JP3203267U - 地震と温暖化に対応する建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震に対し、建物の倒壊を防ぎ、且つ、温暖化に対しては木材利用を拡大し、CO2削減に貢献するため国内産の木材を多用し、木材の長所を活かし四季を通し快適に住むことができる、地震と温暖化に対応する建物を提供する。【解決手段】建物は、地震への対応として建築物の応力が集中する、柱、梁をラーメン構造により計算された鉄筋コンクリート造にて構築する。柱1と梁、基礎5で区画した空間部分を、木の無垢材をもって、外壁、床、間仕切り壁、屋根下地を木枠パネル化し、構造材、補足材、仕上げ材等で組付け施工する。前記パネルの表裏両面を木の無垢材で閉鎖することにより、通気層が確保され、適所に設けた空気孔、土台パッキンにより空気流を活性させて、外部へ放出させることが可能になり、木の長所である通気性、調湿性、防音性、及び、結露防止の効果がより高まることとなる。これにより、地震、温暖化に対応する建物を提供できる。【選択図】図1
Description
本考案は、地震大国である日本の地震対策と、温暖化に対する断熱性、防湿性、防音性を向上させた、地震と温暖化に対応する建物に関する。
これからの日本は、地震の頻度も多くなっていく傾向にある。又、地球温暖化による大気温度の上昇に伴い、台風の数、降雨の量等も増えてきている。
このように、地震に対して、現在の住宅建物の建築方法には、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造軸組工法、木造枠組壁工法、プレハブ工法等がある、この中でも、日本伝統の木造軸組工法(在来工法)は、古い建物が多いこともあるが、これまでの地震での統計では倒壊率が最多となっている。
木造軸組工法は、間仕切り、開口部等の設計自由度が比較的高めの工法であるが、構造上、主に柱と梁に応力が集中するため、地震などの負荷が一点にかかり倒壊の危険が高くなる。又、気密性、断熱性、防音性が乏しい不具合が懸念される。
木造枠組壁工法は耐力壁と剛床を強固に一体化した箱型構造であり、耐震性、断熱性、耐火性、気密性、防音性に優れているが、日本のような高温、多湿で雨の多い地域では、特に、長所である気密性が高いことにより、多用する構造用合板、及び、その接着剤の腐食が懸念されている。
木造枠組壁工法は耐力壁と剛床を強固に一体化した箱型構造であり、耐震性、断熱性、耐火性、気密性、防音性に優れているが、日本のような高温、多湿で雨の多い地域では、特に、長所である気密性が高いことにより、多用する構造用合板、及び、その接着剤の腐食が懸念されている。
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」により、我が国では、戦後、造林された人工林が資源として利用可能な時期を迎える一方、木材価格の下落等の影響などにより森林の手入れが十分に行われず、国土保全など森林の多面的機能の低下が大いに懸念される事態になっている。このような厳しい状況を克服するためには木を使うことにより、森を育て、林業の再生を図ることが急務となっている。
こうした状況を踏まえ、地方公共団体や民間事業者にも国の方針に即して主体的な取組みを促し、住宅など一般建築物への波及効果を含め、木材全体の需要を拡大することが切望されている。
こうした状況を踏まえ、地方公共団体や民間事業者にも国の方針に即して主体的な取組みを促し、住宅など一般建築物への波及効果を含め、木材全体の需要を拡大することが切望されている。
そこで、工場において各部材をパネル化し、工期を短縮し、高品質かつ低価格の建物を提供する、との提案がなされている。(特許文献1参照)
しかしながら、この発明はプレハブ工法であり、プレハブ工法とは建築物の一部又は全ての部材をあらかじめ工場で生産、加工し、建築現場で組立てる建築工法である。
