JP5781318B2 - 旋回軸受のシール構造 - Google Patents

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この発明は、風力発電装置や各種機械等の旋回部に用いられる旋回軸受のシール構造に関する。
従来の一般的な旋回軸受は、例えば図6に示すように、軌道輪である内輪1および外輪2と、これら内外輪1,2間に介在する複数の転動体3と、各転動体3を円周方向に等間隔に保持する保持器4と、内外輪1,2間の軸受内部空間5に封入されたグリースの漏れを防ぐためのシール部材22とを有する。シール部材22は弾性材料からなり、内外輪1,2のいずれか一方の軌道輪の周面における軸方向の端部に形成された凹形状のシール取付溝20に基部22aを嵌め込んで固定され、この基部22aから他方の軌道輪に向けて延びるシールリップ部22bの先端が他方の軌道輪の側面に、締め代を持った状態、すなわち押し当てられて若干弾性変形した状態で接触している。図6(B)の拡大図に示す軸受内部空間5の下側のシール構造の場合、基部22aを嵌め込むのが外輪2であり、シールリップ部22bを接触させるのが内輪1である。
上記従来のシール構造では、グリースを追加給脂するとき等に、軸受内部空間5の圧力上昇によってシール部材22のシールリップ部22bが軸方向外側に開き、中のグリースが漏れ出すことがあった。この対策として、下記の先行技術がある。特許文献1は、軸受内部空間から漏れたグリースを掻き落として、グリース受けに保持するようにした技術である。また、特許文献2は、軸受内部空間の圧力が上昇すると、シールリップ部の締め代が増加してグリース漏れを抑えるようにした技術である。
特開平7−208484号公報 特許第4179432号公報 実開昭63−115629号公報
特許文献1の技術は、漏れ出したグリースの処理であって、グリース漏れ自体を防ぐものではない。特許文献2の技術は、シール部材の取付部(基部)が、内外輪のいずれか一方の軌道輪に設けた円環状の凹溝(シール取付溝)にしっかりと固定されているうえに、本体部の剛性が高いため、シール部材全体が変形することはほとんど無いと考えられる。しかし、リップ部(シールリップ部)は、他方の軌道輪の側面に接触しているだけにすぎないので、軸受内部空間の圧力が高くなると、リップ部の締め代が増加する工夫がされていても、リップ部全体が軸方向外側へ押し出されるため、グリースの漏れ出しを完全に防ぐことはできないと考えられる。この点については、特許文献2の先行技術である特許文献3と大差無いと推定できる。
この発明の目的は、軸受内部空間に封入されたグリースの漏れ出しを効果的に防ぐことができる旋回軸受のシール構造を提供することである。
この発明の旋回軸受のシール構造は、軌道輪である内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、内外輪における軸受内部空間の軸方向の両端をそれぞれ封止する一対の弾性体製のシール部材を備えたシール構造において、前記シール部材は、前記内外輪のいずれか一方の軌道輪に基部が固定され、この基部から他方の軌道輪に向けて延び、通常時は、その先端のシールリップ部が、前記他方の軌道輪における軸方向と交差する面からなる第1の被接触面のみに接触し、前記他方の軌道輪に、前記第1の被接触面における前記一方の軌道輪と反対側端から軸方向外側へ延びる周面からなる第2の被接触面を設け、前記軸受内部空間の圧力が高まると、前記シールリップ部が軸方向外側へ撓んだ状態で同シールリップ部を前記第2の被接触面のみに接触させるようにしたことを特徴とする。
この構成によると、通常時は、シール部材のシールリップ部が他方の軌道輪の第1の被接触面に接触しているが、軸受内部空間の圧力が高まると、シールリップ部が軸方向外側へ撓んで他方の軌道輪の第2の被接触面に接触する。このため、軸受内部空間の圧力変化に関係無く、常に軸受内部空間が密封された状態に保たれ、軸受内部空間に封入されたグリースの漏れ出しが防がれる。
この発明において、前記シール部材のシールリップ部は、他方の軌道輪に向けて径方向に延びる径方向部分と、この径方向部分の先端部から前記第1の被接触面に向かって軸方向に延びる軸方向部分とを有し、この軸方向部分の先端が前記第1の被接触面に接触するのが良い。
