JP4993401B2 - 応力センサ - Google Patents
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Description
一方、応力センサとして、磁歪を利用したセンサの提案がなされているが、実用化されているものはないようである(例えば、非特許文献1参照)。
I.J.Garshelis:SAE,Paper No.910856,1991
コアに引張応力が働くと、永久磁石PMからの磁束がコアをより多く通るようになるために、磁気センサFSを通過する磁束が減少する。一方、コアに圧縮応力が作用すると、磁束はコアを通り難くなるため、センサFSを通過する磁束が増加する。このようにして、磁気センサFSからの信号の大きさはコアに働く応力の大きさを反映することになる。
引張応力と圧縮応力では、磁気センサFSの信号の変化の仕方は、圧縮の方が大きく、そのセンサの定格の範囲において、圧縮にて30から80%の変化があることがデータで示されている。
そして、このような検出ヘッド1は、例えば図1(b)に示すように、磁歪を有する磁性体8に取付けられ、磁性体8に応力が作用すると、上記したような原理に基づいて、当該磁性体8に作用する応力を検知することができる。
すなわち、磁性を有する金属材料ケース、磁性フィラー含有プラスチックケースでは、電磁気シールド効果があるため、外乱からの電磁気ノイズに対する耐性が著しく向上するとともに、磁気ノイズに対してのシールド効果もあり、磁気的な外乱にも耐性が向上する。また、非磁性の金属ケースでも電磁気ノイズのシールド効果がある。
なお、ここでいう外乱とは、ケース6に応力が働いた場合、磁束の一部がケースを経由している関係で、磁束が乱され、センサ信号にノイズとして乗ってくることをいう。
また、長さ寸法Lとしては数mmから20mm程度、幅寸法Wとしては数mm程度が適切であり、縦横比L/Wは、長手方向の着磁の安定性を保つ上で、1.0より大きくすることが望ましい。
図2(c)は、板状磁石2とホール素子3,4と、ヨーク5の位置関係(上から見た図)を示すものであって、ヨーク5の長さは、板状磁石2の長さを覆うに足る長さとすることが望ましい。
すなわち、幅が狭いと、ヨーク5の集磁効果及び外乱に対する耐性が不十分となる一方、幅が広いと、集磁効果及び外乱耐性については十分であるものの、検出ヘッドの小型化の面、あるいは材料コストの面で不利となる。
すなわち、あまりに狭すぎると、感度的に不利になると共に、特別に薄型のホール素子を使うのはコスト的にも不利となる一方、広すぎても、感度的に不利になることに加えて、小型化の面からも好ましくないことによる。
図4(a)〜(h)は、磁性体8に対する板状磁石2、ヨーク5、ホール素子3,4の種々の配置例を示すものであって、それぞれ板状磁石2の長手方向に沿った、磁石板面に垂直な面における断面図である。
一方、図4(b)は、図4(a)に対して、磁気センサ3,4が板状磁石2の直上位置から外側に外れた位置に配置された場合を示すものであって、このような配置を採用することによって、磁気センサ3,4を通過する磁束の量が大きくなるので、感度が向上するという利点がある。
すなわち、板状磁石2と磁性体8との隙間が大きすぎると、磁性体8を通る磁束が減ってしまうことから感度が低下するようになると共に、応力検出部の大きさが大きくなるという点でも好ましくないことによる。
また、図5(b)は、図4(b)〜(d)及び(f)〜(h)に示した板状磁石2、ヨーク5及び磁気センサ3,4の大きさ及び位置的な関係を示す平面図である。
なお、上記のように、板状のヨーク5と永久磁石2とを接触配置したものをシールドケース6内に収納する場合には、上記ヨーク5と板状磁石2との中心距離の2倍以上の距離だけ、ケース6の内面をヨーク5及び板状磁石2から離間させるように配置することが望ましい。
上記したように、シールドケース6の内面とヨーク5との間に距離を採ることが必要なことから、この空間に信号処理回路10を収めることができる。
また、信号処理回路10を電磁シールドケース6の内部に収納することは、電磁ノイズという点からも極めて好ましいことと言える。
磁歪を有する磁性体の材料として、マルエージング鋼(日立金属(株)製 商品名YAG300:18%Ni−9%Co−5%Mo−Fe)を用いて、板厚5mm、幅50mmの磁性体8を機械加工によって作製した。
機械加工の後、真空中における820℃×1時間の固溶化処理、及び真空中における490℃×5時間の時効処理を施し、その後空冷した。
板状永久磁石2としては、幅W=7mm、長さL=15mm、厚さT=0.8mmのFe−Cr−Co磁石を用い、長さ方向に着磁した。なお、当該磁石は等方性の磁石ではなく、長手方向に異方性を持たせたものを用いた。当該板状磁石2の単体での着磁後の端面の漏れ磁界は約2.0kGであった。
上記によって得られたマルエージング鋼製の磁性体8に、図1(b)に示すように、上記検出ヘッド1をねじ止めしたのち、当該磁性体8に引張及び圧縮応力を負荷し、応力センサとしての性能を評価した。その結果の一例を図8に示す。
この図から明らかなように、応力センサとしての十分な感度と再現性が得られることが確認されている。
また、上記実施例においては、矩形断面の磁性体8(の平面上)に検出ヘッド1を取付けた例を示したが、縦方向(幅方向)に曲率を持った薄板磁石等を採用することによって、円筒面を備えた磁性体にも適用することができ、円形断面の軸にかかる応力を検出できることは言うまでもない。
2 永久磁石
3,4 ホール素子(磁気センサ)
5 ヨーク
