JP2007091957A - 開環重合体水素化物の製造方法 - Google Patents

開環重合体水素化物の製造方法 Download PDF

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充孝 海津
Ichiro Iwama
一郎 岩間
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Nobukazu Kawai
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Abstract

【課題】ノルボルネン系の単量体と該単量体と共重合可能な単量体とを開環重合させて得られる開環重合体を、高い水素化率を持つように水添する。
【解決手段】ノルボルネン系の単量体と該単量体と共重合可能な単量体とを開環重合させて得られる開環重合体を、撹拌機を備えた槽型反応器である第1反応器中10にて160℃より低温で水素化し、続いて、プラグフロー型反応器である第2反応器20中にて160℃以上で水素化することを特徴とする開環重合体の水素化物の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくとも1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体と当該単量体と共重合可能な化合物とを開環重合させて得られる開環重合体を水素化して得られる開環重合体水素化物(=熱可塑性ノルボルネン系樹脂)の製造方法に関する。
また、本発明は、少なくとも1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体を開環重合させて得られる開環重合体、又は、少なくとも1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体と当該単量体と共重合可能な化合物とを開環重合させて得られる開環重合体を、水素化して得られる開環重合体水素化物(=熱可塑性ノルボルネン系樹脂)の製造方法に関する。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、主鎖構造の剛直性に起因してガラス転移温度が高く、主鎖構造に嵩高い基が存在するために非晶性で光線透過率が高く、しかも屈折率の異方性が小さいことによる低複屈折性を示すなどの特長を有しており、耐熱性、透明性、光学特性に優れた透明熱可塑性樹脂として注目されている。
近年、上記の特徴を利用して、例えば光ディスク、光学レンズ、光ファイバーなどの光学材料、光半導体封止などの封止材料などの分野において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を応用することが検討されている。
また、耐熱性に優れ、吸水性が低いなどの利点があるため、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィルムは光学用の各種フィルム、例えば、位相差板、導光板、偏光板保護フィルム、各種表示素子基板、タッチパネルなどに用いることができる。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、下記の(イ)〜(ロ)に示す(共)重合体(以下「特定重合体」ともいう。)が挙げられる。
(イ)下記一般式(1)で表される化合物(以下「特定単量体a」ともいう。)の開環重合体の水素添加物。
(ロ)特定単量体aと、当該特定単量体aと共重合可能な化合物(以下「共重合性単量体b」ともいう。)との開環重合体の水素添加物。
Figure 2007091957

上記一般式(1)に於いて、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数である。また、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。
少なくとも1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体を開環重合させて得られる開環重合体、又は少なくとも1種のノルボルネン誘導体よりなる単量体と当該単量体と共重合可能な共重合性単量体とを開環重合させて得られる開環重合体を、攪拌機を備えた槽型反応器中で水素化した後、次いでピストンフロー型反応器中で水素化することを特徴とする開環重合体水素化物(=熱可塑性ノルボルネン系樹脂)の製造方法が提案されている(特許文献1,参照)。
特開平8−59799号公報。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、その水素化率を高めるほど、前述の各種の特性が良好となる。この熱可塑性ノルボルネン系樹脂の中では、前記(ロ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂の方が、前記(イ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂よりも、靱性,光学特性,耐熱性等の特性に優れており、特に大きな需要がある。但し、比較対象の水素化率は同じであるとする。
特許文献1の技術は、前記(イ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂については99%以上という高い水素化率を達成しているが、前記(ロ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂を、特許文献1記載の条件で水素化し、水素化率の高いポリマーを得ることは、異性化等の影響により困難である。
本発明は、前記(ロ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂を、高い水素化率で得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
特許文献1の技術では、十分に高い水素化率を得るためには、ピストンフロー型反応器として、L/D(管長/管内径)が20程度の反応器を用いる必要があるため、設備が大型化するという問題がある。
本発明は、前記(イ)や(ロ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂を、比較的小型の設備を用いて製造できるようにすることを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[5]のように構成される。
[1]構成1:
下記一般式(1)で表わされる化合物(以下「特定単量体a」ともいう)と当該特定単量体aと共重合可能な化合物(以下「共重合性単量体b」ともいう)とを開環重合させて得られる開環重合体を、撹拌機を備えた槽型反応器である第1反応器中にて160℃より低温で水素化し、続いて、プラグフロー型反応器である第2反応器中にて160℃以上で水素化することを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
Figure 2007091957

