JP4527448B2 - 軸部材のねじれトルクセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、軸部材又はシャフトのねじれトルクを測定するトルクセンサ及びその製造方法に係り、より詳細には、円周方向に磁化された強磁性体からなる磁歪環又は磁気リングを用いたトルクセンサ(例えば、磁歪式、着磁式等のもの)及びその製造方法に係る。
機械の軸部材又は回転軸に作用するねじれトルクを測定するために、磁歪効果(又は応力磁気効果)を利用した「磁歪式」のトルクセンサが利用されている。磁歪式トルクセンサに於いては、軸部材の周囲に嵌着された強磁性体からなる円環体又は円筒体が磁化されるか、或いは、予め磁化された円環体又は円筒体(以下、磁歪環と称する。)が嵌着される。かかる磁歪環が装着された軸部材にねじれトルクが作用すると、そのねじれトルクの大きさ及び向きに応じた応力が磁歪環に発生し、これにより、磁歪環内の磁化ベクトルの向きが変化する(磁歪効果)。かかる磁化ベクトルの向きが変化すると、磁歪環近傍の磁場が変化するので、その磁場の変化を磁気センサ(ホール効果センサ、コイル素子など)により測定することで、ねじれトルクを見積もることが可能となる。磁歪式トルクセンサは、軸部材に作用するねじれトルクを、非接触式に、測定できる点で有利である。
従前の磁歪式トルクセンサのほとんどは、トルクを測定する際に、磁歪環の近傍に配置された励磁コイルによって磁歪環を磁化する形式であるが(例えば、下記の特許文献1−4参照)、軸部材の周方向に予め着磁された磁歪環、即ち、円環状の永久磁石を軸部材に嵌合し、円環体の周囲の磁場を計測する形式のトルクセンサが提案されている(例えば、下記の特許文献5−8参照)。永久磁石の磁歪環を用いた形式のトルクセンサ(着磁式トルクセンサ)の場合、軸部材にねじれトルクが作用していない状態では、磁束は、実質的には磁歪環内で閉じた回路を形成するので、磁歪環外部には現れない。しかしながら、ねじれトルクが作用すると、そのねじれトルクにより磁歪環に発生する歪に応じて磁化ベクトルの向きが磁歪環の中心軸線(軸部材の軸線)の方向に傾き、磁束が磁歪環の軸線方向の端面から外部に現れるようなる。かくして、その端面から外部に流出する磁束を計測することにより、軸部材に作用するねじれトルクを測定することが可能となる。かかる着磁式センサに於いては、ねじれトルクの増減に応じて、計測される磁場が増減するので(ねじれトルク=0ならば、磁場=0)、磁気センサによる計測される磁場とトルクとの関係の解釈(即ち、校正)が容易であり、また、不必要にトルクセンサの周囲にその磁場の影響を及ぼさない点で好ましい。更に、着磁式トルクセンサには、励磁コイルが必要なくなるため、部品点数が低減でき、センサをコンパクトにすることができる点で有利である。
ところで、上記の如き磁歪式トルクセンサは、地磁気など、背景の外部磁場又は外乱磁場の影響を受けやすい。そこで、かかる外部磁場の影響を排除するために、しばしば、磁歪式トルクセンサの磁歪環を二つの(又は偶数個の)領域に区画し、それらの領域が互いに逆方向に磁化されるように構成される。永久磁石の磁歪環を用いる形式の着磁式トルクセンサでは、磁歪環に互いに逆向きの周方向に着磁された領域が構成され(例えば、軸部材の軸線方向から見て、一方の領域の磁化ベクトルの向きが時計回りであり、他方の領域の磁化ベクトルが反時計回りとなる。)、各領域からの磁束は、それぞれの領域ついて設けられた磁気センサにより計測されるようになっている。この場合、或るねじれトルクに対して二つの領域に於ける磁化ベクトルの変化は、互いに正反対の方向となる。外部磁場等は、一般的には、トルクセンサの全体に亙って概ね或る一方向を向いていると考えられるから、上記二つの磁気センサの計測値の差分を取ることにより、外部磁場等の影響は相殺され、ねじれトルクに対する磁場の変化(互いに逆方向を向いた磁歪環の磁化ベクトルの変位成分の差)が精度良く得られることが期待される。
特開昭62−203028号公報 特開昭59−61732号公報 特開平11−344393号公報 特開2001−289720 特開平5−196517号公報 特開平11−101699号公報 特許第2914526号公報 特開2002−90234号公報
