JP5699815B2 - プラグ - Google Patents

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Description

本発明は、プラグに関し、より特定的には、光ファイバの一端に設けられるプラグに関する。
従来のプラグに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の光電気変換装置が知られている。光電気変換装置は、互いに嵌合して用いられるレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタにより構成されている。
プラグコネクタは、光ファイバケーブルの一端に設けられており、光半導体、ステージ及びICを備えている。光半導体は、発光素子又は受光素子であり光ファイバケーブルと光学的に結合している。光半導体は、ステージ上に実装されている。ICは、光半導体の信号の電流・電圧変換用のIC又はシリアルパラレル変換ICである。光半導体とステージとの間、及び、ステージとICとの間は、ワイヤボンディングにより接続されている。
ここで、前記プラグコネクタでは、光半導体とステージとの間、及び、ステージとICとの間は、ワイヤボンディングにより接続されている。ワイヤボンディングに用いられるワイヤは、細くかつ長いため、比較的に高いインダクタンス値を有している。その結果、プラグコネクタ内のインダクタンス値が大きくなり、プラグコネクタにおいて所望の特性を得ることが困難になる。
特開2010−135109公報
そこで、本発明の目的は、装置内に発生するインダクタンス値を低減できるプラグを提供することである。
本発明の一形態に係るプラグは、ファイバの一端に用いられるプラグであって、モジュールと、前記光モジュールが取り付けられていると共に、前記光ファイバが取り付けられる本体と、を備えており前記光モジュールは、複数の絶縁体層が積層されることにより構成され、積層方向から平面視したときに、第1の孔が設けられている積層体と、前記積層体に内蔵され、かつ、前記光ファイバと光学的に結合する光素子であって、受光面又は発光面を有し、かつ、前記第1の孔を介して前記光ファイバと光学的に結合している光素子と、前記積層体に内蔵されている回路素子と、前記絶縁体層上に設けられている導体層、及び/又は、前記絶縁体層を貫通しているビアホール導体からなる配線と、を備えており、前記光素子と前記回路素子とは、前記配線を介して電気的に接続されており、前記本体の第1の面には、凹部が設けられており、前記光モジュールは、前記受光面又は前記発光面が前記凹部の底部側を向くように、該凹部に取り付けられており、前記本体には、前記第1の面と対向する第2の面と前記凹部との間を貫通し、かつ、前記第1の孔と連通している第2の孔であって、前記光ファイバが該第2の面側から挿入される第2の孔が設けられていること、を特徴とする。
本発明によれば、装置内に発生するインダクタンス値を低減できる。
本発明の一実施形態に係るプラグの外観斜視図である。 プラグの分解斜視図である。 光モジュールの分解斜視図である。 プラグをz軸方向の正方向側から透視した図である。 プラグをz軸方向の正方向側から透視した図である。 プラグの製造時の斜視図及び断面図である。 プラグの製造時の斜視図及び断面図である。 プラグの製造時の斜視図及び断面図である。 プラグの製造時の斜視図及び断面図である。 プラグの製造時の斜視図である。 プラグの製造時の斜視図である。 プラグをz軸方向の正方向側から平面視した図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るプラグについて図面を参照しながら説明する。
(プラグの構成)
以下に、本発明の一実施形態に係るプラグの構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプラグ10の外観斜視図である。図2は、プラグ10の分解斜視図である。図3は、光モジュール12の分解斜視図である。以下では、図1の光ファイバ50が延在している方向をx軸方向と定義する。また、プラグ10のx軸方向の負方向側の端に位置する面の2辺に平行な方向をy軸方向及びz軸方向と定義する。
プラグ10は、光ファイバ50の一端に設けられ、レセプタクルに嵌合されることによりレセプタクルと共にコネクタとして用いられる。プラグ10は、図1及び図2に示すように、光モジュール12、フェルール(本体)14及び保持部材16を備えている。
光モジュール12は、プラグ10に用いられるモジュールであり、図3に示すように、積層体20、外部電極22a〜22d、導体層26a〜26i、ビアホール導体V1〜V7、光素子90及びIC(回路素子)92を備えている。
