JP2023030822A - 転がり軸受及び転がり軸受ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成によって密封構造を形成する。【解決手段】転がり軸受の円筒ころ軸受1Aは、外輪3と、外輪3の内側に配置された内輪2と、外輪3と内輪2との間に配置された複数の円筒ころ4と、第1の内壁ラビリンス面723aを有し、外輪3に取り付けられて外輪3から軸方向Aに突出するオイルシール7と、バンドラビリンス面812aを有し、内輪2に取り付けられて内輪2から軸方向Aに突出するスリンガー8と、を備える。オイルシール7及びスリンガー8は、円筒ころ4が配置される外輪3と内輪2との隙間を覆う。第1の内壁ラビリンス面723aは、バンドラビリンス面812aに対して対面する。第1の内壁ラビリンス面723aとバンドラビリンス面812aとの間には、隙間が形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、転がり軸受及び転がり軸受ユニットに関し、好ましくは円筒ころ軸受及び複列円筒ころ軸受に関する。
特許文献1と特許文献2は、鉄道車両に用いられる複列円すいころ軸受に関する技術を開示する。特許文献1の軸受は、車軸の歪みに起因して生じる部品間の摩耗に注目する。そこで、特許文献1の軸受は、部品間の摩耗の発生を抑制する構造を備えている。また、特許文献2の図4には、複列円すいころ軸受周辺の構造が記載されている。
軸受は、軸受の内輪と外輪との間への異物の侵入を防ぎ、軸受の内部に充填された潤滑剤の漏出を抑制する構造を備えている。このような構造は、軸受の内部と外部との間で、異物や潤滑剤などの行き来を抑制する密封構造であるといえる。密封構造は、内輪と外輪との間を塞ぐように、軸受の端面に設けられる。特許文献1と特許文献2の軸受も、異物の侵入を防ぐと共に潤滑剤の漏出を防止するシールを含む構造を備えている。また、特許文献2では、バッキングリングにスリンガーを取付ける構造を備えている。当該技術分野では、このような密封構造を、簡易に構成できる技術が望まれていた。
本願発明は、簡易な構成によって密封構造を形成できる転がり軸受及び転がり軸受ユニット、好ましくは円筒ころ軸受及び複列円筒ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の一形態である円筒ころ軸受は、外輪と、外輪の内側に配置された内輪と、外輪の内径面と内輪の外径面との間に配置された円筒形状である複数の転動体と、第1のラビリンス面を有し、外輪に取り付けられて外輪の端面から軸方向に突出する第1のカバー部材と、第2のラビリンス面を有し、内輪に取り付けられて内輪の端面から軸方向に突出する第2のカバー部材と、を備え、第1のカバー部材及び第2のカバー部材は、転動体が配置される外輪と内輪との隙間を覆い、第1のラビリンス面は、第2のラビリンス面に対して対面し、第1のラビリンス面と第2のラビリンス面との間には、隙間が形成されている。
この構成によれば、第1のカバー部材が外輪に取り付けられており、さらに、第2のカバー部材が内輪に取り付けられている。第1のカバー部材に設けられた第1のラビリンス面と第2のカバー部材に設けられた第2のラビリンス面とによって、ラビリンス構造が構成される。その結果、内輪と外輪との間での相対的な回転運動を許容することができる。そして、第1のカバー部材及び第2のカバー部材は、外輪と内輪との間の隙間を覆っている。従って、第1のカバー部材及び第2のカバー部材という2個の部品で実現できる簡易な構成によって、内輪と外輪との間の領域を密封する密封構造を形成できる。
上記の円筒ころ軸受の第2のカバー部材は、内輪の端面に接触しながら径方向に延びるフランジ部を含み、内輪の端面及びフランジ部は、押圧部材から押圧力を受け、フランジ部の押圧力を受ける面には、第1の被膜部が設けられてもよい。この構成によれば、第2のカバー部材において押圧力を受ける部分を第1の被膜部によって保護することができる。その結果、いわゆるフレッチング摩耗に起因する異物の発生を抑制できる。
上記の円筒ころ軸受の第2のカバー部材は、フランジ部から軸線に沿って転動体から離れる向きに延びると共に、第2のラビリンス面を含む外向きバンド部を有し、外向きバンド部は、第1のカバー部材の内側に位置してもよい。外向きバンド部によれば、ラビリンス構造を容易に設けることができる。
上記の円筒ころ軸受の第2のカバー部材は、フランジ部から軸線に沿って転動体に近づく向きに延びると共に、内輪の外径面に接する内向きバンド部を有し、内向きバンド部が内輪の外径面と当接する面は、外向きバンド部の第2のラビリンス面に対して面一であってもよい。この構成によれば、第2のカバー部材の形状を簡素にすることができる。
