JP5690390B1 - タレット式木口加工装置及び木材プレカット加工設備 - Google Patents

タレット式木口加工装置及び木材プレカット加工設備 Download PDF

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Abstract

【課題】木口加工に要する加工時間の短縮を十分に図りつつ、各種形状の継ぎ手や仕口を木口に対して精度よく加工する。【解決手段】モーターベース321を備え、角度割り出しによって選択された主軸をXYZ方向位置を制御しつつ駆動して木口加工を実行する木口加工機300であって、主軸の内の一つには、蟻部加工用の大径カッタT2−2の内側に腰掛部加工用の小径カッタT2−1を備えると共に、大径カッタと小径カッタとを共転可能でかつ軸方向位置を相対的に変更可能な状態で連結した組み合わせ刃物T2を装着し、(A)大径カッタの先端から小径カッタが飛び出さない状態、(B)大径カッタの先端から小径カッタがL1だけ飛び出した状態、(C)大径カッタの先端から小径カッタがL1+L2以上飛び出した状態、に切り替える切替装置を備えている。【選択図】 図5

Description

本発明は、木材の前後端の切断、上下面、側面及び木口の加工を行う木材プレカット加工設備に係り、特に、タレット式木口加工装置の改良に関するものである。
この種の設備においては、待ち時間等を減少させて加工効率を向上することが求められている。このため、図12(A)に示す様に、プレカット加工機PCMの右に第1のローラコンベア群RC1を、左に第2,第3のローラコンベア群RC2,RC3を備え、第1の加工位置P1と第2の加工位置P2とを前後にずらして設定し、前後移動可能な中間コンベアRC4と、第2の固定コンベアRC22から第3の固定コンベアRC32へと木材を受け渡す木材受渡装置S1とを備え、第1の加工位置P1でのプレカット中に第2の加工位置P2へ木材を搬入可能にすると共に、第2の加工位置P2でのプレカット中に第1の加工位置P1へと木材を搬入可能にすることで、第1の加工位置P1から木材を搬出しているときに加工ヘッドHDを待機させずに第2の加工位置P2での加工を行うことができる様に構成した木材プレカット加工設備がある(特許文献1:特開平11−90905)。
特許文献1の設備では、木口加工用の複数種類の切削工具T1〜T4が90度間隔で放射状に装着されたタレットモータベースを備え、これら切削工具T1〜T4の中から加工形状に応じた刃物を選択して木口加工を実行している。このとき、図12(B)に示す様に、蟻と大入れ掛けの円弧部の中心が同一となる加工形状ならば、切削工具T2を選択してU字を描く様に動作させることで切削加工を完了することができる。しかし、図12(C)〜(G)に示す様な加工形状の場合、例えば蟻と大入れ掛けの円弧部の中心が寄っていたり異なっていたり、外形形状自体が相似でないため、一つの切削工具による加工動作を行うだけでは切削加工を完了することができず、切削工具T1と切削工具T4とを用いて加工する必用がある。以下、図12(B)の形状を「同芯蟻大入れ掛け」、同(C)の形状を「寄り蟻大入れ掛け」、同(D)の形状を「異芯蟻大入れ掛け」、同(E)の形状を「蟻大入れ持たせ」、同(F)の形状を「腰掛け蟻継ぎ」、同(G)の形状を「蟻掛け」と呼ぶ。
このため、従来技術においては、木口の加工形状が「寄り蟻大入れ掛け」等の場合には、切削工具の切替動作が必用となり、加工時間が長くなるという問題が生じる。
なお、図13(A)に示す様に、内側カッタと外側カッタとを組み合わせた刃物を用いてスプリングとストップカラーを利用して刃物位置に切り替える様にした側面加工機(特許文献2)、図13(B)に示す様に、モーター軸にセット用ボルトを介して装着したシールホルダにチャック及びナットで第1のカッタを装着すると共に、シールホルダの外側に設けたシャフトに第2のカッタを連結し、油圧ポートへの油圧の供給によってシャフトを軸方向に移動させる構造としたルーターヘッド(特許文献3)、図13(C)に示す様に、駆動軸の先端にコレットチャックを介して小径カッタを取りつけると共に、小径カッタの外側に大径カッタを設け、駆動軸を保持する軸受筒に軸方向の空圧シリンダを取りつけ、この空圧シリンダのピストンロッドをスライド操作体を介して大径カッタに連結し、小径カッタと大径カッタの両者は軸方向のスライド運動だけを許容して連結する構造としたカッタヘッド(特許文献4)が知られている。
特開平11−90905 実公平1−40643 実開平5−49306 特開平9−85704
特許文献2〜4によれば、図12(C)〜(G)に示した「寄り蟻大入れ掛け」、「異芯蟻大入れ掛け」、「蟻大入れ持たせ」、「腰掛け蟻継ぎ」、「蟻掛け」の加工に当たって、内側と外側とで二重にしたカッタの出没状態を切り替えるだけでよくなる。しかしながら、逆に、図12(B)の「同芯蟻大入れ掛け」の場合においても、内側カッタによる切削加工と外側カッタによる切削加工とを別々に実行しなければならない。
このため、従来技術では、木口加工においては加工時間の短縮を十分に実現することができないという問題がある。加えて、特許文献2は、スプリングの使用頻度又は力のかかり方で刃物の切替位置が安定しない可能性がある。特許文献3は、構造的に複雑になりすぎてコストアップにつながると共に、モーターの全長が伸びてしまうという問題もある。
さらに、特許文献2〜4は、いずれも小径のカッタで蟻部の加工を行う構成であるため、図12(C)の「寄り蟻大入れ掛け」、同(D)の「異芯蟻大入れ掛け」、同(E)の「蟻大入れ持たせ」等の加工において、小径カッタでの加工時間が長くなるという問題もある。
そこで、本発明は、木材プレカット加工設備における加工時間の短縮、稼働率の向上をさらに推進することを目的とし、特に、木口加工に要する加工時間の短縮を十分に図りつつ、各種形状の継ぎ手や仕口を木口に対して迅速に加工することを可能ならしめることを目的とする。加えて、そのための装置の構造的な複雑化や大型化を生じない様にすることをもさらなる目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明のタレット式木口加工装置は、放射状に装備した複数の主軸の内から、角度割り出しによって加工に用いる主軸の選択を実行するタレットモーターベースを備え、駆動制御指令を受けることにより、主軸の選択と、当該選択された主軸のXYZ方向位置制御及び駆動制御による切削加工とを実行すると共に、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1)前記タレットモーターベースの前記主軸の内の少なくとも一つには、木材の芯に対して傾斜した面を削り出す大径カッタの内側に木材の芯に対して平行な面を削り出す小径カッタを備えると共に、前記大径カッタと前記小径カッタとを共転可能でかつ軸方向位置を相対的に変更可能な状態で連結した組み合わせ刃物を装着してあること。
(2)前記大径カッタと前記小径カッタの軸方向相対位置を以下の(A)〜(C)のいずれかの状態とする様に、軸方向相対位置を切り替える切替装置を備えていること。
(A)大径カッタの先端から小径カッタが飛び出さない状態。
(B)大径カッタの先端から小径カッタが第1長さだけ飛び出した状態。
(C)大径カッタの先端から小径カッタが前記第1長さよりも長い第2長さだけ飛び出した状態。
本発明のタレット式木口加工装置によれば、組み合わせ刃物を装着した主軸を用いる場合、切替装置によって組み合わせ刃物の軸方向相対位置を(A)の状態とすることで、大径カッタのみで木材の芯に対して傾斜した面を切削加工することができる。一方、切替装置によって、組み合わせ刃物の軸方向相対位置を(C)の状態とすることで、第2長さよりも浅く木材の芯に平行な面を小径カッタのみで切削加工することができる。そして、切替装置によって、組み合わせ刃物の軸方向相対位置を(B)の状態にすることで、大径カッタと小径カッタを同時に用いて、木材の芯に対して傾斜した面と、深さが第1長さとなる木材の芯に平行な面とを同時に切削加工することができる。
この結果、必用に応じて組み合わせ刃物の軸方向相対位置の切替を行うだけで、木材の木口に対するオスの仕口又は継ぎ手の種々の加工形状を主軸を切り替えることなく短時間で完了させることができる。また、大径カッタの方を傾斜した面を切削加工する刃物としているので、蟻部の加工において一気に深く切り込むことができるから、蟻部の切削加工に要する時間を短縮することができる。なお、本発明の(A)の状態においては、小径カッタが大径カッタの先端と面一であってもよいし、大径カッタの先端よりも窪んだ状態となっていてもよい。