シールリップ部を上記形状とすると、軸受内部空間の圧力が高まってシールリップ部が軸方向外側へ撓むとき、シールリップ部の軸方向部分は他方の軌道輪の側へ移動し、この軸方向部分が前記第2の被接触面に良好に接触する。
この発明において、前記他方の軌道輪の前記一方の軌道輪と対向する周面に、前記シール部材のシールリップ部が嵌り込む環状のシールリップ溝を設け、このシールリップ溝の軸方向内側の壁面を前記第1の被接触面とし、かつ底面を前記第2の被接触面としても良い。
この構成の場合、シールリップ溝の軸方向外側の壁面によりシールリップ部の軸方向の動きが拘束される。そのため、軸受内部空間の圧力が極度に高まった場合でも、シールリップ部が外側に押し出されず、軸受内部空間内のグリースが一気に漏れ出すのを防げる。
この発明において、前記シール部材に前記軸受内部空間からの圧力が作用しない状態で、前記シールリップ部と前記第2の被接触面との最短の径方向距離を0.3mmないし0.6mmの範囲内とするのが望ましい。
シールリップ部と第2の被接触面との最短の径方向距離、すなわちラジアルすきまが大きすぎると、シールリップ部が第1の被接触面に接触する状態から第2の被接触面に接触する状態に切り換わる過程で、シールリップ部が第1の被接触面および第2の被接触面のどちらとも接触しない状態が生じてしまう。そのため、ラジアルすきまは、限りなく零に近いのが理想である。しかし、実際には製造誤差等があるため、ラジアルすきまを小さくしすぎると、シールリップ部が第1の被接触面および第2の被接触面の両方に同時に接触することが起こりうる。この場合、シール摺動トルクの増大や過大発熱の要因となってしまう。そこで、シール部材のシールリップ部や、他方の軌道輪の第1の被接触面および第2の被接触面の製造誤差を考慮して、ラジアルすきまを上記値に設定した。
この発明において、前記一方の軌道輪の側面にシール取付凹部を設け、このシール取付凹部に前記シール部材の基部を嵌め込んで固定しても良い。
この構成の場合、一方の軌道輪の周面にシール取付凹部を設ける場合に比べて、一方の軌道輪の軸方向長さを短くできる。
この発明において、前記シール部材の前記軸受内部空間を向く面に、グリース溜りとなる凹み部を設けても良い。
この構成の場合、軸受内部空間からグリースが漏れ出しても、その漏れ出したグリースをシール部材の凹み部にある程度保持することができる。そのため、仮にグリースがシール部材の外側へ漏れ出したとしても、大半のグリースは凹み部に保持されているので、グリースが完全に失われることを防げる。
この発明において、前記軸受内部空間の軸方向端の開口幅のうちの径方向寸法で1/2以上の範囲を、前記シール部材で遮蔽しても良い。
この構成の場合、軸受内部空間の端部にラビリンスが構成され、軸受内部空間からのグリースの漏れ出しを抑制することができる。
この発明において、前記シール部材における前記シールリップ部よりも前記基部側の箇所に、周辺箇所よりも肉厚の薄い薄肉部を設けても良い。
薄肉部が設けられていると、軸受内部空間からの大きな圧力がシール部材に作用した場合、薄肉部を基点にしてシールリップ部を含むシール部材の部分が変形し、前記圧力を逃がす。そのため、シール部材の基部が一方の軌道輪から外れることを防げる。
この発明において、前記シール部材に、前記他方の軌道輪における前記第1の被接触側面よりも軸方向外側の箇所に接触して、前記軸受内部空間への異物の侵入を防ぐダストリップ部を設けても良い。
この構成の場合、軸受外部から軸受内部空間へのゴミ等の異物の侵入を防ぐことができると共に、さらなるグリース漏れ防止効果が期待できる。
この発明の旋回軸受のシール構造は、軌道輪である内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、内外輪における軸受内部空間の軸方向の両端をそれぞれ封止する一対の弾性体製のシール部材を備えたシール構造において、前記シール部材は、前記内外輪のいずれか一方の軌道輪に基部が固定され、この基部から他方の軌道輪に向けて延び、通常時は、その先端のシールリップ部が、前記他方の軌道輪における軸方向と交差する面からなる第1の被接触面のみに接触し、前記他方の軌道輪に、前記第1の被接触面における前記一方の軌道輪と反対側端から軸方向外側へ延びる周面からなる第2の被接触面を設け、前記軸受内部空間の圧力が高まると、前記シールリップ部が軸方向外側へ撓んだ状態で同シールリップ部を前記第2の被接触面のみに接触させるようにしたため、軸受内部空間に封入されたグリースの漏れ出しを効果的に防ぐことができる。