実際の、2方向に着磁された磁歪環を用いた着磁式トルクセンサは、外部磁場等の影響は概ね除去されることとなるが、磁場の計測精度に関してその他のいくつかの問題を有している。その一つは、一つの磁歪環を二つ又はそれ以上の領域に区画し、隣接する領域を互いに逆方向に着磁する場合、隣接する領域の境界に於いて、「着磁むら」(2領域の境界の磁壁が揃わず、磁化ベクトルの方向が乱れる。)が生じてしまうということである。既に述べた如く、着磁式トルクセンサに於いて、理想的には、軸部材にねじれトルクが作用していなければ、磁化ベクトルは磁歪環の外部には現れず、従って、その状態で(又は、ねじれトルク一定の条件下に於いても)軸部材が一回転しても、磁気センサの出力に変動は生じないはずである(磁気センサは、通常、軸部材を回転可能に支持する機械の本体又はハウジングに対して固定されている。)。しかしながら、上記の如き着磁むらが存在すると、かかる着磁むらの在る部分から磁歪環の外部に磁束が不規則に流出し、ねじれトルクに変化がないにもかかわらず、軸部材の回転に伴って磁気センサによる磁場の計測値が変動することとなる。かくして、ねじれトルクの計測中においては、計測された磁場には、着磁むらによる磁場が重畳されることとなり、磁場の計測精度が損なわれることとなるのである。
更に、実際の着磁式トルクセンサにおいては、一旦着磁された磁歪環を軸部材に嵌合し固定するまでの過程に於いて定常的な歪み(残存歪み)が生じ、これにより、ねじれトルクが作用していない状態でも、磁歪環から磁束が、軸部材の周方向にそって不均一に、流出してしまうことがある。例えば、磁歪環と軸部材とが周方向に相対的に滑りが生じないようにするべく(周方向滑りが生ずると軸部材のねじれ歪みが磁歪環に伝わらない。)、磁歪環を軸部材上に於いて絞まり嵌めにして嵌着したり、溶接等の操作により磁歪環を軸部材に固定したりすると、磁歪環が変形して残存歪みが発生し、これにより、計測されるべきねじれトルクとは無関係に磁束が磁歪環から流出し、かくして、磁場計測の精度が損なわれることとなる。
かくして、本発明の解決しようとする一つの課題は、上記の如き着磁むら、残存歪み等により磁場の計測精度が損なわれないように構成された着磁式トルクセンサを提供することであり、そのようなトルクセンサを製造する方法を提供することである。
上記の課題は、本発明の一つの局面によれば、軸部材上に嵌着され該軸部材の軸線周りに磁化された磁歪環を有し軸部材にねじれトルクが作用した際の磁歪環の磁束の変化を検出して軸部材に作用するねじれトルクを測定するトルクセンサを製造する方法であって、第一の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、第一の磁歪環とは別体であり第二の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、磁化された第一及び第二の磁歪環をそれぞれの磁化ベクトルが互いに逆向きになった状態で軸部材上にて近接する過程とを含み、第一及び第二の磁歪環を磁化する過程において、第一及び第二の磁歪環を、軸部材上に装着される際と実質的に同様の応力が作用した状態で、別々に磁化することを特徴とする方法により達成される。
従前の着磁式トルクセンサの磁歪環に於ける着磁むらは、主として、単一の円環体又は円筒体(以下、円環体等)上に互いに逆向きの周方向に磁化された領域を形成しようとすることに起因する。着磁式トルクセンサの磁歪環の着磁は、例えば、強力な一方向磁場中に強磁性体から成る円環体等の磁化されるべき領域の一部を配置し(該領域の円環体等の中心軸線の方向に沿った端から端までが一方向磁場中に配置される必要がある)、円環体等をその軸線周りに回転させることにより、調製される(例えば、上記特許文献7参照)。従って、円環体等上に互いに逆向きに着磁された領域を調製する場合には、各領域は、領域毎に一方向磁場に配置され、その際、領域の端(逆方向に磁化される隣接した領域との境界)は、一方向磁場の磁束線に垂直な方向の端又は側部に概ね一致することとなる。しかしながら、一般的に、一方向磁場の端又は側部は、磁束の方向に乱れが在るため、磁歪環の領域の端は必ずしも均一な方向に磁化されるとは限らない。更に、互いに逆方向に磁化される隣接した領域の境界は、一方の側の領域が一方向に磁化された後又は磁化されると同時に、他方の側の領域が逆方向に磁化されることとなるので、かかる境界近傍に於ける磁壁は、円環体等の周方向から外れ、ランダムな方向を向きやすくなり、かくして、着磁むらが生ずることとなっている。
磁歪環を着磁する際、一方向磁場の端又は側部を使わなければ、磁歪環の端の磁壁を、整然と配向させることは容易に達成される。従って、もし別々に一方向に着磁された磁歪環を軸部材上にてそれらの磁化ベクトルの向きが互いに周方向逆向きになるよう並べれば、着磁むらのない、磁化ベクトルが互いに逆向きである隣接した着磁領域を調製することができそうである。しかしながら、そのような個別に磁化された磁歪環を単に軸部材上に並べる場合には、それぞれの磁歪環に軸部材の周方向に沿って不均一な残存歪みが発生し、軸部材の周方向の磁場の強さにむらが生じてしまう。従って、結果的には、磁場の計測精度は依然として改善されない。