本発明のタレット式木口加工装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3)前記組み合わせ刃物は、前記大径カッタとして、オスの仕口又は継ぎ手における蟻部を切削する刃物を備え、前記小径カッタとして、オスの仕口又は継ぎ手における腰掛部を切削する刃物を備えていること。
(4)前記切替装置は、腰掛け部と蟻部があるオスの仕口又は継ぎ手における腰掛部の長さをL1とし蟻部の長さをL2とするとき、前記第1長さがL1となる様に前記軸方向相対位置の切替を実行する装置として構成されていること。
この様に構成することにより、図12(B)に示した「同芯蟻大入れ掛け」は、切替装置により組み合わせ刃物の軸方向相対位置を(B)の状態とした1工程の切削加工で確実に完成させることができる。また、切り替え装置により組み合わせ刃物の軸方向相対位置を(C)の状態とした工程によって、蟻部と腰掛部とが組み合わさった仕口又は継ぎ手において外形形状が相似で円弧形状の部分の中心がずれていたり、外形形状が蟻部と相似ではない腰掛部であっても、これを精度よく切削加工することができる。
これら本発明のタレット式木口加工装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(5)前記切替装置は、前記主軸と平行に設置された第1,第2の流体シリンダを直列に接続し、第1,第2の流体シリンダの一方のみ又は両方に伸長動作又は収縮動作を実行させることによって、前記(A)〜(C)のいずれかの状態を形成する機構として構成されていること。
切替装置として(5)の構成を採用することにより、特許文献3の様に主軸の大型化や主軸部分の構造の複雑化を伴うことなく、(A)〜(C)の各状態を迅速かつ正確に切り替えることができる。
切替装置として(5)の構成を採用したタレット式木口加工装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(6)前記第1の流体シリンダのストロークをS1、前記第2の流体シリンダのストロークをS2とし、腰掛け部と蟻部があるオスの仕口又は継ぎ手における腰掛部の長さをL1とし蟻部の長さをL2とするとき、S1≧L1、S2≧L2の関係を満足する構成となっていること。
(7)前記組み合わせ刃物は、前記小径カッタを前記主軸の先端に固定すると共に前記大径カッタを当該主軸に対して回り止めした状態で軸方向移動可能に装着することによって取り付けられていること。
(8)前記切替装置は、前記大径カッタを前記直列に接続された流体シリンダのストローク動作によって前記主軸に沿って軸方向移動させる機構により、前記(A)〜(C)の各状態を、前記第1,第2の流体シリンダを以下の様にストローク動作させることによって形成させること。
(a)前記第1の流体シリンダ及び前記第2の流体シリンダを共に伸長動作させる。
(b)前記第1の流体シリンダを収縮動作、前記第2の流体シリンダを伸長動作させる。
(c)前記第1の流体シリンダ及び前記第2の流体シリンダを共に収縮動作させる。
第1の流体シリンダのストロークS1、第2の流体シリンダのストロークS2、腰掛部の長さL1、蟻部の長さL2が(6)の関係を満足し、組み合わせ刃物が(7)の様に主軸に対して取り付けられることにより、(8)の構成において(a)のストローク動作で(A)の状態を、(b)のストローク動作で(B)の状態を、(c)のストローク動作で(C)の状態を、迅速かつ的確に切り替えることができ、特に、(b)のストローク動作によって、「同芯蟻大入れ掛け」を刃物切替動作なしに切削加工することが可能となる。
上記目的を達成するためになされた本発明の木材プレカット加工設備は、木材の前後端の切断、上下面、側面及び木口の加工を行う複数台の加工機と、これら複数台の加工機の内で最も上流側に設置された加工機に対して木材を投入する投入装置と、これら複数台の加工機の内で最も下流側に設置された加工機から木材を搬出する搬出装置と、これら複数台の加工機間で木材を搬送する搬送装置と、前記各加工機及び搬送装置に対して加工データに従って駆動制御指令を行う制御装置とを備えた木材プレカット加工設備において、前記複数台の加工機の内、上流から少なくとも2台目以降に位置する加工機として、請求項1〜4のいずれかに記載のタレット式木口加工装置を備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(11)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令に従って前記主軸の選択とXYZ方向位置制御及び駆動制御による切削加工とを実行する際、前記駆動制御指令が前記組み合わせ刃物を装着した主軸による加工を対象とするものであるときは、前記切替装置を駆動して前記大径カッタと前記小径カッタの軸方向相対位置を前記(A)〜(C)のいずれかの状態とする制御をも実行する様に構成されていること。
本発明の木材プレカット加工設備によれば、タレット式木口加工装置が、制御装置からの駆動制御指令に従って主軸の選択とXYZ方向位置制御及び駆動制御による切削加工とを実行する際、駆動制御指令が組み合わせ刃物を装着した主軸による加工を対象とするものであるときは、切替装置を駆動して大径カッタと小径カッタの軸方向相対位置を(A)〜(C)のいずれかの状態とする制御をも実行するから、最終段の加工において上述の様な時間短縮が可能となる結果、上流の加工機に加工待ちを生じさせ難く、設備全体としての加工時間短縮及び稼働率の向上を達成することができる。
本発明の木材プレカット加工設備は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(12)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、仕口又は継ぎ手における円弧形状の部分の中心が一致していて相似な外形形状となる蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(B)の状態に切り替えると共に前記蟻部と前記腰掛部とを同時に切削加工する制御を行う様に構成されていること。
また、これら本発明の木材プレカット加工設備は、さらに、以下の(13)〜(15)の一つ以上の構成をも備えるとよい。
(13)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、仕口又は継ぎ手における円弧形状の部分の中心が幅方向にずれて相似な外形形状となる蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(A)の状態に切り替えて前記蟻部を切削する工程と、前記(C)の状態に切り替えて前記腰掛部を切削する工程とを別々に実行する制御を行う様に構成されていること。
(14)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、仕口又は継ぎ手における円弧形状の部分の中心が高さ方向にずれて相似な外形形状となる蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(A)又は(B)の状態に切り替えて前記蟻部を切削する工程と、前記(C)の状態に切り替えて前記腰掛部を切削する工程とを別々に実行する制御を行う様に構成されていること。
(15)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、外形形状が相似しない蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(A)又は(B)の状態に切り替えて前記蟻部を切削する工程と、前記(C)の状態に切り替えて前記腰掛部を切削する工程とを別々に実行する制御を行う様に構成されていること。
ここで、切削加工の途中で組み合わせ刃物の軸方向相対位置の切替を伴う(13)〜(15)の構成において、切替順はいずれを先にしても構わない。即ち、外側に位置する腰掛部等の外形形状を先に形成してから内側の蟻部の外形形状を形成する順番としてもよいし、逆に、内側に位置する蟻部の外形形状を先に形成してから、その外側に位置する腰掛部等の外形形状を形成する様にしても構わないのである。
なお、これら本発明の木材プレカット加工設備は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(16)前記タレット式木口加工装置の上流側に設定された第1の加工位置と下流側に設定された第2の加工位置とを前記第2の加工位置が前記第1の加工位置に対して前記搬出装置側にずれた位置関係に設定し、前記第1の加工位置で切削加工した木材を一旦下流方向へと搬送した後に前記搬出装置側へと横移動させてから上流側へと搬送して前記第2の加工位置へとセットし、該第2の加工位置での切削加工中に前記第1の加工位置へと次の木材を搬入してセットする終端・始端入れ替え機構を備えていること。