(A)はこの発明の一実施形態にかかるシール構造を備えた旋回軸受の断面図、(B)はそのシール構造の拡大図である。 (A),(B)はシール構造の動作説明図である。 この発明の異なる実施形態にかかるシール構造を示す断面図である。 この発明のさらに異なる実施形態にかかるシール構造を示す断面図である。 この発明のさらに異なる実施形態にかかるシール構造を示す断面図である。 (A)は従来のシール構造を備えた旋回軸受の断面図、(B)はそのシール構造の拡大図である。
この発明の一実施形態を図1と共に説明する。この旋回軸受は、軌道輪である内輪1および外輪2と、これら内外輪1,2の各軌道溝1a,2a間に転動自在に介在する複数の転動体3と、各転動体3を円周方向に並ぶポケット4a内にそれぞれ保持する保持器4とを備える。内輪1および外輪2には、それぞれ他の部材へ連結固定するための軸方向の貫通孔1b,2bが、円周方向一定間隔おきに複数設けられている。
旋回軸受は、例えば4点接触玉軸受として構成される。その場合、内外輪1,2の各軌道溝1a,2aを構成する2つの曲面は、転動体3よりも曲率半径が大きく、曲率中心が互いに異なるゴシックアーチ状の断面円弧状とされる。各転動体3は、内輪1の軌道溝1aおよび外輪2の軌道溝2aの前記各曲面に接点で接して4点接触する。
この旋回軸受は、内輪1と外輪2間の軸受内部空間5にグリースを封入して使用される。軸受内部空間5の上下両端は、グリース漏れを防ぐシール構造とされている。図例では、内輪1の上端面は外輪2の上端面よりも高く形成され、かつ外輪2の下端面は内輪1の下端面よりも低く形成されている。そして、外輪2の上端面に環状溝からなるシール取付凹部10が形成されると共に、内輪1の外周面における上端近傍に環状のシールリップ溝11が形成され、これらシール取付凹部10とシールリップ溝11を利用してシール部材12を設けることで、上側のシール構造とされている。
同様に、内輪1の下端面に環状溝からなるシール取付凹部10が形成されると共に、外輪2の内周面における下端近傍に環状のシールリップ溝11が形成され、これらシール取付凹部10とシールリップ溝11を利用してシール部材12を設けることで、下側のシール構造とされている。
上記シールリップ溝11の形式により、その側壁部分で、内輪1および外輪2に、シール部材11のシールリップ部11cを軸方向外側から覆う覆い部1c,2cが形成されている。
図1(B)は、下側のシール構造を示す。シール部材12は、ゴム等の弾性体製であり、前記シール取付凹部10に嵌め込んで固定される基部12aと、この基部12aと一体で内輪1の下端面に接する本体部12bと、この本体部12bから外輪2に向けて延びるシールリップ部12cとで構成される。さらに、シールリップ部12cは、外輪2に向けて径方向に延びる径方向部分12caと、この径方向部分12caの先端部から上向き湾曲にして軸方向に延びる軸方向部分12cbとで構成される。
シール部材12に軸受内部空間5の圧力が作用しない状態で、シールリップ部12cの軸方向部分12cbの先端は、前記シールリップ溝11の軸方向内側(下側のシール構造の場合、上側)の壁面からなる第1の被接触面11aに、締め代を持った状態で接触している。また、シールリップ部12cの軸方向部分12cbの先端は、シールリップ溝11の底面からなる第2の被接触面11bに近接している。第2の被接触面11bは、第1の被接触面11aにおける内輪1と反対側端から軸方向外側へ延びる周面である。シールリップ部11cと第2の被接触面11bとの最短の径方向距離、すなわちラジアルすきまδ(図2(A))は、0.3mmないし0.6mmの範囲内に設定してある。この根拠については、後で説明する。
シール部材12は、本体部12bからシールリップ部12cにかけて、肉厚が徐々に薄く形成されている。したがって、シールリップ部12cは、本体部12bよりも肉厚が薄い。上記肉厚の変化は、軸受内部空間5を向く側の肉を切除してなされたものであり、それにより、シール部材12の軸受内部空間5を向く面に、グリース溜りとなる凹み部13が形成されている。
上側のシール構造も、基本的に上記下側のシール構造と同じである。上側のシール構造の場合、請求項で言うところの一方の軌道輪が外輪2となり、他方の軌道輪が内輪1となる。上側のシール構造では、シールリップ部12cの軸方向部分12cbが、径方向部分12caの先端部から下向き湾曲にして軸方向に延びている。
