JPH0985704A - プレカット加工用のカッターヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で配設スペースが小さく、しかも
使い勝手の良いプレカット加工用のカッターヘッドを提
供する。 【構成】 回転駆動される駆動軸３の先端にコレット式
チャック６を介して小径カッター５を取りつける。また
小径カッター５の外側に大径カッター１０を設ける。上
記駆動軸３を保持する軸受筒２に軸方向の空圧シリンダ
７を取りつけ、この空圧シリンダ７のピストンロッド７
ａをスライド操作体９を介して大径カッター１０に連結
する。小径カッター５と大径カッター１０の両者は軸方
向のスライド運動だけを許容して連結する。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、二つのカッターを効
果的に作用して異種のほぞ加工を効率良く行うことがで
きるプレカット加工用のカッターヘッドに関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】在来の軸組建築工法は、基本的に柱材と
横架材さらには横架材どうしをほぞ嵌合して構築するも
のであり、近年の機械による自動加工化とともにほぞ形
状が見直され、その集約化が図られている。しかし、そ
れでもなおユーザーニーズによる間取りの複雑さなどか
ら図２に示すような異形のほぞ加工が求められる。図に
おいて、ａは一階柱 ｂは二階柱 ｃは胴差 ｄは二階
梁であり、胴差ｃには長さ寸法の異なるあり溝ｅと大入
れ部ｆが削成される。 【０００３】上記のあり溝ｃと大入れ部ｆは同時に加工
すると能率的であり、従来より実公平１−４４６４３号
に提案される切削ヘッドが使用されている。この切削ヘ
ッドで大入れ部ｆの加工を行うときには、同公報の第５
図のように大径カッター３０内に小径カッター３１を没
入してセットし、またあり溝ｅの加工を行うときには、
第６図のように大径カッターの先端に小径カッターを突
出してセットする。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところで従来の切削ヘ
ッドは、カッターの使用位置（実公平１−４４６４３号
公報における第５図、第６図参照）と退避位置（同公報
における第４図参照）が決まっており、この間において
移動操作しないとカッターのセッティングができない構
造となっている。このため、軸方向に余計の構成さらに
はスペースを要するという欠点があった。また同公報の
第２図のように回転軸に対して小径カッターをボルト止
めしてあるため、ほぞ深さを微調整する関係上において
使い勝手が悪い点が指摘される。 【０００５】本発明は、上記した従来技術の問題点に着
目してなされたものであり、構成が簡単で配置スペース
が少なく、しかも細かい点で使い勝手に優れるプレカッ
ト加工用のカッターヘッドを提供しようとするものであ
る。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るカッターヘッドは次のように構成し
たものである。すなわちその要旨とするところは、駆動
軸の先端にコレットチャックを介して小径カッターを取
りつけると共に、駆動軸を保持する軸受筒側に軸方向の
空圧シリンダを取りつけ、この空圧シリンダによってス
ライド操作体を作動するようにし、さらに上記スライド
操作体と大径カッターの両者を回転運動だけを許容して
連結し、また大径カッターと小径カッターの両者を軸方
向のスライド運動だけを許容して連結したことにある。 【０００７】 【作用】空圧シリンダを収縮作動した状態では、大径カ
ッターの先端に小径カッターが突出する。よってこの場
合は、小径カッターによりほぞ加工を行うことができ
る。また空圧シリンダを伸長作動した状態では、大径カ
ッターが小径カッターの位置に動いてこれを外套する。
この場合は大径カッターによりほぞ加工を行うことがで
きる。また、コレット式チャックを緩めることにより小
径カッターの位置を軸方向において任意位置に調整して
設定することができる。 【０００８】 【実施例】以下、本発明に係るプレカット加工用のカッ
ターヘッドを一実施例について説明する。図１におい
て、１は左右のＸ軸方向、上下のＺ軸方向及び表裏のＹ
軸方向に制御駆動され、かつＹ軸方向の支軸（図示省
略）を中心として旋回移動するタレットヘッド 上記の
タレットヘッド１の外周部には放射状に多数（図には３
