JP2006307980A - シール装置および軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命を向上、および、コスト削減でき得るシール装置を提供する。
【解決手段】シール装置14は、回転軸82と当該回転軸82の周囲に配置されたハウジング80との隙間に配され、当該隙間に設けられた高圧の高圧室84をシールする。このシール装置14は、弾性材料からなる本体部材30と、剛性材料からなる補強部材40と、を備えている。本体部材30は、回転軸82に沿って高圧室側に延びて高圧室84の内圧を受ける部材であって、高圧室の内圧変化に応じて回転軸82との接触圧を変化させる部材を有する。補強部材40は、その一部が本体部材30の内部に埋め込まれており、当該本体部材30を補強するとともに、高圧室側に配された軸受12に当接して当該軸受12に予圧を付加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸と当該回転軸の周囲に配置された固定体との隙間に配され、当該隙間に設けられた高圧の密封対象空間をシールするシール装置およびシール装置を備えた軸受装置に関する。
従来から、様々な機器において、密封対象空間をシールするシール装置が用いられている。例えば、高圧ポンプでは、高圧流体が封入された高圧室を密封するべく、回転軸とハウジングとの間にシール装置を配し、高圧流体の流出を防止している。かかるシール装置の中には、ゴムなど弾性部材の弾性力によりシールを図るものも多い。
例えば、特許文献1には、ベアリングに固定される場合に特に好適な密封装置が開示されている。これは、軸方向に延びる軸方向部と当該軸方向部の一端から径方向に延びる径方向部とを備えた補強環と、当該補強環の周囲を覆うゴム状弾性体と、を備えている。このゴム状弾性体が回転軸と接触することにより密封機能が発揮される。また、補強環の径方向部がベアリングに突き当たることにより、密封装置の安定した固定が可能となっている。
また、特許文献2には、背圧型スクロール圧縮機の高圧室をシールするシール部材が開示されている。このシール部材は、高圧室と低圧室との間に配されている。そして、高圧室に高圧冷媒ガスが封入されると、当該高圧冷媒ガスからの圧力を受けて、高圧室と低圧室との隙間をより確実にシールするべく、シール部材が位置変動および形状変形するようになっている。換言すれば、密封対象空間の圧力に応じてシール部材と他部材との接触圧を変化できる構成となっている。
特開2002−71029公報 特開2002−54583公報
しかしながら、上記特許文献2では、シール部材が旋回部材(旋回スクロール)に大面積で接触する構成となっている。大面積で接触する場合、シール部材にかかる負荷が大きくなり、結果として、シール部材の寿命を縮めるという問題がある。また、特許文献1に記載の密封装置では、弾性体に形成された環状凹部に嵌め込まれたスプリング環により、弾性体と回転軸との接触圧を調整している。そのため、十分なシール性能を得られるが、一方で、弾性体に常に高い接触圧がかかり、弾性体の寿命を縮めるという問題がある。
さらに、回転軸を支持する軸受は、耐久性の向上等を図るために、予めある程度の荷重、いわゆる、予圧を与えることが望ましい。しかし、特許文献1,2のいずれにおいても、この予圧を考慮した記載はない。そのため、軸受に予圧を付加する場合は、新たに別部材を設ける必要があり、部品点数の増加、ひいては、コスト増加を招いていた。
そこで、本発明では、寿命を向上、および、コスト削減ができ得るシール装置および軸受装置を提供することを目的とする。
本発明のシール装置は、回転軸と当該回転軸の周囲に配置された固定体との隙間に配され、当該隙間に設けられた高圧の密封対象空間をシールするシール装置であって、弾性材料からなる本体部材と、剛性材料からなり、その一部が本体部材の内部に埋め込まれて当該本体部材を補強するとともに、密封対象空間に配された軸受を押圧して当該軸受に予圧を付加する補強部材と、を備え、本体部材は、回転軸に沿って密封対象空間側に延びる部材であって、密封対象空間の内圧を受けることにより密封対象空間の内圧変化に応じた接触圧で回転軸に接触する接触部を有することを特徴とする。
