JP7083464B2 - 電動アクチュエータ - Google Patents
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Description
ここで、振れ止め部材は、ボールねじ軸が片持ちになり振れ回る恐れがあるのを防止するための部材である。特許文献1には、作業軸(中空ロッド)の中空内周面と接触する弾性部材が記載されている。
ボールねじ軸は、片持ちであるため、及びスライダユニットにトルクを伝えるため、ボールねじ軸の先端が大きく振れ回る問題がある。その振れ回りを防止するために、振れ止め部材が設けられている。ボールねじ軸の先端が振れ回るためボール軸受が使用できず、弾性部材で振れ回りを抑制している。弾性部材は、擦れにより摩耗してしまい振れ回りの抑制が不十分となる恐れがある。弾性部材の摩耗を低減し、摺動抵抗を低下させるためにグリスが用いられている。グリス溜りを設けることで、数年間にわたって電動アクチュエータを使用し続けた場合でも、グリスがグリス溜りに残留して、摺動部にグリスを供給することができる。
(1)特許文献2の技術では、図16に示すように、振れ止め部材151に設けられた外周溝151aに、弾性部材であるゴム製のOリング152を収納するとともに、外周溝151aをグリス溜りとして機能させている。Oリング152の最外周面が中空ロッド140の中空内周面140aに接触している状態であるため、弾性部材であるゴム製のOリング152は、常に中空ロッド140の中空内周面140aと接触して長期間使用されるため、摩耗し、また劣化して形状が変化して初期の機能を果たさなくなる問題がある。すなわち、Oリング152が、部分的に変形するため、中空内周面140aの全周において均一にグリス供給を行えなくなる問題があった。
また、全周における弾性力にバラツキが生じるため、振れ止め機能が低下する問題があった。
(1)モータにより回転されるボールねじ軸と、ボールねじ軸の回転により直進運動を行うスライダユニットと、スライダユニットに固定されボールねじ軸が挿入される中空ロッドと、ボールねじ軸の先端外周に設けられ中空ロッドの中空内周面と接触する振れ止め部材と、を有する電動アクチュエータにおいて、振れ止め部材には外周溝が形成されていること、外周溝には弾性部材と、弾性部材の外周に樹脂製の摺動部材が収納されていること、振れ止め部材はボール軸受を介してボールねじ軸に回転可能に保持されていること、ボールねじ軸の先端外周であって、振れ止め部材の内周面に対向する面の一部に、軸方向の空気抜き用切り欠きが形成されていること、を特徴とする。外周溝に摺動部材と弾性部材の2つの部材を収納すると、外周溝の深さが大きくなるため、振れ止め部材本体に空気孔を形成することが困難となる問題がある。この問題を解消するために本発明の電動アクチュエータは、空気孔を振れ止め部材に設けるのではなく、ボールねじ軸に設けている。
(3)(1)または(2)に記載の電動アクチュエータにおいて、前記摺動部材の外周面にグリス溜り凹部が形成されていること、を特徴とする。
(5)(4)に記載の電動アクチュエータにおいて、前記溝形状の断面が四角形状、三角形状、または円弧形状のいずれか1つであること、を特徴とする。
(1)モータにより回転されるボールねじ軸と、ボールねじ軸の回転により直進運動を行うスライダユニットと、スライダユニットに固定されボールねじ軸が挿入される中空ロッドと、ボールねじ軸の先端外周に設けられ中空ロッドの中空内周面と接触する振れ止め部材と、を有する電動アクチュエータにおいて、振れ止め部材には外周溝が形成されていること、外周溝には弾性部材と、弾性部材の外周に樹脂製の摺動部材が収納されていること、を特徴とするので、振れ止め部材の有する外周溝に弾性部材が収納され、弾性部材の外周に摺動部材が収納されているため、摺動部材が中空ロッドの中空内周面に接触し、弾性部材が中空ロッドの中空内周面に接触することがない。弾性部材が中空ロッドの中空内周面に接触することがないため、数年間に渡り電動アクチュエータを使用し続けた場合でも弾性部材の摩耗や劣化を防止することができ、振れ止め部材の振れ止め機能を維持することができる。また、前記振れ止め部材はボール軸受を介して前記ボールねじ軸に回転可能に保持されていること、前記ボールねじ軸の先端外周であって、前記振れ止め部材の内周面に対向する面の一部に、軸方向の空気抜き用切り欠きが形成されていること、を特徴とするので、中空ロッドの中空部において振れ止め部材により2つに隔離された空間の間の圧力差が生じることを防ぐことができ、中空ロッドの円滑な往復運動が確保され、電動アクチュエータの作業精度の低下を防ぐことができる。