上記の円筒ころ軸受において、軸線に沿った外向きバンド部の長さは、軸線に沿った内向きバンド部の長さよりも長くてよい。この構成によれば、第1のラビリンス面に対面する第2のラビリンス面を拡大することができる。その結果、ラビリンス構造の密封性を高めることができる。
上記の円筒ころ軸受の第1のカバー部材は、第1のラビリンス面を含み、内輪に向かって延びる壁部を有し、壁部は、第2のカバー部材のフランジ部に対面する壁端面を含み、第2のカバー部材のフランジ部において、壁端面と対面する部分には、第2の被膜部が設けられてもよい。第2の被膜部によれば、フレッチング摩耗に起因する異物の発生をさらに抑制できる。
上記の円筒ころ軸受の第1の被膜部の厚みは、第2の被膜部の厚みより大きくてもよい。この構成によれば、フレッチング摩耗に起因する異物の発生をいっそう抑制できる。
上記の円筒ころ軸受において、第1のラビリンス面から第2のラビリンス面までの距離は、壁端面からフランジ部までの距離より短くてもよい。この構成によれば、第2のカバー部材と内輪との接触機会をなくすことができる。従って、フレッチング摩耗に起因する異物の発生をいっそう抑制できる。
本発明の別の形態である複列円筒ころ軸受は、上記の第1の円筒ころ軸受と、上記の第2の円筒ころ軸受と、を備え、第1の円筒ころ軸受における一方の側の端面には、第1のカバー部材及び第2のカバー部材が取り付けられ、第2の円筒ころ軸受における一方の側の端面には、第1のカバー部材及び第2のカバー部材が取り付けられ、第1の円筒ころ軸受の他方の側の端面は、第2の円筒ころ軸受の他方の端面に当接する。複列円筒ころ軸受は、簡易な構成によって密封構造を形成する上記の円筒ころ軸受を備えている。従って、複列円筒ころ軸受は、簡易な構成によって、軸受の内部への異物の侵入を抑制できる。
本発明の円筒ころ軸受及び複列円筒ころ軸受は、簡易な構成によって密封構造を形成できる。
以下、図面を参照して円筒ころ軸受及び複列円筒ころ軸受について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士及び相当する要素同士には、互いに同一の符号を付す。重複する説明は、省略する場合がある。
図1に示すように、複列円筒ころ軸受1Sは、2個の円筒ころ軸受1A、1Bを有する。第1の円筒ころ軸受1Aは、軸線LAの方向に沿って、第2の円筒ころ軸受1Bに当接する。以下の説明では、円筒ころ軸受1A、1Bが互いに接している側を、「背面」という。軸線LAに沿って背面とは逆側を、「正面」という。
第1の円筒ころ軸受1Aは、バッキングリング100A(押圧部材)によって軸線LAの方向に沿った押圧力を受ける。第2の円筒ころ軸受1Bも別のバッキングリング100Bによって軸線LAの方向に沿った押圧力を受ける。第1の円筒ころ軸受1Aが受ける押圧力の向きは、第2の円筒ころ軸受1Bが受ける押圧力の向きとは逆である。従って、バッキングリング100A、100Bから円筒ころ軸受1A、1Bに与えられる押圧力によって、円筒ころ軸受1A、1Bは、一体化している。第2の円筒ころ軸受1Bは、第1の円筒ころ軸受1Aと同じ構造を有する。そこで、以下、第1の円筒ころ軸受1Aついて、詳細に説明する。特に明示しない限り、第1の円筒ころ軸受1Aを、単に「円筒ころ軸受1A」と称する。そして、第2の円筒ころ軸受1Bは、必要に応じて説明する。
円筒ころ軸受1Aは、主要な構成部品として、内輪2と、外輪3と、複数の円筒ころ4(複数の転動体)と、保持器5と、を備える。以下の説明では、円筒ころ軸受1Aの軸方向を「軸方向A」と呼ぶ。円筒ころ軸受1Aの径方向を「径方向R」と呼ぶ。円筒ころ軸受1Aの周方向を「周方向C」と呼ぶ。
図2に示すように、内輪2の形状は、円筒である。内輪2は、内輪外面21と、内輪内面22と、を含む。さらに、内輪2は、内輪正面23と、内輪背面24と、を含む。
内輪外面21は、径方向Rにおける外側を向く。内輪外面21は、周方向Cに沿って円環状に延在する。内輪外面21は、内輪軌道面211と、正面側外径面212と、ころ当接面213と、を含む。内輪軌道面211は、円筒ころ4のころ周面41が接する。内輪軌道面211は、内輪外面21の略中央部に設けられている。正面側外径面212は、内輪軌道面211よりも内輪正面23の側に位置する。正面側外径面212は、内輪軌道面211に対して径方向Rの外側に突出している。つまり、正面側外径面212と内輪軌道面211との間には、背面に向いた円環状のころ当接面213が設けられる。ころ当接面213には、ころ正面42が当接可能である。
