JP5676707B1 - 乗客コンベアの油飛散抑制機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】踏み段とスカートガードとの間からの油の飛散を抑制することができる乗客コンベアの油飛散抑制機構を提供する。【解決手段】実施形態の乗客コンベアの油飛散抑制機構は、乗客コンベアが、複数の踏み段と欄干を備えている。複数の踏み段は、無端状に連結されて移動する。欄干は、踏み段の側方に設けられたスカートガードを有している。油飛散抑制機構は、ラバーシートを備える。ラバーシートは、スカートガードの下端部に取り付けられ、かつスカートガードの下端部から踏み段の上面に向かって延在しているとともに、踏み段の上面に設けられた溝内に侵入する。ラバーシートの厚みが、溝の幅と等しく形成されている。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、乗客コンベアの油飛散抑制機構に関する。
従来から用いられている、乗客コンベアとしてのエスカレータは、踏み段チェーンを介して複数の踏み段を無端(循環)走行することにより、乗客を建造物の各階に移動させている。
ところで、従来から用いられているエスカレータでは、踏み段とスカートガードとの間からの踏み段を無端(循環)走行させるための駆動機構の潤滑油の飛散の抑制が求められている。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、踏み段とスカートガードとの間からの油の飛散を抑制することができる乗客コンベアの油飛散抑制機構を提供することにある。
実施形態の乗客コンベアの油飛散抑制機構は、乗客コンベアが、複数の踏み段と欄干を備えている。複数の踏み段は、無端状に連結されて移動する。欄干は、踏み段の側方に設けられたスカートガードを有している。油飛散抑制機構は、ラバーシートを備える。ラバーシートは、スカートガードの下端部に取り付けられ、かつスカートガードの下端部から踏み段の上面に向かって延在しているとともに、踏み段の上面に設けられた溝内に侵入する。ラバーシートの厚みが、溝の幅と等しく形成されている。
以下に、実施形態に係る乗客コンベアの油飛散抑制機構を図面に基いて説明する。図1は、実施形態に係る油飛散抑制機構を備えたエスカレータ全体の構成を模式的に示す斜視図、図2は、実施形態に係る油飛散抑制機構を備えたエスカレータの構成を示す概略図、図3は、実施形態の油飛散抑制機構を備えたエスカレータの要部の断面図である。
実施形態に係る図3に示すエスカレータの油飛散抑制機構20(以下、単に、油飛散抑制機構と記す)は、図1に示す乗客コンベアとしてのエスカレータ1を構成する。エスカレータ1は、建造物(建築物ともいう)に設置されて、この建造物の一の階(以下、下階と呼ぶ)とこの下階よりも上方の他の階(以下、上階と呼ぶ)とに亘って乗客などを運搬する。
エスカレータ1は、図1に示すように、構造フレーム2と、複数の踏み段3と、欄干4と、油飛散抑制機構20(図3に示す)とを備えている。構造フレーム2は、図2に示すように、フレーム6と、駆動機構5とを備えている。フレーム6は、前記建造物の下階と上階とに亘って、この建造物の躯体内に設けられている。
駆動機構5は、図2に示すように、フレーム6内に設けられている。駆動機構5は、駆動源としてのモータ8と、減速機9と、駆動輪10と、従動輪11と、駆動チェーン12と、踏み段チェーン13とを備えている。モータ8は、前記フレーム6内の上階側に設けられている。モータ8の出力軸には、減速機9が取り付けられている。駆動輪10は、前記フレーム6内の上階側に回転自在に設けられ、従動輪11は、前記フレーム6内の下階側に回転自在に設けられている。
駆動チェーン12は、無端状に形成され、減速機9のスプロケット14と駆動輪10とに亘って掛けられている。駆動チェーン12は、減速機9を介して伝達されたモータ8の駆動力を、駆動輪10と減速機9のスプロケット14との周りを循環走行することで、駆動輪10を回転させる即ち駆動輪10に伝達する。踏み段チェーン13は、無端状に形成され、駆動輪10と従動輪11とに亘って掛けられている。踏み段チェーン13は、駆動輪10がモータ8の駆動力により回転されることで、駆動輪10と従動輪11との周りを循環走行(移動)する。また、駆動機構5の減速機9と、駆動輪10と、従動輪11と、駆動チェーン12と、踏み段チェーン13とには、油としての潤滑油が適宜さされている。
踏み段3は、平面形状が矩形状に形成されている。踏み段3は、長手方向が構造フレーム2即ちエスカレータ1の長手方向に対して直交している。踏み段3は、図3に示すように、両端部が踏み段チェーン13に取り付けられている。複数の踏み段3は、踏み段チェーン13により無端状に連結されている。踏み段3は、その上面3aに前述した乗客などが乗られる。踏み段3は、踏み段チェーン13が駆動輪10と従動輪11とに亘って循環走行(移動)することで、上面3aに乗せた乗客を下階と上階とに亘って運搬する。
