JP5066787B2 - 密封構造 - Google Patents

密封構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5066787B2
JP5066787B2 JP2005154508A JP2005154508A JP5066787B2 JP 5066787 B2 JP5066787 B2 JP 5066787B2 JP 2005154508 A JP2005154508 A JP 2005154508A JP 2005154508 A JP2005154508 A JP 2005154508A JP 5066787 B2 JP5066787 B2 JP 5066787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal ring
annular groove
pressure side
resin seal
annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005154508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006329337A (ja
Inventor
弘明 門馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2005154508A priority Critical patent/JP5066787B2/ja
Publication of JP2006329337A publication Critical patent/JP2006329337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5066787B2 publication Critical patent/JP5066787B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)

Description

本発明は、回転軸とハウジングとの間の環状隙間を密封する密封構造に関するものである。
例えば、建設機械のスイベルジョイント部に代表されるような回転運動を伴う油圧・空圧機器においては、密封構造が備えられている。回転軸が高速回転し、かつ密封流体の圧力が高い環境下で用いられる密封構造として、摺動性に優れた樹脂製シールリングと密封性に優れた弾性体製シールリングとを併用したものが知られている。このような従来例に係る密封構造の一例を図14及び図15を参照して説明する。図14及び図15は従来例に係る密封構造を示す模式的断面図である。
まず、図14に示す従来例について説明する。図示のように、ハウジング200に備えられた軸孔に回転軸100が挿通されている。そして、軸孔と回転軸100との間の環状隙間を密封するための密封装置として、樹脂製シールリング300と弾性体製シールリング400が設けられている。ここで、ハウジング200の軸孔の内周に環状溝201が備えられており、この環状溝201内に、樹脂製シールリング300と弾性体製シールリング400が配置されている。なお、図中(H)側が高圧側(例えば、密封されたオイル側)であり、(L)側が低圧側(例えば、大気側)である。
このような密封構造においては、樹脂製シールリング300により耐磨耗性能が発揮され、弾性体製シールリング400によって優れた密封性能が発揮される。そして、安定した密封性能を維持させるためには、弾性体製シールリング400の磨耗を防止する必要がある。そのためには、樹脂製シールリング300と回転軸100との間でのみ摺動し、樹脂製シールリング300,弾性体製シールリング400及びハウジング200はそれぞれ相対的に移動することなく、これらの間で摺動する部分がないようにしなければならない。
しかしながら、環境条件や経時劣化によって、各部材の表面状態が所望の状態と異なってしまい、樹脂製シールリング300等が回転軸100と供回りしてしまうことがある。これにより、樹脂製シールリング300と弾性体製シールリング400との間(図中Pで示す部分)で摺動し、弾性体製シールリング400が磨耗してしまい、密封性能が低下してしまうことがある。
この対策として、樹脂製シールリング300の外周と弾性体製シールリング400の内周を複雑な形状とすることで、これらの間で摺動しにくくすることも考えられる。しかしながら、この場合には、加工が困難となり、また、大幅なコスト増加を招いてしまうなどの問題が残る。また、樹脂製シールリング300と弾性体製シールリング400がいずれも回転軸100と供回りしてしまい、弾性体製シールリング400とハウジング200の環状溝201との間で摺動してしまうので、結局、弾性体製シールリング400の磨耗を完全に防止することはできない。
また、図15に示す従来例の場合には、樹脂製シールリング301と弾性体製シールリング401を加硫により接着させている。この場合、樹脂製シールリング301と弾性体製シールリング401との間で摺動してしまうことは確実に防止できるものの、上記の従来例と同様に、樹脂製シールリング301と弾性体製シールリング401がいずれも回転軸100と供回りしてしまい、弾性体製シールリング401とハウジング200の環状溝
201との間で摺動してしまう。特に、この従来例の場合には、環状溝201の高圧側の側面との摺動によって、図中、Qで示す付近で、樹脂製シールリング301と弾性体製シールリング401との接着が剥がれてしまい、密封性能が低下してしまうことがある。
なお、関連する技術として、特許文献1に開示されたものがある。
実開昭62−68074号公報
