JP5684442B2 - 磁気センサ装置 - Google Patents

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本発明は、磁気センサによってトルクや応力などを計測する装置に係り、温度特性を補償した磁気センサ装置に関する。
磁束を検知する磁気センサを有するトルクセンサや応力センサなどの磁気センサ装置においては、使用する温度範囲において、磁気センサ装置のゼロ点および感度を要求精度内に収めるために、温度補償を行う必要がある。磁気センサ装置のゼロ点を温度補償する方式として差動方式がよく知られており、広く採用されている。
差動方式によって磁気センサ装置の感度も幾分温度補償されるものの十分なものではないことから、マイクロコンピュータを搭載した磁気センサ装置も登場している。この種の磁気センサ装置にあっては、センサ部に温度センサを設け、温度多点において磁気センサ装置のゼロ点および感度をマイクロコンピュータのメモリに記憶させ、信号処理によって温度補償をしている。しかしながら、温度校正には長時間の工程を経る必要があるため、磁気センサ装置の価格が高価なものとなってしまう。
ところで、自動車の構成部品に作用するトルクや応力をモニタするためには、ロバスト性が要求されるため、磁歪式トルクセンサや磁歪式応力センサの適用が期待されている。例えば、磁歪の逆効果を利用した応力センサ(磁歪式応力センサ)が、提案されている(非特許文献1参照。)。
Garshelis, Ivan J.,「New types of Magnetoelastic Transducers for Sensing Force Related Parameters」,「SAE Paper」,No.910856,「Sensors and Actuators」,1991年
本発明は、簡素な構成で感度の温度特性を補償し得る磁気センサ装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討した結果、磁気センサとして用いるホール素子やリニアホールICへの供給電圧を変えると磁気センサのゼロ点のみならず磁気センサ感度も変わることに着目し、磁気センサへの供給電圧を制御することによって、磁気センサ装置の感度の温度特性を補償できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は上記知見に基づくものであり、請求項1に記載の本発明の磁気センサ装置は、
磁束を検知する磁気センサが複数個配置されるセンサ部と、
前記磁気センサのそれぞれの出力を差動した値をセンサ出力として出力する差動出力部と、
前記センサ部の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部によって検出した前記センサ部の温度に基づいて、すべての前記磁気センサへの供給電圧を制御することにより、感度の温度特性を補償する電圧制御部と、を有し、
前記センサ部は、磁歪を有する磁性部材と、前記磁性部材に近接した永久磁石と、を含み、前記磁気センサによって、前記磁性部材に作用する応力に依存して変化する前記磁性部材から外部に漏れている漏れ磁束の変化を検知することによって、前記磁性部材に作用する応力を検出する磁歪式応力センサを構成し、
磁歪式応力センサを構成する前記センサ部は、前記磁性部材に作用する応力の方向と、前記永久磁石の着磁方向とがほぼ直交してなる。
請求項1に記載の本発明の磁気センサ装置は、温度検出部によって検出したセンサ部の温度に基づいて、すべての磁気センサへの供給電圧を制御することによって、磁気センサ装置のゼロ点を補償するとともに、感度の温度特性をも補償することができる。さらに、磁歪式応力センサを構成するセンサ部は、磁性部材に作用する応力の方向と、永久磁石の着磁方向とがほぼ直交しているので、永久磁石が発生している磁束のレベルに比べて、漏れ磁束のレベルが低くなっている状態で、応力に依存する変化分を磁気センサによって検知することになるので、磁性部材に作用している応力を精度よく的確に検出することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
まず、図14を参照して、前述した非特許文献1により提案されている磁歪式応力センサの構造および原理について説明する
図14(A)において、201は永久磁石、202は磁気センサであり、中央に位置するコア203は磁歪を有している。永久磁石201の磁束は図示のように分布し、コア203を矢印で示すように磁化する。永久磁石201の磁束は、コア203をも通っている。
コア203に引張応力が働くと、永久磁石201の磁束がコア203をより多く通るようになるために、磁気センサ202を通過する磁束が減少する。一方、コア203に圧縮応力が作用すると、磁束はコア203を通り難くなるため、磁気センサ202を通過する磁束が増加する。このようにして、磁気センサ202からの信号の大きさはコア203に働く応力の大きさを反映することになる。
以上が提案されている磁歪式応力センサの原理である。磁束を発生させるのに電源がいらない点が特徴である。磁気センサ202の位置としては、図14(B)に示すように、AまたはBの位置でもよいことが述べられている。
引張応力と圧縮応力では、磁気センサ202の信号の変化の仕方は、圧縮の方が大きく、そのセンサの定格の範囲において、圧縮にて30から80%の変化があることがデータで示されている。
しかしながら、上記提案においては、パイプ状のコア203の中に円筒状のアルニコ磁石を配置し、パイプの表面に、リニアホールICを置いてデータが取られているものの、原理確認段階の域を出ないものである。さらに、ゼロ点の温度特性はよくない。また、感度の温度補償に関する詳細な記述はない。応力を精度良く的確に検出して磁歪式応力センサの実用化を図るためには、ゼロ点とともに感度の温度特性も補償されることが重要である。
本発明の磁気センサ装置は、温度特性に優れた実用的なものとすべく、以下のように構成されている。
本発明の磁気センサ装置は、磁束を検知する磁気センサが複数個配置されるセンサ部と、磁気センサのそれぞれの出力を差動した値をセンサ出力として出力する差動出力部と、を有している。磁気センサのそれぞれは、ホール素子またはリニアホールICである。
