JP5677078B2 - 有機・無機複合粒子の製造方法、光学材料の製造方法、光学素子の製造方法、レンズの製造方法、及び、有機・無機複合粒子 - Google Patents

有機・無機複合粒子の製造方法、光学材料の製造方法、光学素子の製造方法、レンズの製造方法、及び、有機・無機複合粒子 Download PDF

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Description

本発明は、有機・無機複合粒子の製造方法、光学材料の製造方法、光学素子の製造方法、レンズの製造方法、及び、有機・無機複合粒子に関する。
近年、レンズ等の光学素子において、有機高分子がガラスに代わる光学材料として用いられている。その中でも、環状オレフィンポリマーは、透明性、低吸水性、及び成形性等に優れるため、光学材料に広く使われている有機高分子である。
一方、光学材料は、スチルカメラ、ビデオカメラ等の各種カメラ、CD、MO、DVD等の光ピックアップ、複写機、プリンター等のOA機器等の各種光学機器に用いられる光学素子の分野において広く用いられている。前記光学材料には、高光透過率、高屈折率等の基本的な光学特性や、温度に対する屈折率の高安定性、低い線膨張率、高い熱安定性、高硬度、低吸水率、高耐候性、耐溶剤性等、様々な特性が求められている。
しかし、環状オレフィンポリマーのみでは、上記諸特性を大きく向上させることは難しく、その解決策として、無機粒子を環状オレフィンポリマー中に分散させることによって各種の特性の向上を図る方法が多く提案されている。ここで、無機粒子同士が凝集しないように、無機粒子の表面は表面修飾剤で被覆される。
特許文献1には、無機微粒子の表面をテトラメトキシシランなどのシランカップリング剤で表面修飾し、環状オレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂への分散性を向上させる方法が開示されている。特許文献2には、無機微粒子と、無機微粒子と化学結合を形成しうる官能基を有する、環状オレフィンポリマーなどの熱可塑性樹脂とを混合して得た有機無機複合組成物を加熱圧縮成形してレンズ成形体を得る方法が記載されている。
特開2006−161000号公報 特開2007−238930号公報
しかし、特許文献1に記載の方法ではシランカップリング剤のみを用いるため、線膨張率や耐熱性等の特性を損ねることがある。
また、特許文献2に記載の方法では、官能基を有する熱可塑性樹脂を、表面修飾していない無機微粒子に化学結合させるため、無機微粒子同士が凝集してしまうおそれがあり、得られる粒子の粒径が大きくなってしまうと考えられる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、環状オレフィンポリマーへの分散性に優れ、粒径の小さい、有機・無機複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。有機・無機複合粒子を用いた光学材料または光学素子を提供することを目的とする。
第一の本発明に係る有機・無機複合粒子の製造方法は、下記式(1)で示される環状オレフィンモノマーと、前記環状オレフィンモノマーに対する割合が3.0mol%以上6.0mol%以下の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子とを用意する工程と、
前記環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させるための触媒の存在下で、前記環状オレフィンモノマーと前記無機粒子とを接触させることで、前記炭素−炭素二重結合に、前記環状オレフィンモノマーもしくは前記環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーから選択される少なくとも1種を結合させる工程と、を有することを特徴とする。
(式中、R乃至Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基から選択される。前記官能基は、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む。前記炭化水素基は、置換または無置換の炭素数1乃至20の炭化水素基である。前記炭化水素基の置換基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む官能基である。また、RとRが結合して環を形成していてもよい。mは0乃至2のいずれかの整数である。)
本発明によれば、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーが結合した、粒径の小さい有機・無機複合粒子を製造することができる。
本発明の実施形態に係る有機・無機複合粒子の製造方法について説明するための図である。 本発明の実施形態に係る有機・無機複合粒子を作製する際の反応のメカニズムを説明するための図である。 本発明の実施形態に係る光学素子の製造方法の一例を説明するための図である。 本発明の実施例及び比較例の結果についてまとめた表である。
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る有機・無機複合粒子の製造方法は以下の各工程を有することを特徴とする。
(i)下記式(1)で示される環状オレフィンモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子とを用意する工程(S11、S12)。
(ii)前記環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させるための触媒の存在下で、前記環状オレフィンモノマーと前記無機粒子とを接触させることで、前記炭素−炭素二重結合に、前記環状オレフィンモノマーもしくは前記環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーから選択される少なくとも1種を結合させる工程(S13)。
上記の工程を行うと、図1のように、炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子101の炭素−炭素二重結合に、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマー102が結合した、有機・無機複合粒子103が得られる。
ここで、炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合に、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーが結合するとは、炭素−炭素二重結合と、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンポリマーの有する環状構造に存在する炭素−炭素二重結合とがメタセシス反応することにより、前記化合物が環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンポリマーに結合することを意味する。
(式中、R乃至Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基から選択される。前記官能基は、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む。前記炭化水素基は、置換または無置換の炭素数1乃至20の炭化水素基である。前記炭化水素基の置換基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む官能基である。また、RとRが結合して環を形成していてもよい。mは0乃至2のいずれかの整数である。)
ここで、本発明を理解しやすくするため、本発明により有機・無機複合粒子が得られる機構の一例を、図2を参照して詳細に説明する。ここで、炭素−炭素二重結合を有する化合物にはアリルトリメトキシシランを、環状オレフィンモノマーにはジシクロペンタジエンを用いた例を示す。
