JP2004334189A - 光モジュール用マウント部材、光モジュール、アレイ型光モジュール、光伝送モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 マウント部材4は、その被覆保持部54の内径をW、光ファイバ被覆部32よりも大きな内径の部分の長さをLとすると、
光ファイバ被覆部32の外径が250μmの場合、W=270μmのときL≧0.5mm、270μm<W≦280μmのときL≧0.6mm、280μm<W≦290μmのときL≧0.7mm、290μm<W≦300μmのときL≧0.8mmであり、
光ファイバ被覆部32の外径が400μmの場合、W=440μmのときL≧0.7mm、440μm<W≦460μmのときL≧0.8mm、460μm<W≦480μmのときL≧0.9mmとする。
【選択図】 図2
Description
光信号発信型光モジュールは発光素子がマウント部材に実装されたものであり、電気信号が外部の電極から光モジュールの発光素子に送信されると、電気信号に応じた光信号が発光素子から光ファイバへ伝搬される。
また、光信号受信型光モジュールは受光素子がマウント部材に実装されたものであり、光ファイバを伝搬した光信号は光モジュールの受光素子に受信され、受光素子にて電気信号に変換されて外部の電極に出力される。
このように光モジュールによって電気信号と光信号の変換を行うことができる。
前記光モジュールでは、受発光素子として、発光部又は受光部を有する板状の光素子が用いられ、発光部又は受光部が前記位置決めされた光ファイバの端面と対向するように、受発光素子がマウント部材に実装されている。
前記特許文献1,2に開示された光モジュールでは、異なる面上に正極と負極がそれぞれ設けられた受発光素子が用いられている。このため、受発光素子の正極及び負極のうち、発光部又は受光部と同一面にない電極と、マウント部材に形成された電極パターンとは、ワイヤボンディング等により接続する必要がある。
ワイヤボンディングを用いた場合、電極間の配線距離が長くなるため電気抵抗が大きくなり、この電気抵抗により電気信号のSN比が大幅に低減してしまうこととなる。特に伝送容量が大きく周波数の高い電気信号は、電気抵抗による信号劣化の影響を受けやすいため、ワイヤボンディングを用いた場合、信号劣化等の不具合が生じる場合がある。
更に、光モジュールを製造する際、ワイヤボンディングを形成する工程が必要となり、製造コストが高くなってしまう。特に、特許文献2に開示された光モジュールのように、受発光素子の電極とマウント部材の電極パターンとを繋ぐワイヤの取り回しが困難な場合、ワイヤボンディンディングの形成工程が非常に複雑で困難なものとなる。更に、ワイヤボンディング形成後、ワイヤ部分を樹脂等で保護するまでの間、製造工程にてワイヤが切れる等の不具合が生じる場合がある。
このような従来の光モジュールでは、光モジュールと制御用半導体素子とを接続する配線が長くなってしまい、これにより電気抵抗が大きくなり、この電気抵抗により電気信号のSN比が大幅に低減してしまうこととなる。このため信号劣化等の不具合が生じる場合がある。また、光モジュールと制御用半導体素子とを含めた光部品は大きなものとなってしまう。
図16は、特許文献1にて開示された光モジュールの要部の一例を示す概略断面図である。光ファイバ位置決め用貫通孔305の背面側開口部352にテーパ部306が形成されている。光ファイバ3は、その被覆部32の先端部32aがテーパ部306にあたった状態で、マウント部材4に固定されている。前記光ファイバ3は、符号3’に示されたように、光ファイバ位置決め用貫通孔305の中心軸305aから広角度に曲げることができる。このときテーパ部306内で、光ファイバ3は大きく曲がることになるため、光ファイバ3に曲げ応力が加わりやすく、曲げ損失が増加する場合や光ファイバ3が折れてしまう場合がある。
(a)光ファイバの被覆部の外径が250μmの場合、
(1)Wが270μmのとき、Lは0.5mm以上であり、
(2)Wが270μmよりも大きく、280μm以下のとき、Lは0.6mm以上であり、
(3)Wが280μmよりも大きく、290μm以下のとき、Lは0.7mm以上であり、
(4)Wが290μmよりも大きく、300μm以下のとき、Lは0.8mm以上であり、
(b)光ファイバの被覆部の外径が400μmの場合、
(1)Wが440μmのとき、Lは0.7mm以上であり、
(2)Wが440μmよりも大きく、460μm以下のとき、Lは0.8mm以上であり、
(3)Wが460μmよりも大きく、480μm以下のとき、Lは0.9mm以上であること
を満たすことを特徴とする光モジュール用マウント部材である。