磁気センサ装置によってトルクを計測する態様においては、センサ部は、軸部材に嵌め合わされるリング形状を有しかつ磁歪を有する磁性部材を含み、磁気センサによって、軸部材に作用するトルクに依存して変化する磁性部材からの漏れ磁束の変化を検知することによって、軸部材に作用するトルクを検出する磁歪式トルクセンサを構成している。
また、磁気センサ装置によって応力を計測する態様においては、センサ部は、磁歪を有する磁性部材と、磁性部材に近接した永久磁石と、を含み、磁気センサによって、磁性部材に作用する応力に依存して変化する磁性部材からの漏れ磁束の変化を検知することによって、磁性部材に作用する応力を検出する磁歪式応力センサを構成している。
応力を計測する他の態様においては、センサ部は、磁歪を有する磁性部材と、磁性部材に近接した永久磁石と、を含み、参照機能を果たす側の磁気センサによって、永久磁石の磁束を磁性部材に作用する応力に依存しない状態においてモニタし、他の磁気センサによって、磁性部材に作用する応力に依存して変化する磁性部材からの漏れ磁束の変化を検知することによって、磁性部材に作用する応力を検出する磁歪式応力センサを構成している。
トルクを計測する態様において、磁性材料に関連する温度特性として、主として、リング形状を有する磁性部材(以下、「磁歪リング」とも言う)の温度特性がある。磁歪リングの温度特性は、いわゆる逆磁歪の温度特性であり、温度に対して負であり、100℃あたり数%と推定される。
応力を計測する態様において、磁性材料に関連する温度特性として、主として、磁性部材のうち歪が生じる起歪部の温度特性と、磁束源である永久磁石の温度特性とがある。起歪部の温度特性は、磁歪リングの場合と同様に、逆磁歪の温度特性であり、温度に対して負であり、100℃あたり数%と推定される。永久磁石、例えば、2−17系のサマリウムコバルト(SmCo)磁石の場合の温度特性は、磁束の減少量が100℃あたり−3%程度ある。磁歪式応力センサの感度は永久磁石の磁束量の関数でもある。
一方、ホール素子またはリニアホールICのゼロ点、感度も温度に依存する。いずれも負で、ゼロ点は100℃あたり数%程度であり、感度は10%程度と大きい。
磁気センサ装置からの出力のゼロ点は差動により温度補償可能であるが、感度の温度補償はできない。磁気センサ装置の感度は100℃あたり負で20%程度となってしまうため、感度の温度補償が必須である。
このように、磁歪方式によってトルクや応力などの力学量を計測するに際しては、温度特性を如何に確保するかが課題としてつきまとう。ホール素子またはリニアホールICのゼロ点、感度は温度に依存する。また、永久磁石の磁束も温度に依存して変わる。さらに、逆磁歪の温度依存性もある。ホール素子またはリニアホールICのゼロ点は差動で相殺できる。残された分の温度依存性は、ホール素子またはリニアホールICへの供給電圧を制御することにより相殺できることを見出し、本発明を完成させた。
磁気センサ装置は、力学量センサであり、ゼロ点を補償するとともに、感度の温度特性をも補償した力学量センサを提供できる。
力学量センサは、具体的には、磁歪式トルクセンサや、磁歪式応力センサである。磁歪式であるので、ロバスト性に優れ、温度特性に優れた、廉価なセンサを提供できることになる。
(第1の実施形態)
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る磁気センサ装置101のセンサ部110を示す断面図、図1(B)は、トルクが印加されると発生する漏れ磁束の説明に供する図、図2は、同磁気センサ装置101における温度補償回路を説明するためのブロック図である。第1の実施形態の磁気センサ装置101は、磁歪方式によってトルクを計測するために適用されている。
図2を参照して、第1の実施形態の磁気センサ装置101は、概説すれば、磁束を検知する磁気センサ111、112が複数個配置されるセンサ部110と、磁気センサ111、112のそれぞれの出力を差動した値をセンサ出力として出力する差動出力部121と、センサ部110の温度を検出する温度検出部122と、電圧制御部123と、を有している。電圧制御部123は、温度検出部122によって検出したセンサ部110の温度に基づいて、すべての磁気センサ111、112への供給電圧Vccを制御することにより、磁気センサ装置101の感度の温度特性を補償する。センサ部110の温度信号をもとに、感度の温度特性を補償することから、簡素な回路方式で温度特性を補償することができる。
磁気センサ111、112としては、リニアホールICを用いることができる。省電力で小型であり、センサ特性が良好な磁歪式トルクセンサとなるからである。各磁気センサ111、112からの出力信号Aout、Boutは、差動出力部121に入力される。
温度検出部122として、温度センサを用いることができる。温度センサとしては、例えば熱電対を用いることができる。
室温を基準に温度特性を補償する場合を例に挙げて説明する。温度が上がった場合、逆磁歪の温度依存分だけ感度は下がる。一方、ホール素子やリニアホールICの感度も温度が上がった分減少する。ホール素子やリニアホールICへの供給電圧Vccを室温での感度と同じになるように上げる。この操作により、逆磁歪分と、ホール素子やリニアホールIC分との両者を併せた分の感度の温度補償をすることになる。一方、ホール素子やリニアホールICのゼロ点も供給電圧Vccを上げることにより上がってしまうが、ゼロ点が変わる分は差動により相殺される。室温と例えば100℃との2点で校正を行い、それら間の温度では、センサ部110に設けた例えば熱電対による温度信号をもとにリニアな温度補正、すなわち供給電圧制御を行えば、温度特性の補償が行えることになる。
図1(A)を参照して、センサ部110は、磁歪式トルクセンサを構成しており、軸部材113に嵌め合わされるリング形状を有しかつ磁歪を有する磁性部材114(磁歪リング114とも称する)を含んでいる。磁気センサ111、112によって、軸部材113に作用するトルクに依存して変化する磁歪リング114からの漏れ磁束の変化を検知することによって、軸部材113に作用するトルクを検出する。軸部材113に嵌め合わされた磁歪リング114を用いる方式の磁歪式トルクセンサであるから、省電力・小型なセンサとして有用である。