(1)図2において、アリルトリメトキシシランで被覆された無機粒子201と、ジシクロペンタジエン202とを用意する。
(2)環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させるための触媒(以下、重合触媒と略すことがある)Cat.と環状オレフィンモノマーとが反応することによって、環状オレフィンモノマーの開環メタセシス重合が進行し、重合触媒が結合した環状オレフィンポリマー203が得られる。図2では、重合触媒の有する遷移金属元素Mのみを示している。
(3)(2)で得られた203が、無機粒子の有する、炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合に近づくと、203が連鎖移動する。その結果、無機粒子の有する炭素−炭素二重結合に環状オレフィンポリマーが結合した有機・無機複合粒子204と触媒活性種M’が得られる。ここで、炭素−炭素二重結合に環状オレフィンポリマーが結合するとは、図2に示すように、環状オレフィンポリマーの有する環状構造に存在する炭素−炭素二重結合と、炭素−炭素二重結合を有する化合物の炭素−炭素二重結合とがメタセシス反応することに、204のような結合を形成することを意味する。
なお、図示していないが、環状オレフィンモノマーが、炭素−炭素二重結合と反応することもある。このときは、環状オレフィンモノマーが結合した有機・無機複合粒子が得られる。すなわち、図2の203において、nが1の場合の重合触媒が結合した環状オレフィンポリマー203が得られる。
(4)触媒活性種M’と環状オレフィンモノマーとが反応して重合触媒が結合した環状オレフィンポリマー203が得られる。このように上記の(2)から(3)の反応が繰り返し起きる。
このようにして、無機粒子の表面が環状オレフィンポリマーによって被覆された有機・無機複合粒子が得られる。
(i)の工程について
式(1)で示される環状オレフィンモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する化合物、及び、無機粒子は以下に定義する通りである。
(ii)の工程について
環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させるための触媒と環状オレフィンモノマーとが反応することで、環状オレフィンモノマーが開環メタセシス重合をして環状オレフィンポリマーとなる。一方、重合触媒の存在下で、環状オレフィンモノマーと無機粒子とを接触させることで、無機粒子の有する炭素−炭素二重結合に環状オレフィンモノマーもしくは前記環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーから選択される少なくとも1種を結合させる。その結果、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーから選択される少なくとも1種が無機粒子表面に被覆された有機・無機複合粒子を得ることができる。無機粒子は、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーで被覆されているため、無機粒子同士が凝集しにくい。一方、表面修飾していない無機粒子に、ポリマーを結合させようとすると、無機粒子にうまく結合できず、無機粒子同士の凝集が生じる可能性がある。その結果、粒径が大きくなると考えられる。なお、環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させるための触媒については、以下の通りである。
ここで、環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーとは、環状オレフィンモノマーを重合してでできる、環状オレフィンポリマーのことを指す。
ここで、環状オレフィンモノマーに対して、炭素−炭素二重結合を有する化合物の割合が、0.01mol%以上100mol%以下である場合、環状オレフィンモノマーが重合して環状オレフィンポリマーとなり、その環状オレフィンポリマーと炭素−炭素二重結合とが結合するため、鎖長の長いポリマー鎖で被覆された有機・無機複合粒子を得ることができるため好ましい。また、環状オレフィンモノマーに対して、炭素−炭素二重結合を有する化合物の割合が、3.0mol%以上6.0mol%以下であることがさらに好ましい。
(無機粒子)
本発明に用いられる無機粒子の材料としては、光学特性や機械特性の向上という目的が達成可能である無機材料の中より適宜選択可能である。具体的には、酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化テルル、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫等)、複酸化物(ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等)、硫化物粒子(硫化亜鉛、硫化カドミウム等)、その他化合物半導体(セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、テルル化亜鉛、テルル化カドミウム等)、あるいは金属(金等)等を用いることができる。それらの中で酸化物が好ましい。また、1種類の無機粒子に他の無機成分を被覆した、いわゆるコア−シェル型無機粒子を使用することもできる。
無機粒子の結晶子径は、環状オレフィンポリマー−無機複合材料の透明性を犠牲にすることなく所望の特性を得るという観点から30nm以下が好ましく、10nm以下がさらに好ましい。また、無機粒子の形状は、球状、楕円状、扁平状、ロッド状などいずれの形状であっても良い。
また、本明細書において、無機粒子の結晶子径は、XRD(リガク製、RINT2100)により測定した粒子径である。
(炭素−炭素二重結合を有する化合物)
本発明に用いられる炭素−炭素二重結合を有する化合物は、当該化合物が鎖状構造を有し、その鎖状構造中に炭素−炭素二重結合を有する化合物を指す。ただし、当該化合物が環状構造を有し、その環状構造中にのみ炭素−炭素二重結合を有する場合を除く。鎖状構造中に炭素−炭素二重結合を有する化合物としては例えば、ビニル基(CH=CH−)、ビニリデン基(CH=C<)、ビニレン基(−CH=CH−)などの官能基を有する化合物が挙げられる。なお、炭素−炭素二重結合を有する化合物が、ビニル基を有する化合物である場合、環状オレフィンモノマーとの反応性が高いと考えられるため、好ましい。また、本実施形態において、炭素−炭素二重結合を有する化合物は、上記の官能基を1つのみ有していても、複数個有していてもよい。
炭素−炭素二重結合を有する化合物がビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を有する化合物である場合、これら官能基と、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーの有する環状構造に存在する炭素−炭素二重結合と、がメタセシス反応することにより、前記化合物と環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンポリマーとが結合を形成する。なお、図2は炭素−炭素二重結合を有する化合物がビニル基を有する化合物である場合の反応例を示している。
本発明に用いられる炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、無機粒子と化学結合を形成しうる官能基をさらに有することが好ましい。
前記無機粒子と化学結合を形成しうる官能基としては、前記無機粒子と共有結合、イオン結合、配位結合、及び水素結合等を形成する官能基であれば特に限定されない。無機粒子表面との反応性を考慮すると、カルボン酸基、ハロゲン化アシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アミド基、チオール基、アルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アルコキシチタニル基、ハロゲン化チタニル基が好ましく、アルコキシシリル基がより好ましい。
