図1は本発明を適用するパチンコ遊技機1を示し、遊技枠10に本体11を開扉可能に支持している。本体11の前面上部には、丸窓12にガラス13を嵌めたフロント扉14を有し、その内方に遊技盤2を備える。フロント扉14の下には、貸球及び賞球を受ける上皿31、内方で溢れた球を受ける下皿32、遊技盤2に1分間について100個に近い数の球を連続的に打ち出しにより発射させ、回転操作角度により球の打ち出し強さを調整できる発射ハンドル4、効果音等を出音する左右スピーカ51,52を備える。40は、発射ハンドル4の回転操作中に球の打ち出しを一時休止するための発射停止ボタンである。フロント扉14の前面上部から右サイドにかけて、装飾や各種状態表示に用いるランプ類61〜65を備える。
図2に示すように、遊技盤2には、次の1)〜8)の遊技部品を備える。
1)センターユニット7
このユニット7は、飾り枠700の中央に視覚上の演出を担うカラー液晶表示器から成る演出用の表示装置70を備え、背景動画に左・中・右の演出図柄L,C,Rの図柄変動を重ねた所定の演出を出現させる。図面中の白抜き矢印は、各演出図柄L,C,Rが変動中であることを表す。飾り枠700の内部には、遊技者側から見て左方から球を受入れる球入口701と、その受入れた球を中央下方に放出する球出口702とをもつワープルート703を設けている。
2)第1始動口81
該第1始動口81は、常時球一個ずつの受入れを許す通常タイプの入賞口から成り、遊技盤2における略中心線上の下方領域のヘソの位置に設置している。この第1始動口81への入賞(以下、第1始動入賞という)一個につき、所定数例えば3個の賞球を払出すと共に、例えば最大4個とした所定数の第1保留球の上限内で大当たり抽選を起動し、例えば0〜65535とした所定範囲内で高速更新する大当たり抽選用乱数を一つ取得して後記主制御部MCのRAM上に定義する第1保留手段Aに取得順に格納する。この大当たり抽選用乱数の格納により、第1始動入賞に基づく大当たり抽選の結果が保留記憶されることになる。以下、第1始動口81を、次記第2始動口82と区別するため、適宜「ヘソ」ともいう。
3)第2始動口82
該第2始動口82は、左右一対の可動花弁8a,8bをもつ電動チューリップから成る可変入賞球装置80を付帯させた構成としており、遊技盤2における略中心線を挟んで遊技者側から見て右領域に設置している。第1始動口81と第2始動口82とは、一方の始動口へ入賞させるべく遊技盤2に発射した球の流下経路から他方の始動口が外れる関係となる互いに離間した位置に設置している。この第2始動口82への入賞(以下、第2始動入賞という)一個につき、所定数例えば3個の賞球を払出すと共に、例えば最大4個とした所定数の第2保留球の上限内で大当たり抽選を起動し、例えば0〜65535とした所定範囲内で高速更新する大当たり抽選用乱数を一つ取得して主制御部MCのRAM上に定義する第2保留手段Bに取得順に格納する。この大当たり抽選用乱数の格納により、第2始動入賞に基づく大当たり抽選の結果が保留記憶されることになる。以下、第2始動口82を、適宜「電チュー」ともいう。
4)第1大入賞口91
該第1大入賞口91は、第1始動入賞に基づく大当たり当選時に開放させる大入賞口9であって、左右一対の可動花弁9a,9bをもつやや大型の電動チューリップから成る可変入賞球装置90を付帯させた構成としており、遊技盤2における略中心線上の下領域に設置している。常時、可動花弁9a,9bは太実線で示す直立姿勢の閉状態にあり、上部の三角形天覆い900と相俟って内部への入球を不可にしており、第1始動入賞に基づく大当たり当選時、可動花弁9a,9bを左右に開き、内部への入球即ち入賞を許す。その入賞一個につき、所定数例えば3個の賞球を払出す。
5)第2大入賞口92
該第2大入賞口92は、第2始動入賞に基づく大当たり当選時に開放させる大入賞口9であって、幅広の可動板920をもつアタッカータイプのものを用いて構成しており、遊技盤2における右領域で、第2始動口82たる電チューの下方に設置している。常時、可動板920は直立姿勢の閉状態にあり、内部への入球を不可にしており、第2始動入賞に基づく大当たり当選時、可動板920を手前に倒すことにより開き、内部への入球即ち入賞を許す。その入賞一個につき、所定数例えば15個の賞球を払出す。
尚、第1大入賞口91を第2大入賞口92と同様にアタッカータイプのものを用いて構成してもよいし、第2大入賞口92を第1大入賞口91と同様に電動チューリップを用いて構成してもよく、さらに、第1大入賞口91と第2大入賞口92とはアタッカータイプ或は電動チューリップを用いた共通の一つの大入賞口9で構成し、例えば第1大入賞口91の設置位置と第2大入賞口92の設置位置との中間位置等に設けてもよい。又、第1始動入賞に基づく大当たり抽選と第2始動入賞に基づく大当たり抽選とは各始動入賞時に個別に起動するものであるが、大当たり抽選用乱数を生成する0〜65535の更新範囲をもつ乱数カウンタは、独立に設けてもよいし、共用してもよい。
6)ゲートGT
該ゲートGTは、球一個ずつの通り抜けを許すものであって、遊技盤2における右領域で、第2始動口82たる電チューの上方に設置している。該ゲートGTへの球通過により、例えば0〜255の所定範囲内で高速更新する普通図柄抽選用乱数を一つ取得して主制御部MCのRAM上に定義する普図保留手段Hに取得順に格納する。この普通図柄抽選用乱数の格納により、ゲートGTへの球通過に基づく普通図柄抽選の結果が保留記憶されることになり、普通図柄抽選での当選時、前記第2始動口82に付帯させた可変入賞球装置80を所定態様で開作動させることになる。
7)表示器ボード23
該表示器ボード23には、第1始動入賞に基づく大当たり抽選の結果を第1特別図柄によるランダムな表示変動を経て導出する7セグメントLEDから成る第1特別図柄表示装置SD1と、第1保留手段Aでの保留記憶数を点灯により表示させる4つの第1特別図柄用保留球表示器a1,a2,a3,a4と、第2始動入賞に基づく大当たり抽選の結果を第2特別図柄によるランダムな表示変動を経て導出する7セグメントLEDから成る第2特別図柄表示装置SD2と、第2保留手段Bでの保留記憶数を点灯により表示させる4つの第2特別図柄用保留球表示器b1,b2,b3,b4とを備える。
第1特別図柄表示装置SD1と第2特別図柄表示装置SD2とは同時に変動することはなく、第2特別図柄用保留球表示器b1,b2,b3,b4が一つでも点灯し、第2保留手段Bの保留記憶が一つでもある限り、第2特別図柄表示装置SD2での第2特別図柄の変動が優先的に起動され、第2保留手段Bでの保留記憶がなくなった後に、第1保留手段Aでの保留記憶に基づいて第1特別図柄表示装置SD1での第1特別図柄の変動が開始される。
演出上の表示装置70では、第1特別図柄表示装置SD1及び第2特別図柄表示装置SD2の何れか一の変動と同期して各演出図柄L,C,Rの変動がされる。また、第2保留手段Bでの保留記憶に基づく大当たり抽選の結果の導出が、第1保留手段Aでの保留記憶に基づく大当たり抽選の結果の導出よりも優先される。さらに、表示装置70では、第1特別図柄表示装置SD1での第1特別図柄の確定停止又は第2特別図柄表示装置SD2での第2特別図柄の確定停止と矛盾しない、要するに各大当たり抽選の結果と矛盾しない所定の図柄の並びが確定的に停止表示される。大当たり当選時は、各演出図柄L,C,Rが、第1特別図柄又は第2特別図柄の当たり図柄の確定停止と対応づけた所定の図柄の並び例えば、「7」「7」「7」等の三つ揃いしたゾロ目で停止され、外れ時はバラバラの外れ目で停止される。
さらに、表示器ボード23には、ゲートGTへの球通過に基づく普通図柄抽選の当否結果を緑ランプGLと赤ランプRLとの交互点灯を経て導出し、当選時は緑ランプGLの点灯で、外れ時は赤ランプRLの点灯で各停止させる普通図柄表示装置NDと、普図保留手段Hでの保留記憶数を点灯により表示させる4つの普通図柄用保留球表示器h1,h2,h3,h4と、所定条件下で、点灯により第1始動入賞を狙うべき旨を報知する左打ちナビランプNLと、同じく点灯により第2始動入賞を狙うべき旨を報知する右打ちナビランプNRとを備える。
8)その他
略円形の遊技領域200を区画し且つ発射ハンドル4により打出す球を導くレール20、球戻り防止片21、球止め22、入賞1個につき所定数例えば10個の賞球を払出す一般入賞口25,26、3つの風車271,272,273、入賞を逃した球を排出するアウト口29を備える。また、遊技領域200には、図示は適宜省略したが、独特のゲージに従い多数の遊技釘Nが打たれており、左打ち時の目安となる天窓240をもつ天釘241、中央のヘソ81に球を向かわせる寄せ釘242、ヘソ命釘243、電チュー命釘244、右打ちの球がヘソ81に向かうのを阻止する障壁釘245等が打たれている。第1始動入賞を狙うには、天釘241の左側から球を流下させる左打ちが適し、第2始動入賞を狙うには、天釘241の右側から球を流下させる右打ちが適することになる。
図3は、以上の遊技を制御する制御装置CNを示す。CPU、ROM、RAMを各備える主制御部MC、第1及び第2周辺制御部SC1,SC2を備える。主制御部MCには、I/OポートINを介して、第1始動口81の入賞センサ81s、第2始動口82の入賞センサ82s、第1大入賞口91の入賞センサ91s、第2大入賞口92の入賞センサ92s、ゲートGTの球通過センサGTs、一般入賞口25,26の入賞センサ25s,26sを入力している。主制御部MCから各周辺制御部SC1,2へは中継基板CBを介して一方通行的にコマンドを送信している。周辺制御部SC1,2相互間は、双方向的にデータを送受信している。
主制御部MCからは、ドライバ回路Dr0を介して、表示器ボード23上の第1特別図柄表示装置SD1、同第2特別図柄表示装置SD2、同普通図柄表示装置ND、同第1特別図柄用保留球表示器a1〜a4、同第2特別図柄用保留球表示器b1〜b4、同普通図柄用保留球表示器h1〜h4、同左打ちナビランプNL、同右打ちナビランプNRを制御している。また、第2始動口82の可変入賞球装置80を開閉させるソレノイド等による開閉用駆動部D0、第1大入賞口91の可変入賞球装置90を開閉させる同様な開閉用駆動部D1、第2大入賞口92の可動板920を開閉させる同様な開閉用駆動部D2を制御している。
第1周辺制御部SC1からは、ドライバ回路Dr1を介して、表示装置70を制御している。第2周辺制御部SC2からは、ドライバ回路Dr2を介して、スピーカ51,52及びランプ類61〜65を制御している。尚、球発射関連、賞球払出関連及び電源関連の各回路は省略している。
主制御部MCのROMに格納する遊技プログラムPgは、第1始動入賞又は第2始動入賞に基づく大当たり抽選、ゲートGTへの球通過に基づく普通図柄抽選を起動し、対応する表示器ボード23上の表示装置SD1,SD2,NDの変動表示制御及び各保留球表示器a1〜a4,b1〜b4,h1〜h4の点灯制御等を担う。大当たり抽選には、大当たりの当否の決定と共に、第1特別図柄又は第2特別図柄の当たり図柄の決定、変動開始から当たり図柄又は外れ図柄の確定停止までに要する数秒〜数十秒、場合によっては数百秒にわたる図柄変動時間の決定等を含む。