好適な態様では、本体部材は、回転軸径方向の断面形状が、密封対象空間側に開口する略コ字形状である。他の好適な態様では、接触部は、回転軸に近づくほど、回転軸方向の幅が小さくなる形状であって、回転軸にほぼ線状に接触する形状である。より具体的には、接触部は、回転軸径方向の断面形状が、回転軸との接触点を頂点とする略三角形状であることが望ましい。
他の好適な形態では、補強部材は、回転軸方向、密封対象空間側に延びて軸受を押圧する押圧部を備えており、当該押圧部は、回転軸径方向の断面形状が弧状に湾曲している。補強部材は、回転軸径方向の断面形状が、略コ字形状であることが望ましい。他の好適な形態では、補強部材は、低摩擦材料を介して軸受に当接する。
他の好適な形態では、弾性部材は、その端面から回転軸82近傍まで傾斜しながら延びて、密着部近傍への異物流入を防止する舌部を有する。この場合、密着部と舌部との間に潤滑剤が封入されることが望ましい。
他の本発明である軸受装置は、回転軸と当該回転軸の周囲に配置された固定体との隙間に配され、当該隙間に設けられた高圧の密封対象空間をシールするとともに、回転軸を回転可能に支持する軸受装置であって、密封対象空間に配されて、回転軸を回転自在に支持する軸受と、軸受に隣接して設けられ、密封対象空間をシールするシール装置と、を備え、シール装置は、弾性材料からなる本体部材と、剛性材料からなり、その一部が本体部材の内部に埋め込まれて当該本体部材を補強するとともに、軸受の一部を押圧して当該軸受に予圧を付加する補強部材と、を含み、本体部材は、回転軸に沿って密封対象空間側に延びる部材であって、密封対象空間の内圧を受けることにより密封対象空間の内圧変化に応じた接触圧で回転軸に接触する接触部を有することを特徴とする。
本発明によれば、密封対象空間の内圧に応じた接触圧を得られるため、シール装置の寿命向上を図れる。また、シール装置によって、軸受に予圧を与えることができるため、予圧付加のための専用部材を廃することができる。したがって、本発明によれば、寿命向上およびコスト削減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるシールベアリング10の使用形態の一例を示す図である。また、図2は、シールベアリング10のシール装置14の拡大図である。図1において、シールベアリング10は、高圧ポンプの回転軸82に装着されている。高圧ポンプは、周知の通り、高圧室84と呼ばれる密封空間の圧力を変化させ、この高圧室84の圧力と大気圧との圧力差を利用して流体の圧入、吐出を行う。この高圧室84を密封するとともに、高圧室84に挿通された回転軸82を回転自在に支持するためにシールベアリング10が用いられている。図1において、シールベアリング10の左側空間が高圧室84に、シールベアリング10の右側空間が外部空間86になる。
シールベアリング10は、回転軸82を回転自在に支持する軸受12と、当該軸受12に近接して高圧室84をシールするシール装置14と、に大別される。本実施形態において、軸受12は、従来のラジアル軸受と同様の構成となっている。すなわち、軸受12は、回転軸82に固着されて回転軸82と共に回転する回転レース20と、ハウジング80に固着されて静止する固定レース22と、両レース20,22の間に配されて回転レース20の回転に伴って回転する複数の玉24と、を備えている。この軸受12は、止め軸輪26等で所定位置に位置決めされている。
シール装置14は、軸受12の外部空間86側(図1において右側)に隣接して設けられている。このシール装置14は、回転軸82とハウジング80との隙間に配される環状体で、弾性材料からなる本体部材30と当該本体部材30を補強する補強部材40とを備えている。本体部材30は、ゴム等の弾性材料からなる環状部材で、ハウジング80および回転軸82と密着してシール機能を発揮するシール装置14の本体である。この本体部材30の径方向断面は、高圧空間側(図1,図2における左側)に開口した略コ字形状となっている。すなわち、本体部材30は、軸方向に延びてハウジング内面80aと密着する外周部32と、外周部32の外部空間側端部から径方向内周側に延びる側面部34と、側面部34の端部から軸方向高圧室側に延びて回転軸82に接触する内周部36と、を備えている。
