JP5903258B2 - シール体及びこれを用いた運動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シール体及びこれを用いた運動装置に関する。
従来、軸体(ねじ軸)と、前記軸体の外周面に形成されたねじ部に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体(ナット)と、を備えたボールねじ等の運動装置が知られている。
この種の運動装置においては、軸体の外周面やそのねじ部(以下、外周面と省略する)を介して、移動体の外部から内部へ塵埃等の異物が進入したり、移動体の内部から外部へ潤滑用のグリス(潤滑剤)が漏出したりすることで、軸体に対する移動体の移動が不安定になるおそれがある。そこで、移動体の異物除去性や潤滑剤保持性を確保する目的で、軸体の外周面をシールするシール体が、移動体に取り付けられている。
例えば、下記特許文献1に示されるシール体は、軸体を囲む環状をなし、弾性変形可能なシール本体部を備えており、該シール本体部には、その中心軸に直交する径方向の内側の端部にリップ部が形成されている。そして、リップ部を軸体の外周面に密着するように摺接させることで、前述の異物除去性や潤滑剤保持性を確保している。
実開昭60−164158号公報
しかしながら、前述した従来のシール体及び運動装置においては、下記の課題があった。
すなわち、従来のシール体のリップ部は、軸体の外周面に密着して弾性変形する際、シール本体部の中心軸方向のうち所望の方向に安定して曲がり難かった。具体的に、異物除去性を確保する目的の場合は、前記中心軸方向のうち移動体とは反対側へ向けてリップ部が曲げられることが好ましく、潤滑剤保持性を確保する目的の場合は、前記中心軸方向のうち移動体側へ向けてリップ部が曲げられることが好ましい。しかしながら、従来の構成では、リップ部が曲げられる向きをいずれかに安定させることは難しかった。
そこで、例えば、リップ部を前記中心軸に対して単純に傾斜させて形成することにより、該リップ部が曲がる向きを安定させることが考えられる。しかしながら、この場合、軸体の外周面に対するリップ部の面圧が低下して、異物除去性や潤滑剤保持性が低減する可能性があり、これを防止するため締め代(具体的には、軸体の外周面の外径に対して、リップ部の内径を小さくする割合やその量)を大きくとる必要が生じて、材料費が嵩むことになる。またこの場合、リップ部の傾斜姿勢等により面圧が変動しやすくなって、所望の面圧を安定して確保できるとは言い難い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、リップ部の面圧を安定して確保でき、かつ、リップ部が所望の方向に曲がりやすくされ、これにより異物除去性や潤滑剤保持性を向上できるシール体及びこれを用いた運動装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、外周面にねじ部が形成された軸体に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体に取り付けられて、前記軸体の外周面をシールするシール体であって、前記軸体を囲む環状をなし、弾性変形可能なシール本体部に、前記シール本体部の中心軸に直交する径方向の内側の端部に形成されたリップ部と、外力に対する変形量が前記リップ部とは異なる調整部と、が備えられ、前記中心軸を含む縦断面視で、前記リップ部は、前記中心軸方向の一方側を向き、該中心軸に対して垂直となるように延びる垂直面と、前記中心軸方向の他方側を向き、前記径方向の内側へ向かうに従い漸次前記一方側へ向かって延びる傾斜面と、を備え、前記調整部は、前記垂直面の前記径方向の外側に配置され、前記リップ部を前記径方向の内側に向けて付勢する付勢部材が設けられることを特徴としている。
また、本発明は、外周面にねじ部が形成された軸体に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体に取り付けられて、前記軸体の外周面をシールするシール体であって、前記軸体を囲む環状をなし、弾性変形可能なシール本体部に、前記シール本体部の中心軸に直交する径方向の内側の端部に形成されたリップ部と、外力に対する変形量が前記リップ部とは異なる調整部と、が備えられ、前記中心軸を含む縦断面視で、前記リップ部は、前記中心軸方向の一方側を向き、該中心軸に対して垂直となるように延びる垂直面と、前記中心軸方向の他方側を向き、前記径方向の内側へ向かうに従い漸次前記一方側へ向かって延びる傾斜面と、を備え、前記調整部は、前記垂直面の前記径方向の外側に配置され、前記シール本体部には、前記リップ部の前記径方向の外側に、該リップ部より剛性が高い固定部が配設され、前記固定部は、前記リップ部の垂直面と傾斜面との交差部に対して、傾斜面側に配置されていることを特徴としている。
また、本発明は、軸体と、前記軸体の外周面に形成されたねじ部に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体と、前記移動体に取り付けられて、前記軸体の外周面をシールするシール体と、を備えた運動装置であって、このシール体として、前述したシール体を用いたことを特徴としている。