また、遊技プログラムPgでは、第1特別図柄又は第2特別図柄の当たり図柄と対応づけた所定の振分け率に従い、第1始動入賞又は第2始動入賞に基づく大当たり当選時、対応する大入賞口91,92を開く大当たり遊技を経た後に、大当たり当選確率を低い方の第1設定値とする確率(低)の第1遊技状態(低確)か、高い方の第2設定値とする確率(高)の第2遊技状態(高確)かを決定する処理をも担う。
さらに、遊技プログラムPgでは、第1始動入賞又は第2始動入賞に基づく大当たり当選時、対応する大入賞口91,92を開く大当たり遊技を経た後に、第2始動口82への入賞が容易になる態様に可変入賞球装置80を作動させて第2始動口82への入賞に基づく大当たり抽選の時間効率を相対的に低い状態から高い状態にする時短遊技の継続回数(時短遊技が次回大当たり当選まで最大限継続し得る回数)を決定する処理をも担う。この時短遊技の継続回数の決定は、第1始動入賞又は第2始動入賞に基づく大当たり当選判定時点における低確か高確かの遊技状態の違いと時短遊技の有無並びに第1特別図柄又は第2特別図柄の当たり図柄に基づいてされる。
尚、時短遊技時(時短あり時)には、例えば、普通図柄抽選の当選確率を、時短遊技でない非時短遊技時(時短なし時)の1/256から255/256に高め、ゲートGTに球が通過すればほぼ可変入賞球装置80が開作動する状況にしていると共に、可変入賞球装置80の可動花弁8a,8bが球一個の入賞があるまで最大限開き得る最大開放時間を非時短遊技時の0.2秒から5.5秒に長くし、可変入賞球装置80が開作動すればほぼ第2始動入賞が達成される仕様にしていると共に、第1特別図柄又は第2特別図柄従って演出図柄L,C,Rの図柄変動時間を、非時短遊技時よりも相対的に短く(例えば半分程度)にしている。
ただし、時短遊技時も、非時短遊技時も、普通図柄の変動時間はともに1秒に固定していると共に、最大開放時間に達してしなくとも球一個の入賞で可動花弁8a,8bが閉じるものとしている。もっとも、時短遊技の仕様として、普通図柄当選確率の向上及び最大開放時間の延長と併用し、又はこれらに代え、普通図柄の変動時間の短縮、及び又は、可変入賞球装置80の一の開作動に伴う最大入賞数の増加等を組み合わせてもよい。また、時短遊技時、第1特別図柄又は第2特別図柄従って演出図柄L,C,Rの図柄変動時間は、必ずしも短縮しないものであってもよい。
主制御部MCの遊技プログラムPg上には、さらに、第1遊技状態及び第2遊技状態から予め定める特定遊技状態で且つ時短遊技中における第2始動入賞に基づく大当たり当選時、所定条件下、具体的には50%を超え好ましくは80%を超え最も好ましくは90%を超える高い振分け率によって振分けられることを条件に、特定遊技状態を維持すると共に時短遊技の継続が再度の大当たり当選まで見込める特典遊技モードたる天国モードに突入させる特典遊技モード突入手段Tを構築している。
この特典遊技モード突入手段Tは、後述する各実施例の仕様どおり、第2特別図柄の当たり図柄として単独又は複数を組み合わせて50%を超えることとなる特定のものが選ばれたときに、時短遊技の継続回数として5000回等の極めて多い回数か回数限定なしの次回大当たり当選まで継続かの何れかを割り当てることにより実現している。
また、遊技プログラムPgでの時短遊技の継続回数の決定処理では、後述する各実施例の仕様どおり、特定遊技状態でない方の遊技状態で且つ時短遊技中に、第1始動入賞に基づく大当たり当選時に決定する時短遊技の継続回数を、第2始動入賞に基づく大当たり当選時に決定する時短遊技の継続回数よりも多く設定する仕様等を盛り込んでいる。
表示装置70を制御する第1周辺制御部SC1のROMに格納する演出プログラムQgでは、主制御部MCから送信指令されるコマンドに基づいて、低確か高確か、時短か非時短かの遊技モードを認識していると共に、第1又は第2特別図柄表示装置SD1,SD2の変動と同期し且つ整合した演出図柄L,C,Rの変動表示制御と背景動画の表示制御を担う。尚、演出図柄L,C,Rがどちらの始動入賞に基づくか遊技者に識別できるようにするため、例えば、第1始動入賞に基づく第1特別図柄の変動時は演出図柄L,C,Rを水色又は緑色にし、第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動時は演出図柄L,C,Rを青色又は赤色にしている共に、背景動画の場面展開を変更している。
第1周辺制御部SC1の演出プログラムQg上には、第1始動入賞に基づく大当たり当選時に決定する時短遊技の継続回数と第2始動入賞に基づく大当たり当選時に決定する時短遊技の継続回数との間で差異が生じることになる遊技時、表示装置70に、第1始動入賞と第2始動入賞とで異なる遊技内容となる旨の情報を表示させる遊技情報表示手段Xを構築している。この遊技情報表示手段Xは、後述するように、現在の遊技状態が第1遊技状態及び第2遊技状態のうち何れの遊技状態かと時短遊技中か否かとに応じて異なることになる、第1始動入賞を狙う遊技と第2始動入賞を狙う遊技とにおける各々のリスク及び又はリターンを示唆する遊技情報を表示装置70に表示させることになる。
実施例1においては、第1始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率及び第2始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率はともに、低い方の第1設定値が、0〜65535の65536個の乱数範囲中に1310個の当選範囲を定めた1310/65536=約1/50、高い方の第2設定値が、同65536個の乱数範囲中に1312個の当選範囲を定めた1312/65536=約1/50である。要するに、低確側の第1設定値となる第1遊技状態(確率(低))も、高確側の第2設定値となる第2遊技状態(確率(高))も、大当たりの難易度はほぼ同じである。少しでも高い第2設定値となる第2遊技状態(確率(高))の方を、特定遊技状態と定めている。
図4は、上記大当たり当選確率仕様等と共に主制御部MCの遊技プログラムPg上で規定する実施例1の大当たり仕様を一覧表にしたものである。第1始動入賞に基づく大当たり仕様では、大当たり当選時の第1特別図柄の当たり図柄が「1」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を低い方の第1設定値に振り分ける。その振分け率は約10%である。同当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を高い方の第2設定値に振り分ける。その振分け率は各30%である。従って、当選確率が高い方に設定される確率変動割合は90%である。
この振り分けは、第1始動入賞時に取得した大当たり抽選用乱数と、大当たりの当選範囲となる1310個又は1312個の乱数範囲をさらに細分類して定めた当たり図柄判定範囲との比較に基づいて決定処理される。もっとも、大当たり抽選用乱数とは別に、第1始動入賞時に取得することとする、当たり図柄決定用乱数又は確率変動決定用乱数に基づいて、当たり図柄及び又は確率変動割合を決定してもよい。
第1始動入賞に基づく大当たり遊技では、「1」〜「4」の当たり図柄に拘らず、第1大入賞口91を一回の開放について所定の短時間例えば0.2〜0.3秒間程度だけ開き、一旦閉じた後に再度開放させる動作を4回(4ラウンド)について繰り返す。出玉はほぼ期待することはできず、実質的な出玉は殆ど得られない。
この第1始動入賞に基づく大当たり当選判定時点の遊技状態が、確率(低)の第1遊技状態つまり低確か、確率(高)の第2遊技状態つまり高確かの違いと、時短遊技の有無等に応じて、大当たり遊技後に獲得される時短遊技の継続回数が決定される。低確で且つ時短遊技でなかった場合、当たり図柄に拘らず、その継続回数は5回となる。低確で且つ時短遊技であった場合、当たり図柄に拘らず、その継続回数は40回となる。高確で且つ時短遊技でなかった場合、当たり図柄に拘らず、その継続回数は5回となる。高確で且つ時短遊技であった場合、当たり図柄が「1」の場合つまり低確に降格する場合は、その継続回数は40回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」の場合つまり高確が維持される場合は、その継続回数は5000回となり、時短遊技の継続が再度の大当たり当選までほぼ確実に見込まれることになる。
尚、第1始動入賞を狙う左打ち時、遊技盤2に打ち出した1分間相当数の100個の発射球のうち、第1始動口81には6個の入賞が見込まれ、入賞一個につき3個の賞球が払出されることから、ベースは6×3=18となる。
また、獲得された時短遊技の継続回数は、第2始動入賞に基づく有効な(第2保留球の上限にかかるものは除いて)大当たり抽選一回ごとに一つずつ減算されると共に、第1始動入賞に基づく有効な(第1保留球の上限にかかるものは除いて)大当たり抽選一回ごとにも一つずつ減算されるものとしており、減算の結果、0になると時短なしとなる。さらに、時短遊技の継続中に第1又は第2始動入賞に基づく大当たり当選があると、継続回数に残りがあっても次回以降に持ち越すことはせず、新たに決定される継続回数が最大限時短遊技の継続し得る回数となる。これらのことは、第2始動入賞に基づく大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数についても同様である。
第2始動入賞に基づく大当たり仕様は、第2特別図柄の当たり図柄が「1」(振分け率10%)で低確、同当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」(各振分け率30%、合計振分け率90%)で高確となる点及びその振り分けの決定処理が第2始動入賞時に取得した大当たり抽選用乱数と当たり図柄所属範囲との比較に基づいてされる点は、第1始動入賞に基づく大当たり仕様の場合と同様である。ただし、大当たり遊技時、第2大入賞口92を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば10個(10カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を4回(4ラウンド)について繰り返す。従って、4ラウンド×10カウント×15賞球=600個のトータル賞球が得られ、比較的多い出玉が期待できる。