内輪内面22は、径方向Rにおける内側を向く。内輪内面22も内輪外面21と同様に、周方向Cに沿って円環状に延在する。内輪内面22は、例えば図示しない軸体といった別の部品が配置される貫通穴を形成する。つまり、内輪内面22は、軸方向Aに沿って、内輪正面23から内輪背面24まで延在する。内輪正面23は、外側を向いている。つまり、内輪正面23は、第2の円筒ころ軸受1Bに向いていない。内輪正面23の側には、後述する密封構造6が配置される。密封構造6の詳細については、後述する。また、密封構造6のための内輪2の構造についても、ここでの説明は省略する。内輪背面24は、第2の円筒ころ軸受1Bに向いていると共に、第2の円筒ころ軸受1Bに接する。
外輪3の形状も、内輪2と同様に円筒である。外輪3の内径は、内輪2の外径よりも大きい。従って、外輪3の内側には、内輪2が配置される。さらに、外輪3と内輪2との間には、隙間が形成される。この隙間に、円筒ころ4が配置される。より詳細には、外輪3は、外輪外面31と、外輪内面32と、を含む。さらに、外輪3は、外輪正面33と、外輪背面34と、を含む。
外輪外面31は、径方向Rにおける外側を向く。外輪外面31は、周方向Cに沿って円環状に延在する。外輪外面31は、円筒ころ軸受1Aの外径面である。
外輪内面32は、外輪軌道面321と、背面側内径面322と、ころ当接面323と、を含む。外輪軌道面321は、円筒ころ4のころ周面41が接する面である。外輪軌道面321は、内輪軌道面211を向いている。外輪軌道面321から内輪軌道面211までの距離は、円筒ころ4の直径と等しい。外輪軌道面321は、外輪内面32の略中央部に設けられている。背面側内径面322は、外輪軌道面321よりも外輪背面34の側に設けられている。背面側内径面322は、外輪軌道面321に対して径方向Rの内側に突出している。換言すると、背面側内径面322は、内輪内面22に向かって突出する。従って、背面側内径面322から内輪内面22までの距離は、円筒ころ4の直径より小さい。外輪軌道面321と背面側内径面322との間には、正面に向いた円環状のころ当接面323が設けられる。ころ当接面323には、ころ背面43が当接可能である。
なお、外輪内面32は、密封構造6を設けるための部位(外輪拘束面324、外輪突き当て面325)を含む。密封構造6を設けるための部位の詳細については、後述する。外輪正面33は、外側を向いている。つまり、外輪正面33は、第2の円筒ころ軸受1Bに向いていない。外輪背面34は、内側を向いている。つまり、外輪背面34は、第2の円筒ころ軸受1Bに向いていると共に、第2の円筒ころ軸受1Bに接する。
複数の円筒ころ4は、内輪軌道面211と外輪軌道面321との間に配置されている。複数の円筒ころ4は、周方向Cに沿って一定のピッチで配置されている。円筒ころ4の周方向Cに沿った位置は、保持器5によって維持されている。また、円筒ころ4の軸方向Aに沿った位置は、内輪2のころ当接面213と外輪3のころ当接面323によって維持されている。保持器5は、内輪2及び外輪3に対する円筒ころ4の位置を維持するが、内輪軌道面211及び外輪軌道面321に対する円筒ころ4の転がりは許容する。つまり、保持器5は、内輪2と外輪3との間において複数の円筒ころ4を転動自在に保持する。
ところで、円筒ころ軸受1Aでは、ころ周面41と内輪軌道面211との接触状態を良好に維持することが望まれる。また、円筒ころ軸受1Aでは、ころ周面41と外輪軌道面321との接触状態を良好に維持することも望まれる。例えば、ころ周面41と内輪軌道面211との間に異物が存在すると、ころ周面41と内輪軌道面211との間で良好なころがりの状態が維持できない。従って、円筒ころ4が配置される領域に、外部から異物が侵入することを抑制する必要がある。また、ころ周面41と内輪軌道面211との接触状態を良好にするため、潤滑剤が充填されることもある。従って、ころ周面41と内輪軌道面211との間に潤滑剤が存在し続けるように、潤滑剤の漏れを抑制する必要もある。
そこで、円筒ころ軸受1Aは、内輪2と外輪3との間の空間を密封する構造を備えている。密封構造6は、円筒ころ軸受1Aの正面側に配置されている。内輪正面23と外輪正面33との間には、円環状の隙間が形成される。密封構造6は、この円環状の隙間を覆う。従って、円環状の隙間から、異物が侵入することが抑制される。また、円環状の隙間から潤滑剤が漏れ出ることが抑制される。
複列円筒ころ軸受1Sを構成する第1の円筒ころ軸受1Aの背面側には、密封構造6が設けられていない。本実施形態の複列円筒ころ軸受1Sは、第1の円筒ころ軸受1Aの背面を、第2の円筒ころ軸受1Bの背面に押し当てている。背面側にも正面側と同様に、円環状の隙間が形成される。背面側の円環状の隙間は、第1の円筒ころ軸受1Aの背面及び第2の円筒ころ軸受1Bの背面が互いに突き当てられることによって、閉鎖されている。