磁歪リング114の外周面に近接して、2個の磁気センサ111、112が配置されている。磁歪リング114は周方向に着磁されている。このため、軸部材113にトルクが印加されていないときには、磁歪リング114からの漏れ磁束は発生しない。一方、軸部材113にトルクが印加されたときには、図1(B)に示すように漏れ磁束が発生する。2個の磁気センサ111、112が図1(A)のように配置されているので、それぞれの磁気センサ111、112に入力する磁束は逆向きとなる。なお、磁気センサ111、112のそれぞれは、径方向の磁束成分を検知している。
磁性部材114は、マルエージング鋼から形成することが好ましい。マルエージング鋼は高強度であるため、応力レベルを高くでき、十分な検出感度を得ることができるからである。また、同材を用いると、ヒステリシスのない良好なセンサ特性である磁歪式トルクセンサとすることができるからである。このように、マルエージング鋼の適用は、磁歪式応力センサのロバスト性、感度およびセンサ特性に関して好ましい。
磁性部材114は、18%Ni系のマルエージング鋼(18%Ni−9%Co−5%Mo−Fe)から形成することがより好ましい。18%Ni系のマルエージング鋼は磁歪が大きいからである。
さらに、磁性部材114は、18%Ni系のマルエージング鋼から形成され、時効処理されていることが好ましい。時効状態で使用すると、ヒステリシスのない良好なセンサ特性となるからである。
磁気センサ111、112の外側には、板状のヨーク115が配置されている。ヨーク115は、軟磁性材から形成され、集磁効果等の機能を果たしている。
ヨーク115に、温度センサ122が取り付けられている。温度センサ122によって、センサ部110の温度をモニタする。
図2に示すように、温度センサ122により計測される温度によって、磁気センサ111、112への供給電圧Vccを制御することにより、磁歪式トルクセンサの温度補償を達成することができる。図のように磁気センサ111、112からの出力信号が差動出力部121に入力され、差動された出力が、磁歪式トルクセンサのセンサ出力となる。
温度センサ122からの信号は、電圧制御部123へ入力され、温度センサ122からの信号に基づいて、磁気センサ111、112への供給電圧Vccが制御される。磁気センサ111、112の感度、逆磁歪の温度依存が供給電圧Vccの制御により、温度補償される。
温度補償を行うには、温度の異なる2点における感度が同じになるように、予め電圧制御部123を校正する必要がある。2点の温度の間は線形補間し、その外側では線形で外挿する。
温度校正は、次のようにして行う。まず、基準温度(例えば、20℃)において、磁気センサ装置101の感度を測定する。その後、センサ部110を例えば100℃として、磁気センサ装置101の感度を測定する。すると感度が減少してしまう。磁歪感度が温度に依存すること、および磁気センサ111、112であるリニアホールICの感度が温度に依存することが主な要因である。特に後者の温度依存性が大きい。センサ部110が100℃のときにも、磁気センサ装置101の感度が基準温度のときと同じになるように、磁気センサ111、112への供給電圧Vccを上げるように、電圧制御部123を設定する。このようにすれば、任意の温度で感度のリニア補正を行うことができる。但し、基準温度よりも低温のときは、リニアの外挿とはなる。なお、供給電圧Vccを変えると磁気センサ111、112のゼロ点が変わるが、ゼロ点の変動は差動により相殺される。
第1の実施形態のセンサ部110を製作した。
磁歪リング114の幅は13mm、外径は14.16mm、軸径は12.64mmであった。磁歪リング114は、マルエージング鋼(日立金属(株)製、商品名YAG300、18%Ni−9%Co−5%Mo−Fe)を用いて作製した。固溶化および時効熱処理を施した。固溶化処理は真空中にて820℃×1時間保持し、その後、室温まで冷却した。その後、時効処理は真空中にて490℃×5時間保持し、その後、空冷した。
軸部材113は、SUS303を用いて作製した。この軸部材113に磁歪リング114を冷やし嵌めした。磁歪リング114への周着磁は、軸部材113にリングを嵌め合わせた後で、軸部材113に約10000Aの電流を通電することに行った。図1(A)の状態におけるセンサ感度はトルク15Nm印加したときに、約36Gであった。
ヨーク115はPB(Ni−Fe)パーマロイ(軟磁性材)製で、厚さ1mmの板状のものを用いた。ヨーク形状に機械加工後、1200℃で2hr、純水素中にて熱処理を行った。
磁気センサ111、112として、InAs高感度ホール素子を用いた、リニアホールICを使用した。磁気感度は約7mV/Gであった。
温度校正は、次のように行った。まず、20℃において、磁気センサ装置101の感度を測定した。その後、センサ部110を100℃として、磁気センサ装置101の感度を測定した。感度は減少した。センサ部110が100℃のときにも、磁気センサ装置101の感度が20℃のときと同じになるように、磁気センサ111、112であるリニアホールICへの供給電圧Vccを上げるように、電圧制御部123を設定した。
磁気センサ装置101の温度特性の測定結果を図3に示す。縦軸の感度比は、センサ出力を20℃における値を基準として正規化した感度である。供給電圧Vccの制御をしないときの感度は破線によって示され、供給電圧Vccの制御をしたときの感度は実線によって示される。100℃のときには、供給電圧Vccの制御をしないと、磁気センサ装置101の感度が約10%も減少してしまう。供給電圧Vccの制御をすることにより、温度が変化しても、感度は略一定となっており、−20℃から100℃の範囲において良好に感度の温度補償が行われていることが確認できた。したがって、磁気センサ装置101の精度を保障するためには、磁気センサ装置101の感度の温度補償が必須であり、本技術が必要不可欠であることがわかった。
(第2の実施形態)
図4(A)は、本発明の第2の実施形態に係る磁気センサ装置102のセンサ部110を示す断面図、図4(B)は、永久磁石117の漏れ磁束の説明に供する図、図5は、磁歪式応力センサのセンサ特性を示すグラフ、図6は、2つの磁気センサ111、112の出力特性についての説明図、図7は、同磁気センサ装置102における温度補償回路を説明するためのブロック図である。第2の実施形態の磁気センサ装置102は、磁歪方式によって応力を計測するために適用されている。第1の実施形態と共通する部材には同じ符号を付して、その説明は一部省略する。