積層体20は、絶縁体層24a〜24dがx軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に積層されることにより構成されており、直方体状をなしている。絶縁体層24a〜24dは、例えば、ガラスエポキシからなる絶縁性樹脂層であり、長方形状をなしている。以下では、絶縁体層24a〜24dのx軸方向の正方向側の主面を表面と称し、絶縁体層24a〜24dのx軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
外部電極22a〜22dは、レセプタクルに設けられている外部電極と電気的に接続され、積層体20のx軸方向の負方向側の面(積層体20の裏面)に設けられている。外部電極22a〜22dは、絶縁体層24dの裏面上の各角近傍に設けられている。より詳細には、外部電極22aは、y軸方向の正方向側であってz軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。外部電極22bは、y軸方向の負方向側であってz軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。外部電極22cは、y軸方向の正方向側であってz軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。外部電極22dは、y軸方向の負方向側であってz軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。
ビアホール導体V4〜V7は、絶縁体層24dをz軸方向に貫通しており、絶縁体層24dの各角近傍に設けられている。より詳細には、ビアホール導体V4は、y軸方向の正方向側であってz軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V4のx軸方向の負方向側の端部は、外部電極22aに接続されている。ビアホール導体V5は、y軸方向の負方向側であってz軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V5のx軸方向の負方向側の端部は、外部電極22bに接続されている。ビアホール導体V6は、y軸方向の正方向側であってz軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V6のx軸方向の負方向側の端部は、外部電極22cに接続されている。ビアホール導体V7は、y軸方向の負方向側であってz軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V7のx軸方向の負方向側の端部は、外部電極22dに接続されている。ビアホール導体V4〜V7は、例えば、AgやCu等の導電性ペーストがビアホールに充填されることにより形成されている。
導体層26d〜26gは、絶縁体層24dの表面上に設けられているL字型の線状導体層である。導体層26d〜26gの一端は、絶縁体層24dの表面上の各角近傍に設けられており、導体層26d〜26gの他端は、絶縁体層24dの表面上の中央(対角線の交点)近傍に設けられている。より詳細には、導体層26dの一端は、y軸方向の正方向側であってz軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。そして、導体層26dの一端は、ビアホール導体V4のx軸方向の正方向側の端部に接続されている。導体層26eの一端は、y軸方向の負方向側であってz軸方向の正方向側の角近傍に設けられている。そして、導体層26eの一端は、ビアホール導体V5のx軸方向の正方向側の端部に接続されている。導体層26fの一端は、y軸方向の正方向側であってz軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。そして、導体層26fの一端は、ビアホール導体V6のx軸方向の正方向側の端部に接続されている。導体層26gの一端は、y軸方向の負方向側であってz軸方向の負方向側の角近傍に設けられている。そして、導体層26gの一端は、ビアホール導体V7のx軸方向の正方向側の端部に接続されている。導体層26d〜26gは、例えば、AgやCu等の導電性ペーストが絶縁体層24dの表面に塗布されることにより形成されている。
導体層26h,26iは、絶縁体層24dの表面上に設けられている直線状の線状導体層である。導体層26hの一端は、絶縁体層24dのy軸方向の正方向側の辺の中央近傍に設けられている。導体層26hの他端は、絶縁体層24dの表面上の中央(対角線の交点)近傍に設けられている。導体層26iの一端は、絶縁体層24dのy軸方向の負方向側の辺の中央近傍に設けられている。導体層26iの他端は、絶縁体層24dの表面上の中央(対角線の交点)近傍に設けられている。導体層26h,26iは、例えば、AgやCu等の導電性ペーストが絶縁体層24dの表面に塗布されることにより形成されている。