本発明に係るシール体及びこれを用いた運動装置によれば、リップ部の面圧を安定して確保でき、かつ、リップ部が所望の方向に曲がりやすくされ、これにより異物除去性や潤滑剤保持性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係るシール体が装着される運動装置を示す分解斜視図である。 図1の運動装置の要部を断面で示す斜視図である。 第1実施形態のシール体を示す(a)平面図、(b)図3(a)のA−A断面を示す縦断面図(側断面図)、である。 第1実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第1実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第1実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第2実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第2実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第2実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第3実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第3実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。 第3実施形態のシール体を示す縦断面図であり、(a)未変形の状態を示す図、(b)外力により変形した状態を示す図、である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るシール体及びこれを用いた運動装置について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の運動装置であるボールねじ1は、ねじ軸(軸体)2と、ねじ軸2の外周面に形成されたねじ部2aに螺合するとともに、該ねじ軸2との相対回転(ねじ軸2の軸回りの相対回転)により、該ねじ軸2の延在方向に移動可能なナット(移動体)3と、ナット3に取り付けられて、ねじ軸2の外周面をシールするボールねじ用シール体(シール体)10と、を備えている。
また、特に図示しないが、ボールねじ1は、ナット3の後述する無限循環路に収容されるとともに、該ナット3とねじ軸2との間で転走されるボール(転動体)を備えている。
ねじ軸2のねじ部2aは、該ねじ軸2の外周面に螺旋溝状に形成されている。ねじ部2aの内面は、凹曲面状に形成されており、その延在する方向に垂直な断面が凹円弧状となっている。ねじ部2aは、ボールが転走する転動体転走面とされている。
ナット3は、筒状をなしており、該ナット3の内周面には、ねじ軸2のねじ部2aに対応して螺旋溝状に延びる負荷転動体転走面(不図示)が形成されている。互いに対向するねじ軸2の転動体転走面(ねじ部2a)と、ナット3の負荷転動体転走面とにより、負荷転動体転走路(不図示)が形成されており、該負荷転動体転走路をボールが転走することによって、軸回りに回転されるねじ軸2に対して、該ねじ軸2の延在方向にナット3が往復移動可能とされている。
また、特に図示しないが、ナット3には、負荷転動体転走路の両端を繋ぐ転動体戻り通路が形成されており、負荷転動体転走路及び転動体戻り通路により、無端状の無限循環路が形成されている。無限循環路には、球状のボールが複数収容されているとともに、これらボールは、該無限循環路内を無限循環可能とされている。尚、無限循環路は、ナット3内に複数形成されていてもよく、この場合、転動体戻り通路は、負荷転動体転走路全体のうち所定範囲の両端を繋ぐように複数形成される。
ボールねじ用シール体10は、環状をなし、ねじ軸2に貫かれているとともに、該ねじ軸2の延在方向に沿うナット3の端部に配設されている。図示の例では、ナット3の前記延在方向の両端部のうち少なくともいずれかの端部に、背中合わせ状態とされた一対のボールねじ用シール体10A、10Bが隣接して配設されている。本実施形態のボールねじ用シール体10A、10Bは、互いに同一部材となっている。
図2において、具体的に、これらボールねじ用シール体10A、10Bは、互いの後述するリップ部12の傾斜面17同士を対向配置しているとともに、垂直面16同士を背向配置している。これらボールねじ用シール体10A、10Bのうち、ナット3側に位置するボールねじ用シール体10Bは、ナット3の内部から外部へ潤滑用のグリス(潤滑剤)が漏出することを主として防止するもの(潤滑剤保持用)であり、ナット3とは反対側に位置するボールねじ用シール体10Aは、ナット3の外部から内部へ塵埃等の異物が進入することを主として防止するもの(異物除去用)となっている。
これらボールねじ用シール体10A、10Bは、各リップ部12の変形方向(後述する中心軸C方向への変形の向き)が、互いに異なって設定されている。
図1及び図2において、符号4、5で示されるものは、ナット3とボールねじ用シール体10との間に配設される潤滑装置カラーと、潤滑装置である。特に図示しないが、潤滑装置5は、油の貯蔵部と、油をねじ部2aに塗布する塗布部と、油の流量を調整する調整部と、を備えており、毛細管作用によって、ねじ部2a(転動体転走面)及び前記負荷転動体転走面と、前記ボールとの間に所定量の油膜を形成するように構成されている。また、潤滑装置カラー4は、潤滑装置5をナット3に取り付けるものである。