(17)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令に基づいて、前記第1の加工位置と前記第2の加工位置とを切り替えつつ切削加工を繰り返す際に、次の切削加工において複数の主軸を使用する必用があり、現在の切削加工において使用している主軸の角度割り出し状態を基準として反対側の加工位置に向かせるべき複数の主軸の角度変更の累計値に大小があるときは、角度変更の累計値がより小さくなる様に、次の切削加工において最初に用いる主軸を決定する主軸割出順序決定手段を備えていること。
「(16)終端・始端入れ替え機構」を備えることにより、タレット式木口加工装置による木材両端の木口加工における待ち時間を減少させ、さらに加工効率を向上させることができる。そして、これに留まらず、タレット式木口加工装置に「(17)主軸割出順序決定手段」を備えさせることにより、どうしても複数の主軸を用いて加工しなければならない様な形状の加工において、主軸選択時間を短縮させ、さらなる加工効率の向上を実現することができる。
本発明によれば、木材プレカット加工設備における加工時間の短縮、稼働率の向上に多大な効果を発揮する。また、木口加工に要する加工時間の短縮を十分に図りつつ、各種形状の継ぎ手や仕口を木口に対して迅速に加工することができる。加えて、蟻部と腰掛部とが組み合わされた継ぎ手や仕口をタレットモータベースによる刃物軸割出角度を変更せずに大径カッタと小径カッタの出入り状態を変更するだけで加工できる結果、軸割出による誤差を生じない分だけ精度も向上する。さらに、そのための装置の構造的な複雑化や大型化を生じない様にすることもできる。
実施例1のプレカット加工設備全体の平面図である。 実施例1における木口加工機の背面図である。 実施例1における木口加工形状の斜視図である。 実施例1における蟻部と腰掛部を有するオスの仕口&継ぎ手の寸法条件を示し、(A)は正面図、(B)は斜視図である。 実施例1における組み合わせ刃物を装着した主軸の一部を断面で示す正面図である。 実施例1における組み合わせ刃物での加工工程を示す正面図である。 実施例1における組み合わせ刃物での加工工程を示す正面図である。 実施例1における制御系統のブロック図である。 実施例1における木口加工制御装置による制御処理のフローチャートである。 実施例1における木口加工制御装置による制御処理のフローチャートである。 実施例1における木口加工制御装置による刃物選択処理のフローチャートである。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。
以下に、本発明を適用した木材プレカット加工設備1の実施例を説明する。
図1は、木造建築用部材のプレカット加工設備の実施形態としての木材プレカット加工設備1を示す模式的平面図である。
木材プレカット加工設備1は、各種加工機として、木材の先端の端切り、後端の全長決め切断及び上下面加工を行うための切断&上下面加工機100と、木材の側面加工を行うための側面加工機200と、木材の木口に対して継ぎ手及び仕口の加工を行うための木口加工機300と、木材を横移送させるチェーンスラッシャ21〜24と、木材を軸方向移動させるローラコンベア31〜42とを備えている。
木材プレカット加工設備1は、CAD/CAMデータに基づいて、各加工機100,200,300の動作制御及び木材の搬入&搬出を自動的に実行しつつ木材のプレカット加工を実行するように構成されている。
各加工機100,200,300の近傍に設けられた短いローラコンベア32,35,38は、いずれも下方へ倒すことができる様になっていて、各加工機100,200,300の近傍に、必要に応じて作業者の移動通路を確保可能な構成になっている。
ローラコンベア39,40とローラコンベア41,42の間には、木材を横移動させるための多数の桟44が配置されている。この桟44の上面と各ローラコンベア39〜42の各ローラの上面とはほぼ同一高さになっている。これは、ローラコンベア39,40からローラコンベア41,42へと木材を持ち上げることなく、桟44の上面を滑らせてスムーズに横移動させるためである。
ローラコンベア41,42とチェーンスラッシャ24との間には、通常時はローラコンベア41,42のローラ上面より下方に沈んだ状態にあり、木口加工機300による加工の終了後に上昇してローラコンベア41,42上の木材を持ち上げ、それ自身の傾斜を利用してチェーンスラッシャ24へと木材を受け渡すための傾斜式ローラ移送装置45が備えられている。そして、各加工機100,200,300によるすべての加工が終わった木材は、チェーンスラッシャ24上に載置される。
最初に木材を投入する位置に配置されているチェーンスラッシャ21は、移送方向の途中で部分的に重複して配置される2組の搬送用チェーン群21a,21bによって構成されている。同じく、チェーンスラッシャ22,23も、2組の搬送用チェーン群22a,22b,23a,23bによって構成されている。これは、横移送開始側の搬送用チェーン群21a,22a,23aによる木材の移送速度を、横移送終了側の搬送用チェーン群21b,22b,23bによる木材の木材の移送速度よりも遅くすることにより、ローラコンベア31,34,37へと木材を載せ代えるために設けられている木材載せ代え装置61,62,63による木材の載せ代え動作をスムーズに実行させることができる。
各木材載せ代え装置61,62,63は、チェーンスラッシャ21,22,23の上面より所定量沈んだ位置からストッパ51、52,53の上面を超える高さまで伸縮可能なエアシリンダと、このエアシリンダを横方向に伸びるガイド61a,62a,63aに沿って移動させる横移動機構とによって構成されている。また、この横移動機構の駆動には、モータの回転を往復運動に変換するクランク機構を使用し、載せ代え開始から載せ代え完了までの横移動速度の変化が、最初は徐々に加速し、途中で最高速度に達した後で徐々に減速させ、移動開始時及び停止時の加速度による木材の横倒れを防止する工夫がなされている。
ローラコンベア33,36,39,40には、コンベア上の木材を下流のチェーンスラッシャ22,23やローラコンベア41,42へと押し出すためのプッシャプレート71,72,73が備えられている。これらのプッシャプレート71,72,73は、各1対のエアシリンダ74,75,76によって駆動される様に構成されている。なお、各ローラコンベア33,36,39,40のプッシャプレート71,72,73と反対側の側面枠は、プッシャプレート71,72,73による木材の押し出しを妨げない様に、ローラ上面と同一高さ又は若干低めに構成されている。
切断&上下面加工機100は、その主要な構成として、木材をクランプするためのNo.1〜No.5バイス111〜115と、木材の端切りを行うための切断ユニット130と、木材の上下面に対してほぞ穴やボルト穴を加工するための上下一対の角のみユニット150と、木材の上下面に対して間柱欠き、垂木欠き、隅木欠き及び谷木欠きを加工するための上下一対のカッタユニット170とを備えている。
この切断&上下面加工機100における上下面加工位置を規定するための位置決めユニット400が、ローラコンベア33の側方に配置されるガイドレール401に沿って移動可能に配置されている。なお、符号116,117で示されているのは、切断ユニット110に対して搬入される木材の先端を検出してローラコンベア31,32を停止させるための先端検出用の光センサユニットである。
側面加工機200は、その主要な構成として、その前後に配置される短いローラコンベア211,212と、木材をクランプするためのNo.1,No.2バイス221,222と、これらバイス221,222の間の位置において、対面する様に配置される一対の側面加工ユニット231,232とを備えている。各側面加工ユニット231,232には、上下方向に複数の側面加工用工具が装着される様になっている。この側面加工機200は、例えば、特公平1−0155964号公報等に記載されている側面加工ユニットを独立の加工機械として構成したもので、木材の側面に対して、大入れ蟻掛け、根太彫り、ボルト穴等の各種加工を行うものである。
この側面加工機200における側面加工位置を規定するための位置決めユニット500が、ローラコンベア36の側方に配置されるガイドレール501に沿って移動可能に配置されている。この位置決めユニット500は、切断&上下面加工機100における加工位置を規定するための位置決めユニット400と同一のものである。