IC92は、積層体20に内蔵されているチップ型の回路素子である。IC92は、光素子90のアナログ増幅ICや駆動ドライバIC等である。IC92は、直方体状をなしており、絶縁体層24dの表面の中央に実装されている。これにより、IC92には、導体層26d〜26gの他端が接続されている。
ビアホール導体V2は、絶縁体層24cをz軸方向に貫通しており、絶縁体層24cのy軸方向の正方向側の辺の中央近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V2のx軸方向の負方向側の端部は、導体層26hの一端に接続されている。ビアホール導体V3は、絶縁体層24cをz軸方向に貫通しており、絶縁体層24cのy軸方向の負方向側の辺の中央近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V3のx軸方向の負方向側の端部は、導体層26iの一端に接続されている。ビアホール導体V2,V3は、例えば、AgやCu等の導電性ペーストがビアホールに充填されることにより形成されている。
導体層26bは、絶縁体層24cの表面上に設けられている直線状の線状導体層である。導体層26bの一端は、絶縁体層24cのy軸方向の正方向側の辺の中央近傍に設けられている。導体層26bの他端は、絶縁体層24cの表面上の中央(対角線の交点)近傍に設けられている。そして、導体層26bの一端は、ビアホール導体V2のx軸方向の負方向側の端部に接続されている。導体層26bは、例えば、AgやCu等の導電性ペーストが絶縁体層24cの表面に塗布されることにより形成されている。
導体層26cは、絶縁体層24cの表面上に設けられている長方形状の線状導体層である。導体層26cは、絶縁体層24cのy軸方向の負方向側の辺の中央近傍に設けられている。そして、導体層26cは、ビアホール導体V3のx軸方向の負方向側の端部に接続されている。導体層26cは、例えば、AgやCu等の導電性ペーストが絶縁体層24cの表面に塗布されることにより形成されている。
光素子90は、積層体20に内蔵され、光ファイバ50と光学的に結合する発光素子又は受光素子である。以下では、光素子90を受光素子として説明する。光素子90は、直方体状をなしており、絶縁体層24cの中央近傍に実装されている。これにより、光素子90には、導体層26bの他端が接続されている。また、光素子90は、x軸方向(積層方向)においてIC92と重なっている。また、光素子90は、受光面を有している。受光面は、光素子90のx軸方向の正方向側の面に設けられている。
ビアホール導体V1は、絶縁体層24bをz軸方向に貫通しており、絶縁体層24bのy軸方向の負方向側の辺の中央近傍に設けられている。そして、ビアホール導体V1のx軸方向の負方向側の端部は、導体層26cに接続されている。ビアホール導体V1は、例えば、AgやCu等の導電性ペーストがビアホールに充填されることにより形成されている。
貫通孔H3は、絶縁体層24bの中央近傍(対角線の交点)に設けられており、絶縁体層24bをz軸方向に貫通している。光素子90は、絶縁体層24bと絶縁体層24cとが積層された際に、貫通孔H3内に収まる。光素子90の受光面は、絶縁体層24bの表面から露出している。
導体層26aは、絶縁体層24bの表面上に設けられている直線状の線状導体層である。導体層26aの一端は、絶縁体層24bのy軸方向の負方向側の辺の中央近傍に設けられており、導体層26aの他端は、絶縁体層24bの表面の中央対角線の交点)近傍に設けられている。そして、導体層26aの一端は、ビアホール導体V1のx軸方向の正方向側の端部に接続されている。また、導体層26aの他端は、光素子90に接続されている。導体層26aは、例えば、AgやCu等の導電性ペーストが絶縁体層24bの表面に塗布されることにより形成されている。
貫通孔(第1の孔)H2は、絶縁体層24aの中央近傍(対角線の交点)に設けられており、絶縁体層24aをx軸方向に貫通している。貫通孔H2は、x軸方向から平面視したときに、貫通孔H3と重なっている。よって、光素子90の受光面は、x軸方向(積層方向)の正方向側から平面視したときに、貫通孔H2を介して積層体20の外部に露出している。
以上のように、光モジュール12では、光素子90とIC92とは、導体層26a,26b,26h,26i及びビアホール導体V1〜V3からなる配線を介して電気的に接続されている。また、光モジュール12では、IC92と外部電極22a〜22dは、導体層26d〜26g及びビアホール導体V4〜V7からなる配線を介して電気的に接続されている。
光ファイバ50は、図2に示すように、x軸方向に延在しており、ファイバガラス52、ファイバ被膜54及びファイバジャケット56により構成されている。ファイバガラス52は、コア及びクラッドにより構成されており、光信号を伝送する。ファイバ被膜54は、ファイバガラス52の周囲を囲んでおり、ファイバガラス52を保護している。ファイバジャケット56は、ファイバ被膜54の周囲を囲んでいる。そして、光ファイバ50のx軸方向の負方向側の端部では、ファイバジャケット56が除去されることによりファイバ被膜54が露出しており、更に、ファイバ被膜54が除去されることによりファイバガラス52が露出している。
