JPH07113698A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JPH07113698A
JPH07113698A JP5260793A JP26079393A JPH07113698A JP H07113698 A JPH07113698 A JP H07113698A JP 5260793 A JP5260793 A JP 5260793A JP 26079393 A JP26079393 A JP 26079393A JP H07113698 A JPH07113698 A JP H07113698A
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JP
Japan
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magnetic
shaft
torque
coil
torque sensor
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Pending
Application number
JP5260793A
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English (en)
Inventor
Kiyoto Nakazawa
清人 中澤
Takeo Oogoshi
偉生 大越
Masayoshi Murakami
昌良 村上
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価でかつ簡単な構造で、印加トルクに対す
るトルクセンサの出力信号の対称性が良く、零点ドリフ
トも軽減されると同時に出力感度も向上したトルクセン
サを提供することを目的とする。 【構成】 軸1と、この軸1上に設けられた凸部2と、
この凸部上に設けられた軸1の長手方向に対して±45
°をなす方向に複数スリットが形成された磁歪を有する
非晶質金属体3を備え、非晶質金属体3の上面に励磁兼
検出コイル5a,5bからなる構成を有し、出力感度の
向上したトルクセンサとしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性体の応力磁気効果
を応用し、軸に伝わるトルクを非接触に検出できるトル
クセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】応力磁気効果を利用するトルク検出法の
従来技術として、西ドイツ特許公開第2939566号
公報に開示されているように、磁歪効果を有する非晶質
金属薄帯を軸周に固定し、印加トルクによる透磁率変化
を軸近傍に設置した開磁路形鉄心入り検出コイルにより
検出する方式のものが古くから知られている。
【0003】また、特開平1−114729号公報には
磁性薄帯を軸に加圧接着固定する際に、圧力集中点の発
生を防止する目的で軸上に設けた溝を案内に接着する工
法が開示されている。
【0004】また、特開昭59−77326号公報には
非晶質金属薄帯の励磁および検出感度の向上が期待でき
ることからコイルを取り囲むように閉磁路構造の磁気ヨ
ークを設け、軸上の非晶質金属薄帯に対向させたものが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開平1−1
14729号公報に開示されたトルクセンサにおいて
は、軸上に設けた溝の両端部は、加工上どうしても小さ
な曲率部が残ってしまうため、非晶質金属薄帯を軸に接
着固定する際、不必要な曲げ応力が加わり易くなり45
°方向にスリットをいれた非晶質金属薄帯部と−45°
方向にスリットをいれた非晶質金属薄帯部との透磁率バ
ランスが悪くなる。したがって、印加トルクによる±4
5°方向にスリットを入れた非晶質金属薄帯部の透磁率
変化、および温度変化に対する透磁率変化にも悪影響を
およぼしやすくなり、結果として印加トルクに対するト
ルクセンサの出力信号の対称性、零点温度ドリフトが悪
くなるという課題を有していた。