なお、円筒ころ軸受1Aを単品で用いる場合には、正面側に密封構造6を設けるとともに、背面側にも密封構造を設けてもよい。
図3に示すように、密封構造6は、オイルシール7(第1のカバー部材)と、スリンガー8(第2のカバー部材)と、を有する。オイルシール7及びスリンガー8は、互いに非接触で微小隙間を介して配置され、この微小隙間がいわゆるラビリンスシールを構成する。密封構造の種類としては接触シールと非接触シールとがある。このうち接触シールは接触部での摩耗が発生する可能性がある。そこで、装置の長寿命化を図る為には、非接触シールであるラビリンスシールを採用することが好ましく、異物の侵入の抑制及び潤滑剤の漏れの抑制と、内輪2の回転の維持とを両立させる観点から、密封構造6としてラビリンスシールを採用する。
オイルシール7は、外輪3に固定されている。スリンガー8は、内輪2に固定されている。オイルシール7は、第1の内壁ラビリンス面723a(第1のラビリンス面)を含む。スリンガー8は、バンドラビリンス面812a(第2のラビリンス面)を含む。第1の内壁ラビリンス面723aは、バンドラビリンス面812aに対面する。さらには、第1の内壁ラビリンス面723aは、バンドラビリンス面812aからわずかな隙間をもって離間する。従って、スリンガー8は、オイルシール7に対して固定されない。その結果、内輪2も外輪3に対して固定されないから、内輪2は外輪3に対して回転できる。
外輪内面32は、上述した外輪軌道面321、背面側内径面322(図2参照)及びころ当接面323(図2参照)に加えて、さらに外輪拘束面324と、外輪突き当て面325と、を含む。外輪拘束面324は、外輪軌道面321に対して径方向Rに沿って窪んでいる。つまり、外輪拘束面324の直径は、外輪軌道面321の直径より大きい。外輪拘束面324の正面側の縁は、外輪正面33の縁である。外輪突き当て面325は、外輪軌道面321と外輪拘束面324との間に位置する。外輪突き当て面325は、外輪正面33に対して軸方向Aに沿って窪んでいる。つまり、外輪突き当て面325は、軸方向Aに沿って正面側を向く。
オイルシール7は、断面がU字状を呈する円環状の部材である。軸方向Aから見た場合にオイルシール7は、内輪2と外輪3との間の円環状の隙間を覆っている。つまり、オイルシール7の外径面の直径は、外輪内面32の直径よりも大きい。また、オイルシール7の内径面の直径は、内輪外面21の直径よりも小さい。オイルシール7は、シール取付部71と、シール突出部72と、を有する。シール取付部71及びシール突出部72は、一体の部品である。
シール取付部71は、外輪3にはめ込まれる。シール取付部71は、円筒状の取付外壁711と、円環状の取付底壁712と、を含む。取付外壁711は、外輪3にはめ込まれる。取付底壁712は、内輪2と外輪3との間の隙間を塞ぐ壁の一部である。
シール取付部71の外径は、取付外壁711の外壁外径面711aによって規定される。外壁外径面711aの直径は、外輪拘束面324の内径と同じであるか、わずかに大きい。オイルシール7を外輪3にはめ込むと、オイルシール7の外壁外径面711aが外輪拘束面324に押し当てられる。この押し当てによって、オイルシール7は、外輪3に保持される。オイルシール7は、意図しない外力の入力によって外輪3から容易に脱落することがなければよい。従って、上述のように、オイルシール7は、はめ込みによって外輪3に取り付けられてもよい。この場合には、必要に応じて、オイルシール7を外輪3から取り外すことが可能になる。取り外し方法については後述する。また、分解する必要が無ければ、より信頼性を高めるために、接着などによってオイルシール7を外輪3に積極的に固定してもよい。
オイルシール7を外輪3にはめ込むと、取付外壁711のシール取付端面711bが外輪突き当て面325に当接する。この構成によれば、軸方向Aに沿った外輪3に対するオイルシール7の位置を規定することができる。つまり、シール取付端面711bが外輪突き当て面325に当接するまで、オイルシール7を押し込むことによって、軸方向Aに沿った外輪3に対するオイルシール7の位置を一定の範囲に容易に収めることができる。
取付底壁712は、取付外壁711の正面側の縁から径方向Rにおける内側に向かって延びる。例えば、取付底壁712の内径は、外輪軌道面321の内径よりも小さい。つまり、取付底壁712は、内輪2と外輪3との間の隙間の一部分を覆っている。