図4は、プラグ10をz軸方向の正方向側から透視した図である。ファイバガラス52のx軸方向の負方向側の端部は、図4に示すように、光素子90の受光面と対向している。これにより、光素子90と光ファイバ50とは光学的に結合している。
フェルール14には、光モジュール12及び光ファイバ50が取り付けられている。フェルール14は、図2に示すように、直方体状の樹脂部材であり、面S1〜S6を有している。面S1は、フェルール14のx軸方向の負方向側の面である。面S2は、フェルール14のx軸方向の正方向側の面である。面S3は、フェルール14のz軸方向の正方向側の面である。面S4は、フェルール14のz軸方向の負方向側の面である。面S5は、フェルール14のy軸方向の負方向側の面である。面S6は、フェルール14のy軸方向の正方向側の面である。フェルール14には、図2に示すように、凹部G1〜G3及び貫通孔H1が設けられている。
凹部G2,G3は、面S4に設けられている。凹部G2は、面S4のy軸方向の正方向側の辺近傍が窪んでいることにより形成されている。凹部G3は、面S4のy軸方向の負方向側の辺近傍が窪んでいることにより形成されている。
凹部G1は、面(第1の面)S1に設けられており、光モジュール12と略同じ形状を有する窪みである。そして、光モジュール12は、受光面が凹部G1の底部側(x軸方向の正方向側)を向くように、凹部G1に取り付けられている。
貫通孔(第2の孔)H1は、面(第2の面)S2と凹部G1との間を貫通している。貫通孔H1は、面S2から凹部G1に近づくにしたがって、直径が小さくなるテーパー状をなしている。そして、光モジュール12が凹部G1に取り付けられることにより、貫通孔H1は、貫通孔H2と連通する。
貫通孔H1には、図4に示すように、x軸方向の正方向側(フェルール14のx軸方向の正方向側の面側)から光ファイバ50が挿入されている。以下に、光ファイバ50と貫通孔H1,H2との関係について図面を参照しながら説明する。図5は、プラグ10をz軸方向の正方向側から透視した図である。図5では、プラグ10及びファイバ50の各部の寸法が記入されている。
図5に示すように、ファイバジャケット56の直径をaとする。ファイバ被膜54の直径をbとする。ファイバガラス52の直径をcとする。フェルール14のx軸方向の正方向側の面における貫通孔H1の直径をdとする。凹部G1における貫通孔H1の直径をeとする。このとき、c<e<b<d<aの関係が成立している。
これにより、光ファイバ50が貫通孔H1に挿入されると、ファイバガラス52の直径は、凹部G1における貫通孔H1の直径よりも小さいので、ファイバガラス52は、貫通孔H2内に進入する。そのため、ファイバガラス52のx軸方向の負方向側の端部は、光素子90の受光面と対向するようになる。
また、ファイバ被膜54の直径は、面S2における貫通孔H1の直径よりも小さく、かつ、凹部G1における貫通孔H1の直径よりも大きい。そのため、ファイバ被膜54のx軸方向の負方向側の端部は、貫通孔H1の内周面に引っかかる。よって、光ファイバ50が貫通孔H1の奥まで挿入されすぎて、ファイバガラス52が光素子90の受光面に衝突することが抑制される。
また、ファイバジャケット56の直径は、面S2における貫通孔H1の直径よりも大きい。そのため、ファイバジャケット56は、貫通孔H1内に挿入されず、面S2に引っかかる。よって、光ファイバ50が貫通孔H1の奥まで挿入されすぎて、ファイバガラス52が光素子90の受光面に衝突することが抑制される。
また、貫通孔H1,H2内には、透明接着剤が塗布されている。これにより、ファイバガラス52と光素子90との間には透明樹脂が存在するようになり、ファイバガラス52と光素子90とが接触することが抑制される。
保持部材16は、図2に示すように、フェルール14に取り付けられ、かつ、光ファイバ50を保持している。保持部材16は、1枚の金属板が折曲げ加工されることにより作製されており、x軸方向から平面視したときに、略コ字型をなしている。より詳細には、保持部材16は、図2に示すように、上面60、側面62,64、固定部66,68及び保持部70により構成されている。
上面60は、z軸に垂直であり、長方形状をなしている。上面60は、フェルール14の面S3を覆っている。側面62は、y軸に垂直であり、長方形状をなしている。側面62は、フェルール14の面S6を覆っている。側面64は、y軸に垂直であり、長方形状をなしている。側面64は、フェルール14のS5を覆っている。