本発明の目的は、密封性能の耐久的な安定化を図った密封構造を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の密封構造は、
軸孔と、該軸孔の内周に設けられた環状溝とを有するハウジングと、
前記軸孔に挿通される回転軸と、
前記環状溝内に配置され、内周側に前記回転軸の外周面に摺動するシール面を備えた樹脂製シールリングと、
前記環状溝内に配置され、自己の弾性反発力により、前記樹脂製シールリングの外周面と前記環状溝の内周面にそれぞれ密着する弾性体製シールリングと、を備えた密封構造において、
前記樹脂製シールリングには、低圧側の端部に、外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられており、該環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面のうちの一方に凸部が設けられ、他方に該凸部に嵌合する凹部が設けられることで、前記環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面が互いに係合するように構成されると共に、
前記弾性体製シールリングにおける最も低圧側の部位が前記環状突出部における高圧側の端面に対して当接するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングの軸孔の内周に設けられた環状溝の低圧側の側面に対して、樹脂製シールリングの環状突出部が係合するため、樹脂製シールリングが回転軸と供回りすることを防止できる。また、樹脂製シールリングには、環状突出部が備えられており、この環状突出部と環状溝の側面との間で係合するため、弾性体製シールリングの一部が、樹脂製シールリングと環状溝の低圧側の側面との間に入り込んでしまうことを抑制できる。以上のことから、弾性体製シールリングの磨耗や破損を防止できる。
また、環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面のうちの一方に凸部が設けられ、他方に該凸部に嵌合する凹部が設けられることで、前記環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面が互いに係合するように構成されるので、簡易な構造で、環状突出部の低圧側の端面と環状溝の低圧側の側面を係合させることができる。
また、前記樹脂製シールリングは、高圧側の端部にも外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられているとよい。
これにより、弾性体製シールリングの一部が、樹脂製シールリングと環状溝の高圧側の側面との間に入り込んでしまうことも抑制できる。
また、前記弾性体製シールリングはOリングであるとよい。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、密封性能を耐久的に安定化することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1〜図9を参照して、本発明の実施例1に係る密封構造について説明する。図1は本発明の実施例1に係る密封構造の模式的断面図である。図2は本発明の実施例1に係る密封構造のうち回転軸とハウジングのみの模式的断面図である。図3は本発明の実施例1に係るハウジングに設けられた環状溝の側面部を示す図である。図4は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの平面図である。図5は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの底面図である。図6は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの正面図である。図7は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの断面図である。なお、図7は図6におけるWW断面図である。図8は本発明の実施例1に係る弾性体製シールリングの断面図の一部である。図9は仮想技術に係る密封構造の模式的断面図である。
<密封構造全体の概略>
特に、図1を参照して、密封構造全体の概略を説明する。本発明の実施例に係る密封構造は、回転軸10と、ハウジング20と、これらの間の環状隙間を密封する樹脂製シールリング30及び弾性体製シールリング40とから構成される。ハウジング20は、回転軸10が挿通される軸孔21と、この軸孔21の内周に設けられた環状溝22とを備えている。そして、樹脂製シールリング30及び弾性体製シールリング40は、ハウジング20に設けられた環状溝22内に配置される。また、図中(H)側が高圧側(例えば、密封されたオイル側)であり、(L)側が低圧側(例えば、大気側)である。また、本実施例においては、ハウジング20は固定されており、固定されたハウジング20に対して回転軸10が回転するように構成されている。
<ハウジング>
特に、図1〜図3を参照して、ハウジング20について更に詳しく説明する。ハウジング20には、回転軸10が挿通される軸孔21が備えられており、この軸孔21の孔径は、回転軸10の直径よりも僅かに大きくなるように設定されている(回転軸10の偏心の程度に応じて適宜設定される)。そして、この軸孔21の内周に、断面形状が矩形の環状溝22が設けられている。また、環状溝22の両側面のうち、使用状態において低圧側となる側面には、凸部23が設けられている。図3は環状溝22における低圧側の側面を示したもの、すなわち、図2において矢印V方向に見た図である。図に示すように、本実施例では、周方向の1箇所に、径方向に伸びる凸部23を設けている。
<密封装置(樹脂製シールリング及び弾性体製シールリング)>