(3)(1)または(2)に記載の電動アクチュエータにおいて、前記摺動部材の外周面にグリス溜り凹部が形成されていること、を特徴とするので、摺動部材として摩擦抵抗の小さい材質の樹脂を選べば、摺動部材の外周に形成されたグリス溜り凹部は、摺動部材が固くて変形しにくい樹脂製であるため、摺動して中空ロッドの中空内周面に存在するグリス層を掻き落したときに、グリス溜り凹部に安定してグリスを溜めることができる。例えば、従来技術においては、数年間にわたって電動アクチュエータを使用し続けた場合に、グリスが枯渇する恐れがあったが、グリスがグリス溜り凹部に安定して溜められることで、数年間にわたって電動アクチュエータを使用し続けた場合でも、グリスはわずかに残留し、潤滑作用を果たすことができる。
図12に示すように、図11とは逆の方向である矢印Yの方向に中空ロッド40が直線運動する際には、グリス溜り凹部53aに保持されたグリスGが、図11とは反対の方向にグリスGが流れ出て、摺動部材53の摺動面にグリスGが供給される。
また、中空ロッド40の往復運動の繰り返しにより、摺動部材53が摩耗した場合であっても、図13に示すようにグリス溜り凹部53aにグリスGが保持されるため、図11及び図12に示すような摺動面へのグリスGの供給が可能であり、円滑な摺動を維持することができる。例えば、従来技術においては、数年間にわたって電動アクチュエータ1を使用し続けた場合に、グリスGが枯渇する恐れがあったが、グリスGがグリス溜り凹部53aに安定して溜められることで、数年間にわたって電動アクチュエータ1を使用し続けた場合でも、グリスGはわずかに残留し、潤滑作用を果たすことができる。
(1)モータ30により回転されるボールねじ軸10と、ボールねじ軸10の回転により直進運動を行うスライダユニット20と、スライダユニット20に固定されボールねじ軸10が挿入される中空ロッド40と、ボールねじ軸10の先端外周に設けられ中空ロッド40の中空内周面40aと接触する振れ止め部材50と、を有する電動アクチュエータ1において、振れ止め部材50には外周溝51aが形成されていること、外周溝51aにはOリング52と、Oリング52の外周に樹脂製の摺動部材53が収納されていること、摺動部材53の外周面にグリス溜り凹部53aが形成されていること、を特徴とするので、摺動部材53として摩擦抵抗の小さい材質の樹脂を選べば、Oリング52が中空ロッド40の中空内周面40aに接触することがなく、Oリング52の摩耗や劣化を防止することができる。また、摺動部材53は、外周溝51aに収納されているために摺動方向の位置決めがされていることや、Oリング52に比べて摩擦係数が小さく、硬度が高く弾性変形しにくいフッ素系樹脂であるために図16に示されるOリング152のような軸方向の変形が生じないことにより、中空ロッド40の往復運動時に安定した制動反力を得ることができる。さらに、摺動部材53の外周に形成されたグリス溜り凹部53aの内部には、他の部材が存在せず、グリスGのみが保持されるため、摺動して中空ロッドの中空内周面40aに存在するグリス層を掻き落したときに、グリス溜り凹部53aに安定してグリスGを溜めることができる。
振れ止め部材本体56は、外周溝51aとともに、外周溝51aより幅広の摺動部材溝56aを備え、摺動部材57が摺動部材溝56aに収納されている。
このとき、切り欠き部57aの外周面は、振れ止め部材本体56の外周面よりも低く設定されており、切り欠き部57aと摺動部材溝56aの内周面によりグリス溜り凹部71が構成される。
中空ロッド40が図14中の矢印Xの方向に直線運動する際、切り欠き部57aと摺動部材溝56aの内周面により構成されたグリス溜り凹部71に保持されたグリスが、中空ロッド40の直線運動方向とは反対の方向に流れ出る。グリスGが流れ出ることにより摺動部材57の摺動面全体にグリスGが供給される。第1乃至第3の実施形態においては、摺動面の半分にしかグリスGが供給されない可能性があるが、第4の実施形態によれば、摺動面全体にグリスGが供給されるため、グリスGの潤滑作用の効果がより高く発揮される。