(上記一般式(1)中、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数であり、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。)
第1反応器:
第1反応器、即ち、撹拌機を備えた槽型反応器としては、当該第1反応器に連続的に供給される開環重合体溶液及び水素化触媒と、当該第1反応器内の開環重合体溶液とを十分に混合でき、水素と開環重合体溶液の接触を促せるものであればよい。例えば、ディスクタービン型撹拌機、ファンタービン型撹拌機、プロペラ型撹拌機、リボン型撹拌機などが挙げられる。撹拌機で撹拌することにより、水素の拡散速度を増して反応速度を大きくすることができる。第1反応器での水素化率は、70〜98%、好ましくは85〜95%とするとよい。第1反応器での水素化率が70%より低いと、第1反応器の後段のプラグフロー型反応器(後述)での水素化反応後に於いても99%以上の高水素化率を得ることは困難となる。一方、相対的に低温(160℃未満)の第1反応器での水素化率を98%より高くしようとすると、処理時間を長くする必要があるため第1反応器の容量を大きくせざるを得ず(設備を大型化せざるを得ず)、経済的に不利となる。
第1反応器では、異性化反応を抑制するために、通常の水添温度よりも低い160℃未満、好ましくは150℃未満、更に好ましくは145℃以下の温度を設定する。
また、第1反応器内の圧力としては、9.0〜10.0MPaの範囲、第1反応器内の滞留時間は1〜3時間、好ましくは1〜2時間の範囲である。
第2反応器:
第1反応器にて水素化率70〜98%、好ましくは85〜95%まで水素化された開環重合体溶液は、第1反応器から連続的に抜き出されて、相対的に高温の水素で保持されたプラグフロー型反応器(第2反応器)に連続的に供給される。ここで、プラグフロー型反応器とは、物質が反応器内を流れ方向に一様の速度で移動し、流れ方向における混合や拡散の度合いが無視できる程度に小さく、流れ方向に直角な方向における物質の濃度分布が実質上均一である管型反応器のことをいう。このプラグフロー型反応器としては、管内に不規則充填材を充填した反応器を用いることができる(構成5参照)他、例えば、(株)ノリタケカンパニーリミテド製の「スタティックミキサー」、住友重機械工業(株)製の「スルザーミキサー」、櫻製作所(株)製の「スケヤミキサー」などを用いることができる。
第2反応器では、水素化率が高い状態で更に水素化を進行させるために、通常の水添温度よりも高い160℃以上、好ましくは160〜185℃の温度を設定する。
最終的な水素化率は、97%以上、好ましくは99%以上である。
また、第2反応器内の圧力としては、9.0〜10.0MPaの範囲、第2反応器内の滞留時間は1〜3時間、好ましくは1〜2時間の範囲である。
水素添加触媒:
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒及び均一系触媒が公知である。なお、芳香環を有する置換基を分子内に有する開環重合体を水素添加する場合には、芳香環の不飽和結合が実質的に水素添加されない条件を選択することが好ましい。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属類を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。具体的には、ベンゾエトカルボニル(ヒドリド)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、(4−ペンチルベンゾエト)カルボニル(ヒドリド)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、(4−オクチルベンゾエト)カルボニル(ヒドリド)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどが挙げられる。
また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、「開環重合体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
[2]構成2:
構成1に於いて、
第1反応器と第2反応器の各々に水素化触媒を添加し、かつ、第1反応器より第2反応器への水素化触媒の添加量が多い、
ことを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
第1反応器では、異性化反応を抑制するために、通常の水添時よりも水素化触媒の添加量を少なくする。また、第2反応器では、水素化率が高い状態で更に水素化を進行させるために、第1反応器よりも多量の水素化触媒を添加する。
[3]構成3:
構成1又は構成2に於いて、
共重合性単量体bは下記一般式(2)で表される化合物である、
ことを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
Figure 2007091957