木口加工機300は、その主要な構成として、上流のローラコンベア37,38側に配置される第1の固定コンベア311と、この第1の固定コンベア311の延長上において、反対側のローラコンベア39,40の直前に配置される第2の固定コンベア312と、この第2の固定コンベア312と同じ側において、ローラコンベア41,42の延長線上に配置される第3の固定コンベア313と、第1,第2の固定コンベア311,312の間を連絡する連絡位置と図中一点鎖線で示した前方の退避位置との間をZ軸方向へ移動可能に配置される中間コンベア314と、各種加工工具(T1,T2,T3,T4。詳細は図2に示す。)を90度ずつずらして放射状に配置したタレットモータベース321を備える木口加工ユニット320と、第1の固定コンベア311の近傍に出没自在に配置され、ローラコンベア37,38,311上を搬送されて来る木材の先端位置を規定するためのNo.1ストッパ331と、このNo.1ストッパ331によって先端位置を規定された木材をクランプするNo.1バイス341と、第3の固定コンベア313の近傍に出没自在に配置され、ローラコンベア41,42,313上を搬送されて来る木材の先端位置を規定するためのNo.2ストッパ332と、このNo.2ストッパ332によって先端位置を規定された木材をクランプするNo.2バイス342と、第2の固定コンベア312に併設されている印字装置351とを備えている。なお、中間コンベア314は、加工ユニット320と連結されていて、上述のZ軸方向の移動は、加工ユニット320のZ軸方向への移動によって実現される機構となっている。
この木口加工機300は、木口加工ユニット320を図示のX方向及びZ方向に移動させると共にタレットモータベース321をY方向(上下方向)に移動させつつ、No.1バイス341でクランプされた木材の木口及びNo.2バイス342でクランプされた木材の木口に対して必要な加工を行うものである。この加工に当たっては、タレットモータベース321を90度刻みで回転させることによって、そこに装着された各種工具T1,T2,T3,T4(図2参照。)の中から必要なものを選択して継手及び仕口の加工を行う様に構成されている。
そして、特に、第1の加工位置P1においてNo.1バイス341及びNo.1上押さえクランパ361でクランプされた木材の木口を加工したら、中間コンベア314を図示の実線の位置に移動させる様に木口加工ユニット320を図示の様に機械の後方に移動させ、終端側(図1の紙面上方側)の木口の加工を終了した木材を中間コンベア314を渡って下流のローラコンベア39,40上へと移送する。こうして一本目の木材の終端側木口への加工が完了したら、二本目の木材をNo.1ストッパ331及びNo.1バイス341,No.1上押さえクランパ361(図2参照)で第1の加工位置P1に位置決めする。そして、No.1ストッパ331を退避させると共に、中間コンベア314を一点鎖線で示した退避位置へ移動させる様に木口加工ユニット320を前進させて次の木材の終端側の木口加工を行い、この間に、先に下流側のローラコンベア39,40上へと移送しておいた木材をプッシャプレート73によってローラコンベア41,42上へと移し代え、木口加工機300側に移送してNo.2ストッパ332により先端合わせを行うと共に、第2の加工位置P2に始端を臨ませた状態となる様にNo.2バイス342,No.2上押さえクランパ362(図2参照)でクランプしておく。この結果、2本目の木材の終端側に対する第1の加工位置P1での木口加工が完了したら、直ちに1本目の木材の第2の加工位置P2での木口加工へと移行することができ、この間に中間コンベア314を再び連絡位置へ移動させて2本目の木材をローラコンベア39,40上へと移送しておくことにより、以下、第1の加工位置P1での終端加工、第2の加工位置での始端加工、…、第1の加工位置での終端加工、第2の加工位置での始端加工、第2の加工位置での始端加工、と効率良く、木材の両端木口の加工を実行できる様にしたものである。
木材プレカット加工設備1は、以上の様に構成され、最上流のチェーンスラッシャ21上に投入載置された木材は、木材プレカット加工設備1の各チェーンスラッシャや各ローラコンベアなどの搬送装置によって順次下流方向へ移送されながら各加工機100,200,300によって加工が施され、最下流のチェーンスラッシャ24上に排出される。
本実施例では木材プレカット加工設備1は、切断&上下面加工機100と側面加工機200が別々の機械として構成されているものとして説明したが、これらが一体化されたものや、複数台で構成されたものなどであっても構わない。
木口加工機300のタレットモーターベース321上には、図2に示す様に、T1(鎌オス&欠きカッタ)、T2(蟻&腰掛カッタ)、T3(鎌メスカッタ)、T4(蟻ビット)等の切削工具が装備されている。これらの各切削工具T1,T2,T3,T4の選択と回転及び移動動作で、各々の切削工具の全体又は一部を使用し、図3の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)、(チ)、(リ)に示す様な各種形状の切削加工をすることができる。
本実施例においては、これら各種形状の内、腰掛部と蟻部があるオスの仕口&継ぎ手の内、蟻部と腰掛部が共に円弧部を有する相似形状のものにおいて円弧部の中心の位置関係により分類される「(イ):同芯蟻大入れ掛け」、「(ロ):寄り蟻大入れ掛け」、「(ハ):異芯蟻大入れ掛け」、腰掛部と蟻部があるオスの仕口&継ぎ手の内、腰掛部が円弧部を有しないものにおいて分類される「(ニ):蟻大入れ持たせ」、「(ホ):腰掛け蟻継ぎ」、及び「(ヘ):蟻掛け」は、いずれも組み合わせ刃物で構成された切削工具T2で加工する。
これら「腰掛部」と「蟻部」がある「オスの仕口&継ぎ手」において、図4に示す様に、腰掛部の長さをL1とし、蟻部の長さをL2とする。
次に、組み合わせ刃物からなる切削工具T2を備えた主軸部分の構造等について説明する。図5に示す様に、切削工具T2は、腰掛部を切削する小径カッタT2−1と、小径カッタT2−1より大径で蟻部を切削する大径カッタT2−2とを、その軸方向の先端の相対的な位置関係をA状態〜C状態にするために次の様な構造になっている。
主軸モータ700の主軸701の先端には軸芯を一致させる様にして小径カッタT2−1がボルトで固定されている。この主軸701には、共転かつ軸方向移動可能となる様に、フランジ703が嵌合されている。そして、このフランジ703に対してボルト702で大径カッタT2−2が固定されている。
フランジ703は、ベアリング704を介してスリーブ705に支えられ、スリーブ705は、ブラケット706にボルト709で固定されている。そして、ブラケット706は、前方シリンダ708のロッドに連結されている。この前方シリンダ708の後方には直列状態に後方にロッドを向けた後方シリンダ707が接続されている。この後方シリンダ707から後ろ向きに伸びるロッドの先端はモータベース710に対して連結されている。なお、前方シリンダ708と後方シリンダ707のロッドの向きは前後反対になっていてもよく、直列状態であれば構わない。また、前方シリンダ708及び後方シリンダ707のロッドのストローク動作に伴って主軸701に沿ってブラケット706を前後動させることができればよく、後方シリンダ707のロッドをモータベース710に対して連結する固定方法に限らない。なお、本実施例においては、前方シリンダ708及び後方シリンダ707としてはエアシリンダを用いている。
ブラケット706は、後方シリンダ707と前方シリンダ708の伸び縮みの動作で主軸701に沿って軸方向に移動する。これに伴い、大径カッタT2−2も主軸701に沿って軸方向に移動し、小径カッタT2−1との相対的な軸方向位置を、図示の(A),(B),(C)のいずれかの状態となる様に切り替えることができる。
図示(A)の状態:シリンダ707は伸びている、シリンダ708は伸びている。
図示(B)の状態:シリンダ707は縮んでいる、シリンダ708は伸びている。
図示(C)の状態:シリンダ707は縮んでいる、シリンダ708は縮んでいる。
ここで、後方シリンダ707のストロークS1、前方シリンダ708のストロークS2、腰掛部の長さL1、及び蟻部の長さL2の関係は、S1≧L1とS2≧L2となる様にする。本実施例では、後方シリンダ707がストロークS1だけ収縮したときに小径カッタT2−1が大径カッタT2−2の先端よりもL1だけ突出する様に構成している。また、両方のシリンダ707,708が伸長した状態における小径カッタT2−1の先端位置が大径カッタT2−2の先端位置よりも若干後退した位置となる様に機械を構成している。従って、後方シリンダ707を縮ませることで(B)の状態とすることができ、図4に示した「同芯蟻大入れ掛け」の「腰掛部」と「蟻部」を、切削工具T2のU字動作によって同時に切削加工することができる様に設定してある。
