JP5693912B2 - 建物の屋根構造 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅等の建物の屋根構造に関する。
従来、住宅等においては、建物の室内と外気とを区画する屋根躯体層の上方に断熱層を積層し、当該断熱層の上方に防水シートからなる防水層を積層するいわゆる外断熱工法により形成される屋根構造が提案されている。この種の外断熱工法による屋根構造は、屋根躯体層の上面に断熱層を設ける構成であるので、屋根構造としての厚さを増大させてしまい、これに伴って当該屋根構造下の居室に大きな天井高を確保し難い場合がある。
かかる問題を解決すべく、特許文献1に示す如く軽量気泡コンクリートによって形成される屋根躯体層の上面に防水シートを貼り付けて屋根構造を形成し、断熱層については、当該屋根構造下の天井部にグラスウール等の断熱材を充填して対応することが考えられる。
特開平05−163804号公報
ところで、特許文献1に開示の如き屋根構造においては、冬季の室内の高湿度環境からの湿気を吸収したり、近年の想定外の降水や外気側に設けられる防水シートの経年劣化等に起因して屋根躯体層の外気側表面に到達する雨水等の水分を吸収したりして、屋根パネルが経年的に不測の含水状態に置かれることが考えられる。
しかしながら、上記特許文献1の構成においては、屋根躯体層の外気側に断熱材を不存在とする構成であるため、当該屋根構造が夏季等の強烈な日射に曝されると、当該屋根躯体層の外気側表面の温度が例えば80℃以上の高温なものとなる。その結果、屋根躯体層は内部に溜め込んだ水分を湿気として一気に室内側に向けて放出してしまい、当該屋根躯体層の室内側が一時的にでも著しく高湿度な環境となり、これによって例えば屋根裏や天井裏に内部結露を発生させかねない環境となる虞がある。
本発明は、かかる点に鑑み、屋根躯体層内に含まれる水分が室内に向けて急激に放出されてしまうことを抑制することができる屋根構造を提供することを目的とする。
本発明は、室内と外気との間で換気を行う換気構造を備える建物の屋根構造であって、建物の室内と外気とを区画する屋根躯体層を備え、屋根躯体層の外気側表面は防水層により覆われ、屋根躯体層の室内側表面は、その屋根躯体層の透湿抵抗よりも大きな透湿抵抗を有して屋根躯体層から室内への放湿速度を換気構造により排出可能な程度に調整する透湿調整層に覆われ、透湿調整層は、屋根躯体層の室内側表面に塗布されて造膜される塗膜により形成され、透湿調整層の塗膜を形成する塗料は、水溶性、水分散型、及びエマルジョン型の少なくとも一種からなる水性樹脂と、架橋剤とを主成分として構成されており、水性樹脂は、アクリル樹脂、および変性アクリル樹脂の1種または2種以上の混合物からなり、架橋剤は、ヒドラジド、グリシジルメタアクリレート、シラノール、オキサゾリン、及び酸化金属の1種または2種以上の混合物からなることを特徴とする。
本発明では、透湿調整層により屋根躯体層の室内側表面を覆う構成なので、たとえ夏季の強烈な日射等により屋根躯体層の外気側表面が急激に温度上昇し、これに起因して屋根躯体層から室内側に向けての放湿圧力(水蒸気圧)が急激に高まることとなっても、その放湿は透湿調整層により塞き止められることとなる。従って、屋根躯体層内の水分が短時間に一気に放出されることはなく、建物の換気構造により除湿可能な程度まで放出速度を低減させて放湿することができるものとなり、その結果、当該水分に起因する内部結露の発生を抑制することができるものとなっている。また、屋根躯体層の室内側表面が当該屋根躯体層よりも透湿抵抗の大きな層により覆われることとなるので、少なくとも室内側からの水分(湿気)を当該屋根躯体層に容易に吸収させてしまうことを防止することができる。
また、屋根躯体層の室内側表面に均質に透湿調整層を形成することができ、屋根躯体層からの放湿状態にムラが発生してしまうことを防止することができる。
また、この構成によれば、屋根躯体層に蓄えられた水分を適正に放出することができる。
さらに、屋根躯体層は、軽量気泡コンクリートにより形成されると好適である。軽量気泡コンクリートは、高い耐火性を有する材料であるので、屋根躯体層として軽量気泡コンクリートを採用することにより、建物の耐火性能を向上させることができ、さらに、屋根躯体層としての強度を確保することができる。
