JP2010090986A - 密封型転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】外輪の端部に嵌合される芯金にゴム材料からなるリップを形成したシールを備え、そのリップが内輪のシール面に摺接する密封型転がり軸受において、使用時に外輪に荷重が負荷された場合、外輪の負荷領域に対して直径方向の反対側の反負荷領域での摺接圧の低下を防止し、シール性を確保する。
【解決手段】シール20は、リップ22の中心軸が芯金21の中心軸に対して、密封型転がり軸受のラジアル残留すき間の2分の1の長さだけ偏心するように形成され、そのリップ22の中心軸が内輪1の中心軸Zに対して、外輪2への荷重の負荷方向と反対方向に偏心するように外輪2の端部に嵌合される。外輪2に荷重が負荷されると、リップ22の中心軸と内輪1の中心軸が一致し、リップ22の全周にわたって、内輪1のシール面に対する締め代が均一になる。このため、外輪2の反負荷領域でのリップ22による摺接圧が確保され、シール性の低下を防止することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、外輪の端部に嵌合されるシールを備えた密封型転がり軸受に関するものである。
ダストや水等が飛散する環境で使用される転がり軸受には、これらが軸受内部に侵入することを防止するために、外輪の端部に嵌合され、内輪のシール面に摺接するシールを備えた密封型転がり軸受が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この密封型転がり軸受は、図10に示すように、外周に軌道33を有する一対の内輪31、31と、内周に複列の軌道34、34を有する外輪32と、内外輪31、32の軌道33、34の間に保持器35により保持された複数の転動体としての円すいころ36と、内輪31および外輪32の軸方向両端部に装着され、内外輪31、32間を封止する環状のシール40とから構成される。
シール40は、外輪32の端部に嵌合される金属板製の芯金41にゴム材料からなるリップ42が形成されたものである。このリップ42は、その内縁が内輪31のシール面に摺接しており、軸受内部から潤滑剤の漏洩を防止するとともに、外部または密封型の軸受箱内に浸入した異物が軸受内部に浸入することを防止している。
特開2005−172201号公報
この密封型転がり軸受は、一般に、ラジアル内部すき間が形成されており、外輪32がハウジングやケーシング等の固定部材に組み込まれ、内輪31に軸50が嵌め合わされる内輪回転により使用されている(図11(a)参照)。
その使用において、外輪32に固定部材から径方向の荷重が負荷されると(図11(b)矢印P参照)、その荷重負荷や、軸受自体の自重によって、外輪32はその中心軸が内輪31の中心軸に対して負荷方向に偏心する。このため、外輪32の端部に嵌合したシール40のリップ41の中心軸Xが、内輪31の中心軸Zに対して外輪32への負荷方向に偏心する。
リップ42の中心軸Xが偏心すると、リップ42のうち外輪32の負荷領域に対して直径方向反対側の反負荷領域の部分は、内輪31のシール面に対する締め代Dが、無負荷状態での締め代よりCも小さくなり(図11(a)参照)、場合によっては、内輪31のシール面との間にすき間が形成される。
その結果、リップ42の内輪31のシール面に対する押し付け圧(摺接圧)が低下し、密封型転がり軸受のシール性が低下する。シール性の低下によって、軸受外部に潤滑剤が漏出したり、軸受外部から異物が浸入したりして、軸受の寿命が低下するという問題があった。
そこで、この発明の課題は、使用時に外輪に荷重が負荷された際、外輪の反負荷領域での摺接圧の低下を防止し、シール性を確保することを課題とする。
前記課題を解決するために、この発明に係る密封型転がり軸受は、外輪の端部に嵌合されるシールを備え、そのシールが前記外輪の端部に嵌合する金属板製の芯金にゴム材料からなるリップを形成したものであり、前記リップが内輪のシール面に摺接する密封型転がり軸受において、前記内輪が回転可能に使用され、前記外輪に径方向の荷重が負荷された場合、前記リップのうち前記外輪の負荷領域に対して直径方向反対側の反負荷領域の部分は、前記シール面に対する締め代が、前記リップのうち前記外輪の負荷領域の部分での締め代となるように形成された構成を採用したのである。