また、第2始動入賞に基づく大当たり当選判定時点の遊技状態が低確で且つ時短遊技でなかった場合、当たり図柄に拘らず、獲得される時短遊技の継続回数は5回となる。低確で且つ時短遊技であった場合、当たり図柄に拘らず、時短遊技は獲得されず、その継続回数は0回となる。高確で且つ時短遊技でなかった場合、当たり図柄に拘らず、獲得される時短遊技の継続回数は40回となる。高確で且つ時短遊技であった場合、当たり図柄が「1」の場合つまり低確に降格する場合は、獲得される時短遊技の継続回数は40回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」の場合つまり高確が維持される場合は、獲得される時短遊技の継続回数は5000回となり、時短遊技の継続が再度の大当たり当選までほぼ確実に見込まれることになる。
尚、第2始動入賞を狙う右打ち時、時短遊技でない場合、遊技盤2に打ち出した1分間相当数の100個の発射球のうち、第2始動口82には1.2個程度の少ない入賞しか見込めず、入賞一個につき3個の賞球が払出されることから、ベースは1.2×3=3.6と極めて低くなる。一方、時短遊技の場合は、100個の発射球のうち、第2始動口82には三分の一程度の多い入賞が見込まれ、入賞一個につき3個の賞球が払出されることから、ベースは100×1/3×3=100と極めて高くなり、発射した分の球が賞球となって帰り、上皿31等に貯める持ち球が殆ど減らない、球持ちの良い状況となる。
確率(低)の第1遊技状態(低確)で且つ時短遊技でない時短なしの場合、第1始動入賞を狙う左打ちも、第2始動入賞を狙う右打ちも、獲得される時短遊技の継続回数は共に5回であり、大当たり遊技での出玉を考慮すると第2始動入賞狙いの右打ちが有利ともいえるが、大当たりを勝ち取るまでの持ち球の減りも速いため、球持ちの良いベースの高い方の第1始動入賞狙いの左打ちがやや有利となる(遊技モード[イ])。
確率(高)の第2遊技状態(高確(特定遊技状態))で且つ時短ありの場合、第1始動入賞を狙う左打ちも、第2始動入賞を狙う右打ちも、獲得される時短遊技の継続回数は共に、当たり図柄が「1」のとき40回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」のときは5000回であり、ベースが高く且つ大当たり遊技での出玉が期待できる第2始動入賞狙いの右打ちが明らかに有利となる(遊技モード[ニ])。
尚、この高確で且つ時短ありの場合、「2」又は「3」若しくは「4」の当たり図柄で大当たり当選することにより、合計振分け率が90%という高率で、高確が維持されると共に5000回という事実上次回大当たり当選まで時短遊技の継続が確実となる極めて有利な特典遊技モードたる天国モードに突入し、或は、天国モードに滞在することになる。高確で且つ時短ありの遊技モードであって、且つ、特に次回大当たり当選まで時短遊技の継続が見込まれる場合が、天国モードとなる。
確率(低)の第1遊技状態(低確)で且つ時短ありの場合、第1始動入賞を狙う左打ちでは、ベースは低いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が40回と多く、第2始動入賞を狙う右打ちでは、ベースは高いが時短遊技を獲得することはできず(継続回数0回)、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。時間に余裕が無く、スピーディーにあと一回だけ大当たりの出玉を得て遊技を止める場合等には、ベースが100で殆ど持ち球の減らない第2始動入賞狙いの右打ちが有利ということになる。しかし、大当たり遊技後に時短遊技を獲得できず、天国モードへ突入させることからは反れてしまう。このため、これからまだまだ長く遊技を続ける遊技者には、40回と多い時短遊技を獲得でき、しかも、「2」又は「3」若しくは「4」の高確の当たり図柄で大当たり(合計振分け率が90%)することにより、天国モードへの突入に期待の持てる第1始動入賞狙いの左打ちが有利ということになる(遊技モード[ロ])。
確率(高)の第2遊技状態(高確(特定遊技状態))で且つ時短なしの場合、第1始動入賞を狙う左打ちでは、ベースは高いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が5回と少なく、第2始動入賞を狙う右打ちでは、ベースは低いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が40回と多く、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。第2始動入賞を狙う右打ちの場合、大当たりを勝ち取るまでの持ち球の減り具合が速く、遊技者に抵抗感を与えるが、大当たり遊技での出玉もあり、何よりも継続回数のより多い時短遊技を獲得でき、天国モードへの突入により大きな期待を持つことができるため、この右打ちが有利となる(遊技モード[ハ])。
図5に示すように、低確で且つ時短なしの場合(遊技モード[イ])、左打ちがやや有利となり、天釘241の天窓240等を狙って球Pを打ち出し、センターユニット7の左側に球Pを流下させ、ワープルート703や寄せ釘242等により、第1始動口81たるヘソに向けて球Pを集め、第1始動入賞を狙うことになる。電源オン時の初期状態あるいは電源オン及びリセットスイッチオン時の初期状態は、この低確で且つ時短なしの最も不利な遊技モードから始まる。また、当たり図柄が「1」の低確に降格する大当たり当選後、時短遊技の継続回数が0となって時短なしとなった場合も、この不利な低確で且つ時短なしの遊技モードとなる。
図6に示すように、低確で且つ時短ありの場合(遊技モード[ロ])、第1始動口81狙いの左打ちと第2始動口82狙いの右打ちとで、獲得される時短遊技の継続回数が異なり、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。この低確で且つ時短ありとなる遊技モードの開始時、遊技情報表示手段Xの作動として、表示装置70に、例えば「戦国チャンス」の表示と共に「左打ちなら激闘モードへ突入、右打ちなら安泰モードへ突入」という、左打ちと右打ちとで異なる遊技内容となる旨のメッセージ、具体的には、左打ちでは「激闘」という言葉からハイリスク及び又はハイリターンを示唆するメッセージが、右打ちでは「安泰」という言葉からローリスク及び又はローリターンを示唆するメッセージが表示される。図示のものは、時短遊技の継続回数として40回が獲得された場合を示すが、5回の場合も同様である。
可変入賞球装置80により時短遊技の恩恵を直接享受できる第2始動口82を狙うのが鉄則と考える遊技者や、あと一回だけ大当たりの出玉を得たい遊技者等は、ベースが100で持ち球の殆ど減らないローリスクな安泰モードを良しとして右打ちを選択することになる。ハイリターンが期待できる天国モードへの突入を目指す遊技者等は、持ち球が減るハイリスクをかかえることになるも、激闘モードを良しとして左打ちを敢えて選択することになる。客観的或は長期スパンで見れば、事実、左打ちが有利となる。表示装置70には、左打ちで激闘モード、右打ちで安泰モードとなる旨が継続的に表示されると共に、遊技者が選んだモードが激闘か安泰かを明確にし且つ演出図柄L,C,Rの変動がどちらの始動入賞に基づくものかを明確にするためにモード表示(図示例では激闘モード)と、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示(図示例では残39回)とが表示される。
図7に示すように、高確で且つ時短なしの場合(遊技モード[ハ])、第1始動口81狙いの左打ちと第2始動口82狙いの右打ちとで、獲得される時短遊技の継続回数が異なり、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。この高確で且つ時短なしとなる遊技モードの開始時、遊技情報表示手段Xの作動として、表示装置70に、例えば「戦国チャンス」の表示と共に「左打ちなら平穏モードへ突入、右打ちなら修羅モードへ突入」という、左打ちと右打ちとで異なる遊技内容となる旨のメッセージ、具体的には、左打ちでは「平穏」という言葉からローリスク及び又はローリターンを示唆するメッセージが、右打ちでは「修羅」という言葉からハイリスク及び又はハイリターンを示唆するメッセージが表示される。この遊技モードは、最初から時短遊技の継続回数として0回が設定された場合に始まると共に、5回又は40回等の時短遊技の継続回数がカウントダウンにより0となった場合に始まる。
時短なしの場合は第1始動口81を狙うのが鉄則と考える遊技者等は、持ち球の減りが遅いローリスクな平穏モードを良しとして左打ちを選択することになる。ハイリターンが期待できる天国モードへの突入をより強く目論む遊技者等は、持ち球が速く減るハイリスクをかかえることになるも、修羅モードを良しとして右打ちを敢えて選択することになる。客観的或は長期スパンで見れば、事実、右打ちが有利となる。表示装置70には、左打ちで平穏モード、右打ちで修羅モードとなる旨が継続的に表示されると共に、遊技者が選んだモードが平穏か修羅かを明確にし且つ演出図柄L,C,Rの変動がどちらの始動入賞に基づくものかを明確にするためにモード表示(図示例では修羅モード)が表示される。右打ち時は、天釘241を越えて強めに球Pを打ち出す。右打ちの球Pは、障壁釘245により第1始動口81へは向かわない。
図8に示すように、高確で且つ時短ありの場合(遊技モード[ニ])、第1始動入賞を狙う左打ちも、第2始動入賞を狙う右打ちも、獲得される時短遊技の継続回数の期待値は同じのため、ベースが高く且つ大当たり遊技での出玉が期待できる右打ちが明らかに有利となり、天釘241を越えて強めに球Pを打ち出すのが良しとなる。この高確で且つ時短ありの遊技モードは、第1始動入賞又は第2始動入賞に基づき「2」又は「3」若しくは「4」の高確の当たり図柄で大当たり当選し且つ時短遊技の継続回数として40回又は5回獲得された場合に初期突入するが、この高確で且つ時短ありの遊技モード中に、再度「2」又は「3」若しくは「4」の高確の当たり図柄で大当たり当選することにより、振り分け率90%の高率で、5000回の時短遊技を獲得でき、天国モードに突入する。図示のものは、天国モードに突入した状況を表す。
表示装置70には、例えば「天国チャンス」の表示と共に「右打ちしてね!」というメッセージを表示させている。ただし、このメッセージの表示は省略してもよい。天国モードに一旦突入すると、右打ちによる第2始動入賞に基づき「2」又は「3」若しくは「4」の高確の当たり図柄で大当たり当選を続けることにより、大当りが比較的短期間に連続する連荘が期待でき、大量の出玉を獲得することができる。尚、実際には、第2始動口92と第2大入賞口92とが同時に開くわけではないため、図では、第2大入賞口92の可動板920が開いた状況を想像線で示している。
図9に、上記遊技モード[イ]、[ロ]、[ハ]、[ニ]別の打ち方による出玉率への影響を一覧で示す。ここに、出玉率は、一日当たり10時間(600分間)の連続遊技に相当する60000個の球を発射し、大当たり遊技での賞球を含めて54000個の賞球の払出しを得たとした場合は、出玉率=54000÷60000×100=90%、同様に60000個の賞球の払出しを得たとした場合は、出玉率=60000÷60000×100=100%、・・・ということになる。出玉率への影響のマル/バツは、各遊技モード別に、左打ちと右打ちをした場合に、出玉率が高くなる方をマル、出玉率が低くなる方をバツとした相対評価である。