上記一般式(2)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環(ただし、前記一般式(1)で表される構造を除く)を形成してもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。
特定単量体bがこのような構成であると、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を光学フィルムとして用いた場合に、靱性などの機械的な特性が一層優れたものとなり、また、押出加工や延伸加工により光学フィルムに必要とされる所望の厚さ方向の光軸傾斜や位相差を得やすくなる。
また、前記特定重合体が、特定単量体aと特定単量体bとの開環重合体であり、前記一般式 (1)で表される特定単量体aに由来の構造単位(以下「構造単位a」ともいう。)と、上記一般式(2)で表される特定単量体bに由来の構造単位(以下「構造単位b」ともいう。)とを有するものであるため、耐熱性と延伸加工などによる加熱加工性とのバランスを図ることができ、好ましい。
[4]構成4:
1〜請求項3の何れかに於いて、
特定単量体aと共重合性単量体bの総量に対する共重合性単量体bの割合は2〜21重量%の範囲である、ことを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
特定単量体・開環重合体:
ここで、特定単量体a、共重合性単量体b(特定単量体b)、特定重合体、及びこれらを構成する各種要素(前記一般式(1)(2)の要素)について説明する。
一般式(1)(2):
一般式(1)や(2)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
また、炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基などのアルケニル基などが挙げられる。
また、一般式(1)や(2)における置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基(linkage )を介して結合していてもよい。
連結基としては、例えば炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基〔例えば、−(CH2q−(式中、qは1〜10の整数)で表されるアルキレン基〕;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基〔例えば、カルボニル基(−CO−)、オキシカルボニル基 (−O(CO)−)、スルホン基(−SO2 −)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結 合(−S−)、イミノ基( −NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキ サン結合(−OSi(R5 2 )− (式中、R5 はメチル、エチルなどのアルキル基)〕、ある いはこれらの2種以上が結合されたもの などが挙げられる。
極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド環含有基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホニル含有基、およびカルボキシル基などが挙げられる。
さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基などが挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基などが挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基などが挙げられ;トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などが挙げられ;アミノ基としては、第1級アミノ基が挙げられ;アルコキシシリル基としては、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
共重合性単量体bにおいて、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環(ただし、前記一般式(1)で表される構造を除く)を形成してもよく、そのような構造を有する共重合性単量体bとしては、例えば、下記式(2−1)で表される化合物、下記式(2−2)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2007091957

