JP5700127B2 - 転がりねじ用シール及び転がりねじ - Google Patents

転がりねじ用シール及び転がりねじ Download PDF

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Description

本発明は、ボールねじやローラねじ等の転がりねじにおいてねじ軸周面を密封する転がりねじ用シールに関し、またそのシールを備えた転がりねじに関する。
従来、ボールねじやローラねじ等の転がりねじにおいては、ナットとねじ軸との間を密封する転がりねじ用シールが用いられている。その目的は、ねじ軸とナットのねじ溝部を塵芥等の侵入から保護し、またナット内部に供給されている潤滑油脂類を保持・密封する等にある。
このような転がりねじ用シールはナットの軸方向両端に設けられていて、そのリップ先端がねじ軸のねじ溝内に摺接するようになっている。ここで、シールのリップ部を軸方向に対して垂直に径方向内方へ延在させると、リップ部90は図13に示すような挙動をする。すなわち、ナットとねじ軸の相対運動に伴い、リップ部90先端とねじ軸91表面との摩擦によって、リップ部90先端に対して、ねじ軸が移動する向きの力がかかり、リップ部90がたわむことになる。このようにしてリップ部90がたわむ方向は、異物などのシール対象がリップ部90を押し上げシールを通過し易くする方向である。このため、このようなシールにおいては、軸方向のいずれの向きに対しても高いシール性能は得られない。
そこで、従来の転がりねじ用シールにおいては、リップ部を軸方向に垂直な面に対して傾斜を持たせることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−133944号公報
しかしながら、シールのリップ部を特許文献1に記載されるように軸方向に垂直な面に対して傾斜させると、図14に示すように、リップ部20の側面がねじ軸の溝部40におけるランド端部30に接触するという不具合がある。こうなると、接触部を支点としてリップ部20がさらに傾斜するから、リップ先端20aが溝部40の面から浮いてしまうという現象が発生する。この場合、リップ部20先端20aが溝部40から浮くのでシール性が損なわれ、シール対象(例えば異物)の通過が容易になり、作動性能の悪化や寿命の短縮化など、転がりねじの性能に悪影響を及ぼす。
このような問題に鑑みて、本発明は、ねじ軸の軸方向に垂直な面に対して傾斜させたリップの利点を維持しつつ、ねじ軸との意図しない接触を防止することができる転がりねじ用シール及びそれを利用した転がりねじを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第の態様は、転がりねじのナットに固定される円環部と、この円環部の内側に連続して転がりねじのねじ軸に摺接するリップ部と、を有する転がりねじ用シールにおいて、前記リップ部は、前記円環部の内側に連続して形成されて前記ねじ軸の軸方向に垂直な面に対して傾斜している傾斜部と、その傾斜部における前記円環部から遠くの側に屈曲点を介して連続して前記傾斜角が小さくなる向きに屈曲して前記ねじ軸に摺接する屈曲部と
を有し、
前記屈曲部の長さは、前記傾斜部の長さに比して短く、かつ前記ねじ軸の溝部におけるランド端部に接触しない長さとされた転がりねじ用シールである。
本発明の第の態様は、前記第の態様において、前記屈曲部はねじ軸の軸方向に対して垂直をなすようにしてもよい。
本発明の第の態様は、前記第又は第の態様において、前記屈曲部の径方向の長さを、取り付け対象となる転がりねじの転動体の直径の0.5%以上で30%以下の範囲内にするとよい。
本発明の第の態様は、前記第1ないし第の態様のいずれか1つの態様において、転がりねじ用シールを、軟弾性部材で構成することができる。
本発明の第の態様は、前記第ないし第のいずれか1つの態様において、前記リップ部における屈曲部の軸方向たわみ剛性を、前記リップ部における傾斜部のたわみ剛性よりも大きくするとよい。
本発明の第の態様は、前記した第1ないし第の態様の転がりねじ用シールを備えた転がりねじとするものである。
本発明によれば、ねじ軸の軸方向と垂直な面に対して傾斜させたリップ部の利点を維持しつつ、リップ部の側面がねじ軸のランド部に接触することを防止することができるようになったから、リップ部の先端がねじ軸の溝から離れないようにしてシール性能の向上を図ることができる。