固定部66は、側面62のz軸方向の負方向側の辺に接続されており、y軸方向の負方向側に折り曲げられることにより、凹部G2内に嵌合する。固定部68は、側面64のz軸方向の負方向側の辺に接続されており、y軸方向の正方向側に折り曲げられることにより、凹部G3内に嵌合する。固定部66,68が折り曲げられることにより、保持部材16がフェルール14に固定されている。
保持部70は、上面60のx軸方向の正方向側の辺に接続されており、図1に示すように、光ファイバ50に巻きつけられることにより、光ファイバ50を固定している。
以上のように構成されたプラグ10の動作について以下に説明する。光信号は、光ファイバ50内を伝送され、光素子90の受光面に入射する。光素子90は、受光した光信号に応じたアナログ電気信号を生成する。
アナログ電気信号は、配線を介して、IC92に入力される。IC92は、アナログ信号に増幅すると共に、アナログ電気信号をシリアルのデジタル電気信号に変換する。該シリアルのデジタル電気信号は、1対の差動信号である。更に、IC92は、シリアルのデジタル信号を外部電極22a〜22dを介して、プラグ10外に出力する。具体的には、外部電極22a,22bから、1対の差動信号であるシリアルのデジタル電気信号が出力される。外部電極22c,22dは、グランド端子である。
(プラグの製造方法)
次に、プラグ10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図6ないし図9は、プラグ10の製造時の斜視図及び断面図である。図10及び図11は、プラグ10の製造時の斜視図である。なお、プラグ10の光モジュール12は、複数の光モジュール12がつながったマザーモジュールが作製されて、該マザーモジュールがカットされることにより作製される。ただし、図6ないし図9では、理解の容易のために、1つの光モジュール12の製造過程のみが示されている。
まず、ガラスエポキシ樹脂からなる絶縁体層24dを準備する。次に、図6(a)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24dにビアホールh4〜h7を形成する。ここでのフォトリソグラフィ工法は、一般的な工法であるので、これ以上の説明を省略する。
次に、図6(b)に示すように、ビアホールh4〜h7に対して、AgやCu等を含有する導電性ペーストを充填して、ビアホール導体V4〜V7を形成する。
次に、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24dの表面上に導体層26d〜26iを形成する。ここでのフォトリソグラフィ工法は、一般的な工法であるので、これ以上の説明を省略する。
次に、図7(a)に示すように、ダイボンディングによりIC92を絶縁体層24dの表面の中央近傍に実装する。
次に、図7(b)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24d上に絶縁体層24cを形成する。IC92は、絶縁体層24cにより覆われる。また、絶縁体層24cには、ビアホールh2,h3を形成する。
次に、図7(c)に示すように、ビアホールh2,h3に対して、AgやCu等を含有する導電性ペーストを充填して、ビアホール導体V2,V3を形成する。
次に、図8(a)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24cの表面上に導体層26b,26cを形成する。
次に、図8(b)に示すように、ダイボンディングにより光素子90を絶縁体層24cの表面の中央近傍に実装する。
次に、図8(c)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24c上に絶縁体層24bを形成する。絶縁体層24bの厚みは、光素子90のx軸方向の高さと略等しい。これにより、光素子90のx軸方向の正方向側の面は、絶縁体層24bから露出している。また、絶縁体層24bには、ビアホールh1を形成する。
次に、図9(a)に示すように、ビアホールh1に対して、AgやCu等を含有する導電性ペーストを充填して、ビアホール導体V1を形成する。
次に、図9(b)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24bの表面上に導体層26aを形成する。
次に、図9(c)に示すように、フォトリソグラフィ工法により、絶縁体層24b上に絶縁体層24aを形成する。絶縁体層24aには、貫通孔H2を形成する。
次に、図9(d)に示すように、絶縁体層24dの裏面に外部電極22a〜22dを形成する。具体的には、絶縁体層24dの裏面にスクリーン印刷によりAgやCu等を含有する導電性ペーストを塗布して、銀電極を形成する。そして、銀電極に対してNiめっき及びSnめっきを施すことにより、外部電極22a〜22dを形成する。
次に、図10(a)に示すように、樹脂成型により作製されたフェルール14を準備し、該フェルール14の凹部G1内に接着剤を塗布する。