(式(2−1)および(2−2)中、R5〜R10は、各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素 、窒素、イオウ若しくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜10の炭化水素基;または極性基を表す。)
特定単量体aの具体例:
特定単量体aの具体例としては、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[9.2.1.13,9 .02,10.04,8]−12−ペンタデセン、
ペンタシクロ[9.2.1.15,8 .02,10.04,9]−12−ペンタデセン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10] − 3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10] − 3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ [4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(4−ビフェニルカルボニルオキシエチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
1,2−(2H、3H−[1,3]エピシクロペンタ)−1,2−ジヒドロアセナフチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー付加体、
などを挙げることができるが、特定単量体aは、これらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて特定単量体aとして用いることができる。
これらの中では、分子内に少なくとも1つの極性基を有する化合物が好ましく、特に、一般式(1)において、R1 およびR3 が水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基に相当するものであって、かつR2 およびR4 の少なくとも一つが水素原子および炭化水素基以外の極性基であるものが、他素材との密着性・接着性を高めるので好ましい。
ここに、得られる特定重合体中の極性基の含有量は、最終製品に要求される所望の機能などにより決定されるものであり、特に限定はされないが、特定単量体aに由来する全構造単位中に極性基を有する特定単量体aに由来の構造単位が、好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上、特に好ましくは10モル%以上であり、特定単量体aに由来する全構造単位が極性基を有するものであってもよい。
また、特定単量体aとしては、一般式(1)において、R2 およびR4 の少なくとも一つが下記一般式(3)で表される極性基を有するものであることが、得られる特定重合体のガラス転移温度と吸水性、透湿度を制御しやすい点で好ましい。
−(CH2n COOR6 ・・・・・・(3)
上記一般式(3)中、nは0〜5の整数であり、R6 は一価の有機基である。
一般式(3)においてR6 で表される一価の有機基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニリル基などのアリール基;この他にもジフェニルスルホン、テトラヒドロフルオレンなどのフルオレン類などの芳香環やフラン環、イミド環などの複素環を有する一価の基などが挙げられる。また、一般式(3)において、nは0〜5の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0である。nの値が小さいものほど得られる特定重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体aは、その合成が容易である点で好ましい。
さらに、特定単量体aは、一般式(1)において、一般式(3)で表される極性基が結合した炭素原子にさらにアルキル基が結合したものであることが好ましく、これにより、得られる特定重合体の耐熱性と吸水性、透湿度のバランスを図ることができる。ここで、アルキル基の炭素原子数は1〜5であることが好ましく、さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
また、特定単量体aとしては、一般式(1)においてmが1でありpが0であるものは、ガラス転移温度の高い特定重合体が得られる点で好ましい。
したがって、前述の特定単量体aの具体例の中から挙げるならば、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10 ]−3−ドデセンが特に好ましく、このような特定単量体aを用いることにより、ガラス転移温度が高く、吸水による変形などの悪影響を殆ど受けずかつ他材料との密着性や接着性が良好となる程度の吸水性を有する特定重合体を得ることができる。
特定単量体b(共重合性単量体b):
特定単量体bの具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(α体およびβ体)、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ [2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−フェニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)フェニルスルホニルベンゼン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
アセナフチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー付加体、
などを挙げることができるが、特定単量体bは、これらの化合物に限定されるものでなはい。また、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて特定単量体bとして用いることができる。
なお、上記式(2−1)で表される化合物の具体例としては、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−イソプロピル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,7−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−メチル−8−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−メトキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−メトキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−フェノキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−メチル−7−メトキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,7−ジフルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジフルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
などを挙げることができるが、これらの例示に限定されるものではない。
また、上記式(2−2)で表される化合物の具体例としては、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(DCP)、
7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
8−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
9−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン
7−メトキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−フェノキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−メチル−7−メトキシカルボニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエ ン、
7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7,8−ジフルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、
7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン
などが挙げられるが、これらの例示に限定されるものではない。
これらの中では、一般式(2)におけるR1 〜R4 が、全て水素原子であるもの、またはいずれか1つが炭素原子数1〜30の炭化水素基であり、その他の全部が水素原子であるものが、最終的に得られる特定位相差フィルムの吸水性を制御することができる点で好ましく、特に、R1 〜R4 が、全て水素原子であるもの、またはいずれか1つがメチル基、エチル基若しくはフェニル基であり、その他の全部が水素原子であるものが、耐熱性の高い特定重合体が得られる点で好ましい。さらに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(DCP)が 、光学フィルムとして用いた場合の靱性を向上させる効果が極めて顕著である点で好ましい。
