JP4993401B2 - 応力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば各種機械部品に働く応力のセンシング技術に係わり、さらに具体的には、磁歪の逆効果を利用して、磁歪を有する部材に作用する応力を検出することができる応力センサに関するものである。
例えば、自動車における足回りの軸力を、廉価で、ロバスト性に優れたセンサによって検知することができれば、新たな車輌制御の実現につながる可能性があるため、廉価で小型な応力センサの潜在的な要望は少なくないものと考えられる。しかし、そのようなセンサの候補が見当たらないのが現状である。
弾性を有する部材にかかる応力を検出する方法としては、歪ゲージを貼る方法が一般によく知られているが、自動車等の足回り部品におけるリンクの軸力(引張、圧縮力)をモニターするためには、ロバスト性が要求されることから、歪ゲージによる方法は適しているとは言えない。
一方、応力センサとして、磁歪を利用したセンサの提案がなされているが、実用化されているものはないようである(例えば、非特許文献1参照)。
I.J.Garshelis:SAE,Paper No.910856,1991
すなわち、図9は、上記非特許文献1により提案されている磁歪の逆効果を利用した応力センサの説明図であって、図9(a)において、PMは永久磁石、FSは磁気センサであり、中央に位置するコアは磁歪を有している。永久磁石PMはコアを矢印で示す方向に磁化する。永久磁石PMの磁束は図のように分布し、コアをも通っている。
コアに引張応力が働くと、永久磁石PMからの磁束がコアをより多く通るようになるために、磁気センサFSを通過する磁束が減少する。一方、コアに圧縮応力が作用すると、磁束はコアを通り難くなるため、センサFSを通過する磁束が増加する。このようにして、磁気センサFSからの信号の大きさはコアに働く応力の大きさを反映することになる。
以上が提案されている応力センサの原理であり、磁束を発生させるのに電源がいらない点が特徴である。上記磁気センサFSの位置としては、図9(b)に示すように、A又はBの位置でもよいことが述べられている。
引張応力と圧縮応力では、磁気センサFSの信号の変化の仕方は、圧縮の方が大きく、そのセンサの定格の範囲において、圧縮にて30から80%の変化があることがデータで示されている。
しかしながら、上記提案においては、パイプ状のコアの中に円筒状のアルニコ磁石を配置し、パイプの表面に、ホール素子を置いてデータが取られているのものの、原理確認段階の域を出ないものであって、これら磁気センサや永久磁石のコアに対する配置や、具体的な装着方法など、実装上の種々の問題点があり、これらの問題点を解決することがこのような応力センサを実用化するための課題となっていた。
本発明は、磁歪式応力センサにおける上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、磁歪の逆効果を利用した応力センサを実用化し、コンパクトで取扱いが容易な検出部を備え、廉価でロバスト性に優れた磁歪式応力センサを提供することにある。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて磁気センサや永久磁石、さらには検出感度を向上させるためのヨークの配置や取付け方法などについて、鋭意検討した結果、薄板状の永久磁石とホール素子と板状ヨークを所定の配置とすることによって、コンパクトで取扱い性に優れた検出部が実現できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであり、本発明の応力センサは、磁歪を有する磁性体の一方の面側に近接して配置された永久磁石から発生した磁束が、上記磁性体の内部を通る磁束と、上記磁性体を通ることなく外部空間に流れる磁束とに分配され、上記磁性体に応力が作用することによってこの磁性体を通る磁束の量が変化すると、磁性体外を流れる磁束の量が変化して磁束分布が変化する現象を利用した磁歪式応力センサであって、応力測定用の磁性体の一方の面側に配置された矩形板状永久磁石と、該板状磁石の磁性体とは反対側に配置された板状ヨークと、当該ヨークよりも磁性体側における矩形板状磁石の4つの側面のうち、磁性体に作用する応力方向と平行する側面よりも応力方向と直交する側面に近い位置であって、上記板状永久磁石と磁性体との間以外の位置に配設され、磁性体と該磁性体の外部とに分かれて流れる磁束のうち磁性体の外部を流れる磁束分布の変化を検知する磁気センサを有する応力検出部を備えていることを特徴としている。
