JP4967809B2 - ボールねじ用接触シール - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば電動射出成形機などで使用されるボールねじのナット内を密封するボールねじ用接触シールに関する。
電動射出成形機などで使用されるボールねじは、ねじ軸と、このねじ軸の外周面に形成されたねじ溝と対向するねじ溝を内周面に有するナットとを備えており、ねじ軸とナットの両ねじ溝間には多数のボールが転動自在に組み込まれている。このようなボールねじのボールはねじ軸の回転運動に伴ってねじ溝のフランクを転動するため、ねじ軸に付着した塵埃や摩耗粉などの異物がナット内に入り込むと、ナット内に入り込んだ異物によってボールの転がり運動が阻害され、焼付きなどの損傷が生じることがある。そこで、ナット内への異物の侵入等を防ぐために、弾性材からなるシールリングの内側周縁部に薄肉の弾性シール片(「リップ」とも称す)をシールリングの全周に有する接触シールをナットの端部に取り付け、弾性シール片の先端部をボールねじのねじ軸外周面に形成されたねじ溝に接触させてナット内を密封するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)
特開平10−252856号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたものでは、ナットをねじ軸の軸方向に高速で移動させると、ねじ軸に付着した潤滑剤によって弾性シール片がねじ軸の外周面に形成されたねじ溝のフランクから離間する方向に弾性変形する。このため、弾性シール片の先端部とねじ溝のフランクとの間に隙間が発生し、この隙間から潤滑剤がナットの外部に漏れ出るおそれがあり、これを防止するために、弾性シール片の曲げ剛性を大きくすると、ねじ溝のフランクに圧接する弾性シール片の圧接力が大きくなるため、ボールねじのねじ軸を駆動するのに大きな駆動トルクを要するという問題がある。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ボールねじの摩擦トルク増加を抑制しつつシール性能を高めることのできるボールねじ用接触シールを提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るボールねじ用接触シールは、薄肉の弾性シール片を内周面に有し、前記弾性シール片の先端部をボールねじのねじ軸外周面に形成されたねじ溝に接触させたボールねじ用接触シールにおいて、前記ねじ軸の表面に付着した付着物から受ける軸方向力によって弾性シール片がねじ軸から離間する方向に弾性変形する領域における弾性シール片のねじ軸に対する圧接力を他の領域より大きくし、前記圧接力を他の領域より大きくする手段として、前記ねじ軸から離間する方向に弾性変形する領域における弾性シール片の肉厚を他の領域より大きくしたことを特徴とする。
請求項記載の発明に係るボールねじは、請求項記載のボールねじ用接触シールを備えたことを特徴とする
求項記載の発明に係る直動装置は、請求項記載のボールねじを備えたことを特徴とする。
請求項記載の発明に係る電動射出成形機は、請求項記載のボールねじを備えたことを特徴とする。
請求項記載のボールねじ用接触シールによれば、ボールねじのねじ軸外周面に形成されたねじ溝のフランクに接触する部分の弾性シール片がねじ溝から離れる方向に変形し難くなるため、ボールねじのナット内に封入された潤滑剤がボールねじのねじ軸外周面に形成されたねじ溝と弾性シール片との間から漏れ出ることを抑制することができる。
請求項記載の発明に係るボールねじによれば、潤滑剤や異物が弾性シール片を動かす力は回転速度の上昇に伴い上昇するが、弾性シール片に設けられた突起により潤滑剤や異物の大半を阻止するので、回転速度の相違による効果が安定する
以下、図1〜図7を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1はボールねじの概略構成を示す図であって、同図に示されるボールねじは、ねじ軸1と、このねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と対向するねじ溝(図示せず)を内周面に有するナット3と、このナット3のねじ溝とねじ軸1のねじ溝2との間に転動自在に組み込まれた多数のボール(図示せず)とを具備しており、ナット3の一端部と他端部には、円筒状のシールキャップ5が複数の尖りねじ4(図2参照)によって取り付けられている。
シールキャップ5はナット3の内周面に嵌合する小径円筒部5a(図3参照)を有しており、この小径円筒部5aの外周面には、尖りねじ4の先端部と係合する抜け止め溝6が小径円筒部5aの全周に亘って形成されている。また、シールキャップ5はナット3の端面に当接する円環状のシール面5bを有しており、このシール面5bにはOリング収容溝7が形成されている。さらに、シールキャップ5はシール面5bと反対側の端面に円環状のシール取付け面5cを有しており、このシール取付け面5cには、本発明の第1の実施形態に係るボールねじ用接触シール9が複数のシール取付け用ねじ8によって取り付けられている(図2参照)。