外周部32は、ハウジング内面80aに大接触面積で接触できるよう、ハウジング内面80aに応じた形状となっている。すなわち、ハウジング内面80aが滑らかな円状面である場合には、外周部32も滑らかな円状面となる。これにより、ハウジング内面80aと外周部32との接触面積を大きくすることができ、両者間の密着度をより向上できる。
一方、内周部36は、回転軸82に対してほぼ線状に接触できるように、回転軸82に近づくほどその軸方向幅が小さくなる形状となっている。具体的には、内周部36の径方向断面は、回転軸82との接触点50を頂点とする略三角形状となっている。これにより回転軸82と内周部36との接触面積を必要最小限に抑えることができ、内周部36が回転軸82の回転を阻害することを防止できる。すなわち、高速で回転する回転軸82に対して、シール装置14は常時停止している。このシール装置14の一部である内周部36が高い接触圧で回転軸82に接触すると、回転軸82の回転を阻害し、高圧ポンプの駆動効率低下の一因となる。また、高い接触圧で回転軸82に接触すると、内周部36の磨耗も激しくなり、シール装置14全体の寿命を低下させる。そのため、本実施形態では、内周部36と回転軸82との接触面積が必要最低限になるべく、内周部36を回転軸82に近づくほどその軸方向幅が小さくなる形状としている。ただし、高いシール性が要求される場合、換言すれば、高圧室84と外部空間86との内圧差が大きい場合は、内周部36はある程度の面積で回転軸82に接触し、高い接触圧を得る必要がある。本実施形態では、後に詳説するが、この場合、内周部36は高圧室84からの圧力を受けて回転軸82方向に押圧され、その接触面積を広げることが出来るようになっている。
本体部材30には、さらに、内周部36と回転軸82との接触点50近傍への異物流入を防止するための舌部38が設けられている。この舌部38は、本体部材30の外部空間側端面から回転軸82近傍まで傾斜しながら延びる部材である。この舌部38によって、外部空間86にある異物(例えば、ゴミや水など)が堰き止められる。また、この舌部38は、内周部36と回転軸82との接触点50近傍に注入される潤滑剤52の流出を防止する役割も果たす。既述したように、回転する回転軸82と接触する内周部36は磨耗が生じやすい。この両者の摩擦を低減して磨耗を低減するために、内周部36と回転軸82との接触点50近傍には、グリース等の潤滑剤52が注入される。回転軸82近傍まで延びる舌部38があることにより、この潤滑剤52は、回転軸82、内周部36、および、舌部38で形成される空間内に長期間、留まることができる。
次に、補強部材40について説明する。補強部材40は、金属等の剛性材料からなる。この補強部材40は、本体部材30に、その一部が埋め込まれており、当該本体部材30を補強する環状部材である。この補強部材40も、本体部材30と同様に、その径方向断面が高圧室84側に開口した略コ字形状となっている。すなわち、軸方向に延びる上辺部42と下辺部46、および、上辺部42と下辺部46を接続する側辺部44を備えている。この補強部材40は、基本的には、本体部材30の内部に埋め込まれており、ハウジング内面80aおよび回転軸82に直接、接触できないようになっている。これは、当接対象物の形状に応じて微小変形可能な弾性材料からなる本体部材30のみがハウジング内面80aおよび回転軸82に接触して高いシール性能を発揮できるようにするためである。ただし、補強部材40のうち、側辺部44および下辺部46の高圧室側端面46aは、本体部材30から露出して、ハウジング80や軸受12の一部に直接、接触できるようになっている。