【0006】また、軸の材質が磁性を持つ鉄系の場合
は、非晶質金属薄帯が軸上の溝に収納される構造である
とどうしても磁気抵抗上、コイルから発する相当量の磁
束が溝外の軸表面に漏洩磁束となって流れてしまう。こ
の漏洩磁束は、コイルから発する規定の磁束を無駄にす
ることになるばかりか、軸表面の磁気特性のバラツキが
そのまま磁性抵抗のバラツキ、漏洩磁束のバラツキとな
って現れる。これにより、印加トルクに対するトルクセ
ンサの出力信号の対称性、零点温度ドリフトが悪くな
り、さらに、漏洩磁束により出力感度も小さくなるとい
う課題を有していた。
【0007】また、特開昭59−77326号公報に開
示されたトルクセンサにおいては、コイルを取り囲む様
に閉磁路構造の磁気ヨークを設け、軸上の非晶質金属薄
帯に対向させているため、非晶質金属薄帯の励磁および
検出感度の向上は期待できるが、円筒状の閉磁路ヨーク
であるため量産に際しては、多層巻きコイルを収納する
ために磁気ヨークを分割しなければならないばかりか、
2個の閉磁路ヨークを精度良く位置決めするためには、
新たにスペーサまたは分割できる収納ケースに相当部分
を設けなければならないという課題を有していた。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、極めて安価かつ簡単な構造でありながら、印加トル
クに対するトルクセンサの出力信号の対称性が良く、零
点温度ドリフトも軽減されると同時に出力信号感度も向
上したトルクセンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、回転可能に支持された軸と、前記軸上の一部
に設けられた凸部と、前記凸部上に設けられ前記軸の長
手方向に対し45°および−45°をなす方向に複数ス
リットが形成された磁歪を有する感磁手段と、前記感磁
手段の各々に対向する所望の位置に前記感磁手段を励磁
兼検出するコイルを内部に配設した断面がほぼコの字型
の環状の磁気ヨークを2つ有し、前記軸に伝わるトルク
により軸表面に発生する歪みの変化を前記感磁手段の透
磁率変化を介して前記コイルの自己インダクタンス変化
として検出し、前記2つのコイルの自己インダクタンス
差からトルクの大きさを検出する電気的手段を有してい
る。
【0010】
【作用】この構成により、軸の長手方向に対し45°お
よび−45°をなす方向に複数スリットが形成された磁
歪を有する感磁手段は、軸の一部に設けられた凸部に接
着されるため、溝の両端部に曲率部が残る場合のように
不必要な曲げ応力が加わることもなく固定される。
【0011】したがって、感磁手段の左右の透磁率バラ
ンスも良くなり、印加トルクによる±45°をなす複数
のスリットの透磁率変化、温度変化に対する左右部の透
磁率変化にも悪影響を及ぼさなくなり、結果として印加
トルクに対するトルクセンサの出力信号の対称性、零点
温度ドリフトが良くなる。
【0012】また、感磁手段を接着する部分が凸部状を
成しているため、軸の材質が磁性を持つ鉄系のような場
合は、磁気回路的に見ても励磁兼検出コイルから感磁手
段が接着されている部分以外への磁気抵抗が従来に比し
て大きくなるため、励磁コイルから発する規定の磁束を
無駄にする漏洩磁束量も減少できるばかりか、軸の磁気
特性のバラツキに付随する悪影響も軽減する。当然のこ
とながら感磁手段から検出コイルへの磁束量も増加する
ため出力感度も大きくなる。
【0013】さらに、前記感磁手段の各々に対向する位
置に、前記感磁手段を励磁兼検出するコイルを内部に配
設した断面がほぼコの字型の環状の2つの磁気ヨークを
有しながら同時に前記2つの磁気ヨークは極めて精度良
い位置決めが達成できる。
【0014】例えば、予め成形コイルの収納スペースを
設けた分割収納ケース内面に磁気ヨークを一体に形成し
てしまえば、これだけですでに各種の部品の公差の組み
合わせによる精度劣化も防止できると同時に位置決めス
ペーサ等を含めた部品点数も削減できる。その他の例と
して、成形コイル外周上の平滑面に磁気ヨークを一体に
形成したものは、前記成形コイル一体磁気ヨークを精度
