JP2003247541A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2003247541A
JP2003247541A JP2002044727A JP2002044727A JP2003247541A JP 2003247541 A JP2003247541 A JP 2003247541A JP 2002044727 A JP2002044727 A JP 2002044727A JP 2002044727 A JP2002044727 A JP 2002044727A JP 2003247541 A JP2003247541 A JP 2003247541A
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Japan
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spacer
bearing
retaining ring
shaft
bearing device
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JP2002044727A
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Takeji Hamaide
武治 濱出
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主軸の加工工程を複雑にすることなく、か
つ、加工コストの増大にもならず、かつ、止め輪が主軸
の凹部から抜ける場合も無く信頼性に優れた軸受装置を
提供する 【構成】 ハウジング7と、段部44を備える軸体2と
記ハウジングと軸体の小径部との間に介在する複数の転
がり軸受4,6と、転がり軸受間に介在する予圧付与部
8,10と、複数の転がり軸受を介して軸体の段部と反
対側に設けられ、軸体と複数の転がり軸受の内輪との位
置関係を規制する位置決め部を備えた軸受装置におい
て、位置決め部は、軸体に設けられる環状の凹溝22a
と、これに嵌合される止め輪24とを備えて成り、か
つ、軸体の段部と位置決め部との間に弾性体間座46を
介在させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軸受装置に係わり、詳し
くは、予圧式軸受装置における間座の改良構造に関す
る。例えば、本発明は、工作機械等の主軸(スピンド
ル)を軸支するための軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受の運転中における内部隙間の
大小は、軸受の疲れ寿命、振動・騒音等軸受の性能の優
劣に影響する。軸受の内部隙間の選定は、形式・寸法が
決まった軸受にとって重要である。
【0003】ここで、内部隙間とは、軸受の内輪・外輪
と転動体との間の遊び量に相当するものであり、内輪、
外輪の一方を固定し、他方の軌道輪をラジアル又はアキ
シアル方向に動かしたときの動き量である。この隙間を
殺しガタを無くす目的で、軸受に内部応力を発生させた
状態、すなわち予圧を軸受に与える状態が望まれる。具
体的には内外輪を相対的に軸方向に変位させることによ
って予圧が軸受に与えられる。
【0004】従来から、予圧によって軸受装置内の隙間
を無くし、精密な回転を必要するスピンドル構造を改良
する技術として次のものが知られている。その第1は、
軸上の軸受内輪等を軸方向に隙間なく予圧を掛けて固定
するため に、軸にねじを形成し、これにナットを螺着
して軸受装置に定位置予圧を加える方式である。この方
式の従来例を図2に示して説明する。
【0005】断面円形の主軸(軸体)2の小径部の周囲
には、ハウジング7と主軸2との間に嵌装された二つの
アンギュア転がり軸受4,6が存在する。4a,6aは
軸受の外輪であり、一方、4b,6bはその内輪であ
る。4c、6cは両軌道輪の間の転動体(玉)である。