上記旋回軸受のシール構造の動作を、下側のシール構造を例にとって説明する。
通常時は、図2(A)に示すように、シール部材12のシールリップ部12cが他方の軌道輪である外輪2の第1の被接触面11aに接触している。つまり、シールリップ部12cがアキシアル接触している。軸受内部空間5の圧力が高まると、図2(B)に示すように、シールリップ部12cが軸方向外側へ撓んで外輪2の第2の被接触面11bに接触する。つまり、シールリップ部12cがラジアル接触する。このように、軸受内部空間5の圧力変化に応じて、シールリップ部12cがアキシアル接触とラジアル接触とに切り換わることにより、常に軸受内部空間5が密封された状態に保たれ、軸受内部空間5に封入されたグリースの漏れ出しが防がれる。
シール部材12のシールリップ部12cは、径方向に延びる径方向部分12caと、この径方向部分12caの先端部から第1の被接触面12aに向かって軸方向に延びる軸方向部分12cbとを有し、この軸方向部分12cbの先端が第1の被接触面12aに接触する形状とされている。それにより、軸受内部空間5の圧力が高まってシールリップ部12cが軸方向外側へ撓むとき、シールリップ部12cの軸方向部分12cbは他方の軌道輪である外輪2の側へ移動し、この軸方向部分12cbが第2の被接触面11bに良好に接触する。
シール部材12に軸受内部空間5からの圧力が作用しない状態で、シールリップ部12cと第2の被接触面11bとのラジアルすきまδは0.3mmないし0.6mmの範囲内とされている。それは以下の理由による。すなわち、ラジアルすきまδが大きすぎると、シールリップ部12cがアキシアル接触からラジアル接触に切り換わる過程で、シールリップ部12cが第1の被接触面11aおよび第2の被接触面11bのどちらとも接触しない状態が生じてしまう。そのため、ラジアルすきまδは、限りなく零に近いのが理想である。しかし、実際には製造誤差等があるため、ラジアルすきまδを小さくしすぎると、シールリップ部12cが第1の被接触面11aおよび第2の被接触面11bの両方に同時に接触することが起こりうる。この場合、シール摺動トルクの増大や過大発熱の要因となってしまう。そこで、シール部材12のシールリップ部12cや、第1の被接触面11aおよび第2の被接触面11bの製造誤差を考慮して、ラジアルすきまδを上記値に設定してある。
シール部材12のシールリップ部12cはシールリップ溝11に嵌り込んでおり、シールリップ溝11の軸方向外側の壁面11c(図1)によりシールリップ部12cの軸方向の動きが拘束される。そのため、軸受内部空間5の圧力が極度に高まった場合でも、シールリップ部12cが外側に押し出されず、軸受内部空間5内のグリースが一気に漏れ出すのを防げる。
シール部材12は、その基部12aを、一方の軌道輪、例えば内輪1の側面に設けられたシール取付凹部10に嵌め込んで固定されている。この構成とすると、一方の軌道輪の周面にシール部材の基部を固定するための凹部を設ける場合に比べて、一方の軌道輪の軸方向長さを短くできる。
シール部材12の軸受内部空間5を向く面に、グリース溜りとなる凹み部13が設けられているため、軸受内部空間5からグリースが漏れ出しても、その漏れ出したグリースを凹み部13にある程度保持することができる。そのため、仮にグリースがシール部材12の外側へ漏れ出したとしても、大半のグリースは凹み部13に保持されているので、グリースが完全に失われることを防げる。
図3はこの発明の異なる実施形態を示す。このシール構造は、軸受内部空間5の軸方向端の開口幅Hのうちの径方向寸法で1/2以上の範囲を、シール部材12の本体部12bで遮蔽した構成とされている。この構成の場合、軸受内部空間5の端部にラビリンス14が構成され、軸受内部空間5からのグリースの漏れ出しを抑制することができる。
図4はこの発明のさらに異なる実施形態を示す。このシール構造は、シール部材12におけるシールリップ部12cよりも基部12a側の箇所である本体部12bの一部に、周辺箇所よりも肉厚の薄い薄肉部15が設けられている。この例では、薄肉部15は、軸方向内側にスリット状の切込み15aを入れることにより形成されている。薄肉部15が設けられていると、軸受内部空間5からの大きな圧力がシール部材12に作用した場合、薄肉部15を基点にしてシールリップ部12cを含むシール部材12の部分が変形し、前記圧力を逃がす。そのため、シール部材12の基部12aが一方の軌道輪、例えば内輪1から外れることを防げる。
