JP5673180B2 - 貼り合わせウェーハの製造方法 - Google Patents

貼り合わせウェーハの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5673180B2
JP5673180B2 JP2011029038A JP2011029038A JP5673180B2 JP 5673180 B2 JP5673180 B2 JP 5673180B2 JP 2011029038 A JP2011029038 A JP 2011029038A JP 2011029038 A JP2011029038 A JP 2011029038A JP 5673180 B2 JP5673180 B2 JP 5673180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat treatment
wafer
temperature
bonding
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011029038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012169449A (ja
Inventor
今井 正幸
正幸 今井
登 桑原
登 桑原
徹 石塚
徹 石塚
阿賀 浩司
浩司 阿賀
徳弘 小林
徳弘 小林
能登 宣彦
宣彦 能登
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2011029038A priority Critical patent/JP5673180B2/ja
Publication of JP2012169449A publication Critical patent/JP2012169449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5673180B2 publication Critical patent/JP5673180B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、イオン注入剥離法による貼り合わせウェーハの製造方法に関する。
近年、貼り合わせウェーハの製造方法として、イオン注入したウェーハを他のウェーハと接合して剥離することで貼り合わせウェーハを製造する方法(イオン注入剥離法:スマートカット法(登録商標)とも呼ばれる技術)が新たに注目され始めている。
このようなイオン注入剥離法によりSOIウェーハを製造する方法としては、二枚のシリコンウェーハの内、少なくとも一方に酸化膜を形成すると共に、一方のシリコンウェーハ(ボンドウェーハ)の上面から水素イオンや希ガスイオン等のガスイオンを注入し、該ウェーハ内部に微小気泡層(封入層)を形成させる。そして、イオン注入した側の面を酸化膜を介して他方のシリコンウェーハ(ベースウェーハ)と密着させ、その後熱処理(剥離熱処理)を加えて微小気泡層を劈開面として一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を薄膜状に剥離し、さらに熱処理(結合熱処理)を加えて強固に結合してSOIウェーハとする(特許文献1参照)。この方法では、劈開面(剥離面)が良好な鏡面で、膜厚の均一性が高いSOI層を有するSOIウェーハが比較的容易に得られる。
しかし、イオン注入剥離法により貼り合わせウェーハを作製する場合においては、剥離後の貼り合わせウェーハ表面にイオン注入によるダメージ層が存在し、また通常の製品レベルのシリコンウェーハの鏡面に比べて表面粗さが大きなものとなる。従って、イオン注入剥離法による製造では、このようなダメージ層及び表面粗さを除去することが必要になる。
従来、このダメージ層等を除去するために、結合熱処理後の最終工程において、タッチポリッシュと呼ばれる研磨代の極めて少ない鏡面研磨(取り代:100nm程度)が行われていた。
ところが、貼り合わせウェーハの薄膜(SOI層)に機械加工的要素を含む研磨を施すと、研磨の取り代が面内で均一でないために、水素イオンなどの注入、剥離によって達成された薄膜の膜厚均一性が悪化してしまうという問題が生じる。
このような問題点を解決する方法として、前記タッチポリッシュの代わりに高温熱処理を行って表面粗さを改善する平坦化処理が行われるようになってきている。
特に、特許文献2では、表面粗さの短周期粗さと長周期粗さに注目し、平坦化熱処理において、急速加熱・急速冷却装置(RTA装置)とヒータ加熱式熱処理炉(バッチ式炉)による2段階の熱処理を行うことによって、表面粗さの短周期粗さと長周期粗さの両者を低減する方法が提案されている。