請求項2に係る発明は、透明材料から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール用マウント部材である。
前記受発光素子が、発光部又は受光部と同一面側に正極と負極とを有することを特徴とする光モジュールである。
請求項4に係る発明は、前記光モジュール用マウント部材に制御用半導体素子が実装されたことを特徴とする請求項3に記載の光モジュールである。
請求項5に係る発明は、前記光ファイバが、マルチモード光ファイバ又はGIファイバであることを特徴とする請求項3又は4に記載の光モジュールである。
請求項6に係る発明は、前記光ファイバの比屈折率差が1%以上であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の光モジュールである。
請求項7に係る発明は、前記光ファイバの端面が傾斜面であり、該傾斜面の傾斜角が4°〜15°であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の光モジュールである。
請求項8に係る発明は、前記光ファイバと前記光モジュール用マウント部材とが接着剤により固定され、かつ光モジュールが樹脂により被覆され、前記接着剤と樹脂の屈折率が、前記受発光素子の発光部又は受光部の実効屈折率と、光ファイバのコアの実効屈折率との間の値であることを特徴とする請求項3乃至7に記載の光モジュールである。
請求項10に係る発明は、前記光モジュール用マウント部材に制御用半導体素子が実装されたことを特徴とする請求項9に記載のアレイ型光モジュールである。
請求項12に係る発明は、前記光信号発信型光モジュールと前記光信号受信型光モジュールとが、同一の光モジュール用マウント部材から構成されたことを特徴とする請求項11に記載の光伝送モジュールである。
これにより、従来のように電極間の距離が長くワイヤボンディングを用いて接続する場合に比べて、電極間の配線の電気抵抗を小さくすることができ、電気抵抗による電気信号のSN比の低減を抑えることができる。このため、伝送容量が大きく周波数の高い電気信号を伝送しても信号劣化等の不具合が生じることがなく、信号の高速伝送が可能となる。
また、受発光素子の正極と負極とが、それぞれマウント部材の電極パターンに対向しかつ近接した位置にくるようにすることができるため、バンプを用いて電気的に接続することができる。このため、従来のようにワイヤボンディングを用いる必要が無く、製造工程が簡略化でき、かつ簡便に受発光素子2を実装できる。
光モジュール1は、受発光素子2と光ファイバ3とがマウント部材4に実装されて構成されている。
このため光ファイバ3の端面31が受発光素子2に接触することなく、端面31が目的の位置に確実にくるように光ファイバ31を位置決めできる。
また、マウント部材4の外方から紫外線を照射できるため、光ファイバ31を光ファイバ位置決め用貫通孔5に固定する際、紫外線硬化型接着材を用いることができる。これにより、熱硬化型接着剤を用いた場合のように加熱硬化させる必要が無い。このため、まず受発光素子2をマウント部材4に実装した後に、光ファイバ31を光ファイバ位置決め用貫通孔5に固定する場合、受発光素子2が熱によって故障することが無く歩留まりを向上させることができる。
マウント部材4の形状は、特に限定されないが、立方体や直方体等の矩形状が好ましく、マウント部材4上に実装する受発光素子2等の実装面を確保しやすく、またプリント基板,フィルム状基板(FPC:Flexible Printed Circit)等の電気基板に容易に光モジュール1を設置して固定できる。
前記光ファイバ位置決め用貫通孔5には、その背面側開口部(他方の開口部)52から光ファイバ3が挿入され、光ファイバ3の端面31が前面41近傍に位置した状態で、光ファイバ3とマウント部材4とが接着剤(図示省略)等により固定されており、光ファイバ3の端面31の中心が光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5a上にくる位置で固定されて位置決めされている。
ここで、光ファイバ3の端面部の被覆層は除去され、光ファイバ裸線33が露出した状態で用いられる。
例えば、光ファイバ裸線33の外径が125μmの光ファイバ3を用いる場合、光ファイバ位置決め用貫通孔5の前面側開口部51の孔径は126μm〜135μmが好ましく、これにより前記したように、光ファイバ3の端面31のガタつきを無くすることができる。