6 ケース
6a つば部
7 樹脂
8 磁性体
10 信号処理回路
Claims (24)
- 磁歪を有する応力検知用磁性体の一方の面側に配置された永久磁石から発生し、上記磁性体と該磁性体の外部とに分かれて流れる磁束のうち、上記磁性体を流れる磁束が当該磁性体に作用する応力によって変化する結果生じる磁束分布の変化を検知する磁歪式応力センサであって、
矩形板状の永久磁石と、上記磁性体と該磁性体の外部とに分かれて流れる磁束のうち磁性体の外部を流れる磁束分布の変化を検知する磁気センサと、板状のヨークを有する応力検出部を備え、
上記磁気センサが、上記磁性体に配置された矩形板状磁石の4つの側面のうち、磁性体に作用する応力方向と平行する側面よりも応力方向と直交する側面に近い位置であって、該板状磁石の上記磁性体とは反対側に配置された板状ヨークよりも磁性体側、かつ上記磁性体と板状磁石の間以外の位置に配設されていることを特徴とする応力センサ。 - 上記板状磁石が磁性体に作用する応力方向に着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の応力センサ。
- 上記ヨークが上記磁気センサ及び上記板状磁石を長手方向に覆うに十分な長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石が該磁石の厚さ以内の距離において上記磁性体と離間していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石が上記磁性体と接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石は、その長手方向が磁性体に作用する応力方向に平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石の厚さが0.5〜3.0mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石とヨークとの距離が0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石がヨークと接していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 磁性体に作用する応力方向と直交する方向のヨークの幅が、上記直行方向における磁気センサの外形寸法の1〜5倍であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記ヨークの厚さが0.05〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記応力検出部が樹脂でモールドされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記応力検出部がケース内に収められていることを特徴とする請求項12に記載の応力センサ。
- 上記ケースが電磁気的なシールドケースであることを特徴とする請求項13に記載の応力センサ。
- 上記ケースの磁性体側の一面が開放状態にあり、当該開放面と上記板状磁石の一面が平行配置されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の応力センサ。
- 上記ケースには、応力検出部を上記開放面において磁性体に固定するためのつば部が設けてあることを特徴とする請求項15に記載の応力センサ。
- 上記ヨークと板状磁石とが離間しており、上記ヨークと板状磁石の距離以上に、シールドケース内面がヨークから隔たっていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記ヨークと板状磁石とが離間しており、上記ヨークと板状磁石の距離以上に、シールドケース内面が板状磁石の端部から隔たっていることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記ヨークと板状磁石とが接しており、上記ヨークと板状磁石との中心距離の2倍以上に、シールドケース内面がヨークから隔たっていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記ヨークと板状磁石とが接しており、上記ヨークと板状磁石との中心距離の2倍以上に、シールドケース内面が板状磁石の端部から隔たっていることを特徴とする請求項13〜16及び19のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記板状磁石が磁性体に作用する応力方向に異方性を有する磁石であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記シールドケースが金属又は軟磁性を有する金属、又は電磁シールド効果を有するフィラー入りのプラスチック材料から成ることを特徴とする請求項13〜21のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記ヨークとシールドケース内面との空間に信号処理回路が収納されていることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
- 上記磁気センサがホール素子、ホールICであることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1つの項に記載の応力センサ。
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