時短なしの場合は左打ちでヘソ狙い、時短ありの場合は右打ちで電チュー狙いという打ち分けは、時短遊技の本来的機能から見て遊技者一般に受入れられ易い標準的あるいは基本的な攻め方であり、遊技モード[イ]の低確で時短なしの場合、遊技モード[ニ]の高確で時短ありの場合は、事実、その打ち分けに従えば、出玉率への影響も良好なものとなる。しかし、遊技モード[ロ]の低確で時短ありの場合、同[ハ]の高確で時短なしの場合は、その標準的あるいは基本的な攻め方をすることも可能ではあるが、一部又は全部について、変則的な打ち方をすることが有益となる。
図10に示すように、遊技モード[イ]の低確で時短なしの場合は左打ち、同[ニ]の高確で時短ありの場合は右打ちに固定するものとして、遊技モード[ロ]の低確で時短ありの場合及び同[ハ]の高確で時短なしの場合について、右打ちと左打ちの組み合せで4とおりの遊技パターン1〜4が考えられ、各遊技パターンについて、コンピュータシュミレーションにより1500日相当の長期間についての出玉率の計算結果を得た。
パターン1(低確で時短ありの場合に右打ち、高確で時短なしの場合に左打ち)は、出玉率が83.2%であった。時短ありの場合に右打ち、時短なしの場合に左打ちという最も基本的な打ち方だが、長期スパンで見ると、遊技者にとって最も不利な打ち方となる。
パターン2(低確で時短ありの場合に右打ち、高確で時短なしの場合に右打ち)は、出玉率が87.2%であった。高確の時短なしの場合に右打ちするというちょっとだけ変則的な打ち方であり、パターン1に比べて出玉率がアップする。
パターン3(低確で時短ありの場合に左打ち、高確で時短なしの場合に左打ち)は、出玉率が96.7%であった。低確の時短ありの場合に左打ちするというちょっとだけ変則的な打ち方であり、パターン2に比べて出玉率はさらにアップする。
パターン4(低確で時短ありの場合に左打ち、高確で時短なしの場合に右打ち)は、出玉率が100.4%であった。高確の時短なしの場合に右打ち、低確の時短ありの場合に左打ちするというかなり変則的な打ち方であり、出玉率は最も高いものとなる。
以上、実施例1では、低確で時短ありの場合と、高確で時短なしの場合の二つの遊技モードにおいて遊技者が打ち方を選択する価値があるものとしたが、時短ありの場合は、低確時も高確時も一律的に標準的な電チュー狙いの右打ちが有利なものとし、時短なしの場合にのみ、左打ちと右打ちを選択する価値があるものとしてもよいし、時短なしの場合は、低確時も高確時も一律的に標準的なヘソ狙いの左打ちが有利なものとし、時短ありの場合にのみ、左打ちと右打ちを選択する価値があるものとしてもよい。
実施例2においても、第1始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率及び第2始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率はともに、低い方の第1設定値が1310/65536=約1/50、高い方の第2設定値が1312/65536=約1/50である。少しでも高い第2設定値となる第2遊技状態(確率(高))の方を特定遊技状態と定めている。これらの点は、実施例1と同様である。
図11は、上記大当たり当選確率仕様等と共に主制御部MCの遊技プログラムPg上で規定する実施例2の大当たり仕様を一覧表にしたものである。第1始動入賞に基づく大当たり仕様では、大当たり当選時の第1特別図柄の当たり図柄が「1」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を低い方の第1設定値に振り分ける。その振分け率は約10%である。同当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を高い方の第2設定値に振り分ける。その個々の振分け率は実施例1と異なり、当たり図柄が「2」のときは70%、当たり図柄が「3」のときは10%、当たり図柄が「4」のときは10%である。当選確率が高い方に設定される確率変動割合としては90%であり、この点は実施例1と同様である。
第1始動入賞に基づく大当たり遊技では、当たり図柄が「1」〜「3」の場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の短時間例えば0.2〜0.3秒間程度だけ開き、一旦閉じた後に再度開放させる動作を4回(4ラウンド)について繰り返し、出玉はほぼ期待できず、実質的な出玉は殆ど得られないものとしている。一方、当たり図柄が「4」の場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば10個(10カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を4回(4ラウンド)について繰り返し、4ラウンド×10カウント×3賞球=120個のトータル賞球が得られ、多少の出玉も期待できるものとしている。
この第1始動入賞に基づく大当たり当選判定時点の遊技状態が、確率(低)の第1遊技状態つまり低確か、確率(高)の第2遊技状態つまり高確かの違いと、時短遊技の有無等に応じて、大当たり遊技後に獲得される時短遊技の継続回数が決定される。低確で時短なしの場合、当たり図柄が「1」又は「2」若しくは「3」のとき、その継続回数は10回、当たり図柄が「4」のとき、その継続回数は50回となる。低確で時短ありの場合、当たり図柄が「1」のとき、その継続回数は100回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」のとき、その継続回数は回数限定なしの次回大当たり当選までとなる。
高確で時短なしの場合、当たり図柄が「1」又は「2」のとき、その継続回数は0回のなし、当たり図柄が「3」のとき、その継続回数は10回、当たり図柄が「4」のとき、その継続回数は50回となる。高確で時短ありの場合、当たり図柄が「1」の場合つまり低確に降格する場合は、その継続回数は50回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」の場合つまり高確が維持される場合は、その継続回数は回数限定なしの次回大当たり当選までとなる。
尚、実施例2では、実施例1の釘配列等を若干変更することにより、第1始動入賞を狙う左打ち時のベースは20と、実施例1の18よりもやや高くしている。獲得された時短遊技の継続回数は、第2始動入賞に基づく有効な大当たり抽選一回ごとに一つずつ減算されると共に、第1始動入賞に基づく有効な大当たり抽選一回ごとにも一つずつ減算され、減算の結果0になると時短なしとなる点、及び、継続回数の残は次回以降に持ち越さない点は、実施例1と同様である。
第2始動入賞に基づく大当たり仕様は、第2特別図柄の当たり図柄が「1」(振分け率10%)で低確、同「2」又は「3」若しくは「4」(各々振分け率70%、10%、10%で合計振分け率90%)で高確となる点は、第1始動入賞に基づく大当たり仕様と同様であるが、大当たり遊技時、第2大入賞口92を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば10個(10カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を4回(4ラウンド)について繰り返す。従って、4ラウンド×10カウント×15賞球=600個のトータル賞球が得られ、比較的多い出玉が期待できる。
また、第2始動入賞に基づく大当たり当選判定時点の遊技モードが、低確で時短なしの場合、当たり図柄が「1」又は「2」のとき、その継続回数は20回、当たり図柄が「3」のとき、その継続回数は50回、当たり図柄が「4」のとき、その継続回数は100回となる。低確で時短ありの場合、当たり図柄に拘らず、その継続回数は50回となる。
高確で時短なしの場合、当たり図柄が「1」又は「2」のとき、その継続回数は10回、当たり図柄が「3」のとき、その継続回数は50回、当たり図柄が「4」のとき、その継続回数は100回となる。高確で時短ありの場合、当たり図柄が「1」の場合つまり低確に降格する場合は、その継続回数は50回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」の場合つまり高確が維持される場合は、その継続回数は回数限定なしの次回大当たり当選までとなる。
尚、実施例2では、第2始動入賞を狙う右打ち時、時短なしの場合のベースは8、時短ありの場合のベースは100に設定している。時短なしの場合、主に普通図柄抽選の当選確率を実施例1に比べて高く定めていることにより、実施例1の3.6よりも高いベース8を実現している。
低確(第1遊技状態)で時短なしの場合、第1始動入賞を狙う左打ちでは、ベースは高いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が相対的に少なく、第2始動入賞を狙う右打ちでは、ベースは低いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が相対的に多く、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。第2始動入賞を狙う右打ちの場合、大当たりを勝ち取るまでの持ち球の減り具合が速く、遊技者に抵抗感を与えるが、大当たり遊技での出玉もあり、何よりも継続回数のより多い時短遊技を獲得でき、天国モードへの突入により大きな期待を持つことができるため、この右打ちが有利となる。
低確(第1遊技状態)で時短ありの場合、第1始動入賞を狙う左打ちでは、ベースは低いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が100回又は次回大当たり当選までと多く、第2始動入賞を狙う右打ちでは、ベースは高いが時短遊技の継続回数が50回と少なく、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。時間に余裕が無く、スピーディーにあと一回だけ大当たりの出玉を得て遊技を止める場合等には、ベースが100で殆ど持ち球の減らない第2始動入賞狙いの右打ちが有利ということになる。しかし、大当たり遊技後に獲得できる時短遊技の継続回数が少なく、天国モードへの突入の期待値は低くなる。このため、これからまだまだ長く遊技を続ける遊技者には、多い時短遊技を獲得でき、天国モードへの突入の期待値が高い第1始動入賞狙いの左打ちが有利となる。