【0006】軸受4及び6は、外輪間座としてハウジン
グ7の段部8及び内輪間座10を介して背面組み合わせ
によって既述のとおり軸体2の周りに配設されている。
ハウジング7は、隙間を介して後述の内輪間座10に臨
んでいる。内輪間座及びハウジングは環状あるいは筒状
に形成されている。符合12は、主軸2の基端寄りに形
成された段部14と主軸2の基端寄りにある軸受6の基
端側との間に介装されたシール板である。
【0007】主軸の先端寄りにある軸受4は、主軸先端
回りに形成されたねじ16aに螺合されるナット16に
よってハウジング段部8および内輪間座10とナット1
6との間に支持されている。ナット16を主軸先端に形
成されたねじ16aに螺着して、これを締め付けると、
ナット16、軸受4の内輪4b、転動体4c、外輪4
a、ハウジング段部8、軸受6の外輪6a、転動体6
c、内輪6b,シール板12、主軸段部14の順に押圧
されて荷重が掛かる。この間、内輪間座10も内輪4b
に押されて図2で左方へ動く。
【0008】内輪間座10の幅寸法(図示T)及びハウ
ジング段部の幅寸法(図示H)の寸法差を所定の値にす
ることにより内輪間座10の両端面が内輪4b、6bに
密着するまでナット16を主軸2に締結すると所定の予
圧(定位置予圧)が両方の軸受に付与されることにな
る。内輪間座10及び/又はハウジング段部8はナット
16が主軸2に締結された際に、両方の軸受に予圧を付
与するための予圧付与部材に相当する。
【0009】なお、符合18はナット16と軸受4の外
輪4aとの間に形成された隙間、又は、シール板12と
軸受6の外輪6aとの間に形成された隙間であり、これ
らは異物の侵入等を防ぐため極力小さくなるように設定
されている。
【0010】符合20は、ナット16に形成された凹部
であって、この凹部にナット締結用の工具の突起が嵌入
される。また、ハウジング7とナット16又はシール板
12との間にも隙間が存在する。
【0011】主軸2及び内輪4b,6bとナット16と
シール板12は一体に回転する。主軸2と内輪とシール
板とが一体に回転するような嵌め合いが達成されてい
る。ハウジングに固定された外輪4a,6aは転動体4
c、6cによって軸2及び内輪4b,6bとナット16
とシール板12とを回転自在に支持する。
【0012】内輪間座10、ナット16、そしてねじ1
6a、シール板12は、軸受の内輪の外輪又は主軸に対
する相対的位置を決める位置決め部として機能してい
る。
【0013】次に第2の従来例を図3に基づいて説明す
る。図3はこの従来例に係わる軸受装置の主軸先端側を
示したものであり、前記第1の従来例と異なる点は、ナ
ット16の代わりに環状な止め輪22を軸体2の回りに
嵌め入れたことである。
【0014】この止め輪22は、図4に示すこの止め輪
22の正面図にあるように、略C字型の鋼製部材であ
り、中央の空間部分24bを押し拡げて止め輪の内径を
拡径させ、主軸2の先端寄りでかつ軸回りに環状に刻設
された凹部26に、この止め輪22の弾性変形が復帰す
ることを利用して当該止め輪22を嵌入する。止め輪の
22の主軸先端側で、かつ主軸2側先端は傾斜面28を
持って形成されており、この傾斜面と対向する前記凹部
26もこの傾斜面に相当位置及び形状の相当傾斜面30
を持っている。
【0015】止め輪22を凹部26に嵌め込む際、既述
のとおり、止め輪の弾性変形の戻りに伴い止め輪の径が
縮小する。その結果として、止め輪22が、矢示34方
向に動いて止め輪22と内輪4bとの間にあるシール板
32、軸受内輪4b、転動体4c、軸受外輪4a、ハウ
ジング段部8、軸受外輪6a、転動体6c、内輪6b、
シール板12、段部14の順に押圧される。これに伴
い、内輪間座(図2の符号10に相当)も矢示34の方
向に動く。そして内輪間座の両端面が両軸受の内輪4
b、6bに密着するまで、止め軸22が動くと所定の予
圧が両軸受4,6に付与されることになる。なお、既述
の従来例の説明において図面作成上の便宜の観点から保