炭素−炭素二重結合を有する化合物の例として、アリルトリメトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、ジエトキシジビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、トリイソプロポキシビニルシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシランから選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
(炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子)
本実施形態において、炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子とは、炭素−炭素二重結合を有する化合物により無機粒子は、粒子の表面の大部分もしくは全部が覆われたものである。好ましくは、前記無機粒子表面に前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が化学結合した無機粒子である。
なお、1つの粒子を単位としてみた場合、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物は、前記無機粒子に対して10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が10質量%以上であると、前記無機粒子の環状オレフィンポリマーのグラフト化率が低下するおそれが少なく、無機粒子を環状オレフィンポリマーへ分散させるという本発明の目的が達成されやすいと考えられる。
(分散剤)
前記無機粒子の分散性の向上を目的として、必要に応じて分散剤を更に前記無機粒子と化学結合させても構わない。
本実施形態において、分散剤は、開環メタセシス重合において反応に関与しない化合物であり、前記無機粒子と化学結合を形成しうる官能基を有し、後述する炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子の製造時に使用する有機溶媒に対して相溶性のある化合物であれば特に限定はされない。
前記無機粒子と化学結合を形成しうる官能基は、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物中の無機粒子と化学結合を形成しうる官能基と同じでも異なっていてもよい。
本実施形態における分散剤の例として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランが挙げられる。
前記分散剤を用いる場合、前記分散剤は、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物に対して500質量%以下であることが好ましく、100質量%以下であることがさらに好ましい。500質量%以下である場合、前記分散剤が前記無機粒子の光学特性や機械特性などへ及ぼす影響が小さく、結果として所望の特性を有する光学材料が得られると考えられる。
前記炭素−炭素二重結合を有する化合物と前記分散剤(以下両者を指す場合は表面修飾剤と呼ぶ)の総量は、前記無機粒子に対して10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。前記表面修飾剤の量が10質量%以上であると、後述する炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子の製造時に有機溶媒中で前記無機粒子が凝集しにくいと考えられる。
(炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子の製造方法)
前記無機粒子を前記炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆する方法としては特に限定されない。なお、前記無機粒子の表面と前記炭素−炭素二重結合を有する化合物との間に化学結合を形成させる方法であることが好ましい。前記無機粒子を有機溶媒などに添加するとともに、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物を添加することで、炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子を得る湿式分散法であることがさらに好ましい。また炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子を得る際、上述したように、必要に応じて前記分散剤を同時に添加しても良い。
湿式分散法としては、具体的には、超音波法、ビーズミル法、ボールミル法、ジェットミル法、撹拌、高温高圧法などの手法を用いることができる。ここで用いる無機粒子は固体の状態でも、液体に分散した、いわゆるゾルの状態のものでも構わない。
前記有機溶媒としては、特に限定はされないが前記炭素−炭素二重結合を有する化合物と相溶性があるものを用いることが望ましい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラクロロエタン、ブロモベンゼンなどのハロゲン系溶媒等を挙げることができる。また、二種類以上の前記有機溶媒を混ぜ合わせることも可能である。
前記湿式分散法における前記無機粒子は、前記有機溶媒に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。1質量%以上であれば生産性がよいと考えられる。50質量%以下であれば、反応溶液の粘度上昇による撹拌効率の低下がしにくく、前記無機粒子の小粒径化が達成されやすいと考えられるからである。
また、前記無機粒子表面と前記表面修飾剤との反応性を高める目的で、酸または塩基を添加しても良い(以下添加剤と呼ぶ)。添加剤は、前記無機粒子を溶解しないものならば特に限定されない。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、有機カルボン酸化合物、有機スルホン酸化合物、アンモニア(アンモニア水溶液を含む)、有機アミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。前記添加剤は、前記表面修飾剤に対して0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。前記添加剤の質量比が前記表面修飾剤に対して0.01質量%以上であると、反応性の向上が得られやすい。一方、前記添加剤の質量比が50質量%以下であると、前記添加剤を除去しやすい。
上述のようにして作製した炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子は、前記有機溶媒に分散した状態でそのまま次の工程に用いることも可能であるが、必要に応じて前記無機粒子の表面に化学結合して表面処理に寄与していない前記表面修飾剤を除去して精製する工程を加えることもできる。
前記表面修飾剤を除去して精製する方法は特に限定されるものではないが、例えば限外濾過法、遠心分離法、再沈法等を挙げることができる。
また、有機溶媒に炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子が分散した分散液は、溶媒を除去し紛体の状態で次の工程に用いても構わない。
(環状オレフィンモノマー)
本発明に使用される環状オレフィンモノマーは、下記式(1)で表される化合物である。
(式中、R乃至Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基から選択される。前記官能基は、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む。前記炭化水素基は、置換または無置換の炭素数1乃至20の炭化水素基である。前記炭化水素基の置換基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む官能基である。また、RとRが結合して環を形成していてもよい。mは0乃至2のいずれかの整数である。)