また、符号6で示されるものは、シールキャップであり、符号7で示されるものは、シールキャップ6とボールねじ用シール体10との間に配設されるスクレーパである。スクレーパ7は、円環板状をなしており、該スクレーパ7の内周面のうち、周方向の所定範囲は、前記所定範囲以外の他の部位よりも径方向内側に入り込むように突出して形成されている。具体的に、スクレーパ7の正面視(平面視)において、該スクレーパ7の内周面のうち、前記所定範囲以外の他の部位は凹円弧状(C字状)に延びており、前記所定範囲は直線状(或いは前記他の部位よりも曲率半径の大きい凹曲線状)に延びて形成されている。そして、スクレーパ7の内周面における前記所定範囲が、溝状のねじ部2aの内面に摺接するとともに、異物を掻き出すように作用する。
図2に示されるように、シールキャップ6は、ボールねじ用シール体10及びスクレーパ7を覆うように配設され、潤滑装置5及び潤滑装置カラー4は、それぞれの外周面が外部に露出するように配設される。
尚、図1及び図2において、ボールねじ用シール体10A、10Bには、シール本体部11を径方向外側から覆うようにシールカラーがそれぞれ配設されている。シールカラーは、筒状をなしているとともに、その軸方向を向く端面が、後述する固定部15(或いは他方側部分11bでもよい)に当接されている。
図3(a)(b)に示されるように、ボールねじ用シール体10は、ねじ軸2を囲む環状をなし、弾性変形可能なシール本体部11を有しており、このシール本体部11には、該シール本体部11の中心軸Cに直交する径方向の内側の端部に形成されたリップ部12と、外力に対する変形量(外力を受けたときに変形する量)がリップ部12とは異なる調整部13と、リップ部12を前記径方向の内側に向けて付勢する付勢部材14と、シール本体部11におけるリップ部12の前記径方向の外側に配設され、該リップ部12より剛性が高い固定部15と、が備えられている。
尚、シール本体部11の中心軸Cは、ねじ軸2の中心軸と同軸であり、本実施形態においては、シール本体部11の中心軸C方向に直交する方向を径方向といい、中心軸C回りに周回する方向を周方向という。
リップ部12は、シール本体部11に一体に形成されているとともに、弾性変形可能とされている。図3(a)に示されるように、リップ部12は、シール本体部11の内周縁部をなすように環状に形成されている。具体的に、図3(a)に示される平面視で、リップ部12のうち周方向の所定範囲(図3(a)における右上部分)は、凹円弧状をなす他の部位(前記所定範囲以外の部位)よりも径方向内側に入り込むように突出して形成されているとともに、その内周端縁が直線状(或いは前記他の部位よりも曲率半径の大きい凹曲線状)に延びている。
リップ部12においては、前記所定範囲の部分がねじ軸2のねじ部2aに摺接され、該所定範囲以外の他の部位がねじ軸2の外周面(ねじ部2a以外の部位)に摺接されて、該リップ部12の内周全体が、ねじ軸2の外周面及びそのねじ部2a(以下、外周面と省略)に摺接するようになっている。
尚、リップ部12における前記所定範囲の周方向位置は、本実施形態のように、同一部材からなるボールねじ用シール体10A、10B同士が背中合わせに隣接配置された場合に、これらボールねじ用シール体10A、10Bのそれぞれの前記所定範囲が、ねじ軸2のねじ部2aに周方向に沿って連続的に摺接するように設定されている(図1参照)。
図3(b)及び図4(a)に示されるように、シール本体部11の中心軸Cを含む縦断面視において、リップ部12は、中心軸C方向の一方側(図3(b)における下側、図4(a)においては右側)を向き、該中心軸Cに対して垂直となるように延びる垂直面16と、中心軸C方向の他方側(図3(b)における上側、図4(a)においては左側)を向き、径方向の内側へ向かうに従い漸次前記一方側へ向かって延びる傾斜面17と、を備えている。この縦断面視で、リップ部12は、三角形状をなしており、該リップ部12において垂直面16と傾斜面17とが交差する径方向内側の端部(交差部)19は、凸曲線状(R形状)に形成されている。
また、図3(b)及び図4(a)に示される縦断面視で、シール本体部11におけるリップ部12以外の部位(以下、基幹部と省略)は、概略U字状をなしており、該基幹部における中心軸C方向の中央部には、径方向外側に開口されているとともに径方向内側に向けて窪む溝部18が形成されている。尚、図示の例では、シール本体部11のうち径方向の内側部分がリップ部12とされ、径方向の外側部分が基幹部となっている。溝部18は、シール本体部11の外周面に開口され、周方向に沿って延びる環状をなしている。図4(a)において、溝部18の中心軸C方向に沿う位置は、リップ部12の交差部19の中心軸C方向に沿う位置よりも、中心軸C方向の他方側に配置されている。
また、シール本体部11の基幹部において、中心軸C方向に沿う溝部18の一方側に位置する部分(一方側部分)11aの外径は、溝部18の他方側に位置する部分(他方側部分)11bの外径より小さくなっている。基幹部の他方側部分11bにおいて中心軸C方向の他方側を向く端面には、中心軸C方向の一方側に窪まされるとともに周方向に沿って延びる環状をなし、シール本体部11の外周面に開口する凹部20が形成されており、該凹部20には、固定部15が配設されている。シール本体部11における基幹部の他方側部分11b及び固定部15は、ナット3とシールキャップ6との間に狭持されるように配設される。尚、本実施形態では、シール本体部11は、前記シールカラーを用いることにより、シールキャップ6内に固定されている(図2を参照)。