図7を参照して、第2の実施形態の磁気センサ装置102は、磁束を検知する磁気センサ111、112が複数個配置されるセンサ部110と、磁気センサ111、112のそれぞれの出力を差動した値をセンサ出力として出力する差動出力部124と、センサ部110の温度を検出する温度検出部122と、電圧制御部123と、を有している。電圧制御部123は、温度検出部122によって検出したセンサ部110の温度に基づいて、すべての磁気センサ111、112への供給電圧Vccを制御することにより、磁気センサ装置102の感度の温度特性を補償する。
磁気センサ111、112としては、リニアホールICを用いることができる。各磁気センサ111、112からの出力信号Aout、Boutは、差動出力部124に入力される。
温度検出部122として、温度センサ122を用いることができる。温度センサ122としては、例えば熱電対を用いることができる。
図4(A)を参照して、センサ部110は、磁歪式応力センサを構成しており、磁歪を有する磁性部材116と、磁性部材116に近接した永久磁石117と、を含んでいる。磁気センサ111、112によって、磁性部材116に作用する応力に依存して変化する磁性部材116からの漏れ磁束の変化を検知することによって、磁性部材116に作用する応力を検出する。
磁性部材116は、中空パイプ形状を有している。このパイプ状の磁性部材116を、「磁歪パイプ116」とも称する。応力(引張応力または圧縮応力)は、磁歪パイプ116の軸方向に印加される(矢印116aを参照)。磁歪パイプ116の中空穴内に、円筒磁石が配置されている。円筒磁石は、軸方向(矢印117aを参照)に着磁されている。円筒磁石は、永久磁石117から形成されている。永久磁石117としては、サマリウムコバルト(SmCo)磁石が好適であるが、これに限定されるものではない。永久磁石117は、磁束を発生させるための電源および巻き線が不要であり、省電力化、小型化およびコスト低減の点で好ましい。永久磁石117の磁束は、図4(B)に示すように、磁歪パイプ116の外部に漏れている。2個の磁気センサ111、112が図4(A)のように配置されているので、それぞれの磁気センサ111、112に入力する磁束は逆向きとなる。なお、磁気センサ111、112のそれぞれは、径方向の磁束成分を検知している。
磁歪パイプ116に引張応力が働くと、磁束は磁歪パイプ116を通りやすくなるため、磁歪パイプ116の外への漏れ磁束は少なくなる。逆に、磁歪パイプ116に圧縮応力が働くと、磁束は磁歪パイプ116を通り難くなるため、磁歪パイプ116の外への漏れ磁束が増す。磁気センサ111、112によって外部への漏れ磁束の変化を検知することにより、軸力を検知することができる。
磁性部材116は、第1の実施形態と同様に、マルエージング鋼から形成することが好ましい。
磁気センサ111、112の外側には、第1の実施形態と同様に、板状のヨーク115が配置されている。
ヨーク115に、温度センサ122が取り付けられている。温度センサ122によって、センサ部110の温度をモニタする。
第2の実施形態のセンサ部110を製作した。
磁歪パイプ116の外径は13mm、内径は11mmであった。磁歪パイプ116は、第1の実施形態と同様のマルエージング鋼を用いて作製した。ヨーク115も第1の実施形態と同様に形成した。磁気センサ111、112も第1の実施形態と同様のものを用いた。永久磁石117には、直径φ10mm、長さ7mmのSmCo磁石を用いた。磁石単体での端面での磁束密度は約4kGであった。
センサ特性を図5に示した。横軸は応力換算した値である。感度は、圧縮応力が作用したときの方が、引張応力が作用したときよりも多少高くなっていた。
図6を参照して、リニアホールICを用いた磁気センサ111、112の出力特性について説明する。圧縮応力のときには、A(磁気センサ111)は増加し、B(磁気センサ112)も増加するが、逆方向に増加する。また引張応力のときには、Aは減少し、Bも減少するが、逆方向で減少する。磁束は両方とも増加、または減少するが、リニアホールICを通過する向きが逆なので、上述した説明のようになる。A,Bを差動するとA0−B0分がゼロ点での値として残り、しかも、この分が変化分に対して大きいので、不都合である。したがってA0−B0分を差し引いたものをセンサ出力とする方が好ましい。図7にセンサ信号処理のブロック図において差動出力部124と示してあるが、第1の実施形態の差動出力部121と符号を異ならせたのは、単なる差動でないことを示しており、ゼロ点での値をゼロにする(差し引いている)ことを示している。
さて、A,Bにおける変化分の大きさはほぼ同じであり、向きのみ反対なので、A+Bの値はほぼ一定である(図6参照)ことにも注目する必要がある。
第1の実施形態と本質的に異なる点は、外力ゼロにおいても、A,Bはかなりの大きさの出力になっている点である。すなわち、図6において、外力ゼロにおけるA0,B0の値はそれなりに大きい。それは、図4(B)において、外力ゼロでも、永久磁石117の漏れ磁束が最初からそれなりの大きさであるからである。それに比べると、第1の実施形態の場合においては、トルクゼロにおける漏れ磁束はかなり小さい。したがって、A0、B0の値は、リニアホールICのゼロ点と感度の両方により決められているのである。
感度の温度補償は、第1の実施形態と同様に、センサ部110に温度センサ122を設けてあり、温度を検知しながら、リニアホールICへの供給電圧Vccを制御すれば行える。
温度校正は、第1の実施形態と同様に、まず、20℃において、磁気センサ装置102の感度を測定し、その後、センサ部110を100℃として、磁気センサ装置102の感度を測定した。センサ部110が100℃のときにも、磁気センサ装置102の感度が20℃のときと同じになるように、磁気センサ111、112であるリニアホールICへの供給電圧Vccを上げるように、電圧制御部123を設定した。
磁気センサ装置102の温度特性の測定結果を図8に示す。縦軸の感度比は、センサ出力を20℃における値を基準として正規化した感度である。供給電圧Vccの制御をしないときの感度は破線によって示され、供給電圧Vccの制御をしたときの感度は実線によって示される。100℃のときには、供給電圧Vccの制御をしないと、磁気センサ装置102の感度が約16%も減少してしまう。供給電圧Vccの制御をすることにより、温度が変化しても、感度は略一定となっており、−20℃から100℃の範囲において良好に感度の温度補償が行われていることが確認できた。したがって、磁気センサ装置102の精度を保障するためには、磁気センサ装置102の感度の温度補償が必須であり、本技術が必要不可欠であることがわかった。センサ感度が減少する主な要因には、第1の実施形態の場合の要因に加えて、永久磁石117の磁束の温度依存性分が加わる。