磁歪を有する磁性体に永久磁石を接近させて配置すると、この永久磁石から出ている磁束が上記磁性体を通る内部磁束と、磁性体外の空間に流れる空間磁束とに分配されて流れ、磁性体に応力が働くと、この磁性体を通る内部磁束の量が変化し、その結果空間を流れる空間磁束の量が変化して内外の磁束分布が変化するので、空間磁束の変化をホール素子のような磁気センサによって検知することによって、磁性体に作用する応力を検出することができる。
本発明によれば、磁性体の一方の面側に配置された矩形板状の永久磁石と、この永久磁石から発生して上記磁性体の外部を流れる磁束の変化を検知する磁気センサと、板状磁石の反磁性体側に配置された板状ヨークとによって応力検出部が構成され、上記ヨークの集磁効果によって検出感度が向上すると共に、磁気センサが当該ヨークよりも磁性体側で、上記磁性体に配置されたの板状磁石の4つの側面のうち、磁性体に作用する応力方向と平行する側面よりも応力方向と直交する側面に近い位置であって、しかも板状永久磁石と磁性体との間以外の位置、すなわち板状ヨークと永久磁石との間あるいは板状ヨークと磁性体の間の位置に配設されているため、検出部を小型で高感度なものとすることができ、磁歪を有する磁性体に当該検出部を取付けるだけで応力センサを容易に構成することができ、当該磁性体に作用する応力を検知することができるようになり、その有用性は極めて高いものとなる。
以下、本発明の応力センサについて、その実施の具体的形態と共に、さらに詳細に説明する。
本発明の応力センサにおいては、永久磁石から発生して磁性体の外部を流れる磁束の変化を検知する磁気センサを上記永久磁石及び検出感度向上用のヨークと共に、望ましくはシールドケース内に一体化することによって応力検出部(検出ヘッド)とすることができるが、当該検出ヘッドとしては、図1(a)に示すような構造のものを例示することができる。
すなわち、図に示す検出ヘッド、すなわち応力検出部1は、薄い板状の永久磁石2と、磁気センサとしてのホール素子3,4と、ヨーク5を備え、これらが電磁的なシールドケース6の内部に一体的に収納されている。
そして、このような検出ヘッド1は、例えば図1(b)に示すように、磁歪を有する磁性体8に取付けられ、磁性体8に応力が作用すると、上記したような原理に基づいて、当該磁性体8に作用する応力を検知することができる。
上記シールドケース6は、図1(a)に示したように、図中下方側面が解放された箱型のものであって、このシールドケース6の解放された下端面に上記板状永久磁石2の下端面が一致するか、又は平行で近接するように板状磁石2を配設するようになすことが望ましい。
シールドケース6の材料としては、軟磁性の金属材料、例えばパーマロイや珪素鋼鈑など鉄系の金属材料を用いることができる。また、電磁シールド効果を有する磁性のフィラーを混ぜたプラスチック材料を用いることも可能である。さらに、アルミニウム系材料や銅系材料のように磁性を有しない金属材料を用いることもできる。
すなわち、磁性を有する金属材料ケース、磁性フィラー含有プラスチックケースでは、電磁気シールド効果があるため、外乱からの電磁気ノイズに対する耐性が著しく向上するとともに、磁気ノイズに対してのシールド効果もあり、磁気的な外乱にも耐性が向上する。また、非磁性の金属ケースでも電磁気ノイズのシールド効果がある。
シールドケース6のサイズ、及び上記板状磁石2やヨーク5などとの位置関係については、当該シールドケース材料が磁性体の場合、ケース6が板状磁石2やヨーク5の近くにあると、磁石2からの磁束がシールドケース6を通るようになるので、感度的な面でも、外乱の影響という面でも好ましくない。したがって、図1(a)に示したように板状磁石2とヨーク5と離間している場合には、板状磁石2とヨーク5との隔たりと同じか、それ以上に、ケース6の内面をヨーク5から離すのが好ましい。また、板状磁石2の端とケース6の内面も、同様な距離離すことが望ましい。
なお、ここでいう外乱とは、ケース6に応力が働いた場合、磁束の一部がケースを経由している関係で、磁束が乱され、センサ信号にノイズとして乗ってくることをいう。
上記シールドケース6の内側には、例えばエポキシ系樹脂のような樹脂材料を充填することができ、センサ部を樹脂7でモールドすることによって、当該検出ヘッド1の耐候性を確保することができるようになる。
当該シールドケース6には、その下端部、すなわち解放面側に、つば部6aを設けることができ、上記したように当該検出ヘッド1を磁性体8に取付けるに際して、例えば、つば部6aにねじ挿通孔を設ける一方、磁性体8にねじ穴を設けておくことによって、シールドケース6の解放面、言い換えると板状磁石2の下端面を磁性体8に接した状態に検出ヘッド1を容易に固定することができるようになる。