また、図4(a)において、リップ部12の垂直面16は、基幹部の一方側部分11aにおいて中心軸C方向の一方側を向く端面より後退して形成されており、リップ部12の傾斜面17は、基幹部の他方側部分11bにおいて中心軸C方向の他方側を向く端面より後退して形成されている。すなわち、リップ部12における中心軸C方向に沿う厚さは、基幹部における前記厚さより小さくされていて、これにより、リップ部12は基幹部より弾性変形しやすくされているとともに、該基幹部の剛性が確保されている。
付勢部材14は、環状をなす金属ばね等の弾性部材からなり、溝部18内に配設されている。付勢部材14は、溝部18の底面(径方向外側を向く奥面)に当接しているとともに該底面を径方向内側に向けて付勢しており、これにより、溝部18に一体とされたリップ部12が、径方向内側に向けて付勢されている。また、付勢部材14の中心軸C方向に沿う位置は、リップ部12の交差部19の中心軸C方向に沿う位置よりも、中心軸C方向の他方側に配置されている。
固定部15は、環状をなす金属板等の剛体からなり、接着や溶着等によりシール本体部11の基幹部に固定されている。固定部15の中心軸C方向に沿う位置は、リップ部12の交差部19の中心軸C方向に沿う位置よりも、中心軸C方向の他方側(つまり傾斜面17側)に配置されている。具体的に、固定部15は、基幹部の他方側部分11bにおける中心軸C方向の他方側の端部に配置されている。また、図4(a)に示される縦断面視で、固定部15は、リップ部12の傾斜面17の径方向外側へ向けた延長線上に配設されている。
また、図3(a)に示されるように、シール本体部11の基幹部における他方側部分11bの外周縁部、及び、固定部15の外周縁部には、中心軸C方向に貫通するとともに径方向外側に向けて開口された取付ねじ挿通穴21が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。取付ねじ挿通穴21には、シールキャップ6、スクレーパ7、ボールねじ用シール体10A、10Bを潤滑装置5に螺着するための取付ねじが挿通される(図1を参照)。尚、潤滑装置5は、潤滑装置カラー4によりナット3に装着される。
そして、図4(a)に示されるように、調整部13は、シール本体部11におけるリップ部12の垂直面16の径方向外側に配置されている。具体的に、調整部13は、シール本体部11の基幹部とリップ部12との連結部分に形成されている。
本実施形態の調整部13は、シール本体部11に形成された中空溝状のスリット部を備えている。具体的に、調整部13のスリット部は、中心軸C方向の一方側に開口され、他方側に向けて窪まされているとともに、周方向に沿って延びる環状溝とされている。
尚、スリット部は、前記環状溝とされる代わりに、例えば円弧状溝とされて、シール本体部11に周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。また、スリット部の内面において径方向に対向する溝壁同士が、例えば周方向に間隔をあけて部分的に連結されていたり、一方の溝壁から他方の溝壁に向けて突出する突起が形成されていたりしてもよい。
図4(a)において、シール本体部11の基幹部とリップ部12とは、該シール本体部11における調整部13の他方側部分で互いに連結されている。調整部13のスリット部の溝深さ(中心軸C方向に沿う長さ)は、シール本体部11の基幹部における中心軸C方向に沿う厚さの半分程度となっており、またリップ部12における前記厚さの半分以上となっている。このように、スリット部の溝深さが所定以上に確保されることにより、該スリット部の底面(中心軸C方向の一方側を向く奥面)からリップ部12の傾斜面17の上端部(径方向外側の端部)までの距離が小さく設定されていて、後述する調整部13及びリップ部12の変形が顕著となるようにされている一方、該スリット部は、傾斜面17の前記上端部の径方向外側に対応する位置までは形成されておらず、これにより基幹部とリップ部12との連結部分における剛性等(弾性変形後の復元変形力も含まれる)が確保されている。尚、図示の例では、スリット部の底面の中心軸C方向に沿う位置は、溝部18及び付勢部材14の中心軸C方向に沿う位置と略同等となっている。
また、図4(a)に示される縦断面視で、調整部13のスリット部の底面は、凹曲線状となっており、これにより該底面を起点とする破損等(弾性変形に伴うものなど)が防止されている。
また、スリット部の溝幅(径方向に沿う長さ)は、該スリット部の内面において径方向に向かい合う溝壁同士が、後述する外力Fを受けて変形する際に互いに当接可能な程度とされている(図4(b)を参照)。
また、図3(a)に示される平面視において、リップ部12の内周端縁(交差部19)と調整部13との間の距離(径方向に沿う距離)は、周方向全体に均等とされている。すなわち、この平面視で、リップ部12の交差部19と調整部13とは、互いに相似形状をなしている。具体的に、図3(a)の平面視で、調整部13のスリット部は、リップ部12の交差部19の形状に対応して環状をなしているとともに、該スリット部においてリップ部12の前記所定範囲に対応する部位については、該所定範囲に対応する部位以外の他の部位より径方向内側に配置されて直線状(或いはスリット部の凹円弧状をなす前記他の部位より曲率半径の大きい凹曲線状)に延びている。
