JP5682062B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリチタノキサン及びチオール化合物を配合した硬化性組成物に関し、とくに、硬化物の屈折率が高くしかも熱応力緩和性に優れた、溶剤を必須成分としない、液状硬化性組成物に関する。
近年におけるエネルギー・環境問題の観点から、太陽光発電の利用はさらに高まり、ELなどに代表される表示デバイス、照明、光源の発光効率の向上及び低電力化は益々重要になると考えられる。しかし、これら光素子はその構造上、性質の異なる層間の界面での光の反射による光の取り出し又は取り込み効率の低下等が起こる。
例えば、太陽電池や有機ELには内部に透明電極層が、外部にガラス基板が採用されており、有機ELを例にとると、陰極層、有機材料層、透明電極層及びガラス基板が平行に配置された構造をとっており、有機材料層で発生した光はそれらの層を通過して外部に放出されるが、透明電極層(n=1.9〜2.1)からガラス基板(n=1.5前後)を通過する際、界面で起こる全反射のために光の取り出し効率が下がるという問題がある。そこで、太陽電池や有機ELにおける透明電極層とガラス基板との中間の屈折率を有する層を設けることで全反射角が小さくなり、光取り出し効率または光取り込み効率を飛躍的に向上させることが期待されている。このため、屈折率が透明電極層とガラス基板との中間の屈折率以上、例えば、1.6以上の高屈折率透明材料が必要とされている。
高屈折率樹脂材料としては、例えば、特許文献1には、チタンアルコキシドの加水分解縮合物のシリル化誘導体と有機成分とからなる有機−無機複合体が開示されており、特許文献2には、ポリチタノキサン化合物とシリコーン樹脂とを混合してなる封止用樹脂が開示されており、特許文献3には、ポリシロキサンとポリチタノキサンを含有する光硬化性組成物が開示されており、特許文献4には、重合性有機化合物と感光性ポリチタノキサンとを含有する光硬化性組成物が開示されており、特許文献5には、ポリチタノキサンとカルボキシル基及び/又は酸無水物基を含む有機樹脂を含有する硬化性組成物が、それぞれ開示されている。特許文献6には、ラダー状ポリチタノキサンを焼成することでガラス基板上に高屈折率の酸化チタン薄膜を形成した構造物が開示されている。また、特許文献7には、ポリチタノキサンとポリチオウレタンとを含有する有機−無機複合体が開示されている。
特開2006−299049号公報 特開2007−63393号公報(実施例2) 特開2000−109560号公報(実施例) 特開平10−204110号公報 特開平10−204182号公報 特開平01−129032号公報 特開2004−231867号公報
しかしながら、従来の技術においては、保存安定性に優れ、硬化物の屈折率を充分に高くし、しかも、クラック等が生じることのない薄膜形成性を硬化性組成物に保持させることは困難で、硬化物の屈折率が高く、熱応力緩和性、薄膜形成性に優れ、厚膜としても適用可能な硬化性組成物は知られていない。
上述の現状に鑑みて、本発明は、ポリチタノキサン及びチオール化合物を配合した硬化性組成物であって、硬化物の屈折率が高く、熱応力緩和性、薄膜形成性に優れ、のみならず厚膜としても適用可能であり、しかも保存安定性に優れ、溶剤を必須成分としない、液状硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)チタンテトラアルコキシドを1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得られるチタノキサン化合物(チタノキサン化合物(A)ともいう。)、
(B)1分子中にSH基を少なくとも二つ有するチオール化合物(チオール化合物(B)ともいう。)、並びに、
(C)1分子中に炭素数2〜5のアルケニル基を少なくとも二つ有し、かつ、分子中に、(i)少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、(ii)(a)酸素原子、硫黄原子若しくはケイ素原子、若しくは、(b)炭素数2〜20(ただし、アルケニル基を構成する炭素を除く。)の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)のいずれかを少なくとも一つ含有する、アルケニル化合物(アルケニル化合物(C)ともいう。)を含有し、前記チタノキサン化合物(A)、チオール化合物(B)及びアルケニル化合物(C)は相溶溶液を形成することを特徴とする硬化性組成物である。本明細書中、アルケニル化合物とは広義に用いており、アルケニル基含有炭化水素、アルケニル基含有炭化水素誘導体を含む。
本発明はまた、(A)チタンテトラアルコキシドを1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得られるチタノキサン化合物、並びに、
(D)1分子中にSH基を少なくとも二つ有し、かつ、分子中に、少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、炭素数3以上の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)を少なくとも一つ含有する、分子量200〜20,000のチオール化合物(チオール化合物(D)ともいう。)を含有し、前記チタノキサン化合物(A)及びチオール化合物(D)は相溶溶液を形成することを特徴とする硬化性組成物でもある。
本発明の一態様においては、チタノキサン化合物(A)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
TiαOβ(OR)γ (1)
式(1)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基である。分子中に複数存在するRは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。α、β、γは、以下の条件(a)〜(c)を満たし、αは正の整数、β、γは正の数である。
(a)80≧α≧2、
(b)1.8α≧β≧α、
(c)γ=4α−2β
本発明の別の態様においては、チタノキサン化合物(A)を、チタノキサン化合物(A)、チオール化合物(B)及びアルケニル化合物(C)の合計に対して、50〜95重量%含有する。
本発明の組成物は上述の構成により、その硬化物は、例えば、1.7を超える高屈折率を示し、しかも薄膜形成性にすぐれ、のみならず厚膜としても適用可能である。本発明の組成物は、例えば、フィルム状レンズ、反射防止膜等の光学部品や、太陽電池、有機EL、LED等の光素子の高効率化に有用な高屈折率層形成用透明材料として使用することができる。
本発明の組成物は、上述の構成により、有機溶剤を必須成分として含まないので、硬化物の物性に悪影響を及ばす成分を排除でき、組成物の光学特性の設計自由度が高い。また、無溶剤型液状組成物とすることが可能であるので、薄膜として基板上に形成することはもちろん、厚膜の硬化物を得る事が可能である。さらに、アルケニル基含有化合物をチオール化合物とともに配合することにより、優れた薄膜形成性を発揮することができる。さらに、長期間経過後もゲル化や固形物の析出がなく液状を維持できるため、保存安定性にも優れている。