具体的には、補強部材40の側辺部44の端面は、本体部材30の側面部34から露出しており、ハウジング80の段差部側面80bに直接接触している。この接触により、シール装置14の軸方向の位置決めがなされる。すなわち、剛性体である側辺部44が、同じく剛性体であるハウジング80に当接する位置がシール装置14の配置位置になるのである。
また、補強部材40の下辺部46の高圧室側端面46aも、本体部材30から露出し、軸受12の回転レース20の端面に当接している。このように補強部材40の一部を軸受12に当接させるのは、軸受12に対して予圧を付加するためである。周知の通り、剛性向上や振動防止等の目的で、軸受に予め荷重を付加して、軸受内部の隙間を負の状態にして用いることがある。この予め付加される荷重、すなわち、予圧を付加するために、従来は、バネやシム、スペーサー等の予圧付加のための専用部品を設けていた。本実施形態では、かかる専用部品を廃するために、シール装置14の一部である補強部材40の下辺部46で軸受12の一部を押圧し、予圧を付加している。これにより部品点数を削減でき、装置全体のコストを低減できる。なお、本実施形態では、この予圧を適切に付加するために、下辺部46の径方向断面を、無負荷状態では、弧状に湾曲する形状としている。弧状とすることで、剛性材料からなる下辺部46が比較的小さい力で撓むようになり、下辺部46が軸受12の回転レース20を押圧するバネとして機能するのである。
ここで、既述したように回転レース20は、回転軸82の回転に伴い回転する。この回転する回転レース20に、常時静止している補強部材40が当接すると、摩擦による磨耗が生じやすくなる。この磨耗を低減するために、下辺部46は低摩擦材料を介して回転レース20に当接することが望ましい。具体的には、下辺部46と回転レース20との間に潤滑剤を塗布したり、下辺部46の端面、すなわち、回転レース20との当接面をテフロン(登録商標)樹脂等の低摩擦材料で形成したりすることが望ましい。
次に、このシール装置14サイズについて図3を用いて説明する。図3は、無負荷状態でのシール装置14の大きさを示す図である。図3にから明らかなように、無負荷状態において、シール装置14の軸方向幅D(舌部38を除く)は、軸受12の側端面からハウジング段差部の側面までの距離dより若干大きくなっている。かかるサイズのシール装置14を弾性変形させて軸受12とハウジング段差部との隙間に配することにより、シール装置14、特に、補強部材40の下辺部46に弾性復元力が働く。この弾性復元力により軸受12の回転レース20が軸方向に押圧され、予圧が付加される。
また、シール装置14の高さHは、回転軸82とハウジング80との隙間高さhより僅かに大きくなっている。かかるサイズのシール装置14、特に、本体部材30を弾性変形させて当該隙間に配することにより、ハウジング80と本体部材30との間に充分な接触圧が働き、高いシール性能を発揮できる。
また、無負荷状態におけるシール装置14の内半径r、すなわち、環状体であるシール装置14の中心点oから、本体部材30の内周部36の接触点50までの距離は、回転軸82の半径とほぼ同じになっている。既述したように、内周部36と回転軸82との接触圧が高い場合、シール装置14の寿命低下や回転軸82の回転力低下などを招く。そこで、無付加状態におけるシール装置14の内半径rは、回転軸82の半径とほぼ同じとし、無付加状態におけるシール装置14と回転軸82との接触圧低減を図っている。
次に、このシールベアリング10の作用、特に、シール装置14の作用について図4を用いて説明する。図4(A)は高圧室84の内圧が比較的小さい場合のシール装置14の様子を示す図であり、図4(B)は高圧室84の内圧が大きい場合のシール装置14の様子を示す図である。また、図4において、矢印は、シール装置14が受ける圧力を意味している。なお、図4においては、分かり易さのため軸受の図示は省略している。