次に、図10(b)に示すように、フェルール14の凹部G1に対して光モジュール12を取り付ける。具体的には、貫通孔H1を介して光モジュール12の光素子90の受光面を、イメージセンサを用いて観察しながら、光モジュール12の位置合わせを行う。次に、貫通孔H1内に熱硬化接着剤又はUV硬化性接着剤を塗布する。この際、光モジュール12とフェルール14との隙間に、熱硬化接着剤又はUV硬化性接着剤が毛細管現象により広がる。更に、フェルール14に対して保持部材16を、接着剤を用いて取り付ける。
次に、図10(c)に示すように、貫通孔H1内に透明接着剤を塗布し、光ファイバ50を貫通孔H1に対して挿入する。これにより、光ファイバ50がフェルール14に対して仮止めされる。
次に、図11(a)に示すように、保持部材16の固定部66,68をかしめて、保持部材16をフェルール14に固定する。この際、接着剤を固定部66,68とフェルール14との間に塗布してもよい。
最後に、図11(b)に示すように、光ファイバ50に対して保持部70をかしめて、光ファイバ50をフェルール14に固定する。この際、接着剤を光ファイバ50と保持部70との間に塗布してもよい。以上の工程を経て、プラグ10が完成する。
(効果)
以上のようなプラグ10によれば、プラグ10内に発生するインダクタンス値を低減できる。より詳細には、特許文献1に記載のプラグコネクタでは、光半導体とステージとの間、及び、ステージとICとの間は、ワイヤボンディングにより接続されている。ワイヤボンディングに用いられるワイヤは、細くかつ長いため、比較的に高いインダクタンス値を有している。その結果、プラグコネクタ内のイダクタンス値が大きくなり、プラグコネクタにおいて所望の特性を得ることが困難になる。
一方、プラグ10では、光素子90とIC92とは、導体層26a,26b,26h,26i及びビアホール導体V1〜V3からなる配線を介して電気的に接続されている。また、光モジュール12では、IC92と外部電極22a〜22dは、導体層26d〜26g及びビアホール導体V4〜V7からなる配線を介して電気的に接続されている。導体層26及びビアホール導体Vは、ワイヤボンディングのワイヤに比べて大きな断面積を有している。更に、導体層26及びビアホール導体Vは、積層体20内を引き回されているので、ワイヤに比べて短い。よって、導体層26及びビアホール導体Vのインダクタンス値は、ワイヤのインダクタンス値に比べて小さい。その結果、プラグ10内に発生するインダクタンス値が低減される。
また、プラグ10によれば、以下に説明するように、光素子90と光ファイバ50との光軸合わせを容易に行うことができる。より詳細には、光モジュール12をフェルール14に取り付ける際には、貫通孔H1を介して光モジュール12の光素子90の受光面をイメージセンサを用いて観察しながら、光モジュール12の位置合わせを行う。これにより、貫通孔H1と光素子90との位置合わせがなされるので、貫通孔H1に光ファイバ50を挿入するだけで、光素子90と光ファイバ50との光軸合わせがなされる。
また、ファイバ被膜54の直径は、面S2における貫通孔H1の直径よりも小さく、かつ、凹部G1における貫通孔H1の直径よりも大きい。そのため、ファイバ被膜54のx軸方向の負方向側の端部は、貫通孔H1の内周面に引っかかる。同様に、ファイバジャケット56の直径は、面S2における貫通孔H1の直径よりも大きい。そのため、ファイバジャケット56は、貫通孔H1内に挿入されず、面S2に引っかかる。よって、ファイバガラス52及びファイバ被膜54の長さを適切な長さに調整することによって、光ファイバ50が貫通孔H1の奥まで挿入されすぎて、ファイバガラス52が光素子90の受光面に衝突することが抑制される。
また、プラグ10では、フェルール14の凹部G1に光モジュール12が取り付けられている。そのため、プラグ10をレセプタクルに装着する際に、光モジュール12がレセプタクルから力を受けたとしても、該力は、光ファイバ50に直接に伝わらずに、フェルール14に伝わる。その結果、光ファイバ50及び光素子90が破損することが抑制される。
また、保持部材16は、フェルール14の面S3,S5,S6を覆っている。そのため、プラグ10内にノイズが侵入することが抑制されると共に、プラグ10外にノイズが放射されることが抑制される。
(変形例)
以下に、変形例に係るプラグ10aについて図面を参照しながら説明する。プラグ10aの外観斜視図は、図1を援用する。図12は、プラグ10aをz軸方向の正方向側から平面視した図である。
プラグ10aでは、ファイバジャケット56の表面に金属皮膜が設けられている。また、保持部材16は、金属により構成され、かつ、金属皮膜に接触している。これにより、ファイバジャケット56の金属皮膜及び保持部材16には、図12の矢印の方向に電気信号が伝送される。したがって、保持部材16を光モジュール12の外部電極と接続しておくことによって、例えば、ファイバジャケット56の金属皮膜及び保持部材16を介してIC92に対して電力を供給することが可能となる。