また、特許文献3では、剥離面を直接酸化する際に発生しやすいOSF(酸化誘起積層欠陥)を回避するため、不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの混合ガス雰囲気下での平坦化熱処理の後に犠牲酸化処理を行うことにより、剥離面の平坦化とOSFの回避を同時に達成している。また、犠牲酸化の前に70nm以下の取り代の研磨を実施することで、表面粗さの長周期成分を一層低減することを提案している。
また、特許文献4では、剥離後の貼り合わせウェーハの結合強度を高めるための結合熱処理を酸化性雰囲気で行う際、剥離面に発生しやすいOSFを確実に回避するため、結合熱処理として、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000℃以上の温度で熱処理を行うことが開示されている。
特開平5−211128号公報 WO01/028000 WO2003/009386 特開2010−98167号公報
剥離面の平坦化処理として研磨を行うことなく高温の熱処理のみを行う場合、熱処理温度が高い方が平坦度を高めることができる。特許文献2によれば、短周期成分を改善するためのRTA装置による熱処理温度としては、1200〜1350℃の温度範囲とするのがより効果的であるとしており、また、長周期成分を改善するためのバッチ式炉による熱処理温度としても同様に、1200〜1350℃の温度範囲とするのがより効果的であるとしている。そして、実施例においては、いずれの熱処理も1200℃以上の熱処理が行われている。また、特許文献3でも同様に、平坦化熱処理のArアニールとして、1200℃の熱処理温度のみが開示されている。
これらの記載からも明らかな様に、熱処理のみの平坦化処理でデバイスプロセスに十分に適用できる表面粗さを得るためには、1200℃以上の熱処理温度が必要であるとされており、実際の量産でも1200℃以上の温度が採用されていた。
しかしながら、1200℃以上の温度で熱処理を行うとスリップ転位が発生する確率が高まるため、製品歩留まりの低下をもたらし、結果として製造コストの増加を招いていた。
また、直径300mm以上のシリコン単結晶ウェーハでは両面研磨が標準となっているが、本発明者らの詳細な調査により、両面研磨されたシリコン単結晶ウェーハをベースウェーハとして接合した貼り合わせウェーハに1200℃以上の温度で熱処理を行うと、裏面のナノトポグラフィが悪化してしまうという現象が明らかとなった。このように裏面のナノトポグラフィが悪化すると、デバイス製造プロセスにおいて、フォトリソ工程やCMP工程の際に問題が生じる。
尚、ナノトポグラフィ(以下、ナノトポとも呼ぶ)とは、空間波長成分が約0.2〜20mmで、高さは数nm〜数百nmのウェーハ表面の凹凸である。
以上のようなスリップ転位の発生による歩留まり低下のみならず、本発明者らが見出した裏面のナノトポの悪化という問題が生じる1200℃以上の高温熱処理に代わる貼り合わせウェーハの薄膜の平坦化方法が必要である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、スリップ転位の発生と裏面のナノトポの悪化を抑制しつつ、剥離面を十分に平坦化できる貼り合わせウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、ガスイオンの注入により形成された微小気泡層を有するボンドウェーハと支持基板となるベースウェーハとを接合する工程と、前記微小気泡層を境界としてボンドウェーハを剥離してベースウェーハ上に薄膜を形成する工程とを有するイオン注入剥離法によって貼り合わせウェーハを製造する方法において、前記剥離工程後、前記薄膜を有する貼り合わせウェーハに、水素を含む雰囲気下で急速加熱・急速冷却装置を用いて1130〜1150℃の温度で熱処理を行った後、不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの混合ガス雰囲気下でバッチ式炉を用いて1160〜1170℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法を提供する。
このような本発明の熱処理を行うことで、熱処理のみの平坦化処理によって、剥離面をデバイスプロセスに十分に適用できる表面粗さにするのと同時に、スリップ転位の発生を十分に抑制し、かつ、裏面のナノトポの悪化も抑制することができる。従って、平坦で、膜厚均一性の高い薄膜を有する高品質の貼り合わせウェーハを歩留まり良く製造することができる。