高確(第2遊技状態(特定遊技状態))で時短なしの場合、第1始動入賞を狙う左打ちでは、ベースは高いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が相対的に少なく(当たり図柄毎の振分け率に、各々獲得される継続回数を乗じて合算或は平均化した継続回数の期待値が小)、第2始動入賞を狙う右打ちでは、ベースは低いが大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が相対的に多く(当たり図柄毎の振分け率に、各々獲得される継続回数を乗じて合算或は平均化した継続回数の期待値が大)、左打ちか右打ちかを選ぶ価値が生じる。第2始動入賞を狙う右打ちの場合、大当たりを勝ち取るまでの持ち球の減り具合が速く、遊技者に抵抗感を与えるが、大当たり遊技での出玉もあり、何よりも継続回数のより多い時短遊技を獲得でき、天国モードへの突入により大きな期待を持つことができるため、この右打ちが有利となる。
高確(第2遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合、第1始動入賞を狙う左打ちも、第2始動入賞を狙う右打ちも、獲得される時短遊技の継続回数は共に、当たり図柄が「1」のとき50回、当たり図柄が「2」又は「3」若しくは「4」のときは次回大当たり当選までであり、ベースが高く且つ大当たり遊技での出玉も期待できる第2始動入賞狙いの右打ちが明らかに有利となる。
尚、この高確で且つ時短ありの場合、「2」又は「3」若しくは「4」の当たり図柄で大当たり当選することにより、合計振分け率が90%という高率で、高確が維持されると共に次回大当たり当選まで時短遊技が継続される特典遊技モードたる天国モードに突入し、或は、天国モードに滞在することになる。
また、低確(第1遊技状態)で時短なしの場合に第2始動入賞に基づく大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数の期待値(10%で20回、70%で20回、10%で50回、10%で100回)を、高確(第2遊技状態)で時短なしの場合に第2始動入賞に基づく大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数の期待値(10%で10回、70%で10回、10%で50回、10%で100回)よりも高くしている。これにより、営業開始時や電源投入時等の初期状態(低確(第1遊技状態)で時短なし)から遊技を始めた遊技者が、一見イレギュラーな右打ちが実は有利であったと体験できる機会が、少なくとも初期状態ではないことになる高確(第2遊技状態)で時短なしの場合よりもより多く現れ、初期状態から遊技を始める遊技者に右打ちによる天国モードへの突入の期待感を効果的に持たせることができる。
図12に、実施例2における遊技モード別の有利な打ち方を示す。低確で時短なしの場合は変則的な右打ちが、低確で時短ありの場合は変則的な左打ちが、高確で時短なしの場合は変則的な右打ちがそれぞれ有利となり、3つの異なる遊技モードにおいて意外性のある遊技性を打ち出すことができる。それと共に、高確で時短ありの場合は標準的な右打ちを有利としており、天国モード中は電チュー狙いで出玉を稼ぐ遊技に徹することができるようにしている。
実施例3においては、図3における第1周辺制御部SC1の演出プログラムQg上に、第1始動入賞に基づく大当たり当選時に決定する時短遊技の継続回数と第2始動入賞に基づく大当たり当選時に決定する時短遊技の継続回数との間で差異が生じることになる遊技時、所定条件下で、表示装置70に、入賞させるべき始動口として、第1始動口81及び第2始動口82のうち大当たり当選時に時短遊技の継続回数が多く設定される側の始動口を遊技者に知らせるナビ情報を表示させるナビ表示手段Yを構築している。このナビ表示手段Yは、後述するように、第1始動口81及び第2始動口82のうち、現在の遊技状態が第1遊技状態及び第2遊技状態のうち何れの遊技状態かと時短遊技中か否かとに応じてより大きな利益を遊技者にもたらす側の始動口に関するナビ情報として、その有利な始動口を狙うべき旨の「左打ちだ!」又は「右打ちだ!」等のアシストメッセージを表示装置70に表示させるものである。
また、実施例3においては、第1始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率及び第2始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率はともに、低確側の第1設定値を、0〜65535の65536個の乱数範囲中に2730個の当選範囲を定めた2730/65536=約1/24、高確側の第2設定値を、同65536個の乱数範囲中に2732個の当選範囲を定めた2732/65536=約1/24としている。高確側の第2設定値となる第2遊技状態(確率(高))の方を、特定遊技状態と定めている。
図13は、上記大当たり当選確率仕様等と共に主制御部MCの遊技プログラムPg上で規定する実施例3の大当たり仕様を一覧表にしたものである。第1始動入賞に基づく大当たり仕様では、大当たり当選時の第1特別図柄の当たり図柄が「0」又は「1」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を低確側の第1設定値に振り分ける。その振分け率は、各0.5%で合計1%である。同当たり図柄が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」何れかのとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を高確側の第2設定値に振り分ける。その振分け率は、同当たり図柄が「2」又は「3」のとき各0.5%、同当たり図柄が「4」のとき92%、同当たり図柄が「5」又は「6」のとき各3%で、合計99%である。従って、当選確率が高確に設定される確率変動割合は99%である。
この振り分けは、実施例1又は2と同様な処理により行われ、第1始動入賞時に取得した大当たり抽選用乱数と、大当たりの当選範囲となる2730個又は2732個の乱数範囲をさらに細分類して定めた当たり図柄判定範囲との比較に基づいて決まる。もっとも、大当たり抽選用乱数とは別に、第1始動入賞時に取得することとする、当たり図柄決定用乱数又は確率変動決定用乱数に基づいて、当たり図柄及び又は確率変動割合を決定してもよい。また、図13では省略しているが、左打ち時の第1始動口81に対するベース、右打ち時の第2始動口82に対する時短なしと時短ありの各々についてのベースは、実施例1又は2と同程度に設定している。
実施例3では、第1始動入賞に基づく大当たり当選による大当たり遊技時、第1大入賞口91への入賞一個につき、第2大入賞口92と同様に15個の賞球を払出すものとしている。しかし、当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」、「4」何れかの場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の短時間例えば0.2〜0.3秒間程度だけ開き、一旦閉じた後に再度開放させる動作を2回(2ラウンド)について繰り返し、出玉はほぼ期待できないものとしている。
一方、当たり図柄が「5」の場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば7個(7カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を8回(8ラウンド)について繰り返し、8ラウンド×7カウント×15賞球=840個の比較的多いトータル賞球が得られるものとしている。ちょうど、スロットマシン(回胴式遊技機)でいうところのレギュラーボーナス(RB)に相当する出玉が得られるものとしている。
また、当たり図柄が「6」の場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば7個(7カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を16回(16ラウンド)について繰り返し、16ラウンド×7カウント×15賞球=1680個の最も多いトータル賞球が得られるものとしている。ちょうど、スロットマシン(回胴式遊技機)でいうところのビッグボーナス(BB)に相当する出玉が得られるものとしている。
尚、当たり図柄が「5」又は「6」の出玉あり大当たりが、遊技中に出現する出現確率は、これら出玉あり大当たりの合計振分け率6%に、大当たり当選確率1/24を乗じた6/100×1/24=1/400となる。
また、第1始動入賞に基づく大当たり当選時、当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」何れかの場合(出現確率1/200)、大当たり遊技後、継続回数を16回とした時短遊技(後述の「AT左16」、「AT右16」、「ナビ無し16」何れか)が獲得される。
一方、当たり図柄が「4」、「5」、「6」何れかの場合、大当たり当選判定時点の遊技モードに応じて、すなわち、確率(低)の第1遊技状態つまり低確か、確率(高)の第2遊技状態つまり高確かの違いと、時短遊技の有無等に応じて、大当たり遊技後に獲得される時短遊技の継続回数が決定される。低確で時短なしの場合、当たり図柄が「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回となる。低確で時短ありの場合、当たり図柄が「4」又は「5」若しくは「6」のとき継続回数5000回となる。高確で時短なしの場合、当たり図柄が「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回となる。高確で時短ありの場合、当たり図柄が「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数5000回となる。
第2始動入賞に基づく大当たり仕様は、第2特別図柄の当たり図柄の振分け率が、第1始動入賞に基づく大当たり仕様と若干異なり、当たり図柄「3」の振分け率を1%、当たり図柄「4」の振分け率を91.5%に設定している。当たり図柄が「0」又は「1」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を低確側の第1設定値に振り分け(合計振分け率1%)、同当たり図柄が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」何れかのとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を高確側の第2設定値に振り分ける(合計振分け率99%)のは、第1始動入賞に基づく大当たり仕様と同様である。
また、大当たり遊技時、第2大入賞口92を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば7個(7カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を、当たり図柄に応じた回数(ラウンド数)について繰り返すものとしている。