光ファイバ3の被覆部32の外径が250μmの場合、前記光ファイバ位置決め用貫通孔5の被覆保持部54の内径(W)は、270μm以上で300μm以下が好ましい。また光ファイバ3の被覆部32の外径が400μmの場合、前記光ファイバ位置決め用貫通孔5の被覆保持部54の内径(W)は、440μm以上で480μm以下が好ましい。
(a)光ファイバの被覆部の外径が250μmの場合、
(1)Wが270μmのとき、Lは0.5mm以上であり、
(2)Wが270μmよりも大きく、280μm以下のとき、Lは0.6mm以上であり、
(3)Wが280μmよりも大きく、290μm以下のとき、Lは0.7mm以上であり、
(4)Wが290μmよりも大きく、300μm以下のとき、Lは0.8mm以上である。
(b)光ファイバの被覆部の外径が400μmの場合、
(1)Wが440μmのとき、Lは0.7mm以上であり、
(2)Wが440μmよりも大きく、460μm以下のとき、Lは0.8mm以上であり、
(3)Wが460μmよりも大きく、480μm以下のとき、Lは0.9mm以上である。
これにより、図2中、符号3’で示されたように、光ファイバ3のうち、背面側開口部52から外方に位置する部分が曲げられたとき、光ファイバ3は光ファイバ位置決め貫通孔5の背面側開口部52の内面にあたり、光ファイバ位置決め貫通孔5内で光ファイバ3が大きく曲がることがない。このように光ファイバ3が曲げられたとき、光ファイバ位置決め用貫通孔5内部で、光ファイバ3の曲げ半径が小さくなりすぎないため、光ファイバ3に曲げ応力がかかりにくく、光ファイバ3が折れることを無くすることができる。
このため、光ファイバ3に対して十分な保持強度が確保される。これにより、光ファイバ位置決め貫通孔5の背面側開口部52を強化するために、樹脂等によりパッケージングする必要が無く、そのまま基板等に搭載することができる。
また、テーパ部6によって、光ファイバ3は、その被覆部32の先端部32aがテーパ部6にあたる位置から前面41側へは移動できないようになっており、位置決めされた光ファイバ3の端面31のグラつきを抑えることができる。
図3は、マウント部材4に実装される受発光素子2の一例を示す平面図であり、(a)は発光部21aを有する発光素子22であり、(b)は受光部21bを有する受光素子23をそれぞれ示す。受発光素子2は、発光部21a又は受光部21bと同一面に正極24a及び負極24bが設けられた板状の光素子である。発光素子22としては、半導体レーザ等が挙げられる。また受光素子23としては、フォトダイオード等が挙げられる。
図3にて一例として示した受発光素子2では、発光部21a又は受光部21bは、受発光素子2の面の中心に位置し、また正極24a及び負極24bは、それぞれ発光部21a又は受光部21bから同一の距離離れた位置に設けられている。
ここで、図3中、発光部21aと、正極24a又は負極24bとの距離のうち最小値をa1とし、最大値をa2とする。また受光部21bと、正極24a又は負極24bとの距離のうち最小値をb1とし、最大値をb2とする。
前記マウント部材4の前面41及び側面43に電極パターン7が設けられている。ここで、マウント部材4の側面43とは、前面41と背面42を通る軸の側方に位置するマウント部材4の面である。
マウント部材4の側面43に設けられた電極パターン7は、制御用半導体素子8が実装される位置に整合するように設けられた電源接続用アース電極71と、電源接続用電極72と、信号入出力用電極73a,73bと、コネクタ電極74a,74bとから構成されている。
前記信号入出力用電極73a,73bは、外部の電極と制御用半導体素子8とを電気的に接続して、外部と電気信号の入出力が行えるように機能するものである。
ここで、図5に示されたマウント部材4の前面41において、光ファイバ位置決め孔5とコネクタ電極74a,74bとの距離のうち最小値をc1とし、最大値をc2とする。
前記コネクタ電極74a,74bは、c1≦a1,b1、及びc2≧a2,b2を満たすように形成されている。このため、受発光素子2の発光部21a又は受光部21bが光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上にくるように受発光素子2を位置決めしたとき、受発光素子2の正極24a及び負極24bと、コネクタ電極74a,74bとが対向した位置にくることになる。
受発光素子2の正極24a及び負極24bにそれぞれバンプ9が設けられ、このバンプ9によって、受発光素子2の正極24a及び負極24bと、この正極24a及び負極24bと対向した位置にあるコネクタ電極74a,74bとが電気的に接続されている。