欄干4は、複数連結された踏み段3の幅方向の両側方から立設している。即ち、本実施形態では、欄干4は、二つ設けられ、複数連結された踏み段3の直ぐ隣に設けられている。欄干4は、それぞれ、複数連結された踏み段3の長手方向即ち構造フレーム2の長手方向に沿って直線状に延在している。欄干4は、踏み段3の直ぐ隣でかつ前記下階と上階とに亘って設けられたスカートガード17と、スカートガード17から立設しかつ前記下階と上階とに亘って設けられた側板18と、側板18の外縁を踏み段3と同方向に循環走行する手すりベルト19とを有している。即ち、スカートガード17は、踏み段3の両側方に設けられている。
油飛散抑制機構20は、図3に示すように、踏み段3の上面3aに設けられた溝21と、ゴムなどの弾性とシール性を有するラバーシート22とを備えている。溝21は、図3に示すように、踏み段3の上面3aから凹に形成され、かつ断面形状が矩形状に形成されている。また、溝21は、踏み段3の移動方向に沿って直線状に形成されているとともに、踏み段3のスカードガード17内に侵入する両端部に設けられている。また、溝21の底面21a(図1に点線で示し、図3に示す)は、前記下階から前記上階に向かう方向に延びている。即ち、底面21aは、踏み段3が欄干4間から露出して上面3aに乗客を乗せることが可能な状態で、踏み段3の移動方向と平行であるとともに、水平方向と上下方向との双方に対して傾いている。
ラバーシート22は、弾性とシール性を有する合成樹脂で構成されている。ラバーシート22は、平板状に形成され、かつ、スカートガード17の全長に亘ってスカートガード17の下端部に取り付けられている。ラバーシート22は、その断面において、図3に示すように、スカートガード17の下端部から踏み段3の上面3aの両端部に向かって延在している。ラバーシート22は、その下端部が複数の踏み段3に設けられた溝21内に侵入している。このために、ラバーシート22は、スカートガード17の全長に亘って、スカートガード17と踏み段3との間の隙間を塞いでいる。
また、ラバーシート22の厚みTが、溝21の幅Wと等しく形成されている。なお、本発明でいう、ラバーシート22の厚みTが溝21の幅Wと等しいとは、ラバーシート22と溝21との摩擦力が踏み段3の移動を妨げないとともに、ラバーシート22が溝21内から脱落しない程度に等しいことをいう。即ち、ラバーシート22の厚みTと、溝21の幅Wとは、ラバーシート22と溝21との摩擦力が踏み段3の移動を妨げないとともに、ラバーシート22が溝21内から脱落しないのであれば、若干異なってもよい。
また、ラバーシート22は、スカートガード17の欄干4の内側の内面17aに設けられた取付部23により、上端部がスカートガード17の欄干4の内側に取り付けられている。取付部23は、スカートガード17の内面17aに取り付けられており、欄干4の長手方向に間隔をあけて設けられている。取付部23は、スカートガード17の内面17aから欄干4の内側に延びた内側延在部23aと、内側延在部23aから下方即ち踏み段3に向かって延びた下方延在部23bとを備えている。取付部23は、スカートガード17の内面17aと下方延在部23bとの間にラバーシート22の上端部を挟み込むなどして、ラバーシート22の上端部をスカートガード17に取り付ける。
前述した構成のエスカレータ1は、駆動機構5が踏み段チェーン13を駆動輪10と従動輪11との周りに循環走行させて、踏み段3を下階と上階とに亘って移動させて、踏み段3上の乗客を下階と上階とに亘って運搬する。
上記のように構成された油飛散抑制機構20は、スカートガード17の下端部から踏み段3の上面3aに向かって延在したラバーシート22が踏み段3の上面3aの溝21に侵入している。このために、油飛散抑制機構20は、スカートガード17と踏み段3との間から踏み段3側に飛散しようとする油としての潤滑油がラバーシート22により遮ることができる。したがって、油飛散抑制機構20は、踏み段3とスカートガード17との間からの潤滑油の飛散を抑制することができる。
油飛散抑制機構20は、ラバーシート22の厚みTが溝21の幅Wと等しく形成されているので、ラバーシート22が溝21内から脱落してしまうことを抑制できる。したがって、油飛散抑制機構20は、ラバーシート22がスカートガード17と踏み段3との間から踏み段3側に飛散しようとする潤滑油を確実に遮ることができる。