そこで、上記の本発明のトルクセンサの製造方法に於いては、別体として形成される第一及び第二の磁歪環を、軸部材上に装着される際と実質的に同様の応力が作用した状態で、別々に磁化し、単一の円環体等を二つの領域に区画して磁化することによる着磁むらや磁歪環を軸部材に装着する際の残存歪による磁化ベクトルの配向の乱れが発生しないようにすることにより、ねじれトルクが作用していないにもかかわらず磁歪環の磁束が流出し良好な磁束の計測精度が得られないという問題を解消した。即ち、互いに逆方向に着磁される磁歪環の領域を、第一及び第二の磁歪環として別々に着磁される別体により構成することによって、各磁歪環を着磁する際、一方向磁場の端又は側部を用いる必要はなくなり、従って、軸線方向の端面に於いても磁壁が均一の方向に揃った着磁領域が提供されることとなり、しかも、磁歪環は、実質的にセンサの使用状態と同様の歪が予め生じている状態で磁化されるので、その後の磁歪環の装着操作に於いて更なる歪みは殆ど発生せず、磁化ベクトルの配向の乱れは回避されることとなるのである。
なお、この方法に於いて、第一及び第二の磁歪環は、元々別体として形成され磁化されるので、最終的に軸部材上に組み付けられ、互いに近接される際に、磁化ベクトルが互いに逆の周方向を向いていればよいことは理解されるべきである。従って、本発明のトルクセンサの製造に当たっては、磁歪環を着磁する着磁装置が少なくとも一つ用意されればよいこととなる。
上記の本発明の一つの態様として、第一及び第二の磁歪環を磁化する過程において、第一及び第二の磁歪環を、軸部材上に嵌合した状態で、別々に互いに逆方向に磁化するようになっていてよい。この態様によれば、磁歪環には、軸部材上に於ける使用状態と実質的に同様の応力が作用し歪が生じている状態で、磁化ベクトルの配向が為され(即ち、着磁され)、その後の過程において、磁化ベクトルの向きが乱れることが回避されることとなる。
また、上記の本発明のもう一つの態様として、第一及び第二の磁歪環を、それぞれ軸部材上に嵌合可能な円環部材上に嵌合して磁化した後、前記円環部材に嵌合した状態で前記軸部材上に嵌着し、互いに近接するようになっていてよい。この態様によれば、磁歪環は、磁化される際、軸部材上に嵌合可能な円環部材上で嵌合しているので、既に、軸部材上で使用される状態と実質的に同様の歪が生じていることとなる。そして、二つの磁化された磁歪環は、円環部材に嵌合された状態で軸部材上にてそれぞれの磁化ベクトルが互いに逆方向を向くように近接される。円環部材を軸部材に嵌着する際には、円環部材と軸部材とが相対的に滑らないような任意の方法で固定されてよい。この点に関し、円環部材自体から磁束を流出するわけではないので、磁歪環に実質的に歪みが発生しない限り、公知の種々の方法、例えば、接着や溶接等の加工により、或いは、円環部材の内側と軸部材の外側に予め、キーとキー溝を形成しておき、かかるキーとキー溝を嵌合す
ることにより固定されてよい。
ところで、着磁式トルクセンサの構成又は製造に於いて、既に述べた如く、磁歪環を軸部材に装着する際、一般的には、磁歪環は、軸部材上にて絞まり嵌めされ、その状態で、センサとして使用されることとなる。従って、磁歪環を磁化する際に、軸部材に絞まり嵌めされていれば、その後の操作(軸部材上での移動など)に於いて、磁歪環がさほど変形されることはない。
従って、着磁むらと残存歪みが低減された又は実質的に無い磁歪環を有するトルクセンサは、本発明のもう一つの局面によれば、軸部材上に嵌着され該軸部材の軸線周りに磁化された磁歪環を有し軸部材にねじれトルクが作用した際の磁歪環の磁束の変化を検出して軸部材に作用するねじれトルクを測定するトルクセンサを製造する方法であって、第一の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、第一の磁歪環とは別体であり第二の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、磁化された第一及び第二の磁歪環をそれぞれの磁化ベクトルが互いに逆向きになるよう前記軸部材上にて近接する過程とを含み、第一及び第二の磁歪環を磁化する過程において、第一及び第二の磁歪環を、軸部材上にて絞まり嵌めにした状態で、別々に互いに逆方向に磁化することを特徴とする方法により製造することができる。この方法によれば、少なくともの二つの隣接する磁歪環は、別々に磁化されるので、着磁むらの問題はなく、しかも磁歪環が予め軸部材上にて絞まり嵌めされた状態で磁化されるので、着磁後の軸部材上での操作で新たな残存歪みが生ずることもなく、従って、磁場の計測精度に悪影響を及ぼす磁束の流出が回避又は低減される。