図5はこの発明のさらに異なる実施形態を示す。このシール構造は、シール部材12に、シールリップ部12cとは別に、本体部12bから軸方向外側かつ他方の軌道輪、例えば外輪2の側へ延びるダストリップ12dが設けられている。このダストリップ部12dの先端は、外輪2の内周面における第1の被接触側面11aよりも軸方向外側の箇所に接触している。この構成とすることにより、軸受外部から軸受内部空間5へのゴミ等の異物の侵入を防ぐことができると共に、さらなるグリース漏れ防止効果が期待できる。
1…内輪(軌道輪)
1a…軌道溝
2…外輪(軌道輪)
2a…軌道溝
3…転動体
5…軸受内部空間
10…シール取付凹部
11…シールリップ溝
11a…第1の被接触面
11b…第2の被接触面
12…シール部材
12a…基部
12c…シーリップ部
12ca…径方向部分
12cb…軸方向部分
12d…ダストリップ部
13…凹み部
15…薄肉部

Claims (9)

  1. 軌道輪である内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が形成され、これら内外輪の軌道溝間に複数の転動体が設けられ、内外輪における軸受内部空間の軸方向の両端をそれぞれ封止する一対の弾性体製のシール部材を備えた旋回軸受のシール構造において、
    前記シール部材は、前記内外輪のいずれか一方の軌道輪に基部が固定され、この基部から他方の軌道輪に向けて延び、通常時は、その先端のシールリップ部が、前記他方の軌道輪における軸方向と交差する面からなる第1の被接触面のみに接触し、
    前記他方の軌道輪に、前記第1の被接触面における前記一方の軌道輪と反対側端から軸方向外側へ延びる周面からなる第2の被接触面を設け、前記軸受内部空間の圧力が高まると、前記シールリップ部が軸方向外側へ撓んだ状態で同シールリップ部を前記第2の被接触面のみに接触させるようにしたことを特徴とする旋回軸受のシール構造。
  2. 請求項1おいて、前記シール部材のシールリップ部は、他方の軌道輪に向けて径方向に延びる径方向部分と、この径方向部分の先端部から前記第1の被接触面に向かって軸方向に延びる軸方向部分とを有し、この軸方向部分の先端が前記第1の被接触面に接触する旋回軸受のシール構造。
  3. 請求項1または請求項2において、前記他方の軌道輪の前記一方の軌道輪と対向する周面に、前記シール部材のシールリップ部が嵌り込む環状のシールリップ溝を設け、このシールリップ溝の軸方向内側の壁面を前記第1の被接触面とし、かつ底面を前記第2の被接触面とした旋回軸受のシール構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記シール部材に前記軸受内部空間からの圧力が作用しない状態で、前記シールリップ部と前記第2の被接触面との最短の径方向距離を0.3mmないし0.6mmの範囲内とした旋回軸受のシール構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記一方の軌道輪の側面にシール取付凹部を設け、このシール取付凹部に前記シール部材の基部を嵌め込んで固定した旋回軸受のシール構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記シール部材の前記軸受内部空間を向く面に、グリース溜りとなる凹み部を設けた旋回軸受のシール構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記軸受内部空間の軸方向端の開口幅のうちの径方向寸法で1/2以上の範囲を、前記シール部材で遮蔽した旋回軸受のシール構造。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記シール部材における前記シールリップ部よりも前記基部側の箇所に、周辺箇所よりも肉厚の薄い薄肉部を設けた旋回軸受のシール構造。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記シール部材に、前記他方の軌道輪における前記第1の被接触側面よりも軸方向外側の箇所に接触して、前記軸受内部空間への異物の侵入を防ぐダストリップ部を設けた旋回軸受のシール構造。
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