JP5182145B2 - ボールねじ - Google Patents
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しかし、ダブルナット予圧方式のボールねじは、従来、ナット側螺旋溝とねじ軸側螺旋溝の螺旋溝直角断面形状がゴシックアーク形状であることから、図6に示すように、ねじ軸の回転に伴ってボール5が転がり運動をすると、微小ではあるが、矢印で示す方向(転がり方向と直角方向)にボール5が変位し、ナット側螺旋溝3又はねじ軸側螺旋溝4に食い込む。そして、ボール5がナット側螺旋溝3又はねじ軸側螺旋溝4に食い込むと、螺旋溝3,4に対するボール5の接触形態が作動時に2点接触から3点接触に変化するため、摩擦トルクの増大を招く原因となっている。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、作動方向が正方向から逆方向に切り替わるときに大きなトルク変動が生じることを防止できると共に、予圧調整時に過大予圧となることを防止することのできるボールねじを提供することにある。
本発明に係るボールねじにおいては、前記螺旋回路が多条ねじとして構成され、その条間のねじ軸側螺旋溝とナット側螺旋溝のピッチを変えることができる。
本発明に係るボールねじにおいては、前記二つの分割部品がばね予圧されていてもよい。
本発明に係るボールねじにおいては、前記ボールより軟質の材料で形成され且つ前記ボールより小さい直径のスペーサボールを前記ボールの間に有することができる。
ボール5は、ナット1A側とナット1B側とで螺旋回路をそれぞれ形成している。また、ボール5はナット1A,1Bの軸方向移動に伴って螺旋溝3,4の間を転走するようになっており、ナット1Aとナット1Bとの間には、ボール5に予圧を付与する予圧付与部材として間座6が介挿されている。さらに、ボール5は例えば合金鋼などの金属材料で形成されており、各ボール5の間には、ボール5より軟質の材料(例えば合成樹脂)で形成され且つボール5より小さい直径のスペーサボール7が介挿されている。
ナット側螺旋溝3は、その螺旋溝直角断面形状がボール5の半径より大きい曲率半径Rnを有するサーキュラアーク形状となるように、ナット1A,1Bの内周面に形成されている。また、ねじ軸側螺旋溝4は、その螺旋溝直角断面形状が曲率中心の異なる2つの同一円弧を組み合わせた略V字状であるゴシックアーク形状となるように、ねじ軸2の外周面に形成されている。
なお、ボールねじの作動時にナット1A,1Bに作用する外部荷重としては、ボール5に付与される予圧荷重より小さい外部荷重が好ましく、具体的には、例えばボールねじに付設されるシールの抵抗等を含む荷重が予圧荷重の1/100以下、あるいは静定格荷重の1/1000以下であることが望ましい。
さらに、図1に示した第1の実施形態では、ボール5を無限循環させるボール循環部材としてボールリターンチューブ8を例示したが、ボール循環部材として例えばエンドデフレクタ等を用いた内部循環式のボールねじについても本発明を適用することが可能である。
また、図1に示した第1の実施形態では、ナット側に形成されたボール戻し経路をボールが循環する形式のボールねじを例示したが、例えば特開2005−344782号公報に示されている形式のボールねじ、すなわち、ねじ軸側に形成されたボール戻し経路をボールが循環する形式のボールねじについても本発明を適用することが可能である。
2 ねじ軸
3 ナット側螺旋溝
4 ねじ軸側螺旋溝
5 ボール
6 間座
7 スペーサボール
8 ボールリターンチューブ
Claims (6)
- ナットと、前記ナット内を軸方向に貫通するねじ軸と、前記ナットの内周面に形成されたナット側螺旋溝と前記ねじ軸の外周面に形成されたねじ軸側螺旋溝との間に転動自在に設けられた多数のボールとを具備し、前記ボールが複数巻の螺旋回路を形成し、前記ナットの軸方向中央近傍部分のリードを予圧量だけ大きくすることにより予圧が付与されるボールねじにおいて、
前記ナット側螺旋溝と前記ボールとの接触点と前記ねじ軸側螺旋溝と前記ボールとの接触点とを結ぶ直線に対して略直交し且つ前記ボールの中心を通る仮想直線を引き、前記仮想直線と前記両螺旋溝とが交差する点における、前記ボールと前記ナット側螺旋溝との間の前記仮想直線方向の隙間の大きさと、前記ボールと前記ねじ軸側螺旋溝との間の前記仮想直線方向の隙間の大きさとが、前記ナット及び前記ねじ軸が回転していない状態においては、異なっており、
前記ナット又は前記ねじ軸を略無負荷状態で軸方向に移動させたときに前記ナット側螺旋溝と前記ボールとの接触点の数及び前記ねじ軸側螺旋溝と前記ボールとの接触点の数の合計が、前記ナットのリードを予圧量だけ大きくした前記軸方向中央近傍部分を境にして、軸方向一方で2点、軸方向他方で3点となっていることを特徴とするボールねじ。 - 請求項1記載のボールねじであって、前記ねじ軸側螺旋溝と前記ナット側螺旋溝のうち一方の螺旋溝の螺旋溝直角断面形状がゴシックアーク形状であり、他方の螺旋溝の螺旋溝直角断面形状がサーキュラアーク形状であることを特徴とするボールねじ。
- 請求項1又は2記載のボールねじであって、前記螺旋回路が多条ねじとして構成され、その条間のねじ軸側螺旋溝とナット側螺旋溝のピッチを変えることを特徴とするボールねじ。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載のボールねじであって、前記ナットが二つの分割部品からなることを特徴とするボールねじ。
- 請求項4記載のボールねじであって、前記二つの分割部品がばね予圧されていることを特徴とするボールねじ。
- 請求項1〜5のいずれか一項記載のボールねじであって、前記ボールより軟質の材料で形成され且つ前記ボールより小さい直径のスペーサボールを前記ボールの間に有することを特徴とするボールねじ。
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