シール突出部72は、取付底壁712と共に、内輪2と外輪3との間の隙間を覆う。また、シール突出部72は、スリンガー8と共に第1のラビリンス構造L1を構成する。さらに、シール突出部72は、バッキングリング100Aと共に第2のラビリンス構造L2を構成する。シール突出部72は、突出外壁721と、突出底壁722と、突出内壁723(壁部)と、を含む。シール突出部72は、これらの構成要素によって、U字状の断面形状を呈する。突出外壁721は、シール取付部71の取付底壁712につながっている。突出外壁721は、取付底壁712の内周部から軸方向Aに沿って延在する。突出外壁721は、円筒状を呈する。
突出底壁722は、突出外壁721につながっている。突出底壁722は、突出外壁721の正面側の縁から径方向Rにおける内側に向かって延びる。例えば、突出底壁722の内径は、内輪2の正面側外径面212の外径よりも小さい。一方、突出底壁722の内径は、内輪軌道面211の外径より大きい。このような構成によれば、突出底壁722は、内輪2と外輪3との間の隙間を覆うことができる。
突出内壁723は、突出底壁722につながっている。突出内壁723は、突出底壁722の内周側の縁から軸方向Aに沿って内輪2に向かって延びる。突出内壁723は、第1の内壁ラビリンス面723aと、内壁端面723bと、第2の内壁ラビリンス面723cと、を含む。
第1の内壁ラビリンス面723aは、突出外壁721を向く。第1の内壁ラビリンス面723aは、スリンガー8と対面する部分を含む。つまり、第1の内壁ラビリンス面723aは、第1のラビリンス構造L1を構成する。第1の内壁ラビリンス面723aにおいてラビリンス構造を構成する部分は、第1の内壁ラビリンス面723aのうち内輪2の側の領域である。
内壁端面723bは、内輪2を向く。内壁端面723bは、内輪2とは接触しない。つまり、内壁端面723bと内輪2との間には、隙間が形成されている。内壁端面723bと内輪2との間に隙間は、第1の内壁ラビリンス面723aとスリンガー8との間の隙間よりも大きい。
第2の内壁ラビリンス面723cは、バッキングリング100Aを向く。第2の内壁ラビリンス面723cとバッキングリング100Aとの間にも、隙間が形成されている。第2の内壁ラビリンス面723cとバッキングリング100Aとの間の隙間は、第1の内壁ラビリンス面723aとスリンガー8との間の隙間よりやや広い幅であるがほぼ同じ幅でも良い。つまり、第2の内壁ラビリンス面723cとバッキングリング100Aの外径面101は、第2のラビリンス構造L2を構成する。
上述したように、スリンガー8は、内輪2に取り付けられている。内輪外面21は、上述した内輪軌道面211、正面側外径面212及びころ当接面213に加えて、内輪突き当て面214と、内輪段差面215と、を含む。内輪突き当て面214は、正面側外径面212につながっている。内輪突き当て面214の外周側の縁は、正面側外径面212の正面側の縁である。内輪突き当て面214は、内輪正面23に対して軸方向Aに沿って窪んでいる。つまり、内輪突き当て面214は、軸方向Aに沿って正面側を向く。内輪突き当て面214と内輪正面23との間には、内輪段差面215が形成される。内輪正面23から内輪突き当て面214までの深さは、後述するスリンガーフランジ82の厚みとほぼ同じである。
スリンガー8は内輪2に取り付けられる。具体的には、スリンガー8は、内輪2の正面側外径面212を覆うように内輪2の正面側に被せられる。スリンガー8の内径は、正面側外径面212の外径とほぼ同じであるか、わずかに小さい。つまり、スリンガー8と内輪2との関係は、中間ばめ又はしまりばめであるともいえる。スリンガー8は、オイルシール7と同様に、意図しない外力の入力によって内輪2から容易に脱落することがなければよい。この場合には、必要に応じて、スリンガー8を内輪2から取り外すことが可能になる。また、分解する必要が無ければ、より信頼性を高めるために、接着などによってスリンガー8を内輪2に積極的に固定してもよい。
スリンガー8は、スリンガーバンド81と、スリンガーフランジ82(フランジ部)と、を含む。スリンガーバンド81は、円筒状である。スリンガーバンド81は、スリンガーバンド81において内輪2が差し込まれるバンド取付部811(内向きバンド部)と、バッキングリング100A及びオイルシール7が配置されるバンド突出部812(外向きバンド部)と、を含む。バンド取付部811には、内輪2が差し込まれている。バンド取付部811の内径は、内輪2の正面側外径面212の外径とほぼ同じであるか、わずかに小さい。従って、バンド取付部811は、内輪2の正面側外径面212を締め付けている。バンド突出部812は、バッキングリング100A及びオイルシール7の突出内壁723が配置される。バンド突出部812の先端側は、第1の内壁ラビリンス面723aと対面する。つまり、バンド突出部812は、バンドラビリンス面812aを含む。バンドラビリンス面812aは、円筒状であるバンド突出部812の内径面である。