本発明の組成物は、上述の構成により、150℃前後で硬化する事が可能であり、しかも、後硬化等の加熱における熱応力緩和性に優れ、クラック等が生じることなく高屈折率の薄膜を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
チタノキサン化合物(A)はポリチタノキサンとも称され、Ti−O−Ti結合を繰り返し単位として有する化合物であり、チタンテトラアルコキシドを、1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得られる。その製造方法としては、例えば、Ti(OR)[式中、4つのRは、それぞれ同一に、炭素数1〜12のアルキル基である。]で表されるチタンテトラアルコキシドを、1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得ることができる。具体例には、例えば、チタンテトラアルコキシドを、溶剤にて希釈したのち、上記量の水を滴下し、還流する方法等を挙げることができる。加水分解の温度は、20〜90℃が好ましい。Rは炭素数1〜12のアルキル基であれば特に限定されないが、原料の入手容易性からメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル等の炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
チタノキサン化合物(A)は、直鎖状、分枝状、三次元網目状、ペンダント状、ラダー状、籠状等のいずれの重合体形態であってもよく、上記チオール化合物(B)及びアルケニル化合物(C)、又は、該当する場合は上記チオール化合物(D)との相溶性を保持していれば特にその形態は限定されるものではない。また、チタノキサン化合物(A)は組成物が相溶溶液を形成するかぎり、常温で個体であっても液体であってもよい。
チタノキサン化合物(A)の重量平均分子量としては特に制限されないが、1,000〜50,000が好ましく、1,300〜20,000がより好ましい。
上記チタノキサン化合物(A)は、例えば、上記一般式(1)で表される化合物であってよい。上記式(1)中、α、β、γは、上記の条件(a)〜(c)を満たし、αは正の整数、β、γは正の数である。上記式(1)中のαとβの関係において、βが1.8αよりも大きいと、チタノキサン化合物(A)がゲル化して硬化物が白濁する場合があり、βがαよりも小さいと完全硬化時の硬化収縮が大きくなりクラックが発生しやすいので、1.8α≧β≧αを満たす必要がある。チタノキサン化合物(A)は、αが2以上であり、チタノキサン化合物(A)中に、Ti−O−のチタノキサンの単位構造が少なくとも二つ存在していることを示す。αの上限は、通常、80のオリゴマーであるが、より小さい値であってもよく、例えば、60、40、30、20、10又は5であってもよい。
チタノキサン化合物(A)中のチタンの含量としては、16〜53重量%が好ましく、18〜53重量%がより好ましい。
上記チオール化合物(B)としては、1分子中にチオール基(SH基ともいう。)を少なくとも二つ有するチオール化合物であればとくに限定されない。本発明における一態様としては、上記チオール化合物(B)としては、例えば、分子中に、少なくとも一つ、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2つの芳香環を含有する、及び/又は、直鎖状、分枝鎖状若しくは脂環状の、炭素数2〜20の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)を少なくとも一つ、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4つ含有し、1分子中にSH基を少なくとも二つ有するチオール化合物を用いる。このようなチオール化合物(B)としては、例えば、芳香族チオール、チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオール、脂肪族チオール、チオール基以外に硫黄原子を有する脂肪族チオール又は非芳香環含有チオール、炭素以外に酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子を有する芳香族アルケニル化合物とチオール化合物とをチオール基が過剰となる条件下で反応させたチオール等が挙げられる。
上記芳香族チオールとしては、例えば、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメトキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエトキシ)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオールとしては、例えば、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、4,4’−チオビスベンゼンチオール等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記脂肪族チオールとしては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、1−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトアセテート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記チオール基以外に硫黄原子を有する脂肪族チオール又は非芳香環含有チオールとしては、例えば、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピル)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、2−メルカプトエチルチオ−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4’−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4’−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、4−メルカプトメチル−3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、ビス(1,3−ジメルカプト−2−プロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、4,4’−チオビスシクロヘキサンジチオール等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記炭素以外に酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子を有する芳香族アルケニル化合物とチオール化合物とをチオール基が過剰となる条件下で反応させたチオールとしては、炭素以外の原子を含有する芳香族アルケニル化合物(後述するエーテル化合物、シロキサン化合物等)とチオール化合物とをチオール基が過剰となる条件下で反応させた化合物等を挙げることができる。
