JP5701013B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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れる1種の希土類元素(RE)とを含有する誘電体磁器からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層されたコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前記内部電極層が露出した端面に設けられた外部電極とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体磁器が、チタン酸バリウムを構成するチタン100モルに対して、マグネシウムをMgO換算で0.3〜1.5モル、マンガンをMnO換算で0.05〜0.3モル、イットリウム,ジスプロシウム,ホルミウムおよびエルビウムから選ばれる1種の希土類元素(RE)をRE2O3換算で0.3〜0.6モル含み、前記チタン酸バリウムを主体とし、前記マグネシウムの濃度が0.2原子%以下の結晶粒子からなる第1の結晶群と、前記チタン酸バリウムを主体とし、前記マグネシウムの濃度が0.3原子%以上の結晶粒子からなる第2の結晶群とを有し、前記第1の結晶群および前記第2結晶群のいずれも結晶粒子の結晶構造がペロブスカイト構造の正方晶系であり、前記誘電体磁器の研磨面に見られる前記第1の結晶群を構成する結晶粒子の面積をa、前記第2の結晶群を構成する結晶粒子の面積をbとしたときに、b/(a+b)が0.4〜0.7であるとともに、前記第1の結晶群を構成する結晶粒子および前記第2の結晶群を構成する結晶粒子を合わせた平均粒径が0.15〜0.40μmであることを特徴とする。
が図れるという点でニッケル(Ni)がより望ましい。
率が4500よりも低くなる。
行い外部電極3を形成する。また、この外部電極3の表面には実装性を高めるためにメッキ膜を形成しても構わない。
末とガラスを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行い外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiメッキ及びSnメッキを行い、積層セラミックコンデンサを作製した。
<評価>
得られた積層セラミックコンデンサについて以下の評価を行った。ここで、比誘電率、誘電損失、静電容量の温度特性の評価はいずれも試料数10個とし、その平均値を求めた。
(1)比誘電率
静電容量を温度25℃、周波数1.0kHz、測定電圧1Vrmsの測定条件で測定し、得られた静電容量から誘電体層の厚み、内部電極層の全面積および真空の誘電率をもとに換算して求めた。
(2)誘電損失
静電容量と同条件で測定した。
(3)静電容量の温度特性
静電容量を温度85℃で測定して25℃のときの静電容量に対する変化率を求めた。
(4)高温負荷試験
温度140℃において、印加電圧9.45Vの条件で行った。高温負荷試験での試料数は各試料30個とし、故障確率が50%に達したときの時間である平均故障時間を調べた。
(5)第1の結晶群を構成する結晶粒子および第2の結晶群を構成する結晶粒子からなる結晶粒子の平均粒径
誘電体磁器の断面を透過電子顕微鏡にて観察可能となる状態まで研磨(イオンミリング)した研磨面について、透過電子顕微鏡にて映し出されている画像をコンピュータに取り込んで、その画面上で対角線を引き、その対角線上に存在する結晶粒子の輪郭を画像処理し、各粒子の面積を求め、同じ面積をもつ円に置き換えたときの直径を算出し、算出した結晶粒子約50個の平均値として求めた。
(6)b/(a+b)の測定
結晶粒子中のマグネシウムの濃度分布については、誘電体磁器の断面を研磨した後、透過型電子顕微鏡に付設のモニターに映し出された画像上で結晶粒子が約30個入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子を選択し、元素分析機器を付設した透過型電子顕微鏡を用いて元素分析を行った。このとき選択する結晶粒子は、その輪郭から画像処理にて各粒子の面積を求め、同じ面積をもつ円に置き換えたときの直径を算出し、求めた結晶粒子9の直径が平均粒径の±60%の範囲にある結晶粒子とした。分析を行うときの電子線のスポットサイズは5nmとし、分析する箇所は結晶粒子の粒界付近から中央部の中心の位置までの範囲で、その中心へ向けて引いた直線上のほぼ等間隔に位置する点とし、粒界付近と中心との間で8〜10点ほど分析した値から求めた。この場合、結晶粒子の粒界からの深さが20nmから120nmの範囲におけるマグネシウムの濃度の平均を結晶粒子に含まれるマグネシウムの濃度とした。このような分析において、マグネシウムの濃度が0.2原子%以下を示した結晶粒子を「第1の結晶群を構成する結晶粒子」とし、マグネシウムの濃度が0.2原子%以上を示した結晶粒子を「第2の結晶群を構成する結晶粒子」とした。誘電体磁器において、第1の結晶群を構成する結晶粒子および第2の結晶群を構成する結晶粒子の合計の面積に対する第2の結晶群を構成する結晶粒子の面積割合、b/(a+b)(但し、aは第1の結晶群を構成する結晶粒子9aの面積を示し、bは第2の結晶群を構成する結晶粒子9bの面積を示す)は、上記約50個について結晶粒子9a、9bの平均粒径を求めた面積のデータから算出した。
(7)試料の組成分析
得られた焼結体である試料の組成分析はICP分析および原子吸光分析により行った。この場合、得られた誘電体磁器を硼酸と炭酸ナトリウムと混合し溶融させたものを塩酸に溶解させて、まず、原子吸光分析により誘電体磁器に含まれる元素の定性分析を行い、次いで、特定した各元素について標準液を希釈したものを標準試料として、ICP発光分光
分析にかけて定量化した。また、各元素の価数を周期表に示される価数として酸素量を求めた。なお、マンガンについてはMnOに換算して求めた。分析した結果、誘電体層の組成はいずれの試料についても調合組成に一致していた。調合組成と特性の結果を表1、2に示した。
3・・・・・外部電極
5・・・・・誘電体層
7・・・・・内部電極層
9・・・・・結晶粒子
9a・・・・第1の結晶群を構成する結晶粒子
9b・・・・第2の結晶群を構成する結晶粒子
11・・・・粒界相
Claims (2)
- チタン酸バリウムを主成分とし、マグネシウムと、マンガンと、イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびエルビウムから選ばれる1種の希土類元素(RE)とを含有する誘電体磁器からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層されたコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前記内部電極層が露出した端面に設けられた外部電極とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体磁器が、
チタン酸バリウムを構成するチタン100モルに対して、
マグネシウムをMgO換算で0.3〜1.5モル、
マンガンをMnO換算で0.05〜0.3モル、
イットリウム,ジスプロシウム,ホルミウムおよびエルビウムから選ばれる1種の希土類元素(RE)をRE2O3換算で0.3〜0.6モル含み、
前記チタン酸バリウムを主体とし、前記マグネシウムの濃度が0.2原子%以下の結晶粒子からなる第1の結晶群と、前記チタン酸バリウムを主体とし、前記マグネシウムの濃度が0.3原子%以上の結晶粒子からなる第2の結晶群とを有し、
前記第1の結晶群および前記第2結晶群のいずれも結晶粒子の結晶構造がペロブスカイト構造の正方晶系であり、前記誘電体磁器の研磨面に見られる前記第1の結晶群を構成する結晶粒子の面積をa、前記第2の結晶群を構成する結晶粒子の面積をbとしたときに、b/(a+b)が0.4〜0.7であるとともに、前記第1の結晶群を構成する結晶粒子および前記第2の結晶群を構成する結晶粒子を合わせた平均粒径が0.15〜0.40μmであることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 前記誘電体磁器が、前記チタン酸バリウムを構成するチタン100モルに対して、さらに、バナジウムをV 2 O 5 換算で0.05〜0.20モル含有することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
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