このとき、前記急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理の後、酸化性雰囲気下で700〜1170℃の温度で結合熱処理を行い、該結合熱処理で形成された前記薄膜表面の酸化膜を除去した後に、前記バッチ式炉を用いた熱処理を行うことが好ましい。
このような結合熱処理を行うことで、結合強度を向上させるとともに、犠牲酸化処理を兼ねることができ、効率的に表面の欠陥を除去できる。また、急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理によって薄膜表面のOSF核やベースウェーハ中の酸素析出核を消滅させる効果が得られるため、結合熱処理を急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理の後に行えば、酸化性雰囲気下の結合熱処理中に、薄膜表面にOSFが発生したりベースウェーハ中に酸素析出物が発生することを抑制できる。
このとき、前記結合熱処理として、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000〜1170℃の温度で熱処理を行うことが好ましい。
このような条件で結合熱処理を行うことによって、薄膜表面にOSFが発生することを確実に防止できる。
このとき、前記ベースウェーハを、両面研磨ウェーハとすることが好ましい。
本発明の製造方法であれば、平坦化熱処理の際に、貼り合わせウェーハの裏面のナノトポグラフィの悪化を抑制できるため、ベースウェーハを両面研磨ウェーハとすることで、裏面が良好な鏡面研磨面である貼り合わせウェーハを製造できる。このため、デバイス製造プロセスにおいて、フォトリソ工程やCMP工程を精度良く行うことができるウェーハとなる。
以上のように、本発明によれば、膜厚均一性の高い薄膜を有し、両面が平坦な高品質の貼り合わせウェーハを歩留まり良く製造することができる。
本発明の貼り合わせウェーハの製造方法の実施態様の一例を示すフロー図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の貼り合わせウェーハの製造方法のフロー図である。
まず、図1の工程(a)では、ボンドウェーハ10と支持基板となるベースウェーハ11として例えば両面が鏡面研磨されたシリコン単結晶ウェーハを2枚用意する。
貼り合わせ面が鏡面研磨されていれば、欠陥の発生がほとんどない良好な貼り合わせを行うことができる。また、両面が鏡面研磨されたものであれば、形成される薄膜と反対側の面(裏面)が平坦な鏡面研磨面を有する貼り合わせウェーハとすることができ、デバイス製造プロセスにおいて、フォトリソ工程やCMP工程を精度良く行うことができる。そして、本発明では平坦化熱処理の際にも裏面のナノトポは悪化しにくいため、裏面も鏡面研磨面であれば、特に顕著に本発明の効果を得ることができる。ただし、例えば貼り合わせ面のみを鏡面研磨したウェーハであっても、本発明に用いることができ、裏面のナノトポの悪化を抑制する効果を得ることができる。
次に、図1の工程(b)では、例えば熱酸化やCVD酸化等によりボンドウェーハ10に酸化膜12を形成する。この酸化膜12は、ベースウェーハ11のみに形成してもよいし、両ウェーハに形成してもよく、また、両ウェーハに形成することなく、直接貼り合わせてもよい。
次に、図1の工程(c)では、水素イオン及び希ガスイオンのうち少なくとも一種類のガスイオンを注入して、微小気泡層13を形成する。
次に、図1の工程(d)では、ボンドウェーハ10のイオン注入された側の表面とベースウェーハ11の表面とを密着させて貼り合わせる。
なお、貼り合わせる前に、ウェーハの表面に付着しているパーティクルおよび有機物を除去するため、両ウェーハに貼り合わせ前洗浄を行ってもよく、また、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、ウェーハ表面にプラズマ処理を施してもよい。
次に、図1の工程(e)では、例えば不活性ガス雰囲気下、500℃以上の温度で熱処理を行い、結晶の再配列と気泡の凝集とによって微小気泡層13を境界としてボンドウェーハ10を剥離させ、ベースウェーハ11上に埋め込み酸化膜14と薄膜16を形成し、貼り合わせウェーハ15を得る。
また、他の剥離する方法としては、熱処理を行わずに、あるいは、剥離しない程度の低温の熱処理を加えた後に機械的に剥離する方法も適用することができる。