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る磁気センサ装置103における温度補償を説明するためのブロック図である。第3の実施形態の磁気センサ装置103は、第2の実施形態と同様に、磁歪方式によって応力を計測するために適用されているが、センサ信号処理の点で第2の実施形態と相違している。
図9を参照して、第3の実施形態の磁気センサ装置103にあっては、電圧制御部126は、磁気センサ111、112のそれぞれの出力の和に基づいて、すべての磁気センサ111、112への供給電圧Vccを制御している。より詳しくは、電圧制御部126は、磁気センサ111、112のそれぞれの出力の和を一定に保つように、すべての磁気センサ111、112への供給電圧Vccを制御している。この磁気センサ装置103によっても、磁気センサ装置103のゼロ点を補償するとともに、感度の温度特性をも補償することができる。
磁気センサ111、112であるリニアホールICの両出力が加算回路125に入力され、磁気センサ111、112の出力が加算された加算回路125からの信号が、電圧制御部126に入力される。電圧制御部126では、加算回路125からの信号(リニアホールICの出力の和を表す信号)が常に一定に保たれるように、供給電圧Vccが制御される。
センサ部110は、第2の実施形態と同様の、磁歪式応力センサを構成している。但し、センサ部110の温度をモニタする温度センサ122は設けられていない。
第2の実施形態において説明したように、A+Bの値はほぼ一定であるから、和が一定になるように、リニアホールICへの供給電圧Vccを制御すればよい。このようなセンサ信号処理が図9のブロック図に示されている。図8に示した結果とほぼ同様な結果が得られた。
第3の実施形態における温度補償方式の有利な点は、上述した第1と第2の実施形態では少なくとも2点で温度校正を行う必要があったのに対して、このような温度校正が不必要になる点である。すなわち、室温にて、A+Bがコンスタントになるように、リニアホールICへの供給電圧Vccの制御を設定すれば事足りる。感度の温度補償が行われる理由は、第2の実施形態において既に説明したように、リニアホールICの感度がA,B(磁気センサ111、112)の出力の大きさを決めているからである。
電圧制御部126は、磁気センサ111、112のそれぞれの出力のうち、室温における最初のゼロ点分を差し引いた出力の和を一定に保つように、すべての磁気センサ111、112への供給電圧Vccを制御してもよい。出力の和、または感度分の和を用いてもゼロ点と感度の温度補償を行うことができる。
(第4の実施形態)
図10(A)は、本発明の第4の実施形態に係る磁気センサ装置104のセンサ部110の前提となる磁歪式応力センサ11の基本構成を示す断面図、図10(B)は、図10(A)の10B−10B線に沿う断面図、図10(C)は、図10(A)に示される磁歪式応力センサを、応力が作用する部材に取り付けた状態を示す断面図である。図11は、本発明の第4の実施形態に係る磁気センサ装置104のセンサ部110の詳細を示す断面図である。図12は、同磁気センサ装置104における温度補償回路を説明するためのブロック図である。第4の実施形態の磁気センサ装置104は、磁歪方式によって応力を計測するために適用されている。
図10(A)を参照して、磁歪式応力センサ11は、磁歪を有する磁性部材20と、磁性部材20に近接して配置された永久磁石30と、磁性部材20に対して永久磁石30と反対側における漏れ磁束を検知する磁気センサ40と、を備えている。磁性部材20に作用する応力に依存して漏れ磁束が変化するが、その漏れ磁束の変化を磁気センサ40によって検知することによって、磁性部材20に作用する応力を検出する。磁歪式応力センサ11にあっては、磁性部材20に作用する応力の方向(矢印21参照)と、永久磁石30の着磁方向(矢印31参照)とが、ほぼ直交している。
磁性部材20は、板形状を有し、歪を生じる起歪部22と、起歪部22の両端に設けられた一対の脚部23とを含んでいる。着磁方向に直交する永久磁石30の両端面32a、32bのうち一方の端面32aが起歪部22に向かい合っている。永久磁石30は、起歪部22に接した状態で配置されている。
図10(B)を参照して、磁性部材20は、応力の方向に対して直交する断面形状における両端部の厚みが中央部に比べて厚いフランジ部24が設けられている。
図10(C)を参照して、磁歪式応力センサ11は、磁性部材20の脚部23を介して、応力が作用する対象部材50に取り付けられている。応力が作用する対象部材50として、例えば、自動車の足回り部品を挙げることができる。脚部23を対象部材50に接合することにより、対象部材50に作用する応力を検知する。起歪部22は一対の脚部23を介して対象部材50に接合されるため、対象部材50の変形が不均一であっても、平均的な応力が、起歪部22に負荷される。脚部23と対象部材50との接合は、電子ビームによる溶接や、ロー付けなどの公知の接合方法を適宜採用することができる。
この磁歪式応力センサ11では、磁性部材20に作用する応力方向(矢印21)と、永久磁石30の着磁方向(矢印31)とがほぼ直交している。図14に示した従来提案されている磁歪式応力センサにあっては、磁性部材に作用する応力方向と、永久磁石の着磁方向とがほぼ平行である。この点において磁歪式応力センサ11は、従来例とは異なっている。本件の発明者らは、鋭意検討の結果、磁性部材20に作用する応力方向と永久磁石30の着磁方向とがほぼ直交するレイアウトにすることによって、安定かつ良好な特性が得られることを見出した。
すなわち、板状の磁性部材20の磁化は、永久磁石30の磁界によって拘束されているが、磁性部材20に圧縮力が働くと、磁歪の逆効果によって、板面に垂直な磁化が増え(磁歪が正の場合、負の場合は逆となる)、漏れ磁束が増えるものと考えられる。逆に、磁性部材20に引張力が働くと、板面に平行な磁化が増えるため、漏れ磁束が減ると解釈される。