本願の第1実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 本願の第2実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 図2の先端部長さを説明するねじ軸の軸方向の断面図である。 本願の第3実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 本願の第4実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 本願の第5実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 本願の第6の実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 本願の第7の実施形態を示すねじ軸の軸方向の断面図である。 (a)転がりねじ用シール全体を示す立面図である。(b)転がりねじ用シール全体を示す断面図である。 転がりねじ用シールを循環チューブ方式のボールねじ機構に取り付けた状態を示す軸方向の断面図である。 リップ部のランド端部側に突起部を設けた参考例を示す断面図である。 リップ屈曲部先端の円弧形状表面とねじ軸表面によって画成されるくさび状空間を示す断面図である。 従来例を示す図であり、ねじ軸方向に対して垂直な方向に延びるリップの説明図である。 特許文献1に記載の例を示す図であり、軸方向に垂直な方向に対して傾斜したリップ部がランド端部に接触している様子を示すねじ軸方向の断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
この実施形態の転がりねじ用シールは転がりねじに用いるものである。転がりねじとは、回転運動を直線運動に変換する機構であって、ボールねじやローラねじ等をいう。転がりねじ機構は、外周にねじ溝を備えたねじ軸に、内周にねじ溝を備えたナット(雌ねじ部材)を、ボール又はローラを介して螺合させたものである。そこで、ねじ軸を回転させることにより、ナットを軸線方向へ移動させる。なお、逆にナットを回転させることによりねじ軸を進退させるものもある。
かかる転がりねじの一例として、図10を参照しつつ循環チューブ方式のボールねじ機構の全体構成を説明する。図10において、一部のみ示すねじ軸1は、溝断面が円弧状であるねじ溝1aを外周に有する軸部材である。ナット2は、ねじ軸1のねじ溝1aに対応するねじ溝2aを内周に有する円筒形の部材である。図示されていないが、ナット2の上面からねじ溝2aまで延在する2つの貫通孔が形成され、かかる貫通孔に、仮想線で示すようにU字形のボール循環チューブ4の両端部がそれぞれ嵌挿されている。
ナット2の内部に挿通されたねじ軸1は、そのねじ溝1aがナットのねじ溝2aと対向するように配置され、かかる溝内には多数のボール3が転動自在に収納されている。
ナット2とねじ軸1との一方が相対回転運動を行うと、ボール3の次の運動を伴いながら他方が軸方向に進退運動をする。つまり、ボール3は、ねじ溝1a、2a間に形成された転送路に沿って転動し、ボール循環チューブ4の端部に至る。ここでボール3はタング部(不図示)に案内されて転送路から前記チューブにすくい上げられて同チューブ4内に導かれ、そのチューブ内を通って反対端より転送路に戻るという循環を繰り返す。
ナット2の両端部には、転がりねじ用シール5が備えられ、外部からナット2内への塵芥等の異物の侵入を防止している。転がりねじ用シール5は、固定ねじによりナット2に取り付けられている。
この転がりねじ用シール5は、図9に示す形状をしている。図9(a)は、転がりねじ用シール全体を示す立面図である。図9(b)は、図9(a)に示すA−A断面図である。図9において、リップ部17は、一例として、後述する第3実施形態の形状を採用しているが、転がりねじ用シール5には図1ないし図8を用いて説明する第1ないし第7実施形態のリップ形状が適用される。
転がりねじ用シール5は、図9に示すように、全体として、前記ねじ軸1を通すための孔部を中央に設けたドーナツ状をしている。この転がりねじ用シール5は、ナット2の端部に嵌装され固定ねじによってナット端面に固定される円環部16と、円環部16の内周面から径方向内方へ延在し、ねじ軸に摺接するリップ部17とから構成されている。
円環部16は、ゴムやエラストマーなどの軟弾性部材から成る弾性部8と、弾性部8のナット側に配置され、鋼などの金属から成る芯金9とから構成されており、弾性部8と芯金9は接着されている。芯金9を備えることで転がりねじ用シール5は一定形状を保ち易くなる。