次に、本実施形態で説明したボールねじ用シール体10の変形(ねじ軸2から外力を受けた際の変形)について説明する。
図4(b)に示されるように、ボールねじ用シール体10のリップ部12の交差部19に対して、径方向外側(図4(b)における上側)へ向かう分力と中心軸C方向の一方側(図4(b)における右側)へ向かう分力とが合成された外力Fが加えられた場合、リップ部12は、その交差部19が中心軸C方向の一方側へ向けて変位させられるように曲げられる。尚、このような外力Fは、例えばねじ軸2のねじ部2aにおいて中心軸C方向の一方側を向く内面部分に、リップ部12が当接する場合に生じる。
具体的には、外力Fを受けたシール本体部11において、調整部13(スリット部)の変形量が、リップ部12の弾性変形による変形量よりも大きくなっているために、リップ部12は、基幹部に対して、該基幹部との連結部分(調整部13の他方側部分)を中心として中心軸C方向の一方側に向けて回動(傾倒)させられるように曲がる。
尚、図示の例では、調整部13において径方向に向かい合うスリット部の溝壁同士が、該調整部13の変形により互いに当接させられているとともに、それ以上の変形が抑制されている。
また、図5(a)に示されるように、ボールねじ用シール体10のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2のねじ部2aにおいて中心軸C方向の他方側(図5(a)における左側)を向く内面部分が当接している状態から、図5(b)に示されるように、径方向外側(図5(b)における上側)へ向かう分力と中心軸C方向の他方側(図5(b)における左側)へ向かう分力とが合成された外力Fが加えられた場合においても、前述と同様の作用により、リップ部12は、その交差部19が中心軸C方向の一方側(図5(b)における右側)へ向けて変位させられるように曲げられる。
また、図6(a)に示されるように、ボールねじ用シール体10のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2の外周面又はねじ部2aにおいて径方向外側(図6(a)における上側)を向く内面部分が当接している状態から、図6(b)に示されるように、径方向外側(図6(b)における上側)へ向かう外力Fが加えられた場合においても、前述と同様の作用により、リップ部12は、その交差部19が中心軸C方向の一方側(図6(b)における右側)へ向けて変位させられるように曲げられる。
以上説明したように、本実施形態のボールねじ用シール体10及びこれを用いたボールねじ1によれば、シール本体部11のリップ部12において中心軸C方向を向く両面のうち、一方側を向く面が垂直面16となっているので、該リップ部12がボールねじ1のねじ軸2に径方向から接触する際、該垂直面16部分によってリップ部12の剛性が確保されるとともに、ねじ軸2の外周面に対する該リップ部12の面圧が確保される。
従って、ねじ軸2の外周面に対するリップ部12の締め代(具体的には、ねじ軸2の外周面やねじ部2a部分の外径に対して、リップ部12の内径を小さくする割合やその量)を小さく抑えることができ、材料費が削減される。また、垂直面16が形成されていることによって、締め代を精度よく安定して設定できるとともに、所望の面圧を安定して確保できる。
また、シール本体部11のリップ部12において中心軸C方向を向く両面のうち、他方側を向く面が傾斜面17となっているので、該リップ部12がボールねじ1のねじ軸2に径方向から接触する際、リップ部12における径方向内側の端部が、中心軸C方向の一方側(リップ部12における垂直面16側)に向かって曲げられやすくなる。すなわち、リップ部12において、傾斜面17と垂直面16とが交差する径方向内側の端部(交差部19)は、該リップ部12における中心軸C方向に沿う一方側部分に配置されることから、ねじ軸2から受ける外力Fによって、リップ部12は一方側に曲げられやすい。
そして、シール本体部11の調整部13が、リップ部12の垂直面16の径方向外側に配置されているので、下記の顕著な効果を奏する。
すなわち、本実施形態のように、リップ部12の変形量に対して、調整部13の変形量を大きく設定することで、外力Fを受けてリップ部12が一方側に向けて傾倒しやすくなるから、前述の一方側へ向けて曲げやすくする効果が顕著となる。また、このように調整部13が変形させられやすくなっていることで、リップ部12の面圧が周方向全体にバランスして、ねじ軸2に対して、該リップ部12全体を所定(一定)の圧力で接触させられる。従って、本実施形態のような接触式のシール構造であっても、リップ部12の面圧が周方向にばらついて部分的に高くなるようなことが防止されるとともに、発熱やトルク増大が抑えられる。
このように、本実施形態のボールねじ用シール体10及びこれを用いたボールねじ1によれば、リップ部12の面圧を安定して確保することができ、かつ、リップ部12が所望の方向に曲がりやすくされている。これにより、ねじ軸2の外周面とボールねじ用シール体10との間を通して、ナット3の外部から内部へ異物が進入したり、ナット3の内部から外部へグリスが漏出したりすることを防止でき、よって異物除去性や潤滑剤保持性が向上するのである。
また、リップ部12を径方向内側に向けて付勢する付勢部材14が設けられているので、該付勢部材14によってリップ部12の面圧を確保しやすくなり、またリップ部12を曲げやすい。よって、前述の効果がより顕著に得られる。