これらのうち、上記チオール化合物(B)としては、芳香族チオール、チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオールが好ましく、また、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンも好ましい。これらのうち、芳香族チオール、チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオールが、チタノキサン化合物(A)との相溶性、高屈折率性の点からより好ましく、チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオールがさらに好ましい。芳香族チオールとしては、上述の例示のうち、例えば、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,4−ナフタレンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ベンゼントリチオール等を好ましく挙げることができる。チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオールとしては、上述の例示のうち、例えば、4,4’−チオビスベンゼンチオール等を好ましく挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
上記チオール化合物(B)のSH基当量は、好ましくは、1000g/eq以下であり、更に好ましくは900g/eq以下である。SH基当量がこの範囲にあると硬化性組成物の製膜性が良好である。
また、チオール化合物(B)1分子に含まれるSH基の数は2以上であるが、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4である。
化合物(B)の重量平均分子量としては100〜10,000が好ましく、100〜5,000がより好ましい。
上記アルケニル化合物(C)としては、1分子中に炭素数2〜5のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル等。好ましくは、ビニル、アリル。本明細書中、単に「アルケニル」又は「アルケニル基」ともいう。)を少なくとも二つ、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3つ有し、かつ、分子中に、(i)少なくとも一つ、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2つの芳香環を含有する、及び/又は、(ii)(a)酸素原子、硫黄原子若しくはケイ素原子、若しくは、(b)炭素数2〜20(ただし、アルケニル基を構成する炭素を除く。)の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)のいずれかを少なくとも一つ、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2つ含有する、アルケニル化合物を用いる。このようなアルケニル化合物(C)としては、例えば、脂肪族アルケニル化合物、炭素以外の原子を含有する脂肪族又は非芳香環含有アルケニル化合物、芳香族アルケニル化合物、炭素以外の原子を含有する芳香族アルケニル化合物等が挙げられる。
上記脂肪族アルケニル化合物としては、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,6−へプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2−ジアリルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記炭素以外の原子を含有する脂肪族又は非芳香環含有アルケニル化合物としては、例えば、ジアリルエーテル、ジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジアリルエーテル等のアルケニル基含有脂肪族エーテル、コハク酸ジアリル、シュウ酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアルケニル基含有脂肪族エステル、ジアリルカーボネート、ジアリルジカーボネート等のアルケニル基含有カーボネート類、1,4−ジビニルパーフルオロブタン、1,8−ジビニルパーフルオロオクタン、ジビニルスルホン、ジアリルトリスルフィド等のフッ素原子、イオウ原子含有アルケニル化合物、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラキス(ジメチルビニルシロキシメチル)メタン等のアルケニル基含有シロキサン化合物等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記芳香族アルケニル化合物としては、例えば、1,2−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジアリルベンゼン、1,4−ジアリルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリアリルベンゼン、1,2,4,5−テトラアリルベンゼン、へキサアリルベンゼン、ジビニルトルエン、1,4−ジビニルナフタレン、1,5−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニルナフタレン、1,4−ジアリルナフタレン、1,5−ジアリルナフタレン、1,8−ジアリルナフタレン、2,6−ジビニルナフタレン、9,10−ジビニルアントラセン、9,10−ジアリルアントラセン等が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
上記炭素以外の原子を含有する芳香族アルケニル化合物としては、例えば、ビスフェノールAジアリルエーテル、1,2−ジアリルオキシベンゼン、1,3−ジアリルオキシベンゼン、1,4−ジアリルオキシベンゼン、テレフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、トリメリット酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、ジアリルフェニルスルホン、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジアリルジフェニルシラン等の酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子を含有する芳香族アルケニル化合物が挙げられる。これらは1種のみ使用してもよく又は2種以上を併用することもできる。