特に、図1及び図4〜図8を参照して、密封装置、すなわち、樹脂製シールリング30及び弾性体製シールリング40について更に詳しく説明する。
樹脂製シールリング30の材料としては、摺動性の高いものが好適であり、具体例としては、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)を挙げることができる。また、その他の例として、ナイロンなどの硬質樹脂を挙げることができる。樹脂製シールリング30は、円筒状の本体部31と、本体部31の一端部に設けられ、外径方向に向かって突出する環状突出部32とを備えている。これにより、断面形状は、図1や図7に示すように略L字形状となる。本体部31の内周面34は、回転軸10に対して摺動するシール面として機能する。また、本体部31の外周面35は、弾性体製シールリング40によって押圧される。そして、樹脂製シールリング30は、環状突出部32が低圧側となるように配置され、環状突出部32の高圧側の端面は、弾性体製シールリング40によって押圧される。また、環状突出部32の低圧側の端面は、高圧側からの圧力及び弾性体製シールリング40の押圧力によって、環状溝22の低圧側の側面に押し付けられる。
そして、環状突出部32の低圧側の端面には、内径側から外径側に向かって連通する溝状の凹部33が設けられている。この凹部33は、上述した環状溝22に設けられた凸部23と嵌合するように構成されている。そして、図1に示すように、凸部23と凹部33を嵌合させるように樹脂製シールリング30を環状溝22内に配置させることで、環状突出部32の低圧側の端面と環状溝22の低圧側の側面が互いに係合する。これにより、樹脂製シールリング30は、ハウジング20に対して回転することが防止される。
弾性体製シールリング40は、本実施例では、Oリングを採用している。ただし、これに限らず、断面が矩形の角リングや断面がD字形状のDリングなど各種シールリングを用いることができる。組み立ての容易性やコストの面を考慮すれば、Oリングが好適である。また、弾性体製シールリング40の材料としては、ニトリルゴム,フッ素ゴム,アクリルゴム,EPDMなどの各種のゴム材料を適用できる。材料の選定は、密封対象となる流体や環境温度などの各種条件に基づいて行えばよい。
この弾性体製シールリング40は、装着時に径方向に圧縮されて、自己の弾性反発力により、樹脂製シールリング30の本体部31の外周面35とハウジング20の環状溝22の内周面(溝底面)に対して押圧しつつ密着する。
このように、樹脂製シールリング30と弾性体製シールリング40を併用することにより、前者により耐磨耗性能が発揮され、後者により優れた密封性能が発揮される。
次に、各部材の寸法関連の好適な具体例を説明する。図2に示すように、断面形状が矩形の環状溝22について、回転軸10の表面から環状溝22の内周面(溝底面)までの距離をA,溝幅(凸部23のない部分の溝幅)をBとする。また、図7に示すように、樹脂製シールリング30における本体部31の厚みをT,本体部31の長さをH,環状突出部32の厚みをT1,環状突出部32の長さをH1とする。なお、ここでは、厚みは、径方向の厚みを意味し、長さは軸方向の長さを意味する。また、図6に示すように、環状突出部32に設けられた凹部33の幅をX,凹部33の深さをYとする。更に、図8に示すように弾性体製シールリング40の円形断面の直径をUとする。
このように記号を定義した場合に、
0.25×A≦T≦0.35×A
0.85×A≦T1≦0.95×A
0.95×B≦H≦0.98×B
0.20×H≦H1≦0.50×H
0.80×A≦U≦0.90×A
X≦10mm
Y≦3mm
を満たすようにすると好適である。なお、環状溝22に設けられた凸部23は、環状突出部32に設けられた凹部33にちょうど嵌合するように、高さ、幅、長さなどが設定される。特に、凸部23の幅はXと同じか僅かに小さくなるように設定し、凸部23の高さはYと同じか僅かに低くなるように設定する。
ここで、上記の寸法設定に関して、いくつか説明する。
まず、T1については、環状突出部32の外周面と環状溝22の内周面との間の隙間が小さ過ぎず、かつ大き過ぎないようにするために、上記のように設定している。つまり、この隙間が小さ過ぎると、環状溝22内で樹脂製シールリング30の遊びがなくなり、回転軸10の僅かな偏心をも規制してしまう。この場合、回転軸10の回転を阻害してしまうおそれもある。そのため、ある程度、回転軸10の偏心を許容するような隙間を持たせることが必要である。また、この隙間が大き過ぎると、弾性体製シールリング40の一部が隙間の中に入り込みやすくなってしまう。そのため、回転軸10の偏心の仕方によっては、弾性体製シールリング40の一部が破損するおそれが生じてしまう。従って、この隙間はあまり大き過ぎないほうが良い。以上の点から、回転軸10がどの程度偏心する可能性があるのか、弾性体製シールリング40の一部が隙間にはみ出す可能性があるのか、はみ出した場合にはみ出し部分が破損してしまうおそれがあるのかなどを総合的に判断する必要がある。