また、シール本体部11におけるリップ部12の径方向外側に、該リップ部12より剛性の高い固定部15が配設されているので、該固定部15によって、シール本体部11におけるリップ部12の径方向外側部分の剛性が確保されているとともに、ねじ軸2からの外力Fによって、シール本体部11のうちリップ部12がより弾性変形しやすくなる。
そして、固定部15が、リップ部12の垂直面16と傾斜面17との交差部19に対して、傾斜面17側に配置されているので、リップ部12がねじ軸2から外力Fを受けた際、固定部15によって剛性が確保された傾斜面17側とは反対の垂直面16側へ向けて(中心軸C方向の一方側へ向けて)、リップ部12が曲げられやすい。
また、本実施形態の調整部13は、シール本体部11に形成されたスリット部を備えているので、該調整部13として特別な材料を用意する必要はなく、シール本体部11の作製が容易である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るボールねじ用シール体(シール体)30について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態のボールねじ用シール体30は、主に下記の点で、前述したボールねじ用シール体10とは異なっている。
図7(a)(b)〜図9(a)(b)に示されるように、このボールねじ用シール体30では、シール本体部11の調整部13をスリット部のみで形成する代わりに、該スリット部に、リップ部12とは変形量の異なる弾性材料を充填することにより、調整部13を形成している。
つまり、本実施形態の調整部13は、リップ部12とはヤング率の異なる材料で形成されている。
具体的に、本実施形態の調整部13は、リップ部12より弾性変形しやすい材料で形成されている。そして、リップ部12の交差部19が外力Fを受けたときに、前述の実施形態同様に、リップ部12は、基幹部との連結部分を中心として、中心軸C方向の一方側に向けて回動させられるように曲がる。
尚、図7(a)(b)は、ボールねじ用シール体30のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2のねじ部2aにおいて中心軸C方向の一方側(図7(a)における右側)を向く内面部分が当接している状態から、径方向外側(図7(b)における上側)へ向かう分力と中心軸C方向の一方側(図7(b)における右側)へ向かう分力とが合成された外力Fが加えられた場合に、リップ部12が、その交差部19を中心軸C方向の一方側へ向けて変位させるように曲げられる状態を表している。
また、図8(a)(b)は、ボールねじ用シール体30のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2のねじ部2aにおいて中心軸C方向の他方側(図8(a)における左側)を向く内面部分が当接している状態から、径方向外側(図8(b)における上側)へ向かう分力と中心軸C方向の他方側(図8(b)における左側)へ向かう分力とが合成された外力Fが加えられた場合に、リップ部12が、その交差部19を中心軸C方向の一方側(図8(b)における右側)へ向けて変位させるように曲げられる状態を表している。
また、図9(a)(b)は、ボールねじ用シール体30のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2の外周面又はねじ部2aにおいて径方向外側(図9(a)における上側)を向く内面部分が当接している状態から、径方向外側(図9(b)における上側)へ向かう外力Fが加えられた場合に、リップ部12が、その交差部19を中心軸C方向の一方側(図9(b)における右側)へ向けて変位させるように曲げられる状態を表している。
本実施形態では、図7(b)〜図9(b)に示される縦断面視において、変形したリップ部12の垂直面16が凹曲線状をなしているとともに、傾斜面17が凸曲線状をなしている。すなわち、本実施形態においては、前述の実施形態に比べて、調整部13の変形量が少なくされている一方、リップ部12の変形量が大きくなっていて、該リップ部12における垂直面16及び傾斜面17の形状変化が顕著となっている。
本実施形態によれば、前述の実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
また、本実施形態の構成によれば、調整部13に用いる材料によって、該調整部13を所望の変形量に精度よく形成しやすい。よって、前述した効果がより安定して得られやすい。
さらに、本実施形態においては、下記のような構成とすることもできる。
すなわち、例えば、シール本体部11のリップ部12の変形量(外力Fを受けて変形する量)に対して、調整部13の変形量を小さく設定(調整部13を、リップ部12より弾性変形しにくい材料で形成)することが可能である。この場合、前述したリップ部12の面圧の確保が容易となる。
このように、本実施形態によれば、調整部13を構成する材料によって、リップ部12を所望の方向へ曲げやすくしたり、面圧を高めたりすることが容易である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るボールねじ用シール体(シール体)40について、図面を参照して説明する。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態のボールねじ用シール体40は、主に下記の点で、前述したボールねじ用シール体10とは異なっている。