芯金9には、ナットに固定するための固定ねじを通すねじ孔部10が3箇所設けられており、これに対応して、弾性部8には切欠き部11が3箇所設けられている。このようにして、ねじ固定の際にねじ頭部とナット端部との間に弾性部8を介さずに、芯金9を直接ナットにねじ固定できるようにすることでより強固な固定を可能としている。
リップ部17は、ゴムやエラストマーなどの軟弾性部材から成り、前記円環部16の弾性部8と一体に形成されている。軟弾性部材であれば、ナットに外力が加わる等によってリップ部7のねじ軸への押し付け量が変化した場合においても、弾性変形することで安定したシール性能を発揮することが出来る。
リップ部17の内周部である先端は、ねじ軸のねじ溝とランド部に隙間なく一定の押し付け力によって摺接することができるように、ねじ軸の断面に近い形状としている。したがって、ねじ溝に摺接する部分は中心点から近く、ランド部に摺接する部分は中心点から遠くなるように形成されている。リップ部17の平面形状は、ねじ軸に形成されたねじ溝のピッチや形状等に応じて種々変更可能である。
円環部16の内周面もリップ部17の形状に合わせた形状をしている。したがって、リップ部7の径方向の長さは全周に渡って一定である。これにより、全周に渡って一定の押し付け力でシールすることが可能となる。
以下、転がりねじ用シール5に適用されるリップ部17のねじ軸方向の断面形状について説明する。なお、断面形状は、全周に渡って以下の各実施形態のいずれかの断面形状とするのが良い。しかし、ねじ軸との意図しない接触を防止するという目的を達成するためには、ねじ軸のねじ溝と接触する部分のみ、以下の断面形状とすれば良い。その場合、それ以外の部分については、径方向の全長に渡って一定の傾斜角を持たせたリップ形状としても良いし、その他の形状としても良い。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る転がりねじ用シール5は図1に示される。すなわち、シール5は、円環部16と、その内側のリップ部17と含み、そのリップ部17が円環部16の径方向内側に連続する傾斜部112と、そこから屈曲してさらに径方向内側に延びる屈曲部113とから構成されている。屈曲部113の先端113aの断面形状は円弧形状である。この円弧形状とすることで、摺接するねじ軸表面の接触角がシール性能に与える影響を小さくすることができる。屈曲点15が傾斜部112と屈曲部113との境をなす。
傾斜部112は、ねじ軸1の軸方向に垂直な面に対して傾斜角を有しており、屈曲部113は屈曲点15で屈折して傾斜角を小さくする方向に延びている。好ましくは、前記の傾斜角をゼロにしてねじ軸1の軸方向に対して垂直をなすようにしている。このような構成とすることで、リップ部17がねじ軸1のランド30端部を避けるようにして、その先端113aをねじ溝1a内に接触させるため、図14に示すような意図しない接触によるシール性能の低下を防ぐことができる。
また、傾斜部112を設けると、リップ部17全体を軸方向に垂直な方向に伸ばした場合と比較して、径方向外方(図1において上方)へ向かう力に対しての剛性が低くなる。このため、転がりねじに外力がかかり、リップ部17のねじ軸1に対する押し付け量が不均一になってもリップ部17が追従することができる。これによって、シールトルクが上昇するのを防ぎ、安定したシール性能を発揮することが出来る。
さらに、傾斜部112を設けると、傾斜部112の先端側(図1において左側)からねじ軸が螺入する場合の剛性が、傾斜部112の根元側(図1において右側)からねじ軸が螺入する場合の剛性よりも高くなる。このため、後者に比べて前者の方がリップ部17の屈曲部113をねじ軸1に押し付ける力が強くなり、シール性が高いこととなる。このようにシールに方向性を持たせることで、効率的なシールが可能となる。例えば、外部からの塵芥の侵入を防ぎたい場合には、リップ部17の屈曲部がナットの外側に位置するように配置する。また、ナット内部からのグリースの漏出を防ぎたい場合には、リップ部17の屈曲部113がナットの内側に位置するように配置する。これらのことで、シールトルクを抑えながらシールの目的を達成することができる。
さらに、傾斜したリップ部17がねじ軸1のランド端部30と意図しない接触をするのを避ける方法としては、図11に示すものも考えられる。つまり、リップ部17のランド端部側に突起部110を設ける等、リップ部17の形状を特殊な形状とすることである。しかし、このような手段を採用した場合、リップ部17の設計に制約が多くなり、設計の自由度が低下する。リップ部17の形状は防塵性、密封性、耐久性などシールの特性に大きく影響する部分であるため、図11のように突起部110を設けることは設計の自由度という観点からは望ましい形状とはいえない。本願発明のようにリップ部17が途中で屈曲して傾斜部112と屈曲部113とを有する構成とすることで、リップ部17の形状の制約が無くなる。その結果、後述する実施形態のように、用途に合わせて様々な屈曲部の形状を採用することが可能となる。