振れ止め部材本体56の摺動部材溝56aに、摺動部材58が収納されている。このとき、切り欠き部58aの中心軸に近い方の稜線は、振れ止め部材本体56の外周面よりも低く設定されており、切り欠き部58aと摺動部材溝56aの内周面によりグリス溜り凹部72が構成される。
第5の実施形態によっても、図14と同様に中空ロッド40が直線運動する際、切り欠き部58aと摺動部材溝56aの内周面により構成されたグリス溜り凹部72に保持されたグリスGが、中空ロッド40の直線運動方向とは反対の方向に流れ出る。グリスGが流れ出ることにより摺動部材58の摺動面全体にグリスGが供給される。第1乃至第3の実施形態においては、摺動面の半分にしかグリスGが供給されない可能性があるが、第5の実施形態によれば、摺動面全体にグリスGが供給されるため、グリスGの潤滑作用の効果がより高く発揮される。
例えば、本実施の形態では、弾性部材として断面形状が円状のOリングを用いているが、円状に限らず、様々な断面形状を適用することができる。
10 ボールねじ軸
11 小径部
11a 空気抜き用切り欠き
12 ボール軸受
20 スライダユニット
30 モータ
40 中空ロッド
40a 中空内周面
50 振れ止め部材
51 振れ止め部材本体
51a 外周溝
52 Oリング(弾性部材)
53 摺動部材
53a グリス溜り凹部
Claims (6)
- モータにより回転されるボールねじ軸と、
前記ボールねじ軸の回転により直進運動を行うスライダユニットと、
前記スライダユニットに固定され、前記ボールねじ軸が挿入される中空ロッドと、
前記ボールねじ軸の先端外周に設けられ、前記中空ロッドの中空内周面と接触する振れ止め部材と、
を有する電動アクチュエータにおいて、
前記振れ止め部材には、外周溝が形成されていること、
前記外周溝には弾性部材と、前記弾性部材の外周に、樹脂製の摺動部材が収納されていること、
前記振れ止め部材はボール軸受を介して前記ボールねじ軸に回転可能に保持されていること、
前記ボールねじ軸の先端外周であって、前記振れ止め部材の内周面に対向する面の一部に、軸方向の空気抜き用切り欠きが形成されていること、
を特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項1に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記摺動部材が、バイアスカットを有すること、
前記バイアスカットは、前記摺動部材の外周面が、中空ロッドの中空内周面に倣って安定した接触を可能にすること、
を特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項1または2に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記摺動部材の外周面にグリス溜り凹部が形成されていること、
を特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項3に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記摺動部材が、円筒形状の円筒外周面を備えること、
前記グリス溜り凹部が前記円筒外周面に溝形状で形成されていること、
を特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項4に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記溝形状の断面が四角形状、三角形状、または円弧形状のいずれか1つであること、
を特徴とする電動アクチュエータ。 - 請求項3に記載の電動アクチュエータにおいて、
前記摺動部材が、外周両端面に切欠き部を備えること、
前記外周溝は、前記弾性部材を収納する弾性部材溝と、前記弾性部材溝より広く形成された摺動部材溝を備えること、
前記摺動部材は、前記摺動部材溝に収納されていること、
前記グリス溜り凹部が、前記摺動部材の前記切欠き部と、前記摺動部材溝の内周面により構成されていること、
を特徴とする電動アクチュエータ。
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