ボールねじ用接触シール9は、図4及び図5に示すように、円環状のシールリング10と、このシールリング10をシールキャップ5(またはナット3)に装着するためのシールリング取付け板11とからなり、シールリング10の内側周縁部には、薄肉の弾性シール片(「シールリップ」とも称す)12がシールリング10と一体に且つシールリング10の全周に亘って形成されている。
シールリング10は例えばフッ素ゴム、フッ素系エラストマ、シリコンゴムなどの弾性材から形成され、加硫接着などの方法によってシールリング取付け板11に固着されている。
シールリング取付け板11は金属板を円環状にプレス加工して形成されており、このシールリング取付け板11には、シールリング取付け板11をシールキャップ5の端面にねじ止めするための取付け孔13,14,15(図4参照)がシールリング取付け板11の円周方向にほぼ等間隔で穿設されているとともに、シールリング取付け板11からのシールリング10の剥離を防止する複数の貫通孔17(図5参照)が穿設されている。
弾性シール片12は、その先端部がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2のフランクに弾接している。また、弾性シール片12はボールねじのナット側に傾斜しており、ねじ溝2のナット側フランク2a(図6参照)に接触する部分(好ましくは、ねじ溝2の溝底中心からの角度が40度以上のナット側フランク2aに接触する部分)の弾性シール片12には、弾性シール片12を補強する補強用リブ16(図6参照)が弾性シール片12と一体に設けられている。なお、補強用リブ16の向きは図4に示す向きと反対であってもよい。
このような接触シール9を備えたボールねじのねじ軸1が高速で回転すると、これに伴ってナット3が例えば図2中右方に高速で直線運動する。そして、ナット3が図2中右方に高速で直線運動すると、ねじ軸1に付着した潤滑剤が弾性シール片12を押すことによって左方に変形させる力が弾性シール片12に働く。図2で下方に示す部分では、この力は弾性シール片12をフランク2bに圧接する作用となるので、潤滑剤が漏れ難いが、上方に示す部分では、この力が弾性シール片12をフランク2aから離す方向となるので、潤滑剤が漏れ易い。本実施例では、この部分(ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分)の弾性シール片12に補強リブ16を設けることで、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12の剛性が向上し、ねじ溝2のナット側フランク2aと弾性シール片12との間に潤滑剤の漏洩を許容する隙間が生じ難くなるので、ナット3の内部に封入された潤滑剤がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と弾性シール片12との間から漏れ出ることを抑制することができる。
上述した第1の実施形態では、接触シール9をシールキャップ5に取り付けたものを例示したが、これに限られるものではなく、図8に示す第2実施形態のように、接触シール9をナット3の端面に直接的に取り付けてもよい。
次に、図9〜図12を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。
図9はボールねじの一部を示す図であって、同図に示されるボールねじは、ねじ軸1と、このねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と対向するねじ溝(図示せず)を内周面に有するナット3と、このナット3のねじ溝とねじ軸1のねじ溝2との間に転動自在に組み込まれた多数のボール(図示せず)とを具備しており、ナット3の図中左側端部には、シールキャップ5が複数の尖りねじ4によって取り付けられている。
シールキャップ5は円筒状をなしており、このシールキャップ5には、本発明の第3の実施形態に係るボールねじ用接触シール18が複数のシール取付け用ねじ8によって取り付けられている。
ボールねじ用接触シール18は、図10に示すように、円環状のシールリング10と、このシールリング10をシールキャップ5(またはナット3)に装着するためのシールリング取付け板11とからなり、シールリング10の内側周縁部には、薄肉の弾性シール片12がシールリング10の全周に亘って形成されている。
シールリング10は例えばフッ素ゴム、フッ素系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、シリコンゴムなどの弾性材から形成され、加硫接着などの方法によってシールリング取付け板11に固着されている。また、シールリング10は、ねじ溝2のナット側フランク2aに位置する部分の径方向長さがねじ溝2の非ナット側フランク2bに位置する部分の径方向長さより短くなっている。
シールリング取付け板11は金属板を円環状にプレス加工して形成されており、このシールリング取付け板11には、シールリング取付け板11をシールキャップ5の端面にねじ止めするための取付け孔13,14,15(図10参照)がシールリング取付け板11の円周方向に沿って円弧状に形成されている。