スリンガーバンド81の内径面から、径方向Rの内側に向かってスリンガーフランジ82が延びている。スリンガーフランジ82が設けられた位置を境界として、スリンガーバンド81の正面側がバンド突出部812である。そして、スリンガーバンド81の背面側がバンド取付部811である。
スリンガーフランジ82は、円板状である。従って、スリンガー8は、T字状の断面形状である。スリンガーフランジ82のフランジ背面822は、内輪2の内輪突き当て面214に当接する。フランジ背面822が内輪突き当て面214に当接することによって、内輪2に対するスリンガー8の位置が決まる。例えば、スリンガーフランジ82は、スリンガーバンド81の軸方向Aに沿った長さの中央よりも背面側に位置する。従って、バンド取付部811の長さは、バンド突出部812の長さより短い。
スリンガーフランジ82のフランジ先端823は、内輪段差面215を向く。フランジ先端823と内輪段差面215との間には、隙間が設けられる。スリンガーフランジ82のフランジ正面821は、オイルシール7の内壁端面723bに対面する部分と、バッキングリング100Aの先端面102に対面する部分と、を含む。より詳細には、オイルシール7の内壁端面723bと対面する部分には、内壁端面723bは接していない。一方、バッキングリング100Aの先端面102と対面する部分には、バッキングリング100Aの先端面102が押し当てられている。スリンガーフランジ82にバッキングリング100Aを押し当てることによって、スリンガーフランジ82は、内輪2とバッキングリング100Aとに挟まれていることになる。その結果、スリンガー8の脱落を防止することができる。
図4に示すように、スリンガー8には、摩耗を防ぐためのゴム被膜9が設けられている。なお、図4では、説明の都合上、バッキングリング100Aを軸方向Aに沿って内輪2から離間させた様子を図示する。ゴム被膜9は、フランジ先端823に設けられた先端被膜部91と、フランジ正面821に設けられた正面被膜部92と、バンド突出部812の内径面に設けられた内周被膜部93と、を含む。正面被膜部92は、バッキングリング100Aの先端面102が押し当てられる第1の被膜部921と、内壁端面723bとは接することなく離間した第2の被膜部922と、を含む。そして、第1の被膜部921の被膜厚みは、第2の被膜部922の被膜厚みより大きい。内周被膜部93は、第1の内壁ラビリンス面723aとは対面しない。バンドラビリンス面812aのうち、第1のラビリンス構造L1を構成する部分には、被膜が設けられていない。
以下、円筒ころ軸受1Aの作用効果について説明する。
円筒ころ軸受1Aは、外輪3と、外輪3の内側に配置された内輪2と、外輪3の内径面と内輪2の外径面との間に配置された円筒形状である複数の円筒ころ4と、第1の内壁ラビリンス面723aを有し、外輪3に取り付けられて外輪3の端面から軸方向Aに突出するオイルシール7と、バンドラビリンス面812aを有し、内輪2に取り付けられて内輪2の端面から軸方向Aに突出するスリンガー8と、を備える。オイルシール7及びスリンガー8は、円筒ころ4が配置される外輪3と内輪2との隙間を覆う。第1の内壁ラビリンス面723aは、バンドラビリンス面812aに対して対面する。第1の内壁ラビリンス面723aとバンドラビリンス面812aとの間には、隙間が形成されている。
この構成によれば、オイルシール7が外輪3に取り付けられており、さらに、スリンガー8が内輪2に取り付けられている。オイルシール7に設けられた第1の内壁ラビリンス面723aとスリンガー8に設けられたバンドラビリンス面812aとによって、第1のラビリンス構造L1が構成される。その結果、内輪2と外輪3との間での相対的な回転運動を許容することができる。そして、オイルシール7及びスリンガー8は、外輪3と内輪2との間の隙間を覆っている。従って、オイルシール7及びスリンガー8という2個の部品で実現できる簡易な構成によって、内輪2と外輪3との間の領域を密封する非接触の密封構造6を形成できる。
更に、密封型の円筒ころ軸受1A、1Bは、オイルシール7及びスリンガー8によって第1のラビリンス構造L1を構成すると共に、オイルシール7及びバッキングリング100Aによって第2のラビリンス構造L2を構成する。これにより密封効果がより向上する。スリンガー8のバッキングリング100Aと接する表面には、ゴム被膜9を設ける。ゴム被膜9は、スリンガー8とバッキングリング100Aの間におけるパッキンとして機能する。さらに、ゴム被膜9は、内輪正面23とバッキングリング100Aの間で生じるフレッチング摩耗粉が軸受の内部へ侵入することを防止する。スリンガー8は内輪2の正面側外径面212ではめ合う。さらに、スリンガー8は、内輪正面23で位置決めされる円環部品である。このようなスリンガー8によれば、比較的安価に第1のラビリンス構造L1及び第2のラビリンス構造L2を構成できる。また、密封構造6を分解する時には、内輪背面24をプレス機で押し、スリンガー8等がオイルシール7を押すこと等により、オイルシール7を外輪3から分解することが可能である。つまり、オイルシール7を外輪3から取り外すときに、特殊な治工具は不要である。