これらのうち、上記アルケニル化合物(C)としては、液状であり、屈折率が高い1,2−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジアリルベンゼン、1,3−ジアリルベンゼン、1,4−ジアリルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリアリルベンゼン、1,2,4,5−テトラアリルベンゼン、へキサアリルベンゼン、ジビニルトルエン、ビスフェノールAジアリルエーテル、1,2−ジアリルオキシベンゼン、1,4−ジアリルオキシベンゼン、テレフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、トリメリット酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジアリルジフェニルシランが好ましい。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
さらに、上記アルケニル化合物(C)としては、1分子中にヒドロシリル基(SiH基)を少なくとも二つ、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4つ有する有機化合物と1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3つ有する有機化合物とからヒドロシリル化反応によって鎖伸張されたアルケニル基含有機化合物を挙げることができる。
上記1分子中にヒドロシリル基(SiH基)を少なくとも二つ有する有機化合物としては、例えば、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、メチルフェニルシラン、ジフェニルシラン等のヒドロシリル基含有芳香族炭化水素等を挙げることができる。これらのうち、高屈折率のためには、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、メチルフェニルシラン、ジフェニルシラン等のシロキサン結合を分子中に含まない化合物が好ましい。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
上記1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ有する有機化合物としては、上述のアルケニル化合物を使用可能であり、例えば、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−へプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2−ジアリルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、ジアリルエーテル、ジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジアリルエーテル、コハク酸ジアリル、シュウ酸ジアリル、アジピン酸ジビニル、アジピン酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、ジアリルカーボネート1,2−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジアリルベンゼン、1,4−ジアリルベンゼン、テレフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジアリルジフェニルシラン等のアルケニル基を1分子中に二つ有する化合物。トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラキス(ジメチルビニルシロキシメチル)メタン、1,3,5−ベンゼントリカルボキシ酸トリアリル、1,2,4,5−テトラアリルベンゼン等のアルケニル基を1分子中に三つ又はそれ以上有する化合物等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
上記ヒドロシリル化反応によって鎖伸張されるアルケニル基含有有機化合物の具体例としては、例えば、アルケニル基の官能基量がSiH基の官能基量より過剰になる様に上記の化合物を配合してヒドロシリル化反応により得ることができる有機化合物を挙げることができ、例えば、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンとフタル酸ジアリルとのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンとジビニルベンゼンとのモル比1:2〜1:1の反応物、ジフェニルシランとフタル酸ジアリルのモル比1:2〜1:1の反応物、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとジアリルジカーボネートのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンとアジピン酸ジビニルとのモル比1:2〜1:1の反応物等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
上記ヒドロシリル化反応は、溶媒の存在、又は、非存在下において、好ましくは触媒の存在下、加熱することによって目的の化合物を得ることができ、上記触媒としては、白金触媒が使用できる。反応条件としては、例えば、窒素雰囲気下において溶剤、触媒の存在下70℃〜150℃の加熱処理によって合成する事ができる。
さらに、上記アルケニル化合物(C)としては、1分子中にチオール基(SH基)を少なくとも二つ、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4つ有する有機化合物と、1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3つ有する有機化合物とから付加反応によって鎖伸張されたアルケニル基含有有機化合物も挙げることができる。
上記1分子中にSH基を少なくとも二つ有する有機化合物としては、例えば、上記チオール化合物(B)として先に例示した有機化合物を挙げることができる。
上記1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ有する化合物としては、1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ有する有機化合物として上述の化合物を使用することができる。
