JP5673990B2 - リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いたリチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いたリチウムイオン電池に関する。より詳細には、電池の高容量化およびサイクル耐久性の向上のための改良に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車やハイブリッド電気自動車の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用電池としては、比較的高い理論エネルギーを有するリチウムイオン電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン電池は、一般に、バインダーを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダーを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
こうしたリチウムイオン電池を搭載した電気自動車が広く普及するためには、リチウムイオン電池を高性能にして、より安くする必要がある。特に、電気自動車については、一充電あたりの走行距離をガソリンエンジン車の一給油あたりの走行距離に近づける必要があり、より高エネルギー密度の電池が望まれている。電池を高エネルギー密度にするためには、正極と負極の単位質量当たりの電気容量を大きくする必要がある。
この要請に応えられる可能性のある正極材料として、層状構造を有するリチウムマンガン系複合酸化物が提案されている。中でも、電気化学的に不活性の層状のLiMnOと、電気化学的に活性な層状のLiMO(ここでMは、Co、Niなどの遷移金属)との固溶体は200mAh/gを超える大きな電気容量を示しうる高容量正極材料の候補として期待されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2004−528691号公報
しかし、このような固溶体正極材料は合成方法や仕込みリチウム量などの合成条件によって電池特性が大きく異なり、安定した電池特性を有する正極材料を得ることが困難であった。
そこで本発明は、合成方法や合成条件によらず安定した電池特性(特に、サイクル特性)を有する正極材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった。その結果、正極固溶体材料において、正極固溶体材料の組成と格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)とを制御することにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用正極材料は、一般式(1):
(式中、0<x<1であり、Mは、平均酸化状態が4+である1つ以上の遷移金属であり、Mは、平均酸化状態が3+である1つ以上の遷移金属である。)
で表される。そして、結晶構造を岩塩型六方晶と定義した場合の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が、4.983≦c/a≦4.995を満たす。
本発明のリチウムイオン電池用正極材料は合成方法や合成条件によらず、充放電のサイクル特性が大幅に向上する。
本発明の代表的な一実施形態である、扁平型(積層型)の非双極型リチウムイオン二次電池の基本構成を示す概略図である。 xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMの岩塩型六方晶の結晶構造を示す模式図である。 電子線回折シミュレーション結果であって、図3AはLi―LiM系固溶体のモデル構造の電子線回折シミュレーション結果を示す図面であり、図3Bは、LiMのモデル構造の電子線回折シミュレーション結果を示す図面である。 Li[Li1/3Mn2/3]−LiNi1/2Mn1/2−LiNi1/3Mn1/3Co1/3系の基本組成図である。 本発明の一実施形態である積層型電池の外観を模式的に表した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る組電池の外観図であって、図6Aは組電池の平面図であり、図6Bは組電池の正面図であり、図6Cは組電池の側面図である。 本発明の一実施形態に係る組電池を搭載した車両の概念図である。 実施例2で得られた試料の電子線回折パターンである。 実施例および比較例で得られた試料の結晶構造の格子定数比(c/a)と放電容量との関係を示すグラフである。
本発明の代表的な一実施形態は、一般式(1):
(式中、0<x<1であり、Mは、平均酸化状態が4+である1つ以上の遷移金属であり、Mは、平均酸化状態が3+である1つ以上の遷移金属である。)
で表されるリチウムイオン電池用正極材料である。そして、結晶構造を岩塩型六方晶と定義した場合の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が、4.983≦c/a≦4.995を満たす。
このような一般式:xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される、いわゆる固溶体系の正極材料は高容量材料として期待されている。しかし、このような固溶体系の正極材料は合成方法や仕込みリチウム量などの合成条件によって電池特性が大きく異なり、電池特性と結晶構造との関係が不明であった。また、この固溶体系の正極では、放電容量は大きいものの、充放電電位を高くして使用すると、サイクル特性が悪く充放電の繰り返しで容易に劣化してしまうという問題があった。このように、固溶体系の正極では安定した電池特性を有する正極材料を得ることが困難であった。