さらに、図14に示すようにリップ部20全体を傾斜させる場合には、傾斜角を大きくするほどランド部30での干渉が起きやすくなる為、傾斜角の設計にも制約が生じるという欠点がある。これに対して、図1の第1実施形態のようにリップ部17が傾斜部112と屈曲部113とを有する構成とすることで、傾斜角の設計の自由度も増加する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る転がりねじ用シール5は、図2に示す通りである。ここでリップ部17は、円環部16からその径方向内側に延びる傾斜部112と、その内側の屈曲点15で屈曲してさらに径方向内側に延びる屈曲部113とから構成されている。屈曲部113における先端113aの断面形状は円弧形状である。
この第2実施形態の前記第1実施形態との違いは、屈曲部113の長さが傾斜部112の長さに比して短いことにあり、また屈曲部113の長さが転がりねじに用いる転動体の直径に比して短いことである。本願において「屈曲部長さ」又は「屈曲部の長さ」の定義を説明するための図が図3であり、ここにおいて符号14で示すのが前記長さである。この長さ14(屈曲部長さ又は屈曲部の長さ)はリップ部17の屈曲点15から先端113aまでの、ねじ軸の軸方向と垂直な方向の長さと定義する。また、ここでいう「屈曲点15」とは、リップ部17の屈曲する2つの側面のうち、谷折りになる側面が屈曲した点をいうものと定義する。よって、この屈曲点15から先端113aまでの部分が本願において屈曲部113である。
屈曲部長さ14は、転がりねじの転動体の直径の0.5%以上で30%以下の範囲とすることが好ましい。この下限値を下回ると、長さ14が短いためねじ軸のランド端部との意図しない接触を避けることが困難となる。逆に上限値を上回ると、ねじ軸表面との摩擦によってリップ部17にねじ軸方向の力が加わったときに、図13に示す傾斜角を持たないリップ90に似たたわみが生じるため、傾斜部112を有する利点を発揮しにくい。したがって、屈曲部長さ14は、ランド端部との意図しない接触を避けることができる範囲でできるだけ短い方が良い。なお、先端113aの断面形状は、後述の図5、図6の例などのように前記円弧状でなくてもよいのは勿論である。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る転がりねじ用シール5は図4に示すとおりである。ここでリップ部17は、円環部16から径方向内側に延びる傾斜部112と、そこからさらに同方向に延びる屈曲部113とから構成されている。屈曲部113における先端113aの断面形状は円弧形状である。
この実施形態の、前記第1、第2実施形態との違いは、屈曲部113を先端113aへ向かうにつれて細くし、先端113aの円弧形状の径を小さくしたことにある。先端113aを円弧形状にした場合、摺接するねじ軸表面の接触角がシール性能に及ぼす影響を小さくすることができるというメリットがある。しかし、この場合、その摺接部に注目すると、図12に示すように、その先端113aの円弧形状表面120とねじ軸表面121とによって、くさび状空間122が画成されることとなり、このくさび状空間122があると異物が詰まり易くなる。そして、詰まった異物がやがてシールを押しのけてシールを通過することも生じ得る。そこで、本第3実施形態においては、先端の円弧形状の径を小さくすることにより、図12におけるくさび状の空間122を小さくして異物が詰まりにくいものとしている。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る転がりねじ用シールは図5に示す通りである。すなわちシール5のリップ部17は、円環部16から延びる傾斜部112と、そこから屈曲してさらに延びる屈曲部113とから構成されている。
この第4実施形態の、前記第1ないし第3実施形態との違いは、屈曲部113の断面形状を尖らせた形状にして、先端113aがねじ溝の面に線接触するようにしたことにある。これにより、円弧状の場合と比較して異物がリップ端部とねじ軸表面との間の隙間に入り込んでシールを通過することを防ぐことが可能となり、より高いシール性能を発揮することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る転がりねじ用シールは図6に示す通りである。すなわちそのシール5のリップ部17は、円環部16から延びる傾斜部112と、そこからさらに延びる屈曲部113とから構成されている。