持器の図示を省略している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】既述の従来例1のもの
では、主軸上にねじを形成する必要があるが、このこと
は主軸の加工工程を複雑にするばかりでなく、コストの
増大を招くことにもなる。また、従来例2のものでは、
止め輪を主軸の凹部に嵌入する構造であって、軸方向に
反力が作用すると止め輪22の傾斜面28が凹部26の
相当傾斜面30に沿って図示上方に移動する変形、すな
わち、軸2から離間するような拡径を来す弾性変形が止
め輪に発生し、それにより止め輪22が凹部26から外
れる場合があった。
【0017】そこで、この発明は、このような課題を解
決するために、主軸の加工工程を複雑にすることなく、
かつ、加工コストの増大にもならず、かつ、止め輪が主
軸の凹部から抜ける場合も無く信頼性に優れた軸受装置
を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、ハウジングと、段部を備える軸体と、前
記ハウジングと前記軸体の小径部との間に介在する複数
の転がり軸受と、当該転がり軸受間に介在する予圧付与
部と、前記複数の転がり軸受を介して前記軸体の段部と
反対側に設けられ、前記軸体と複数の転がり軸受の内輪
との位置関係を規制する位置決め部を備えた軸受装置に
おいて、前記位置決め部は、軸体に設けられる環状の凹
溝と、これに嵌合される止め輪とを備えて成り、かつ、
前記軸体の段部と前記位置決め部との間に弾性体間座を
介在させてなることを特徴とする。
【0019】弾性体間座を介在させずに止め輪を凹部に
嵌合したときに、止め輪が軸方向にまったくガタのない
状態とし転がり軸受に丁度所定の予圧が付与された状態
となるようにすることは極めて困難である。そこで、弾
性体間座を前記段部と位置決め部との間に介在させ、止
め輪を凹部に嵌合した際の軸方向のガタを無くすように
した。すなわち、止め輪を凹部に嵌合する際、軸受を軸
体の基端方向に向かって特別な力で押すと、その力は軸
受及び予圧付与部を介して弾性体間座に伝達される。弾
性体間座はこの時加えられる特別な大きな力によって弾
性変形し、凹部に止め輪を嵌合することが可能になる。
【0020】止め輪を凹部に嵌合した後では、弾性体間
座の弾性変形が止め輪の軸方向のガタがなくなる状態ま
で解消して、一方、軸受装置の使用状態では弾性体間座
が持つ剛性によって弾性体間座は変形すること無く、前
記予圧付与部は軸受装置に適当なな予圧を付与すること
ができる。以上によって、軸体にねじを切る必要もな
く、既述のような傾斜を凹部や止め輪に設ける必要もな
い。しかも、反力が軸方向に作用しても容易に止め輪が
はずれることもない。
【0021】本発明の一つの実施形態において、前記予
圧付与部は、前記軸体に嵌合される内輪間座を備え、前
記弾性体間座は、前記軸体段部と当該段部寄りの軸受と
の間に設けらている。また、前記内輪間座は複数に分割
され、前記弾性体間座は分割された内輪間座同士の間に
設けられてなる。また、前記止め輪と内輪との間に止め
輪より大径の環状体を挟持してなる。
【0022】
【発明を実施するための形態】次に本発明の実施形態を
図面にしたがって説明する。以下の説明において、単列
アンギュラ玉軸受を例にして説明を行う。なお、本発明
はこれに限定されることなく、予圧を付与して使用され
る他のタイプの転がり軸受である、単列深溝玉軸受、円
すいころ軸受等にも適用できる。
【0023】図1は、単列アンギュラ玉軸受を複数備え
た軸受装置の断面図である。既述の図面と同一部材につ
いては同一の符合を付してその説明を省略することがあ
る。この実施形態が既述の従来例と異なる第1の点は、
主軸2の先端部回りに環状に形成された凹部の形状とこ
の凹部26aに嵌合される止め輪24の形状である。図
5は、図1で円形に示された領域Qの拡大図である。凹
部26aは図3で説明した凹部26と主軸2の回りに環
状に形成された溝である点は同じであるが、図3の凹部