これに対して、本発明では、結晶構造の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が所定の範囲にある場合には、上記の問題点が改善され、合成方法や合成条件によらず、サイクル耐久性に優れた高容量の正極材料を提供することができる。さらに、本発明のリチウムイオン電池では、本発明のリチウムイオン電池用正極材料を正極の主要な活物質として用いることにより、高エネルギー密度で、サイクル耐久性のよい電池が得られる。
結晶構造の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)を制御することによる高容量化およびサイクル耐久性の向上のメカニズムの詳細は不明であるが、結晶構造内の次のような変化に起因していると推定される。xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMの結晶構造が、六方晶岩塩型結晶構造を頂点共有した立方晶NaCl構造であると仮定すると、その結晶構造の格子定数比はおよそ4.9と算出される。しかし、六方晶岩塩型結晶構造では酸素と酸素との間に反発力がはたらくため、c軸方向に伸張するような歪みを生じ、実際の結晶構造のc軸長とa軸長との比(c/a)は4.9よりも大きくなる。このc軸長の変化がLiの拡散距離および結晶構造の安定性に影響を与え、その結果、サイクル耐久性に優れた高容量の正極材料が得られると考えられる。ただし、これらは単なるメカニズムの推定であり、このようなメカニズムによって容量特性およびサイクル耐久性が向上する形態に、本発明の範囲が限定されるわけではない。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態のみには制限されない。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
まず、本実施形態の正極材料が適用され得るリチウム電池の基本的な構成を、図面を用いて説明する。
[電池の全体構造]
本発明において、リチウムイオン電池は、本実施形態のリチウムイオン電池用正極材料を用いてなるものであればよく、他の構成要件に関しては特に制限されない。
例えば、上記リチウムイオン電池を形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。積層型(扁平型)電池構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点では有利である。
また、リチウムイオン電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、非双極型(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。
以下の説明では、代表的な実施形態として、リチウムイオン電池用正極材料を用いてなる非双極型(内部並列接続タイプ)リチウムイオン二次電池である場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
図1は、本発明の一実施形態である、扁平型(積層型)の非双極型リチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の基本構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の積層型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、負極集電体11の両面に負極活物質層13が配置された負極と、電解質層17と、正極集電体12の両面に正極活物質層15が配置された正極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの負極活物質層13とこれに隣接する正極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、負極、電解質層および正極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する負極、電解質層および正極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、本実施形態の積層型電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層負極集電体には、いずれも片面のみに負極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層正極集電体が位置するようにし、該最外層正極集電体の片面または両面に正極活物質層が配置されているようにしてもよい。
負極集電体11および正極集電体12は、各電極(負極および正極)と導通される負極集電板25および正極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出される構造を有している。負極集電板25および正極集電板27はそれぞれ、必要に応じて負極リードおよび正極リード(図示せず)を介して、各電極の負極集電体11および正極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
以下、本実施形態の電池を構成する部材について、詳細に説明する。
(リチウムイオン電池用正極材料)
本発明では、前記正極(正極活物質層)の主要な活物質が、一般式:xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される、いわいる固溶体系の正極材料であることを特徴とする。なお、Li[Li1/3 2/3]はLiとも表記できるため、本明細書では、一般式:xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される固溶体を、Li―LiM系固溶体と称することもある。
図2はxLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMの岩塩型六方晶の結晶構造を示す模式図である。図2に示すように、該固溶体は遷移金属(M、M)およびリチウム(Li)からなる金属層、酸素(O)からなる酸素層1、リチウム(Li)からなるリチウム層1、酸素(O)からなる酸素層2、リチウム(Li)からなるリチウム層2から構成される。ここで、岩塩型六方晶構造を有するLi―LiM系固溶体では、金属層において、リチウムがa軸方向およびb軸方向に3つおきに規則配列して二次元平面を形成している。