既述したように、高圧ポンプは高圧室84の圧力を調整することにより流体の圧入や吐出を行う。したがって、高圧室84の内圧は、高圧ポンプの駆動に応じて大きく変化する。換言すれば、高圧室84と外部空間86との内圧差が、高圧ポンプの駆動に応じて大きく変化することになる。高圧室84と外部空間86との内圧差が変化すれば、高圧室84をシールするために必要なシール装置14とハウジング80および回転軸82との接触圧力も変化する。具体的には、高圧室84と外部空間86との内圧差が小さい場合には、シール装置14とハウジング80および回転軸82との接触圧力が比較的小さくても充分なシール性能を発揮できる。逆に、内圧差が大きい場合には、シール装置14とハウジング80および回転軸82との接触圧力が大きくなければ、充分なシール性能を発揮できない。
このうち、シール装置14とハウジング80とは共に静止部材であるため、常時、高い接触圧で接触させても問題はない。したがって、予め、両者の接触圧が高くなるように、シール装置14のサイズや材質を考慮していればよい。一方、回転軸82は回転部材であるため、シール装置14と回転軸82との接触圧を常に大きくすると、シール装置14の磨耗が激しくなり、シール装置14の寿命を大幅に低下させる。そこで、本実施形態では、シール装置14、特に、弾性材料からなる本体部材30を高圧室84に開口した略コ字形状とし、高圧室84の内圧に応じてシール装置14と回転軸82との接触圧が変化するようにしている。
すなわち、本体部材30の内周部36の上面は、高圧室84内に露出しており、高圧室84の内圧に応じた圧力を受ける。したがって、高圧室84の内圧が比較的小さい場合、換言すれば、シール装置と回転軸82との接触圧が比較的小さくてもよい場合(図4(A))、本体部材30の内周部36の上面は、比較的、小さい力で回転軸82へと押圧される。そのため、本体部材30の内周部36と回転軸82との接触圧も比較的小さくなる。その結果、本体部材30の内周部36に生じる磨耗を最小限に留めることができ、シール装置14の寿命を向上させることができる。
一方、高圧室84の内圧が大きい場合、換言すれば、シール装置14と回転軸82との接触圧が大きくなければならない場合は、本体部材30の内周部36の上面は、高圧室84の高い内圧を受けて、大きな力で回転軸82へと押圧される。そのため、本体部材30の内周部36は、押圧により一部弾性変形して、大面積、かつ、高接触圧で回転軸82に接触する。この結果、十分な接触圧を得ることができるので、高圧室84と外部空間86との内圧差が大きくても、高圧室84の内部の高圧流体を確実にシールすることができる。なお、このとき、当然、本体部材30の外周部32も高圧室84の内圧を受けて、ハウジング内面へと押圧される。その結果、シール装置14とハウジング80との接触圧も高まり、より確実なシールが図れる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、高圧室84の内圧変動に応じて、シール装置14と回転軸82との接触圧が変化し、常に適切な接触圧で高圧室84をシールできる。その結果、シール装置14の寿命を向上させつつ、高いシール性能を発揮ができる。また、シール装置14で、軸受12に予圧を付加できるため、予圧付加のための専用部品が不要となり、結果としてコストを削減できる。
なお、以上で説明した実施形態は一例であり、本発明の特徴を損なわない範囲であれば、適宜、形状や密封対象物等を変更してもよい。例えば、本実施形態では、高圧ポンプの高圧室84を密封する場合を例に説明したが、当然、高圧空間を密封する必要がある他の機器に適用してもよい。また、本実施形態では、シール装置14の本体部材の径方向断面を略コ字形状としているが、高圧空間の内圧を受けて回転軸82への接触圧を変化でき得る形状であれば、当然、他の形状でもよい。例えば、高圧空間側に開口した略C字形状や、高圧空間側に伸びる一辺を備えた略L字形状、略Z形状等でもよい。ただし、略L字形状の場合は、ハウジング80との間に充分な接触圧を得るために、図5に示すように、径方向に延びる部位の幅wを充分な長さにすることが必要である。