上記板状磁石2は、図2(a)及び(b)に矢印で示すように、その長手方向に着磁されている。
また、長さ寸法Lとしては数mmから20mm程度、幅寸法Wとしては数mm程度が適切であり、縦横比L/Wは、長手方向の着磁の安定性を保つ上で、1.0より大きくすることが望ましい。
さらに、上記板状永久磁石2の厚さT(図2(b)参照)については、0.5mmから3.0mmの範囲とすることが好ましい。
すなわち、図3(a)は、長さ寸法L及び幅寸法Wをそれぞれ20mm及び10mmに固定し、厚さTを変化させたFe−Cr−Co系磁石を用いて、図3(b)に示すような構成の応力センサにおける検出感度と磁石厚さの関係を調査した結果を示すものである。 なお、このとき、磁気センサであるホール素子の感磁部中心位置までの高さを板状永久磁石2の表面から0.5mmとすると共に、磁性体には50MPaから100MPaまでの引張応力を負荷した。また、図3(a)における縦軸は、厚さT=1mmの時の感度を「1」とする相対比で示してある。
図3(a)の結果から明らかなように、板状磁石2の厚さ寸法Tが1.0mmのときに感度は最大値を示し、これより薄すぎても、厚すぎても感度が低下してしまい、上記したように0.5mmから3.0mmの範囲が好適であることが判明した。
磁気センサとしては、上記したようにホール素子3,4を用いることができるが、この他に、省電力で小型なホールICやMIセンサなどを使用することができる。なお、ここでいうホールICとはリニア出力タイプのものを言う。
また、図1(a)においては、磁気センサとして2個のホール素子3,4を板状磁石2の長さ方向に並べ、センスが互いに逆となる両センサ3,4の信号を減算することによって倍の信号として、応力の検出感度を2倍にすると共に、両センサ3,4を通過する同位相の磁束に対して不感として、外乱に対する耐性が向上させるようにしているが、本発明の応力センサは、必ずしも2個のセンサを用いたもののみに限定されることはなく、1個の磁気センサを用いた場合でも、それなりの感度による応力検出を行なうことができることは言うまでもない。
なお、検出感度を大きくする観点から、上記磁気センサは、板状磁石2とヨーク5の中間位置に配設することが望ましく、同様の観点から板状永久磁石2の端部近傍位置に配置することが望ましい。
次に、ヨーク5の形状について説明する。
図2(c)は、板状磁石2とホール素子3,4と、ヨーク5の位置関係(上から見た図)を示すものであって、ヨーク5の長さは、板状磁石2の長さを覆うに足る長さとすることが望ましい。
一方、ヨーク5の幅としては、狭すぎても、広すぎても好ましくなく、樹脂モールドされたホール素子3,4の外形寸法の1倍から5倍、さらには2倍から4倍の範囲とすることがより望ましい。
すなわち、幅が狭いと、ヨーク5の集磁効果及び外乱に対する耐性が不十分となる一方、幅が広いと、集磁効果及び外乱耐性については十分であるものの、検出ヘッドの小型化の面、あるいは材料コストの面で不利となる。
また、ヨーク5の厚さとしては、0.05mmから2.0mm、さらには0.1mmから1.0mmの範囲とすることがより好ましく、薄すぎる場合には、ヨーク5が磁気飽和に近い状態となるので、集磁効果、外乱耐性が不十分となってしまうばかりでなく、機械的な歪が入りやすいことから、取り扱うのに過剰な配慮が必要となるので好ましくない。一方、厚すぎる場合には、材料コスト面と共に、小型化という面でも好ましくないものとなる。
そして、当該ヨーク5の板状永久磁石2との間の距離については、0.5mmから5.0mmの範囲とすることが適切であり、さらに望ましくは1.0mmから3.0mmの範囲内とする。
すなわち、あまりに狭すぎると、感度的に不利になると共に、特別に薄型のホール素子を使うのはコスト的にも不利となる一方、広すぎても、感度的に不利になることに加えて、小型化の面からも好ましくないことによる。
以上、本発明の好適例として、シールドケース6を用い、当該ケース内に応力検出部を収納した例について述べたが、本発明の応力センサにおいては、上記板状ヨーク5がシールド効果をかなりのレベルで果たすことから、上記シールドケース6を使用することは、必ずしも必須の要件ではない。
また、磁気センサ(ホール素子3,4)、ヨーク5、板状永久磁石2の配置や、磁性体8に対する取付け状態についても、図1(a)に示した形態のみに限定されることはなく、種々のものを採用することができる。