26には、傾斜面28が設けられているのに対して、凹
部26aにはこのような傾斜面が存在しない、断面矩形
に形成されていることである。
【0024】凹部26aは、主軸2の軸方向に沿って所
定の長さで形成され、かつ径方向にやや浅い深さで軸回
りに環状に切り欠かれた形状を成し、底面40とこの底
面40と交差する一対の非傾斜面42とから構成され
る。非傾斜面42が底面40に対してほぼ直角に交わ
る、すなわち、非傾斜面は主軸の半径方向に形成されて
いる。この凹部26aの深さは、止め輪24を嵌合させ
る程度のもので良い。
【0025】もっとも、既述のように傾斜面が持つ欠点
(止め輪の抜け)が無いような角度・形状になるよう
に、底面凹部26aの底面40に対する非傾斜面42の
交わり角度を適宜変更することを妨げるものではない。
例えば、非傾斜面42の底面40に対する角度を既述の
従来例に比較して急峻に形成することである。前記止め
輪24も凹部26aの形状に合わせて形成されている。
すなわち、既述の図3の止め輪22のように、内径側に
傾斜面28を備えることなく、図5に示すような実質的
に断面矩形の形状を備えている。止め輪24がC字状の
ばね性を持った鋼等で構成されていることは同じであ
る。止め輪24のその他の構成は図3に示した従来の止
め輪22と同様であり、止め輪24を主軸2に形成され
た凹部26aに嵌合させる動作も同様である。
【0026】図1及び図5の符号32は軸2の回りに設
けられた環状のシール板である。図1に示すように、シ
ール板32の長さ方向(軸方向)の厚みは、軸受4の内
輪4bに隣接する部分での厚さが、外輪4aに臨む部分
での厚さより大きくなっている。すなわち、外輪4aと
シール板32との間には隙間34aが形成されている。
この隙間は、シール板32の最端部とハウジング7の軸
受収容部7aとの間にも存在する。
【0027】環状な形態(ドーナツ状)に形成された止
め輪24は、シール板32が内輪4bに隣接する幅長さ
分当該シール板に圧接されるようになっており、すなわ
ち、シール板32より小さな径を持って、その内径部分
が軸2の環状溝26a内に嵌合されている。なお、軸受
4自体がシール性を持っていれば、あるいはシールが不
要な場合であれば、シール板32を省略することができ
る。この実施形態が既述の従来例と異なる第2の点は、
主軸2の基端部にある後述の凹部(段部)44に、弾性
体から構成される環状の間座46を装填した点である。
主軸2の基端はフランジ状の形態を持っており、このフ
ランジ(軸の大径部)46aと主軸2の小径部と主軸の
基端寄りの軸受6の主軸基端寄りの端面とハウジング7
の軸受収容部7cとによって形成される凹部44に前記
弾性間座46が嵌め込まれている。
【0028】ここで、弾性体間座は、好適には、ばね性
を有するように熱処理した鋼製の部材から構成されてい
る。その他の金属でも所定のばね性が確保されていれば
使用可能である。硬質ゴムなど、他の材料を、弾性体間
座を構成するための材料として使用することも可能であ
る。この弾性体間座はドーナツ状になっており、内側の
円形部分に軸2が嵌入される。
【0029】前記弾性体間座46はばね性とシール性を
備える目的で使用される。図1の弾性体間座はシール材
とばね材とを兼ねた機能・形状になっているが、これを
変更することも可能である。例えば、シール材とばね材
とを別部材から構成し、図6に示すように、ばね材とし
ての皿ばね100と環状のシール材102とを分けて凹
部44に配置するようにしても良い。軸受6自体にシー
ル性を備えているタイプのものであれば、あるいはシー
ルが不要な場合であれば、弾性体間座をばね性のみを発
揮するような形状に変更可能であるとともに、また、図
6に示すものからシール板102を省略することも可能
である。
【0030】弾性体間座の部分が仮に剛体で形成されて
いるとすると、傾斜の無い止め輪24を前記凹部26a
に嵌入した状態で転がり軸受4、6に丁度所定の与圧が
付与され、止め輪24が軸方向にガタがない状態となる