次に、Hについては、凸部23と凹部33の嵌合が外れてしまわないように、かつ、樹脂製シールリング30の組み込み性(装着性)を考慮して設定されている。すなわち、樹脂製シールリング30と環状溝22の両側面との間の隙間が小さ過ぎると、樹脂製シールリング30の環状溝22内への組み込み(装着)がし難くなる。一方、この隙間が大き過ぎると、樹脂製シールリング30が図1中(H)側にスライドすると、凸部23と凹部33の嵌合が外れてしまう。以上の点を考慮して、Hは上記のように設定されている。なお、図1中(H)側のほうが(L)側に比べて圧力が常に高い場合には、樹脂製シールリング30が(H)側にスライドすることはないので、上記の隙間は大きくても良い。つまり、当該隙間がYよりも大きくても良い。しかし、何らかの影響によって、(L)側のほうが(H)側に比べて圧力が高くなる場合が生じる環境で利用される場合には、上記隙間をYよりも小さくするようにして、凸部23と凹部33の嵌合が外れてしまうことを確実に防止する必要がある。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係る密封構造によれば、樹脂製シールリング30の環状突出部32が、ハウジング20の環状溝22の側面に対して係合するため、樹脂製シールリング30がハウジング20の環状溝22に対して回転することがない。これにより、樹脂製シールリング30が回転軸10と供回りすることを防止できる。従って、樹脂製シールリング30,弾性体製シールリング40及びハウジング20は相対的に移動することはない。つまり、回転軸10が回転する場合には、回転軸10と樹脂製シールリング30との間でのみ摺動する部分が生じ、弾性体製シールリング40は、樹脂製シールリング30及びハウジング20のいずれに対しても摺動しない。従って、弾性体製シールリング40が摺動により磨耗してしまうことを防止できる。
また、本実施例に係る密封構造によれば、環状突出部32を環状溝22の側面に係合させるため、弾性体製シールリング40の一部が樹脂製シールリング30と環状溝22の側面との間の隙間に入り込んでしまうことを抑制できる。従って、樹脂製シールリング30
と環状溝22との係合部分(つまり、凸部23と凹部33の嵌合部分)に悪影響を与えることはなく、また、この係合部分によって弾性体製シールリング40の一部が破損されてしまうことも抑制できる。この点に関して、図9を参照して更に詳細に説明する。
図9は仮想技術を示したもので、単純な円筒形状の樹脂製シールリング60とハウジング50の環状溝51の側面とを本実施例と同様の方法により係合させた場合を示している。図示のように、樹脂製シールリング60が単純な円筒形状の場合には、弾性体製シールリング40は高圧側(図中(H)側)の圧力によって、環状溝51の低圧側(図中(L)側)の側面に直接当接する状態となる。そのため、高圧側の圧力が非常に大きな場合(例えば、圧力が10MPa以上の場合)に、弾性体製シールリング40が異常変形して、図9中のC部に示すように、その一部が樹脂製シールリング60と環状溝51の側面との間の隙間に入り込んでしまうおそれがある。これにより、係合部分(凹凸嵌合部分)に悪影響を与えて、係合が外れてしまったり、樹脂製シールリング60の一部が破損してしまったりするおそれもある。また、場合によっては、樹脂製シールリング60の一部が回転軸10に当たってしまい、回転軸10の回転を阻害したり、樹脂製シールリング60が磨耗あるいは破損してしまったりすることも考えられる。
これに対して、本実施例の場合には、図1に示すように、弾性体製シールリング40は、高圧側((H)側)の圧力によって、樹脂製シールリング30の環状突出部32における高圧側の端面に対して当接する状態となる。そのため、高圧側の圧力が非常に大きな場合(例えば、圧力が10MPa以上の場合)に、弾性体製シールリング40が異常変形したとしても、その一部がせいぜい環状突出部32の外周面と環状溝22の内周面との間の隙間に入り込む程度である。従って、係合部分(凹凸嵌合部分)が悪影響を受けることはなく、また、上記の場合に比べて、弾性体製シールリング40の一部が破損してしまうことも抑制できる。なお、弾性体製シールリング40の一部が回転軸10に当たってしまうことは、確実に防止できる。
図10には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、樹脂製シールリングの高圧側にも環状突出部を設けた場合(つまり、断面形状がコの字形状となる場合)について示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、適宜、その説明は省略する。
図10は本発明の実施例2に係る密封構造の模式的断面図である。本実施例に係る樹脂製シールリング30aは、高圧側(図中(H)側)の端部にも外径方向に向かって突出する環状突出部36が設けられている。これにより、樹脂製シールリング30aの断面形状は略コの字形状となっている。本実施例の場合には、樹脂製シールリング30aは、低圧側((L)側)と高圧側((H)側)の両側に、環状突出部32,36が設けられており、これにより環状の溝が形成される。この環状の溝に弾性体製シールリング40が装着されることになる。そして、弾性体製シールリング40は、両側の環状突出部32,36それぞれに対して押圧するように当接する。
以上のような構成により、本実施例の場合にも、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例の場合には、何らかの影響で(L)側のほうが(H)側よりも圧力が高くなった場合においても、弾性体製シールリング40が、樹脂製シールリング30aと環状溝22の(H)側の側面との間にはみ出してしまうことも防止できる。
また、本実施例において、(H)側の環状突出部36にも係合のための凹部を設けて、両側で環状溝22の両側面に係合させても良い。そのようにすれば、係合をより確実にすることができ、樹脂製シールリング30aが回転軸10と共に供回りしてしまうことを、
より確実に防止できる。また、環状突出部32,36の両方に係合用の凹部を設け、図中左右対称形状にすれば、片側で係合させる場合、及び両側で係合させる場合のいずれにおいても、樹脂製シールリング30aを組み込む際に方向性を気にする必要がないので、作業性も向上する。
(その他)
図11〜図13を参照して、その他の実施例について説明する。図11〜図13はその他の実施例に係る密封構造の模式的断面図である。