この金属層中に規則配列したリチウム(Li)は、[Li1/3 2/3]のLi1/3に起因するものである。かようなリチウムの周期配列構造は、電子線回折データから確認することができる。図3AにLi―LiM系固溶体のモデル構造の電子線回折シミュレーション結果を示す。図3Aに示すように、LiとLiMとの固溶体においては、電子線回折データに金属層内のリチウムの3倍周期に伴う回折斑点が出現する。
一方、通常のLiM固溶体の場合には金属層にリチウムが不規則配列する。図3Bに、LiMのモデル構造の電子線回折シミュレーション結果を示す。図3Bに示すように、電子線回折データに金属層内のリチウムの3倍周期に伴う回折斑点が出現しない。
上記一般式(1)中のxは、0<x<1を満たす数であればよい。電池特性(サイクル特性、高容量)を一層向上させる観点で、好ましくは、0.4≦x<1であり、より好ましくは0.5≦x≦0.8であり、さらに好ましくは0.6≦x≦0.75である。
上記一般式(1):xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される固溶体のうちの電気化学的に不活性なLi[Li1/3 2/3]のMとしては、平均酸化状態が4+である1つ以上の遷移金属であればよく、特に制限されない。前記式中のMとしては、Mn、Zr、およびTiからなる群から選択される少なくとも1種類以上の遷移金属元素であればよく、好ましくはMnである。これらの遷移金属を用いることで、上記一般式(1)で表される固溶体正極材料のうちの電気化学的に不活性な層状のLiの結晶構造をとることができる。特にMがMnの場合、正極材料として都合のよい電位(3〜5V)に大きな容量を持つため、放電容量を増大させる上で有利である。また、MnにTi、Zrを適量加える形態では、Ti、ZrはMnと比較すると容量特性に劣るが、結晶構造の安定化に寄与することから、Mnの持つ高容量の一部(本発明の放電容量の増大効果を損なわない範囲)を犠牲にしても安定化が求められる用途に有効活用できる。
上記一般式(1):xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される固溶体のうちの電気化学的に活性な、LiMのMとしては、平均酸化状態が3+である1つ以上の遷移金属であり、Ni、Co、およびMnである。これらの遷移金属を用いる場合には、高容量でサイクル耐久性がよい正極材料を製造できる。


なお、「平均酸化状態」とは、MまたはMを構成する金属の平均の酸化状態を示し、構成金属のモル量と原子価とから算出される。例えば、Mが、モル基準で50%のNi2+と50%のMn4+から構成される場合には、Mの平均酸化状態は、(0.5)・(+2)+(0.5)・(+4)=+3となる。ただし、結晶欠陥等により、MまたはMの平均酸化状態が、それぞれ4+または3+から微量にずれる場合があるが、このような正極材料の固溶体であっても本発明の範囲に含まれる。
好ましい実施形態において、リチウムイオン電池用正極材料は、一般式(2):
で表される。すなわち、上記一般式(1):xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMにおいて、M1がMnであり、LiMが、LiNi1/2Mn1/2およびLiNi1/3Mn1/3Co1/3から構成されている。かような正極材料では、サイクル特性および容量特性がより一層向上する。図4にLi[Li1/3Mn2/3]−LiNi1/2Mn1/2−LiNi1/3Mn1/3Co1/3系の基本組成図を示す。本実施形態の正極材料は、図4の網掛け部分に属する組成を有することが好ましい。
すなわち、上記一般式(2)中のxが、0.4≦x<1を満たす数であることが好ましい。ただし、電池特性(サイクル特性、高容量)を一層向上させ、かつ、高価なNi、Coなどの遷移金属の含有量を低減する観点で、好ましくは0.5≦x≦0.8であり、より好ましくは0.6≦x≦0.75である。
上記一般式(2)中のyは、0≦y≦1を満たす数であればよい。ただし、電池特性(サイクル特性、高容量)を一層向上させ、かつ、高価なコバルトの含有量を低減する観点で、好ましくは、0.25≦y≦1.0であり、より好ましくは0.5≦y<1.0である。
本発明の正極材料は、結晶構造を岩塩型六方晶と定義した場合の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が、4.983≦c/a≦4.995を満たす。かような場合には、サイクル特性および容量特性が向上した正極材料が得られる。サイクル特性のより一層の向上のために、好ましくは、4.983≦c/a≦4.987であり、さらに好ましくは、4.984≦c/a≦4.986である。
次に、上記一般式(1):xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される固溶体(正極材料)の作製方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の作製方法を適宜利用して行うことができる。例えば、後述する実施例に示すように、複合炭酸塩法を用いて以下のように行うことができる。