図4(a)〜(h)は、磁性体8に対する板状磁石2、ヨーク5、ホール素子3,4の種々の配置例を示すものであって、それぞれ板状磁石2の長手方向に沿った、磁石板面に垂直な面における断面図である。
図4(a)は、シールドケース6に収納されていないこと以外は、図1(a)に示したものと同様の配置のものである。
一方、図4(b)は、図4(a)に対して、磁気センサ3,4が板状磁石2の直上位置から外側に外れた位置に配置された場合を示すものであって、このような配置を採用することによって、磁気センサ3,4を通過する磁束の量が大きくなるので、感度が向上するという利点がある。
また、図4(c)は、磁気センサ3,4が板状磁石2と同じレベル位置であって、磁石端面側に配置された例を示すものであって、これによってヨーク5を板状磁石2に接近させた位置に配置することができ、当該応力検出部をよりコンパクトなものとすることができる。特に、感度を確保するために、磁束量を多めにするべく厚めの磁石の採用が必要な場合に好適となる。
さらには、図4(d)に示すように、板状ヨーク5を板状磁石2と接するように配置することもでき、これによって、当該応力検出部のより一層の小型化が可能となる。特に、厚めの磁石で、長手方向が短めの磁石を採用する場合に好適となる。
そして、上記板状磁石2は、磁性体8と接する状態に取付けるのみならず、磁性体8から離間した状態に配置することもできる。図4(e)〜(h)は、板状永久磁石2を磁性体8から離間した状態に取付けた例を示すものであって、それぞれ図4(a)〜(d)に示したものに対応する。
なお、この時の離間距離としては、上記板状磁石2の厚さ寸法以内の距離とすることが望ましい。
すなわち、板状磁石2と磁性体8との隙間が大きすぎると、磁性体8を通る磁束が減ってしまうことから感度が低下するようになると共に、応力検出部の大きさが大きくなるという点でも好ましくないことによる。
図5(a)は、図4(d)に示した配置における具体的な磁束の流れを例示した図であって、応力センサとしての機能は、これまでの説明と基本的に同様である。
また、図5(b)は、図4(b)〜(d)及び(f)〜(h)に示した板状磁石2、ヨーク5及び磁気センサ3,4の大きさ及び位置的な関係を示す平面図である。
そして、図6は、図4(d)及び図5に示した各部品をケース6内にモールドした例を示す断面図であって、こうすることによって、応力検出部の耐侯性をさらに向上させることができる。
なお、上記のように、板状のヨーク5と永久磁石2とを接触配置したものをシールドケース6内に収納する場合には、上記ヨーク5と板状磁石2との中心距離の2倍以上の距離だけ、ケース6の内面をヨーク5及び板状磁石2から離間させるように配置することが望ましい。
また、応力センサの検出感度に及ぼす板状磁石2の厚さの影響については、磁気センサ3,4の位置を変更した場合や、板状磁石2と磁性体8との間に隙間を設けた場合においても、図3(a)とほぼ同じデータとなることが確認されている。
さらに、上記検出ヘッド1には、図7に示すように、信号処理回路10をシールドケース6の内部に収納することも可能である。
上記したように、シールドケース6の内面とヨーク5との間に距離を採ることが必要なことから、この空間に信号処理回路10を収めることができる。
これによって、当該検出ヘッド1からは、電源ライン、グランドライン、信号ラインの3本のリード線を取出すだけで済むようになり、例えば、電源をDC5Vとした場合、信号が2.5Vのときに応力ゼロとし、引張応力の負荷で減少、圧縮応力によって増加とすることができる。
また、信号処理回路10を電磁シールドケース6の内部に収納することは、電磁ノイズという点からも極めて好ましいことと言える。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されることはない。
(1)磁性体(図1(b)参照)
磁歪を有する磁性体の材料として、マルエージング鋼(日立金属(株)製 商品名YAG300:18%Ni−9%Co−5%Mo−Fe)を用いて、板厚5mm、幅50mmの磁性体8を機械加工によって作製した。
機械加工の後、真空中における820℃×1時間の固溶化処理、及び真空中における490℃×5時間の時効処理を施し、その後空冷した。
(2)検出ヘッド(図1(a)参照)
板状永久磁石2としては、幅W=7mm、長さL=15mm、厚さT=0.8mmのFe−Cr−Co磁石を用い、長さ方向に着磁した。なお、当該磁石は等方性の磁石ではなく、長手方向に異方性を持たせたものを用いた。当該板状磁石2の単体での着磁後の端面の漏れ磁界は約2.0kGであった。