油飛散抑制機構20は、ラバーシート22がスカートガード17の全長に亘ってスカートガード17に取り付けられている。このために、油飛散抑制機構20は、ラバーシート22が、スカートガード17の全長に亘って、スカートガード17と踏み段3との間から踏み段3側に飛散しようとする潤滑油を確実に遮ることができる。
油飛散抑制機構20は、ラバーシート22がスカートガード17の内側に取り付けられているので、ラバーシート22が乗客の目に触れることを抑制できる。したがって、油飛散抑制機構20は、美観を損なうことを抑制することができる。
前述した実施形態では、乗客コンベアとして、下階と上階とに亘って乗客を運搬するエスカレータを示している。しかしながら、本発明では、乗客コンベアとして、連続的に平らな踏み段を有した所謂動く歩道に適用してもよい。この場合、溝21の底面21aは、同一平面上で踏み段3の移動方向と平行である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
3 踏み段
3a 上面
4 欄干
17 スカートガード
20 油飛散抑制機構
21 溝
22 ラバーシート
T 厚み
W 幅
3a 上面
4 欄干
17 スカートガード
20 油飛散抑制機構
21 溝
22 ラバーシート
T 厚み
W 幅
Claims (3)
- 無端状に連結されて移動する複数の踏み段と、踏み段の側方に設けられたスカートガードを有する欄干と、を備えた乗客コンベアの油飛散抑制機構において、
前記スカートガードの下端部に取り付けられ、かつ前記スカートガードの下端部から前記踏み段の上面に向かって延在しているとともに、前記踏み段の上面に設けられた溝内に侵入するラバーシートを備え、前記ラバーシートの厚みが、前記溝の幅と等しく形成されている
ことを特徴とする乗客コンベアの油飛散抑制機構。 - 前記ラバーシートが、前記スカートガードの全長に亘って前記スカートガードの下端部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの油飛散抑制機構。 - 前記ラバーシートが、前記スカートガードの前記欄干の内側に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベアの油飛散抑制機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013177334A JP5676707B1 (ja) | 2013-08-28 | 2013-08-28 | 乗客コンベアの油飛散抑制機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013177334A JP5676707B1 (ja) | 2013-08-28 | 2013-08-28 | 乗客コンベアの油飛散抑制機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5676707B1 true JP5676707B1 (ja) | 2015-02-25 |
JP2015044676A JP2015044676A (ja) | 2015-03-12 |
Family
ID=52670567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013177334A Active JP5676707B1 (ja) | 2013-08-28 | 2013-08-28 | 乗客コンベアの油飛散抑制機構 |
Country Status (1)
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JP6915955B2 (ja) * | 2014-03-07 | 2021-08-11 | 三菱ケミカル株式会社 | 非水系電解液、及びそれを用いた非水系電解液二次電池 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6317787A (ja) * | 1986-07-07 | 1988-01-25 | 三菱電機株式会社 | マンコンベア装置 |
JP2002356294A (ja) * | 2001-05-30 | 2002-12-10 | Nisshin:Kk | 乗客コンベアの踏段 |
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2013
- 2013-08-28 JP JP2013177334A patent/JP5676707B1/ja active Active
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JP2015044676A (ja) | 2015-03-12 |
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