円筒ころ軸受1A、1Bは、オイルシール7、スリンガー8及びバッキングリング100Aにより2段のラビリンス構造L1、L2を構成する。この場合に、スリンガー8は、内輪2がはまり込んでいるので、スリンガー8の固定には、バッキングリング100Aは必ずしも必要ではない。その結果、バッキングリング100Aの形状をスリンガー8に付随させる必要がないので、部品の汎用性を向上できる。
円筒ころ軸受1Aのスリンガー8は、内輪2の端面に接触しながら径方向Rに延びるスリンガーフランジ82を含む。内輪2の端面及びスリンガーフランジ82は、バッキングリング100Aから押圧力を受ける。フランジ正面821には、第1の被膜部921が設けられる。この構成によれば、スリンガー8において押圧力を受ける部分を第1の被膜部921によって保護することができる。その結果、いわゆるフレッチング摩耗に起因する異物の発生を抑制できる。
円筒ころ軸受1Aのスリンガー8は、スリンガーフランジ82から軸方向Aに沿って円筒ころ4から離れる向きに延びると共に、バンドラビリンス面812aを含むバンド突出部812を有する。バンド突出部812は、オイルシール7の内側に位置する。バンド突出部812によれば、第1のラビリンス構造L1を容易に構成することができる。
円筒ころ軸受1Aのスリンガー8は、スリンガーフランジ82から軸方向Aに沿って円筒ころ4に近づく向きに延びると共に、内輪2の正面側外径面212に接するバンド取付部811を有する。バンド取付部811が内輪2の内径面と当接する面は、バンド突出部812のバンドラビリンス面812aに対して面一である。この構成によれば、スリンガー8の形状を簡素にすることができる。
円筒ころ軸受1Aにおいて、軸方向Aに沿ったバンド突出部812の長さは、軸方向Aに沿ったバンド取付部811の長さよりも長い。この構成によれば、第1の内壁ラビリンス面723aに対面するバンドラビリンス面812aを拡大することができる。その結果、ラビリンス構造の密封性を高めることができる。
円筒ころ軸受1Aのオイルシール7は、第1の内壁ラビリンス面723aを含み、内輪2に向かって延びる突出内壁723を有する。突出内壁723は、スリンガー8のスリンガーフランジ82に対面する内壁端面723bを含む。スリンガーフランジ82において、内壁端面723bと対面する部分には、第2の被膜部922が設けられる。第2の被膜部922によれば、フレッチング摩耗に起因する異物の発生をさらに抑制できる。
円筒ころ軸受1Aの第1の被膜部921の厚みは、第2の被膜部922の厚みより大きい。この構成によれば、フレッチング摩耗に起因する異物の発生をいっそう抑制できる。
円筒ころ軸受1Aにおいて、第1の内壁ラビリンス面723aからバンドラビリンス面812aまでの距離は、内壁端面723bからスリンガーフランジ82までの距離より短い。この構成によれば、スリンガー8と内輪2との接触機会をなくすことができる。従って、フレッチング摩耗に起因する異物の発生をいっそう抑制できる。
複列円筒ころ軸受1Sは、第1の円筒ころ軸受1Aと、第2の円筒ころ軸受1Bと、を備える。第1の円筒ころ軸受1Aの正面側には、オイルシール7及びスリンガー8が取り付けられる。第2の円筒ころ軸受1Bの正面側にも、オイルシール7及びスリンガー8が取り付けられる。第1の円筒ころ軸受1Aの背面は、第2の円筒ころ軸受1Bの背面に当接する。複列円筒ころ軸受1Sは、簡易な構成によって密封構造6を形成する第1の円筒ころ軸受1A及び第2の円筒ころ軸受1Bを備えている。従って、複列円筒ころ軸受1Sは、簡易な構成によって、軸受の内部への異物の侵入を抑制できる。