良く収納するための分割収納ケースに納めるだけで、前
記成形コイル一体磁気ヨークは磁気的に分断されること
もなく、また特別にスペーサを使用したりすることもな
く極めて精度良い位置決めが達成できる。また、上記二
例ともに磁気ヨークは、独立かつ閉磁路構造を成してい
るため相互インダクタンスも極めて小さいと同時に左右
の透磁率バランスが良くなる。
【0015】したがって、安価かつ簡単な構造でありな
がら、感磁手段と励磁兼検出部間の磁気抵抗が極めて小
さくなるため、励磁、検出ともに性能が向上し、結果と
して出力信号感度が著しく向上する。また、感磁手段を
接着する部分が凸部状を成しているため、上述の閉磁路
構造磁気ヨークと組合わせることにより磁気特性の左右
バラツキの源となる漏洩磁束も減少し、印加トルクに対
するトルクセンサの出力信号の対称性が良く、零点温度
ドリフトも軽減される。
【0016】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例について図面を参
照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例におけ
るトルクセンサ本体の断面図である。
【0017】図1において、1は機械構造用炭素鋼から
なる軸、2は軸1の一部にその断面形状が略台形形状を
し一定の幅で全周に渡って形成された凸部、3は凸部2
の上に接着固定された磁歪を有する非晶質金属体、4は
凸部2の上に接着固定された非晶質金属体3に対向する
所望の位置に間隙を隔てて設けた樹脂製のボビン、5
a,5bは、ボビン4に所定の距離を隔てて巻いた励磁
兼検出コイル、6はボビン4上に巻いた励磁兼検出コイ
ル5a,5bの外側に取り付けた磁気ヨーク、7はボビ
ン4と励磁兼検出コイル5a,5bと磁気ヨーク6が納
められる収納ケース、8は軸1を回転自在に保持し収納
ケース7と結合する軸受である。
【0018】本実施例において、軸1は直径16.2mm
で、この軸1上の一部に設けられた直径16.8mmの凸
部2が形成されており、熱膨張係数は11.9×10-5
(1/℃)である。この25mm幅の凸部2に軸の長手方
向に対し45°(以下、「左部」と記す。)および−4
5°(以下、「右部」と記す。)をなす方向に複数スリ
ットが形成されたFe−Ni−Cr−Si−B系、幅は
25mm、飽和磁歪定数は11×10-5、熱膨張係数は1
1.3×10-5(1/℃)をキュリー点温度以上結晶化
温度以下で凸部2の直径とほぼ同じ巻き癖径となる熱処
理を非晶質金属体3をビスマレイミドトリアジン系の樹
脂BT2164(三菱瓦斯化学株式会社)を用い前処理
を行った後、250℃(2時間)で実施した接着剤を用
いて接着する。凸部2の上に接着固定された非晶質金属
体3に対向する所望の位置に間隙を隔てて設けた樹脂製
のボビン4には、各々132ターンの巻数を施した励磁
兼検出コイル5a,5bが配設されており、さらにその
外側にはパーマロイからなる磁気ヨーク6を取り付けて
ある。コイル5a,5bには、非晶質金属体3の磁化ベ
クトルの回転磁化過程を利用できる値を適宜選択した励
磁磁界を駆動回路ブロックから印加する。この構成によ
り、軸1にトルクが加わると凸部2の上に接着固定され
た非晶質金属体3にも歪みが発生し、軸の長手方向に対
し45°および−45°をなす方向に複数スリットが形
成された非晶質金属体3の左右部の透磁率がそれぞれ変
化し、結果としてコイル5a,5bの左右部の自己イン
ダクタンスが変化する。この左右部の自己インダクタン
スの差からトルクの大きさおよび方向を検出できる。
【0019】図2は、本実施例のトルクセンサの20℃
でのトルク−出力電圧特性を従来例として、特開平1−
114729号公報に記載されたトルクセンサ(以下、
「従来例1」と記す。)および特開昭59−77326
号公報に記載されたトルクセンサ(以下、「従来例2」
と記す。)とを、同一の回路にて初期零点設定、零点バ
ランス調整を行い、同一アンプゲインにて測定した結果
を示した比較例である。図2からも明らかな様に、本実
施例の出力電圧SV1は従来例1と従来例2の中間の特