当たり図柄が「0」〜「4」のときは2回(2ラウンド)について繰り返し、2ラウンド×7カウント×15賞球=210個の多少のトータル賞球が得られ、当たり図柄が「5」のときは8回(8ラウンド)について繰り返し、8ラウンド×7カウント×15賞球=840個のレギュラーボーナス相当のトータル賞球が得られ、当たり図柄が「6」のときは16回(16ラウンド)について繰り返し、16ラウンド×7カウント×15賞球=1680個のビッグボーナス相当のトータル賞球が得られるものとしている。尚、表示装置70上では、第2特別図柄又は第1特別図柄が当たり図柄「0」〜「4」で2ラウンド大当たりとなるとき、演出図柄L,C,Rを例えば「1」「2」「3」等の連番で確定停止させ、同当たり図柄「5」で8ラウンド大当たりとなるとき、演出図柄L,C,Rを例えば「3」「3」「3」のゾロ目で確定停止させ、同当たり図柄「6」で16ラウンド大当たりとなるとき、演出図柄L,C,Rを例えば「7」「7」「7」のゾロ目で確定停止させるようにしている。
また、第2始動入賞に基づく大当たり当選判定時点の遊技モードに応じて、大当たり遊技後に獲得される時短遊技の継続回数を決定している。低確で時短なしの場合、当たり図柄が「0」〜「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回、低確で時短ありの場合、当たり図柄が「0」〜「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数5000回、高確で時短なしの場合、当たり図柄が「0」〜「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回、高確で時短ありの場合、当たり図柄が「0」又は「1」のとき(低確に降格するとき)は時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「2」又は「3」のときは継続回数8回、当たり図柄が「4」又は「5」若しくは「6」のときは継続回数5000回となる。
時短なしの場合、低確(第1遊技状態)か高確(第2遊技状態(特定遊技状態))かに拘らず、第1始動入賞を狙う標準的な左打ちでよい。時短なし時の第2始動口82に対するベースよりも第1始動口81に対するベースの方が高く、しかも、当たり図柄「0」〜「3」で大当たり当選した場合に獲得される時短遊技の継続回数が右打ち時のなしに対して16回と多いためである。
低確(第1遊技状態)で時短ありの場合、第1始動入賞を狙う左打ちによれば、大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が第2始動入賞を狙う右打ち時よりも多く、特に振分け率90%を超える当たり図柄「4」で大当たりした場合に獲得できる継続回数が、右打ちによる第2始動入賞に基づく大当たり当選時のなし(0回)に対して、5000回と顕著に多く、天国モードに突入する期待値が圧倒的に高いため、左打ちが有利となる。
当たり図柄が「5」又は「6」の場合(合計振分け率6%)は、左打ち時も右打ち時も時短ありのときに5000回の時短遊技を獲得でき、天国モードに突入することになるが、当たり図柄毎の振分け率に、各々獲得される継続回数を乗じて合算或は平均化した継続回数の期待値としては、左打ち時が圧倒的に大となることからも、左打ちが有利となる。もっとも、スピーディーにあと一回だけ大当たりの出玉を多少なりとも得て遊技を止める場合等には、右打ちも選択肢となる。
高確(第2遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合、振分け率90%を超える当たり図柄「4」で大当たりした場合に獲得できる時短遊技の継続回数が、左打ちによる第1始動入賞に基づく大当たり当選時のなし(0回)に対して、5000回と顕著に多く、天国モードに突入或は滞在する期待値が圧倒的に高いと共に、時短遊技下での可変入賞球装置80の頻繁な開作動によりベースが100に高められる第2始動口82を狙うことにより、持ち球も殆ど減らないため、右打ちが有利となる。
当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」の場合、左打ち時に獲得される時短遊技の継続回数の方が16回と多く、また、当たり図柄が「5」又は「6」の場合は、時短ありのとき、左打ち時も右打ち時もどちらも5000回の時短遊技を獲得できて同様に天国モードに突入或は滞在することになるが、左打ちによる第1始動入賞に基づく大当たり当選時に振分け率92%で時短なし、同振分け率2%で時短16回となって天国モードから転落してしまうリスクがあり、このリスクを回避すると共に、持ち球が殆ど減らないメリットを生かすべきことから、高確で時短ありの場合、やはり右打ちが有利となる。
尚、天国モード(高確で最大5000回時短あり)中は、転落のリスクを回避する必要から左打ちは避けるべきだが、何らかの原因により第1始動口81に球が入った場合でも、第2始動口82への入賞に基づく第2保留手段Bの保留記憶が切れることがない限り、この第2保留手段Bでの保留記憶に基づく大当たり抽選の結果の導出が優先されるため、第2始動口82への入賞に基づく大当たり抽選が続いている状況を作り出すことができる。このため、天国モードが予期せずに終了してしまう不運を低減できる。天国モード中は、可変入賞球装置80の頻繁な開作動によりベースが100に高められる第2始動口82へ入賞させることは容易であり、第2保留手段Bの保留記憶を常時切らさないようにするのも容易である。
また、天国モード中は、右打ちにより当たり図柄「4」又は「5」若しくは「6」で大当たり当選することにより、合計97.5%の高率で天国モードに滞在するが、当たり図柄「0」〜「3」で大当たり当選することにより、合計2.5%の低率ではあるが天国モードから転落する。この場合、当たり図柄「0」又は「1」で低確に降格する場合は、左打ちすべきことから、時短なしとしているが、当たり図柄「2」又は「3」で高確が維持される場合は、最大8回の時短遊技が付帯され、この最大8回の時短中に再び大当たり当選することにより天国モードに引き戻すことができるようにしている。その引き戻し確率は、28.9%である。
低確(第1遊技状態)で時短ありの場合は左打ちが有利、高確(第2遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合は右打ちが有利と、同じ時短ありでも、低確と高確とで打ち方が反対になる。一方、演出上の表示装置70等において低確か高確かを積極的に遊技者に知らせる報知はしておらず、第1又は第2特別図柄表示装置SD1,SD2に停止させる当たり図柄が「0」又は「1」なら低確、「2」〜「6」なら高確とそれとなく判断することができる消極的な報知に止めている。従って、一種独特の技術介入要素あるいは攻略要素が加わっており、遊技を一層奥深いものにしている。
もっとも、演出上の表示装置70等において演出図柄L,C,Rの種類を低確用と高確用に区別したり、確変等のメッセージを表示したり、あるいは、背景色を変える等して低確か高確かを積極的に報知してもよい。また、逆に、大当たり抽選用乱数とは別に確率変動決定用乱数に基づいて低確か高確かを振り分け、第1又は第2特別図柄表示装置SD1,SD2の当たり図柄でも低確か高確かを判別不能とし、低確か高確かを完全に非報知として、左打ちか右打ちかを遊技者の運や感等に委ねるようにしてもよい。
第1始動入賞に基づいて当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」何れかで大当たり当選した場合、大当たり遊技後、継続回数を16回とした時短遊技が獲得されるが、当たり図柄「1」又は「3」で獲得される「ナビ無し16」は、左打ちナビランプNLも右打ちナビランプNRもどちらも点灯させないと共に、ナビ表示手段Yも作動させずに表示装置70に左打ちか右打ちかどちらを選ぶべきかのナビ情報も表示させない通常の継続回数16回の時短遊技となる。
図14に示すように、第1始動入賞に基づき当たり図柄「0」で大当たり当選し、低確で時短ありの遊技モードとなる場合に獲得される「AT左16」([i])では、ナビ表示手段Yの作動により、再度大当たり当選することにより継続回数のより多い時短遊技の獲得が見込める有利な方の左打ちを選ぶべき旨のナビ情報が表示される。当たり図柄「0」での出玉なし大当たり遊技後、表示装置70に、例えば、「アシストタイム」「ナビに注目!」「左打ち?」「右打ち?」の各開始メッセージを表示させた後、左矢印に「左打ちだ!」のアシストメッセージを重ねたナビ情報が表示される。
このとき、第1周辺制御部SC1側では主制御部MCと矛盾しない制御をすべきことから、主制御部MCの制御により左打ちナビランプNLも同時に点灯させている。表示装置70には、「左打ちだ!」のナビ情報と共に「アシストタイム」の表示を継続させると共に、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示を表示させる。時短遊技の継続回数は、有効な第1及び第2始動入賞により一ずつカウントダウンされる。
図15に示すように、第1始動入賞に基づき当たり図柄「2」で大当たり当選し、高確で時短ありの遊技モードとなる場合に獲得される「AT右16」([ii])では、ナビ表示手段Yの作動により、再度大当たり当選することにより継続回数のより多い時短遊技の獲得が見込める有利な方の右打ちを選ぶべき旨のナビ情報が表示される。当たり図柄「2」での出玉なし大当たり遊技後、表示装置70に、例えば、「アシストタイム」「ナビに注目!」「左打ち?」「右打ち?」の各開始メッセージを表示させた後、右矢印に「右打ちだ!」のアシストメッセージを重ねたナビ情報が表示される。
このとき、第1周辺制御部SC1側では主制御部MCと矛盾しない制御をすべきことから、主制御部MCの制御により右打ちナビランプNLも同時に点灯させている。表示装置70には、「右打ちだ!」のナビ情報と共に「アシストタイム」の表示とを継続させる共に、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示を表示させる。時短遊技の継続回数は、有効な第2及び第1始動入賞により一ずつカウントダウンされる。
図16に示すように、実施例4では、第1始動入賞に基づく大当たり仕様において、高確(第2遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合、当たり図柄が「4」のときも、「5」や「6」のときと同様、最大継続回数が5000回となる時短遊技を獲得でき、天国モードに突入或は滞在できるものとしている。図3における主制御部MCの遊技プログラムPg上には、特定遊技状態で且つ時短遊技中における第1始動口81への入賞に基づく大当たり当選時、所定条件下即ち当たり図柄が「4」に振分けられる振分け率92%で、特定遊技状態たる高確を維持すると共に時短遊技の継続が再度の大当たり当選まで見込める特典遊技モードたる天国モードに突入させる特典遊技モード第二突入手段T2を構築している。このような仕様のみが実施例3と異なる。