まず、出発物質として、上記一般式(1)中のMおよびMに相当する遷移金属元素の各硫酸金属塩、硝酸金属塩など(例えば、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンなど)を所定量秤量し、これらの混合溶液を調製する。これにアンモニア水をpH7になるまで滴下して、さらにNaCO溶液を滴下して、M−Mの複合炭酸塩(ただし、上記式中のMおよびMの組み合わせにより当該M−Nの金属複合炭酸塩の種類は異なる)を沈殿させる。その後、吸引ろ過した後に、水洗して、所定の温度下で、所定の時間(例えば、120℃にて5時間)、乾燥する。得られた乾燥物を所定の温度下で、所定の時間(例えば、500℃にて5時間)仮焼成する。これに小過剰のLiOH・HOを加えて、自動乳鉢で所定時間(例えば、30分間)混合する。ここで、LiOH・HOの添加量を調節することにより、結晶構造の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)を所望の値に制御することができる。その後、所定の温度下で、所定の時間(例えば、900℃にて12時間)本焼成することにより、上記一般式(1):xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される固溶体を作製することができる。本焼成後、液体窒素等を用いて急冷(クエンチ)するのが、反応性およびサイクル安定性が向上し、非常に綺麗な固溶体状態を得られるために好ましい。
なお、上記一般式(1):xLi[Li1/3 2/3]・(1−x)LiMで表される固溶体の同定は、電子線回折、X線回折(XRD)、誘導結合プラズマ(ICP)元素分析を用いて分析することができる。
リチウムイオン電池用正極材料は、酸化処理が施されているのが望ましい。酸化処理の方法としては、特に制限されるものではない。例えば、
(1)所定の電位範囲での充電あるいは、充放電、詳しくは固溶体正極結晶構造の大幅
な変化を最初から引き起こすことのない低い電位領域での充電あるいは充放電;
(2)充電に対応する酸化剤(例えば、臭素、塩素などのハロゲン)での酸化;
(3)レドックスメディエーターを用いての酸化;などの酸化処理を挙げることができ
る。
ここで、上記(1)の酸化処理方法としては、特に制限されるものではないが、電池を構成した状態、または電極または電極相当の構成にて、所定の最高電位を超えないようにして、充電あるいは、充放電をすること(=電位を規制した充放電前処理)が有効である。これにより、高容量で、なおかつサイクル耐久性がよいリチウムイオン電池用正極材料、ひいては該正極材料を用いた高エネルギー密度の電池を製造できるためである。
電位を規制した充放電前処理法として、リチウム金属対極に対する所定の電位範囲の最高の電位(リチウム金属またはリチウム金属に換算した充放電の上限電位)が好ましくは3.9V以上4.6V未満、より好ましくは4.4V以上4.6V未満となる条件下で充放電を1〜30サイクル行うことが望ましい。上記範囲内で充放電による酸化処理を行うことにより、高容量でサイクル耐久性がよいリチウムイオン電池用正極、ひいては高エネルギー密度の電池を製造できる。特に、上記酸化処理(電位を規制した充放電前処理)後に高容量とすべく、最高の電位を4.8V程度として充電あるいは充放電を行う場合に、特に顕著なサイクル耐久性等の効果を有効に発現することができる。さらに、この場合には初期の所定上限電位にての充放電のあと、上限電位を徐々に(段階的に)上げていくことが耐久性向上の点で好ましい。なお、上記リチウム金属またはリチウム金属に換算した電位は、リチウムイオンが1モル溶解した電解液中でリチウム金属が示す電位を基準とした電位に相当する。
また、リチウム金属対極に対する上記所定の電位範囲の充放電を1〜30サイクル行ったあとさらに、充放電の所定の電位範囲の最高の電位を段階的に上げていくのが望ましい。特に、4.7V、4.8Vvs.Liという高電位の容量分まで使用(高容量使用)する場合において、酸化処理での充放電電位の最高電位を段階的に上げていくことで、短時間の酸化処理(上記充放電前処理)でも電極の耐久性を改善することができる。
充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の各段階の充放電に必要なサイクル回数は特に制限されないが、1〜10回の範囲が効果的である。また、充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の酸化処理工程における総充放電サイクル回数(各段階の充放電に必要なサイクル回数を足し合わせた回数)は特に制限されないが、4回〜20回の範囲が効果的である。
充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の各段階の電位の上げ幅(上げ代)は特に制限されないが、0.05V〜0.1Vが効果的である。
充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の最終的な最高電位(終止最高電位)は、4.6V〜4.9Vとするのが効果的である。ただし、上記範囲に制限されるものではなく、上記効果を奏することができるものであれば、より高い終止最高電位まで酸化処理(電位を規制した充放電前処理)を行ってもよい。
ただし、上記した所定の電位範囲での充電を行うだけでもよい。この際の所定の電位範囲の最高の電位に関しても、上記したようにリチウム金属対極に対して3.9V以上4.6V未満、より好ましくは4.4V以上4.6V未満となる条件下で充電を行うことが望ましい。
所定の電位範囲の最低の電位は特に制限されず、リチウム金属対極に対して2V以上3.5V未満、より好ましくは2V以上3V未満である。上記範囲内で充電あるいは充放電による酸化処理(電位を規制した充放電前処理)を行うことにより、高容量でサイクル耐久性がよいリチウムイオン電池用正極、及び高エネルギー密度の電池を製造できる。なお、上記充放電の電位(V)は、単電池(単セル)当たりの電位を指すものとする。
上記酸化処理(電位を規制した充放電前処理)として充放電する電極(材料)の温度としては、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、任意に設定することができる。経済性の観点からは、特段の加熱冷却を要しない室温下で行うのが望ましい。一方、より大きな容量を発現でき、なおかつ短時間の充放電処理によりサイクル耐久性が向上し得る点からは、室温より高い温度で行うのが望ましい。