この構成によると、外輪に荷重が負荷された場合、シールのリップのうち外輪の反負荷領域側の部分での内輪に対する締め代が、リップのうち外輪の負荷領域の部分での締め代とされる。このため、外輪の反負荷領域でのリップによる摺接圧が、外輪の負荷領域での摺接圧と同等となり、外輪の反負荷領域での摺接圧の低下が防止され、シール性が確保される。
ここで、負荷領域とは、固定部材に径方向内向きの荷重が負荷された際に、外輪のうち固定部材からの荷重が負荷される部分を挟んで周方向両側の領域をいう。
前記構成において、リップのうち外輪の反負荷領域の部分の内輪に対する締め代を、リップのうち外輪の反負荷領域の部分での締め代とする手段は、種々考えられるが、前記シールとしては、そのリップの中心軸が前記内輪の中心軸に対し、前記外輪の負荷方向反対方向に偏心するように形成された構成を採用することができる。
ここで、リップの中心軸とは、リップの径方向の内縁部に内接する円筒面の中心軸をいう。
外輪に荷重が負荷されると、従来のように外輪はその中心軸が内輪の中心軸に対して、負荷方向と反対方向に偏心し、外輪の反負荷領域のシール嵌合面と内輪のシール面との径方向すき間が大きくなる。この場合において、前記構成では、シールのリップの中心軸が、外輪の負荷方向と反対方向に偏心しているため、リップのうち外輪の反負荷領域の部分は、内縁部が外輪の負荷領域寄りに変位して、内輪のシール面との締め代が確保される。これにより、そのシール面に対する押し付け圧(摺接圧)の低下が防止される。
一方、外輪に荷重が負荷されると、外輪の負荷領域のシール嵌合面と内輪のシール面との径方向すき間は小さくなる。この場合、前記構成では、リップのうち外輪の負荷領域の部分も、内縁部が外輪の負荷領域寄りに変位するので、シール面との締め代が大きくなり過ぎず、押し付け圧(摺接圧)が過大となることを防止することができる。
また、前記構成において、シールのリップの中心軸を外輪への負荷方向と反対方向に偏心させるために、前記シールは、そのリップの中心軸と芯金の中心軸が一致するように形成され、前記芯金の中心軸を前記内輪の中心軸に対し、前記外輪偏心させた構成を採用することができる。
ここで、芯金の中心軸とは、芯金のリップが形成された径方向内端部に内接する円筒面の中心軸をいう。
このようにすると、シールの芯金の中心軸が内輪の中心軸に対して、外輪への負荷方向と反対方向に偏心するので、このシールを外輪の端部に嵌合することにより、シールのリップの中心軸を容易に偏心させることができる。
前記芯金に係る構成としては、前記芯金は、前記外輪の端部に嵌合する円筒部と、その円筒部に径方向内向きフランジ状に形成された環状板部とを備え、その環状板部の内周縁に前記リップが形成され、前記環状板部の中心軸を、前記内輪の中心軸に対し、前記外輪の負荷方向と反対方向に偏心させた構成を採用することができる。
さらに、シールのリップの中心軸を外輪への負荷方向と反対方向に偏心させるために、前記シールは、そのリップの中心軸と芯金の中心軸が一致するように形成され、前記外輪の前記シールの嵌合面の中心軸が、前記内輪の中心軸に対し、前記外輪の負荷方向と反対方向に偏心するように形成された構成を採用することができる。
この構成によると、外輪の端面にシールを嵌合することで、リップの中心軸を内輪の中心軸に対して外輪への負荷方向と反対方向に偏心させることができるので、従来の密封型転がり軸受に使用していたシールを兼用させることができる。
シールのリップの中心軸を外輪への負荷方向と反対方向に偏心させる構成を採用する場合、前記リップの中心軸と前記内輪の中心軸との偏心距離が、ラジアル残留すき間の2分の1に設定された構成を採用することができる。
この構成によると、無負荷状態において外輪と内輪と中心軸が一致していれば、外輪に荷重が負荷され、内輪の中心軸に対して外輪の中心軸が負荷方向に偏心した場合、外輪の偏心距離がラジアル残留すき間の2分の1となり、リップの中心軸と内輪の中心軸を一致させることができる。これにより、リップのシール面に対する摺接圧を軸受の全周にわたって均一にすることが可能となる。
ここで、無負荷状態とは、密封型転がり軸受が軸およびケーシング、ハウジング等の固定部材に取り付けられ、外輪に荷重が負荷されていない状態をいう。