なお、プラグ10,10aでは、光素子90は、受光素子であるとしたが、例えば、発光素子であってもよい。光素子90が発光素子である場合には、光素子90は、受光面の代わりに発光面を有している。また、この場合には、外部電極22a,22bから、1対の差動信号であるシリアルのデジタル電気信号が入力される。外部電極22c,22dは、グランド端子である。そして、IC92は、シリアルのデジタル電気信号を光素子90の駆動信号に変換し、光素子90に出力する。光素子90は、駆動信号に基づいて光信号を出力する。
以上のように、本発明は、プラグに有用であり、特に、装置内のインダクタンス値を低減できる点において優れている。
G1 凹部
H1,H2 貫通孔
V1〜V7 ビアホール導体
10,10a プラグ
12 光モジュール
14 フェルール
16 保持部材
20 積層体
22a〜22d 外部電極
24a〜24d 絶縁体層
26a〜26i 導体層
50 光ファイバ
52 ファイバガラス
54 ファイバ被膜
56 ファイバジャケット
90 光素子
92 IC

Claims (8)

  1. ファイバの一端に用いられるプラグであって、
    モジュールと、
    前記光モジュールが取り付けられていると共に、前記光ファイバが取り付けられる本体と、
    を備えており
    前記光モジュールは、
    複数の絶縁体層が積層されることにより構成され、積層方向から平面視したときに、第1の孔が設けられている積層体と、
    前記積層体に内蔵され、かつ、前記光ファイバと光学的に結合する光素子であって、受光面又は発光面を有し、かつ、前記第1の孔を介して前記光ファイバと光学的に結合している光素子と、
    前記積層体に内蔵されている回路素子と、
    前記絶縁体層上に設けられている導体層、及び/又は、前記絶縁体層を貫通しているビアホール導体からなる配線と、
    を備えており、
    前記光素子と前記回路素子とは、前記配線を介して電気的に接続されており、
    前記本体の第1の面には、凹部が設けられており、
    前記光モジュールは、前記受光面又は前記発光面が前記凹部の底部側を向くように、該凹部に取り付けられており、
    前記本体には、前記第1の面と対向する第2の面と前記凹部との間を貫通し、かつ、前記第1の孔と連通している第2の孔であって、前記光ファイバが該第2の面側から挿入される第2の孔が設けられていること、
    を特徴とするプラグ。
  2. 前記光素子と前記回路素子とは、積層方向において重なっていること、
    を特徴とする請求項1に記載のプラグ
  3. 記受光面又は前記発光面は、積層方向から平面視したときに、前記第1の孔を介して、前記積層体の外部に露出していること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプラグ
  4. 前記積層体の表面に設けられている外部電極を、
    更に備えており、
    前記回路素子と前記外部電極とは、前記配線を介して電気的に接続されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラグ
  5. 前記光ファイバは、ファイバガラス、該ファイバガラスの周囲を囲むファイバ被膜及び該ファイバ被膜の周囲を囲むファイバジャケットにより構成されており、
    前記第2の孔は、前記第2の面から前記凹部に近づくにしたがって、直径が小さくなるテーパー状をなしており、
    前記ファイバジャケットの直径をaとし、前記ファイバ被膜の直径をbとし、前記ファイバガラスの直径をcとし、前記第2の孔の前記第2の面における直径をdとし、該第2の孔の前記凹部における直径をeとしたときに、
    c<e<b<d<aの関係が成立していること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプラグ。
  6. 前記第1の孔及び前記第2の孔には、透明接着剤が塗布されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のプラグ。
  7. 前記本体に取り付けられ、かつ、前記光ファイバを保持するための保持部材を、
    更に備えていること、
    を特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載のプラグ。
  8. 前記光ファイバの表面には、金属皮膜が設けられており、
    前記保持部材は、金属により構成され、かつ、前記金属皮膜に接触しており、
    前記金属皮膜及び前記保持部材には、電気信号が伝送されること、
    を特徴とする請求項に記載のプラグ。
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