次に、図1の工程(f)では、水素を含む雰囲気下で急速加熱・急速冷却装置を用いて1130〜1150℃の温度で熱処理を行った後、不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの混合ガス雰囲気下でバッチ式炉を用いて1160〜1170℃の温度で熱処理を行う。
このように、最初に急速加熱・急速冷却装置による熱処理を行って表面粗さの短周期成分を改善すると同時に表面の結晶性を回復し、次いでバッチ式炉による比較的長時間の熱処理を行って表面粗さの長周期成分を改善すれば、表面粗さの短周期成分と長周期成分が共に改善されると共に、ピットが生じるおそれも無くなる。
急速加熱・急速冷却装置による熱処理の温度が1150℃を超える、又は、バッチ式炉による熱処理の温度が1170℃を超えると、スリップ転位が発生する確率が高まって歩留まりを悪化させたり、本発明者らが見出した裏面のナノトポの悪化という問題が生じてしまう。また、急速加熱・急速冷却装置による熱処理の温度が1130℃未満、又は、バッチ式炉による熱処理の温度が1160℃未満の場合には、温度が低すぎて薄膜表面の平坦化を十分に行うことができない。上記本発明の急速加熱・急速冷却装置による熱処理の温度範囲とバッチ式炉による熱処理の温度範囲は、スリップ転位の発生及び裏面のナノトポの悪化を抑制しながら、薄膜の平坦化を達成できる範囲として、本発明者らが見出した。
本発明で用いられる急速加熱・急速冷却装置としては、RTA(Rapid Thermal Annealing)を行うことができる装置であれば特に限定されず、例えば枚葉式のランプ加熱装置を用いることができる。また、本発明で用いられるバッチ式炉は縦型または横型の熱処理炉に複数のウエーハを載置して熱処理を行うことができるものであり、例えば抵抗加熱式のバッチ炉を用いることができる。
また、急速加熱・急速冷却装置による熱処理時間としては、例えば1〜300秒間行い、バッチ式炉による熱処理時間は、例えば0.5〜5時間行えば、平坦化には十分である。
また、急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理の後、酸化性雰囲気下で700〜1170℃の温度で結合熱処理を行い、該結合熱処理で形成された薄膜16表面の酸化膜を除去した後に、バッチ式炉を用いた熱処理を行うことが好ましい。
このような結合熱処理を行えば薄膜の結合強度を向上させることができ、より欠陥の少ない貼り合わせウェーハとすることができる。また、この結合熱処理で形成された酸化膜除去により、薄膜表面のダメージを低減すると共に、表面の結晶欠陥等を除去できるという犠牲酸化処理と同様の効果を同時に得ることができる。このような結合熱処理を急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理の後に行えば、急速加熱・急速冷却装置の熱処理によって薄膜表面のOSF核やベースウェーハ中の酸素析出核を消滅させているため、その後の酸化性雰囲気下の結合熱処理中に、薄膜表面にOSFが発生したり、ベースウェーハ中に酸素析出物が発生することを抑制することができる。
また、上記の結合熱処理は、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000〜1170℃の温度で熱処理を行うことがより好ましい。
このような条件の結合熱処理であれば、薄膜表面にOSFが発生することを確実に防止しながら、結合強度の向上を効果的に達成できる。
以上のような本発明の貼り合わせウェーハの製造方法であれば、平坦で、裏面のナノトポも良好な高品質の貼り合わせウェーハを歩留まり良く製造することができる。
なお、上記では2枚のシリコン単結晶ウェーハを結合する場合を中心に説明したが、本発明はこれには限定されず、シリコン単結晶ウェーハと絶縁基板(例えば、石英、サファイア、アルミナ基板等)とを直接結合してシリコン単結晶薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製する場合にも同様に適用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mm、結晶方位<100>のシリコン単結晶ウェーハ(両面研磨ウェーハ)を用意し、ボンドウェーハの表面に厚さ200nmの熱酸化膜を形成したのち、この熱酸化膜を通して加速電圧80keV、ドーズ量7×1016/cmで水素イオンを注入した。その後、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行い、500℃、30分の剥離熱処理を行って剥離し、貼り合わせSOIウェーハを作製した。