前記課題を解決するために、この発明に係る密封型転がり軸受は、外輪の端部に嵌合されるシールを備え、そのシールが前記外輪の端部に嵌合する金属板製の芯金にゴム材料からなるリップを形成したものであり、前記リップが内輪のシール面に摺接する密封型転がり軸受において、前記内輪が回転可能に使用され、前記外輪に荷重が負荷された場合、前記リップのうち前記外輪の負荷領域に対して直径方向反対側の反負荷領域の部分が、前記外輪の負荷領域の部分の弾性よりも大きい弾性を有する構成を採用したのである。
外輪に荷重が負荷されると、外輪の負荷領域の部分のシール嵌合面とシール面との径方向距離が、無負荷状態における距離より大きくなり、シール面に対するリップの締め代(弾性変形量)が小さくなる。この場合において、前記構成では、リップのうち外輪の反負荷領域側の部分は、外輪の負荷領域の部分よりも大きな弾性を有している。このため、弾性変形量が小さくなっても十分な復元力を備え、シール面に対する押し付け圧(摺接圧)を確保することが可能となる。その結果、外輪の反負荷領域での摺接圧の低下が防止され、軸受のシール性が確保される。
リップのうち外輪の反負荷領域の部分の弾性を大きくするために、その部分を、前記リップの前記外輪の負荷領域の部分よりも厚肉に形成してもよい。シールの製作の際、芯金に肉厚のリップを容易に形成することできるからである。
リップのうち外輪の反負荷領域の部分の弾性を大きくするために、前記芯金は、前記外輪の端部に嵌合する円筒部と、その円筒部に径方向内向きフランジ状に形成された環状板部とを備え、前記環状板部に前記リップが形成され、前記環状板部の前記外輪の反負荷領域の部分は、凹部を有し前記外輪の負荷領域の部分よりも径方向長さが長く形成され、かつ径方向に弾性変形可能に形成された構成を採用することができる。
この構成によると、外輪に荷重が負荷された場合、芯金のうち外輪の反負荷領域の部分は、径方向に弾性変形するので、その部分の弾性がリップの弾性に加わる。このため、リップのうち外輪の反負荷領域の部分での弾性が、外輪の負荷領域の部分での弾性より大きくなり、外輪の反負荷領域でのシール面に対する押し付け圧(摺接圧)の低下が防止されるとともに、摺接圧のばらつきが抑えられる。
以上のように、この発明の密封型転がり軸受は、外輪に荷重が負荷された場合でも、外輪の負荷領域での摺接圧の低下が防止されるので、シール性が確保され、軸受外部への潤滑剤の漏出や、軸受外部からの異物の浸入を防止することができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
以下、この発明に係る密封型転がり軸受の実施例1を図1〜図2に基づいて説明する。
この実施例1の密封型転がり軸受は、図1に示すように、外周に軌道3を有する一対の内輪1、1と、内周に複列の軌道4、4を有する外輪2と、内外輪1、2の軌道3、4の間に保持器5により保持された複数の円すいころ6と、内輪1および外輪2の軸方向両端部に装着され、内外輪1、2間を封止する環状のシール20とから構成される。
一対の内輪1、1は、間座7を介して軸10に嵌合し、軌道3の背面側に大つば8、正面側に小つば9を備えている。外輪2は、その中央部に貫通孔11が設けられており、この貫通孔11にグリースニップル12が取り付けられている。外輪2の端部の内周面にはシール嵌合溝13が全周にわたって設けられ、シール嵌合溝13の溝底面(シール嵌合面13a)は円筒面となっている。
内輪1の軌道3と外輪2の軌道4との間に複列の円すいころ6が組み込まれ、各列の円すいころ6は保持器5で周方向に等間隔に保持されている。
シール20は、外輪2のシール嵌合溝13に嵌合する芯金21にゴム材料からなるリップ22を形成したものである。シール20の芯金21は金属板製であり、外輪2のシール嵌合溝13に嵌合する円筒部21aと、この円筒部21aに径方向内向きのフランジ状に形成された環状板部21bとを備えている(図3(a)、(b)参照)。
円筒部21aは、外輪2のシール嵌合溝13に軸方向に圧入固定が可能な外径を有し、この環状板部21bの内周縁が径方向内向きに、かつ軸受の軸方向内向きのテーパ状をなし、そのテーパ部21cの先端部にリップ22が形成されている。
リップ22は、合成ゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム)等の弾性部材からなり、加硫による接着、焼き付け等により環状板部21bのテーパ部21cに固着されている。リップ22は、テーパ部21cから径方向内向きに延びる基部22aと、基部22aから軸受の軸方向内向きに延びる主リップ22bと、軸受の軸方向外向きに延びるダストリップ22cとを有している。