なお、第一及び第二の磁歪環を磁化する際に、一方を磁化する間、他方に磁化するための一方向磁場が影響を及ぼさないよう配慮することが好ましい。そのためには、磁化する過程に於いては、第一及び第二の磁歪環は、適当な距離隔置された場所でそれぞれ磁化されることとなろう。また、それぞれの磁歪環の端部の磁壁が環の周方向に整列するように、着磁操作の際、一方向磁場の端又は側部を使用しないことが好ましいであろう。
上記の本発明の方法の幾つかの態様において、磁歪環を軸部材に嵌合し又は絞絞まり嵌めした後、磁化し、次いで、磁化された磁歪環を互いに近接することを容易にするために、例えば、軸部材の表面に低摩擦表面(比較的容易に磁歪環を軸部材上にて摺動できる面)と高摩擦表面(固定的に磁歪環を捕捉できる面)を設け、第一及び第二の磁歪環を前記低摩擦表面にて磁化し、高摩擦表面に移動して前記軸部材上にて不動的に固定するになっていてよい。
かくして、上記の一連のトルクセンサの製造方法によれば、磁歪環を軸部材上で磁化する場合には、軸部材上に嵌着され該軸部材の軸線周りに磁化された磁歪環を有し軸部材にねじれトルクが作用した際の磁歪環の磁束の変化を検出して軸部材に作用するねじれトルクを測定するトルクセンサであって、第一の磁歪環と、該第一の磁歪環とは別体であり且該第一の磁歪環とは逆の周方向に磁化された第二の磁歪環とを有し、第一及び第二の磁歪環が、軸部材に絞まり嵌めにされた後、別々に互いに逆方向に磁化された磁歪環であることを特徴とするすることを特徴とするトルクセンサが提供される。また、磁歪環を円環部材に嵌合して磁化する場合には、軸部材上に嵌着され該軸部材の軸線周りに磁化された磁歪環を有し軸部材にねじれトルクが作用した際の前記磁歪環の磁束の変化を検出して軸部材に作用するねじれトルクを測定するトルクセンサであって、第一の磁歪環と、該第一の磁歪環とは別体であり且該第一の磁歪環とは逆の周方向に磁化された第二の磁歪環とを有し、第一及び第二の磁歪環が、それぞれ軸部材上に嵌合可能な円環部材上にて嵌合された状態で周方向に磁化され、軸部材上に磁化の方向が互いに逆方向となるよう装着された磁歪環であることを特徴とするトルクセンサが提供される。これらのトルクセンサは、いずれに於いても、磁歪環において、着磁むら及び残存歪みが低減され又は実質的に無い状態となっている。このことにより、軸部材にねじれトルクが作用していない場合に於ける磁歪環からの磁束の流出は低減され、また、軸の周方向に沿った磁場の変動も低減され、かくして、磁場の計測精度が改善されたものとなっている。
着磁式トルクセンサにおいて、磁歪環上に互いに逆向きの磁化ベクトルを有する着磁領域を形成し、それぞれの領域の磁場を二つのセンサを用いて計測するのは、外部磁場等の影響を磁場の計測値から除去すると同時に、磁歪効果による磁場の計測値のS/N比を増大するためである(特許文献7)。
単に、外部磁場を磁場の計測値から除去するだけであれば、一つのセンサを用い、ねじれトルクの測定前或いはねじれトルクが作用していない状態での磁場の値を計測し、その値を実測値から差し引くか、或いは、センサ全体を大きな磁気シールドで覆い、外部磁場がセンサ近傍に侵入しないようにしてもよい。しかしながら、前者の場合では、時々刻々に外部磁場が変動する状況下では適切に外部磁場成分を計測値から差し引くことはできず、また、後者の場合では、磁気シールドを設置できないような小さな空間にセンサ自体設置することができない。
二つのセンサで二箇所の磁場を計測すれば、センサの近傍に時々刻々と変化する外部磁場が存在しても、二つの磁場の計測値の差分を取ることにより、外部磁場の成分が相殺され、外部磁場の影響を磁場の計測値から除去することが可能である(既に述べた如く、通常のトルクセンサの大きさ程度の範囲(大きくても数10cm)であれば、外部磁場は概ね一方向を向いているので、二つのセンサの計測値に於ける外部磁場の成分は概ね等しい。)。この点に関し、理論的には、二つのセンサがあれば、一方向の着磁領域のみを有する磁歪環しか用いなくても、外部磁場成分の相殺は可能である。しかしながら、実際の磁歪効果による磁束の流出量は非常に小さく、十分なS/N比が得られない。そこで、S/N比を改善し、着磁式トルクセンサを実用的に利用できる範囲を拡大するべく、二方向の着磁領域を有する磁歪環が採用し、磁歪効果による磁束の流出量を大きくするということが提案された(特許文献7)。