さらに、屋根躯体層は、傾斜状に敷設されて勾配を有する構成とすることができる。屋根躯体層を傾斜状に敷設することにより、建物全体の意匠性の向上を図ることができるのみならず、降水時の建物の屋根からの排水を促進することができるものとなる。なお、勾配を有する屋根躯体層の場合、設置位置によっては外気側表面の法線方向に太陽が位置してしまい、屋根躯体層が太陽と正対することとなって直射日光を過大に受け、その過大な直射日光により室内に向けての過大な水蒸気圧が付与されることも想定される。しかしながら、本発明では、透湿調整層が設けられているので、勾配を有する屋根躯体層であっても、過大な水分の放出は効果的に抑制される。
さらに、勾配を有する屋根躯体層は、上端部が建物の上部を形成する陸屋根部に連結されており、下端部が建物の側部を形成する外壁部に連結されていると好適である。これによれば、法規定に定められる斜線規制に沿って屋根躯体層を設けることができるものとなる。
さらに、屋根躯体層と陸屋根部との間には、室内側と外気側とを連通する通気部が設けられていると好適である。これによれば、屋根躯体層の下方の空気を通気部から輩出することができるものとなる。したがって、屋根躯体層から透湿調整層を介して水分が放出される場合でも、その水分は通気部から速やかに排出され、その水分が屋根躯体層下方に留まることに伴う内部結露の発生を著しく抑制することができるものとなる。
本発明によれば、屋根躯体層内に含まれる水分が室内に向けて急激に放出されてしまうことを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る建物の斜視図である。 本実施形態に係る建物の1階部分を示す断面図である。 本実施形態に係る建物の2階部分を示す断面図である。 図1のIV−IV線に沿った断面図である。 傾斜屋根部と陸屋根部との連結部分を拡大して示す断面図である。 傾斜屋根部と外壁との連結部分を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
(建物の全体構成)
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る建物1は、3階建ての住宅建物であって、梁3A,3Bと柱4とを備えた構造躯体2(図3参照)と、これら梁3A,3Bや柱4等に支持されて各階の床を形成する各階床部5A,5B,5Cと、梁3A,3Bや柱4等に支持されて建物1の屋根を形成する屋根部6と、同じく梁3A,3Bや柱4等に支持されて建物1の外皮を形成する外壁8とを備えている。なお、本実施形態に係る建物1では、適宜箇所に小梁3Zが設けられている箇所がある。
構造躯体2は、基礎から立ち上がる複数本(本実施形態においては8本)の柱4と、隣り合う柱4間に架設される複数本の梁3A,3Bとを備えてなるいわゆるラーメン構造を構成している。
本実施形態に係る柱4は、建物1の1階下部から3階上部に亘って延設されており、各階を形成すべく所定高さに設定された梁接合部と、端部から梁接合部までを連絡する長尺状の部位、及び上下の各梁接合部間を連絡する長尺状の部位からなる一般部とを備えている。一般部は、公知の角形鋼管により形成されている。また、梁接合部は、梁3A,3Bのせい(梁3A,3Bの下端から上端までの高さ)と同程度の高さを有して四角筒状に形成されている。
梁3A,3Bは、上下一対のフランジの中央部分をウェブにて連結してなるH型鋼により形成された梁本体と、梁本体の両端部に接合されて柱4の梁接合部に面接触するエンドプレートとを備えている。梁3A,3Bは、エンドプレートが梁接合部に面接触して適宜にボルト結合される。
1階の床部5Aは、所定寸法に形成される軽量気泡コンクリート(ALC)製の複数枚の床パネル5a(図2参照)を基礎上に敷き並べて形成される。また、2階、及び3階の床部5B,5Cは、所定寸法に形成される軽量気泡コンクリート製の複数枚の床パネル5aと、これら複数枚の床パネル5aを構造力学的に一体化させる公知の剛床機構とを備えており、複数枚の床パネル5aは適宜に梁3A,3Bに支持されている。
なお、本実施形態では、2階が中間階に相当し、2階の床部5B(図3参照)は、2階の階高に一致した床面を有する一般床部50と、床面51a(図4参照)が一般床部50よりも低位となる下げ床部51とを備えている。
屋根部6(図1参照)は、所定寸法に形成される軽量気泡コンクリート製の複数枚の屋根パネル6aを備えている。また、屋根部6としては、水平に屋根パネル6aを敷設してなる陸屋根部61と、陸屋根部61と建物1の外壁8とを連結する傾斜屋根部62との二種類の態様が設けられている。