この結果、高確(第2遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合、あたかも、当たり図柄「0」〜「3」について16回の時短が付される第1始動入賞狙いの左打ちが有利なようにも思えるが、本来、高確で時短ありの場合、ベースの高い第2始動口82を狙う方が持ち球の減りがずっと少なく、しかも、大当たり遊技での出玉もあることから、第2始動口82を狙う右打ちの方が有利であることに変わりはない。
特典遊技モード第二突入手段T2の目的は、天国モード中に遊技者が休憩その他で席を一時的に離れたような場合に、席に戻ると天国モードが終わってしまっていたという不運を未然に回避する点にある。すなわち、上述の実施例3では、天国モード中に、何らかの原因で第2保留手段Bの保留記憶を切らしてしまったときに、第1保留手段Aの保留記憶があり、該保留記憶に基づいて大当たりに当選してしまった場合には、94%という高い確率で天国モードが終了してしまうことになるため、天国モード中に第1保留手段Aの保留記憶がある場合には、第2保留手段Bの保留記憶を切らさないようにすべく、休憩したくとも遊技台を離れることができない問題があった。これに対し、本実施例4においては、特典遊技モード第二突入手段T2を備えているので、仮に同様の状況が生じたとしても、天国モードが終了してしまう確率は2%であり、98%は天国モードへ再突入して該天国モードが維持されることになる。よって、天国モード中に遊技台を離れて休憩することも可能となる。
実施例5は、高確への確率変動割合が低いタイプの遊技機に適用したものである。
実施例5においては、第1始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率及び第2始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率はともに、低確側の第1設定値を、0〜65535の65536個の乱数範囲中に2730個の当選範囲を定めた2730/65536=約1/24、高確側の第2設定値を、同65536個の乱数範囲中に2732個の当選範囲を定めた2732/65536=約1/24としているのは、実施例3又は4と同様である。しかし、低確側の第1設定値となる第1遊技状態(確率(低))の方を、特定遊技状態と定めている。天国モードは、低確で且つ最大5000回継続し得る時短中となる。電源オン時の初期状態あるいは電源オン及びリセットスイッチオン時の初期状態は、高確で且つ時短なしの遊技モードから始まる。
図17は、上記大当たり当選確率仕様等と共に主制御部MCの遊技プログラムPg上で規定する実施例5の大当たり仕様を一覧表にしたものである。第1始動入賞に基づく大当たり仕様では、大当たり当選時の第1特別図柄の当たり図柄が「0」又は「1」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を高確側の第2設定値に振り分ける。その振分け率は、各0.5%で合計1%である。同当たり図柄が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」何れかのとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を低確側の第1設定値に振り分ける。その振分け率は、同当たり図柄が「2」又は「3」のとき各0.5%、同当たり図柄が「4」のとき92%、同当たり図柄が「5」又は「6」のとき各3%で、合計99%である。従って、当選確率が高確に設定される確率変動割合はわずか1%である。
この振り分けは、実施例3等と同様な処理により行われ、また、左打ち時の第1始動口81に対するベース、右打ち時の第2始動口82に対する時短なしと時短ありの各々についてのベースは、実施例1又は2と同程度に設定している。
実施例5では、第1始動入賞に基づく大当たり当選による大当たり遊技時、第1大入賞口91への入賞一個につき、第2大入賞口92と同様に15個の賞球を払出すものとしている。しかし、当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」、「4」何れかの場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の短時間例えば0.2〜0.3秒間程度だけ開き、一旦閉じた後に再度開放させる動作を2回(2ラウンド)について繰り返し、出玉はほぼ期待できないものとしている。実施例3と同様である。
一方、当たり図柄が「5」の場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば7個(7カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を8回(8ラウンド)について繰り返し、8ラウンド×7カウント×15賞球=840個の比較的多いトータル賞球が得られるものとしている。この点も実施例3と同様である。
また、当たり図柄が「6」の場合、第1大入賞口91を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば7個(7カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を16回(16ラウンド)について繰り返し、16ラウンド×7カウント×15賞球=1680個の最も多いトータル賞球が得られるものとしている。この点も実施例3と同様である。
また、第1始動入賞に基づく大当たり当選時、当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」何れかの場合(出現確率1/1200)、大当たり遊技後、継続回数を16回とした時短遊技(「AT左16」、「AT右16」、「ナビ無し16」何れか)が獲得される。この点も実施例3と同様である。
一方、当たり図柄が「4」、「5」、「6」何れかの場合、大当たり当選判定時点の遊技モードに応じて、すなわち、確率(低)の第1遊技状態つまり低確か、確率(高)の第2遊技状態つまり高確かの違いと、時短遊技の有無等に応じて、大当たり遊技後に獲得される時短遊技の継続回数が決定される。低確で時短なしの場合、当たり図柄が「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回となる。低確で時短ありの場合、当たり図柄が「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数5000回となる。高確で時短なしの場合、当たり図柄が「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回となる。高確で時短ありの場合、当たり図柄が「4」又は「5」若しくは「6」のとき継続回数5000回となる。ちょうど、実施例3における図13の低確で時短ありの縦列と高確で時短ありの縦列を入れ替えた仕様になる。
第2始動入賞に基づく大当たり仕様は、第2特別図柄の当たり図柄の振分け率が、第1始動入賞に基づく大当たり仕様と若干異なり、当たり図柄「3」の振分け率が1%、当たり図柄「4」の振分け率が91.5%に設定している。当たり図柄が「0」又は「1」のとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を高確側の第2設定値に振り分け(合計振分け率1%)、同当たり図柄が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」何れかのとき、大当たり遊技後、大当たり当選確率を低確側の第1設定値に振り分ける(合計振分け率99%)のは、第1始動入賞に基づく大当たり仕様と同様である。
また、大当たり遊技時、第2大入賞口92を一回の開放について所定の長時間となる最大開放時間例えば29〜30秒間について開き、その間に所定数例えば7個(7カウント)の入賞があると最大開放時間経過前でも閉じ、一旦閉じた後に再度開放させる動作を、当たり図柄に応じた回数(ラウンド数)について繰り返すものとしている。すなわち、当たり図柄が「0」〜「4」のときは2回(2ラウンド)について繰り返し、2ラウンド×7カウント×15賞球=210個の多少のトータル賞球が得られ、当たり図柄が「5」のときは8回(8ラウンド)について繰り返し、8ラウンド×7カウント×15賞球=840個のレギュラーボーナス相当のトータル賞球が得られ、当たり図柄が「6」のときは16回(16ラウンド)について繰り返し、16ラウンド×7カウント×15賞球=1680個のビッグボーナス相当のトータル賞球が得られるものとしている。これらの点は実施例3と同様である。表示装置70上の演出図柄L,C,Rの確定停止態様も実施例3と同様である。
また、第2始動入賞に基づく大当たり当選判定時点の遊技モードに応じて、大当たり遊技後に獲得される時短遊技の継続回数を決定している。低確で時短なしの場合、当たり図柄が「0」〜「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回、低確で時短ありの場合、当たり図柄が「0」又は「1」のとき(高確になるとき)は時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「2」又は「3」のときは継続回数8回、当たり図柄が「4」又は「5」若しくは「6」のときは継続回数5000回、高確で時短なしの場合、当たり図柄が「0」〜「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数8回、高確で時短ありの場合、当たり図柄が「0」〜「4」のときは時短なしの継続回数0回、当たり図柄が「5」又は「6」のときは継続回数5000回となる。ちょうど、実施例3における図13の低確で時短ありの縦列と高確で時短ありの縦列を入れ替えた仕様になる。
時短なしの場合、低確(第1遊技状態(特定遊技状態))か高確(第2遊技状態)かに拘らず、第1始動入賞を狙う標準的な左打ちでよい。時短なし時の第2始動口82に対するベースよりも第1始動口81に対するベースの方が高く、しかも、当たり図柄「0」〜「3」で大当たり当選した場合に獲得される時短遊技の継続回数が右打ち時のなしに対して16回と多いためである。
高確(第2遊技状態)で時短ありの場合、第1始動入賞を狙う左打ちによれば、大当たり当選時に獲得される時短遊技の継続回数が第2始動入賞を狙う右打ち時よりも多く、特に振分け率90%を超える当たり図柄「4」で大当たりした場合に獲得できる継続回数が、右打ちによる第2始動入賞に基づく大当たり当選時のなし(0回)に対して、5000回と顕著に多く、天国モードに突入する期待値が圧倒的に高いため、左打ちが有利となる。