上記酸化処理(電位を規制した充放電前処理)方法を適用する工程(時期)としては、特に制限されるものではない。例えば、かかる酸化処理は、上記したように、電池を構成した状態、または電極または電極相当の構成にて、行うことができる。すなわち、正極活物質粉体の状態での適用、電極を構成しての適用、負極とあわせて電池を組んでからの適用のいずれであってもよい。電池への適用に際しては、組み合わせる負極の電気容量の電位プロファイルを考えて、酸化処理条件(電位を規制した充放電前処理条件)を適用することによって実施できる。ここで、電池を構成した状態の場合には、個々の電極または電極相当の構成ごとに行うよりも、一度にまとめて多くの電極の酸化処理が行える点で優れている。一方、個々の電極または電極相当の構成ごとに行う場合には、電池を構成した状態よりも、酸化電位等の条件の制御が容易であるほか、個々の電極への酸化の度合いのバラツキが生じにくい点で優れている。
上記(2)の酸化処理方法で用いられる酸化剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、臭素、塩素などのハロゲンなどを用いることができる。これらの酸化剤は単独であるいは併用で使用しても良い。酸化剤による酸化は、例えば、固溶体の正極材料が溶解しない溶媒に固溶体微粒子を分散させて、その分散溶液に酸化剤を吹き込んで溶解させて徐々に酸化させることができる。
上記(3)の酸化処理方法で用いられるレドックスメディエーター(電子伝達剤)としては、適度な酸化還元ポテンシャルや電子移動性を有し、ラジカルを形成する化合物、あるいは電子を受容又は供与する電気化学的に活性な任意化合物とすることができる。レドックスメディエーターとしては、例えば、トリフェニルアミンのパラ位がブロックされて安定化した一連の誘導体を用いることができる。中でもパラ位、及びもしくはメタ位の水素が臭素などのハロゲンで置換されたものが好ましく使用できる。これらは、置換基の位置、種類、数により酸化還元電位を微妙に制御できるので好ましく使用できる。このほか、適当な酸化還元電位をもって安定な各種遷移金属錯体も好ましく使用できる。この例としては、ルテニウムやオスミウムなどの2,2’−ビピリジン及びその誘導体の錯体がある。その他、いわいるリチウムイオン電池の過充電を防止するためのレドックスシャトルとして使用できるもので、適当な酸化還元電位をもつものは好適に使用できる。これらのレドックスメディエーターは単独であるいは併用で使用しても良い。酸化還元電位の低いものから段階的に高いものへと段階的に使用してもよい。さらに、酸化還元電位の高いものをもちいて反応量を確実に制御しながら段階的に酸化していくことも有効である。これを逆に使用して還元して、電池電極の放電に対応するプロセスを組み入れたり、充電(酸化)と放電(還元)に対応するプロセスを繰り返して行うことも好適である。レドックスメディエーターを用いての酸化は、例えば、作用極に白金網を用い、イオン導電性の隔膜で隔てられた対極と、必要に応じて参照電極を用いて、次のように行うことができる。即ち、レドックスメディエーターを溶解させた電解液中に固溶体を分散させて、作用極の電位を参照電極に対して制御しながらレドックスメディエーターを電極酸化して、それを用いて固溶体系の正極材料を酸化させることができる。
以上が、本実施形態のリチウムイオン電池の特徴的な構成要件に関する説明であり、他の構成要件に関しては特に制限されるものではない。よって、以下では、本発明のリチウムイオン電池の特徴的な構成要件以外の他の構成要件に関し、上記した積層型電池10の各構成要件を中心に、以下説明する。ただし、積層型電池以外の電池、例えば双極型電池の各構成要件に関しても、同様の構成要件を適宜利用して構成することができることは言うまでもない。
[集電体]
集電体(負極集電体11、正極集電体12;集電体14)としては、いずれも電池用の集電体材料として従来用いられている部材が適宜採用されうる。一例を挙げると、正極集電体および負極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼(SUS)、チタンまたは銅が挙げられる。中でも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、正極集電体としてはアルミニウムが好ましく、負極集電体としては銅が好ましい。集電体の一般的な厚さは、10〜20μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。集電板についても、集電体と同様の材料で形成することができる。
[活物質層]
活物質層(負極活物質層13、正極活物質層15)は活物質(負極活物質、正極活物質、参照極活物質)を含んで構成される。さらに、これらの活物質層は、必要に応じてバインダー、電気伝導性を高めるための導電剤、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)などを含む。
(a)活物質
正極活物質および負極活物質の材料(材質)としては、本発明のリチウムイオン電池の特徴的な構成要件を具備するものであればよく、特に制限されるものではなく、電池の種類に応じて適宜選択すればよい。
具体的には、正極活物質としては、上記一般式(1):xLi・(1−x)LiMで表される本発明のリチウムイオン電池用正極材料を正極の主要な活物質として用いる。正極活物質としては、上記一般式(1):xLi・(1−x)LiMで表される正極材料を単独で使用してもよいほか、さらに必要に応じて、従来公知の他の正極活物質を併用してもよい。本発明の効果を顕著に発揮するために、上記一般式(1):xLi・(1−x)LiMで表される正極材料を活物質中に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含む。