このように受発光素子2は、発光部21a又は受光部21bと同一面側に正極24aと負極24bとを有するため、前記正極24aと前記負極24bとが、それぞれコネクタ電極74a,74bに対向しかつ近接した位置にくるようにすることができる。このため正極24a又は負極24bと、コネクタ電極74a,74bとを接続する配線を短くすることができる。これにより、従来のように電極間の距離が長くワイヤボンディングを用いて接続する場合に比べて、電極間の配線の電気抵抗を小さくすることができ、電気抵抗による電気信号のSN比の低減を抑えることができる。このため、伝送容量が大きく周波数の高い電気信号を伝送しても信号劣化等の不具合が生じることがなく、信号の高速伝送が可能となる。
また、正極24aと負極24bとが、コネクタ電極74a,74bに対向しかつ近接した位置にあるため、バンプ9を用いて電気的に接続することができる。このため、従来のようにワイヤボンディングを用いる必要が無く、製造工程が簡略化でき、かつ簡便に受発光素子2を実装できる。
また、光ファイバ3の端面31は、光ファイバ位置決め貫通孔5の前面側開口部51近傍にあり、かつ受発光素子2の発光部21a又は受光部21bと光ファイバ3の端面31との間隔が200μm未満であり、好ましくは100μm未満である。
このように受発光素子2の発光部21a又は受光部21bと光ファイバ3の端面31とが対向し、かつ接近した状態とする。これにより、受発光素子2と光ファイバ3の端面31との光結合効率に優れた光モジュールが実現できる。
ここで、光ファイバ裸線33を構成するコアは、通常、石英系ガラスにゲルマニウムなどを添加してわずかに屈折率を高くしたものであり、クラッドは、コアを包囲する外径125μmの石英系ガラスからなる。また、光ファイバ3の被覆層により被覆された部分(被覆部)32の外径は通常、250μmまたは400μmである。
また、光ファイバ3の被覆層の外周上には、通常、ナイロン樹脂等からなる外径900μmの2次被覆層が設けられているが、少なくとも光ファイバ位置決め貫通孔5に収容される部分は、2次被覆層が除去された状態である。
前記光ファイバ3としては、特に限定されず、シングルモード光ファイバ,マルチモード光ファイバ等を用いることができる。
特に光ファイバ3として、マルチモード光ファイバやGIファイバ等のコア径が50μm以上の光ファイバを用いることが好ましい。これにより、受発光素子2の発光部21a又は受光部21bの中心軸と光ファイバ3の端面31の中心とのズレが10μm〜20μmであっても実用レベルの光結合効率を有する光モジュール1が実現できる。このため、パッシブアライメント実装によって、簡便な作業でマウント部材4に受発光素子2と光ファイバ3を容易に実装できる。
また、光ファイバ3の端面31は、傾斜面とすることが好ましい。その傾斜角は4°〜15°が好ましく、更に好ましくは7°〜9°である。これにより、発光素子22を用いた光モジュール1の場合、発光素子22から出射された光の一部が光ファイバ3の端面31にて反射され、戻り光として発光素子22の発光部21aに戻ることを抑制でき、戻り光によって光の発信が不安定になることを防止できる。
制御用半導体素子8の裏面にはアース電極82が設けられ、表面には複数の電極81が設けられている。制御用半導体素子8のアース電極82と電源接続用アース電極71とが電気的に接触した状態で、制御用半導体素子8はマウント部材4の側面43に固定されている。また電極81と電極パターン7とが電気的に接続されている。
このように制御用半導体素子8をマウント部材4に実装することは、光ファイバ3にかかる曲げ応力を抑えた高い強度を有する構造を実現したことにより可能となっている。
この場合、受光素子23にて受信された光信号は、受光素子23にて電気信号に変換された後、制御用半導体素子8に伝達される。制御用半導体素子8では、電気信号は増幅されて信号強度が調整された後、高強度の電気信号として外部の電極に出力することができる。
この場合、まず外部から入力された電気信号は、制御用半導体素子8にて変調され、電圧変換等の処理が行われた後、レーザ駆動用信号として発光素子22に出力される。そして発光素子22では、電気信号に応じたレーザ駆動用信号によって発光素子22から光ファイバ3へ光信号が発信される。以上により電気信号を光信号に変換し、この光信号を光ファイバ3へ発信することができる。
特に、前記樹脂及び前記接着剤の屈折率(nR)は、発光部21a又は受光部21bの実効屈折率(neff,L)と光ファイバ3のコアの実効屈折折率(neff,F)との間の値であることが好ましく、更に好ましくは(neff,L・neff,F)1/2−0.25〜(neff,L・neff,F)1/2+0.25である。これにより、光ファイバ3の端面31等の光の伝搬経路となる部分に、前記接着剤や前記樹脂が付着してもこの接着剤や樹脂によって信号光が吸収されることがほとんど無く、光モジュール1の光学特性が損なわれることを最小限に抑えることができる。