図10(a)(b)〜図12(a)(b)に示されるように、このボールねじ用シール体40では、調整部13をスリット部で形成する代わりに、該スリット部に対応する部位に、周りが壁面で囲まれた中空の室からなる空洞部を形成している。具体的に、この空洞部は、径方向(図10(a)における上下方向)に対向する平面状の一対の壁面と、中心軸C方向に対向する凹曲面状の一対の壁面とに囲まれるように形成されているとともに、周方向に延びる環状をなしている。
また、シール本体部11における調整部13(空洞部)の中心軸C方向の一方側(図10(a)における右側)部分を薄肉に形成するとともに、該一方側部分において基幹部とリップ部12とが連結されている。すなわち、本実施形態のシール本体部11は、調整部13の他方側(図10(a)における左側)部分のみならず、前記一方側部分においても基幹部とリップ部12とを連結することで、調整部13の所定以上の変形を抑制するように構成されている。
尚、調整部13における空洞部の一方側部分(薄肉部分)には、該薄肉部分を中心軸C方向に貫通する貫通孔又はスリットが、周方向に間隔をあけて複数形成されていてもよい。
本実施形態における調整部13の変形量は、リップ部12の変形量より大きくなっており、リップ部12の交差部19が外力Fを受けたときに、前述の実施形態と同様に、リップ部12は、基幹部との連結部分(調整部13の他方側部分)を中心として中心軸C方向の一方側に向けて回動させられるように曲がる。この際、調整部13の前記薄肉部分は、調整部13の空洞部の他方側部分よりも大きい変形量で弾性変形させられる。
尚、図10(a)(b)は、ボールねじ用シール体40のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2のねじ部2aにおいて中心軸C方向の一方側(図10(a)における右側)を向く内面部分が当接している状態から、径方向外側(図10(b)における上側)へ向かう分力と中心軸C方向の一方側(図10(b)における右側)へ向かう分力とが合成された外力Fが加えられた場合に、リップ部12が、その交差部19を中心軸C方向の一方側へ向けて変位させるように曲げられる状態を表している。
また、図11(a)(b)は、ボールねじ用シール体40のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2のねじ部2aにおいて中心軸C方向の他方側(図11(a)における左側)を向く内面部分が当接している状態から、径方向外側(図11(b)における上側)へ向かう分力と中心軸C方向の他方側(図11(b)における左側)へ向かう分力とが合成された外力Fが加えられた場合に、リップ部12が、その交差部19を中心軸C方向の一方側(図11(b)における右側)へ向けて変位させるように曲げられる状態を表している。
また、図12(a)(b)は、ボールねじ用シール体40のリップ部12の交差部19に対して、ねじ軸2の外周面又はねじ部2aにおいて径方向外側(図12(a)における上側)を向く内面部分が当接している状態から、径方向外側(図12(b)における上側)へ向かう外力Fが加えられた場合に、リップ部12が、その交差部19を中心軸C方向の一方側(図12(b)における右側)へ向けて変位させるように曲げられる状態を表している。
本実施形態では、図10(b)〜図12(b)に示される縦断面視で、調整部13において空洞部の一方側に位置する薄肉部分が湾曲するように曲げられているとともに、該空洞部の内面において径方向に対向する壁面同士が互いに接近させられることにより、調整部13が変形している。また、本実施形態においても、リップ部12の垂直面16が凹曲線状をなすように曲げられているとともに、傾斜面17が凸曲線状をなすように曲げられている。
本実施形態においても、前述の実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
尚、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、運動装置としてボールねじ1、シール体としてボールねじ用シール体10、30、40を用いたが、これらに限定されるものではない。すなわち、運動装置としてボールねじ1の代わりに、軸状の雄ねじ部材(軸体)と、筒状の雌ねじ部材(移動体)とが、ボールを介さずに単純に螺合されたものを用い、該雄ねじ部材の外周面をシールするように、雌ねじ部材にシール体を取り付けても構わない。
また、前述の実施形態では、ねじ軸2の延在方向に沿うナット3の端部に、異物除去用のボールねじ用シール体10Aと潤滑剤保持用のボールねじ用シール体10Bとが背中合わせに一対配設されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ボールねじ用シール体10A、10Bの対が、ナット3の両端部にそれぞれ配設されていてもよく、また、これらボールねじ用シール体10A、10Bの少なくともいずれかが設けられていなくてもよく、或いは、複数設けられていてもよい。つまり、シール体の取り付け位置や数量は、限定されない。