工場での品質管理のもとで部材を生産するため品質が一定で、高い精度を確保でき、建築現場での作業が軽減され工期が短縮されるが、これも大量生産によって、低コスト化が図ることができるのであり、一つの部材にしても大量買いして価格を下げなければ低コストにつながらない。又、この工法も枠組壁工法と同様に気密性に富み、枠組に使用される構造用合板を多用した建物となっている。それで、我が国のような、高温、多湿の雨の多い地域では、高気密性により外壁パネル、床パネル、間仕切壁パネル、屋根パネル内の、空気の流れのための通気層が確保されていないため、パネル内に湿気を含んだ空気が淀みやがて合板、合板の接着剤の腐食が進み、しいては劣化した合板に打たれた釘や金物の効きが悪くなり、更に耐性は弱くなる等の不具合がある。
しかしながら、この発明はプレハブ工法であり、プレハブ工法とは建築物の一部又は全ての部材をあらかじめ工場で生産、加工し、建築現場で組立てる建築工法である。
工場での品質管理のもとで部材を生産するため品質が一定で、高い精度を確保でき、建築現場での作業が軽減され工期が短縮されるが、これも大量生産によって、低コスト化が図ることができるのであり、一つの部材にしても大量買いして価格を下げなければ低コストにつながらない。又、この工法も枠組壁工法と同様に気密性に富み、枠組に使用される構造用合板を多用した建物となっている。それで、我が国のような、高温、多湿の雨の多い地域では、高気密性により外壁パネル、床パネル、間仕切壁パネル、屋根パネル内の、空気の流れのための通気層が確保されていないため、パネル内に湿気を含んだ空気が淀みやがて合板、合板の接着剤の腐食が進み、しいては劣化した合板に打たれた釘や金物の効きが悪くなり、更に耐性は弱くなる等の不具合がある。
本考案は、地震に対しては、主要構造部分の柱、梁を鉄筋コンクリート造で構築し、温暖化に対しては外壁材、間仕切り壁材、床材、屋根下地材、仕上げ材、構造材、補足材等を国内産の木の無垢材(特に杉がよい)をより多く使用し、それにともない木の腐食を防ぐ工法を確立し、木の長所を高めた建物を提供することを目的とする。
本考案は、前記目的を達成するために、建物の主要構造部分の柱、梁を鉄筋コンクリート造で構築し、外壁、間仕切壁、床、屋根下地材を木枠パネル化し、これにより仕上げ材、構造材、補足材等に木の無垢材を多用可能にした、地震と温暖化に対応する建物である。
更に、外壁、間仕切壁、床、屋根下地を木枠パネルとし、表裏を木の無垢材にて閉鎖することで、パネル内が通気層となり、適所に設けた空気孔、及び土台パッキン(既製品)の施工により空気流が発生し、湿気を含んだ空気が淀むことなく外部への放出を可能にした、地震と温暖化に対応する建物である。
最上階の鉄筋コンクリート造の柱、梁を利用して、鉄筋コンクリート造の雨受立上り部、鉄筋コンクリート造の軒桁受立上り部を施工し、これを雨樋として利用することができた。軒桁受立上を施工することにより屋根を木造の在来工法とすることができ、且つ、軒先を鉄筋コンクリート造の雨受立上り部で風を防ぐことにより、台風の強風にも耐えうる、地震と温暖化に対応する建物である。
上記考案により、建物の主要構造部分の柱、梁を鉄筋コンクリート造とすることで、高い耐震性を保持した。又、工場において外壁、間仕切壁、床、屋根下地の各部所の木枠パネル、及び仕上材、構造材、補足材、空気孔等を作製するので、工場での品質管理のもとで部材を生産するため品質が一定で高い精度を確保でき、建築現場での作業が軽減され工期が短縮可能になる。
工場における作業は、大部分が単純作業であるから熟練者をあまり必要としないことと、これからの、国内の職人数が不足する時代に対応できる工法であり、それでいて高品質で低価格の建物を提供できる。
各部所の木枠パネル内の通気層の確保と適所の空気孔と土台パッキン(既製品)の施工で各部所のパネル内の通気層を連通させる工法により、空気流を活性させ湿気を含んだ空気を外部へ放出させることにより、木の腐食を防ぎ、木の長所である通気性、調湿性、防音性、及び結露防止の効果がより以上高まる。