磁気センサであるホール素子3,4としては、モールド外形で、幅:2.4mm、長さ:2.7mm、厚さ:1.0mmのものを使用した。
ヨーク5としては、PBパーマロイから成る幅6mm、長さ20mm、厚さ0.5mmのものを用いた。
シールドケース6は、電磁軟鉄を機械加工することにより作製し、つば部6aを除いた外形寸法は、幅:約20mm、長さ:約30mm、高さ:約10mmとし、肉厚は約1mmのものとした。
上記板状磁石2とヨーク5との間の距離を3mmとし、ヨーク5とシールドケース6の内面との距離は4mmとした。さらに、板状磁石2の端とケース6の内面との距離も4mmとした。
ベークライト製の内枠により、シールドケース6の内部に上記ヨーク5、ホール素子3,4及び板状磁石2を上記のように位置決めし、空間部分にエポキシ系接着剤を充填することによって、検出ヘッド(応力検出部)1とした。
(3)性能評価
上記によって得られたマルエージング鋼製の磁性体8に、図1(b)に示すように、上記検出ヘッド1をねじ止めしたのち、当該磁性体8に引張及び圧縮応力を負荷し、応力センサとしての性能を評価した。その結果の一例を図8に示す。
この図から明らかなように、応力センサとしての十分な感度と再現性が得られることが確認されている。
なお、上記実施例における検出ヘッド1は、比較的大きめの例を示したが、小さいサイズのホール素子を用いることによって、さらなる小型化を図ることができることは言うまでもない。
また、上記実施例においては、矩形断面の磁性体8(の平面上)に検出ヘッド1を取付けた例を示したが、縦方向(幅方向)に曲率を持った薄板磁石等を採用することによって、円筒面を備えた磁性体にも適用することができ、円形断面の軸にかかる応力を検出できることは言うまでもない。
(a)本発明の応力センサに用いる検出ヘッド(応力検出部)の構造例を示す断面図である。(b)磁歪を有する磁性体に図1(a)に示した検出ヘッドを取付けた状態を示す斜視図である。 (a)図1(a)に示した板状磁石の形状を示す平面図である。(b)図1(a)に示した板状磁石の形状を示す斜視図である。(c)図1(a)に示した板状磁石とヨークの大きさ及び位置関係を説明する平面図である。 (a)板状磁石の厚さと応力センサの検出感度の関係を示すグラフである。(b)図3(a)の関係を求めるのに用いた応力センサの構成を示す断面図である。 (a)〜(h)は板状磁石2とヨークとホール素子の種々の配置例を示す断面図である。 (a)図4(d)に示した検出部における磁束の流れを例示した説明図である。(b)図4(b)〜(d)及び(f)〜(h)に示した板状磁石とヨーク5の大きさ及び位置関係を示す平面図である。 図4(d)及び図5に示した各部品をケース内にモールドした例を示す断面図である。 シールドケース内に信号処理回路を収納した検出ヘッドの構造例を示す断面図である。 本発明の実施例によって得られた応力センサの出力特性データを示すグラフである。 (a)及び(b)は従来の磁歪式応力センサの構造及び原理を示す説明図である。
符号の説明
1 検出ヘッド(応力検出部)
2 永久磁石
3,4 ホール素子(磁気センサ)
5 ヨーク
6 ケース
6a つば部
7 樹脂
8 磁性体
10 信号処理回路

Claims (24)

  1. 磁歪を有する応力検知用磁性体の一方の面側に配置された永久磁石から発生し、上記磁性体と該磁性体の外部とに分かれて流れる磁束のうち、上記磁性体を流れる磁束が当該磁性体に作用する応力によって変化する結果生じる磁束分布の変化を検知する磁歪式応力センサであって、
    矩形板状の永久磁石と、上記磁性体と該磁性体の外部とに分かれて流れる磁束のうち磁性体の外部を流れる磁束分布の変化を検知する磁気センサと、板状のヨークを有する応力検出部を備え、
    上記磁気センサが、上記磁性体に配置された矩形板状磁石の4つの側面のうち、磁性体に作用する応力方向と平行する側面よりも応力方向と直交する側面に近い位置であって、該板状磁石の上記磁性体とは反対側に配置された板状ヨークよりも磁性体側、かつ上記磁性体と板状磁石の間以外の位置に配設されていることを特徴とする応力センサ。
  2. 上記板状磁石が磁性体に作用する応力方向に着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の応力センサ。
  3. 上記ヨークが上記磁気センサ及び上記板状磁石を長手方向に覆うに十分な長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の応力センサ。