屋根部6は、屋外を向いて風雨に晒される外面領域を有するため、その外面領域には室内への雨水等の進入を防止するための防水構造が設けられている。例えば、陸屋根部61には、軽量気泡コンクリート(ALC)からなる屋根パネル6aの上に発泡下地材(断熱材)、不燃板、そして防水シートが積層されて所定の防水構造が形成されている。また、傾斜屋根部62には、軽量気泡コンクリート(ALC)からなる屋根パネル6aの上に不燃板、防水シート、そして屋根仕上げ材(瓦材)などが積層されて所定の防水構造が形成されている。
外壁8は、一般に所定寸法に形成された軽量気泡コンクリート製の複数枚の外壁パネル9Aによって形成され、各外壁パネル9Aは、いわゆるロッキング工法(「ロッキング機構」ともいう)により上下両端部が梁3A,3Bに、または梁3A,3Bと基礎とに保持されている。また、外壁パネル9Aの内側には断熱材が沿設されており、断熱材の内側には内装材を支持する内装下地が設けられている。
本実施形態に係る主要な断熱材は、フェノールフォーム等の気密性を有するプラスチック系断熱材を用いて平板状に形成された断熱ボードである。この種の断熱材は、設置する部位のサイズに応じて複数のブロックに分割され、そして各ブロックは外壁パネル9Aの内側の所定位置に敷設され、継ぎ目が気密テープなどで覆われて設置されている。なお、断熱材としては、ロックウールやグラスウール等の繊維系断熱材も適宜に用いられている。
また、内装下地は、一対の縦桟の間に複数の横桟を組みつけて形成される木製のフレーム状に形成されており、支持固定部材を介して床パネル5aや梁3A,3Bに固定されるものとなっている。また、内装材は、平板状の石膏ボードなどにより形成されており、その石膏ボードが内装下地に留め付けられることで形成されている。
本実施形態に係る建物1の全体構成は以上である。次に、本実施形態に係る建物1の間取り等の一例について簡単に説明する。
本実施形態に係る建物1は、1階の前部(通りに面した部分)にガレージ(キャビティ)Gが形成されている。また、ガレージGよりも後方(奥方)となる領域は外壁8で覆われており、外壁8の内側となる屋内領域(室内の領域)には各居室等が設けられている。建物1の前方からガレージGを眺めた場合の右側の屋内領域は手前側に突き出ており、この突き出た領域には玄関R1が設けられている。
また、2階には、1階のガレージGの略上方となる前部にリビングR8が設けられており、リビングR8の奥方にキッチンR10が設けられている。リビングR8は下げ床部51として構成されている。
また、キッチンR10に面してベランダVが配されており、ベランダVの先端部には、通常の手摺などよりも、せい(高さ)の高いハイウォール部10が設けられている。ハイウォール部10は外壁パネル9Aによって形成され、ハイウォール部10のせいは、2階の階高よりも数十センチ程度低くなっている。その結果、キッチンR10は、ハイウォール部10によって隣接する建物からの視線が遮断される一方、採光を確保できるものとなっている。
(建物の屋根部)
次に、本発明の実施形態に係る屋根部について、図4〜図6を参照して詳しく説明する。上述のように、屋根部(屋根構造)6は、水平に屋根パネル6aを敷設してなる陸屋根部61と、陸屋根部61と建物1の外壁8とを連結する傾斜屋根部62とを備えている。
陸屋根部61は、ALC製の複数の屋根パネル6aを備えており、屋根パネル6aそれぞれの端部は、構造躯体2を構成する梁(以下、便宜的に「外周梁」という)3Cに当接して固定されている。
図5に示されるように、陸屋根部61の屋根パネル6a上には、発泡下地材からなる断熱層21が全面に亘って敷設されている。陸屋根部61の周縁にはパラペット部30が設けられており、断熱層21のパラペット部30近傍には、排水のための下り勾配が形成されている。断熱層21のうち、略水平な上面を有する領域には不燃板(保護板)22がねじ止めされており、さらに下り勾配を有する断熱層21、及び不燃板22の上には、全面を覆うように塩ビシートからなる防水層23が設置されている。防水層23の端部は、パラペット部30内に収められている。
外周梁3Cの上部フランジ3aには、防水層23の端部を収めるために立ち上がっている断面略コの字状の長尺金物(以下、パラペット部材)32がボルト結合されている。パラペット部材32の天端部分には笠木部材33が固定されており、パラペット部材32と笠木部材33とによってパラペット部30が形成される。なお、パラペット部材32と陸屋根部61の屋根パネル6aとの間には、モルタル47が充填されている。
外周梁3Cには、所定の勾配を有するように梁(以下、便宜的に「傾斜梁」という)3Dが連結されている。傾斜梁3Dの上端部には、エンドプレート3dが固定されており、傾斜梁3Dはエンドプレート3dを介して外周梁3Cに固定されている。外周梁3C、及び傾斜梁3Dの室内側(下方)には、内装仕上げ材20が設置されている(図4参照)