負極活物質はリチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されず、従来公知の負極活物質をいずれも使用できる。例えば、高結晶性カーボンであるグラファイト(天然グラファイト、人造グラファイト等)、低結晶性カーボン(ソフトカーボン、ハードカーボン)、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等)、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリルなどの炭素材料;Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等のリチウムと合金化する元素の単体、およびこれらの元素を含む酸化物(一酸化ケイ素(SiO)、SiO(0<x<2)、二酸化スズ(SnO)、SnO(0<x<2)、SnSiOなど)および炭化物(炭化ケイ素(SiC)など)等;リチウム金属等の金属材料;リチウム−チタン複合酸化物(チタン酸リチウム:LiTi12)等のリチウム−遷移金属複合酸化物;ならびにその他の従来公知の負極活物質が使用可能である。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
各活物質層(13、15)に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点から、通常は0.1〜100μm程度であり、好ましくは1〜20μmである。
各活物質層(13、15)中に含まれる成分の配合比は特に限定されず、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオン電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。また、活物質層の厚さについても特に制限はなく、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオン電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、活物質層の厚さは、2〜100μm程度である
(b)バインダー
バインダーは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。
かようなバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリアクリロニトリル(PAN)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、およびユリア樹脂などの熱硬化性樹脂、ならびにスチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム系材料が挙げられる。
(c)導電剤
導電剤とは、導電性を向上させるために配合される導電性の添加物をいう。本実施形態で使用しうる導電剤は特に制限されず、従来公知のものを利用することができる。例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。導電剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上、電解液の保液性の向上による信頼性向上に寄与しうる。
(d)電解質
電解質としては、後述する[電解質層]の項で説明する液体電解質、ゲルポリマー電解質、および真性ポリマー電解質を特に制限なく用いることができる。液体電解質、ゲルポリマー電解質、および真性ポリマー電解質の具体的な形態については、後述する(電解質層)の項で説明するため、詳細はここでは省略する。これらの電解質は1種単独であってもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、後述する電解質層に用いた電解質と異なる電解質を用いてもよいし、同一の電解質を用いてもよい。
[電解質層]
電解質層は、非水電解質を含む層である。電解質層に含まれる非水電解質(具体的には、リチウム塩)は、充放電時に正負極間を移動するリチウムイオンのキャリアーとしての機能を有する。非水電解質としてはかような機能を発揮できるものであれば特に限定されないが、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiAsF、LiTaF、LiClO、LiCFSO等の電極の合剤層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲルポリマー電解質(ゲル電解質)と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することが容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、特に限定されない。例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF−HFP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体等が挙げられる。ここで、上記のイオン伝導性ポリマーは、活物質層において電解質として用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。電解液(電解質塩および可塑剤)の種類は特に制限されず、上記で例示したリチウム塩などの電解質塩およびカーボネート類などの可塑剤が用いられうる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。従って、電解質として真性ポリマー電解質を用いることで電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲルポリマー電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
これらの電解質層に含まれる非水電解質は、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。
なお、電解質層が液体電解質やゲルポリマー電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いる。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