性を示す。従来例1に比べて大きいのは、軸の材質が磁
性を持つ鉄系であるため、磁気回路的に見ても励磁兼検
出コイル5a,5bから非晶質金属体3以外への磁気抵
抗が従来に比して大きくなるため、コイル5a,5bか
ら発する規定の磁束を無駄にする漏洩磁束量も減少でき
るばかりか、非晶質金属体3からコイル5a,5bへの
磁束量も増加するため出力感度も多少なりとも大きくな
ったものと考えられる。従来例2に比べて小さいのは、
やはり磁気ヨークを含めた磁気回路構成において閉磁路
構造を採用していないためである。
【0020】図3は、図2における20℃における初期
特性を測定した後、再度80℃にて測定し、出力電圧S
V、零点温度ドリフトZDを示したものである。従来例
1に比べて零点温度ドリフトが軽減されるのは、図2の
場合、同様磁気回路的に見ても励磁兼検出コイル5a,
5bから非晶質金属体3以外への磁気抵抗が従来に比し
て大きくなるため、軸の磁気特性のバラツキに付随する
悪影響も軽減したためと考えられる。また、従来例2は
出力感度が大きいものの、零点温度ドリフトも大きい。
これは従来例2の場合、円筒状の閉磁路ヨークであるた
め多層巻きコイルを収納するためには、磁気ヨークを分
割しなければならないばかりか、2個の閉磁路ヨークを
スペーサを用い位置決めしなければならないため、全磁
気回路から見た左右の磁気特性の温特が悪くなることに
起因していると思われる。
【0021】なお、本実施例では軸に接着固定する感磁
手段は、非晶質金属体に関して説明したが、これ以外に
もパーマロイを使用しても構わない。この場合は、キュ
リー点が高いため、温度による安定性が高い。さらに、
軸材質として機械構造用炭素鋼をそのまま使用する例を
説明したが、軸表面に非磁性層を形成したりまたは内部
に比べて軸表面の磁化を弱める処理をしてもよい。この
場合は、出力感度の著しい向上とともに左右部の透磁率
のバランス向上が期待できる。また、磁気ヨークとして
パーマロイを例に説明したが、この他にも低炭素鋼、軟
磁性ステンレス鋼、純鉄、3%Si−Fe、1%Si−
Fe、Fe−Al−Si合金、Fe−Co合金、フェラ
イト、ファインメット(日立金属製)である超微結晶軟
磁性合金、非晶質金属体またはこれらと樹脂との複合体
等様々なものが使用可能である。
【0022】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図面を参照しながら説明する。但し、実施例1
と同一部分については同一番号を付している。図4は、
本発明の第2の実施例における収納ケース一体磁気ヨー
クの断面図である。図4において、9は収納ケース、1
0a,10bは収納ケース9の所望の位置に間隙を隔て
て設けた磁気ヨークである。図5は、図4に示した構造
物の内部に、予め磁気ヨーク10a,10bの寸法に適
合するよう励磁兼検出成形コイル11a,11bを納め
た後、軸1の一部に設けた溝部12に接着固定された磁
歪を有する非晶質金属体3に対して、所望の位置に間隙
を隔てて組み立てた状態を説明する図である。
【0023】本実施例において、軸1は溝部12の直径
16.8mm、幅25mmで、溝部12両端の直径16.9
5mmであり、熱膨張係数は実施例1と同様11.9×1
-5(1/℃)である。非晶質金属体3の諸特性および
その接着固定等はすべて実施例1と同じである。溝部1
2の上に接着固定された磁歪を有する非晶質金属体3に
対向する所望の位置関係にありかつ断面がハの字状を呈
する2分割の収納ケース9の内面にパーマロイのスパッ
タリングにより形成された磁気ヨーク10a,10bが
設けてある。さらに、断面がハの字状を呈する磁気ヨー
ク10a,10bの内部には、これと適合する寸法に成
形された励磁兼検出成形コイル11a,11bが納めら
れている。成形された各コイルの巻数は、1層目は35
ターン、2層目は33ターン、3層目は31ターン、4
層目は29ターンで合計128ターンである。以後の駆
動回路、トルク−出力電圧検出原理等はすべて実施例1
に同じである。
【0024】本実施例のトルクセンサの80℃における
トルク−出力電圧特性の出力電圧SV、零点温度ドリフ