なお、図5の(A)〜(C)の各状態は、主に腰掛部を切削する小径カッタT2−1と、小径カッタT2−1より大径で蟻部を切削する大径カッタT2−2の軸方向の先端の相対的な位置関係が次の条件を満足する設計となっているということもできる。
図示(A)の状態:カッタT2−2は、カッタT2−1と同じ又はカッタT2−1よりも出ている。
図示(B)の状態:カッタT2−2は、カッタT2−1よりも腰掛部の長さL1だけ後退している。
図示(C)の状態:カッタT2−2は、カッタT2−1よりも腰掛部の長さL1+蟻部の長さL2と同じ又はそれ以上後退している。
この様にして小径カッタT2−1と大径カッタT2−2の軸方向相対位置を切り替えることにより、蟻部と腰掛部が円弧部の中心が同一で相似な外形形状となる「同芯蟻大入れ掛け」の切削加工は、図6(A)に示す様に、「B状態」での切削による1工程だけで加工を完了することができる。
また、蟻部と腰掛部の円弧部の中心が高さ方向にずれた「異芯蟻大入れ掛け」は、図6(B)に示す様に、「B状態」での切削と「A状態」での切削の2工程、又は図6(C)に示す様に、「C状態」での切削と「A状態」での切削の2工程で加工を完了することができる。
蟻部と腰掛部の外形形状が相似ではない「蟻大入れ持たせ」は、図6(D)に示す様に、「A状態」での切削と「B状態」での切削の2工程、又は図6(E)に示す様に、「C状態」での切削と「A状態」での切削の2工程で加工を完了することができる。
また、蟻部と腰掛部の円弧部の中心が幅方向にずれた「寄り蟻大入れ掛け」は、図7(A)に示す様に、「C状態」での切削と「A状態」での切削の2工程で加工を完了することができる。同様に、蟻部と腰掛部の外形形状が相似ではない「腰掛け蟻継ぎ」は、図7(B)に示す様に、「蟻掛け」は、図7(C)に示す様に、これらも「C状態」での切削と「A状態」での切削の2工程で加工を完了することができる。
なお、1工程で加工を完了することのできる「同芯蟻大入れ掛け」以外の2種類の刃物状態を切り替えて切削するものにあっては、どちらの刃物状態で先に切削を行うかは上述した説明の順序に限らず、2つの切削工程をどちらから実行しても構わない。
実施例の木材プレカット加工設備1は、加工する木材の出入りと寸法、仕口・継ぎ手の加工形状及び加工寸法、腰掛カッタと蟻カッタの形状と寸法と位置情報などをCAD及びCAMのデータとして取り込んで、カッタの選択や出入りと動作を制御して前記の加工を実行する。
次に、本実施例の木材プレカット加工設備1における制御系統について説明する。図8に示す様に、木材プレカット加工設備1の全体を制御する全体制御装置801と、この全体制御装置801に対してCAD/CAMデータを入力するCAD/CAMデータ入力装置802とから構成されている。また、全体制御装置801は、大きく分けて、切断&上下面加工機100に対応する切断・上下面加工制御装置810と、側面加工機200に対応する側面加工制御装置820と、木口加工機300に対応する木口加工制御装置830とから構成されている。そして、切断・上下面加工制御装置810は、切断&上下面加工機100に木材を投入し、加工を行った後次工程へ排出するまでの制御を実行しており、切断&上下面加工機100はもちろん、チェーンスラッシャ21、ローラコンベア31〜33、位置決めユニット400及びプッシャプレート71等をその制御対象としている。また、側面加工制御装置820も、同様に、側面加工機200、チェーンスラッシャ22、ローラコンベア34〜36、位置決めユニット500及びプッシャプレート72等をその制御対象としている。さらに、木口加工制御装置830は、チェーンスラッシャ23以降の各機器を制御対象としている。
次に、木口加工制御装置830による木口に対する仕口&継ぎ手加工の制御内容について説明する。この木口加工制御装置830は、CAD/CAMデータ入力装置802からの加工情報に従って、図9,図10に示す様な制御処理を実行する。
まず最初に、CAD/CAMデータ入力装置802からの加工情報を読み込んでおく(S10)。次に、No.1ストッパ331を突出位置へセットするための指令をストッパ駆動用アクチュエータに対して出力し(S20)、木材を第1を加工位置P1に向かって移送開始させるための指令をコンベアローラ駆動装置に対して出力する(S30)。また、加工ユニット駆動用のACサーボモータに対して、加工ユニット320を第1の加工位置P1へ移動させる指令を出力すると共に(S40)、第1の加工位置P1での加工に用いる刃物軸の選択指令をタレットモータベース321の駆動装置に対して出力する(S50)。この刃物軸の選択指令は、加工情報に従ってタレットモータベース321を90度刻みで回転させて切削工具T1〜T4の中で今回の加工に適切な刃物を木材に対面させる刃物選択動作を実行させるための刃物軸割出角度の指令となる。この間、第1の固定コンベア311に備えさせておいた光センサ等の信号によって木材が第1の加工位置P1に到達したか否かを判定する(S60)。そして、木材が第1の加工位置P1に到達したと判定できたら(S60:YES)、No.1バイス341及びNo.1上押さえクランパ361のアクチュエータに対して駆動指令を出力し(S70)、第1の加工位置P1へ搬入された木材をクランプさせる。続いて、No.1ストッパ331を没入位置に移動させると共にローラコンベアによる送り動作を停止させるための指令をストッパ駆動用アクチュエータ及びローラコンベア駆動装置に対して出力する(S80)。さらに、木口加工ユニット320をZ軸方向に前進させて中間コンベア314を退避位置へ移動させると共に、S40で選択しておいた刃物軸の中心線を木材の中心線と一致させるための動作指令を加工ユニット駆動用のACサーボモータに対して出力する(S90)。
そして、第1の加工位置P1に対面している刃物軸の駆動モータに駆動指令を出力して刃物を回転させると共に、加工情報に従って、加工ユニット駆動用のACサーボモータに駆動指令を出力して(S100)、第1の加工位置P1に投入されている木材に対する仕口&継ぎ手の加工を実行させ、一連の加工動作が完了したタイミングになったら刃物駆動モータに停止指令を出力すると共に、加工ユニット駆動用のACサーボモータに対しては、加工ユニット320をZ軸方向原点へと戻すための駆動指令を出力する(S110)。このとき、中間コンベア314は、木口加工ユニット320と共にZ軸方向に移動し、図1に実線で示した連絡位置へと復帰される。
次に、第1の加工位置P1における木材のアンクランプを実行させるための指令をNo.1バイス341及びNo.1クランパー361のアクチュエータに対して出力した後(S120)、アンクランプされた木材を中間コンベア314を渡って下流側へと搬送させると共に第2の加工位置へと搬送するための指令を、ローラコンベア駆動装置及びプッシャプレート73のアクチュエータに対して出力する(S130)。その後、下流側へ搬送された木材を横移送するための指令をプッシャプレート73のアクチュエータに対して出力する(S140)。また、第2の加工位置P2での加工に用いる刃物軸の選択を実行させるための指令をタレットモータベース321の駆動装置に対して出力する(S250)。このときの指令も、加工情報に従ってタレットモータベース321を90度刻みで回転させて切削工具T1〜T4の中で今回の加工に適切な刃物を木材に対面させる刃物選択動作を実行させるための割出角度となる。
この間、第3の固定コンベア313に備えさせておいた光センサ等の信号によって木材が第2の加工位置P2に到達したか否かを判定する(S260)。そして、木材が第2の加工位置P2に到達したと判定できたら(S260:YES)、第2の加工位置P2へ搬入された木材をクランプさせるための指令をNo.2バイス342及びNo.2上押さえクランパ362のアクチュエータに対して出力する(S270)。続いて、No.2ストッパ332のアクチュエータに対して没入位置への移動を指令すると共に、ローラコンベア駆動装置に対して送り動作の停止を指令する(S280)。
ここで、加工情報に含まれている加工スケジュールにおいて、次の部品の加工が存在するか否かを判定する(S300)。「YES」と判定された場合は、S240で選択しておいた刃物軸を、その中心線を木材の中心線と一致させる様に、加工ユニットのACサーボモータに対する駆動指令を出力する(S310)。続いて、第2の加工位置P2に対面している刃物軸の駆動モータに駆動指令を出力して刃物を回転させると共に、加工情報に従って、加工ユニット駆動用のACサーボモータに対して駆動指令を出力し(S320)、第2の加工位置P2に投入されている木材に対する仕口&継ぎ手の加工を実行させる。その後、刃物駆動モータを停止させる(S330)。