主リップ22bの外周に、いわゆるガータスプリングと呼ばれるばねリング23が装着されており、主リップ22bを径方向内向きに締め付けている。ダストリップ22cは、内輪1の大つば8に向かってスカート状に形成されている。この主リップ22bとダストリップ22cは、内輪1の大つば8の外周面(シール面)に締め代をもって摺接する。
また、リップ22の基部22aは、その内周端の中心が外周端の中心に対して偏心するように形成されている(図2参照)。これにより、リップ22は、その中心軸X(主リップ22bの内縁部に内接する円筒面の中心軸)が、芯金21の中心軸Y(芯金21のテーパ部21cの内周縁に内接する円筒面の中心軸)に対して、密封型転がり軸受のラジアル残留すき間の2分の1の長さLだけ偏心するように形成される(図3(a)参照)。
)。
この実施例1の密封型転がり軸受は、図3(a)に示すように、所要のラジアル残留すきまを有し、一対の内輪1、1が軸10に回転可能に嵌合され、外輪2がハウジングやケーシング等の図示しない固定部材に固定された状態で使用される。
この使用では、シール20は、リップ22の中心軸が内輪1の中心軸に対して、偏心した状態で外輪2のシール嵌合溝13に嵌合される。すなわち、シール20は、リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zに対して、固定部材への径方向の荷重が外輪2へ負荷される場合における外輪2への負荷方向と反対方向(以下、単に、反負荷方向という)に偏心するように嵌合される。
このシール20の嵌合により、図3(a)に示すように、シール20は、そのリップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zに対して、偏心距離L(ラジアル内部すき間の1/2の長さ)だけ反負荷方向に偏心した状態となる。
この状態において、固定部材への径方向の荷重Pが外輪2に負荷されると、外輪2は、内輪1の中心軸Zに対してその中心軸が外輪2の負荷方向(以下、単に、負荷方向という)に偏心する(図3(b)参照)。
外輪2が偏心すると、外輪2の負荷領域(図3(b)での上部側)と円すいころ6との間のすき間が無くなり、その負荷領域の直径方向の反対側の反負荷領域(図3(b)での下部側)と円すいころ6との間のすき間は、ラジアル残留すき間2Lとなる。ここで、負荷領域とは、固定部材に径方向内向きの荷重が負荷された際に、外輪のうち固定部材からの荷重が負荷される部分を挟んで周方向両側の領域をいう。
このとき、シール20は、リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zに対して、偏心距離Lだけ反負荷方向に偏心しているため、リップ22の中心軸Xが、内輪1の中心軸Zと一致する。
リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zと一致すると、リップ22の主リップ22bのうち外輪2の反負荷領域の部分は、内輪1のシール面に対する締め代A2が、主リップ22bの外輪2の負荷領域の部分での締め代A1と等しくなる。これにより、外輪2の反負荷領域でのリップ22による摺接圧が確保され、シール性の低下を防止することができる。
次に、この発明に係る密封型転がり軸受の実施例2を図4、図5に基づいて説明する。この実施例2では、シール20は、リップ22の中心軸Xと芯金21の中心軸Yが一致するように形成され、芯金21の中心軸Yが内輪1の中心軸Zに対し、反負荷方向に偏心したものである点で前述した実施例1と相違する。その他の構成は、実施例1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
すなわち、このシール20は、図4に示すように、芯金21の環状板部21bの内周端の中心が外周端の中心に対して、密封型転がり軸受のラジアル内部すき間の1/2の長さL分だけ偏心するように形成される。これにより、リップ22の中心軸Xが芯金21の中心軸Yと一致し、かつ、芯金21の円筒部21aの中心軸に対して偏心する。
この実施例2の密封型転がり軸受は、実施例1の場合と同様に使用され、シール20が外輪2のシール嵌合溝13に嵌合されると、図5(a)に示すように、シール20は、リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zに対して、偏心距離L(ラジアル内部すき間2xの1/2の距離)だけ反負荷方向に偏心した状態となる。