特定重合体:
特定単量体a、又は、特定単量体aと特定単量体bとを共重合させることによって得られる特定重合体は、当該特定単量体aおよび特定単量体b以外の他の共重合性単量体とともに共重合されてなるものであってもよい。
他の共重合性単量体としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。
さらにポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖にオレフィン性不飽和結合を有する不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体aおよび必要に応じて特定単量体bを重合させてもよく、このようにして得られる特定重合体は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
特定重合体の30℃クロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は、0.2〜5dl/g であることが好ましい。さらに好ましくは0.3〜4dl/g、特に好ましくは0.5〜3dl/gである。5dl/gを超えると、溶融粘度が高くなりすぎ、加工性が悪化することがある。一方、0.2dl/g未満であると、フィルム強度が低下することがある。
特定重合体の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、通常は8,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは15,000〜100,000、特に好ましくは20,000〜100,000である。また、重量平均分子量(Mw)が、通常は20,000〜3,000,000、好ましくは30,000〜1,000,000、さらに好ましくは40,000〜500,000、特に好ましくは40,000〜300,000の範囲である。
また、特定重合体の分子量分布は、上記のMw/Mnが、通常、1.5〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2.5〜5、特に好ましくは2.5〜4.5である。
特定重合体の23℃における飽和吸水率は、好ましくは0.05〜1重量%、さらに好ましくは0.1〜0.7重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。飽和吸水率がこの範囲内であると、各種光学特性、例えば透明性、位相差や位相差の均一性あるいは寸法精度が、高温多湿のような条件下でも維持され、他材料との密着性や接着性に優れるため使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などの添加物との相溶性も良好であるため、添加の自由度が大きくなる。飽和吸水率が0.05重量%未満であると、他材料との密着性や接着性が乏しくなり使用中に剥離を生じやすくなる場合があり、また、酸化防止剤などの添加物の配合に制限が生じることもある。一方、1重量%を超えると、吸水により光学特性の変化や寸法変化を起こしやすくなる。なお、上記の飽和吸水率はASTM D570に準拠し、23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる値である。
特定重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば特定重合体の構造単位a(特定単量体aに由来の構造単位)および/または構造単位b(特定単量体bに由来の構造単位)の種類、もしくは構造単位aと構造単位bとの比の調整、あるいは添加剤の添加などにより適宜変えることが可能であるが、通常は100〜250℃、好ましくは110〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃である。Tgが100℃未満の場合は、熱変形温度が低くなり、耐熱性に問題が生じるおそれがあり、また、最終的に得られるフィルムの光学特性が温度により大きく影響を受けることがある。一方、Tgが250℃を超えると、溶融押出加工や延伸加工などに加熱して加工する場合に熱可塑性ノルボルネン系樹脂が熱劣化する可能性が高くなったり、フィルム厚み方向の光軸の傾斜の制御がし難くなったりする。
構造単位aおよび構造単位bを有する特定重合体においては、構造単位aと構造単位bとの比(a/b)は、好ましくは、モル比ではa/b=95/5〜5/95、さらに好ましくは95/5〜60/40である。構造単位aの割合が上記範囲より大きいと靱性改良の効果や所望の光学特性が期待できない場合があり、逆に、構造単位aの割合が上記範囲より小さいとガラス転移温度が低くなり、耐熱性に問題が生じる場合がある。
さらに、構造単位aおよび構造単位bを有する特定重合体において、当該重合体中の構造単位aと構造単位bの比率(組成比)は、分子量分布全範囲においてバラツキが小さいことが好ましい。具体的には、重合反応に供した特定単量体aと特定単量体bとの比率に対して、任意の分子量における組成比を、±50%以内、好ましくは±30%以内、さらに好ましくは±20%以内のバラツキ範囲に収めることで、より一層均一な特定位相差フィルムを得ることができる。また、こうした範囲に収めることで、延伸配向した際に、位相差のより一層の均一性を得ることが可能となる。
特定重合体の製造条件:
以下に、特定単量体a及び特定単量体bあるいはその他の共重合性単量体を開環共重合するための条件について説明する。
開環重合触媒:
単量体の開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、
(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、
(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば Mg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種と、
の組合せからなる触媒である。
またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6 、Mo Cl5 、ReOCl3 など特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができ る。
(b)成分の具体例としては、n−C49 Li、( C25 )3 Al 、( C25 )2 AlCl、( C25 )1.5 AlCl1.5 、( C25 )AlCl2 、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−240517号公報に記載の化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体a及び特定単量体b(以下、双方を併せて「特定単量体」という。)とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:200,000となる範囲、好ましくは1:5,000〜1:100,000となる範囲である。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
分子量調節剤:
特定重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、重合反応に供される特定単量体1モルに対して、0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
開環重合反応用溶媒:
開環重合反応において用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素化合物類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、上記芳香族炭化水素類が好ましい。
溶媒の使用量としては、溶媒:特定単量体(重量比)が、通常、1:1〜10:1となる量、好ましくは1:1〜5:1となる量である。
特定重合体には、透明性・耐熱性を損なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合してもよい。
特定重合体には、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの添加剤などを添加してもよい。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスチルテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、特定重合体100重量部に対して、通常、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
さらに、酸化防止剤および紫外線吸収剤以外に、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
[5]構成5:
下記一般式(1)で表わされる化合物(以下「特定単量体a」ともいう)を開環重合させて得られる開環重合体、又は下記一般式(1)で表わされる化合物(以下「特定単量体a」ともいう)と当該特定単量体aと共重合可能な化合物(以下「共重合性単量体b」ともいう)とを開環重合させて得られる開環重合体を、撹拌機を備えた槽型反応器である第1反応器中にて水素化し、続いて、不規則充填材が充填され管長Lと管内径Dの比L/Dが10以下のプラグフロー型反応器である第2反応器中にて水素化することを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
Figure 2007091957