ようにしなければならないがこれは非常に困難である。
凹部26aの軸先端側非傾斜面42の位置を高精度に加
工する必要があるが加工自体が困難である上、軸受、内
輪間座等、多くの部品の個々の幅寸法の実際の値の影響
により、理想の位置が変化するためである。そこで、弾
性体間座46を前記凹部44に挿入しその弾性変形を利
用して、止め輪24を凹部26aに嵌入した際の軸方向
のガタを無くすようにした。止め輪24を凹部26aに
嵌入する際、シール板32を主軸2の基端方向に向かっ
て特別な力で押すと、その力はシール板32から内輪4
b、転動体4C、外輪4a、ハウジング段部8、外輪6
a、転動体6c、内輪6bを順に介して弾性体間座46
に伝達される。この間に内輪間座10も内輪4bにより
図1で左方へ押され、やがて両端面が内輪4b、6bの
両方と密着した状態となる。弾性体間座46はこの時加
えられる特別な大きな力によって撓み或いは弾性変形
し、凹部26aが露呈して止め輪24を前記凹部26a
に嵌合することが可能になる。なお、止め輪24を拡径
させた状態でシール板32とともに止め輪24を軸方向
に押し込み、そのまま凹部26aに嵌合させるようにし
てもよい。シール板32が存在しない場合には、止め輪
24が直接内輪4aを押圧することになる。
【0031】止め輪24を凹部26aに嵌め込んだ後で
は、弾性体間座46の弾性変形が止め輪24の軸方向の
ガタがなくなる状態(図5参照)まで解消して弾性体間
座は元の位置・形状に近い状態に復帰するとともに、止
め輪24を隙間を生じることなく凹部26aの非傾斜面
42に圧接することができる。一方、軸受装置の使用状
態では弾性体間座46が持つ剛性によって弾性体間座は
弾性変形すること無い状態の下で、主軸2の基端のフラ
ンジ部46aと軸受6の内輪6bとの間に圧接されてい
る。
【0032】軸受のラジアル隙間は、止め輪24を凹部
26aに嵌め込んだ場合では、二つの軸受4,6の内輪
4b,6b間の内輪間座10の主軸の軸方向の寸法と二
つの軸受4,6の外輪4a,6a間のハウジング7の段
部8の幅寸法との間の差幅寸法に基づく定位置予圧によ
って無くされる。この点既述の従来例と同一である。
【0033】この実施形態ではハウジングが固定され、
すなわちハウジングが回転せず、主軸2が回転するよう
になっている。したがって、内輪間座10と内輪間座に
臨むハウジング7の段部8との間には僅かな隙間があ
り、シール板32と軸受4の外輪4a及びハウジング7
aとの間には僅かな隙間があり、弾性体間座4bと軸受
6の外輪6a及びハウジング7cとの間にも僅かな隙間
が存在する。
【0034】弾性体間座46と、二つの軸受の内輪4
b,6bと、二つの内輪4b,6b間の内輪間座10
と、シール板32とは、主軸に隙間を介することなく嵌
合されているため、これらはハウジングに対して一体に
回転する。二つの外輪4a,6aとハウジング7とは、
内輪によって軸支された軸2を回転自在に支持するため
に、比較的きつく嵌め合っている。内輪間座10と二つ
の内輪4a,4bとは、軸2に対して緩く嵌合されてい
て、外輪に対する内輪の相対的位置を変更して予圧を内
輪・及び外輪に付与でき、かつ、主軸2を軸受装置から
抜き出すことができるように構成されている。
【0035】図7は図1の矢示された断面図を示すもの
である。この図に示すように、内輪間座10及びハウジ
ング7の主軸2の直径方向で互いに対向する2カ所に、
主軸の円周方向に同一幅に形成された空洞部200が設
けられている。この空洞部は、内輪間座10及びハウジ
ング7のそれぞれに、軸2の基端方向の端部から軸2の
先端方向に向かって所定距離分形成されている。
【0036】軸体2を軸受装置から抜き出した後、軸が
抜かれた空洞部内200に、図1に略示されるような、
先端が鈎状に直角にハウジング7の径方向に曲がった工
具210を軸2の基端位置から挿入し、先端の鈎の部分
を前記空洞部200内に挿入することができる。この工