この状態で、固定部材への径方向の荷重Pの荷重が外輪2に負荷されると、実施例1の場合と同様、シール20は、リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zと一致する。(図5(b)参照)。
リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zと一致すると、リップ22の主リップ22bの外輪2の反負荷領域(図5(b)での下部側)の部分は、内輪1のシール面に対する締め代A2が、主リップ22bの外輪2の負荷領域(図5(b)での上部側)の部分での締め代A1と同等になる。これにより、外輪2の反負荷領域でのリップ22による摺接圧が確保され、シール性の低下を防止することができる。
この発明に係る密封型転がり軸受の実施例3を図6、図7に基づいて説明する。この実施例3では、シール20について、リップ22、芯金21および芯金の円筒部21aの中心軸が一致するように形成されたものであり、外輪2のシール嵌合溝13の内面(シール嵌合面13a)の中心軸Wが、内輪1の中心軸Zに対し、反負荷方向に偏心したものである点で前述の実施例1と相違する。その他の構成は、実施例1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
すなわち、この実施例3では、シール20は、図6に示すように、リップ20、芯金21および芯金21の円筒部21aの各中心軸が一致するように形成されたものである。このため、シール20として従来の密封型転がり軸受のシールを使用することが可能である。
また、外輪2のシール嵌合溝13は、シール嵌合面13aの中心軸W(シール嵌合面13aに内接する円筒面の中心軸)が、内輪1の中心軸Zに対して、密封型転がり軸受のラジアル内部すき間の1/2の長さL分だけ偏心するように形成されている。
この実施例3の密封型転がり軸受としては、その内輪1が回転可能に軸10に嵌合され、外輪2は、図示しない固定部材に固定され、シール嵌合面13aの中心軸Wが、固定部材への径方向の荷重Pが外輪2へ負荷される場合における反負荷方向に偏心する状態で使用される。
この使用において、シール20が外輪2のシール嵌合溝13に嵌合されると、シール20は、図7(a)に示すように、リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zに対して、偏心距離L(ラジアル内部すき間2Lの1/2の距離)だけ反負荷方向に偏心した状態となる。
この状態で、固定部材への径方向の荷重Pが外輪2に負荷されると、実施例1の場合と同様、シール20はリップ22の中心軸Xが、内輪1の中心軸Zと一致する(図7(b)参照)。
リップ22の中心軸Xが内輪1の中心軸Zと一致すると、リップ22の主リップ22bの外輪2の反負荷領域(図7(b)での下部側)の部分は、内輪1のシール面に対する締め代A2が、主リップ22bの外輪2の負荷領域(図7(b)での上部側)の部分での締め代A1と同等になる。これにより、外輪2の反負荷領域でのリップ22による摺接圧が確保され、シール性の低下を防止することができる。
この発明に係る密封型転がり軸受の実施例4を図8に基づいて説明する。この実施例4では、シール20は、リップ22、芯金21および芯金の円筒部21aの中心軸が一致するように形成され、リップ22のうち外輪2の反負荷領域の部分が、外輪2の負荷領域の部分の肉厚よりも大きく形成された点で前述の実施例1と相違する。その他の構成は、実施例1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
すなわち、シール20は、リップ22のうち一直径方向(図8(c)中の直線Mの方向)の一方側の部分Hを挟んで周方向両方向に所要角α(例えば、60度)をなす部分が占める領域において、図示しない他方側の部分(図8(a)の一点鎖線参照)よりも肉厚に形成される。
また、シール20は、リップ22のうち肉厚に形成された前記領域において、部分Hを最大肉厚として周方向両側に向かって徐々にその肉厚が小さくなるように形成される。なお、リップ22のうち前記領域は、軸受の規格、外輪2が受ける荷重により、実験、実操業に基づいて、リップ22の全周に対する領域が設定される。