電解質層の厚さは、内部抵抗を低減させるには薄ければ薄いほどよいといえる。電解質層の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは5〜50μm、とするのがよい。
[外装体]
リチウムイオン二次電池では、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、発電要素全体を外装体に収容するのが望ましい。外装体としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができほか、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた発電要素を覆うことができる袋状のケースを用いることができる。ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。
[電池の外観]
図5は、本発明の一実施形態である積層型電池の外観を模式的に表した斜視図である。図5に示すように、積層型電池10は、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための負極集電板25、正極集電板27が引き出されている。発電要素21は、電池10の外装体29によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素21は負極集電板25および正極集電板27を引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素21は、図1に示す積層型電池10の発電要素21に相当し、負極(負極活物質層)13、電解質層17および正極(正極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、本発明のリチウムイオン電池は、図1に示すような扁平な形状(積層型)のものに制限されるわけではない。例えば、巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよい。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートシートを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよく、特に制限はない。
また、図5に示す集電板25、27の取り出しに関しても、特に制限されず、負極集電板25と正極集電板27とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし負極集電板25と正極集電板27をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出すようにしてもよい。また、巻回型の双極型二次電池では、集電板に代えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
本実施形態によれば、高容量で充放電サイクルに優れるリチウムイオン電池が提供されうる。本実施形態のリチウムイオン電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
[組電池]
本実施形態の電池の複数個を、並列および/または直列に接続して、組電池としてもよい。図6は、本発明の一実施形態に係る組電池の外観図である。図6Aは組電池の平面図であり、図6Bは組電池の正面図であり、図6Cは組電池の側面図である。
図6に示す形態では、上記実施形態の積層型電池10を複数、直列および/または並列に接続して装脱着可能な小型の組電池35が形成されている。そして、この装脱着可能な小型の組電池35がさらに複数、直列および/または並列に接続され、組電池37とされている。これにより、組電池37は、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池37とされる。作成した装脱着可能な小型の組電池35は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続され、この組電池35は接続治具39を用いて複数段積層される。何個の非双極型のリチウムイオン二次電池を接続して組電池35を作製するか、また、何段の組電池35を積層して組電池37を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。本実施形態によれば、高容量で充放電サイクルに優れる組電池が提供されうる。
[車両]
積層型電池10または組電池37は、車両の駆動用電源として用いられうる。積層型電池10または組電池37は、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)の他、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いられうる。これにより、充放電サイクルに優れた自動車が提供されうる。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両であれば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
図7は、本発明の組電池37を搭載した車両の概念図である。図7に示すように、組電池37を自動車40のような車両に搭載するには、自動車40の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池37を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームに搭載してもよい。以上のような組電池37を用いた自動車40は優れた耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
1.固溶体正極材料の合成