上記付加反応によって鎖伸張されるアルケニル基含有有機化合物の具体例としては、例えば、アルケニル基の官能基量がSH基の官能基量より過剰になる様に上記の化合物を配合して付加反応により得ることができる有機化合物を使用することができ、例えば、4,4’−チオビスベンゼンチオールとフタル酸ジアリルとのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ベンゼンチオールとアジピン酸ジビニルとのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンとフタル酸ジアリルのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ベンゼンチオールとジアリルジカーボネートのモル比1:2〜1:1の反応物、4,4′−チオビスベンゼンチオールとアジピン酸ジビニルのモル比1:2〜1:1の反応物、4,4’−チオビスベンゼンチオールと1,8−ノナジエンのモル比1:2〜1:1の反応物、4,4’−チオビスベンゼンチオールとジアリルジカーボネートのモル比1:2〜1:1の反応物、2,2′−(エチレンジチオ)ジエタンチオールとトリメチロールプロパントリアリルエーテルのモル比1:2〜3:2の反応物、及び、4,4’−チオビスベンゼンチオールとジビニルベンゼンとのモル比1:2〜1:1の反応物等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でも、4,4’−チオビスベンゼンチオールとフタル酸ジアリルとのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ベンゼンチオールとアジピン酸ジビニルとのモル比1:2〜1:1の反応物、1,4−ベンゼンチオールとジアリルジカーボネートのモル比1:2〜1:1の反応物、4,4′−チオビスベンゼンチオールとアジピン酸ジビニルのモル比1:2〜1:1の反応物は、高屈折率の点から好ましい。
上記付加反応は、溶媒の存在、又は、非存在下において、触媒の存在下、又は、非存在下、加熱することによって目的の化合物を得ることができ、上記触媒としては、酸素、過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどラジカル発生剤が使用できる。反応条件としては、例えば、大気圧下において溶剤、触媒の非存在下70℃〜150℃の加熱処理によって合成する事ができる。
アルケニル化合物(C)の重量平均分子量としては、100〜20,000が好ましく、100〜10,000がより好ましい。
本発明の他の態様においては、(A)チタンテトラアルコキシドを1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得られるチタノキサン化合物、並びに、(D)1分子中にSH基を少なくとも二つ、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4つ有し、かつ、分子中に、少なくとも一つ、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2つの芳香環を含有する、及び/又は、炭素数3以上の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)を少なくとも一つ、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4つ含有する、分子量200〜20,000のチオール化合物を含有し、前記チタノキサン化合物(A)及びチオチオール化合物(D)は相溶溶液を形成することを特徴とする硬化性組成物でもある。
上記チオール化合物(D)としては上述の要件を満たすかぎりとくに限定されず、上述のチオール化合物(B)において例示した化合物のうち、該当するものを適用可能である。チオール化合物(D)は、1分子中にSH基を少なくとも二つ有し、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4有し、かつ、分子中に、少なくとも一つ、好ましく1〜3、より好ましくは1〜2つの芳香環を含有するものが好ましく、当該芳香環はベンゼン環であるものがより好ましい。
本発明の一態様においては、上記チオール化合物(D)としては、(B)1分子中にSH基を少なくとも二つ有するチオール化合物と(C)1分子中に炭素数2〜5のアルケニル基を少なくとも二つ有し、かつ、分子中に、(i)少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、(ii)(a)酸素原子、硫黄原子若しくはケイ素原子、若しくは、(b)炭素数2(ただし、アルケニル基を構成する炭素を除く。)以上の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)のいずれかを少なくとも一つ、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4つ含有する、含有する、アルケニル化合物とを反応させたチオール化合物を挙げることができる。このようなチオール化合物(D)は、1分子中にSH基を少なくとも二つ有するか、これらに加えて、さらに、アルケニル基を有する化合物であり得る。好ましくは、1分子中にSH基を少なくとも二つ有するか、又は、1分子中にSH基を少なくとも二つとそれ以外にアルケニル基も有する化合物であり、1分子中にSH基を少なくとも二つ有する化合物がより好ましい。
チオール化合物(D)の具体例としては、例えば、チオビスベンゼンチオールとフタル酸ジアリルとのモル比2:1〜1:1の反応物、ベンゼンジチオールとアジピン酸ジビニルとのモル比2:1〜1:1の反応物、ベンゼンジチオールとフタル酸ジアリルとのモル比2:1〜1:1の反応物、ビス(メルカプトメチル)ベンゼンとフタル酸ジアリルのモル比2:1〜1:1の反応物、ベンゼンジチオールとジアリルジカーボネートのモル比2:1〜1:1の反応物、ナフタレンジチオールとフタル酸ジアリルのモル比2:1〜1:1の反応物、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオールとトリメチロールプロパントリアリルエーテルのモル比3:1〜2:1の反応物、ビス(メルカプトエチルチオ)エタンとノナジエンのモル比2:1〜1:1の反応物、チオビスベンゼンチオールとアジピン酸ジビニルのモル比2:1〜1:1の反応物、及び、チオビスベンゼンチオールとノナジエンのモル比2:1〜1:1の反応物等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でも、チオビスベンゼンチオールとフタル酸ジアリルとのモル比2:1〜1:1の反応物、ベンゼンジチオールとアジピン酸ジビニルとのモル比2:1〜1:1の反応物、ベンゼンジチオールとフタル酸ジアリルとのモル比2:1〜1:1の反応物、ナフタレンジチオールとフタル酸ジアリルとのモル比2:1〜1:1の反応物は、高屈折率の点から好ましい。
上記チオール化合物(D)は、製膜性の点から25℃で液状であることが好ましく重量平均分子量の上限は20,000が好ましく、さらに好ましくは10,000である。重量平均分子量の下限は200が好ましく、さらに好ましくは300である。
上記チオール化合物(D)は、SH基のアルケニル基への付加反応によって合成することができる。上記チオール有機化合物(D)は上記チオール化合物(B)と上記アルケニル化合物(C)とを溶媒の存在、又は、非存在下において触媒の存在下、又は、非存在下、加熱することによって目的の化合物を得ることができ、上記触媒としては、酸素、過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどラジカル発生剤が使用できる。反応条件としては、例えば、上記チオール化合物(B)と上記アルケニル化合物(C)とを常圧下において溶剤、触媒の非存在下70℃〜150℃の加熱処理によって合成する事ができる。