磁性部材20に作用する応力方向と永久磁石30の着磁方向とがほぼ直交しており、磁性部材20に対して永久磁石30と反対側における漏れ磁束の、応力に依存する変化分を検知している。永久磁石30が発生している磁束のレベルに比べて、漏れ磁束のレベルが低くなっている。この状態で、応力に依存する変化分を磁気センサ40によって検知することになるので、磁性部材20に作用している応力を精度よく的確に検出することができる。
また、磁性部材20を板形状としたので、実応力が高くでき、部材に働く応力検知を感度よく行うことができる。
さらに、磁性部材20の応力方向に対する垂直な断面形状において、両端部の厚さが厚くなっているので、圧縮力が働いても板が座屈することがないから、板を薄くでき、圧縮の応力レベルを上げられることになる。したがって、引張力ばかりでなく圧縮力をも感度よく検知することができ、圧縮力にも高感度なセンサを得ることができる。
磁性部材20は、第1の実施形態と同様に、マルエージング鋼から形成することが好ましい。
永久磁石30としては、サマリウムコバルト(SmCo)磁石が好適であるが、これに限定されるものではない。
漏れ磁束を検知する磁気センサ40としては、リニアホールICを用いることができる。省電力で小型であり、センサ特性が良好な磁歪式応力センサとなるからである。
なお、本明細書において、「応力方向と着磁方向とがほぼ直交する」とは、図14の従来の磁歪式応力センサとの対比において用いた概念であり、応力方向と着磁方向とが厳密に直交する場合のほか、図14の磁歪式応力センサとの対比において応力を精度よく的確に検出できる範囲である限りにおいて、若干傾斜する場合も含まれると理解されなければならない。
図11を参照して、センサ部110には、着磁方向に直交する永久磁石30の両端面32a、32bのうち磁性部材20に向かい合う端面32aとは反対側の端面32bに向かい合って、磁性部材20と同じ材料から形成されたヨーク60が配置されている。ヨーク60は、永久磁石30の端面32bに接し、永久磁石30を覆うように設けられ、さらには、磁性部材20の起歪部22における歪を阻害することがないように配置されている。
永久磁石30にヨーク60を設けることによって、磁石のパーミアンスを上げることと等価になるため、パーミアンスが高い状態で永久磁石30を利用でき、安定した磁石特性を利用することができる。したがって、薄い磁石を用いることができ、磁歪式応力センサ11の小型化を図ることができる。また、磁性部材20と同じ材料からヨーク60を作製してあるので、後述するが、磁歪式応力センサにおける温度特性を確保できる。
永久磁石30の両端面32a、32bのうちの一方の端面32aが向かい合う部分における磁性部材20の厚みと、永久磁石30の両端面32a、32bのうちの他方の端面32bが向かい合う部分におけるヨーク60の厚みとが同じであることが好ましい。つまり、磁性部材20の起歪部22の厚みと、ヨーク60のうち起歪部22に向かい合う部分の厚みとが同じであることが好ましい。磁歪式応力センサにおける温度特性を良好なものとすることができるからである。
センサ部110は、磁気センサ40とは別個に、永久磁石30の磁束を磁性部材20に作用する応力に依存しない状態においてモニタするセンサ45をさらに有している。センサ45は、ヨーク60の外側に配置されている。センサ45により、永久磁石30の磁束を検知している。そして、磁気センサ40およびセンサ45の両者の出力を差動した出力をセンサ出力としている。センサ45も、磁気センサである。磁気センサ40、45は、起歪部の板面に垂直な方向の磁束成分を検知している。
磁気センサ45の働きは第2の実施形態の場合とは大きく異なっている。第2の実施形態の場合には応力検知機能を担っていたが、本実施形態の場合には、その役割は無く、永久磁石30の磁束レベルをモニタする機能を果たす(磁気センサ45の出力は、ほとんど応力に依存しないが、完全に依存しないわけではない)。
応力を検知する磁気センサ40と、永久磁石30の磁束を応力に依存しない状態においてモニタする磁気センサ45との2つを設け、両者の出力を差動した出力を磁歪式応力センサの出力とすることによって、温度特性に優れた磁歪式応力センサとすることができる。すなわち、ヨーク60と起歪部22とが同じ材料、同じ厚さであるから、応力の印加がないときのアクティブな磁気センサ40の配置位置における漏れ磁束と、磁石磁束モニタ用のダミーの磁気センサ45の配置位置における漏れ磁束とを、ほぼ同じ大きさにすることができる。そして、アクティブな磁気センサ40とダミーの磁気センサ45とを差動させて、磁歪式応力センサの出力とすることによって、温度特性に優れた磁歪式応力センサとすることができる。
アクティブ側の磁気センサ40の両面40a、40bのうち磁性部材20に向かい合う面40aとは反対側の面40bに向かい合って、軟磁性材料から形成された磁気センサ40用のヨーク70が配置されている。ヨーク70は、磁気センサ40を覆うように設けられ、さらには、磁性部材20の起歪部22における歪を阻害することがないように配置されている。
軟磁性材料としては、保磁力が小さい材料である、電磁鋼板、電磁軟鉄、ソフトフェライト、パーマロイなどを用いることができる。
磁気センサ40にヨーク70を設けることによって、集磁効果があるので、磁気センサ40の感度を約倍程度に高めることができる。また、磁気センサ40の位置設定に対して磁気センサ特性が鈍感になるというメリットがある。さらに、外部からの磁界に対して、磁気センサ40をシールドすることになるから、外部磁界に対する耐性を向上させることができる。
ダミー側の磁気センサ45にも、ヨーク75を設けてある。ダミー側の磁気センサ45の両面45a、45bのうちヨーク60に向かい合う面45aとは反対側の面45bに向かい合って、磁気センサ45用のヨーク75が配置されている。ヨーク75も上述した軟磁性材料から形成されている。ヨーク75は、磁気センサ45を覆うように設けられている。このヨーク75も、ヨーク70と同様の機能を発揮する。
ヨーク70、75を対称な構造にすることにより、リニアホールICにおける漏れ磁束量をほぼ同じとすることができる。
第4の実施形態のセンサ部110を製作した。