ここで、ハロゲン原子の例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む官能基の例として、アルコキシシリル基、エステル基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、イミド基を挙げることができる。
炭素数1乃至20の炭化水素基の例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、エチリデン基、フェニル基、ベンジル基、ビフェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
mが0である環状オレフィンモノマーの例は以下の通りである。R乃至Rが、水素原子、または、炭化水素基である場合の例として、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−シクロヘキシルノルボルネン、5−シクロペンチルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−プロペニルノルボルネン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、5−シクロペンテニルノルボルネン、5−フェニルノルボルネンを挙げることができる。R乃至Rが、酸素原子を含む官能基、または、酸素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−エトキシカルボニルノルボルネン、ノルボルネニル−2−メチルプロピオネイト、ノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5−ヒドロキシ−i−プロピルノルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシノルボルネン、を挙げることができる。R乃至Rが、窒素原子を含む官能基、または、窒素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、5−シアノノルボルネン、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミドを挙げることができる。また、RとRが結合して環を形成している場合の例として、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[4.3.12,5.0]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.12,5.0]ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.12,5.01,6.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、が挙げられる。
mが1である環状オレフィンモノマーの例は以下の通りである。R乃至Rが、水素原子、または、炭化水素基である場合の例として、テトラシクロドデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペンチルテトラシクロドデセン、8−メチリデンテトラシクロドデセン、8−エチリデンテトラシクロドデセン、8−ビニルテトラシクロドデセン、8−プロペニルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、8−シクロペンテニルテトラシクロドデセン、8−フェニルテトラシクロドデセンを挙げることができる。R乃至Rが、酸素原子を含む官能基、または、酸素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物を挙げることができる。R乃至Rが、窒素原子を含む官能基、または、窒素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、8−シアノテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド、を挙げることができる。R乃至Rが、ハロゲン原子、または、ハロゲン原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、8−クロロテトラシクロドデセンを挙げることができる。R乃至Rが、ケイ素原子を含む官能基、または、ケイ素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセンを挙げることができる。
mが2である環状オレフィンモノマーの例は以下の通りである。R乃至Rが、水素原子、または、炭化水素基である場合の例として、ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセン、12−メチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセン、12−フェニルヘキサシクロヘプタデセンが挙げられる。R乃至Rが、酸素原子を含む官能基、または、酸素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘキサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸無水物が挙げられる。R乃至Rが、窒素原子を含む官能基、または、窒素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、12−シアノヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸イミドが挙げられる。ハロゲン原子、または、ハロゲン原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、12−クロロヘキサシクロヘプタデセンが挙げられる。R乃至Rが、ケイ素原子を含む官能基、または、ケイ素原子を含む官能基を有する炭化水素基である場合の例として、12−トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセンが挙げられる。
ここで、ジシクロペンタジエン(Dicyclopentadiene、DCPD)の構造式は下記の式(2)で表される。なお、式(2)はエンド体を示すが、エキソ体であってもよいし、両方を含んでいてもよい。
また、5−エチリデンノルボルネン(5−Ethylidenenorbornene、EdNB)の構造式は下記の式(3)で表される。
また、テトラシクロドデセン(Tetracyclododecene、TCD)は下記の式(4)から(7)のいずれかの構造式で表される。式(4)から(7)は互いに異性体の関係にある。本実施形態におけるテトラシクロドデセンは、式(4)から(7)のいずれか単独でもよいし、これらを2種以上含んだものでもよい。
また、本発明においては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン等の単環シクロオレフィン及びその誘導体を環状オレフィンモノマーに添加して、環状オレフィンモノマー混合物として使用することもできる。
(重合触媒)
環状オレフィンモノマーの重合は、環状オレフィンモノマーと重合触媒を接触させ行う。
本発明に用いられる重合触媒は、前記環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させることができれば特に限定されない。
重合触媒としては、(a)周期表第4から8族遷移金属カルベン錯体触媒、(b)遷移金属化合物と助触媒として機能するアルキル化剤又はルイス酸との組み合わせによる触媒が挙げられる。