トZDを比較のために実施例1の結果とともに図6
(a)、図6(b)に示す。いずれも同一の回路にて初
期零点設定、零点バランス調整を行い、同一アンプゲイ
ンにて測定している事も、実施例1に同じである。図6
(a)、図6(b)から明らかなように、実施例1に比
べて出力電圧が著しく向上するばかりか、零点温度ドリ
フトも小さくなる。
【0025】これは磁気ヨーク自体の断面がハの字状を
呈していると同時に磁歪を有する非晶質金属体3を含め
た磁気回路構造が閉磁路状であるため、励磁兼検出コイ
ル11a,11b、磁気ヨーク10a,10bから非晶
質金属体3以外への磁気抵抗が著しく大きくなるからで
ある。したがって、コイル11a,11bから発する規
定の磁束を無駄にする漏洩磁束量も減少できるばかり
か、非晶質金属体3からコイル11a,11bへの磁束
量も著しく増加するため出力感度も著しく向上する。
【0026】さらに、閉磁路状であるためそれぞれの磁
気回路が独立に機能し、相互インダクタンスも減少す
る。また、それぞれの閉磁路構造をわざわざスペーサ等
で位置決めする必要もなく維持できるため安価であるば
かりか、機械的バラツキによる透磁率の左右バランスの
不釣り合いに起因する零点温度ドリフトの発生も防止で
きる。
【0027】なお、本実施例では磁気ヨークとしてパー
マロイに関して説明したが、実施例1の場合と同様様々
なものが使用可能である。
【0028】また磁気ヨーク断面形状は、必ずしもハの
字状に限定されるものではなく、左右の断面形状が同一
でほぼコの字型でありさえすればよい。
【0029】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について図面を参照しながら説明する。但し、実施例
1,2と同一部分については同一番号を付している。図
7は、本発明の第3の実施例における磁気ヨーク一体励
磁兼検出成形コイルの断面図である。図7において、1
3a,13b(図示せず)は外周面上を樹脂により平滑
面化処理した励磁兼検出成形コイルであり、14a,1
4b(図示せず)はその上に一体に形成した磁気ヨーク
である。
【0030】図8は、図7に示した磁気ヨーク一体励磁
兼検出成形コイルを収納ケース9に納めた後、軸1の一
部に設けた溝部12に接着固定された磁歪を有する非晶
質金属体3に、所望の位置に間隙を隔てて組み立てた状
態を説明する図である。
【0031】本実施例において、図7に示した磁気ヨー
ク一体励磁兼検出成形コイル以外は実施例2に同じであ
るため、この部分に関してのみ詳述する。励磁兼検出成
形コイル13a,13bのコイル成形部のみに関して
は、実施例2に同じであるためコイル成形部の1層目と
2層目、2層目と3層目、3層目と4層目の境目には、
凸凹がある。したがって、この境目を含めて成形コイル
の外周面上を樹脂により平滑面化処理した後、パーマロ
イを表面にスパッタリングし磁気ヨークとした。これを
納める収納ケース9の寸法、磁歪を有する非晶質金属体
3との位置関係も当然実施例2に同じである。
【0032】本実施例のトルクセンサの80℃における
トルク−出力電圧特性の出力電圧SV、零点温度ドリフ
トZDを比較のために実施例1の結果、実施例2の結果
とともに、図9(a)、図9(b)に示す。駆動回路、
トルク−出力電圧検出原理等もすべて実施例2に同じで
ある。基本特性的にも、実施例2とほぼ同じであるが、
磁気ヨークの形成処理能力に関しては本実施例の方が有
利である。なぜならば、実施例2においては収納ケース
に磁気ヨークを形成するのに対して、本実施例では成形
コイルに磁気ヨークを形成するため、同一の処理炉のス
ペース内での処理個数が増加可能となる。
【0033】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について図面を参照しながら説明する。但し、実施例
1,2,3と同一部分については同一番号を付してい
る。図10は、本発明の第4の実施例におけるトルクセ
ンサの断面図である。図10において、磁歪を有する非
晶質金属体を接着固定した軸1,2,3は、実施例1の