最上階の鉄筋コンクリート造の柱、梁を利用し、鉄筋コンクリート造の雨受立上り部、鉄筋コンクリート軒桁受立上り部の施工により雨樋として利用できるので樋工事の削減となった。屋根を木造で施工することで断熱性が発揮でき、鉄筋コンクリート造の雨受立上り部により、台風等の強風から軒先を保護することで、屋根全体の崩壊を防ぎ、鉄筋コンクリート造の雨樋により鉄筋コンクリート造の柱、梁の納まり形成もよくなる。
2020年からの次世代省エネルギー基準に合致した、木の長所を活かし、四季を通し快適に住むことができる住宅建物を提供できる。
本考案に係る具体的事例を図1から図9を参照して、以下詳細に説明する。以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化した。
本実施例では、図1に図示するように、ラーメン構造の計算に基づいて施工した、鉄筋コンクリート柱1間の1スパンの両柱に鉄筋コンクリート袖壁2、鉄筋コンクリート梁3(図3に図示)には鉄筋コンクリート下がり壁4(いずれも100mm×120mm)を設け、その中の適所にアンカーボルト9を突設させた。工場で作製した外壁木枠パネル10の上枠10−1、及び両端のたて枠10−3に、突設させたアンカーボルト9を通すアンカーボルト通し孔10−4を現場寸法に合わせて施工した。外壁木枠パネル10には、管柱10−5(たて枠10−3と同寸法)を適所に設け、たて枠と管柱の間には、間柱10−6(管柱より小幅寸法)も適所に設け、1スパンの外壁木枠パネル10として完成させた。
次に、図2に図示するように、外壁木枠パネル10の上枠10−1、両端のたて枠10−3の三方に硬質ゴムパッキン10−10を取り付け、座彫り10−7したアンカーボルト通し孔10−4にアンカーボルト9を通し、座金とナット10−8にて外壁木枠パネル10を鉄筋コンクリート袖壁2、鉄筋コンクリート下がり壁4に緊結接続させた。工場で作製した外壁仕上げ材11の木の無垢材を現場施工にて張着させ、コンクリート柱1と外壁仕上げ材11の間に作った隙間にシーリング10−9を充填した。その後、室内側からポリスチレン系等の断熱材13を貼着し、内装仕上げ材12で仕上げた。これにより、パネル内には通気層が形成された。
次に、図3に図示するように、鉄筋コンクリート基礎5の天端の不陸を均しモルタルで調整して、土台パッキン14(既製品)を適所に敷設して外壁木枠パネル10の下枠10−2を載置する。二階の外壁も一階と同じ要領で設置した。
最上階の鉄筋コンクリート梁3の天端から平行に雨樋8底スラブとすべく、鉄筋コンクリート柱1の外面より120mm伸ばし、そのスラブの先端に鉄筋コンクリート雨受立上り部7(厚さ120mm)を設け、又、上記梁3の天端の室内側には鉄筋コンクリート軒桁受立上り部6を施工し雨樋8とした。軒桁受立上り部6の天端に土台パッキン14を敷設し、軒桁22を軒桁用アンカーボルト23にて緊結した。屋根は木造在来工法での軒桁22、母屋25、棟木24に、図8に図示した屋根下地木枠パネル21を載置してL型金物18にて固定する。屋根下地木枠パネル21は工場生産とし垂木21−1に野地板21−2を打ち付け断熱材13を貼着する。屋根下地木枠パネル幅W2は標準:1200mmとして、長さは棟木24と軒桁22の長さに準じて作製した。屋根下地木枠パネル21の室内側は工場で作製された木の無垢材を天井仕上げ材21−4として、現場にて張着した。これにより、木枠パネル内には通気層が形成された。
次に、図4に図示するように、屋根下地木枠パネル21内に発生した上昇する空気流aを棟木24近傍の小屋裏に設けた空気溜まり所abに集め、妻側の外壁に取り付けた換気口28にて外部へ放出させるようにした。鉄筋コンクリート軒桁受立上り部6に突出させた軒桁用アンカーボルト23に軒桁22を緊結させたことにより、木造の在来工法での屋根の施工が可能になり、棟木24、母屋25、小屋束26、垂木21−1、野地板21−2鼻隠し27等が通常の市販木材で施工できた。
次に、図5に図示するように、鉄筋コンクリート基礎5天端の適所に土台パッキン14を敷設し、その上に外壁木枠パネル10を載置し、上枠10−1と、たて枠10−3に設けたアンカーボルト通し孔10−4に通したアンカーボルト9にて緊結接続した。この木枠パネルの上枠10−1、下枠10−2には工場で施した空気孔17がある。木枠パネルの上枠10−1の天端は鉄筋コンクリート梁3下から30mm程の空気流aの為の隙間を確保して、その間に、水切り金物15を止める水切り止め木16は空気流aを阻害しない間隔を保つように施工した。床木枠パネル19の床根太19−1部分を外壁木枠パネル10の下枠10−2天端に載置しL型金物18で固定した。床木枠パネル19内の空気流aは外壁木枠パネル10内の空気層と連通することとなり外壁木枠パネル10の下枠10−2近傍の空気流aは、下枠10−2に設けた空気孔17と土台パッキン14により、又、上枠10−1近傍の空気流aは上枠10−1の空気孔17と水切り止め木16間の空気層により、それぞれ外部へ放出される。
次に、図6に図示するように、床木枠パネル19を工場で作製した。床木枠パネル幅W1を標準:1200mmとし、長さは室内間に合わせる。床根太19−1の裏面に断熱材受板19−2を打ち付け、断熱材13を貼着させ現場に運ぶ。床木枠パネル19を外壁木枠パネル10の下枠10−2の天端に載置しL型金物18で固定した後、工場で仕上げた無垢の化粧床板19−3を現場にて張着した。床木枠パネル19の表裏両面に無垢材を打ち付けることにより断面性能を高め長スパンの支持を可能にし、在来工法の束、束石の設置作業を省くことができ、且つ、床下の利用範囲も広がった。これにより、床木枠パネル19に通気層が形成され、外壁木枠パネル10内に連通することができ空気流aを、外部へ放出ができた。
次に、図7に図示するように、間仕切り壁木枠パネル20も工場で作製した。鉄筋コンクリート梁3下の間仕切り壁木枠パネル20の設置は外壁木枠パネル10と同じ施工方法とするが、その他の場合は、二階床根太19−1の下端に頭つなぎ20−1を打ち付け、それに間仕切り壁木枠パネル20を緊結接続した。間仕切り壁木枠パネル20は、必ずしも1スパンの作製でなくてもよく、二つに分けて現場で施工合わせの方が簡便である。間仕切り壁木枠パネル20の上枠20−2、頭つなぎ20−1、及び、下枠20−3の適所に空気孔17を設けた。図示していないが、両壁面には工場で仕上げた無垢の化粧壁板を現場にて張着した。これにより、一階床木枠パネル二階床木枠パネル19内の通気層に連通できた。ドア用開口部Fは、ドア用化粧枠が収まる寸法で開口されている。
又、間仕切り壁木枠パネル20のスパンが長い場合は適所に管柱を入れた方が良い。
次に、図8に図示するように、屋根下地木枠パネル21の屋根下地木枠パネル幅W2も、運搬や作業が簡便な寸法の標準:1200mmとした。工場では垂木21−1に野地板21−2を打ち付け、その中に断熱材13を貼着した。工場で仕上げた天井仕上げ材21−4(杉無垢板)は現場にて打ち付け仕上げた。雨樋8周りより発生した空気流aは軒天換気口21−3を経て屋根下地木枠パネル21内の通気層により棟木24近傍の空気溜り所abに集めるようにした。
最後に、図9に図示するように、図1の鉄筋コンクリート造の柱、梁を鉄骨造30の柱、梁にした場合、鉄骨造30の鉄骨柱30−1の袖壁には、鉄骨柱アンカーボルト30−5を溶接したものを袖壁平鋼板30−2とし、鉄骨梁30−3下の下がり壁には、鉄骨用アンカーボルト30−5を溶接したものを、下がり壁平鋼板30−4として、これに外壁木枠パネル10を緊結接続させた。
尚、本考案は前記実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変形、改良等が出来ることは言うまでもない。
例えば、準防火地域の場合、準防火指定のセメント系の外壁材を使用したり、構造計算により、最小限の範囲での鉄筋コンクリートの耐力壁、及びスラブ等の施工など。
次に、図2に図示するように、外壁木枠パネル10の上枠10−1、両端のたて枠10−3の三方に硬質ゴムパッキン10−10を取り付け、座彫り10−7したアンカーボルト通し孔10−4にアンカーボルト9を通し、座金とナット10−8にて外壁木枠パネル10を鉄筋コンクリート袖壁2、鉄筋コンクリート下がり壁4に緊結接続させた。工場で作製した外壁仕上げ材11の木の無垢材を現場施工にて張着させ、コンクリート柱1と外壁仕上げ材11の間に作った隙間にシーリング10−9を充填した。その後、室内側からポリスチレン系等の断熱材13を貼着し、内装仕上げ材12で仕上げた。これにより、パネル内には通気層が形成された。
次に、図3に図示するように、鉄筋コンクリート基礎5の天端の不陸を均しモルタルで調整して、土台パッキン14(既製品)を適所に敷設して外壁木枠パネル10の下枠10−2を載置する。二階の外壁も一階と同じ要領で設置した。
最上階の鉄筋コンクリート梁3の天端から平行に雨樋8底スラブとすべく、鉄筋コンクリート柱1の外面より120mm伸ばし、そのスラブの先端に鉄筋コンクリート雨受立上り部7(厚さ120mm)を設け、又、上記梁3の天端の室内側には鉄筋コンクリート軒桁受立上り部6を施工し雨樋8とした。軒桁受立上り部6の天端に土台パッキン14を敷設し、軒桁22を軒桁用アンカーボルト23にて緊結した。屋根は木造在来工法での軒桁22、母屋25、棟木24に、図8に図示した屋根下地木枠パネル21を載置してL型金物18にて固定する。屋根下地木枠パネル21は工場生産とし垂木21−1に野地板21−2を打ち付け断熱材13を貼着する。屋根下地木枠パネル幅W2は標準:1200mmとして、長さは棟木24と軒桁22の長さに準じて作製した。屋根下地木枠パネル21の室内側は工場で作製された木の無垢材を天井仕上げ材21−4として、現場にて張着した。これにより、木枠パネル内には通気層が形成された。
次に、図4に図示するように、屋根下地木枠パネル21内に発生した上昇する空気流aを棟木24近傍の小屋裏に設けた空気溜まり所abに集め、妻側の外壁に取り付けた換気口28にて外部へ放出させるようにした。鉄筋コンクリート軒桁受立上り部6に突出させた軒桁用アンカーボルト23に軒桁22を緊結させたことにより、木造の在来工法での屋根の施工が可能になり、棟木24、母屋25、小屋束26、垂木21−1、野地板21−2鼻隠し27等が通常の市販木材で施工できた。
次に、図5に図示するように、鉄筋コンクリート基礎5天端の適所に土台パッキン14を敷設し、その上に外壁木枠パネル10を載置し、上枠10−1と、たて枠10−3に設けたアンカーボルト通し孔10−4に通したアンカーボルト9にて緊結接続した。この木枠パネルの上枠10−1、下枠10−2には工場で施した空気孔17がある。木枠パネルの上枠10−1の天端は鉄筋コンクリート梁3下から30mm程の空気流aの為の隙間を確保して、その間に、水切り金物15を止める水切り止め木16は空気流aを阻害しない間隔を保つように施工した。床木枠パネル19の床根太19−1部分を外壁木枠パネル10の下枠10−2天端に載置しL型金物18で固定した。床木枠パネル19内の空気流aは外壁木枠パネル10内の空気層と連通することとなり外壁木枠パネル10の下枠10−2近傍の空気流aは、下枠10−2に設けた空気孔17と土台パッキン14により、又、上枠10−1近傍の空気流aは上枠10−1の空気孔17と水切り止め木16間の空気層により、それぞれ外部へ放出される。
次に、図6に図示するように、床木枠パネル19を工場で作製した。床木枠パネル幅W1を標準:1200mmとし、長さは室内間に合わせる。床根太19−1の裏面に断熱材受板19−2を打ち付け、断熱材13を貼着させ現場に運ぶ。床木枠パネル19を外壁木枠パネル10の下枠10−2の天端に載置しL型金物18で固定した後、工場で仕上げた無垢の化粧床板19−3を現場にて張着した。床木枠パネル19の表裏両面に無垢材を打ち付けることにより断面性能を高め長スパンの支持を可能にし、在来工法の束、束石の設置作業を省くことができ、且つ、床下の利用範囲も広がった。これにより、床木枠パネル19に通気層が形成され、外壁木枠パネル10内に連通することができ空気流aを、外部へ放出ができた。
次に、図7に図示するように、間仕切り壁木枠パネル20も工場で作製した。鉄筋コンクリート梁3下の間仕切り壁木枠パネル20の設置は外壁木枠パネル10と同じ施工方法とするが、その他の場合は、二階床根太19−1の下端に頭つなぎ20−1を打ち付け、それに間仕切り壁木枠パネル20を緊結接続した。間仕切り壁木枠パネル20は、必ずしも1スパンの作製でなくてもよく、二つに分けて現場で施工合わせの方が簡便である。間仕切り壁木枠パネル20の上枠20−2、頭つなぎ20−1、及び、下枠20−3の適所に空気孔17を設けた。図示していないが、両壁面には工場で仕上げた無垢の化粧壁板を現場にて張着した。これにより、一階床木枠パネル二階床木枠パネル19内の通気層に連通できた。ドア用開口部Fは、ドア用化粧枠が収まる寸法で開口されている。
又、間仕切り壁木枠パネル20のスパンが長い場合は適所に管柱を入れた方が良い。
次に、図8に図示するように、屋根下地木枠パネル21の屋根下地木枠パネル幅W2も、運搬や作業が簡便な寸法の標準:1200mmとした。工場では垂木21−1に野地板21−2を打ち付け、その中に断熱材13を貼着した。工場で仕上げた天井仕上げ材21−4(杉無垢板)は現場にて打ち付け仕上げた。雨樋8周りより発生した空気流aは軒天換気口21−3を経て屋根下地木枠パネル21内の通気層により棟木24近傍の空気溜り所abに集めるようにした。
最後に、図9に図示するように、図1の鉄筋コンクリート造の柱、梁を鉄骨造30の柱、梁にした場合、鉄骨造30の鉄骨柱30−1の袖壁には、鉄骨柱アンカーボルト30−5を溶接したものを袖壁平鋼板30−2とし、鉄骨梁30−3下の下がり壁には、鉄骨用アンカーボルト30−5を溶接したものを、下がり壁平鋼板30−4として、これに外壁木枠パネル10を緊結接続させた。
尚、本考案は前記実施形態に限定されるものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変形、改良等が出来ることは言うまでもない。
例えば、準防火地域の場合、準防火指定のセメント系の外壁材を使用したり、構造計算により、最小限の範囲での鉄筋コンクリートの耐力壁、及びスラブ等の施工など。
本考案は、住宅建物の建設のみならず、湿気等を嫌う商品の倉庫、工場などの建設にも活用できる。
1・・・・・鉄筋コンクリート柱
2・・・・・鉄筋コンクリート袖壁
3・・・・・鉄筋コンクリート梁
4・・・・・鉄筋コンクリート下がり壁
5・・・・・鉄筋コンクリート基礎
6・・・・・鉄筋コンクリート軒桁受立上り部
7・・・・・鉄筋コンクリート雨受立上り部
8・・・・・雨樋
9・・・・・アンカーボルト
10・・・・外壁木枠パネル
10−1・・・上枠
10−2・・・下枠
10−3・・・たて枠
10−4・・・アンカーボルト通し孔
10−5・・・管柱
10−6・・・間柱
10−7・・・座彫り
10−8・・・座金とナット
10−9・・・シーリング
10−10・・・硬質ゴムパッキン
11・・・・・外壁仕上げ材
12・・・・・内装仕上げ材
13・・・・・断熱材(ポリスチレン系)
14・・・・・土台パッキン(既製品)
15・・・・・水切り金物
16・・・・・水切り止め木
17・・・・・空気孔
a・・・・・空気流
18・・・・・L型金物
19・・・・・床木枠パネル
19−1・・・床根太
19−2・・・断熱材受板
19−3・・・化粧床板
W1・・・・床木枠パネル幅(標準:1200mm)
20・・・・・間仕切り壁木枠パネル
20−1・・・頭つなぎ
20−2・・・上枠
20−3・・・下枠
20−4・・・たて枠
F・・・・・ドア用開口部
21・・・・・屋根下地木枠パネル
21−1・・・垂木
21−2・・・野地板
W2・・・・屋根下地木枠パネル幅(標準:1200mm)
21−3・・・軒天換気口
21−4・・・天井仕上げ材
22・・・・・軒桁
23・・・・・軒桁用アンカーボルト
ab・・・・空気溜まり所
24・・・・・棟木
25・・・・・母屋
26・・・・・小屋束
27・・・・・鼻隠し
28・・・・・換気口
30・・・・・鉄骨造
30−1・・・鉄骨柱
30−2・・・袖壁平鋼板
30−3・・・鉄骨梁
30−4・・・下がり壁平鋼板
30−5・・・鉄骨用アンカーボルト
2・・・・・鉄筋コンクリート袖壁
3・・・・・鉄筋コンクリート梁
4・・・・・鉄筋コンクリート下がり壁
5・・・・・鉄筋コンクリート基礎
6・・・・・鉄筋コンクリート軒桁受立上り部
7・・・・・鉄筋コンクリート雨受立上り部
8・・・・・雨樋
9・・・・・アンカーボルト
10・・・・外壁木枠パネル
10−1・・・上枠
10−2・・・下枠
10−3・・・たて枠
10−4・・・アンカーボルト通し孔
10−5・・・管柱
10−6・・・間柱
10−7・・・座彫り
10−8・・・座金とナット
10−9・・・シーリング
10−10・・・硬質ゴムパッキン
11・・・・・外壁仕上げ材
12・・・・・内装仕上げ材
13・・・・・断熱材(ポリスチレン系)
14・・・・・土台パッキン(既製品)
15・・・・・水切り金物
16・・・・・水切り止め木
17・・・・・空気孔
a・・・・・空気流
18・・・・・L型金物
19・・・・・床木枠パネル
19−1・・・床根太
19−2・・・断熱材受板
19−3・・・化粧床板
W1・・・・床木枠パネル幅(標準:1200mm)
20・・・・・間仕切り壁木枠パネル
20−1・・・頭つなぎ
20−2・・・上枠
20−3・・・下枠
20−4・・・たて枠
F・・・・・ドア用開口部
21・・・・・屋根下地木枠パネル
21−1・・・垂木
21−2・・・野地板
W2・・・・屋根下地木枠パネル幅(標準:1200mm)
21−3・・・軒天換気口
21−4・・・天井仕上げ材
22・・・・・軒桁
23・・・・・軒桁用アンカーボルト
ab・・・・空気溜まり所
24・・・・・棟木
25・・・・・母屋
26・・・・・小屋束
27・・・・・鼻隠し
28・・・・・換気口
30・・・・・鉄骨造
30−1・・・鉄骨柱
30−2・・・袖壁平鋼板
30−3・・・鉄骨梁
30−4・・・下がり壁平鋼板
30−5・・・鉄骨用アンカーボルト
Claims (5)
- ラーメン構造の計算により施工された、所要間隔で立設した鉄筋コンクリート造の建物用柱に隣接する前記建物柱間を鉄筋コンクリート造の梁と基礎で固定し、前記柱と梁、基礎で区画した空間部分に対して、木の無垢材をもって、外壁、間仕切り壁、床、屋根下地の木枠パネル、及び仕上げ材、構造材、補足材を組付け施工したことを特徴とした建物。
- 上記建物の鉄筋コンクリート柱に袖壁、鉄筋コンクリート梁下には下がり壁を設け、それの適所に突設させたアンカーボルトにより、前記外壁木枠パネルを緊結接続したことを特徴とする請求項1記載の建物。
- 上記建物の床木枠パネルの表裏両面に木の無垢材を打ち付け、この内部に通気層を形成させ、外壁木枠パネルの下枠の上端に床木枠パネルの根太部分を載置させることで、外壁木枠パネルの上枠、下枠に設けた空気孔により、外壁木枠パネル内の通気層を通り、空気流を外部へ放出可能にしたことを特徴とした請求項1記載の建物。
- 垂木に野地板を打ち付けた屋根下地木枠パネルを、棟木、軒桁間に架け渡し固定させ、天井仕上げ材を張着させることによりパネル内の通気層を形成し、軒先の空気流を軒先に設けた換気口より屋根下地木枠パネル内の通気層を経由し、棟木近傍の空気溜まり所から妻側外壁の換気口により外部に放出可能にしたことを特徴とした請求項1記載の建物。
- 上記建物の最上階の鉄筋コンクリート梁の天端から、鉄筋コンクリート柱の外面側まで鉄筋スラブを水平に延ばし、その先端部分に鉄筋コンクリート雨受立上り部を設け、梁天端の室内側には鉄筋コンクリート軒桁受立上り部を設けたことにより、この部分を雨樋とし、前記軒桁受立上り部の天端に軒桁を載置し緊結することで、屋根を木造の在来工法で施工できることを特徴とした請求項1記載の建物。
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