以上、本発明に係る転がり軸受及び転がり軸受ユニットに関し、好ましくは円筒ころ軸受及び複列円筒ころ軸受をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1A,1B…円筒ころ軸受、1S…複列円筒ころ軸受、2…内輪、21…内輪外面、211…内輪軌道面、212…正面側外径面、213…ころ当接面、214…内輪突き当て面、215…内輪段差面、22…内輪内面、23…内輪正面、24…内輪背面、3…外輪、31…外輪外面、32…外輪内面、321…外輪軌道面、322…背面側内径面、323…ころ当接面、324…外輪拘束面、325…外輪突き当て面、33…外輪正面、34…外輪背面、4…円筒ころ、41…ころ周面、42…ころ正面、43…ころ背面、5…保持器、6…密封構造、7…オイルシール、71…シール取付部、711…取付外壁、711a…外壁外径面、711b…シール取付端面、712…取付底壁、72…シール突出部、721…突出外壁、722…突出底壁、723…突出内壁、723a…第1の内壁ラビリンス面、723b…内壁端面、723c…第2の内壁ラビリンス面、8…スリンガー、81…スリンガーバンド、811…バンド取付部、812…バンド突出部、812a…バンドラビリンス面、82…スリンガーフランジ、821…フランジ正面、822…フランジ背面、823…フランジ先端、9…ゴム被膜、91…先端被膜部、92…正面被膜部、921…第1の被膜部、922…第2の被膜部、93…内周被膜部、100A,100B…バッキングリング、101…外径面、102…先端面、A…軸方向、C…周方向、L1…第1のラビリンス構造、L2…第2のラビリンス構造、LA…軸線、R…径方向。
Claims (9)
- 外輪と、
前記外輪の内側に配置された内輪と、
前記外輪の内径面と前記内輪の外径面との間に配置された複数の転動体と、
第1のラビリンス面を有し、前記外輪に取り付けられて前記外輪の端面から軸方向に突出する第1のカバー部材と、
第2のラビリンス面を有し、前記内輪に取り付けられて前記内輪の端面から前記軸方向に突出する第2のカバー部材と、を備え、
前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材は、前記転動体が配置される前記外輪と前記内輪との隙間を覆い、
前記第1のラビリンス面は、前記第2のラビリンス面に対して対面し、
前記第1のラビリンス面と前記第2のラビリンス面との間には、隙間が形成されている、転がり軸受。 - 前記第2のカバー部材は、前記内輪の端面に接触しながら径方向に延びるフランジ部を含み、
前記内輪の端面及び前記フランジ部は、押圧部材から押圧力を受け、
前記フランジ部の前記押圧力を受ける面には、第1の被膜部が設けられている、請求項1に記載の転がり軸受。 - 前記第2のカバー部材は、前記フランジ部から軸線に沿って前記転動体から離れる向きに延びると共に、前記第2のラビリンス面を含む外向きバンド部を有し、
前記外向きバンド部は、前記第1のカバー部材の内側に位置する、請求項2に記載の転がり軸受。 - 前記第2のカバー部材は、前記フランジ部から前記軸線に沿って前記転動体に近づく向きに延びると共に、前記内輪の外径面に接する内向きバンド部を有し、
前記内向きバンド部が前記内輪の外径面と当接する面は、前記外向きバンド部の前記第2のラビリンス面に対して面一である、請求項3に記載の転がり軸受。 - 前記軸線に沿った前記外向きバンド部の長さは、前記軸線に沿った内向きバンド部の長さよりも長い、請求項4に記載の転がり軸受。
- 前記第1のカバー部材は、前記第1のラビリンス面を含み、前記内輪に向かって延びる壁部を有し、
前記壁部は、前記第2のカバー部材の前記フランジ部に対面する壁端面を含み、
前記第2のカバー部材の前記フランジ部において、前記壁端面と対面する部分には、第2の被膜部が設けられている、請求項2~5のいずれか一項に記載の転がり軸受。 - 前記第1の被膜部の厚みは、前記第2の被膜部の厚みより大きい、請求項6に記載の転がり軸受。
- 前記第1のラビリンス面から前記第2のラビリンス面までの距離は、前記壁端面から前記フランジ部までの距離より短い、請求項6又は7に記載の転がり軸受。
- 請求項1に記載の第1の転がり軸受と、
請求項1に記載の第2の転がり軸受と、を備え、
前記第1の転がり軸受における一方の側の端面には、前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材が取り付けられ、
前記第2の転がり軸受における一方の側の端面には、前記第1のカバー部材及び前記第2のカバー部材が取り付けられ、
前記第1の転がり軸受の他方の側の端面は、前記第2の転がり軸受の他方の端面に当接する、転がり軸受ユニット。
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Family Applications (1)
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- 2021-08-24 JP JP2021136167A patent/JP2023030822A/ja active Pending
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