続いて、第2の加工位置P2における木材のアンクランプを実行させるための指令をNo.2バイス342及びNo.2上押さえクランパ362のアクチュエータに対して出力し(S340)、第2の加工位置P2で始端側の加工も完了した木材を排出するための駆動指令を、コンベアローラ駆動装置及び傾斜式ローラ移送装置45のアクチュエータに対して出力すると共に(S350)、S20へと戻って、次の木材の終端側の加工のための制御を実行する。
S350の指令により、第2の加工位置P2での加工も完了した木材は、ローラコンベア41,42を逆送され、傾斜式ローラ移送装置45の昇降動作によってチェーンスラッシャ24へと排出される。
一方、S300の判定が「NO」の場合は、まず、S310,S320と同様に、第2の加工位置P2における刃物軸の移動及び駆動を実行する(S410,S420)。そして、刃物駆動モータを停止させると共に、ACサーボモータを駆動して木口加工ユニット320を第1の加工位置P1側へと移動させるための駆動指令を出力する(S430)。
その後は、S340,S350と同様に、アンクランプ、木材の排出を実行して処理を終了する(S440,S450)。
次に、S50,S250の刃物選択処理の詳細について図11のフローチャートで説明する。S10で読み込んだ加工情報に基づいて次の加工の加工形状を特定し(S610)、次の加工に必用な刃物(主軸)を全て特定する(S620)。ここで、特定された刃物が組み合わせ刃物T2のみであって(S630:YES)、次の加工のための主軸割出が可能になったら(S640:YES)、組み合わせ刃物T2の主軸の割り出しを実行し(S650)、エアシリンダ707,708を駆動して図5の(A)〜(C)のいずれかの刃物の出入り状態となる様に刃物の切替を実行する(S660)。そして、サーボモータを駆動してXYZ方向の移動を実行すると共に主軸モータを駆動して木口の切削加工を実行する(S670)。次に、刃物位置の切替が必用な加工か否かを判定し(S680)、必用な場合にはS660へと戻る(S680:YES)。一方、刃物位置の切替が必用ない場合は(S680:NO)、全ての加工が完了したか否かを判断す判定する(S690)。全ての加工が完了していない場合は(S690:NO)、S610へと戻る。
S620で特定した刃物がT2のみではないときは(S630:NO)、次の加工に2軸を使用する必用があるか否かを判定する(S710)。2軸を使用する必用がある場合は(S710:YES)、現在のタレット状態から2軸の各軸を割り出す際の割出角度を算出する(S720)。この割出角度の算出は、現在の加工が第1,第2の加工位置のいずれであり、次の加工が第1,第2の加工位置のいずれであるかを考慮して実行する。
そして、次の加工のための主軸割出が可能になったら(S730:YES)、割出角度の大きい方の軸を準備する(S740)。このS740の処理は、現在の加工が完了して次の加工までの木材の搬送時間を利用して実行することができる。そして、サーボモータを駆動してXYZ方向の移動を実行すると共に主軸モータを駆動して木口の切削加工を実行する(S750)。続いて、もう一つの刃物へと主軸の切替を実行し(S760)、サーボモータを駆動してXYZ方向の移動を実行すると共に主軸モータを駆動して木口の切削加工を実行する(S770)。
S710の判定が「NO」となったときは、次の加工のための主軸割出が可能になったら(S810:YES)、直ちに主軸の割出を実行し(S820)、サーボモータを駆動してXYZ方向の移動を実行すると共に主軸モータを駆動して木口の切削加工を実行する(S830)。
そして、全ての加工が完了したら(S690:YES)、本ルーチンを終了する。
以上説明した実施例1によれば、組み合わせ刃物T2を装着した主軸を用いる場合、木口加工制御装置830により、図11で説明した刃物選択処理のS630〜S680の処理によって組み合わせ刃物T2の小径カッタT2−1及び大径カッタT2−2の軸方向相対位置を(A)〜(C)の状態のいずれかに切り替える。この軸方向相対位置の切替において、(A),(C)だけでなく(B)の状態をも備えているので、「同芯蟻大入れ掛け」の加工を1工程で完了することができる。また、(A)〜(C)のいずれかに切り替えることで、「寄り蟻大入れ掛け」、「異芯蟻大入れ掛け」、「蟻大入れ持たせ」、「腰掛け蟻継ぎ」、「蟻掛け」を軸方向相対位置の切替によって主軸を切り替えることなく実行することができる。
また、組み合わせ刃物T2において外側に位置する大径カッタT2−2を蟻部を加工することのできる傾斜面加工用としているので、蟻部の加工において大きく切り込むことができ、蟻部の切削加工時間を節約することもできる。
さらに、S710〜S770の処理により、2軸を用いて加工をする必用のある加工形状に対して、木材の搬送時間を利用して主軸割出に時間を多く要する方の軸を先に準備することでも加工時間の短縮がなされる。
また、図9,図10のフローチャートに示した処理を木口加工制御装置830が実行することによっても加工の待ち時間を減少させることができている。
この結果、木材プレカット加工設備1の最終段の木口加工における加工時間の短縮と稼働率の向上により、上流の加工機100,200に対して加工待ちを発生させ難いという効果が発揮される。また、組み合わせ刃物T2を備えることで、切削工具T1〜T4の使用頻度の偏りを生じ難くさせ、刃物交換のための時間も節約することが可能となっている。この結果、木材プレカット加工設備1の全体の加工時間の短縮及び稼働率の向上を達成することが可能となる。
また、組み合わせ刃物T2における軸方向相対位置の切替を、主軸モータ700と平行な位置に設置したエアシリンダ707,708のストローク制御で実行しているので、主軸部分の長大化や構造の複雑化も生じることがなく、図5の(A)〜(C)の各状態を迅速かつ正確に切り替えることができる。
そして、「同芯蟻大入れ掛け」は、組み合わせ刃物の軸方向相対位置を図5の(B)の状態とした工程のみの切削加工で確実に完成させることができる上に、組み合わせ刃物の軸方向相対位置を図5の(C)の状態とした工程を用いることにより、円弧状部の中心がずれていたり、外形形状が異なっている腰掛部であっても軸替えなしで切削加工することができる。軸替えがないことにより、軸替えを行っていた従来技術よりも加工精度が向上する。
ちなみに、特許文献1ではT2(蟻&腰掛カッタ)は出入りせず固定的であるためT2(蟻&腰掛カッタ)のみでは図3の(ロ)に示す「同心蟻大入れ掛け」しか加工することができず、図3(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の加工形状は切削工具T1(鎌オス&欠きカッタ)と切削工具T4(蟻ビット)を交互に選択して行う必用があるため、切削工具の選択動作に時間がかかり、加工時間が長くなっていた。
これに対し、実施例1によれば、組み合わせ刃物T2(蟻&腰掛カッタ)の腰掛カッタT2−1を蟻カッタT2−2の内部に納める(引っ込ませる)ことにより、図6,図7に示す様に、「(イ):同芯蟻大入れ掛け」、「(ロ):寄り蟻大入れ掛け」、「(ハ):異芯蟻大入れ掛け」、「(ニ):蟻大入れ持たせ」、「(ホ):腰掛け蟻継ぎ」、及び「(ヘ):蟻掛け」の加工が全て組み合わせ刃物T2(蟻&腰掛カッタ)のみで実行可能となっている。組み合わせ刃物T2(蟻&腰掛カッタ)の腰掛カッタT2−1を蟻カッタT2−2の内部に納める(引っ込ませる)又は出したりする動作は、主軸の選択動作よりもはるかに短い時間で実行することができる。
従来技術で図3の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の「蟻部と腰掛部を有するオスの仕口&継ぎ手」を加工する場合、蟻ビット軸による加工とカッタ軸による加工が必用となり、途中の主軸変更動作に約「5秒」かかっていた。本実施例は、この主軸の変更をせずに組み合わせ刃物軸T2のみで図3の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の加工を実行できる結果、主軸切替時間の5秒を節約することができる。また、実施例の組み合わせ刃物軸は、大径カッタを蟻カッタとしているから、従来技術の蟻ビット軸に比べて蟻加工における切削面積を大きくすることができる。例えば、出願人の従来技術においては蟻カッタの刃物直径を55mmとしていたが、これを本実施例の組み合わせ刃物T2により、蟻カッタT2−1の刃物直径を159mmに増加させることで、蟻カッタによる切削面積が増大し、蟻部の加工時間を約5秒短縮することができる。この結果、従来技術と本実施例を比べた場合、図3の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の「蟻部と腰掛部を有するオスの仕口&継ぎ手」を加工するための時間短縮は、軸変更なしによる5秒の短縮に加えて、木材の寸法によっては切削面積増大による5秒以上の短縮も期待でき、合計10秒以上の時間短縮を可能にするケースも出てくる。