図11に示す例は、組み込み性を良くするために、ハウジングを分割する構成としたものである。密封装置を組み込み手順は、まず、樹脂製シールリングに対して弾性体製シールリングを嵌め、それをハウジングの環状溝内に装着した後に回転軸を挿入する。ここで、樹脂製シールリングは比較的剛性が高いため、ハウジングの軸孔の孔径が小さいと、弾性体製シールリングがはめ込まれた樹脂製シールリングを環状溝の中に組み込む作業が困難となる。そこで、図11に示す例では、図のように、ハウジングを第1ハウジング20aと第2ハウジング20bに分割する構成とし、環状溝22の一方の側面側を開放可能に構成した。これにより、弾性体製シールリング40が嵌められた樹脂製シールリング30aを第1ハウジング20aに組み込んだ後に、第2ハウジング20bを第1ハウジング20aに組み込むことで、これらを簡単に組み込むことができる。なお、図11では、樹脂製シールリングとして、上記実施例2で示したものを採用する例を示したが、実施例1で示したものも同様に適用できることは言うまでもない。
図12及び図13は環状突出部の低圧側の端面と環状溝の低圧側の側面とを係合する構造の変形例を示している。すなわち、上記の実施例においては、環状突出部の低圧側の端面に溝状の凹部を設け、かつ環状溝の低圧側の側面に凸部を設けて、これらを嵌合することによって、環状突出部の低圧側の端面と環状溝の低圧側の側面とを係合する場合について示した。しかしながら、係合させる構造はこれに限るものではなく、様々な構成を採用することができる。
例えば、図12に示す例においては、ハウジング70の軸孔の内周に設けられた環状溝71の低圧側の側面に溝状の凹部72を設け、樹脂製シールリング30bの環状突出部の低圧側の端面に凸部31bを設ける構成としている。これにより、凸部31bと凹部72を嵌合させることで、環状突出部の低圧側の端面と環状溝71の低圧側の側面とを係合させている。
また、図13に示す例においては、ハウジング80の軸孔の内周に設けられた環状溝81の低圧側の側面に穴状の凹部82を設け、樹脂製シールリング30cの環状突出部の低圧側の端面に突起状の凸部31cを設ける構成としている。これにより、凸部31cと凹部82を嵌合させることで、環状突出部の低圧側の端面と環状溝81の低圧側の側面とを係合させている。
図12,図13に示したものも一例に過ぎず、係合させる構造は、これらに限られるものではない。また、これまでの例では、凹部や凸部を1個のみ設ける例を示したが、凹部や凸部を2個以上設けても良いことは言うまでもない。
図1は本発明の実施例1に係る密封構造の模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る密封構造のうち回転軸とハウジングのみの模式的断面図である。 図3は本発明の実施例1に係るハウジングに設けられた環状溝の側面部を示す図である。 図4は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの平面図である。 図5は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの底面図である。 図6は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの正面図である。 図7は本発明の実施例1に係る樹脂製シールリングの断面図である。 図8は本発明の実施例1に係る弾性体製シールリングの断面図の一部である。 図9は仮想技術に係る密封構造の模式的断面図である。 図10は本発明の実施例2に係る密封構造の模式的断面図である。 図11はその他の実施例に係る密封構造の模式的断面図である。 図12はその他の実施例に係る密封構造の模式的断面図である。 図13はその他の実施例に係る密封構造の模式的断面図である。 図14は従来例に係る密封構造を示す模式的断面図である。 図15は従来例に係る密封構造を示す模式的断面図である。
符号の説明
10 回転軸
20 ハウジング
20a 第1ハウジング
20b 第2ハウジング
21 軸孔
22 環状溝
23 凸部
30,30a,30b,30c 樹脂製シールリング
31 本体部
31b 凸部
31c 凸部
32 環状突出部
33 凹部
34 内周面
35 外周面
36 環状突出部
40 弾性体製シールリング
50 ハウジング
51 環状溝
60 樹脂製シールリング
70 ハウジング
71 環状溝
72 凹部
80 ハウジング
81 環状溝
82 凹部

Claims (3)

  1. 軸孔と、該軸孔の内周に設けられた環状溝とを有するハウジングと、
    前記軸孔に挿通される回転軸と、
    前記環状溝内に配置され、内周側に前記回転軸の外周面に摺動するシール面を備えた樹脂製シールリングと、
    前記環状溝内に配置され、自己の弾性反発力により、前記樹脂製シールリングの外周面と前記環状溝の内周面にそれぞれ密着する弾性体製シールリングと、を備えた密封構造において、
    前記樹脂製シールリングには、低圧側の端部に、外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられており、該環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面のうちの一方に凸部が設けられ、他方に該凸部に嵌合する凹部が設けられることで、前記環状突出部の低圧側の端面と前記環状溝の低圧側の側面が互いに係合するように構成されると共に、
    前記弾性体製シールリングにおける最も低圧側の部位が前記環状突出部における高圧側の端面に対して当接するように構成されていることを特徴とする密封構造。