また、上記チオール化合物(D)とともに、上記チオール化合物(B)及び/又はアルケニル化合物(C)を併用してもよく、上記チオール化合物(B)を併用することが製膜性の点で好ましい。
上記化合物(A)〜(C)、又は、該当する場合は、上記チタノキサン化合物(A)及びチオール化合物(D)、若しくは、上記化合物(A)〜(C)及びチオール化合物(D)は、相溶溶液を形成する。すなわち、上記化合物(A)〜(C)、又は、該当する場合は、上記チタノキサン化合物(A)及びチオール化合物(D)、若しくは、上記化合物(A)〜(C)及びチオール化合物(D)は、相溶性を有し、他の溶剤成分の存在なしに、好ましくは組成物の使用温度域(通常は0〜30℃程度であり、それ以上であってもよいが硬化温度未満である。)で、溶液を形成する。そのため、例えば、上記チオール化合物(B)又はアルケニル化合物(C)のうち、少なくとも一つの化合物は液状であることが好ましく、また、該当する場合は、上記チオール化合物(D)は液状であることが好ましい。
上記化合物(A)〜(C)の合計量に対するチタノキサン化合物(A)の配合量は50〜95重量%が好ましく、60〜90重量%がより好ましい。
また、一般に、チオール化合物(B)が多いと製膜性が高く、アルケニル化合物(C)が多いと硬化物の透明性が高くなるが、製膜性と透明性の高い水準でのバランスを考慮すると、チオール化合物(B)とアルケニル化合物(C)との配合比(重量比)は、5:95〜95:5が好ましく、10:90〜90:10がより好ましい。
また、上記チタノキサン化合物(A)とチオール化合物(D)の合計量に対するチタノキサン化合物(A)の配合量は50〜95重量%が好ましく、65〜90重量%がより好ましい。
本発明の組成物は、本発明の目的を阻害しないかぎり、その他の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、シランカップリング剤、ヒンダードアミン系光安定化剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、メガファックR−08(商品名)、メガファックF−410(商品名)(いずれも大日本インキ化学工業社製)、EF−102(商品名)(株式会社ジェムコ製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、TINUVIN(登録商標)770、TINUVIN(登録商標)622LD(いずれもチバスペシャルティーケミカルズ社製)、アデカスタブ(登録商標)LA−57(旭電化工業社製)等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、IRGANOX(登録商標)1010(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ノクラックNS−30(商品名)(大内新興化学工業社製)、トミノックスTT(商品名)(吉豊ファインケミカル社製)等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の配合量は、組成物中、0.1〜5phrが好ましく、より好ましくは0.5〜2phrである。
上記ヒンダードアミン系光安定化剤の配合量は、組成物中、0.01〜0.5phrが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3phrである。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合量は、組成物中、0.01〜0.5phrが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3phrである。
本発明の組成物は、上記成分を混合することにより、液状組成物に調製することができる。ただし、組成物の粘度調整のために、適宜、加熱乾燥により除去できる有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤としては、必須成分および任意成分を均一に溶解でき、加熱乾燥により除去できるものであれば特に制限されるものではない。具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、酢酸ブチル、酢酸エチルなどのエステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を挙げる事ができ特に、炭化水素類、ケトン類、エステル類が好ましい。
本発明の組成物は、硬化条件として、50〜300℃が好ましく、さらに好ましくは70〜150℃、20分〜5時間程度を使用することができる。また、初めに比較的低温、例えば、50〜100℃程度で、比較的短時間、例えば、1分〜1時間の乾燥処理を施し、その後、より高温、長時間、例えば、100〜300℃、20分〜5時間、の硬化処理を行う方法を使用することもできる。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されないが、ディッピング、スピンコーター、バーコーター、ロールコーターなどを用いて基材上に塗布することができる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1
ポリチタノキサンの合成
回転子、還流管、滴下ロートを備えた三つ口ナス型フラスコにイソプロピルアルコール22.72gとテトライソプロピルチタネート22.72g(0.08mol)を仕込み、よく撹拌しながら80℃で加温保持した。この中に蒸留水2.30g(0.128mol)とイソプロピルアルコール34.56gとの混合液を徐々に滴下した後、85℃で2時間還流し、反応を熟成させた。反応液を冷却した後、アスピレーターを用いて濃縮し、白色固体(Ti含有量39.9%)9.60gを得た。式(1)におけるα、β、γの理論値は、α=10、β=16、γ=8である。
実施例1〜3
表1に示す各成分及び組成(重量部)でそれぞれ配合し25℃で混合し、均一な液状組成物を調製した。得られた各組成物をガラス基板上にスピンコートした後、それぞれ、下記の条件で硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物の膜厚、透過率およびヘーズ値を下記のとおり評価した。また得られた各組成物をシリコンウエハ上にスピンコートした後、それぞれ、下記の条件で硬化させて硬化物を得た。得られた屈折率を下記のとおり評価した。結果を表1に示した。
実施例4〜23
SH基含有化合物とアルケニル基含有化合物とを予め反応させた有機化合物を化合物(D)として、表1、表2に示す成分を用い、実施例1と同様にして混合し、均一な液状組成物を調製し、硬化物を得た。
比較例1〜2
表1の配合を用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、硬化物を得た。