本実施形態のアレイ型光モジュール101は、複数の光ファイバ位置決め用貫通孔5が設けられたマウント部材104に、複数の発光部21a又は受光部21bを有する受発光素子基板102と複数の光ファイバ3が実装されたものである。
図7は、受発光素子基板102が実装されたマウント部材104の一例を示す断面概略図である。光ファイバ位置決め用貫通孔5は、マウント部材104の前面141(受発光素子が実装される端面)からこの前面141と対向した位置にある背面142(光ファイバが挿入される端面)にわたって貫通して形成されたものであり、この光ファイバ位置決め用貫通孔5が複数並列に並ぶようにマウント部材104に形成されている。
図9は、複数の受光部21bを有する受光素子基板123の一例を示す平面図である。このように受発光素子基板102には、同一面側に発光部21a又は受光部21bと、正極24a及び負極24bが設けられている。
受発光素子基板102の正極24a及び負極24bにはそれぞれバンプ9が設けられ、このバンプ9によって、受発光素子基板102の正極24a及び負極24bと、この正極24a及び負極24bと対向した位置にあるコネクタ電極74a,74bとが電気的に接続されている。
光伝送モジュールは、発光素子を有する光信号発信型光モジュールと、受光素子を有する光信号受信型光モジュールと、この光信号発信型光モジュールと光信号受信型光モジュールとに接続された伝送用光ファイバから構成されている。
前記光信号発信型光モジュールと前記光信号受信型光モジュールとは、前述した本実施形態の光モジュール1又はアレイ型光モジュール101である。
このため、受発光素子2,102正極24a又は負極24bとマウント部材4,104の電極パターン7とを接続する配線を短くすることができる。これにより電極間の配線の電気抵抗を小さくすることができ、電気抵抗による電気信号のSN比の低減を抑えることができる。このため、伝送容量が大きく周波数の高い電気信号を伝送しても信号劣化等の不具合が生じることがなく、信号の高速伝送が可能となる。
また、マウント部材4,104に制御用半導体素子8が実装されているため、小型で省スペース化が実現できる。
このようにして同一のマウント部材4から構成された光信号発信型光モジュール及び光信号受信型光モジュールを用いることによって、部品点数を低減でき、製造コストを低減でき、安価な光伝送モジュールが実現できる。
例えば、光モジュール1及びアレイ型光モジュール101において、制御用半導体素子8の電極81とマウント部材4の電極パターン7とが、バンプ9により接続されても構わない。
図10は、制御用半導体素子8が電極パターン7にバンプ9を用いてフェイスダウン実装された光モジュール10の一例を示す概略斜視図である。
制御用半導体素子8の電極81と電極パターン7とは対向した状態でバンプ9により接続、固定されており、電極81と電極パターン7とを接続する配線となるバンプ9は小さいものであり、この電極間の配線の電気抵抗を小さくすることができる。このため、電気抵抗による電気信号のSN比の低減を抑えることができる。これにより、伝送容量が大きく周波数の高い電気信号を伝送しても信号劣化等の不具合が生じることがない。
なお、制御用半導体素子8の放熱性を高める必要がある場合、制御用半導体素子8の外方に位置する面、すなわちアース電極82が設けられた面にヒートシンクを積載したり、放熱性樹脂で被覆しても構わない。
[具体例1]
まず、光ファイバ位置決め用貫通孔5が設けられたマウント部材4を用意する。図11は、マウント部材4の一例を示す断面概略図である。
前記マウント部材4は、金型を用いた押出し成形,射出成形,モールド成形等の公知技術により成形される。また、光ファイバ位置決め用貫通孔5やテーパ部6等は、前記した方法により成形体を形成後、切削用ドリル等を用いた機械加工やレーザ加工によって形成しても構わない。
また、マウント部材4の角部や光ファイバ位置決め用貫通孔5の開口部51,52等をC面取り又はR面取りする。これにより角部の欠けを無くすることができる。
例えば、マウント部材4の表面に下地層としてNi層又はCr層を2μm〜3μm形成した後、Au層を0.05μm〜2μm形成して電極パターン7とする。前記下地層やAu層は、スパッタ法,蒸着法,電解法,無電界メッキ法等の常法により形成される。