この実施例4の密封型転がり軸受が、実施例1の場合と同様に使用され、シール20は、外輪2のシール嵌合溝13に嵌合される。このとき、リップ22の最大肉厚となる部分Hが、固定部材への径方向の荷重Pが外輪2に負荷される場合における外輪2の負荷方向の反負荷領域側に位置する状態となっている(図8(b)参照)。
この状態において、外輪2に荷重が負荷されると、外輪2の負荷領域のシール嵌合面13aと内輪1の大つば8の外周面(シール面)との径方向距離が、無負荷状態における距離より大きくなり、シール面に対するリップ22の締め代(弾性変形量)が小さくなる。
この場合において、リップ22のうち外輪2の反負荷領域側の部分Hは、負荷領域側の部分よりも肉厚が大きく形成され、弾性が大きくなっている。弾性が大きいその部分Hは、弾性変形量が小さくなっても十分な復元力を備えるため、シール面に対する押し付け圧(摺接圧)を確保することが可能となる。その結果、外輪2の反負荷領域での摺接圧の低下が防止され、軸受のシール性が確保される。
この発明に係る密封型転がり軸受の実施例5を図9に基づいて説明する。この実施例5では、シール20は、リップ22、芯金21および芯金の円筒部21aの中心軸が一致するように形成された点、芯金21のうち外輪2の反負荷領域の部分が負荷領域の部分よりも径方向長さが長く形成された点、芯金21のうち外輪2の反負荷領域の部分に薄肉となる凹部24が形成され、その部分が径方向に弾性変形可能に形成された点で前述の実施例1と相違する。その他の構成は、実施例1と同様であるため、詳しい説明は省略する。
すなわち、シール20は、芯金21の環状板部21bのうち一直径方向(図9(c)中の直線Nの方向)の一方側の部分Iを挟んで周方向両方向に所要角α(例えば、60度)をなす部分が占める領域において、図示しない他方側の部分よりも径方向長さが長く形成されている。
シール20は、環状板部21bのうち径方向長さが長く形成された前記領域において、部分Iを最大の径方向長さとして周方向両側に向かって徐々にその長さが小さくなるように形成される。なお、環状板部21bのうち前記領域は、軸受の規格、外輪2が受ける荷重により、実験、実操業に基づいて、環状板部21bの全周に対する領域が設定される。
また、環状板部21bのうち前記領域に凹部24が形成され、この凹部24の径方向幅が、部分Iを最大幅として周方向両側に向かって徐々にその幅が小さくなるように形成されている。この凹部24により、環状板部21bのうち前記領域は、その板厚が薄肉となり、径方向に弾性変形可能に形成される。
この実施例5の密封型転がり軸受は、実施例1の場合と同様に使用され、シール20が、外輪2のシール嵌合溝13に嵌合される。このとき、芯金21の環状板部21bのうち径方向長さが最大となる部分Hが、図示しない固定部材への径方向の荷重Pが外輪2に負荷される場合における外輪2の負荷方向の反負荷領域側に位置する状態となっている(図9(b)参照)。
この実施例5では、芯金21の環状板部21bの部分Iは、負荷領域側の部分よりも径方向長さが長く形成され、径方向弾性変形可能となっている。このため、外輪2に荷重が負荷されると、外輪2の反負荷領域のシール嵌合面13aと内輪1の大つば8の外周面(シール面)との径方向距離が、外輪2の負荷領域における距離と同等となり、シール20の全周にわたってシール面に対するリップ22の締め代が確保される。
また、この場合において、芯金21の環状板部21bの部分Iを含む前記領域では、径方向に弾性変形可能となっているので、リップ22の弾性に、環状板部21bによる弾性が加わり、外輪2の反負荷領域でのシール面に対する押し付け圧(摺接圧)のばらつきが抑えられる。
上述した実施例1〜5では、密封型転がり軸受を円すいころ軸受としたが、この発明に係る密封型転がり軸受は、ころ軸受等の他の種類の転がり軸受、例えば、玉軸受、円筒ころ軸受にも採用することができる。
実施例1の密封型転がり軸受を示す断面図 同上の密封型転がり軸受を示す側面図 (a)図2のE−E線における要部拡大断面図、(b)同上の使用状態を示す要部拡大断面図 実施例3の密封型転がり軸受を示す側面図 (a)図4のF−F線における要部拡大断面図、(b)同上の使用状態を示す要部拡大断面図 実施例3の密封型転がり軸受を示す側面図 (a)図6のG−G線における要部拡大断面図、(b)同上の使用状態を示す要部拡大断面図 (a)実施例4の密封型転がり軸受のシールの断面図、(b)同上の使用状態を示す要部拡大断面図、(c)図8(a)のJ−J線における要部拡大断面図 (a)実施例5の密封型転がり軸受のシールの断面図、(b)同上の使用状態を示す要部拡大断面図、(c)同上のシールの要部拡大側面図 従来の密封型転がり軸受を示す断面図 (a)同上の要部拡大断面図、(b)同上の使用状態を示す要部拡大断面図