しかしながら、磁歪環に二方向の着磁領域を有する着磁式トルクセンサの従前の製造方法では、依然として、磁場計測の精度が改善されず、着磁式トルクセンサの実用的な利用可能な範囲はあまり拡大されていない。その理由の一つは、既に述べた如く、従前の方法に於いては、磁歪環に二方向の着磁領域を設けようとするが故に、磁歪環の周方向(即ち、軸部材の周方向)の磁場の強さにむらを生ずる着磁むら或いは残存歪みが発生することとなり、かかる磁場の強さのむらが磁気センサの計測値に重畳されるため、結果的に、実用的に十分なS/N比が得られなくなってしまっているためである。
上記の着磁むらや残存歪みによる磁場については、ねじれトルクが作用していない状態の磁場を予め計測し、そこでのデータを用いて、ねじれトルク測定時の磁場の計測値を補正することにより、除去できなくはないが、その場合、補正量(即ち、予め計測された値)自体が変動する値であるので、かかる補正量の変動幅が大きければ、結果として得られたねじれトルクに対応する計測値の信頼性は低くなると考えられる。例えば、ねじれトルクによる磁場の変化よりも着磁むら又は残存歪みによる磁場の変動が大きい場合には(実際の従前のものはそうである。)、磁気センサは、不必要に、即ち、予想されるねじれトルクによる磁場の変化範囲よりも広範囲に亙って線形応答性を有している必要があり、そうなると、より高性能の、即ち、高価な磁気センサを用いなくてはならず、トルクセンサの製造コストが増大する。
また、着磁むらに関しては、磁気センサを着磁むらのある部位から遠ざければ、その影響は低減できる。通常、着磁むらは、隣接する二つの着磁領域の境界に生ずるので、着磁むらを避けるためには、二つの磁気センサを、例えば、磁歪環の軸方向の互いに反対側の端部近傍に設置すればよい。しかしながら、その場合には、二つの磁気センサの間の距離が長くなり、そうなると、今度は、外部磁場の向きが場所によって異なる環境、例えば、機械の内部などでは、各磁気センサの感じる外部磁場の向きが異なる可能性が高くなり、結果として、外部磁場を適切に相殺できなってしまうこととなる。即ち、外部磁場が場所によって変化しがちな場合には、着磁むらがあることによって、着磁式トルクセンサを用いることができず、その適用可能な範囲が制限されてしまうのである。
本発明の方法によれば、上記の如く、トルクセンサの磁歪環において、着磁むら及び残存歪みが実質的に無くなるか又は低減され、従って、環の周方向の磁場の強さのむらが大きく低減されるので、磁場の計測値に於けるねじれトルクによる磁場の割合、即ち、S/N比が改善され、磁場計測値の信頼性が向上されることとなる。実測される磁場には、実質的には、外部磁場の成分とねじれトルクによる磁場の成分だけとなるから、本発明のトルクセンサの磁場の計測値は、ねじれトルクのない状態での磁場計測値で補正する必要はほとんどなく、例えば、計測値の補正によって着磁むら又は残存歪みによる周方向の磁場の変動を除去する場合に用いられるべき不必要に線形応答性の広い高価な磁気センサを用いる必要もなくなる。また、本発明のトルクセンサは、着磁むらが無く、従って、磁気センサを着磁領域の境界の近傍に互いに近接して配置できるので、外部磁場の向きや大きさが場所によって比較的大きく変動するような環境に於いても用いることが可能となる。即ち、本発明は、トルクセンサの製造コストを増大することなく、着磁式トルクセンサの実用的な適用範囲を大きく拡大することを可能にするものであると言える。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
図5Aは、従来から知られている(例えば、特許文献7)任意の機械の軸部材Shに嵌着された、二方向に着磁された磁歪環Rを用いた着磁式トルクセンサAの模式的な斜視図を示している。図5Bは、図5Aの磁歪環Rの着磁が理想的に行われた場合の磁化ベクトルの配向方向の状態を示す磁歪環の、その中心軸線X(、即ち、軸部材の軸線)に垂直な方向から見た平面図である。図に於いては、着磁式トルクセンサの原理を説明する目的で、磁気センサH1、H2を磁歪環に対して保持するハウジング及びその他の部品は省略されて描かれている。図中の矢印は、磁化ベクトル(実線又は点線の矢印)及びねじれトルク(一点鎖線の矢印)の向きを表す。軸部材Shは、中心軸線X周りに回転する任意の機械の回転軸であってよい。その場合、磁気センサH1、H2は、機械の本体に固定され、従って、軸部材の回転する間、該軸部材に固定された磁歪環の外周に沿って磁歪環周囲の磁場を計測する。