この実施形態の、第1ないし第4実施形態との違いは、屈曲部113の断面形状を多角形状にしたことにある。これにより、円弧形状の場合と比較して異物がリップ端部とねじ軸表面との間のくさび状の隙間に入り込んでシールを通過することを防ぐことが可能となる。また、先端113aを尖らせた場合と比較して、摺接するねじ軸表面の接触角がシール性能に及ぼす影響を小さくすることができるというメリットがある。
(第6実施形態)
ここで、シール5のリップ部17における傾斜部112の径方向内側に屈曲部113を設けると次の事態を生じる可能性がある。つまり図13を用いて前記したように、平板からなるシールと同様に屈曲部113のたわみ方向が管理できずに傾斜をつける意味がなくなる可能性も残る。そこで、図2、図3のように屈曲部113の長さが傾斜部11の長さ又はここで使用される転動体の直径に比して小さく、且つ屈曲部113の厚みが傾斜部112の厚みと同一であれば、屈曲部113のたわみ剛性は傾斜部112に比して大きく、したがって屈曲部113でのたわみは無視できるほどに小さくなる。
これを示したのが第6の実施形態を示す図7であり、ここではリップ部17を傾斜部112のみにした場合と同じ効果が期待でき、傾斜部112を形成したことの利点は維持される。よって、屈曲部113の剛性は少なくとも傾斜部112の剛性より大きいことが望ましい。
(第7実施形態)
図8は、本発明の第7の実施形態である。ここでは、屈曲部113のたわみ剛性を傾斜部112よりも大きくする手段として、図7のものに代えて屈曲部113の厚み寸法を同一材料からなる傾斜部112よりも大にしたものである。なお、屈曲部113のたわみ剛性を傾斜部112よりも大きくする手段としては、屈曲部113の材質を剛性の大なものにしたり、屈曲部113に別の部材を付加するなど、部材の剛性を大にするための他の周知手段を採用することもできるのは勿論である。
以上のように、本発明によれば、ねじ軸方向と垂直な方向に対して傾斜させたリップの利点を維持しつつ、ねじ軸との意図しない接触を防止することができる転がりねじ用シール及びこれを利用した転がりねじを提供することができる。
1 ねじ軸
1a ねじ溝(ねじ軸)
2 ナット
2a ねじ溝(ナット)
3 ボール
4 循環チューブ
5 転がりねじ用シール
8 弾性部
9 芯金部
10 ねじ孔部
11 切欠き部
14 屈曲部長さ
15 屈曲点
16 円環部
17 リップ部
90 リップ部
91 ねじ軸
110 突起部
112 傾斜部
113 屈曲部
113a 先端
120 円弧形状表面
121 ねじ軸表面
122 くさび状空間

Claims (6)

  1. 転がりねじのナットに固定される円環部と、
    この円環部の内側に連続して転がりねじのねじ軸に摺接するリップ部と、
    を有する転がりねじ用シールにおいて、
    前記リップ部は、
    前記円環部の内側に連続して形成されて前記ねじ軸の軸方向に垂直な面に対して傾斜している傾斜部と、
    その傾斜部における前記円環部から遠くの側に屈曲点を介して連続して前記傾斜角が小さくなる向きに屈曲して前記ねじ軸に摺接する屈曲部と
    を有し、
    前記屈曲部の長さは、前記傾斜部の長さに比して短く、かつ前記ねじ軸の溝部におけるランド端部に接触しない長さとされたことを特徴とする転がりねじ用シール。
  2. 前記屈曲部はねじ軸の軸方向に対して垂直をなすことを特徴とする請求項1に記載の転がりねじ用シール。
  3. 前記屈曲部の径方向の長さを、取り付け対象となる転がりねじの転動体の直径の0.5%以上で30%以下の範囲内にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がりねじ用シール。
  4. 軟弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の転がりねじ用シール。
  5. 前記リップ部における屈曲部の軸方向たわみ剛性を、前記リップ部における傾斜部のたわみ剛性よりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の転がりねじ用シール。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の転がりねじ用シールを備えたことを特徴とする転がりねじ。
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