個を示す）の軸受筒２を配設し、この軸受筒２に駆動軸
３を保持する。 【０００９】上記の駆動軸３は、噛合クラッチ４に係合
する位置（図では左方に突出するもの）のものだけが回
転駆動される。５は駆動軸３の先端にコレット式チャッ
ク６を介して取りつけた小径カッター この小径カッタ
ー５は先端部の切刃５ａと、根部の取付軸５ｂからなる
もので、取付軸５ｂをコレット式チャック６により固定
把持する。５ｃは取付軸５ｂに設けた軸方向のキー溝で
ある。 【００１０】７はフランジ板８によって取りつけた空圧
シリンダ この空圧シリンダ７は、ピストンロッド７ａ
を図の左方に向けて突出してあり、先端にスライド操作
体９を取りつける。１０は根部の取付筒１０ｂを取付軸
５ｂにスライド自在として、小径カッター５の外周部に
設けた大径カッター 上記取付筒１０ｂの先端部には切
刃１０ａを設ける。また取付筒１０ｂの根部にはラジア
ル方向のベアリング１１を介してスライド操作体９を連
結する。 【００１１】１２は取付筒１０ｂに固定して設けた突起
状の係止体 この係止体１２は取付軸５ｂのキー溝５ｃ
にスライドのみ自在に係合する。上記の係止体１２に対
してキー溝５ｃは十分に長く設けてあり、係止体１２を
含めた大径カッター１０の軸方向のスライド移動に対応
する。 【００１２】一実施例に係るカッターヘッドの構成は上
記の通りであり、空圧シリンダ７のピストンロッド７ａ
を収縮作動した状態では、図１のように小径カッター５
が先端位置に露呈する。従って、この状態においては小
径カッター５を使用することにより、図２のあり溝ｅの
切削加工を行うことができる。上記の小径カッター５を
使用するに当たっては、駆動軸３によりカッターを回転
し、タレットヘッド１を三軸方向に制御駆動する。 【００１３】次に空圧シリンダ７のピストンロッド７ａ
を伸長作動した状態では、スライド操作体９により大径
カッター１０がスライドし、図１の仮想線のように小径
カッター５を外套する。従って、この状態においては大
径カッター１０を使用することにより図２の大入れ部ｆ
の切削加工を行うことができる。駆動軸３の回転はキー
溝５ｃと係止体１２により大径カッター１０に伝達さ
れ、カッターを回転駆動する。 【００１４】上記の一実施例の構成においては、小径カ
ッター５の取付軸５ｂをコレット式チャック６によって
保持したものである。よってチャックを緩めることによ
り小径カッター５を軸方向において動かすことができ
る。このようにして小径カッター５の取付位置を調整す
ることにより、ほぞ切削深さを機械的に補正することが
できる。 【００１５】 【発明の効果】以上のように本発明に係るプレカット加
工用のカッターヘッドは、小径カッターの位置をそのま
まにして大径カッターをスライド移動し、同じ位置で二
つのカッターを切り換え使用することができる。このた
め構成が簡単であり、かつほぞの切削加工を行う上の配
置スペースを小さくすることができるという効果を発揮
する。またコレット式チャックによってカッターを把持
したため、簡便に位置調整することができるという使用
上の実益をもつ。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係るプレカット加工用カッターヘッド
の一実施例の構成を示す説明図である。 【図２】軸組工法におけるほぞの形状の一例を示す説明
図である。 【符号の説明】 ２ 軸受筒 ３ 駆動軸 ５ 小径カッター ５ａ 切刃 ５ｂ 取付軸 ５ｃ キー溝 ６ コレット式チャック ７ 空圧シリンダ ７ａ ピストンロッド ９ スライド操作体 １０ 大径カッター １０ａ 切刃 １０ｂ 取付筒 １２ 係止体

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 大径カッターと小径カッターとを同じ駆動軸上に配置
   し、これらカッターを軸方向において位置調整すること
   により異種のほぞ加工を行うようにした加工ヘッドであ
   って、 上記駆動軸の先端にコレット式チャックを介して小径カ
   ッターを取りつけると共に、駆動軸を保持する軸受筒側
   に軸方向の空圧シリンダを取りつけ、この空圧シリンダ
   によってスライド操作体を作動するようにし、さらに上
   記スライド操作体と大径カッターの両者を回転運動だけ
   を許容して連結し、また大径カッターと小径カッターの
   両者を軸方向のスライド運動だけを許容して連結したこ
   とを特徴とするプレカット加工用のカッターヘッド。