図5A、Bから理解されるように、着磁式トルクセンサの磁歪環Rは、軸線方向Xに沿って、領域R1、R2の二つに区画され、図中の、即ち、磁化ベクトル(実線矢印)の方向にて示されている如く、領域R1、R2は、それぞれ、互いに逆向きの周方向に磁化されている。軸部材Shにねじれトルクが作用していない場合(図5Bに示されている如く、着磁が理想的であるとすれば、)には、磁束は、磁歪環の周方向に循環する閉ループとなるので、磁歪環の外部に流出しない。ところが、軸部材にねじれトルクTが作用し、軸部材と共に磁歪環にねじれ歪みが生ずると、磁化ベクトルの向きが、点線矢印の如く傾き(所謂「磁歪効果」により磁束がらせん状に変化する。)、磁歪環の端面から磁束が流出することとなる(磁束のX方向の成分Bxが発生する。)。磁束の傾き量、即ち、端部より流出する磁束量は、ねじれ歪みの大きさ及び向き、即ち、ねじれトルクの大きさ及び向きに対応しているので、かかる磁歪環外に流出した磁束量を、領域R1、R2の各々近傍に配置された磁気センサH1及びH2で計測し、かかる計測値からねじれトルクが見積もられることとなる。
図示の如きトルクセンサに於いて、ねじれトルクは、二つの磁気センサH1及びH2を用いて互いに逆方向に着磁された二つの領域R1、R2の磁場をそれぞれ計測し、更に、かかる二つの計測値の差分を、例えば、差動増幅器C又はその他の任意の装置によって演算し、その差分値に基づいて決定される。ここで二つの計測値の差分を用いるのは、簡単に述べれば、地磁気などの外部磁場や外乱磁場を除去しつつ、ねじれ歪みにより流出される磁束の量を大きくし、磁場の計測値のS/N比を稼ぐためである。例えば、図5Bの如く、トルクセンサを外部磁場Gが横切っている状態下では、磁気センサの計測値には、X方向の外部磁場成分Gxが重畳される。しかしながら、外部磁場Gの向き及び大きさは、通常、トルクセンサの大きさ程度(数cm〜数十cm)では概ね変化しないと考えられるので、二つの磁気センサH1、H2の出力の差分をとれば、外部磁場のX方向の成分は相殺されることとなる。更に、領域R1、R2の着磁方向(磁化ベクトルの方向)を互いに逆向きにしておくと、それぞれの領域からのねじれトルクTにより発生するX方向の磁歪環の磁場成分は互いに逆向きになるので、磁気センサH1及びH2で計測される磁歪環の磁場成分の符号も逆向きになる。従って、外部磁場成分の相殺後の計測値の差分は、両方の領域R1、R2からの磁束のX方向の成分の絶対値の和となるので、トルク値に変換される磁場計測値が増大し、かくして、SN比が増大する。
しかしながら、公知の方法により調製された実際の磁歪環においては、図6Aに模式的に示されている如く、領域R1、R2の境界Kに於いて磁化ベクトルの向きの乱れ(着磁むら)が生じたり、或いは、一旦着磁した磁歪環を軸部材Sh上に嵌着する際に、磁歪環に定常的な歪み(残存歪み)が生ずることがあるため、図5Bの如くに磁化ベクトルが整然と配向しているわけではない。実際の磁壁の境界は、期待される境界線Kよりも両側の領域に入り組んだK’の如くになっている。従って、従前の実際の磁歪環に於いては、軸部材にねじれトルクが作用していないにもかかわらず、相当量の磁束が磁歪環から漏洩しており、しかも、漏洩する磁束量が磁歪環の外周に亙って不均一であるため、磁場の計測値がねじれトルクとは無関係に変動し、磁束の計測精度或いはS/N比が理想的に着磁されている場合に比して著しく低下してしまっている。
残存歪みは、特に、着磁された磁歪環を軸部材に固定する際に、例えば、絞まり嵌めする際に生じ得る。絞まり嵌めする際には、特に、磁歪環は、中心軸線が放射方向に応力がかけられ、その結果、歪みが生じ、磁化ベクトルの向きが着磁されたときとずれてしまい、かくして、常に、磁歪環から磁束の流出が発生することとなる。
一方、着磁むらが生ずる原因は、主として、単一円環体において隣接した領域R1、R2を互いに逆向きに着磁しようとするためである。円環体R’の着磁は、通常、円環体R’の一部を一方向磁場Fに曝した状態で円環体R’を回転させることにより行われる(図6B)。その場合、軸方向に沿って複数の異なる着磁領域R1、R2を形成しようとするためには、円環体R’は、図6Cに示されている如く、一方向磁場の側部FSが、着磁領域の境界に一致するよう配置される。しかしながら、一方向磁場の側部FSの磁束は、外方に膨らみ、磁束密度が低く、また、隣接する領域を逆向きに磁化する際には、領域の境界は、逆向きの磁場F’の影響を受ける。従って、結果として図6Aの如く、領域の境界に着磁むらが発生しやすいのである。
着磁むらのある部位においては、同じ極性の磁極同志が隣接し(理想的な着磁状態では、磁束が閉じているので磁極は生じない。)、それらの磁極からの磁束が衝突して磁歪環外部に流れることとなる。かかる外部に流れた磁束を避けて磁場を計測しようとする場合には、図6Aの破線にて示されている如く、二つの磁気センサH1、H2を領域の境界から離隔すればよいが、そうすると、外部磁場磁気センサの感知する外部磁場の向きや大きさが変化している可能性が高くなり(外部磁場が、矢印G’の如く向きが変わっている場合も有り得る)、外部磁場の相殺ができなくなってしまう。即ち、従前の方法により製造されたトルクセンサでは、着磁むらがあることで、外部磁場の向きや大きさが場所によって比較的変化しやすい場合には、正確にトルクを測定できない可能性がある。