作製されたSOIウェーハに対し、第1の平坦化熱処理として、枚葉式の急速加熱・急速冷却装置による熱処理(RTA処理)を行った。熱処理条件は、熱処理雰囲気を水素とアルゴンの混合ガス雰囲気(H/Ar=50%/50%)、熱処理温度1140℃、熱処理時間60秒とした。
このRTA処理後のSOIウェーハに対し、結合熱処理を行った。熱処理条件は、まず、900℃でパイロジェニック酸化を行ってSOI表面に熱酸化膜を形成後、熱処理雰囲気を酸素が微量に添加されたアルゴンガス雰囲気(Ar/O=99%/1%)に切り替え、1100℃、2時間の熱処理とした。そして、この熱処理によりSOI層表面に形成された熱酸化膜はHF水溶液にて除去した。
結合熱処理により形成された熱酸化膜を除去したSOIウェーハに対し、第2の平坦化熱処理として、抵抗加熱式のバッチ炉による熱処理を行った。熱処理条件は、熱処理雰囲気をアルゴンガス雰囲気(Ar100%)、熱処理温度1165℃、熱処理時間3時間とした。
第2の平坦化熱処理後のSOI層表面の表面粗さ(RMS:Root Mean Square)を、AFM(Atomic Force Microscope(原子間力顕微鏡))を用いて測定した。測定範囲は30μm×30μmとし、面内12点の測定を行い平均値を算出した。また、同一条件で作製されたSOIウェーハ100枚について、集光灯下の目視観察によりスリップ転位の発生ウェーハの頻度を測定した。
(実施例2〜5)
RTA処理及びバッチ炉の熱処理条件を表1に記載した通りとした以外は、実施例1と同一条件でSOIウェーハの製造と、表面粗さとスリップ転位の評価を行った。
(実施例6,7)
RTA処理及びバッチ炉の熱処理条件を表1に記載した通りとし、かつ、結合熱処理を省略したこと以外は、実施例1と同一条件でSOIウェーハの製造と、表面粗さとスリップ転位の評価を行った。
(比較例1):従来の平坦化熱処理条件(バッチ炉のみ)
RTA処理による平坦化熱処理を省略し、バッチ炉の熱処理条件を1200℃、1時間とした以外は、実施例1と同一条件でSOIウェーハの製造と、表面粗さとスリップ転位の評価を行った。
(比較例2):RTA処理の熱処理温度を本発明の温度範囲外とした例
RTA処理による平坦化熱処理条件を1130℃未満である1125℃とし、バッチ炉の熱処理条件を1170℃、1時間とした以外は、実施例1と同一条件でSOIウェーハの製造と、表面粗さとスリップ転位の評価を行った。
(比較例3):バッチ炉の熱処理温度を本発明の温度範囲外とした例
RTA処理による平坦化熱処理条件を1150℃、30秒とし、バッチ炉の熱処理条件を1160℃未満である1150℃、1時間とした以外は実施例1と同一条件でSOIウェーハの製造と、スリップ転位の評価を行った。
[表面粗さ、スリップ転位の評価結果]
実施例1〜7、比較例1〜3で製造したSOIウェーハの表面粗さ、スリップ転位の評価結果を表1に記載した。表1において、表面粗さは、比較例1を基準とした相対値として記載した。スリップ転位の合格/不合格の判定基準は、目視による判定(限度見本との比較)により不良と判断された割合が2%以上の場合を不合格とした。
尚、比較例3のSOI層表面はヘイズが悪化したためAFMによる表面粗さは測定せず、不良と判断した。
Figure 0005673180
表1に示すように、実施例1−7において本発明の製造方法で製造したSOIウェーハは、1200℃で処理した比較例1と同等に表面粗さが改善されており、かつ、スリップ転位の発生もほとんど無かった。一方、比較例1では、1200℃の高温で熱処理することで、スリップ転位の発生確率が高かった。また、比較例2,3では、熱処理温度が低く、表面粗さの改善は不十分であった。
[裏面ナノトポの評価]
実施例1〜7、及び、比較例1のベースウェーハ裏面のナノトポグラフィを評価した。ナノトポの評価方法は、ADE社製NanoMapperを用いて評価を行った。具体的な評価方法は以下の通りである。
測定するウェーハ表面(外周30mmを除く)の全面を白色干渉計にて0.2mm角/ピクセルの測定を行い、各ピクセル毎に表面形状の長周期成分(大きなうねり)を除去した表面粗さプロファイルを算出する計算処理を行った後、10mm角(50×50ピクセル)を1単位として、各単位毎の表面粗さのP−V値を算出し、P−V値の小さい順に積算した単位数の合計が全体の99.95%に達した時のP−V値(単位nm)を閾値(Threshold Height)として、ウェーハ間の比較評価を行った。
閾値を求めた結果、実施例1〜7の閾値は11〜14nmの範囲であったのに対し、1170℃を超える高温で熱処理を行った比較例1の閾値は32nmであった。従って、本発明の平坦化熱処理によれば、裏面ナノトポは大幅に改善できることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…ボンドウェーハ、 11…ベースウェーハ、 12…酸化膜、