弾性シール片12は、シールリング10と一体に形成されている。また、弾性シール片12はボールねじのナット側に傾斜している。さらに、弾性シール片12はその先端部がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2に接触するようにシールリング10の内側周縁部に形成されており、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分(好ましくは、ねじ溝2の溝底中心からの角度が40度以上のナット側フランク2aに接触する部分)の弾性シール片12のねじ軸1と組み合せたときの撓み代が大きくなるようにシール内径を小さくする方向で基端部から先端部までの長さを、ねじ溝2の非ナット側フランク2bに接触する部分の弾性シール片12の基端部から先端部までの長さより長くしている。
図12において、y,y,yは弾性シール片12の撓み代を示しており、本実施形態では、y>y>yとなっている。
このような接触シール18を備えたボールねじのねじ軸1が高速で回転すると、これに伴ってナット3が例えば図9中右方に高速で直線運動する。そして、ナット3が図9中右方に高速で直線運動すると、ねじ軸1に付着した潤滑剤により弾性シール片12が押されることによって左方に変形させる力が弾性シール片12に働く。図9で下方に示す部分では、この力は弾性シール片12をフランク2bに圧接する作用となるので、潤滑剤が漏れ難いが、上方に示す部分では、この力が弾性シール片12をフランク2aから離す方向となるので、潤滑剤が漏れ易い。本実施例では、この部分(ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分)の弾性シール片12の基端部から先端部までの長さを長くすることで、図12に示すように、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12のほうがねじ溝2の非ナット側フランク2bに接触する部分の弾性シール片12よりも組付け時の撓み量が大きくなる。これにより、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12のほうがねじ溝2の非ナット側フランク2bに接触する部分の弾性シール片12よりもねじ溝2に対する圧接力が大きくなり、ねじ溝2のナット側フランク2aと弾性シール片12との間に潤滑剤の漏洩を許容する隙間が生じ難くなるので、ナット3の内部に封入された潤滑剤がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と弾性シール片12との間から漏れ出ることを抑制することができる。
次に、図13〜図16を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。
図13はボールねじの一部を示す図、図14は図13に示す接触シール20を図13の矢印Y方向から視た図であって、図13に示されるボールねじは、ねじ軸1と、このねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と対向するねじ溝(図示せず)を内周面に有するナット3と、このナット3のねじ溝とねじ軸1のねじ溝2との間に転動自在に組み込まれた多数のボール(図示せず)とを具備しており、ナット3の図中左側端部には、シールキャップ5が複数の尖りねじ4によって取り付けられている。
シールキャップ5は円筒状をなしており、このシールキャップ5の図中左側端面には、本発明の第4の実施形態に係るボールねじ用接触シール20が複数のシール取付け用ねじ8によって取り付けられている。
ボールねじ用接触シール20は、図14に示すように、円環状のシールリング10と、このシールリング10をシールキャップ5(またはナット3)に装着するためのシールリング取付け板11とからなり、シールリング10の内側周縁部には、薄肉の弾性シール片12がシールリング10の全周に亘って形成されている。
シールリング10は例えばフッ素ゴム、フッ素系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、シリコンゴムなどの弾性材から形成され、加硫接着などの方法によってシールリング取付け板11に固着されている。
シールリング取付け板11は金属板を円環状にプレス加工して形成されており、このシールリング取付け板11には、シールリング取付け板11をシールキャップ5の端面にねじ止めするための取付け孔13,14,15(図15参照)がシールリング取付け板11の円周方向にほぼ等間隔で穿設されているとともに、シールリング取付け板11からのシールリング10の剥離を防止する複数の貫通孔17(図16参照)が穿設されている。
弾性シール片12は、シールリング10と一体に形成されている。また、弾性シール片12はボールねじのナット側に傾斜している。また、弾性シール片12はその先端部がねじ軸1のねじ溝2に接触するようにシールリング10の内側周縁部に形成されており、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12の基端部から先端部までの長さL1は、図15及び図16に示すように、ねじ溝2の非ナット側フランク2bに接触する部分の弾性シール片12の基端部から先端部までの長さL2より短くなっている。