硬化条件:70℃×30分+120℃×30分+150℃×30分
評価
測定条件は以下のとおり。
厚み測定:触針式表面形状測定器
透過率:ダブルビーム式ヘーズコンピューターを用い、ガラス基板の硬化膜の透過率を測定した。標準には硬化性組成物塗布前のガラス基板を使用した。
ヘーズ値:ガラス基板上の硬化膜の曇度をダブルビーム式ヘーズコンピューターにて測定した。標準には硬化性組成物塗布前のガラス基板を使用した。
熱硬化性:加熱後ガラス基板上の硬化物についてクラックの有無を、それぞれ目視にて観察した。
評価基準は以下のとおり。
○:クラック無し、△:クラック発生、×:剥離発生
屈折率の測定:エリプソメーターを用いて632.3nmにおける屈折率を25℃にて測定した。
なお、表中の略号は以下のとおりである。分子量はGPCにより測定した重量平均分子量である。
ポリチタノキサン(A):製造例1で得られたポリチタノキサン
SH基含有化合物(B)(1):4,4’−チオビスベンゼンチオール
SH基含有化合物(B)(2):ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
SH基含有化合物(B)(3):1,4−ジメルカプトベンゼン
SH基含有化合物(B)(4):2,2′−(エチレンジチオ)ジエタンチオール
SH基含有化合物(B)(5):1,5−ナフタレンジチオール
SH基含有化合物(B)(6):1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン
アルケニル基含有機化合物(C)(1):次のオリゴマー:フタル酸ジアリル/1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンのモル比2:1で配合しヒドロシリル化反応によって得られたアルケニル基含有有機化合物(分子量:1090)
アルケニル基含有機化合物(C)(2):ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル
アルケニル基含有機化合物(C)(3):次のオリゴマー:フタル酸ジアリル/ジフェニルシランをモル比2:1で配合し、ヒドロシリル化反応によって得られたアルケニル基含有有機化合物(分子量:930)
アルケニル基含有機化合物(C)(4):次のオリゴマー:アジピン酸ジビニル/1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンをモル比2:1で配合し、ヒドロシリル化反応によって得られたアルケニル基含有有機化合物(分子量:1200)
アルケニル基含有機化合物(C)(5):次のオリゴマー:ジビニルベンゼン/1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンをモル比2:1で配合し、ヒドロシリル化反応によって得られたアルケニル基含有有機化合物(分子量:2350)
アルケニル基含有機化合物(C)(6):次のオリゴマー:ジビニルベンゼン/4,4′−チオビスベンゼンチオールをモル比2:1で配合して得た付加反応物(分子量:1500)
アルケニル基含有機化合物(C)(7):次のオリゴマー:アジピン酸ジビニル/4,4′−チオビスベンゼンチオールをモル比2:1で配合して得た付加反応物(分子量:1850)
アルケニル基含有機化合物(C)(8):次のオリゴマー:1,8−ノナジエン/4,4′−チオビスベンゼンチオールをモル比2:1で配合して得た付加反応物(分子量:3620)
アルケニル基含有機化合物(C)(9):次のオリゴマー:ジアリルジカーボネート/4,4′−チオビスベンゼンチオールをモル比2:1で配合して得た付加反応物(分子量:1950)
化合物(D)(1):次のオリゴマー:4,4′−チオビスベンゼンチオール/フタル酸ジアリルのモル比2:1で配合した付加反応物(分子量:2260)
化合物(D)(2):次のオリゴマー:1,4−ベンゼンチオール/フタル酸ジアリルのモル比2:1で配合した付加反応物(分子量:3000)
化合物(D)(3):次のオリゴマー:1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン/フタル酸ジアリルのモル比2:1で配合した付加反応物(分子量:2260)
化合物(D)(4):次のオリゴマー:1,5−ナフタレンジチオール/フタル酸ジアリルのモル比2:1で配合した付加反応物(分子量:3300)
化合物(D)(5):次のオリゴマー:2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール/トリメチロールプロパントリアリルエーテルのモル比3:1で配合した付加反応物(分子量:未測定)
化合物(D)(6):次のオリゴマー:4,4′−チオビスベンゼンチオール/アジピン酸ジビニルのモル比2:1で配合した付加反応物(分子量:2120)
Figure 0005682062
Figure 0005682062
上記実施例から、本発明の組成物の硬化物は、薄膜にすることができ、高い屈折率を有していた。また、実施例1〜23の混合溶液は常温で1週間経過しても液状を保ち、粘度の上昇が無く、ゲル化或いは固形物の析出が無く、保存安定性に優れていることが確認された。一方、比較例1は、硬化物が脆く、薄膜を形成しなかった。比較例2は、ポリチタノキサンをSH基含有化合物で架橋しない組成物は、やはり塗膜が脆く、薄膜を形成しなかった。

Claims (17)

  1. (A)チタンテトラアルコキシドを1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得られるチタノキサン化合物、
    (B)1分子中にSH基を少なくとも二つ有するチオール化合物、並びに、
    (C)1分子中に炭素数2〜5のアルケニル基を少なくとも二つ有し、かつ、分子中に、(i)少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、(ii)(a)酸素原子、硫黄原子若しくはケイ素原子、若しくは、(b)炭素数2〜20(ただし、アルケニル基を構成する炭素を除く。)の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)のいずれかを少なくとも一つ含有する、アルケニル化合物を含有し、前記チタノキサン化合物(A)、チオール化合物(B)及びアルケニル化合物(C)は相溶溶液を形成することを特徴とする硬化性組成物。
  2. チオール化合物(B)は、分子中に、少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、直鎖状、分枝鎖状若しくは脂環状の、炭素数2〜20の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)を少なくとも一つ含有する、チオール化合物である請求項1記載の組成物。
  3. チオール化合物(B)は、芳香族チオール、チオール基以外に硫黄原子を有する芳香族チオール、脂肪族チオール及びチオール基以外に硫黄原子を有する脂肪族チオール又は非芳香環含有チオールからなる群から選択される少なくとも1種のチオールである請求項1又は2記載の組成物。