触媒としては、具体的には、タングステンアルキリデン錯体としては、W(N−2,6−i−Pr)(CH−t−Bu)(O−t−Bu)、W(N−2,6−i−Pr)(CH−t−Bu)(OCMeCF、W(N−2,6−i−Pr)(CH−t−Bu)(OCMe(CF、W(N−2,6−i−Pr)(CHCMePh)(O−t−Bu)、W(N−2,6−i−Pr)(CHCMePh)(OCMeCF、W(N−2,6−i−Pr)(CHCMePh))OCMe(CF等が、モリブデンアルキリデン錯体としては、Mo(N−2,6−i−Pr)(CH−t−Bu)(O−t−Bu)、Mo(N−2,6−i−Pr)(CH−t−Bu)(OCMeCF、Mo(N−2,6−i−Pr)(CH−t−Bu)(OCMe(CF、Mo(N−2,6−i−Pr)(CHCMePh)(O−t−Bu)、Mo(N−2,6−i−Pr3)(CHCMePh)(OCMeCF、Mo(N−2,6−i−Pr)(CHCMePh))OCMe(CF、Mo(N−2,6−i−Pr)(BIPHEN)、Mo(N−2,6−i−Pr)(BINO)(THF)等が、ルテニウムカルベン錯体触媒としては、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)−3,3−ジフェニルプロペニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジ(1’−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド等が挙げられる。ただし、Meはメチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基、Phはフェニル基を示す。なお、BINOは1,1’−dinaphthyl−2,2’−dioxy group、THFはテトラヒドロフランを示す。
一方、遷移金属化合物とアルキル剤又はルイス酸との組み合わせによる触媒における遷移金属化合物としては、MoCl、MoBr、MoBr、MoBr、WCl、WBr、WCl、WBr、WCl、WBr等が挙げられる。
助触媒として機能するアルキル化剤としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウムメチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド等が挙げられ、ルイス酸としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、テトラメチルスズ、テトラエチルスズ、テトラブチルスズ等が挙げられる。
これらの中でも触媒活性が高いことから、周期表第4から8族遷移金属カルベン錯体触媒を用いることが好ましく、特にルテニウムカルベン錯体触媒を用いることが好ましい。開環メタセシス重合反応は無溶媒下で行うこともできるが、重合反応中における粘度上昇を低減させる為にも有機溶媒中で行うのが好ましい。
このような有機溶媒としては、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素系溶媒、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒等が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒を使用することが好ましい。
前記重合触媒と前記環状オレフィンモノマーとのモル比は、通常、重合触媒と環状オレフィンモノマーとの比率が1:100以上1:1,000,000以下であることが好ましく、1:1,000以上1:500,000以下であることがさらに好ましい。前記重合触媒の量が多すぎると触媒除去が困難となり、少なすぎると十分な重合活性が得られない。
前記環状オレフィンモノマーと、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物のモル比は、後述する環状オレフィンポリマーの重量平均分子量が、有機・無機複合粒子の項で述べた範囲内に入るように調整する。前記環状オレフィンモノマーに対して前記炭素−炭素二重結合を有する化合物を0.01mol%以上100mol%以下の範囲の量で任意に選択することにより、環状オレフィンポリマーの分子量が所望の量である有機・無機複合粒子を得ることができる。
重合を前記有機溶媒中で行う場合には、前記環状オレフィンモノマーの濃度は前記有機溶媒に対して1以上60質量%以下であることが好ましく、5以上40質量%以下であることがより好ましい。前記環状オレフィンモノマーの濃度が1質量%以上である場合は生産性がよく、60質量%を以下である場合は重合後の溶液粘度が高くなりすぎず、その後の取扱いが困難となりにくい。
重合温度は特に制限されないが、通常−30℃から+200℃、好ましくは0℃から180℃である。重合時間は、特に制限されないが、通常1分間から100時間である。
後述するように、前記環状オレフィンポリマーを水素化する場合は、上記の方法で得られた環状オレフィンポリマーの主鎖中の炭素−炭素二重結合を、周期律表第8から10族遷移金属化合物を主成分とする均一系水素化触媒、周期律表第8から10族遷移金属を担体に担持した担持型水素化触媒等の公知の水素化触媒を用いて水素化して得ることができる。
水素化反応は不活性有機溶媒中で行う。不活性有機溶媒としては任意に選択することができ、前述の重合反応で使用するものと同様のものを用いることができる。なかでも、芳香族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水素系溶媒及びエーテル系溶媒が、重合体水素化物の溶解性に優れるので好ましい。
水素化反応の条件は、使用する水素化触媒の種類によって異なる。水素化温度は通常−20℃以上+250℃以下、好ましくは−10℃以上+220℃以下、より好ましくは0℃以上200℃以下である。水素圧力は通常0.01MPa以上10MPa以下、好ましくは0.05MPa以上8MPa以下、より好ましくは0.1MPa以上5MPa以下である。水素化温度が低すぎると反応速度が遅く、高すぎると副反応が起こる。また、水素圧力が低すぎると水素化速度が遅くなり、高すぎると高耐圧反応装置が必要となる。
用いた水素化触媒を分離除去する方法としては、以下の方法を挙げることができる。
均一系触媒を用いた場合には、重合後の反応液に酸化剤又は塩基性化合物と該反応液の貧溶媒である水やメタノール等添加して、均一系触媒を金属酸化物や金属塩にし、該金属酸化物や金属塩を貧溶媒中に抽出した後に濾過や遠心分離により分離除去する方法、吸着剤に吸着させて分離除去する方法、均一系触媒を塩酸等の酸性水溶液中に抽出することにより分離除去する方法、等を用いることができる。
担持型水素化触媒を用いた場合には、遠心分離、濾過により容易に分離除去する方法を用いることができる。
(環状オレフィンポリマー)
本発明に用いられる、環状オレフィンポリマーとは、環状オレフィンモノマーの重合体であり、重合度が2以上のものを指す。なお、本明細書における環状オレフィンポリマーは、2種類以上の環状オレフィンモノマーからなる共重合体であってもよい。ここでいう共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト重合体を含む。また、本明細書における環状オレフィンポリマーは、環状オレフィンモノマーの重合体、あるいはそれを水素化したものである。
本実施形態において、環状オレフィンポリマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算値)が1,000以上1,000,000以下であることが好ましく、3,000以上200,000以下であることがさらに好ましい。1,000以上である場合、前記無機粒子間で環状オレフィンポリマーの立体反発による十分な斥力が働きやすく、前記無機粒子が凝集しにくい。1,000,000以下である場合、有機溶媒へ溶解しやすく、また、重合後の水素化反応がしやすいと考えられる。
本実施形態に係る有機・無機複合粒子は、環状オレフィンポリマーに対して高い相溶性を示す。これは、環状オレフィンポリマーと、無機粒子の表面に被覆されている環状オレフィンポリマーとが、ポリマーの主鎖中に脂環構造を有する、という共通の特徴を有するからである。また、無機粒子の表面に被覆されている環状オレフィンポリマー同士の立体反発に起因する斥力によって、無機粒子間の凝集が抑制されると考えられる。
(有機・無機複合粒子)