試料の合成は、複合炭酸塩法を用いて以下のように行った。硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンを所定量秤量し、これらの混合溶液を調製して、これにアンモニア水をpH7になるまで滴下して、さらにNaCO溶液を滴下してNi−Co−Mnの複合炭酸塩を沈殿させた。NaCO溶液を滴下している間、アンモニア水でpH7を保持した。その後、吸引ろ過し、水洗して、120℃にて5時間乾燥した。これを500℃にて5時間仮焼成した。これに小過剰のLiOH・HOを加えて、自動乳鉢で30分間混合した。なお、LiOH・HOの添加量は、遷移金属量(Ni、Co、Mnの総モル量)を0.8としたときに、1.2〜1.4のモル量とした。
その後、900℃にて12時間本焼成した後に、液体窒素を用い急速冷却した。これにより下記表1に示す実施例1〜8、参考例9、10および比較例1〜4の固溶体正極材料をそれぞれ合成した。なお、表1中のx、yの値は、一般式(2):xLi[Li1/3Mn2/3]・(1−x)[yLiNi1/2Mn1/2・(1−y)LiNi1/3Mn1/3Co1/3]におけるxおよびyに相当する。
2.合成試料の分析
(1)X線回折(XRD):得られた試料についてX線回折測定を行った。合成した全ての試料は、下記の空間群に帰属でき、20〜23°に超格子構造を示す回折線が現れていた。
(2)電子線回折:得られた試料について電子線回折測定を行った。実施例および参考例の全ての試料の電子線回折パターン中に金属層内のリチウムの周期配列構造に由来する回折斑点が現れていた。図8に実施例2で得られた試料の電子線回折パターンを示す。図8から、金属層内のリチウムの周期配列構造に由来する回折斑点(図8中の矢印)が確認できる。
(3)元素分析:得られた試料について誘導結合プラズマ(ICP)元素分析を行い、得られた試料が表1に示す組成となっていることを確認した。
3.正極材料の評価
(1)電極と評価用セルの作製
上記の表1の正極活物質を用いて以下の手順により評価用セルを作製した。まず、正極活物質:導電性バインダー(TAB−2)=66:34(質量比)にして、混練法を用いて直径16mmのペレットに成形し、同径のステンレスメッシュ(集電体)に2トンの圧力で圧着して、真空下、120℃で4時間加熱乾燥してサンプル正極とした。なお、単位面積当たりの活物質量は10mgとなるようにした。
負極として金属リチウムを用いた。セパレータとしての厚さ25μmのポリプロピレンの多孔質膜2枚を介して上記で得たサンプル正極と負極とを対向させ、コインセルの底部の上に配置させた。続いて、正極と負極との間の絶縁性を保つためのガスケットを装着した後に、シリンジを用いて電解液を注液し、スプリングおよびスペーサを積層した。そして、コインセルの上部を重ね合わせ、かしめを行って評価用セルとした。なお、電解液としては、1M LiPFのエチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DMC)=1:2(体積比)の電解液を用いた。
(2)充放電試験
(充放電前処理)
上記の方法で作製した各評価用セルについて、定電流0.4mAにて、電位差が4.5Vとなるまで充電した後、この電位差が2.0Vとなるまで放電をさせた。この操作を2回繰り返した。さらに、同様にして、4.6Vから2.0Vの範囲の充放電、4.7Vから2.0Vの範囲の充放電、4.8Vから2.0Vの範囲の充放電をそれぞれ2回ずつ行った。
(評価)
上記の充放電前処理後の評価用セルを、定電流0.4mAにて、4.8V(=最高電位)となるまで充電した後、2.0V(=最低電位)となるまで放電させた。この充放電過程を1サイクルとし、30サイクルの充放電サイクル試験を行い、30サイクル目の放電容量を測定した。結果を図9ならびに表1に示す。図9は実施例、参考例および比較例で得られた試料の結晶構造の格子定数比(c/a)と放電容量との関係を示すグラフである。
表1および図9から、結晶構造を岩塩型六方晶と定義した場合の格子定数のc軸長とa
軸長との比(c/a)が4.983〜4.995の範囲にある実施例1〜8、参考例9、10の正極活物質材料を使用したセルは、30サイクルの充放電後においても放電容量が高く維持されることがわかった。特に、格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が4.983〜4.987の範囲にある正極活物質材料を使用した実施例1〜のセルは、30サイクル後の放電容量が大きかった。これに対して、格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が所望の範囲にない比較例のセルは、実施例1〜8、参考例9、10のセルに比べて30サイクル目の放電容量が小さいことが確認された。
以上から、c軸長とa軸長との比(c/a)が所望の範囲にある本発明の正極活物質材料を使用した場合には、サイクル特性および容量特性が向上した電池が得られることが確認された。
10 積層型電池、
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層(負極)、
15 正極活物質層(正極)、
17 電解質層、
19 単電池層(単セル)、
21 発電要素、
25 負極集電板、
27 正極集電板、
29 外装体(ラミネートシート)、
35 装脱着可能な小型の組電池、
37 組電池、
39 接続治具、
40 自動車。

Claims (3)

  1. 一般式(1):
    (式中、0<x<1であり、Mは、Mnであり、Mは、Ni、Co、およびMnである。)
    で表され、
    結晶構造を岩塩型六方晶と定義した場合の格子定数のc軸長とa軸長との比(c/a)が、4.983≦c/a≦4.987を満たす、リチウムイオン電池用正極材料。
  2. 一般式(2):
    (式中、0.4≦x<1.0であり、0≦y≦1である。)
    で表される、請求項に記載のリチウムイオン電池用正極材料。
  3. 請求項1または2に記載のリチウムイオン電池用正極材料を正極活物質として用いてなるリチウムイオン電池。
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