磁歪を有する磁性部材20は、マルエージング鋼(日立金属(株)製、商品名YAG300、18%Ni−9%Co−5%Mo−Fe)を用いて作製した。磁性部材20の板形状の起歪部22は、最小厚さ0.5mm、幅10mmであった。幅方向の両端に設けたフランジ部24は、幅1.5mm、厚さ1.5mmであった。磁性部材20を機械加工によって作製した後、固溶化および時効熱処理を施した。固溶化処理は真空中にて820℃×1時間保持し、その後、室温まで冷却した。その後、時効処理は真空中にて490℃×5時間保持し、その後、空冷した。
永久磁石30として、円筒状の薄肉磁石を、軸方向に着磁して用いた。直径φ3mm、長さ3.5mmのSmCo磁石を用いた。磁石は10Tのパルス磁界で着磁してから、200℃で1時間、熱枯らしを行った。熱枯らし後の磁石単体での端面の磁束密度は約4.1kGであった。
磁気センサ40、45として、高感度InAsホール素子を内臓したリニアホールICを用いた。磁気感度は約7mV/Gであった。
永久磁石30用のヨーク60も、マルエージング鋼を用いて作製した。ヨーク60の厚さは0.5mmとした。
磁気センサ40、45用のヨーク70、75は、PBパーマロイを用いて作製した。機械加工後、1200℃で2時間、純水素中にて熱処理を行った。
磁性部材20の脚部23を鋼製の板状部材(図10(C)の対象部材50に相当)に電子ビーム溶接にて接合した。
そして、板状部材に荷重を印加して試験したところ、ヒステリシスのない良好なセンサ特性が得られた。起歪部22にて応力換算したとき、圧縮にて200MPaで25Gの感度となっていた。引張では感度が若干小さかった。
図12は、第4の実施形態の温度補償回路のブロック図である。
第4の実施形態の磁気センサ装置104は、概説すれば、磁束を検知する磁気センサ40、45が複数個配置されるセンサ部110と、磁気センサ40、45のそれぞれの出力を差動した値をセンサ出力として出力する差動出力部121と、電圧制御部127と、を有している。電圧制御部127は、複数の磁気センサ40、45のうち参照機能を果たす側の磁気センサ45の出力に基づいて、すべての磁気センサ40、45への供給電圧Vccを制御することにより、磁気センサ装置104の感度の温度特性を補償する。より詳しくは、電圧制御部127は、参照機能を果たす側の磁気センサ45の出力を一定に保つように、すべての磁気センサ40、45への供給電圧Vccを制御している。AがアクティブなリニアホールICであり、Bが参照機能を果たす側のダミーリニアホールICである。Bの出力を常に一定になるように供給電圧Vccを制御した。
磁歪式応力センサとしての磁気センサ装置104の場合には、永久磁石30の磁束をモニタしている磁気センサ45の出力を、トルクセンサの場合(第1の実施形態)の温度情報の代わりに用いている。永久磁石30、起歪部22(逆磁歪分も含めて)等の磁性材料分の温度情報と、磁気センサ40、45分の温度情報とを、モニタ出力が含んでいるわけである。したがって、第4の実施形態のように、モニタ出力(参照機能を果たす側の磁気センサ45の出力)が例えば室温での値と変わらないように、両磁気センサ40、45への供給電圧Vccを制御することにより、感度の温度補償を達成することができる。供給電圧Vccを上げると磁気センサ40、45のゼロ点も上がるが、差動によって、ゼロ点の変更された分は相殺される。磁性材料よる感度の温度依存分と磁気センサ40、45の感度の温度依存分を併せて補償していることになる。応力センサにおける、逆磁歪感度は、永久磁石30の磁束量にも依存している。この温度補償方式の優れた点は、温度試験による校正が不要であるという点である。
このように、磁気センサ装置104のゼロ点を差動によって補償でき、磁気センサ40、45の感度の温度依存性、磁石磁束の温度依存性、逆磁歪の温度依存性を補償でき、温度特性に優れた磁歪式応力センサとすることができる。基本的な原理は、供給電圧Vccが増すと、ホールICのゼロ点、および感度が増加するという点にある。この点に着目して、本発明を完成することができた。
逆磁歪の温度依存性は、磁石磁束が、マルエージング鋼の磁化の温度依存性を介して感知されているために、補償できていると考えられる。そのような構成に磁石ヨークを同材で作製していることに工夫が入れてあるわけである。
磁気センサ装置104の温度特性の測定結果を図13に示す。縦軸の感度比は、センサ出力を20℃における値を基準として正規化した感度である。供給電圧Vccの制御をしないときの感度は破線によって示され、供給電圧Vccの制御をしたときの感度は実線によって示される。100℃のときには、供給電圧Vccの制御をしないと、磁気センサ装置104の感度が約16%も減少してしまう。供給電圧Vccの制御をすることにより、温度が変化しても、感度は略一定となっており、−20℃から100℃の範囲において良好に感度の温度補償が行われていることが確認できた。したがって、磁気センサ装置104の精度を保障するためには、磁気センサ装置104の感度の温度補償が必須であり、本技術が必要不可欠であることがわかった。
磁気センサ40、45のゼロ点が大きい場合の対処方法として、電圧制御部127は、参照機能を果たす側の磁気センサ45の出力のうち、室温における最初のゼロ点分を差し引いた出力を一定に保つように、すべての記磁気センサ40、45への供給電圧Vccを制御してもよい。
磁気センサ40、45のゼロ点はゼロVに近いほうがよいが、いつもそうであるとは限らない。例えばゼロ点が絶対値で0.1Vより離れている場合には、モニタの感度分が常に一定になるように、供給電圧Vccを制御すればよい。このような制御により、より一層良好な感度の温度補償を達成することができる。
(第5の実施形態)
センサ部110を第4の実施形態と同様に構成し、図12に示した温度補償に代えて、第3の実施形態と同様の、図9に示した温度補償を行った。
磁気センサ装置の温度特性の測定結果は図13に示した結果とほぼ同様の結果が得られた。
つまり、応力検知用の磁気センサ40と、永久磁石30の磁束をモニタするもう一つの磁気センサ45とを備え、磁歪式応力センサとしての磁気センサ装置の出力として、両磁気センサ40、45の出力を差動するとともに、両磁気センサ40、45の出力の和を常に一定に保つように、両磁気センサ40、45への供給電圧Vccを制御することによっても、良好に感度の温度補償を行うことができ、ゼロ点と感度の温度特性を補償した磁歪式応力センサとすることができる。