図1に同じである。また、磁歪を有する非晶質金属体を
接着固定した軸1,2,3以外の部分は、実施例3の図
8に同じである。構成、寸法関係等もすべて実施例1の
図1、実施例3の図8に同じである。
【0034】本実施例のトルクセンサの80℃における
トルク−出力電圧特性の出力電圧SV、零点温度ドリフ
トZDを比較のために実施例1の結果、実施例2の結
果、実施例3の結果とともに、図11(a)、図11
(b)に示す。駆動回路、トルク−出力電圧検出原理等
もすべて実施例2、実施例3に同じである。基本特性的
にも、実施例1の長所と実施例3の長所を併せ持つ。つ
まり、磁気回路的に見ても励磁兼検出コイル13a,1
3bから非晶質金属体3以外への磁気抵抗が相乗的に大
きくなるため、軸の磁気特性のバラツキに付随する悪影
響も一段と軽減すると同時に、閉磁路状であるためそれ
ぞれの磁気回路が独立に機能し、相互インダクタンスも
減少する。
【0035】また、それぞれの閉磁路構造もわざわざス
ペーサ等で位置決めする必要もなく維持できるため安価
であるばかりか、機械的バラツキによる透磁率の左右バ
ランスの不釣り合いの発生も防止できる。従って、総合
的にみても零点温度ドリフトの発生が一段と軽減され
る。また、出力感度もこの構成の場合が一番になる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明は軸上の凸部に磁
歪を有する非晶質金属体を接着固定し、閉磁路構造の磁
気ヨークを励磁兼検出コイルと一体かつスペーサ等で位
置決めする必要もなく設けることが可能なので、機械的
バラツキによる透磁率の左右バランスの不釣り合い発生
も防止可能であるばかりか、閉磁路状であるためそれぞ
れの磁気回路が独立に機能し、相互インダクタンスも減
少し、印加トルクに対するトルクセンサ信号の対称性が
良く、零点温度ドリフトも軽減されると同時に出力信号
感度も向上したトルクセンサを提供できる。さらに、軸
材料の磁気特性のバラツキに付随する悪影響も一段と軽
減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるトルクセンサの
断面図
【図2】第1の実施例における20℃におけるトルクセ
ンサのトルク−出力電圧特性図
【図3】第1の実施例における80℃におけるトルクセ
ンサのトルク−出力電圧特性図
【図4】本発明の第2の実施例における収納ケース一体
磁気ヨークの断面図
【図5】第2の実施例における構造物を組み立てた状態
を説明する図
【図6】(a)第2の実施例の80℃後におけるトルク
センサのトルク−出力電圧特性の出力電圧SVを説明す
る図 (b)第2の実施例の80℃後のトルクセンサのトルク
−出力電圧特性の零点温度ドリフトZDを説明する図
【図7】本発明の第3の実施例における磁気ヨーク一体
励磁兼検出成形コイルの断面図
【図8】第3の実施例における構造物を組み立てた状態
を説明する図
【図9】(a)第3の実施例のトルクセンサの80℃後
のトルク−出力電圧特性の出力電圧SVを説明する図 (b)第3の実施例の80℃後のトルクセンサのトルク
−出力電圧特性の零点温度ドリフトZDを説明する図
【図10】本発明の第4の実施例におけるトルクセンサ
の断面図
【図11】(a)第4の実施例の80℃後のトルクセン
サのトルク−出力電圧特性の出力電圧SVを説明する図 (b)第4の実施例の80℃後のトルクセンサのトルク
−出力電圧特性の零点温度ドリフトZDを説明する図
【符号の説明】
1 軸 2 凸部 3 非晶質金属体 5a,5b 励磁兼検出コイル 6 磁気ヨーク 10a,10b 磁気ヨーク 11a,11b 励磁兼検出コイル 12 溝部 13a,13b 励磁兼検出コイル 14a,14b 磁気ヨーク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能に支持された軸と、前記軸上の
    一部に設けられた凸部と、前記凸部上に設けられ前記軸
    の長手方向に対し45°および−45°をなす方向に複
    数スリットが形成された磁歪を有する感磁手段と、前記