  2. 前記樹脂製シールリングは、高圧側の端部にも外径方向に向かって突出する環状突出部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
  3. 前記弾性体製シールリングはOリングであることを特徴とする請求項1または2に記載の密封構造。
JP2005154508A 2005-05-26 2005-05-26 密封構造 Expired - Fee Related JP5066787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005154508A JP5066787B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 密封構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005154508A JP5066787B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 密封構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006329337A JP2006329337A (ja) 2006-12-07
JP5066787B2 true JP5066787B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=37551228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005154508A Expired - Fee Related JP5066787B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 密封構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5066787B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5276793B2 (ja) * 2007-03-15 2013-08-28 紀伊産業株式会社 成型ヘッドおよびそれを用いた固形粉末化粧料の成型方法
JP5621092B2 (ja) 2010-05-19 2014-11-05 Smc株式会社 流体圧機器
JP2012047260A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Mitsubishi Cable Ind Ltd 平面シール構造
JP5382272B1 (ja) * 2012-03-12 2014-01-08 Nok株式会社 密封装置及び密封構造
JP5914682B2 (ja) * 2012-10-03 2016-05-11 Nok株式会社 密封装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5751869U (ja) * 1980-09-10 1982-03-25
JPS633565U (ja) * 1986-06-26 1988-01-11
DE3828692A1 (de) * 1988-08-24 1990-03-15 Busak & Luyken Gmbh & Co Anordnung zum abdichten einer hin- und herbewegten stange

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006329337A (ja) 2006-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5825431B2 (ja) バッファリング
US20100066030A1 (en) Hermetic sealing device
US20110091143A1 (en) Spherical bearing triple-lip seal
US9194498B2 (en) Sealing device
JP6128286B2 (ja) 密封構造
JP5066787B2 (ja) 密封構造
JP5839509B2 (ja) 密封装置及び密封構造
JP6942431B2 (ja) メカニカルシール
JP4849235B2 (ja) 密封装置
JP6031753B2 (ja) 密封装置
JP2010242814A (ja) 密封装置
JP2010084802A (ja) ロータリーシール
JP2004332920A (ja) 密封構造及び端面シール
WO2016143397A1 (ja) 密封装置
JP5273243B2 (ja) 密封装置
JP2021156314A (ja) 密封装置
JP2008121846A (ja) バックアップリング
US8985591B2 (en) Sealing apparatus
JP2007092791A (ja) シールリング
JP2008045658A (ja) 密封装置
JP2004100744A (ja) 密封装置
JP2003014135A (ja) 密封装置
JP2012047260A (ja) 平面シール構造
JP5221889B2 (ja) 密封装置
JP5849647B2 (ja) 密封装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120420

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5066787

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees