JP2519525B2 - 建築物の外壁の施工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、建築物の外壁の施工法に関し、特に２枚
の下地材の間に空隙を形成した下地材ユニットを用いる
建築物の外壁の施工法に関する。

〈従来の技術〉 周知のように、建築物の外壁は防水性、防火性を具
え、また遮音性や耐候性が必要である。そこで、外壁の
一種として、モルタル塗などの塗壁がある。そして、塗
壁の骨組や下地は、ひび割れによる雨水の浸入や通気性
が悪いことから腐り易いので、特に堅固にしなげればな
らい。

〈発明が解決しようとする問題点〉 そこで、従来の塗壁、例えばモルタル塗の場合は、柱
・間柱に下地板を釘打ちしてラスを貼ったり、木毛セメ
ント板などを下地とし、下塗、中塗、上塗の順に仕上げ
ている。従って、現場での施工に手間が掛るばかりでは
なく、前工程の塗が乾燥しなければ、次の塗を行なうこ
とができないので、工期が長い。また、塗壁は通気性が
ないので、腐り易くて耐久性が劣るのが現状である。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は上記に鑑み提案されたもので、第１下地材と
第２下地材との間に間隔保持部材を介在させて空隙を形
成した下地材ユニットを建築物の柱及び間柱の室外側に
順次止着し、この下地材ユニットの外面を外部仕上げす
るようにしたことを特徴とする建築物の外壁の施工法で
ある。

〈作用〉 内側下地材と外側下地材との間に形成した空隙が外気
と連通して通気性があり、断熱性、遮音性を発揮する。

〈実施例〉 以下、本発明を図面の実施例について説明すると、図
面は本発明に係る外壁の縦断面図である。

本発明に用いる下地材ユニット１は、例えば室内側に
なる第１下地材２と、室外側になる第２下地材３との間
に、両下地材２、３の側縁部とほぼ平行に複数本の間隔
保持部材４を適宜間隔で介在させて構成したものであ
る。即ち、例えばベニヤ板からなる第１下地材２及び第
２下地材３の各側縁部に沿って適宜間隔で互いにほぼ平
行する複数本の間隔保持部材４を止着し、上記複数本の
間隔保持部材４の上端及び下端を両下地材の上縁部及び
下縁部に揃え、上縁部と下縁部が開放すると共に側縁部
に沿ってほぼ平行する複数の空隙５を形成するのであ
る。

尚、上記空隙５の幅ｄを、第１下地材２の外側と第２
下地材３の外側とにおいて温度差が有る場合に、内部の
空気が上記温度差に基づき乱流や渦流等による対流が生
じない５〜15mm程度にすると好適である。

本発明は、予め上記のような下地材ユニット１を工場
で大量に生産すると共に、施工現場では建築物の基礎６
上に土台７を設け、この土台７に柱及８び間柱９を直立
させ、上記柱８の上端に梁10を横架して軸組をしてお
く。

そして、上記柱８及び間柱９の室外側面に上記した下
地材ユニット１を釘等の止着手段により順次止着する。
また、軒裏には軒天井11を設けて、上記空隙５を軒天井
11内に開口させる。一方、土台７の外面に位置する下地
材ユニット１の両下地材２、３の下縁２′、３′には雨
押え12を設ける。この雨押え12は、外板13と内板14とか
らなり、両板13、14の間には外部と連通する通風路15を
設け、この通風路15を上記第１下地材２と第２下地材３
との間に形成した空隙５に連通させる。尚、図示の雨押
え12は、外板13の下縁13′が屈曲状の内板14の下縁14′
よりも下方に位置し、通風路15の開口端15′を基礎６と
対向するように形成し、また通風路15を途中で屈曲させ
ているので、雨水が浸入することがない。

そして、上記第２下地材３の外面にモルタルを塗るな
どして外部仕上げ16を行なう。

上記のようにして施工した外壁によれば、施工が極め
て簡単になると共に、両下地材２、３として安価なベニ
ヤ板等を使用することができる。また、外気が雨押え12
の通風路15の開口端15′から空隙５を通って軒裏に抜
け、通風が良好となって腐食の虞れがなくなる。更に、
屋外側と室内側との温度差が大きくても、空隙５の幅ｄ
を対流が生じない程度に形成してあるので、第１下地材
２と第２下地材３との間で熱の交換作用を伴なう対流が
生じることがなく断熱効果が向上する。そして、外壁が
第１下地材２と第２側下地材３との二重構造となり、し
かも間に空隙５を形成しているので防音効果も向上す
る。

尚、下地材ユニットを横方向に順次止着して連結する
ばかりではなく、横方向及び縦方向に順次止着して高さ
の高い外壁を構成することもでき、この場合には縦方向
に隣接する下地材ユニットの各空隙を互いに連通させ
る。

以上本発明を図面の実施例について説明したが、本発
明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許請
求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施で
きる。

〈発明の効果〉 以上要するに本発明は、第１下地材と第２下地材との
間に間隔保持部材を介在させて空隙を形成した下地材ユ
ニットを建築物の柱及び間柱の室外側に順次止着し、こ
の下地材ユニットの外面を外部仕上げするようにしたの
で、建築物の外壁を極めて容易かつ短時間で施工するこ
とができる。また、安価な資材を使用することができる
ので、施工期間の短縮と相挨って建築コストの低減が可
能で実用的価値が極めて高い。そして、第１下地材と第
２下地材との間の空隙内で、渦流や乱流等の対流が生じ
ることがなく、この対流による熱交換作用が発生しない
ので断熱効果が向上する。また、外壁が二重構造とな
り、しかも間に空隙を形成しているので防音効果も向上
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は建築物外壁の縦
断面である。 １……下地材ユニット、２……第１下地材、３……第２
下地材、４……間隔保持部材、５……空隙、８……柱、
９……間柱。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１下地材と第２下地材との間に間隔保持
   部材を介在させて空隙を形成した下地材ユニットを建築
   物の柱及び間柱の室外側に順次止着し、この下地材ユニ
   ットの外面を外部仕上げするようにしたことを特徴とす
   る建築物の外壁の施工法。