このような接触シール20を備えたボールねじのねじ軸1が高速で回転すると、これに伴ってナット3が例えば図13中右方に高速で直線運動する。そして、ナット3が図13中右方に高速で直線運動すると、ねじ軸1に付着した潤滑剤が押されることによって左方に変形させる力が弾性シール片12に働く。図13で下方に示す部分では、この力は弾性シール片12をフランク2bに圧接する作用となるので、潤滑剤が漏れ難いが、上方に示す部分では、この力が弾性シール片12をフランク2aから離す方向となるので、潤滑剤が漏れ易い。本実施例では、この部分(ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分)の弾性シール片12の長さを短くすることで、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12が変形し難くなる。これにより、ねじ溝2のナット側フランク2aと弾性シール片12との間に潤滑剤の漏洩を許容する隙間が生じ難くなるので、ナット3の内部に封入された潤滑剤がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と弾性シール片12との間から漏れ出ることを抑制することができる。
次に、図17〜図19を参照して本発明の第5の実施形態について説明する。
図17はボールねじの一部を示す図であって、同図に示されるボールねじは、ねじ軸1と、このねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と対向するねじ溝(図示せず)を内周面に有するナット3と、このナット3のねじ溝とねじ軸1のねじ溝2との間に転動自在に組み込まれた多数のボール(図示せず)とを具備しており、ナット3の図中左側端部には、シールキャップ5が複数の尖りねじ4によって取り付けられている。
シールキャップ5は円筒状をなしており、このシールキャップ5の図中左側端面には、本発明の第5の実施形態に係るボールねじ用接触シール22が複数のシール取付け用ねじ8によって取り付けられている。
ボールねじ用接触シール22は、図18に示すように、円環状のシールリング10と、このシールリング10をシールキャップ5(またはナット3)に装着するためのシールリング取付け板11とからなり、シールリング10の内側周縁部には、薄肉の弾性シール片12がシールリング10の全周に亘って形成されている。
シールリング10は例えばフッ素ゴム、フッ素系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、シリコンゴムなどの弾性材から形成され、加硫接着などの方法によってシールリング取付け板11に固着されている。
シールリング取付け板11は金属板を円環状にプレス加工して形成されており、このシールリング取付け板11には、シールリング取付け板11をシールキャップ5の端面にねじ止めするための取付け孔13,14,15(図18参照)が形成されている
弾性シール片12は、シールリング10と一体に形成されている。また、弾性シール片12はボールねじのナット側に傾斜している。さらに、弾性シール片12はその先端部がねじ軸1のねじ溝2に接触するようにシールリング10の内側周縁部に形成されており、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12には、磁石23(図18及び図19参照)が設けられている。
このような接触シール22を備えたボールねじのねじ軸1が高速で回転すると、これに伴ってナット3が例えば図18中右方に高速で直線運動する。そして、ナット3が図17中右方に高速で直線運動すると、ねじ軸1に付着した潤滑剤が押されることによって左方に変形させる力が弾性シール片12に働く。図17で下方に示す部分では、この力は弾性シール片12をフランク2bに圧接する作用となるので、潤滑剤が漏れ難いが、上方に示す部分では、この力が弾性シール片12をフランク2aから離す方向となるので、潤滑剤が漏れ易い。本実施例では、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12に磁石23が設けられているため、ねじ軸1と磁石23との間に発生した磁力によってねじ溝2に対する弾性シール片12の密着性が向上する。これにより、ねじ溝2のナット側フランク2aと弾性シール片12との間に潤滑剤の漏洩を許容する隙間が生じ難くなるので、ナット3の内部に封入された潤滑剤がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と弾性シール片12との間から漏れ出ることを抑制することができる。
上述した第5の実施形態では、磁石23を弾性シール片12の先端部近傍に設けたが、図20に示す第6の実施形態のように、磁石23を弾性シール片12の先端部に設けても同様の効果を得ることができる。
次に、図21〜図23を参照して本発明の第7の実施形態について説明する。
図21はボールねじの一部を示す図であって、同図に示されるボールねじは、ねじ軸1と、このねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と対向するねじ溝(図示せず)を内周面に有するナット3と、このナット3のねじ溝とねじ軸1のねじ溝2との間に転動自在に組み込まれた多数のボール(図示せず)とを具備しており、ナット3の図中左側端部には、シールキャップ5が複数の尖りねじ4によって取り付けられている。
シールキャップ5は円筒状をなしており、このシールキャップ5の図中左側端面には、本発明の第7の実施形態に係るボールねじ用接触シール24が複数のシール取付け用ねじ8によって取り付けられている。