本実施形態に係る有機・無機複合粒子は、酸化タンタル粒子と酸化アルミニウム粒子のいずれかの粒子と、前記粒子の表面に被覆された、環状オレフィンポリマーとを有する有機・無機複合粒子において、前記複合粒子の体積平均粒子径が30nm以下であることを特徴とする。
また、環状オレフィンポリマーの重量平均分子量が、1,000以上1,000,000以下であることが好ましい。
また、本明細書において、有機・無機複合粒子の体積平均粒子径は、動的光散乱(Dynamic Light Scattering、以下、DLSと略すことがある)法を用いて測定した値であり、具体的には、Malvern社製の動的光散乱式粒径分布測定装置ZETASIZER Nano−Sを用いて測定された値である。
なお、環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーから選択される少なくとも1種が無機粒子表面に被覆された有機・無機複合粒子の構造は、図1の103のように、無機粒子の表面に環状オレフィンポリマーが毬栗状に修飾された状態となっていると考えられる。そこで、以下では、有機・無機複合粒子のことを、環状オレフィンポリマーでグラフト化された無機粒子ということがある。例えば、無機粒子としてγ−アルミナ粒子、環状オレフィンポリマーとしてポリジシクロペンタジエンを用いた場合、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子、となる。
(光学材料の製造方法)
本実施形態に係る光学材料の製造方法は、上記有機・無機複合粒子の製造方法によって得られた有機・無機複合粒子と、環状オレフィンモノマーとを混合する工程と、前記環状オレフィンモノマーを重合する工程とを有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る有機・無機複合粒子の製造方法によって得られた有機・無機複合粒子は、無機粒子が熱可塑性樹脂である環状オレフィンポリマーで被覆されている為、環状オレフィンモノマーに分散しやすく、その環状オレフィンモノマーを重合させた環状オレフィンポリマーにも分散しやすい。なお、有機・無機複合粒子と環状オレフィンモノマーとを混合する際に、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、その他の配合剤、溶媒等を配合することができる。
光学材料を作製する際に用いる有機・無機複合粒子の量は、特に限定されないが、前記環状オレフィンポリマーに対して5質量%以上80質量%以下、好ましくは20質量%以上60質量%以下である。5質量%以上であると、前記無機粒子が前記環状オレフィンポリマーに与える特性の影響が十分あり、所望の特性を有する環状オレフィンポリマー−無機粒子複合材料が得られやすい。また80質量%以下であると、光学材料が脆くなる。
(光学素子の製造方法)
本実施形態に係る光学素子の製造方法は、上記光学材料の製造方法によって得られた光学材料を用意する工程と、前記光学材料を成形する成形工程と、を有することを特徴とする。
光学材料を成形する場合には、本発明の有機・無機複合粒子を単独で用いてもよいし、本発明の有機・無機複合粒子が分散可能な他の環状オレフィンポリマーを含む熱可塑性樹脂と併用してもよい。
本実施形態に係る光学素子の製造方法について図3を用いて説明する。まず、上記光学材料の製造方法によって得られた光学材料301を用意する(S21)。次に、成形型302に光学材料301を入れる(S22)。そして、硬化させることによって、光学素子303を得ることができる。なお、成形型301に入れる光学材料301は、環状オレフィンモノマーに有機・無機複合材料が分散した液体でもよく、環状オレフィンポリマーに有機・無機複合材料が分散した固体を液状にしたものでもよい。そのため、S22は型に入れた光学材料301を重合させる工程でもよく、光学材料301を冷却する工程であってもよい。
光学材料を成形する方法としては、例えば、射出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、回転成形法、真空成形法、押出成形法、カレンダー成形法、溶液流延法、熱プレス成形法、インフレーション法があるが、成形が可能な限り特定の成形方法に限定されない。
成形体は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、繊維状、フィルム又はシート形状等種々の形態で使用することができる。
また、本発明の有機・無機複合粒子は、芳香族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒等の前記有機溶媒に容易に分散するので、キャスト成形法を適用することも可能である。
光学素子としては、レンズ、光学薄膜、回折光学素子、偏光素子などが挙げられる。光学素子がレンズである場合、下記のように、光学素子の表面に反射防止膜を形成する工程を有していてもよい。
(レンズの製造方法)
本実施形態に係るレンズの製造方法は、上記光学素子の製造方法によって得られた光学素子を用意する工程と、前記光学素子の表面に反射防止膜を形成する膜形成工程と、を有することを特徴とする。
以下に本発明を詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
(炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆されたγ−アルミナ粒子の合成)
・処方
無機粒子:γ−アルミナ粒子(大明化学社製 TM−300、結晶子径7nm) 3.0g
炭素−炭素二重結合を有する化合物:アリルトリエトキシシラン(Allyl−Si) 1.5g
分散剤:デシルトリメトキシシラン(Decyl−Si) 1.5g
添加剤:トリエチルアミン(NEt3) 0.6g
有機溶媒:テトラヒドロフラン(THF) 25g
上記の混合物を100mlのベッセルに添加し、ビーズミル分散機(アイメックス株式会社製のUAM−015)を用いて、650rpmの回転数で10分間前処理を行った。前処理後、更にφ30μmのジルコニアビーズ104g(充填率50%)を添加し、1600rpmの回転数で360分間本処理を行った。得られたスラリーから、ろ過によってジルコニアビーズを除去し、炭素−炭素二重結合を有する化合物Allyl−Siで被覆されたγ−アルミナ粒子のTHF分散液を得た。(分散液Aと呼ぶ。)
(環状オレフィンポリマーグラフト化γ−アルミナ粒子の合成)
・処方
分散液A 10g
環状オレフィンモノマー:ジシクロペンタジエン(DCPD) 3g
重合触媒:第2世代グラブス触媒((1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド) 0.0005g
有機溶媒:THF 10g
上記混合物を窒素置換した攪拌機付きガラス反応器に導入し、70℃で重合反応を行った。重合は均一な状態で進行した。2時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、重合停止剤として0.0005gのエチルビニルエーテルを添加した。重合反応液を多量のアセトン/メタノール混合液(2:1)に注いで固形分を析出させ、濾別洗浄後、40℃で18時間減圧乾燥して、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子を3.3g得た。グラフト化されたポリジシクロペンタジエンの重量平均分子量を測定したところ、5.0×10であった。重量平均分子量はウォーターズ(WATERS)社製ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)装置で、Shodex LF−804 カラム(昭和電工株式会社製)を2本直列に配置し、40℃、展開溶媒としてTHFを用い、RI(Refractive Index、示差屈折率)検出器により測定した。
得られたポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子をTHFに再分散させ、DLS(Malvern社製、動的光散乱式粒径分布測定装置ZETASIZER Nano−S)を用いてポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、30nmであった。