具210は、軸受6を軸受装置外に取り外すための抜き
出し用工具である。次に、図1を基に軸受装置の分解工
程を以下に説明する。
【0037】先ず、主軸の先端側のシール板32を主軸
の基端方向に強い力で図示しない工具によって押圧す
る。すると、弾性体間座46が主軸の基端方向に弾性変
形するため、止め輪24とシール板32との圧接が開放
されて止め輪24が自由となる。次いで図4に示すC字
状の止め輪の隙間24bが拡大するように止め輪24自
体を拡径させる。次いで止め輪を凹部26aから取り外
し、この状態のまま主軸の先端から引き抜くと、軸の先
端部分が自由となる。
【0038】次いで、軸2を図示左方向に抜き出す。こ
のとき、弾性体間座4bは軸2とともに抜き出される。
また、シール板32もこの時点で取り出される。次い
で、既述の抜き出し工具210を主軸が抜かれた空間か
ら軸受装置内に挿入し、抜き出し工具の先端を既述の空
洞部200に矢示のように嵌入する。この抜き出し工具
を主軸の基端方向に矢示するように引き出すことによっ
て、主軸の基端寄りの転がり軸受6を軸受装置外に取り
出すことが可能となる。軸受6を取り出せば、内輪間座
10も取り出すことができ、次いで、主軸先端側にあ
る、軸受4を主軸先端方向に向かって軸受装置外に取り
出す。前記空洞部200を軸の先端側に形成しても良
い。この場合、転がり軸受6に先立ち、転がり軸受4を
取り出す点を除き、他は同様の手順となる。
【0039】既述の実施形態によれば、軸2にナットを
締結するためのねじを加工する必要も無く、かつ、軸及
び止め輪に傾斜を付ける必要も無いので、軸方向への反
力が止め輪に働いた場合でも、止め輪が軸から抜け出る
おそれもない。なお、シール板32は、止め輪24と内
輪4bとの間で挟持された止め輪より大径の環状体に相
当し、止め輪24を凹部26aに嵌入する際の作業性を
向上させる作用も有するものである。なお、軸2を回転
させる代わりにハウジング7を回転させるようにしても
よい。
【0040】次に第2の実施形態を図8に基づいて説明
する。この実施形態に係わる軸受装置は、予圧方式が第
1の実施形態の定位置予圧から定圧予圧方式に変更され
ている以外は、実施形態1の軸受装置と同様である。こ
のために、ハウジングの主軸先端側転がり軸受に臨む箇
所には、定圧予圧用弾性体が挿入されるべき、環状な凹
所232が形成されている。定圧予圧用弾性体によって
軸受の内外輪の相対的な位置が使用中に変化しても、予
圧量をほぼ一定に保つことが出来る。
【0041】符合234は定圧予圧付与用弾性体を当該
凹所に保持・固定しておくための環状に形成された保持
部材である。この保持部材234の軸2の基端側端部2
34aとハウジング7の先端側端部7Dとによって前記
凹部232が画成されている。この凹部内に前記予圧付
与用弾性体が装填される。この定圧予圧用弾性体として
は、皿ばね、コイルばね、波形ばね、ゴム等を使用する
ことができる。
【0042】図9は、波ばねの正面図(9a)とその側
面図(9b)であり、図10はさらばねの正面図(10
a)とその側面図(10b)である。この定圧予圧付与
用弾性体が前記凹所232内に配置され、前記軸2の回
りに配置さる。本実施例では、定圧予圧方式であるの
で、実施形態1のように内輪間座の幅とハウジングの幅
を定位置予圧を与えるように調整・設定されている必要
はない。
【0043】この実施形態において、予圧用ばねの弾性
力でお互いが摺動可能になるように、ばね保持部材23
4とハウジング7との界面、そして主軸先端側外輪4a
とハウジング7との間は摺動可能な程度の比較的緩い嵌
め合いが存在する。
【0044】次に実施形態3について説明する。この実
施形態が既述の第2実施形態と異なる点は、前記弾性体
間座の位置を変更した点である。この実施形態では、内
輪間座10を主軸のほぼ中間位置にて分割し、これら内
輪間座10a,10bとハウジング7によって画成され
る凹所400に弾性体間座46を挿入している。弾性体
間座は例えば、環状の皿ばねから構成されている。主軸