ボールねじ用接触シール24は、図22に示すように、円環状のシールリング10と、このシールリング10をシールキャップ5(またはナット3)に装着するためのシールリング取付け板11とからなり、シールリング10の内側周縁部には、薄肉の弾性シール片12がシールリング10の全周に亘って形成されている。
シールリング10は例えばフッ素ゴム、フッ素系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、シリコンゴムなどの弾性材から形成され、加硫接着などの方法によってシールリング取付け板11に固着されている。
シールリング取付け板11は金属板を円環状にプレス加工して形成されており、このシールリング取付け板11には、シールリング取付け板11をシールキャップ5の端面にねじ止めするための取付け孔13,14,15(図22参照)がシールリング取付け板11の円周方向にほぼ等間隔で穿設されている。
弾性シール片12は、シールリング10と一体に形成されている。さらに、弾性シール片12はその先端部がねじ軸1のねじ溝2に接触するようにシールリング10の内側周縁部に形成されており、ねじ溝2のナット側フランク2aと接触する部分の弾性シール片12には、この弾性シール片12とねじ軸1のランド部との間に形成されるクサビ状空間28(図23参照)の開口部を塞ぐ突起25がねじ軸1の回転中心とほぼ平行に設けられている。また、ねじ溝2のナット側フランク2aに接触する部分の弾性シール片12の先端部は、ねじ溝2の非ナット側フランク2bと接触する部分の弾性シール片12の先端部より厚肉となっている。
このような接触シール24を備えたボールねじのねじ軸1が高速で回転すると、これに伴ってナット3が例えば図21中右方に高速で直線運動する。そして、ナット3が図21中右方に高速で直線運動すると、ねじ軸1に付着した潤滑剤がクサビ状空間28に押し込まれることによって左方に変形させる力が弾性シール片12に働き、この力が弾性シール片12をフランク2aから離す方向となるので、潤滑剤が漏れ易い。本実施例では、この部分(ねじ溝2のナット側フランク2aと接触する部分)の弾性シール片12に、クサビ状空間28の開口部を塞ぐ突起25を設けたことで、クサビ状空間28への潤滑剤の侵入を阻止しているので、ナット3の内部に封入された潤滑剤がねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と弾性シール片12との間から漏れ出ることを抑制することができる。
次に、図24〜図26を参照して本発明の第8の実施形態について説明する。
図24はボールねじの一部を示す図であって、同図に示されるボールねじは、ねじ軸1と、このねじ軸1の外周面に形成されたねじ溝2と対向するねじ溝(図示せず)を内周面に有するナット3と、このナット3のねじ溝とねじ軸1のねじ溝2との間に転動自在に組み込まれた多数のボール(図示せず)とを具備しており、ナット3の図中左側端部には、シールキャップ5が複数の尖りねじ4によって取り付けられている。
シールキャップ5は円筒状をなしており、このシールキャップ5の図中左側端面には、本発明の第8の実施形態に係るボールねじ用接触シール26が複数のシール取付け用ねじ8によって取り付けられている。
ボールねじ用接触シール26は、図25に示すように、円環状のシールリング10と、このシールリング10をシールキャップ5(またはナット3)に装着するためのシールリング取付け板11とからなり、シールリング10の内側周縁部には、薄肉の弾性シール片12がシールリング10の全周に亘って形成されている。
シールリング10は例えばフッ素ゴム、フッ素系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、シリコンゴムなどの弾性材から形成され、加硫接着などの方法によってシールリング取付け板11に固着されている。
シールリング取付け板11は金属板を円環状にプレス加工して形成されており、このシールリング取付け板11には、シールリング取付け板11をシールキャップ5の端面にねじ止めするための取付け孔13,14,15(図25参照)がシールリング取付け板11の円周方向にほぼ等間隔で穿設されている。
弾性シール片12は、シールリング10と一体に形成されている。また、弾性シール片12はその先端部がねじ軸1のねじ溝2に接触するようにシールリング10の内側周縁部に形成されており、ねじ溝2のナット側フランク2aと接触する部分の弾性シール片12には、ナット側フランク2aとの間に微小隙間を形成するラビリンス形状の凸部27(図26参照)が設けられている。凸部27はねじ溝2のナット側フランク2aと対向する対向面27aを有しており、この対向面27aには、ねじ溝2のナット側フランク2aと弾性シール片12との間に負圧を発生させる負圧発生用テーパ29が設けられている。