続いて、得られたポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子のシクロオレフィンポリマーへの分散性テストを行った。
(分散性テスト)
・処方
ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子 0.1g
環状オレフィンポリマー:E48R(日本ゼオン社製) 1g
有機溶媒:シクロヘキサン 9g
上記混合物を30分間超音波処理した後、目視により分散性を評価した。その結果、γ−アルミナ粒子の凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であり、環状オレフィンポリマー溶液に良好な分散性を示した。また、この溶液を用いてキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(実施例2)
実施例1の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆されたγ−アルミナ粒子の合成において、アリルトリエトキシシランを2.0g、デシルトリメトキシシランを1.0gに替えた以外は同様の操作を行った。重合は均一な状態で進行し、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子を3.3g得た。
グラフト化されたポリジシクロペンタジエンの重量平均分子量を測定したところ、4.6×10であった。また、得られたポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子をTHFに再分散させ、DLSを用いてポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、25nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であった。また、得られた溶液からキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(実施例3)
実施例1の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆されたγ−アルミナ粒子の合成において、アリルトリエトキシシランを2.25g、デシルトリメトキシシランを0.75gに替えた以外は同様の操作を行った。重合は均一な状態で進行し、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子を3.4g得た。
グラフト化されたポリジシクロペンタジエンの重量平均分子量を測定したところ、3.9×10であった。また、得られたポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子をTHFに再分散させ、DLSを用いてポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、21nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であった。また、得られた溶液からキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(実施例4)
実施例1の環状オレフィンポリマーグラフト化γ−アルミナ粒子の合成において、ジシクロペンタジエンを5−エチリデンノルボルネンに替えた以外は同様の操作を行った。重合は均一な状態で進行し、ポリ5−エチリデンノルボルネンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子を3.3g得た。
グラフト化されたポリ5−エチリデンノルボルネンの重量平均分子量を測定したところ、4.5×10であった。また、得られたポリ5−エチリデンノルボルネンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子をTHFに再分散させ、DLSを用いてポリ5−エチリデンノルボルネンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、24nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であった。また、得られた溶液からキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(実施例5)
実施例1の環状オレフィンポリマーグラフト化γ−アルミナ粒子の合成において、ジシクロペンタジエンをテトラシクロドデセンに替えた以外は同様の操作を行った。重合は均一な状態で進行し、ポリテトラシクロドデセンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子を3.1g得た。
グラフト化されたポリテトラシクロドデセンの重量平均分子量を測定したところ、2.9×10であった。また、得られたポリテトラシクロドデセンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子をTHFに再分散させ、DLSを用いてポリテトラシクロドデセンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、20nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であった。また、得られた溶液からキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(実施例6)
実施例1の環状オレフィンポリマーグラフト化γ−アルミナ粒子の合成において、ジシクロペンタジエン3.0gをジシクロペンタジエン2.1g及び5−エチリデンノルボルネン0.9gの混合物に替えた以外は同様の操作を行った。重合は均一な状態で進行し、ジシクロペンタジエンと5−エチリデンノルボルネンの共重合体でグラフト化されたγ−アルミナ粒子を3.2g得た。
グラフト化されたジシクロペンタジエンと5−エチリデンノルボルネンの共重合体の重量平均分子量を測定したところ、4.8×10であった。また、得られたジシクロペンタジエンと5−エチリデンノルボルネンの共重合体でグラフト化されたγ−アルミナ粒子をTHFに再分散させ、DLSを用いてジシクロペンタジエンと5−エチリデンノルボルネンの共重合体でグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、28nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であった。また、得られた溶液からキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(実施例7)
実施例1の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆されたγ−アルミナ粒子の合成において、γ−アルミナ粒子をTa粒子に、アリルトリエトキシシランを2.0gに、デシルトリメトキシシランを1.0gに替えた以外は同様の操作を行い、炭素−炭素二重結合を有する化合物Allyl−Siで被覆されたTa粒子のTHF分散液を得た。(分散液Bと呼ぶ。)続いて、実施例1の環状オレフィンポリマーグラフト化γ−アルミナ粒子の合成において、分散液Aを分散液Bに替えた以外は同様の操作を行った。重合は均一な状態で進行し、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたTa粒子を2.9g得た。
グラフト化されたポリジシクロペンタジエンの重量平均分子量を測定したところ、5.0×10であった。得られたポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたTa粒子をTHFに再分散させ、DLSを用いてポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたTa粒子の体積平均粒子径を測定したところ、17nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、凝集体は観察されず透明性の高い均一な溶液であった。また、得られた溶液からキャスト法にてフィルムを作成したところ、粒子の凝集は観察されず透明なフィルムが得られた。