そして、受発光素子2の発光部21a又は受光部21bが、光ファイバ位置決め用貫通孔5に向き、かつ光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上にありかつ中心軸5aと垂直に交わるように、受発光素子2を位置決めする。このように受発光素子2を位置決めした状態でバンプ9を電極パターン7のコネクタ電極74a,74bにそれぞれ接触させて、熱圧着又は溶融して、受発光素子2の正極24a及び負極24bとコネクタ電極74a,74bとを電気的に接続する。以上によりマウント部材4上の電極パターン7に受発光素子2が実装される。
バンプ9として金/錫等の半田を用いた場合、半田の表面張力によるセルフアライメント作用によって受発光素子2の位置決めの位置のずれを補正できるため、例えば画像認識装置等を用いた簡便な位置決め作業が適用でき、受発光素子2の位置決めに係る作業を簡略化できる。
まず、光ファイバ3の端面31側の被覆層を除去し、光ファイバ裸線33を露出させる。そして、光ファイバ位置決め用貫通孔5の背面側開口部52から光ファイバ3を挿入する。次に、光ファイバ3の端面31がマウント部材4の前面41近傍にくるように、光ファイバ3を光ファイバ位置決め用貫通孔5に挿入する。
光ファイバ位置決め用貫通孔5の前面側開口部51の孔径は、光ファイバ裸線33の直径と同程度の大きさであり、光ファイバ位置決め用貫通孔5に挿入した光ファイバ3の端面31の中心が光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5a上にくるようになっている。
前記したように受発光素子2の発光部21a又は受光部21bは、光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上にありかつ中心軸5aと垂直に交わるように位置決めされており、光ファイバ3を光ファイバ位置決め用貫通孔5に挿入して固定することによって、受発光素子2の発光部21a又は受光部21bの垂直線上に、光ファイバ3の端面31の中心がくることになる。
前記受発光素子2として、発光部21a又は受光部21bと同一面に正極24a及び負極24bが設けられたものを用いることによって、正極24aと負極24bとが、コネクタ電極74a,74bに対向しかつ近接した位置にくるように受発光素子2を位置決めすることができる。このため正極24a又は負極24bと、コネクタ電極74a,74bとの距離を短くすることができ、受発光素子2の正極24a及び負極24bをマウント部材4の電極パターン7にバンプ9を用いて接続することができる。これにより、従来のようにワイヤボンディングを用いる必要が無く、製造工程が簡略化でき、かつ簡便に受発光素子2を実装できる。
また、光ファイバ位置決め用貫通孔5にテーパ部6が設けられているため、光ファイバ位置決め用貫通孔5の背面側開口部52の孔径は光ファイバ裸線33の直径よりも大きなものとなる。このため、光ファイバ3を容易に光ファイバ位置決め用貫通孔5へ挿入することができる。
具体例2が具体例1と異なる点は、受発光素子とマウント部材にそれぞれ位置決め用印200が設けられており、この位置決め用印200が互いに同一直線上に位置するように受発光素子とマウント部材を位置決めし、この状態で前記受発光素子を前記マウント部材に実装する点である。
位置決め用印200が互いに同一直線上に位置するように受発光素子とマウント部材を位置決めしたとき、受発光素子の発光部21a又は受光部21bが光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上にくるように、受発光素子とマウント部材にそれぞれ位置決め用印200が形成されている。
図13および図14に一例として示した発光素子222及びマウント部材では、位置決め用印200として、発光素子222及びマウント部材のそれぞれの面上に矩形状の位置決め用印200が2つ並列に並べられている。位置決め用印200は、矩形状に限定されず、画像認識装置で識別できる形状が適宜適用される。
位置決め用印200が互いに同一直線上に位置するとき、発光素子222の発光部21aが光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上にくるように、発光素子222とマウント部材の前面241にそれぞれ位置決め用印200が予め形成されているため、実装された発光素子222の発光部21aは、光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上に位置することになる。
具体例2では、発光素子222とマウント部材の位置決め用印200が互いに同一直線上に位置するように発光素子222とマウント部材を位置決めすることによって、発光素子222の発光部21aが、光ファイバ位置決め用貫通孔5の中心軸5aの延長線上にくるようにすることができ、発光素子222とマウント部材の位置決めに係る作業が簡便であり、容易に光モジュールを製造できる。