符号の説明
1、31 内輪
2、32 外輪
3、33 軌道
4、34 軌道
5、35 保持器
6、36 円すいころ
7 間座
8 大つば
9 小つば
10、50 軸
11 貫通孔
12 グリースニップル
13 シール嵌合溝
13a シール嵌合面
20、40 シール
21、41 芯金
21a 円筒部
21b 環状板部
21c テーパ部
22、42 リップ
22a 基部
22b 主リップ
22c ダストリップ
23 ばねリング
24 凹部

Claims (9)

  1. 外輪の端部に嵌合されるシールを備え、そのシールが前記外輪の端部に嵌合する金属板製の芯金にゴム材料からなるリップを形成したものであり、前記リップが内輪のシール面に摺接する密封型転がり軸受において、
    前記内輪が回転可能に使用され、前記外輪に径方向の荷重が負荷された場合、前記リップのうち前記外輪の負荷領域に対して直径方向反対側の反負荷領域の部分は、前記シール面に対する締め代が、前記リップのうち前記外輪の負荷領域の部分での締め代となるように形成されたことを特徴とする密封型転がり軸受。
  2. 前記シールは、そのリップの中心軸が前記内輪の中心軸に対し、前記外輪への負荷方向と反対方向に偏心するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の密封型転がり軸受。
  3. 前記シールは、そのリップの中心軸と芯金の中心軸が一致するように形成され、前記芯金の中心軸を前記内輪の中心軸に対し、前記外輪への負荷方向と反対方向に偏心させたことを特徴とする請求項2に記載の密封型転がり軸受。
  4. 前記芯金は、前記外輪の端部に嵌合する円筒部と、その円筒部に径方向内向きフランジ状に形成された環状板部とを備え、その環状板部の内周縁に前記リップが形成され、前記環状板部の中心軸を、前記内輪の中心軸に対し、前記外輪の負荷方向と反対方向に偏心させたことを特徴とする請求項3に記載の密封型転がり軸受。
  5. 前記シールは、そのリップの中心軸と芯金の中心軸が一致するように形成され、前記外輪の前記シールの嵌合面の中心軸が、前記内輪の中心軸に対し、前記外輪の負荷方向と反対方向に偏心するように形成されたことを特徴とする請求項2に記載の密封型転がり軸受。
  6. 前記リップの中心軸と前記内輪の中心軸との偏心距離が、ラジアル残留すき間の2分の1に設定されたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の密封型転がり軸受。
  7. 外輪の端部に嵌合されるシールを備え、そのシールが前記外輪の端部に嵌合する金属板製の芯金にゴム材料からなるリップを形成したものであり、前記リップが内輪のシール面に摺接する密封型転がり軸受において、
    前記内輪が回転可能に使用され、前記外輪に荷重が負荷された場合、前記リップのうち前記外輪の負荷領域に対して直径方向反対側の反負荷領域の部分が、前記外輪の負荷領域の部分の弾性よりも大きい弾性を有することを特徴とする密封型転がり軸受。
  8. 前記リップのうち前記外輪の反負荷領域の部分が、前記外輪の負荷領域の部分よりも厚肉に形成されたことを特徴とする請求項7に記載の密封型転がり軸受。
  9. 前記芯金は、前記外輪の端部に嵌合する円筒部と、その円筒部に径方向内向きフランジ状に形成された環状板部とを備え、前記環状板部に前記リップが形成され、前記環状板部の前記外輪の反負荷領域の部分は、凹部を有し前記外輪の負荷領域の部分よりも径方向長さが長く形成され、かつ径方向に弾性変形可能に形成されたことを特徴とする請求項7に記載の密封型転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011247292A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Jatco Ltd 回転体支持構造
CN105485161A (zh) * 2015-12-28 2016-04-13 瓦房店轴承集团有限责任公司 自密封双列圆锥滚子轴承

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