形状のものであっても、該防護柵14nの下部の一部に切欠部及び貫通孔を予め形成しておくことにより、適宜連結一体化することができる。
上記により、防護柵14nの下部に水路となる空間S2を形成すると同時に、重量及び強度の有る恒久的な仕切り構造体31nを構築することができる。
また、防護柵14nの側壁部の端部に連結部7nを形成し、同様に、防護柵14nの天端部の端部に連結部8nを形成し、隣接する防護柵相互を連結し、長手方向に延びた仕切り構造体を構築するようにしている。
図13(a)は、他の実施例となる基盤等へ取着するコンクリート製自立型或いはアンカー併用型の仮設用仕切り構造体13pに係るもので、該仮設用仕切り構造体13pを図13(b)に示す恒久的な仕切り構造体31pへ転用できるものである。
上記実施例10と同様、仮設用仕切り構造体13pは、防護柵14pと、その上方の仮設用防護壁15pよりなり、該防護柵14pの背面側下部に水平方向に延出したベース部16pを形成している。
該防護柵14pの前方下部には切欠部30pが形成され、該切欠部30pにおいてアンカー56を取着し、他方、該ベース部16pの先端部を図13(a)に示すL字型等の連結金具57等を使用してアンカー58を固定することにより基盤等へ該仮設用仕切り構造体13pを配設することができるが、該アンカー58は、該先端部に予め取付部となる切欠部30pを形成し、該切欠部30pを利用して基盤等に取り付けることができる。
上記仮設用仕切り構造体13pの使用後、ベース部16pの先端側に予め形成された該切欠部30pにおいて取付部としての適宜連結金具59により延長部材となる安定構造物29pを取着する。また、該安定構造物29pの下部側先端よりベース部16pに向けてアンカー60を挿通させて固定することにより、より強固に両者を固定することができる。該安定構造物29pは、埋設基礎部材としての役割を成している。これによりベース部16pは、水平部材として該防護柵14pに対して直交方向外方へ更に延出することになる。この状態のものを土砂等の土留めとなる恒久的な仕切り構造体31pとなる擁壁として使用することができる。
ベース部16p及び安定構造物29p上には重量物として土砂が盛り込まれることになり、上記実施例4の擁壁より高さの高い擁壁を得ることができ、破壊や転倒が防止できる重量と強度の有る恒久的な仕切り構造体31pとなる。
また、防護柵14pの側壁部の端部に連結部7pを形成し、同様に、防護柵14pの天端部の端部に連結部8pを形成し、隣接する防護柵相互を連結し、長手方向に延びた強固な仕切り構造体を構築するようにしている。