上記一般式(1)に於いて、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数である。また、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。
不規則充填材としては、例えば、(株)奥谷金網製作所製の「ラッシヒリング」や「レッシヒリング」を用いることができる。これらの不規則充填材の詳細は、例えば、「http://www.okutanikanaami.co.jp/demister/d0002.html 」に示されている。
不規則充填材を第2反応器の容器(管)内にランダムに充填することにより、L/Dを10以下、好ましくは5以下に設定しても、十分な水素化を行なうことができる。
本発明の製造方法は、特定単量体a(前記一般式(1)参照)と該特定単量体aと共重合可能な単量体である共重合性単量体b(前記一般式(2)参照)とを開環重合させて得られる開環重合体を、撹拌機を備えた槽型反応器である第1反応器中にて160℃より低温で水素化し、続いて、プラグフロー型反応器である第2反応器中にて160℃以上で水素化することを特徴とするため、前記(ロ)に記述した熱可塑性ノルボルネン系樹脂を、高い水素化率を持つように製造できる。
図1は、実施の形態で用いる、開環重合体を水素化するシステムを示す。図示のシステムは、第1反応器10と、第2反応器20を有する。
第1反応器10は通常の槽型反応器であり、反応器内部を所望の圧力(例:9.0〜10.0MPa程度)に設定したり、所望の温度(例:100〜160℃程度)に設定するための設備を有する。また、第1反応器10は、底部からポンプPの制御により開環重合体を所望量づつ連続的又は間欠的に供給する設備や、上部からバルブVの制御により水素化後(即ち水素化途中)の開環重合体を所望量づつ連続的又は間欠的に取り出して第2反応器20へ送り込む設備を有する。また、第1反応器10には、水素供給口(不図示)から水素を所望の圧力で圧入できるとともに、触媒供給口(不図示)から所望量の水添触媒を供給できる。この第1反応器の容量は、本例の場合、0.005m3 である。また、第1反応器10としては、具体的には、JSRエンジニアリング(株)製のHYDROGENATION REACTORを用いている。
第2反応器20は、管状の容器内に不規則充填材25をランダムに充填して成るプラグフロー型反応器である。第2反応器20は、反応器内部を所望の圧力(例:9.0〜10.0MPa程度)に設定したり、所望の温度(例:140〜190℃程度)に設定するための設備を有する。また、第2反応器20は、底部からバルブVの制御により水素化後(即ち水素化途中)の開環重合体を所望量づつ連続的又は間欠的に供給する設備や、上部から水素化終了後の開環重合体(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)を所望量づつ取り出す設備を有する。また、第2反応器20には、触媒供給口(不図示)から所望量の水添触媒を供給できる。この第2反応器の容量は、本例の場合、0.005m3であり、L/Dは4.6である。また、第2反応器20としては、具体的に は、JSRエンジニアリング(株)製の「パイプリアクター」を用いており、不規則充填材としては、(株)奥谷金網製作所製の「ラッシヒリング」を用いている。
開環重合体の調製:
(前記(ロ)の熱可塑性ノルボルネン系樹脂)
特定単量体aとして下記[化9]で示される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10 ]−3−ドデセンを用い、共重合性単量体bとして下記[化10]で示されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを用いて、開環重合反応を行った。
Figure 2007091957