上記の従前のトルクセンサの方法、特に、磁歪環の着磁及び軸部材への装着過程に起因する問題は、本発明の方法及びトルクセンサに於いて、解消される。
図1は、本発明の第一の実施形態によるトルクセンサの製造過程を示している。第一の実施形態による方法によれば、まず、磁歪環としてその周方向に磁化される円環体10及び12が、ねじれトルクが測定されるべき軸部材20(以下、被測定軸とする)に嵌合可能な円環体14、16にそれぞれ絞まり嵌めにされる(図1A)。磁歪環となるべき円環体10、12は、任意の強磁性体、例えば、18%Niマルエージング鋼などであってよい。理解されるべきことは、図1Aの状態、即ち、円環体14、16に嵌められた状態で、円環体10、12は、その半径方向に応力がかかり、実質的に、トルクセンサの一部として使用される状態と同一の歪みが発生した状態となっていることである。
次いで、円環体10、12は、円環体14、16に嵌められた状態で、従前の方法と同様に、一方向磁場FS中にて、それぞれ、周方向に磁化される(図1B)。同図から理解される如く、円環体10、12は、それぞれ別々に磁化されるので、一方向磁場Fの磁束線に乱れのない磁場領域の中央領域に配置され、かくして、実質的に着磁むらのない、特に、磁歪環の軸方向の端面10a、b又は12a、bに於いても磁壁の揃った状態の磁歪環10、12として調製される。
着磁された磁歪環10、12は、円環体14、16に嵌められた状態で且磁化された方向が互いに逆向きになるよう被測定軸20に嵌着され、近接される(図1C)。ここで、円環体14、16と軸部材とは、周方向に滑りが生じないように固定されなければならない。従って、円環体14、16と被測定軸20は、溶接、接着、圧入等の任意の方法により互いに固定されることとなる。また、図1Dに示されている如く、円環体14、16の内側にキー22を形成し、被測定軸20の表面にキー22に相補的なスプライン又はキー溝24を形成して、キー22とキー溝24とが嵌合するように、円環体14、16と被測定軸20とが嵌合するようにされてよい。理解されるべきことは、円環体14、16と被測定軸20との間に歪みが生じても、磁歪環10、12に歪みが新たに発生しない限り、磁化ベクトルの乱れを生ずる残存歪みの発生が回避できるということである。
かくして、磁歪環が取り付けられた被測定軸20は、図1Eに示す如く、磁気センサ26、28が固定されたハウジング30に取り付けられる。(又はハウジング30が被測定軸20に取り付けられる。)ハウジング30は、機械の本体に対し固定されており、被測定軸は、軸受け32により、回転可能に支持される。磁気センサ26、28は、MI、MRE、ホール効果素子などであってよく、センサの出力は、電気信号として、図示していない差動増幅器又はその他の任意の装置に送信され、差分を取られ、ねじれトルクの測定値に変換される。
図1Aの円環体10、12を円環体14、16に嵌合する際、図2に示す如く、初めに、円環体14、16が、円環体10、12に緩く挿入され、しかる後に任意の拡大用工具36により矢印の如く半径方向に拡大され、円環体10、12に対して強固に嵌合するようにしてもよい。
図3は、本発明の第二の実施形態によるトルクセンサの製造過程を示している。この実施形態に於いては、被測定軸50には、磁歪環が最終的に固定されるべき表面領域44(高摩擦表面)が高い摩擦係数を有するよう処理され、その両側の表面領域46、48(低摩擦表面)が低い摩擦係数を有するよう処理されたものが用いられる。そして、まず、低摩擦表面46、48に磁歪環となる円環体40、42が嵌合され、好ましくは、絞まり嵌めされる(図3A)。次いで、それぞれの磁歪環40、42が、図1Bと同様の方法により、別々に、互いに逆向きの周方向に磁化される(図3B)。しかる後に、磁化された磁歪環40、42互いに近接され(図3C)、図1Eに示されている如く、被測定軸50は、磁気センサを有するハウジングに対し、回転可能に取り付けられる(図示せず)。
この実施形態においては、図3Aの状態で、円環体40、42には、半径方向に応力が作用し、トルクセンサの磁歪環として使用される際と実質的に同様の歪みが発生していることは理解されるべきである。既に、円環体40、42は、既に歪みが発生している状態で別々に磁化されるので、その後、軸50上で移動する程度では、殆ど、新たな歪みは発生せず、従って、実質的に、着磁むらも残存歪もない磁歪環を被測定軸50に取り付けることが可能となる。なお、低摩擦表面及び高摩擦表面のそれぞれの摩擦の大きさは、実験的に決定されてよい。低摩擦表面の摩擦係数の大きさは、軸50上で、磁化された磁歪環が移動できる程度とすることが必要である。