傾斜屋根部62は、複数の屋根パネル6aが所定の勾配を有して敷き並べた状態で形成される屋根躯体層70を備えている。屋根躯体層70は傾斜梁3Dの外気(屋外)側で、傾斜梁3Dに沿って配置されており、屋根躯体層70の外気(上面)側には野地板75が設置されており、野地板75の上面にはルーフィング材が設置されて内防水部71が形成されている。また、内防水部71の上面側には、瓦材(屋根仕上げ材)72aが一部重なるように敷き並べられて外防水部72が形成されており、外防水部72、及び内防水部71によって防水層73が形成されている。
屋根躯体層70の室内(下面)側表面には透湿調整層54が設けられている。透湿調整層54は、所定の塗料の塗布によって造膜される塗膜によって形成されている。透湿調整層54は、屋根躯体層70の透湿抵抗よりも大きな透湿抵抗を有しており、屋根躯体層70から室内への放湿速度を換気構造40により排出可能な程度に調整する。透湿調整層54を形成するための塗布方式としては、刷け塗り方式、スプレー方式、ロールコーター方式等を採用できる。
透湿調整層54を形成する塗料は、透湿調整層の塗膜を形成する塗料は、水溶性、水分散型、及びエマルジョン型の少なくとも一種からなる水性樹脂と、架橋剤とを主成分として構成されており、水性樹脂は、アクリル樹脂、及び変性アクリル樹脂の1種または2種以上の混合物からなり、架橋剤は、ヒドラジド、グリシジルメタアクリレート、シラノール、オキサゾリン、及び酸化金属の1種または2種以上の混合物からなる。この塗料によって透湿調整層54を形成することにより、屋根躯体層70に蓄えられた水分を適正に放出することができる。
ここで、本実施形態に係る換気構造40について詳しく説明する。傾斜屋根部62の屋根躯体層70と陸屋根部61の屋根パネル6aとの間には、通気用の隙間が形成されており、その隙間を上面が覆うように透湿シート43が設置されている。透湿シート43は、野地板75の上端裏面とパラペット部材32とに固定されている。
屋根躯体層70の室内側には、プレート材(図4参照)20との間に換気のための隙間(換気路)Rが形成されており、換気路Rは、傾斜屋根部62と陸屋根部61との間を通って透湿シート43まで連絡している。透湿シート43は、水は通さないが、水蒸気等の気体は通すシートであり、透湿シート43を介して室内側と外気側とは連通しており、湿気の放出が行われる。
透湿シート43と、透湿シート43を支持する野地板75、及びパラペット部材32とによって通気部44が形成される。本実施形態に係る換気構造40は、通気部44と換気路Rを形成する各部材とによって形成される。
透湿シート43の上方には、透湿シート43を覆うように雨水の進入を防ぐための蓋体46が設置されている。蓋体46は、透湿シート43を跨いでパラペット部材32と防水層73の上端に設けられた通気用部材45とに固定されている。
図6に示されるように、傾斜屋根部62を形成する屋根パネル6aの下端は、構造躯体2を構成する梁(以下、便宜的に「外壁用梁」という)3Aに支持されている。外壁用梁3Aの上部フランジ3gには、屋根パネル6aの下端に当接するベース部材81がボルト結合され、さらにベース部材81にはパネル支持部材82が固定されている。外壁用梁3Aは、傾斜屋根部62を形成する屋根躯体層70を支持している。また、ベース部材81には、防水層73の下縁に沿ってカバー部材84が留め付けられており、カバー部材84には樋85が設置されている。
外壁用梁3Aの下部フランジ3hには、断面略L字状の外壁パネル支持部材63がボルト結合されており、外壁パネル9Aは、外壁用梁3Aの下方にて立設され、外壁パネル支持部材63を介してロッキング機構を構成する態様にて外壁用梁3Aに支持されている。
以上、本実施形態に係る傾斜屋根部62は、屋根躯体層70が建物1の室内と外気とを区画し、屋根躯体層70の室内側表面が透湿調整層54に覆われる構成となっている。そのため、屋根躯体層70の内部に水分が含まれている場合において、例えば、夏季の強烈な日射等により屋根躯体層70の外気側表面が急激に温度上昇し、これに起因して屋根躯体層70から室内側に向けての放湿圧力(水蒸気圧)が急激に高まることとなっても、その放湿は透湿調整層54により塞き止められることとなる。