Claims (12)
- 光ファイバ位置決め用貫通孔と、受発光素子が実装される実装面と、該実装面に実装される受発光素子を電気的に接続するための電極とが設けられた光モジュール用マウント部材において、
前記光ファイバ位置決め用貫通孔の一方の開口が実装面に臨んでおり、光ファイバ位置決め用貫通孔のうち、前記一方の開口近傍には、光ファイバ位置決め用貫通孔に収容される光ファイバの裸線部を一定の位置に保持する裸線保持部が設けられ、前記光ファイバ位置決め用貫通孔の他方の開口近傍には、前記光ファイバの被覆部を保持する被覆保持部が設けられており、
前記被覆保持部の内径(W)は、光ファイバの被覆部の外径の1.2倍以下の大きさであり、
かつ前記光ファイバ位置決め用貫通孔のうち、光ファイバの被覆部の外径よりも大きな内径を有する部分の長さ(L)は、以下の条件
(a)光ファイバの被覆部の外径が250μmの場合、
(1)Wが270μmのとき、Lは0.5mm以上であり、
(2)Wが270μmよりも大きく、280μm以下のとき、Lは0.6mm以上であり、
(3)Wが280μmよりも大きく、290μm以下のとき、Lは0.7mm以上であり、
(4)Wが290μmよりも大きく、300μm以下のとき、Lは0.8mm以上であり、
(b)光ファイバの被覆部の外径が400μmの場合、
(1)Wが440μmのとき、Lは0.7mm以上であり、
(2)Wが440μmよりも大きく、460μm以下のとき、Lは0.8mm以上であり、
(3)Wが460μmよりも大きく、480μm以下のとき、Lは0.9mm以上であること
を満たすことを特徴とする光モジュール用マウント部材。 - 透明材料から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール用マウント部材。
- 光ファイバ位置決め用貫通孔が設けられた光モジュール用マウント部材に、光ファイバと受発光素子とが光学的に結合された状態で実装された光モジュールにおいて、
請求項1又は2に記載の光モジュール用マウント部材が用いられ、
前記受発光素子が、発光部又は受光部と同一面側に正極と負極とを有することを特徴とする光モジュール。 - 前記光モジュール用マウント部材に制御用半導体素子が実装されたことを特徴とする請求項3に記載の光モジュール。
- 前記光ファイバが、マルチモード光ファイバ又はGIファイバであることを特徴とする請求項3又は4に記載の光モジュール。
- 前記光ファイバの比屈折率差が1%以上であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の光モジュール。
- 前記光ファイバの端面が傾斜面であり、該傾斜面の傾斜角が4°〜15°であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の光モジュール。
- 前記光ファイバと前記光モジュール用マウント部材とが接着剤により固定され、かつ光モジュールが樹脂により被覆され、
前記接着剤と樹脂の屈折率が、前記受発光素子の発光部又は受光部の実効屈折率と、光ファイバのコアの実効屈折率との間の値であることを特徴とする請求項3乃至7に記載の光モジュール。 - 複数の光ファイバ位置決め用貫通孔が設けられた光モジュール用マウント部材に、複数の発光部又は受光部を有する受発光素子基板と複数の光ファイバが実装されたアレイ型光モジュールであって、
請求項1又は2に記載の光モジュール用マウント部材が用いられ、
前記受発光素子基板が、同一面側に発光部又は受光部と、正極と負極とを有することを特徴とするアレイ型光モジュール。 - 前記光モジュール用マウント部材に制御用半導体素子が実装されたことを特徴とする請求項9に記載のアレイ型光モジュール。
- 発光素子を有する光信号発信型光モジュールと、受光素子を有する光信号受信型光モジュールを有し、前記光信号発信型光モジュールと前記光信号受信型光モジュールが伝送用光ファイバによって繋がれた光伝送モジュールにおいて、
前記光信号発信型光モジュール及び前記光信号受信型光モジュールが、前記請求項3乃至8のいずれかに記載の光モジュール又は請求項9又は10に記載のアレイ型光モジュールであることを特徴とする光伝送モジュール。 - 前記光信号発信型光モジュールと前記光信号受信型光モジュールとが、同一の光モジュール用マウント部材から構成されたことを特徴とする請求項11に記載の光伝送モジュール。
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