当たり図柄が「5」又は「6」の場合(合計振分け率6%)は、左打ち時も右打ち時も時短ありのとき5000回の時短遊技を獲得でき、天国モードに突入することになるが、当たり図柄毎の振分け率に、各々獲得される継続回数を乗じて合算或は平均化した継続回数の期待値としては、左打ち時が圧倒的に大となることからも、左打ちが有利となる。もっとも、スピーディーにあと一回だけ大当たりの出玉を多少なりとも得て遊技を止める場合等には、右打ちも選択肢となる。
低確(第1遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合、振分け率90%を超える当たり図柄「4」で大当たりした場合に獲得できる時短遊技の継続回数が、左打ちによる第1始動入賞に基づく大当たり当選時のなし(0回)に対して、5000回と顕著に多く、天国モードに突入或は滞在する期待値が圧倒的に高いと共に、時短遊技下での可変入賞球装置80の頻繁な開作動によりベースが100に高められる第2始動口82を狙うことにより、持ち球も殆ど減らないため、右打ちが有利となる。
当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」の場合、左打ち時に獲得される時短遊技の継続回数の方が16回と多く、また、当たり図柄が「5」又は「6」の場合は、時短ありのとき、左打ち時も右打ち時もどちらも5000回の時短遊技を獲得できて同様に天国モードに突入或は滞在することになるが、左打ちによる第1始動入賞に基づく大当たり当選時に振分け率92%で時短なし、同振分け率2%で時短16回となって天国モードから転落してしまうリスクがあり、このリスクを回避すると共に、持ち球が殆ど減らないメリットを生かすべきことから、低確で時短ありの場合、やはり右打ちが有利となる。
尚、天国モード(低確で最大5000回時短あり)中は、転落のリスクを回避する必要から左打ちは避けるべきだが、何らかの原因により第1始動口81に球が入った場合でも、第2始動口82への入賞に基づく第2保留手段Bの保留記憶が切れることがない限り、この第2保留手段Bでの保留記憶に基づく大当たり抽選の結果の導出が優先されるため、第2始動口82への入賞に基づく大当たり抽選が続いている状況を作り出すことができる。このため、天国モードが予期せずに終了してしまう不運を低減できる。天国モード中は、可変入賞球装置80の頻繁な開作動によりベースが100に高められる第2始動口82へ入賞させることは容易であり、第2保留手段Bの保留記憶を常時貯まり勝ちとするのも容易である。
また、天国モード中は、右打ちにより当たり図柄「4」又は「5」若しくは「6」で大当たり当選することにより、合計97.5%の高率で天国モードに滞在するが、当たり図柄「0」〜「3」で大当たり当選することにより、合計2.5%の低率ではあるが天国モードから転落する。この場合、当たり図柄「0」又は「1」で高確になる場合は、左打ちすべきことから、時短なしとしているが、当たり図柄「2」又は「3」で低確が維持される場合は、最大8回の時短遊技が付帯され、この最大8回の時短中に再び大当たり当選することにより天国モードに引き戻すことができるようにしている。その引き戻し確率は、28.9%である。
高確(第2遊技状態)で時短ありの場合は左打ちが有利、低確(第1遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合は右打ちが有利と、同じ時短ありでも、高確と低確とで打ち方が反対になる。一方、演出上の表示装置70等において高確か低確かを積極的に遊技者に知らせる報知はしておらず、第1又は第2特別図柄表示装置SD1,SD2に停止させる当たり図柄が「0」又は「1」なら高確、「2」〜「6」なら低確とそれとなく判断することができる消極的な報知に止めている。従って、一種独特の技術介入要素あるいは攻略要素が加わっており、遊技を一層奥深いものにしている。
もっとも、演出上の表示装置70等において演出図柄L,C,Rの種類を高確用と低確用に区別したり、確変等のメッセージを表示したり、あるいは、背景色を変える等して高確か低確かを積極的に報知してもよい。また、逆に、大当たり抽選用乱数とは別に確率変動決定用乱数に基づいて高確か低確かを振り分け、第1又は第2特別図柄表示装置SD1,SD2の当たり図柄でも高確か低確かを判別不能とし、高確か低確かを完全に非報知として、左打ちか右打ちかを遊技者の運や感等に委ねてもよい。
第1始動入賞に基づいて当たり図柄が「0」、「1」、「2」、「3」何れかで大当たり当選した場合、大当たり遊技後、継続回数を16回とした時短遊技が獲得されるが、当たり図柄「1」又は「3」で獲得される「ナビ無し16」は、左打ちナビランプNLも右打ちナビランプNRもどちらも点灯させないと共に、ナビ表示手段Yも作動させずに表示装置70に左打ちか右打ちかどちらを選ぶべきかのナビ情報も表示させない通常の継続回数16回の時短遊技となる。
第1始動入賞に基づき当たり図柄「0」で大当たり当選し、高確で時短ありの遊技モードとなる場合に獲得される「AT左16」では、ナビ表示手段Yの作動により、再度大当たり当選することにより継続回数のより多い時短遊技の獲得が見込める有利な方の左打ちを選ぶべき旨のナビ情報が表示される。当たり図柄「0」での出玉なし大当たり遊技後、表示装置70に、例えば、「アシストタイム」「ナビに注目!」「左打ち?」「右打ち?」の各開始メッセージを表示させた後、左矢印に「左打ちだ!」のメッセージを重ねたナビ情報が表示される。図14中に「第1遊技状態=確率(低)=低確で」とあるのを、「第2遊技状態=確率(高)=高確で」と読み替えると、実施例5の「AT左16」作動時の状況となる。
このとき、第1周辺制御部SC1側では主制御部MCと矛盾しない制御をすべきことから、主制御部MCの制御により左打ちナビランプNLも同時に点灯させている。表示装置70には、「左打ちだ!」のナビ情報と共に「アシストタイム」の表示を継続させると共に、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示を表示させる。時短遊技の継続回数は、有効な第1及び第2始動入賞により一ずつカウントダウンされる。
第1始動入賞に基づき当たり図柄「2」で大当たり当選し、低確で時短ありの遊技モードとなる場合に獲得される「AT右16」では、ナビ表示手段Yの作動により、再度大当たり当選することにより継続回数のより多い時短遊技の獲得が見込める有利な方の右打ちを選ぶべき旨のナビ情報が表示される。当たり図柄「2」での出玉なし大当たり遊技後、表示装置70に、例えば、「アシストタイム」「ナビに注目!」「左打ち?」「右打ち?」の各開始メッセージを表示させた後、右矢印に「右打ちだ!」のメッセージを重ねたナビ情報が表示される。図15中に「第2(特定)遊技状態=確率(高)=高確で」とあるのを、「第1(特定)遊技状態=確率(低)=低確で」と読み替えると、実施例5の「AT右16」作動時の状況となる。
このとき、第1周辺制御部SC1側では主制御部MCと矛盾しない制御をすべきことから、主制御部MCの制御により右打ちナビランプNLも同時に点灯させている。表示装置70には、「右打ちだ!」のナビ情報と共に「アシストタイム」の表示を継続させると共に、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示を表示させる。時短遊技の継続回数は、有効な第2及び第1始動入賞により一ずつカウントダウンされる。
実施例5の場合も、実施例4に倣い、特典遊技モード第二突入手段T2を設け、第1始動入賞に基づく大当たり仕様において、低確(第1遊技状態(特定遊技状態))で時短ありの場合、当たり図柄が「4」のときも、「5」や「6」のときと同様、最大継続回数が5000回となる時短遊技を獲得でき、天国モードに突入或は滞在できるものとしてもよい。
実施例6は、高確への確率変動が次回大当たり当選まで続くのではなく、所定の上限回数、例えば最大16回の有効な第1又は第2始動入賞に基づく大当たり抽選を上限に、高確を打ち切って低確に戻すという、ST機(スペシャルタイム搭載機)等と称される回数切りタイプの遊技機に適用したものである。
第1始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率及び第2始動入賞に基づく大当たり抽選での当選確率はともに、低確側の第1設定値を、0〜65535の65536個の乱数範囲中に2730個の当選範囲を定めた2730/65536=約1/24、高確側の第2設定値を、同65536個の乱数範囲中に2732個の当選範囲を定めた2732/65536=約1/24とし、低確側の第1設定値となる第1遊技状態(確率(低))の方を特定遊技状態と定め、天国モードは低確で且つ最大5000回継続し得る時短中となり、電源オン時の初期状態あるいは電源オン及びリセットスイッチオン時の初期状態は高確で且つ時短なしの遊技モードから始まるのは、実施例5と同様である。
図18は、上記大当たり当選確率仕様等と共に主制御部MCの遊技プログラムPg上で規定する実施例6の大当たり仕様を一覧表にしたものである。実施例5との相違は、第1始動入賞に基づく大当たり当選判定時の遊技状態が高確のとき、時短なしでも時短ありでも、当たり図柄が「0」の高確に振り分けられる場合(振分け率0.5%)、大当たり遊技後、最大継続回数を32回とし、高確が続く前半16回[iii]については有利な左打ちをすべき旨のナビ情報を表示させ、低確に戻る後半16回[iv]については有利な右打ちをすべき旨のナビ情報を表示させる、「AT両32」と記す、ナビ表示手段Yによるナビ付の時短遊技を獲得できる点である。
図19に、「AT両32」の前半16回[iii]の作動状況を示す。その作動契機となった当たり図柄「0」での大当たり当選に基づく出玉なし大当たり遊技後、表示装置70に、例えば、「アシストタイム」「ナビに注目!」「左打ち?」「右打ち?」の各開始メッセージを表示させた後、左矢印に「左打ちだ!」のメッセージを重ねたナビ情報が表示される。同時に、主制御部MCの制御により左打ちナビランプNLも点灯される。表示装置70には、「左打ちだ!」のナビ情報と共に「アシストタイム」の表示と、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示とが表示される。時短遊技の継続回数は、有効な第1及び第2始動入賞により一ずつカウントダウンされる。
図20に、「AT両32」の後半16回[iv]の作動状況を示す。高確が終わって低確に戻る16回目の大当たり抽選結果の導出後、右矢印に「右打ちだ!」のメッセージを重ねたナビ情報が表示される。同時に、主制御部MCの制御により右打ちナビランプNLも点灯される。表示装置70には、「アシストタイム」の表示と、時短遊技の継続回数のカウントダウン表示とが表示される。時短遊技の継続回数は、有効な第1及び第2始動入賞により一ずつカウントダウンされる。
実施例6のその他の仕様、及び変形仕様は、実施例5と同様である。