また、ボールねじ用シール体10A、10Bが、背中合わせに配設される代わりに、例えば互いの垂直面16同士が中心軸C方向の同一方向を向くように配設され、ともに異物除去用として、又は潤滑剤保持用として用いられてもよい。尚、この場合、ボールねじ用シール体10A、10Bを隣接配置する場合には、これらボールねじ用シール体10A、10Bのリップ部12の前記所定範囲が、互いに周方向にずらされて連続的にねじ部2aに摺接するように配置されることが好ましいから、これらボールねじ用シール体10A、10Bを互いに異なる部材で形成すべきである。ただし、これらボールねじ用シール体10A、10B同士の中心軸C方向の配置間隔を、ねじ部2aのピッチに同期(対応)させるように設定することで、互いに同一部材を用いることも可能である。
また、固定部15が環状をなしているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、固定部15が、ねじ軸2のねじ部2aの位置に対応して、円弧状又はC字状など周方向に部分的に形成されていても構わない。また、固定部15の径方向に沿う幅が、ねじ部2aの位置に対応して、周方向に部分的に幅広又は幅狭に形成されていてもよい。
その他、本発明の前述の実施形態及び変形例(前記尚書き等)で説明した構成要素を、適宜組み合わせても構わない。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述の構成要素を周知の構成要素に置き換えることも可能である。
1…ボールねじ(運動装置)、 2…ねじ軸(軸体)、 2a…ねじ部、 3…ナット(移動体)、 10、30、40…ボールねじ用シール体(シール体)、 11…シール本体部、 12…リップ部、 13…調整部、 14…付勢部材、 15…固定部、 16…垂直面、 17…傾斜面、 19…リップ部の径方向内側の端部(垂直面と傾斜面との交差部)、 C…シール本体部の中心軸(中心軸方向)、 F…外力。

Claims (6)

  1. 外周面にねじ部が形成された軸体に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体に取り付けられて、前記軸体の外周面をシールするシール体であって、
    前記軸体を囲む環状をなし、弾性変形可能なシール本体部に、
    前記シール本体部の中心軸に直交する径方向の内側の端部に形成されたリップ部と、
    外力に対する変形量が前記リップ部とは異なる調整部と、が備えられ、
    前記中心軸を含む縦断面視で、前記リップ部は、
    前記中心軸方向の一方側を向き、該中心軸に対して垂直となるように延びる垂直面と、
    前記中心軸方向の他方側を向き、前記径方向の内側へ向かうに従い漸次前記一方側へ向かって延びる傾斜面と、を備え、
    前記調整部は、前記垂直面の前記径方向の外側に配置され
    前記リップ部を前記径方向の内側に向けて付勢する付勢部材が設けられることを特徴とするシール体。
  2. 請求項1に記載のシール体であって、
    前記シール本体部には、前記リップ部の前記径方向の外側に、該リップ部より剛性が高い固定部が配設され、
    前記固定部は、前記リップ部の垂直面と傾斜面との交差部に対して、傾斜面側に配置されていることを特徴とするシール体。
  3. 外周面にねじ部が形成された軸体に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体に取り付けられて、前記軸体の外周面をシールするシール体であって、
    前記軸体を囲む環状をなし、弾性変形可能なシール本体部に、
    前記シール本体部の中心軸に直交する径方向の内側の端部に形成されたリップ部と、
    外力に対する変形量が前記リップ部とは異なる調整部と、が備えられ、
    前記中心軸を含む縦断面視で、前記リップ部は、
    前記中心軸方向の一方側を向き、該中心軸に対して垂直となるように延びる垂直面と、
    前記中心軸方向の他方側を向き、前記径方向の内側へ向かうに従い漸次前記一方側へ向かって延びる傾斜面と、を備え、
    前記調整部は、前記垂直面の前記径方向の外側に配置され、
    前記シール本体部には、前記リップ部の前記径方向の外側に、該リップ部より剛性が高い固定部が配設され、
    前記固定部は、前記リップ部の垂直面と傾斜面との交差部に対して、傾斜面側に配置されていることを特徴とするシール体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール体であって、
    前記調整部は、前記シール本体部に形成されたスリット部及び空洞部の少なくともいずれかを備えることを特徴とするシール体。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール体であって、
    前記調整部は、前記リップ部とはヤング率の異なる材料で形成されていることを特徴とするシール体。
  6. 軸体と、
    前記軸体の外周面に形成されたねじ部に螺合するとともに、該軸体との相対回転により、該軸体の延在方向に移動可能な移動体と、
    前記移動体に取り付けられて、前記軸体の外周面をシールするシール体と、を備えた運動装置であって、
    前記シール体として、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシール体を用いたことを特徴とする運動装置。
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