  4. 上記板状磁石が該磁石の厚さ以内の距離において上記磁性体と離間していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  5. 上記板状磁石が上記磁性体と接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  6. 上記板状磁石、その長手方向が磁性体に作用する応力方向に平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  7. 上記板状磁石の厚さが0.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  8. 上記板状磁石とヨークとの距離が0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  9. 上記板状磁石がヨークと接していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  10. 磁性体に作用する応力方向と直交する方向のヨークの幅が、上記直行方向における磁気センサの外形寸法の1〜5倍であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  11. 上記ヨークの厚さが0.05〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  12. 上記応力検出部が樹脂でモールドされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  13. 上記応力検出部がケース内に収められていることを特徴とする請求項12に記載の応力センサ。
  14. 上記ケースが電磁気的なシールドケースであることを特徴とする請求項13に記載の応力センサ。
  15. 上記ケースの磁性体側の一面が開放状態にあり、当該開放面と上記板状磁石の一面が平行配置されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の応力センサ。
  16. 上記ケースには、応力検出部を上記開放面において磁性体に固定するためのつば部が設けてあることを特徴とする請求項15に記載の応力センサ。
  17. 上記ヨークと板状磁石とが離間しており、上記ヨークと板状磁石の距離以上に、シールドケース内面がヨークから隔たっていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  18. 上記ヨークと板状磁石とが離間しており、上記ヨークと板状磁石の距離以上に、シールドケース内面が板状磁石の端部から隔たっていることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  19. 上記ヨークと板状磁石とが接しており、上記ヨークと板状磁石との中心距離の2倍以上に、シールドケース内面がヨークから隔たっていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  20. 上記ヨークと板状磁石とが接しており、上記ヨークと板状磁石との中心距離の2倍以上に、シールドケース内面が板状磁石の端部から隔たっていることを特徴とする請求項13〜16及び19のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  21. 上記板状磁石が磁性体に作用する応力方向に異方性を有する磁石であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  22. 上記シールドケースが金属又は軟磁性を有する金属、又は電磁シールド効果を有するフィラー入りのプラスチック材料から成ることを特徴とする請求項13〜21のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  23. 上記ヨークとシールドケース内面との空間に信号処理回路が収納されていることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
  24. 上記磁気センサがホール素子、ホールICであることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
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