このような接触シール26を備えたボールねじのねじ軸1が高速で回転すると、これに伴ってナット3が例えば図24中右方に高速で直線運動する。そして、ナット3が図24中右方に高速で直線運動すると、ねじ軸1に付着した潤滑剤が押されることによって左方に変形させる力が弾性シール片12に働く。図24で下方に示す部分では、この力は弾性シール片12をフランク2bに圧接する作用となるので、潤滑剤が漏れ難いが、上方に示す部分では、この力が弾性シール片12をフランク2aから離す方向となるので、潤滑剤が漏れ易い。本実施例では、この部分(ねじ溝2のナット側フランク2aと接触する部分)の弾性シール片12にラビリンス形状の凸部27及び負圧発生用テーパ29を設けたことで、ラビリンス空間内の潤滑剤の圧力を低下させ、弾性シール片12に働く圧接力を大きくし、潤滑剤の漏れを防いでいる。
図27は本発明の第9の実施形態を示す図であって、この第9の実施形態では接触シール9の弾性シール片をナット3の内側に傾斜させている。このような構成によると、ナット内に封入された潤滑剤がナットの外部に漏出して周囲を汚染することを防止することができる。
図28は本発明の第10の実施形態を示す図であって、この第10の実施形態では接触シール9の弾性シール片をナット3の外側に傾斜させている。このような構成によると、ナット外のねじ軸に付着した異物がナットの内部に侵入することを防止できる。
図29は本発明の第11の実施形態を示す図であって、この第11の実施形態ではナット3の外側に向けて傾斜した弾性シール片を有する接触シール9とナット3との間に、ナット3の内側に向けて傾斜した弾性シール片を有する接触シール9を設けている。このような構成によると、ナット内に封入された潤滑剤がナットの外部に漏出して周囲を汚染することを防止できるとともに、ナット外のねじ軸に付着した異物がナットの内部に侵入することを防止できる。
ボールねじの全体構成を示す図である。 ボールねじの一部を示す図である。 シールキャップの断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るボールねじ用接触シールの正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 図5のA部における詳細を示す図である。 図6のB部における詳細を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示す図で、(a)はボールねじの一部を示す図、(b)はボールねじ用接触シールの正面図である。 ボールねじの一部を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るボールねじ用接触シールの正面図である。 図10に示すボールねじ用接触シールの断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るボールねじ用接触シールの作用効果を説明するための図である。 ボールねじの一部を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係るボールねじ用接触シールを図13の矢印Y方向から視た図である。 本発明の第4の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 ボールの一部を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係るボールねじ用接触シールの正面図である。 本発明の第5の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 ボールの一部を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係るボールねじ用接触シールの正面図である。 本発明の第7の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 ボールの一部を示す図である。 本発明の第8の実施形態に係るボールねじ用接触シールの正面図である。 本発明の第8の実施形態に係るボールねじ用接触シールの一部を示す断面図である。 本発明の第9の実施形態を示す図である。 本発明の第10の実施形態を示す図である。 本発明の第11の実施形態を示す図である。
符号の説明
1 ねじ軸
1a ランド部
2 ねじ溝
2a ナット側フランク
2b 非ナット側フランク
3 ナット
4 尖りねじ
5 シールキャップ
8 シール取付け用ねじ
9,18,20,22,24 ボールねじ用接触シール
10 シールリング
11 シールリング取付け板
12 弾性シール片
16 補強用リブ
23 磁石
25 動圧発生溝

Claims (4)

  1. 薄肉の弾性シール片を内周面に有し、前記弾性シール片の先端部をボールねじのねじ軸外周面に形成されたねじ溝に接触させたボールねじ用接触シールにおいて、
    前記ねじ軸の表面に付着した付着物から受ける軸方向力によって弾性シール片がねじ軸から離間する方向に弾性変形する領域における弾性シール片のねじ軸に対する圧接力を他の領域より大きくし
    前記圧接力を他の領域より大きくする手段として、前記ねじ軸から離間する方向に弾性変形する領域における弾性シール片の肉厚を他の領域より大きくしたことを特徴とするボールねじ用接触シール。
  2. 請求項記載のボールねじ用接触シールを備えたことを特徴とするボールねじ。
  3. 請求項記載のボールねじを備えたことを特徴とする直動装置。
  4. 請求項記載のボールねじを備えたことを特徴とする電動射出成形機。
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