本発明の実施形態であるシールベアリングの使用形態の一例を示す図である。 シールベアリングのシール装置14周辺の拡大図である。 無負荷状態でのシール装置の大きさを示す図である。 高圧室の内圧変化によるシール装置の様子を示す図である。 シール装置の他の形態の一例を示す図である。
符号の説明
10 シールベアリング、12 軸受、14 シール装置、20 回転レース、22 固定レース、24 玉、30 本体部材、32 外周部、34 側面部、36 内周部、38 舌部、40 補強部材、42 上辺部、44 側辺部、46 下辺部、50 接触点、52 潤滑剤、80 ハウジング、82 回転軸、84 高圧室、86 外部空間。

Claims (10)

  1. 回転軸と当該回転軸の周囲に配置された固定体との隙間に配され、当該隙間に設けられた高圧の密封対象空間をシールするシール装置であって、
    弾性材料からなる本体部材と、
    剛性材料からなり、その一部が本体部材の内部に埋め込まれて当該本体部材を補強するとともに、密封対象空間に配された軸受を押圧して当該軸受に予圧を付加する補強部材と、
    を備え、
    本体部材は、回転軸に沿って密封対象空間側に延びる部材であって、密封対象空間の内圧を受けることにより密封対象空間の内圧変化に応じた接触圧で回転軸に接触する接触部を有することを特徴とするシール装置。
  2. 請求項1に記載のシール装置であって、
    本体部材は、回転軸径方向の断面形状が、密封対象空間側に開口する略コ字形状であることを特徴とするシール装置。
  3. 請求項1または2に記載のシール装置であって、
    接触部は、回転軸に近づくほど、回転軸方向の幅が小さくなる形状であって、回転軸にほぼ線状に接触する形状であることを特徴とするシール装置。
  4. 請求項3に記載のシール装置であって、
    接触部は、回転軸径方向の断面形状が、回転軸との接触点を頂点とする略三角形状であることを特徴とするシール装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のシール装置であって、
    補強部材は、回転軸方向、密封対象空間側に延びて軸受を押圧する押圧部を備えており、
    当該押圧部は、回転軸径方向の断面形状が弧状に湾曲していることを特徴とするシール装置。
  6. 請求項5に記載のシール装置であって、
    補強部材は、回転軸径方向の断面形状が、略コ字形状であることを特徴とするシール装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のシール装置であって、
    補強部材は、低摩擦材料を介して軸受に当接することを特徴とするシール装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のシール装置であって、
    弾性部材は、その端面から回転軸82近傍まで傾斜しながら延びて、密着部近傍への異物流入を防止する舌部を有することを特徴とするシール装置。
  9. 請求項8に記載のシール装置であって、
    密着部と舌部との間に潤滑剤が封入されることを特徴とするシール装置。
  10. 回転軸と当該回転軸の周囲に配置された固定体との隙間に配され、当該隙間に設けられた高圧の密封対象空間をシールするとともに、回転軸を回転可能に支持する軸受装置であって、
    密封対象空間に配されて、回転軸を回転自在に支持する軸受と、
    軸受に隣接して設けられ、密封対象空間をシールするシール装置と、
    を備え、シール装置は、
    弾性材料からなる本体部材と、
    剛性材料からなり、その一部が本体部材の内部に埋め込まれて当該本体部材を補強するとともに、軸受の一部を押圧して当該軸受に予圧を付加する補強部材と、
    を含み、
    本体部材は、回転軸に沿って密封対象空間側に延びる部材であって、密封対象空間の内圧を受けることにより密封対象空間の内圧変化に応じた接触圧で回転軸に接触する接触部を有することを特徴とする軸受装置。

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