ここで、木造住宅一棟分当たりでの図3の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の加工は多い。通常、1棟あたりの木口の加工数の15%〜25%になるともいわれる。従って、図3の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の各加工に対して10秒ずつの時間短縮の結果として、木造住宅一棟分の木口加工に要する時間で考えた場合、総加工時間が大きく短縮されることになる。
また、本実施例においても、切削工具T1(鎌オス&欠きカッタ)は、図3の(ト)、(チ)、(リ)の加工に使用している。特許文献1の設備では、更に、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の加工にも使用している。そのため切削工具T1(鎌オス&欠きカッタ)の先端部は特に磨耗が激しく他の切削工具より交換頻度が多くなり交換のために木口加工機を長時間停止させる問題があった。従って、図1に示したプレカット加工設備の木口加工機を従来技術とした場合には、最終段の木口加工機だけでなく、上流側の切断&上下面加工機、側面加工機まで、すべて停止させることになる恐れがあった。本実施例によれば、住宅一棟で15%〜25%を占める図3の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)の各加工に対して切削工具T1(鎌オス&欠きカッタ)を用いずに実行することができるから、切削工具T1(鎌オス&欠きカッタ)の先端部の磨耗状態と当該切削工具T1の根元側等の他の部分の磨耗状態が平準化されると共に、他の3軸の切削工具T2,T3,T4の磨耗状態との関係も平準化することができ、刃物の交換頻度が少なくなり木材プレカット加工設備のライン全体の稼働率を改善することができる。
以上の加工時間の短縮及び稼働率の改善により木材プレカット加工設備のライン全体での生産性の向上を図ることができる。
加えて、実施例1では、空圧シリンダによって大径カッタT2−2を軸方向に動かす方法を採用し、構造的にシンプルでコストも安く、壊れにくく、制御もしやすいという効果がある。なお、従来技術においても、一つの加工ラインに複数台の木口加工機を設備することによって加工時間の短縮を図ることもできるが、その場合は、設備金額と設備スペースが大きくなるために得策ではない。この点、実施例1は設備スペースの増大はなく、設備金額のアップも微々たるものに留めることができる。
実施例の木材プレカット加工設備1においては、チェーンスラッシャ22に木材が満杯になると上流の切断&上下面加工機100を止めなければならない。そしてチェーンスラッシャ23に木材が満杯になると上流の側面加工機200を止めなければならない。従って、下流の加工機になればなるほど、加工時間がかかったり停止したりする事が、木材プレカット加工設備1全体の加工時間や稼働率に影響する。このことからして、木材プレカット加工設備1の最下流に位置する木口加工機300の加工時間の短縮や刃物交換頻度の低減は、木材プレカット加工設備1全体の生産性向上につながる。
実施例1においては、タレットモータベース321は4軸あり、そのうちの一軸に、組み合わせ刃物T2が付いている。タレットモータベース321は、初期位置(基準位置)を0度と定義した場合、3つの角度(90度、180度、270度)に回転する構造となっていて、1回転(360度回転)はさせない。構造が複雑になるためである。
始端または終端の木口加工において、組み合わせ刃物T2の装着された1軸だけで済む場合は、これ以上、加工時間を短縮できないと考えられる。しかし、木口加工において、2軸(組み合わせ刃物T2と他の刃物T1,T3,T4との2軸も含む)を必要とする場合は、加工時間短縮の余地がある。本実施例によれば、一つの木口加工(終端加工や、始端加工)について、加工に必要な軸数は、事前にわかる。そして、複数の軸を必要とする場合は、『現在の加工軸から次回の加工軸への切替の際のタレットモータベース321の回転角度と、次回の加工軸から次次回の加工軸への切替の際のタレットモータベース321の回転角度の累計』が、最小となるように、使用する軸の順序を決めている(S710〜S770)。
S710〜S770の処理により、例えば、1個の部品を2軸を用いて途中で軸を切り替えつつ加工する場合、終端加工で先に使用する方の軸は、素材の搬送期間を使って、セットされる。終端加工における素材の搬送期間は、材料取込み動作、搬送動作等があるので、タレットモータベース321の270度の回転時間よりも、十分に長い。そのため、この期間内なら、どの軸をセットしても、加工時間には影響しない。そこで、S510〜S570の処理に示す様に、予め、回転時間の長い方の軸を最初にセットしておくことで、加工期間中の軸の回転時間(準備時間)を減らすことができ、加工時間を短縮できる。この考え方は、木口加工機に特有のものである。木口加工機だから、素材の搬送に時間が掛かり、待ち時間が多い。加工対象が木材ではない加工機(例えば、小型部品の金属プレート用の加工機など)なら、加工対象の搬送には時間がかからないため、搬送時間を有効的に利用できない。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限られることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の態様にて実施することができる。
例えば、切替装置は、蟻カッタの方を固定しておき、腰掛カッタ(主軸モータ)を軸方向に動かす方法としてもよい。また、空圧シリンダに限らず油圧シリンダでもよいし、さらにはサーボモータ&ボールネジなどで軸方向に動かす方法としても構わない。
木造住宅用の木材プレカット加工に有益であり、工場設備のコスト低減と精度のよい加工を両立させることができる。
1・・・木材プレカット加工設備、21〜24・・・チェーンスラッシャ、31〜42・・・ローラコンベア、61,62,63・・・木材載せ代え装置、71,72,73・・・プッシャプレート、74,75,76・・・エアシリンダ、100・・・切断&上下面加工機、111〜115・・・No.1〜No.5バイス、116,117・・・光センサユニット、130・・・切断ユニット、150・・・角のみユニット、170・・・カッタユニット、200・・・側面加工機、211,212・・・短いローラコンベア、221,222・・・No.1,No.2バイス、231,232・・・側面加工ユニット、300・・・木口加工機、311・・・第1の固定コンベア、312・・・第2の固定コンベア、313・・・第3の固定コンベア、314・・・中間コンベア、320・・・木口加工ユニット、321・・・タレットモータベース、331・・・No.1ストッパ、332・・・No.2ストッパ、341・・・No.1バイス、342・・・No.2バイス、351・・・印字装置、361・・・No.1上押さえクランパ、362・・・No.2上押さえクランパ、400・・・位置決めユニット、401・・・ガイドレール、500・・・位置決めユニット、501・・・ガイドレール、700・・・主軸モータ、701・・主軸、702・・・ボルト、703・・・フランジ、704・・・ベアリング、705・・・スリーブ、706・・・ブラケット、707・・・後方シリンダ、708・・・前方シリンダ、709・・・ボルト、710・・・モータベース、801・・・全体制御装置、802・・・CAD/CAMデータ入力装置、810・・・切断・上下面加工制御装置、820・・・側面加工制御装置、830・・・木口加工制御装置、T1・・・切削工具(鎌オス&欠きカッタ)、T2・・・切削工具(蟻&腰掛カッタ)、T2−1・・・小径カッタ(腰掛カッタ)、T2−2・・・大径カッタ(蟻カッタ)、T3・・・切削工具(鎌メスカッタ)、T4・・・切削工具(蟻ビット)。

Claims (10)

  1. 放射状に装備した複数の主軸の内から、角度割り出しによって加工に用いる主軸の選択を実行するタレットモーターベースを備え、駆動制御指令を受けることにより、主軸の選択と、当該選択された主軸のXYZ方向位置制御及び駆動制御による切削加工とを実行すると共に、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とするタレット式木口加工装置。