Figure 2007091957

ジャケットおよびパドル型攪拌機を備えた反応容器の内部を窒素ガスで置換し、この反応容器内に、トルエンを18.0kg仕込み、80℃に加熱し、六塩化タングステンのジメトキシエタン溶液(溶液濃度=1.14重量%)を58.1g、ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液(溶液濃度=7.80重量%)を14.7g添加した。
次いで、攪拌しながら特定単量体aのトルエン溶液14.4kg(特定単量体a濃度=50重量%)、共重合性単量体bのトルエン溶液3.6kg(共重合性単量体b濃度=50重量%)、および分子量調節剤である1−ヘキセン1.1kgを1時間に渡り連続的に各々を添加し開環重合反応を行った。特定単量体および分子量調節剤の全量が添加された後、更に2時間、開環重合反応を継続した。開環重合反応を停止し、開環重合体A−1を得た。また、反応系の溶液を多量のメタノール中に加えて開環重合体を析出させ、濾別分離後乾燥して白色粉末状の開環重合体A−2を得た。
以上の様にして得られた開環重合体A−2の収率は99.5%、固有粘度(ηinh )は0.55dl/g(クロロホルム中、30℃、濃度0.5g/dl)であり、GPC測定によるポリスチレン換算の平均分子量(展開溶液:テトラヒドロフラン)は、数平均分子量Mn=2.1×10 4、重量平均分子量Mw=6.6×10 4(Mw/Mn=3.1)であった。
水素化:
第1反応器としては、ジャケットおよびプロペラ型攪拌機を備えた反応容器(内容量=0.005m3 )を用いた。内部を水素ガスで置換した後、この反応容器を10MPaの水素で充填し、開環重合体A−1を時間当たり2.26kg、水素添加触媒としてクロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムの0.2重量%トルエン溶液を時間当たり2.83gを連続的に供給するとともに、圧力コントロールにより、反応によって吸収された分の水素ガスを連続的に供した。開環重合体A−1の第1反応器内の滞留時間は、2時間にコントロールした。反応により水素ガスが吸収されている間の反応容器の温度は145℃に保っていた。開環重合体A−1供給タンクと反応容器間の配管は保温配管とし、反応容器直近の配管表面温度は、表面温度計での測定で137℃を確認した。
第2反応器としては、二重管タイプのパイプリアクター(内容量=0.005m 3)を用いた。内部は、(株)奥谷金網製作所製のラッシヒリングを充填し、水素ガスで置換した後、この反応器を10MPaの水素で充填し、第1反応器で一部が水添された開環重合体A−1を第1反応器より連続的に供した。また、水素添加触媒としてクロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムの0.2重量%トルエン溶液を時間当たり8.48g連続的に供給するとともに、圧力コントロールにより、反応によって吸収された分の水素ガスを連続的に供した。第1反応器で一部が水添された開環重合体A−1の第2反応器内の滞留時間は、第1反応器同様、2時間にコントロールした。反応により、水素ガスが吸収されている間の反応容器の温度は160℃に保っていた。
評価方法及び結果:
第2反応器出口より得られた開環重合体A−1の水素化物を多量のメタノール中に加えて開環重合体水素化物を析出させ、濾別分離後乾燥して白色粉末状の開環重合体水素化物B−1を得た。
以上の様にして得られた開環重合体水素化物B−1の水素化率をNMR(500MHz)により測定し、水素化率=99.93%を確認した。
実施例1と同様にして開環重合体の調製を行い、表1に記載の水素化触媒量、反応器滞留時間、反応器コントロール温度とした以外は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を合成し、水素化率の評価を行った。結果を表1に示す。なお、表1中、反応器滞留時間は、第1及び第2の各反応器の滞留時間を示す。
実施例1と同様にして開環重合体の調製を行い、表1に記載の水素化触媒量、反応器滞留時間、反応器コントロール温度とした以外は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を合成し、水素化率の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして開環重合体の調製を行い、表1に記載の水素化触媒量、反応器滞留時間、反応器コントロール温度とした以外は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を合成し、水素化率の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして開環重合体の調製を行い、表1に記載の水素化触媒量、反応器滞留時間、反応器コントロール温度とした以外は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を合成し、水素化率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にして開環重合体の調製を行い、表1に記載の水素化触媒量、反応器滞留時間、反応器コントロール温度とした以外は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を合成し、水素化率の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様にして開環重合体の調製を行い、表1に記載の水素化触媒量、反応器滞留時間、反応器コントロール温度とした以外は実施例1と同様にして、開環重合体水素化物を合成し、水素化率の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007091957
実施の形態の開環重合体の水素化システムを示す説明図。
符号の説明
10 第1反応器
20 第2反応器
25 不規則充填材

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表わされる化合物(以下「特定単量体a」ともいう)と当該特定単量体aと共重合可能な化合物(以下「共重合性単量体b」ともいう)とを開環重合させて得られる開環重合体を、撹拌機を備えた槽型反応器である第1反応器中にて160℃より低温で水素化し、続いて、プラグフロー型反応器である第2反応器中にて160℃以上で水素化することを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
    Figure 2007091957

    (上記一般式(1)中、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数であり、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。)
  2. 請求項1に於いて、
    第1反応器と第2反応器の各々に水素化触媒を添加し、かつ、第1反応器より第2反応器への水素化触媒の添加量が多い、
    ことを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に於いて、
    共重合性単量体bは下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
    Figure 2007091957

    (上記一般式(2)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環(ただし、前記一般式(1)で表される構造を除く)を形成してもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。)
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
    特定単量体aと共重合性単量体bの総量に対する共重合性単量体bの割合は2〜21重量%の範囲である、
    ことを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
  5. 下記一般式(1)で表わされる化合物(以下「特定単量体a」ともいう)を開環重合させて得られる開環重合体、又は下記一般式(1)で表わされる化合物(以下「特定単量体a」ともいう)と当該特定単量体aと共重合可能な化合物(以下「共重合性単量体b」ともいう)とを開環重合させて得られる開環重合体を、撹拌機を備えた槽型反応器である第1反応器中にて水素化し、続いて、不規則充填材が充填され管長Lと管内径Dの比L/Dが10以下のプラグフロー型反応器である第2反応器中にて水素化することを特徴とする開環重合体水素化物の製造方法。
    Figure 2007091957

    (上記一般式(1)中、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数であり、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。さらに、R1 とR2 、R3 とR4 またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。)
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