従って、屋根躯体層70内の水分が短時間に一気に放出されることはなく、建物1の換気構造40により除湿可能な程度まで放出速度を低減させて放湿することができる。これによって、屋根躯体層70内の水分に起因する内部結露の発生を抑制することができる。また、屋根躯体層70の室内側表面が屋根躯体層70よりも透湿抵抗の大きな透湿調整層54により覆われることとなるので、少なくとも室内側からの水分(湿気)を屋根躯体層70に容易に吸収させてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、屋根躯体層70を構成する屋根パネル6aとして、ALC(軽量気泡コンクリート)を採用している。ALCは、高い耐火性を有する材料であるので、建物1の耐火性能を向上させることができ、さらに、屋根躯体層70としての強度を確保することができる。
また、屋根躯体層70は、傾斜状に敷設されて勾配を有しており、建物全体の意匠性の向上を図ることができるのみならず、降水時の建物の屋根からの排水を促進することができるものとなる。なお、勾配を有する屋根躯体層70の場合、設置位置によっては外気側表面の法線方向に太陽が位置してしまい、屋根躯体層70が太陽と正対することとなって直射日光を過大に受け、その過大な直射日光により室内に向けての過大な水蒸気圧が付与されることも想定される。しかしながら、本実施形態に係る屋根躯体層70では、透湿調整層54が設けられているので、勾配を有する屋根躯体層70であっても、過大な水分の放出は効果的に抑制される。
さらに、勾配を有する屋根躯体層70は、上端部が建物の上部を形成する陸屋根部61に連結されており、下端部が建物1の側部を形成する外壁(外壁部)8に連結されている。そのため、法規定に定められる斜線規制に沿って屋根躯体層70を設けることができるものとなる。
さらに、本実施形態では、屋根躯体層70と陸屋根部61との間に通気部44が設けられているので、屋根躯体層70の下方の空気を通気部44から輩出することができる。その結果として、屋根躯体層70から透湿調整層54を介して水分が放出される場合でも、その水分は通気部44から速やかに排出され、その水分が屋根躯体層70下方に留まることに伴う内部結露の発生を著しく抑制することができるものとなる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、屋根躯体層の外気側表面を覆う防水層として、ルーフィング材及び瓦材からなる態様を例示したが、防水層としては、例えば、屋根躯体層の外気側表面に設置された不燃板、及び不燃板を覆うように設置された防水シートなどからなる態様であってもよい。また、透湿調整層は、屋根躯体層の室内側表面のみに設けられるのではなく、室内側と室外側の両面に設けられていてもよい。透湿調整層を室外側にも設けることで、防水層と共に、屋根躯体層内への水分の進入を抑制できる。
1…建物、6…屋根部(屋根構造)、8…外壁(外壁部)、40…換気構造、44…通気部、70…屋根躯体層、73…防水層、54…透湿調整層、61…陸屋根部。

Claims (5)

  1. 室内と外気との間で換気を行う換気構造を備える建物の屋根構造であって、
    前記建物の室内と外気とを区画する屋根躯体層を備え、
    前記屋根躯体層の外気側表面は防水層により覆われ、
    前記屋根躯体層の室内側表面は、該屋根躯体層の透湿抵抗よりも大きな透湿抵抗を有して当該屋根躯体層から室内への放湿速度を前記換気構造により排出可能な程度に調整する透湿調整層に覆われ
    前記透湿調整層は、前記屋根躯体層の室内側表面に塗布されて造膜される塗膜により形成され、
    前記透湿調整層の塗膜を形成する塗料は、水溶性、水分散型、及びエマルジョン型の少なくとも一種からなる水性樹脂と、架橋剤とを主成分として構成されており、
    前記水性樹脂は、アクリル樹脂、および変性アクリル樹脂の1種または2種以上の混合物からなり、
    前記架橋剤は、ヒドラジド、グリシジルメタアクリレート、シラノール、オキサゾリン、及び酸化金属の1種または2種以上の混合物からなることを特徴とする屋根構造。
  2. 前記屋根躯体層は、軽量気泡コンクリートにより形成されることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
  3. 前記屋根躯体層は、傾斜状に敷設されて勾配を有することを特徴とする請求項1または2記載の屋根構造。
  4. 勾配を有する前記屋根躯体層は、上端部が前記建物の上部を形成する陸屋根部に連結されており、下端部が前記建物の側部を形成する外壁部に連結されていることを特徴とする請求項記載の屋根構造。
  5. 前記屋根躯体層と前記陸屋根部との間には、室内側と外気側とを連通する通気部が設けられていることを特徴とする請求項記載の屋根構造。
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