    (1)前記タレットモーターベースの前記主軸の内の少なくとも一つには、木材の芯に対して傾斜した面を削り出す大径カッタの内側に木材の芯に対して平行な面を削り出す小径カッタを備えると共に、前記大径カッタと前記小径カッタとを共転可能でかつ軸方向位置を相対的に変更可能な状態で連結した組み合わせ刃物を装着してあること。
    (2)前記大径カッタと前記小径カッタの軸方向相対位置を以下の(A)〜(C)のいずれかの状態とする様に、軸方向相対位置を切り替える切替装置を備えていること。
    (A)大径カッタの先端から小径カッタが飛び出さない状態。
    (B)大径カッタの先端から小径カッタが第1長さだけ飛び出した状態。
    (C)大径カッタの先端から小径カッタが前記第1長さよりも長い第2長さだけ飛び出した状態。
  2. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1に記載のタレット式木口加工装置。
    (3)前記組み合わせ刃物は、前記大径カッタとして、オスの仕口又は継ぎ手における蟻部を切削する刃物を備え、前記小径カッタとして、オスの仕口又は継ぎ手における腰掛部を切削する刃物を備えていること。
    (4)前記切替装置は、腰掛け部と蟻部があるオスの仕口又は継ぎ手における腰掛部の長さをL1とし蟻部の長さをL2とするとき、前記第1長さがL1となる様に前記軸方向相対位置の切替を実行する装置として構成されていること。
  3. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタレット式木口加工装置。
    (5)前記切替装置は、前記主軸と平行に設置された第1,第2の流体シリンダを直列に接続し、第1,第2の流体シリンダの一方のみ又は両方に伸長動作又は収縮動作を実行させることによって、前記(A)〜(C)のいずれかの状態を形成する機構として構成されていること。
  4. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項3に記載のタレット式木口加工装置。
    (6)前記第1の流体シリンダのストロークをS1、前記第2の流体シリンダのストロークをS2とし、腰掛け部と蟻部があるオスの仕口又は継ぎ手における腰掛部の長さをL1とし蟻部の長さをL2とするとき、S1≧L1、S2≧L2の関係を満足する構成となっていること。
    (7)前記組み合わせ刃物は、前記小径カッタを前記主軸の先端に固定すると共に前記大径カッタを当該主軸に対して回り止めした状態で軸方向移動可能に装着することによって取り付けられていること。
    (8)前記切替装置は、前記大径カッタを前記直列に接続された流体シリンダのストローク動作によって前記主軸に沿って軸方向移動させる機構により、前記(A)〜(C)の各状態を、前記第1,第2の流体シリンダを以下の様にストローク動作させることによって形成させること。
    (a)前記第1の流体シリンダ及び前記第2の流体シリンダを共に伸長動作させる。
    (b)前記第1の流体シリンダを収縮動作、前記第2の流体シリンダを伸長動作させる。
    (c)前記第1の流体シリンダ及び前記第2の流体シリンダを共に収縮動作させる。
  5. 木材の前後端の切断、上下面、側面及び木口の加工を行う複数台の加工機と、これら複数台の加工機の内で最も上流側に設置された加工機に対して木材を投入する投入装置と、これら複数台の加工機の内で最も下流側に設置された加工機から木材を搬出する搬出装置と、これら複数台の加工機間で木材を搬送する搬送装置と、前記各加工機及び搬送装置に対して加工データに従って駆動制御指令を行う制御装置とを備えた木材プレカット加工設備において、前記複数台の加工機の内、上流から少なくとも2台目以降に位置する加工機として、請求項1〜4のいずれかに記載のタレット式木口加工装置を備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする木材プレカット加工設備。
    (11)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令に従って前記主軸の選択とXYZ方向位置制御及び駆動制御による切削加工とを実行する際、前記駆動制御指令が前記組み合わせ刃物を装着した主軸による加工を対象とするものであるときは、前記切替装置を駆動して前記大径カッタと前記小径カッタの軸方向相対位置を前記(A)〜(C)のいずれかの状態とする制御をも実行する様に構成されていること。
  6. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項5に記載の木材プレカット加工設備。
    (12)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、仕口又は継ぎ手における円弧形状の部分の中心が一致していて相似な外形形状となる蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(B)の状態に切り替えると共に前記蟻部と前記腰掛部とを同時に切削加工する制御を行う様に構成されていること。
  7. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載の木材プレカット加工設備。
    (13)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、仕口又は継ぎ手における円弧形状の部分の中心が幅方向にずれて相似な外形形状となる蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(A)の状態に切り替えて前記蟻部を切削する工程と、前記(C)の状態に切り替えて前記腰掛部を切削する工程とを別々に実行する制御を行う様に構成されていること。
  8. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の木材プレカット加工設備。
    (14)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、仕口又は継ぎ手における円弧形状の部分の中心が高さ方向にずれて相似な外形形状となる蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(A)又は(B)の状態に切り替えて前記蟻部を切削する工程と、前記(C)の状態に切り替えて前記腰掛部を切削する工程とを別々に実行する制御を行う様に構成されていること。
  9. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の木材プレカット加工設備。
    (15)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令が、外形形状が相似しない蟻部と腰掛部とを有する加工形状を指令している場合は、前記切り替え装置によって前記(A)又は(B)の状態に切り替えて前記蟻部を切削する工程と、前記(C)の状態に切り替えて前記腰掛部を切削する工程とを別々に実行する制御を行う様に構成されていること。
  10. さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の木材プレカット加工設備。
    (16)前記タレット式木口加工装置の上流側に設定された第1の加工位置と下流側に設定された第2の加工位置とを前記第2の加工位置が前記第1の加工位置に対して前記搬出装置側にずれた位置関係に設定し、前記第1の加工位置で切削加工した木材を一旦下流方向へと搬送した後に前記搬出装置側へと横移動させてから上流側へと搬送して前記第2の加工位置へとセットし、該第2の加工位置での切削加工中に前記第1の加工位置へと次の木材を搬入してセットする終端・始端入れ替え機構を備えていること。
    (17)前記タレット式木口加工装置は、前記制御装置からの駆動制御指令に基づいて、前記第1の加工位置と前記第2の加工位置とを切り替えつつ切削加工を繰り返す際に、次の切削加工において複数の主軸を使用する必用があり、現在の切削加工において使用している主軸の角度割り出し状態を基準として反対側の加工位置に向かせるべき複数の主軸の角度変更の累計値に大小があるときは、角度変更の累計値がより小さくなる様に、次の切削加工において最初に用いる主軸を決定する主軸割出順序決定手段を備えていること。
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