JP5066787B2 - 密封構造 - Google Patents
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201との間で摺動してしまう。特に、この従来例の場合には、環状溝201の高圧側の側面との摺動によって、図中、Qで示す付近で、樹脂製シールリング301と弾性体製シールリング401との接着が剥がれてしまい、密封性能が低下してしまうことがある。
軸孔と、該軸孔の内周に設けられた環状溝とを有するハウジングと、
前記軸孔に挿通される回転軸と、
前記環状溝内に配置され、内周側に前記回転軸の外周面に摺動するシール面を備えた樹脂製シールリングと、
前記環状溝内に配置され、自己の弾性反発力により、前記樹脂製シールリングの外周面と前記環状溝の内周面にそれぞれ密着する弾性体製シールリングと、を備えた密封構造において、
前記樹脂製シールリングには、低圧側の端部に、外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられており、該環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面のうちの一方に凸部が設けられ、他方に該凸部に嵌合する凹部が設けられることで、前記環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面が互いに係合するように構成されると共に、
前記弾性体製シールリングにおける最も低圧側の部位が前記環状突出部における高圧側の端面に対して当接するように構成されていることを特徴とする。
特に、図1を参照して、密封構造全体の概略を説明する。本発明の実施例に係る密封構造は、回転軸10と、ハウジング20と、これらの間の環状隙間を密封する樹脂製シールリング30及び弾性体製シールリング40とから構成される。ハウジング20は、回転軸10が挿通される軸孔21と、この軸孔21の内周に設けられた環状溝22とを備えている。そして、樹脂製シールリング30及び弾性体製シールリング40は、ハウジング20に設けられた環状溝22内に配置される。また、図中(H)側が高圧側(例えば、密封されたオイル側)であり、(L)側が低圧側(例えば、大気側)である。また、本実施例においては、ハウジング20は固定されており、固定されたハウジング20に対して回転軸10が回転するように構成されている。
特に、図1〜図3を参照して、ハウジング20について更に詳しく説明する。ハウジング20には、回転軸10が挿通される軸孔21が備えられており、この軸孔21の孔径は、回転軸10の直径よりも僅かに大きくなるように設定されている(回転軸10の偏心の程度に応じて適宜設定される)。そして、この軸孔21の内周に、断面形状が矩形の環状溝22が設けられている。また、環状溝22の両側面のうち、使用状態において低圧側となる側面には、凸部23が設けられている。図3は環状溝22における低圧側の側面を示したもの、すなわち、図2において矢印V方向に見た図である。図に示すように、本実施例では、周方向の1箇所に、径方向に伸びる凸部23を設けている。
特に、図1及び図4〜図8を参照して、密封装置、すなわち、樹脂製シールリング30及び弾性体製シールリング40について更に詳しく説明する。
0.25×A≦T≦0.35×A
0.85×A≦T1≦0.95×A
0.95×B≦H≦0.98×B
0.20×H≦H1≦0.50×H
0.80×A≦U≦0.90×A
X≦10mm
Y≦3mm
を満たすようにすると好適である。なお、環状溝22に設けられた凸部23は、環状突出部32に設けられた凹部33にちょうど嵌合するように、高さ、幅、長さなどが設定される。特に、凸部23の幅はXと同じか僅かに小さくなるように設定し、凸部23の高さはYと同じか僅かに低くなるように設定する。
本実施例に係る密封構造によれば、樹脂製シールリング30の環状突出部32が、ハウジング20の環状溝22の側面に対して係合するため、樹脂製シールリング30がハウジング20の環状溝22に対して回転することがない。これにより、樹脂製シールリング30が回転軸10と供回りすることを防止できる。従って、樹脂製シールリング30,弾性体製シールリング40及びハウジング20は相対的に移動することはない。つまり、回転軸10が回転する場合には、回転軸10と樹脂製シールリング30との間でのみ摺動する部分が生じ、弾性体製シールリング40は、樹脂製シールリング30及びハウジング20のいずれに対しても摺動しない。従って、弾性体製シールリング40が摺動により磨耗してしまうことを防止できる。
と環状溝22との係合部分(つまり、凸部23と凹部33の嵌合部分)に悪影響を与えることはなく、また、この係合部分によって弾性体製シールリング40の一部が破損されてしまうことも抑制できる。この点に関して、図9を参照して更に詳細に説明する。
より確実に防止できる。また、環状突出部32,36の両方に係合用の凹部を設け、図中左右対称形状にすれば、片側で係合させる場合、及び両側で係合させる場合のいずれにおいても、樹脂製シールリング30aを組み込む際に方向性を気にする必要がないので、作業性も向上する。
図11〜図13を参照して、その他の実施例について説明する。図11〜図13はその他の実施例に係る密封構造の模式的断面図である。
20 ハウジング
20a 第1ハウジング
20b 第2ハウジング
21 軸孔
22 環状溝
23 凸部
30,30a,30b,30c 樹脂製シールリング
31 本体部
31b 凸部
31c 凸部
32 環状突出部
33 凹部
34 内周面
35 外周面
36 環状突出部
40 弾性体製シールリング
50 ハウジング
51 環状溝
60 樹脂製シールリング
70 ハウジング
71 環状溝
72 凹部
80 ハウジング
81 環状溝
82 凹部
Claims (3)
- 軸孔と、該軸孔の内周に設けられた環状溝とを有するハウジングと、
前記軸孔に挿通される回転軸と、
前記環状溝内に配置され、内周側に前記回転軸の外周面に摺動するシール面を備えた樹脂製シールリングと、
前記環状溝内に配置され、自己の弾性反発力により、前記樹脂製シールリングの外周面と前記環状溝の内周面にそれぞれ密着する弾性体製シールリングと、を備えた密封構造において、
前記樹脂製シールリングには、低圧側の端部に、外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられており、該環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面のうちの一方に凸部が設けられ、他方に該凸部に嵌合する凹部が設けられることで、前記環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面が互いに係合するように構成されると共に、
前記弾性体製シールリングにおける最も低圧側の部位が前記環状突出部における高圧側の端面に対して当接するように構成されていることを特徴とする密封構造。 - 前記樹脂製シールリングは、高圧側の端部にも外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
- 前記弾性体製シールリングはOリングであることを特徴とする請求項1または2に記載の密封構造。
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