  4. チオール化合物(B)は、SH基当量が1000g/eq以下のものである請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. チオール化合物(B)は、(エチレンジチオ)ジエタンチオール、ジメルカプトベンゼン、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ナフタレンジチオール、ベンゼントリチオール、チオビスベンゼンチオール、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、及びペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)からなる群から選択される少なくとも1種である請求項3又は4記載の組成物。
  6. チオール化合物(B)は、ジメルカプトベンゼン、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ベンゼントリチオール、ナフタレンジチオール及びチオビスベンゼンチオールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5記載の組成物。
  7. アルケニル化合物(C)は、アルケニル基としてビニル基又はアリル基を含有するものである請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
  8. アルケニル化合物(C)は、脂肪族アルケニル化合物、炭素以外に酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子を含有する脂肪族又は非芳香環含有アルケニル化合物、芳香族アルケニル化合物、炭素以外に酸素原子、イオウ原子又はケイ素原子を含有する芳香族アルケニル化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアルケニル化合物である請求項1〜7のいずれか記載の組成物。
  9. アルケニル化合物(C)は、芳香環としてベンゼン環を含有するものである請求項1〜8のいずれか記載の組成物。
  10. アルケニル化合物(C)は、ジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、トリビニルベンゼン、テトラアリルベンゼン、へキサアリルベンゼン、ジビニルトルエン、ビスフェノールAジアリルエーテル、ジアリルオキシベンゼン、テレフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、トリメリット酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジビニルジフェニルシラン及びジアリルジフェニルシランからなる群から選択される少なくとも1種である請求項9記載の組成物。
  11. アルケニル化合物(C)は、1分子中にヒドロシリル基を少なくとも二つ有する有機化合物と1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ有する有機化合物とからヒドロシリル化反応によって鎖伸張されたアルケニル基含有機化合物、及び、1分子中にSH基を少なくとも二つ有する有機化合物と1分子中にアルケニル基を少なくとも二つ有する有機化合物とから付加反応によって鎖伸張されたアルケニル基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか記載の組成物。
  12. (A)チタンテトラアルコキシドを1.0〜1.8倍モルの量の水を用いて加水分解縮合させて得られるチタノキサン化合物、並びに、
    (D)1分子中にSH基を少なくとも二つ有し、かつ、分子中に、少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、炭素数3以上の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)を少なくとも一つ含有する、分子量300〜20,000のチオール化合物を含有し、前記チタノキサン化合物(A)及びチオール化合物(D)は相溶溶液を形成することを特徴とする硬化性組成物。
  13. チオール化合物(D)は、(B)1分子中にSH基を少なくとも二つ有するチオール化合物と(C)1分子中に炭素数2〜5のアルケニル基を少なくとも二つ有し、かつ、分子中に、(i)少なくとも一つの芳香環を含有する、及び/又は、(ii)(a)酸素原子、硫黄原子若しくはケイ素原子、若しくは、(b)炭素数2(ただし、アルケニル基を構成する炭素を除く。)以上の鎖状若しくは非芳香環状の炭素鎖(ただし、炭素鎖を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子又はケイ素原子で置き換わっていてもよい。)のいずれかを少なくとも一つ含有する、アルケニル化合物とを反応させたチオール化合物である請求項12記載の組成物。
  14. チオール化合物(D)は、芳香環としてベンゼン環を含有するものである請求項12又は13記載の組成物。
  15. チタノキサン化合物(A)は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜11のいずれか記載の組成物:
    TiαOβ(OR)γ (1)
    [式(1)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基である。分子中に複数存在するRは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。α、β、γは、以下の条件(a)〜(c)を満たし、αは正の整数、β、γは正の数である:
    (a)80≧α≧2、
    (b)1.8α≧β≧α、
    (c)γ=4α−2β]。
  16. チタノキサン化合物(A)は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項12〜14のいずれか記載の組成物:
    TiαOβ(OR)γ (1)
    [式(1)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基である。分子中に複数存在するRは、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。α、β、γは、以下の条件(a)〜(c)を満たし、αは正の整数、β、γは正の数である:
    (a)80≧α≧2、
    (b)1.8α≧β≧α、
    (c)γ=4α−2β]。
  17. チタノキサン化合物(A)を、チタノキサン化合物(A)、チオール化合物(B)及びアルケニル化合物(C)の合計に対して、50〜95重量%含有する請求項1〜11、15のいずれか記載の組成物。
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