    感磁手段の各々に対向する位置に前記感磁手段を励磁し
    検出する励磁兼検出コイルと、前記励磁兼検出コイルの
    外側に磁気ヨークを備え、前記軸に伝わるトルクにより
    軸表面に発生する歪みの変化を前記感磁手段の透磁率変
    化を介して前記コイルの自己インダクタンス変化として
    検出し、前記励磁兼検出コイルの自己インダクタンス差
    からトルクの大きさを検出する電気的手段とを有するト
    ルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記感磁手段は、非晶質金属体またはパ
    ーマロイである請求項1記載のトルクセンサ。
  3. 【請求項3】 前記軸の表面の少なくとも一部は、非磁
    性または内部に比べて磁化が弱いことを有する請求項1
    記載のトルクセンサ。
  4. 【請求項4】 前記磁気ヨークは、低炭素鋼、軟磁性ス
    テンレス鋼、純鉄、3%Si−Fe、1%Si−Fe、
    Fe−Al−Si合金、Fe−Co合金、パーマロイ、
    フェライト、超微結晶軟磁性合金、非晶質金属体または
    これらと樹脂との複合体からなる請求項1記載のトルク
    センサ。
  5. 【請求項5】 回転可能に支持された軸と、前記軸の長
    手方向に対し45°および−45°をなす方向に複数ス
    リットが形成された磁歪を有する感磁手段と、前記感磁
    手段の各々に対向する位置に前記感磁手段を励磁し検出
    する励磁兼検出コイルを内部に配設した断面がほぼコの
    字型の環状の2つの磁気ヨークと、前記軸に伝わるトル
    クにより軸表面に発生する歪みの変化を前記感磁手段の
    透磁率変化を介して前記コイルの自己インダクタンス変
    化として検出し、前記励磁兼検出コイルの自己インダク
    タンス差からトルクの大きさを検出する電気的手段を有
    するトルクセンサ。
  6. 【請求項6】 前記磁気ヨークは、収納ケース内面に一
    体に形成された請求項5記載のトルクセンサ。
  7. 【請求項7】 前記磁気ヨークは、成形コイル外周上の
    平滑面に一体に形成された請求項5記載のトルクセン
    サ。
  8. 【請求項8】 収納ケース内面に一体に形成された前記
    磁気ヨークまたは成形コイル外周上の平滑面に一体に形
    成された前記磁気ヨークは、純鉄、3%Si−Fe、1
    %Si−Fe、Fe−Co合金、窒化鉄、フェライト、
    パーマロイ、超微結晶軟磁性合金、非晶質金属体からな
    る請求項6または請求項7記載のトルクセンサ。
  9. 【請求項9】 回転可能に支持された軸と、前記軸上の
    一部に設けられた凸部と、前記凸部上に設けられ前記軸
    の長手方向に対し45°および−45°をなす方向に複
    数スリットが形成された磁歪を有する感磁手段と、前記
    感磁手段の各々に対向する位置に前記感磁手段を励磁兼
    検出するコイルを内部に配設した断面がほぼコの字型の
    環状の2つの磁気ヨークと、前記軸に伝わるトルクによ
    り軸表面に発生する歪みの変化を前記感磁手段の透磁率
    変化を介して前記コイルの自己インダクタンス変化とし
    て検出し、前記励磁兼検出コイルの自己インダクタンス
    差からトルクの大きさを検出する電気的手段を有するト
    ルクセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008134262A (ja) * 2008-02-12 2008-06-12 Honda Motor Co Ltd トルク検出装置
JP2008170450A (ja) * 2008-02-12 2008-07-24 Honda Motor Co Ltd トルク検出装置
JPWO2021100467A1 (ja) * 2019-11-18 2021-12-02 住友金属鉱山株式会社 磁歪部材及び磁歪部材の製造方法

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