(比較例1)
実施例1の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆されたγ−アルミナ粒子の合成において、アリルトリエトキシシランとデシルトリメトキシシランの混合物をデシルトリメトキシシラン3.0gに、環状オレフィンポリマーグラフト化γ−アルミナ粒子の合成において、1−ヘキセン0.1gを加えた以外は同様の操作を行った。
重合の進行に伴ってγ−アルミナ粒子が凝集し、白濁溶液となった。ポリマー溶液から回収した固形分の分散性テストを行ったところ、γ−アルミナ粒子の凝集によって白濁した溶液であった。
(比較例2)
比較例1において、デシルトリメトキシシランをシクロペンチルトリメトキシシラン(CyPentyl−Si)3.0gに替えた以外は同様の操作を行った。重合の進行に伴ってγ−アルミナ粒子が凝集し、白濁溶液となった。ポリマー溶液から回収した固形分の分散性テストを行ったところ、γ−アルミナ粒子の凝集によって白濁した溶液であった。
(比較例3)
・処方
ジシクロペンタジエン 10g
アリルトリエトキシシラン 2g
第2世代グラブス触媒 0.0032g
THF 50g
上記混合物を窒素置換した攪拌機付きガラス反応器に導入し、70℃で重合反応を行った。重合は均一な状態で進行した。2時間後、得られたポリマー溶液を室温まで冷却し、重合停止剤として0.0005gのエチルビニルエーテルを添加した。重合反応液を多量のアセトン/メタノール混合液(2:1)に注いで固形分を析出させ、濾別洗浄後、40℃で18時間減圧乾燥して、ポリマーの末端にトリエトキシシリル基が結合したポリジシクロペンタジエン(polyDCPD−Si)を7.3g得た(重量平均分子量=5.1×10)。
次いで、このpolyDCPD−Siを表面修飾剤として用い、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子を作製した。
・処方
表面修飾剤:polyDCPD−Si 4g
無機粒子:γ−アルミナ粒子(大明化学社製 TM−300、結晶子径7nm) 1g
添加剤:NEt3 0.2g
有機溶媒:THF 25g
上記の混合物を100mlのベッセルに添加し、ビーズミル分散機(アイメックス株式会社製のUAM−015)を用いて、650rpmの回転数で10分間前処理を行った。前処理後、更に直径が30umのジルコニアビーズ104g(充填率50%)を添加し、1600rpmの回転数で360分間本処理を行った。得られたスラリーからろ過によってジルコニアビーズを除去し、ポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子のTHF分散液を得た。
得られた分散液はやや濁りのある溶液であり、DLSを用いて分散液中に含まれるポリジシクロペンタジエンでグラフト化されたγ−アルミナ粒子の体積平均粒子径を測定したところ、55nmであった。
このグラフト粒子の分散性テストを行ったところ、γ−アルミナ粒子は均一に分散しているものの、溶液、フィルム共にやや濁りがあった。
以上の実施例、比較例の結果から、無機粒子を環状オレフィンポリマーに均一に分散させる為には、開環メタセシス重合において、炭素−炭素二重結合を有する化合物を無機粒子と結合させることが必要であることがわかる。また、本発明の製造方法によると、従来技術に比べて環状オレフィンポリマーに対して高い分散性を有し、また体積平均粒子径のより小さな環状オレフィングラフト化粒子が得られるため、透明性の高い環状オレフィンポリマー−無機複合材料を作製する上で有利である。
以上の結果を図4に示す。
(注)分散性テストの評価
○:均一分散で透明
△:均一分散だがやや濁りあり
×:凝集
本発明の製造方法で得られる有機・無機複合粒子及びそれを用いて作製した環状オレフィンポリマー−無機複合材料は、光学材料、電子部品材料、記録材料などの分野に適用することができる。
101 炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子
102 環状オレフィンモノマーもしくは環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマー
103 有機・無機複合粒子
201 アリルトリメトキシシランで被覆された無機粒子
202 ジシクロペンタジエン
203 重合触媒が結合した環状オレフィンポリマー
204 有機・無機複合粒子

Claims (7)

  1. 下記式(1)で示される環状オレフィンモノマーと、前記環状オレフィンモノマーに対する割合が3.0mol%以上6.0mol%以下の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子とを用意する工程と、
    前記環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させるための触媒の存在下で、前記環状オレフィンモノマーと前記無機粒子とを、接触させることで、前記炭素−炭素二重結合に、前記環状オレフィンモノマーもしくは前記環状オレフィンモノマーに由来する環状オレフィンポリマーから選択される少なくとも1種を結合させる工程と、を有することを特徴とする有機・無機複合粒子の製造方法。

    (式中、R乃至Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、官能基、炭化水素基から選択される。前記官能基は、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む。前記炭化水素基は、置換または無置換の炭素数1乃至20の炭化水素基である。前記炭化水素基の置換基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、または、ケイ素原子から選択される少なくとも1種を含む官能基である。また、RとRが結合して環を形成していてもよい。mは0乃至2のいずれかの整数である。)
  2. 前記環状オレフィンモノマーが、ジシクロペンタジエン、5−エチリデンノルボルネン、テトラシクロドデセン、から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の有機・無機複合粒子の製造方法。
  3. 前記環状オレフィンモノマーに対する割合が3.0mol%以上6.0mol%以下の炭素−炭素二重結合を有する化合物で被覆された無機粒子を、アルコキシシリル基および炭素―炭素二重結合を有する化合物と、アルコキシシリル基を有する分散剤と、無機酸化物粒子と、を混合して形成することを特徴とする請求項1または2に記載の有機・無機複合粒子の製造方法。
  4. 前記アルコキシシリル基および炭素―炭素二重結合を有する化合物がアリルトリエトキシシランであり、前記アルコキシシリル基を有する分散剤がデシルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項3に記載の有機・無機複合粒子の製造方法。
  5. 請求項1乃至のいずかに記載の有機・無機複合粒子の製造方法によって得られた有機・無機複合粒子と、環状オレフィンモノマーとを混合する工程と、前記環状オレフィンモノマーを重合する工程とを有することを特徴とする光学材料の製造方法。
  6. 光学素子の製造方法において、請求項に記載の光学材料の製造方法によって得られた光学材料を用意する工程と、前記光学材料を成形する成形工程と、を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. レンズの製造方法において、請求項に記載の光学素子の製造方法によって得られた光学素子を用意する工程と、前記光学素子の表面に反射防止膜を形成する膜形成工程と、を有することを特徴とするレンズの製造方法。
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