以上説明してきたように、本発明によれば、省電力小型の力学量センサである磁歪式のトルクセンサ、ならびに応力センサを実現できる。しかも、磁歪式ならではのロバスト性があり、温度特性も補償されていることから、その有用性は飛躍的に向上している。また、センサの温度校正試験つまり校正工程が簡素でよいので、コストの点で有利であり、廉価な磁気センサ装置を提供できる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
例えば、磁気センサ111,112、40、45は、リニアホールICに限定されず、省電力化および小型化の観点から、ホール素子やGMR(Giant Magneto Resistance Effect)センサを適用することも可能である。
磁性部材114、116、20には、マルエージング鋼に限定されず、例えば、良好な磁歪効果を有するFeAl合金(例えば、アルフェル)、FeCoV合金(例えば、パーメンジュール)、FeGa合金、FeGaAl合金(例えば、ガルフェノール)を適用することも可能である。
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る磁気センサ装置のセンサ部を示す断面図、図1(B)は、トルクが印加されると発生する漏れ磁束の説明に供する図である。 同磁気センサ装置における温度補償回路を説明するためのブロック図である。 同磁気センサ装置の温度特性の測定結果を示すグラフである。 図4(A)は、本発明の第2の実施形態に係る磁気センサ装置のセンサ部を示す断面図、図4(B)は、永久磁石の漏れ磁束の説明に供する図である。 磁歪式応力センサのセンサ特性を示すグラフである。 2つの磁気センサの出力特性についての説明図である。 同磁気センサ装置における温度補償回路を説明するためのブロック図である。 同磁気センサ装置の温度特性の測定結果を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る磁気センサ装置における温度補償を説明するためのブロック図である。 図10(A)は、本発明の第4の実施形態に係る磁気センサ装置のセンサ部の前提となる磁歪式応力センサの基本構成を示す断面図、図10(B)は、図10(A)の10B−10B線に沿う断面図、図10(C)は、図10(A)に示される磁歪式応力センサを、応力が作用する部材に取り付けた状態を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る磁気センサ装置のセンサ部の詳細を示す断面図である。 同磁気センサ装置における温度補償回路を説明するためのブロック図である。 同磁気センサ装置の温度特性の測定結果を示すグラフである。 図14(A)(B)は、従来の磁歪式応力センサの構造および原理を示す説明図である。
符号の説明
20 磁性部材、
21 磁性部材に作用する応力の方向を示す矢印、
22 起歪部、
23 脚部、
24 フランジ部、
30 永久磁石、
31 永久磁石の着磁方向を示す矢印、
32a、32b 永久磁石の両端面、
40 アクティブ側の磁気センサ、
40a、40b 磁気センサの両面、
45 ダミー側の磁気センサ(参照機能を果たす側の磁気センサ)、
60 ヨーク、
70 磁気センサ40用のヨーク、
75 磁気センサ45用のヨーク、
101、102、103、104 磁気センサ装置、
110 センサ部、
111、112 磁気センサ、
113 軸部材、
114 磁歪リング(磁性部材)、
115 ヨーク、
116 磁歪パイプ(磁性部材)、
117 永久磁石、
121、124 差動出力部、
122 温度検出部、温度センサ、
123、126、127 電圧制御部、
125 加算回路、
Vcc 磁気センサへの供給電圧。

Claims (7)

  1. 磁束を検知する磁気センサが複数個配置されるセンサ部と、
    前記磁気センサのそれぞれの出力を差動した値をセンサ出力として出力する差動出力部と、
    前記センサ部の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部によって検出した前記センサ部の温度に基づいて、すべての前記磁気センサへの供給電圧を制御することにより、感度の温度特性を補償する電圧制御部と、を有し、
    前記センサ部は、磁歪を有する磁性部材と、前記磁性部材に近接した永久磁石と、を含み、前記磁気センサによって、前記磁性部材に作用する応力に依存して変化する前記磁性部材から外部に漏れている漏れ磁束の変化を検知することによって、前記磁性部材に作用する応力を検出する磁歪式応力センサを構成し、
    磁歪式応力センサを構成する前記センサ部は、前記磁性部材に作用する応力の方向と、前記永久磁石の着磁方向とがほぼ直交してなる、磁気センサ装置。
  2. 磁歪式応力センサを構成する前記センサ部は、前記磁性部材に対して前記永久磁石と反対側における漏れ磁束を検知する方式であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
  3. 磁歪式応力センサを構成する前記センサ部は、前記磁性部材が板形状を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
  4. 磁歪式応力センサを構成する前記センサ部は、前記磁性部材の、前記応力の方向に対して直交する断面形状における両端部の厚みが中央部に比べて厚いことを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ装置。
  5. 前記永久磁石の両端面のうち前記磁性部材に向かい合う端面とは反対側の端面に向かい合って、前記磁性部材と同じ材料から形成されたヨークが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
  6. 前記永久磁石の前記両端面のうちの一方が向かい合う部分における前記磁性部材の厚みと、前記永久磁石の前記両端面のうちの他方が向かい合う部分における前記ヨークの厚みとが同じであることを特徴とする請求項5に記載の磁気センサ装置。
  7. 前記磁性部材がマルエージング鋼から形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
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