かくして、第一の実施形態の場合も第二の実施形態の場合も、完成されたトルクセンサの磁歪環における磁化ベクトルの配向状態は、図4に示されている状態であり、着磁むらも残存歪みもないため、磁場の計測値のS/N比が改善され、ねじれトルクの測定精度が向上することとなる。特に、図4の如く、トルクセンサの全長程度の長さで外部磁場Gの向きや大きさの変化する環境下においても、着磁むらが実質的にないため、磁気センサを二つの磁歪環の隣接部付近に互いに近接して配置でき(従って、二つの磁気センサの外部磁場成分の変化は少ないので)、磁場の計測精度を向上することが可能となる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
本発明の第一の実施形態による着磁式トルクセンサの製造過程の模式図。 図1Aの過程の変更例の模式図。 本発明の第二の実施形態による着磁式トルクセンサの製造過程の模式図。 本発明により製造された着磁式トルクセンサの磁歪環の磁化ベクトルの配向状態を示す模式図。 図5Aは、従来より知られている二方向着時式トルクセンサの模式的な斜視図であり、図5Bは、図5Aの磁歪環の磁化ベクトルの理想的な配向状態を示す模式図である。 図6Aは、従来の磁歪環の磁化ベクトルの実際の配向状態を示す模式図である。図6B、Cは、従来の磁歪環の着磁過程の模式図である。
符号の説明
10、12、40、42…磁歪環(円環体)
14、16…円環体
20、50…軸部材、被測定軸
22…キー
24…キー溝
26、28…磁気センサ
30…ハウジング
32…軸受け
44…高摩擦表面
46、48…低摩擦表面
A…着磁式トルクセンサ
R…磁歪環
H1、H2…磁気センサ
R1、R2…着磁領域
Sh…軸部材

Claims (5)

  1. 軸部材上に嵌着され該軸部材の軸線周りに磁化された磁歪環を有し前記軸部材にねじれトルクが作用した際の前記磁歪環の磁束の変化を検出して前記軸部材に作用するねじれトルクを測定するトルクセンサを製造する方法であって、
    第一の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、
    前記第一の磁歪環とは別体であり第二の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、
    前記磁化された第一及び第二の磁歪環をそれぞれの磁化ベクトルが互いに逆向きになった状態で前記軸部材上にて近接する過程と
    を含み、
    前記第一及び第二の磁歪環を磁化する過程において、前記第一及び第二の磁歪環を、前記軸部材上に装着される際と実質的に同様の応力が作用した状態で、別々に磁化することを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法であって、前記第一及び第二の磁歪環を磁化する過程において、前記第一及び第二の磁歪環を、前記軸部材上に嵌合した状態で、別々に互いに逆方向に磁化することを特徴とする方法。
  3. 請求項1の方法であって、前記第一及び第二の磁歪環を、それぞれ前記軸部材上に嵌合可能な円環部材上に嵌合して磁化した後、前記円環部材に嵌合した状態で前記軸部材上に嵌着し、互いに近接することを特徴とする方法。
  4. 軸部材上に嵌着され該軸部材の軸線周りに磁化された磁歪環を有し前記軸部材にねじれトルクが作用した際の前記磁歪環の磁束の変化を検出して前記軸部材に作用するねじれトルクを測定するトルクセンサを製造する方法であって、
    第一の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、
    前記第一の磁歪環とは別体であり第二の磁歪環を準備しその周方向に磁化する過程と、
    前記磁化された第一及び第二の磁歪環をそれぞれの磁化ベクトルが互いに逆向きになるよう前記軸部材上にて近接する過程と
    を含み、
    前記第一及び第二の磁歪環を磁化する過程において、前記第一及び第二の磁歪環を、前記軸部材上にて絞まり嵌めにした状態で、別々に互いに逆方向に磁化することを特徴とする方法。
  5. 請求項2又は4の方法であって、前記軸部材の表面に低摩擦表面と高摩擦表面を設け、前記第一及び第二の磁歪環を前記低摩擦表面にて磁化し、前記高摩擦表面に移動して前記軸部材上にて不動的に固定することを特徴とする方法。
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