2の基端部の軸回りは、軸よりやや径が大きくなる段部
410を持っており、この段部と軸受6の内輪6bとの
間にシール板402が設けられている。この実施形態で
は、前記弾性体間座46として、既述の皿ばね2枚を向
かい合わせにして使用している。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ハウジ
ングと、段部を備える軸体と、前記ハウジングと前記軸
体の小径部との間に介在する複数の転がり軸受と、当該
転がり軸受間に介在する予圧付与部と、前記複数の転が
り軸受を介して前記軸体の段部と反対側に設けられ、前
記軸体と複数の転がり軸受の内輪との位置関係を規制す
る位置決め部を備えた軸受装置において、前記位置決め
部は、軸体に設けられる環状の凹溝と、これに嵌合され
る止め輪とを備えて成り、かつ、前記軸体の段部と前記
位置決め部との間に弾性体間座を介在させてなる構成を
持つことを特徴としているので、主軸の加工工程を複雑
にすることなく、かつ、加工コストの増大にもならず、
かつ、止め輪が主軸の凹部から抜ける場合も無く信頼性
に優れた軸受装置を提供することができるという効果を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる軸受装置の断面図である。
【図2】 従来の軸受装置の断面図である。
【図3】 従来の他の軸受装置の軸体先端部の拡大断面
図である。
【図4】 図3の軸受装置の軸体先端に嵌合される止め
輪の正面図である。
【図5】 図1の軸受装置の軸体先端の拡大断面図であ
る。
【図6】 図1の軸受装置に適用される弾性体間座の他
の例を示す拡大断面図である。
【図7】 図1のVII−VII線断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係わる軸受装置の
断面図である。
【図9】 波形ばねの正面図及び側面図である。
【図10】 皿ばねの正面図及び側面図である。
【図11】 本発明の第3の実施形態に係わる軸受装置
の断面図である。
【符号の説明】
2 軸体 4,6 軸受 7 ハウジング 8 ハウジング段部 10 内輪間座 22 環状な止め輪 22a 環状凹部 24 止め輪 32 シール板 44 凹部(段部) 46 弾性体から構成される環状の間座

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、段部を備える軸体と、前
    記ハウジングと前記軸体の小径部との間に介在する複数
    の転がり軸受と、当該転がり軸受間に介在する予圧付与
    部と、前記複数の転がり軸受を介して前記軸体の段部と
    反対側に設けられ、前記軸体と複数の転がり軸受の内輪
    との位置関係を規制する位置決め部を備えた軸受装置に
    おいて、 前記位置決め部は、軸体に設けられる環状の凹溝と、こ
    れに嵌合される止め輪とを備えて成り、かつ、 前記軸体の段部と前記位置決め部との間に弾性体間座を
    介在させてなる軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記予圧付与部は、前記軸体に嵌合され
    る内輪間座を備え、さらに、前記弾性体間座が前記軸体
    段部と当該段部寄りの軸受との間に設けられる請求項1
    記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記内輪間座は複数に分割され、前記弾
    性体間座は分割された内輪間座同士の間に設けられてな
    る請求項1記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記止め輪と内輪との間に止め輪より大
    径の環状体を挟持してなる請求項1乃至3の何れか1項
    記載の軸受装置。
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