13…微小気泡層、 14…埋め込み酸化膜、 15…貼り合わせウェーハ、
16…薄膜。

Claims (3)

  1. 少なくとも、ガスイオンの注入により形成された微小気泡層を有するボンドウェーハと支持基板となるベースウェーハとを接合する工程と、前記微小気泡層を境界としてボンドウェーハを剥離してベースウェーハ上に薄膜を形成する工程とを有するイオン注入剥離法によって貼り合わせウェーハを製造する方法において、
    前記剥離工程後、前記薄膜を有する貼り合わせウェーハに、水素を含む雰囲気下で急速加熱・急速冷却装置を用いて1130〜1150℃の温度で熱処理を行った後、不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの混合ガス雰囲気下でバッチ式炉を用いて1160〜1170℃の温度で熱処理を行い、
    前記急速加熱・急速冷却装置を用いた熱処理の後、酸化性雰囲気下で700〜1170℃の温度で結合熱処理を行い、該結合熱処理で形成された前記薄膜表面の酸化膜を除去した後に、前記バッチ式炉を用いた熱処理を行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
  2. 前記結合熱処理として、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000〜1170℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  3. 前記ベースウェーハを、両面研磨ウェーハとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
JP2011029038A 2011-02-14 2011-02-14 貼り合わせウェーハの製造方法 Active JP5673180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029038A JP5673180B2 (ja) 2011-02-14 2011-02-14 貼り合わせウェーハの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029038A JP5673180B2 (ja) 2011-02-14 2011-02-14 貼り合わせウェーハの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012169449A JP2012169449A (ja) 2012-09-06
JP5673180B2 true JP5673180B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=46973329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011029038A Active JP5673180B2 (ja) 2011-02-14 2011-02-14 貼り合わせウェーハの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5673180B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016201454A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 信越半導体株式会社 Soiウェーハの製造方法
JP6500845B2 (ja) * 2016-06-14 2019-04-17 信越半導体株式会社 貼り合わせウェーハの製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11307472A (ja) * 1998-04-23 1999-11-05 Shin Etsu Handotai Co Ltd 水素イオン剥離法によってsoiウエーハを製造する方法およびこの方法で製造されたsoiウエーハ
JP2000124092A (ja) * 1998-10-16 2000-04-28 Shin Etsu Handotai Co Ltd 水素イオン注入剥離法によってsoiウエーハを製造する方法およびこの方法で製造されたsoiウエーハ
JP4547056B2 (ja) * 1999-09-27 2010-09-22 Sumco Techxiv株式会社 貼り合せsoiウェーハの製造方法
JP2008028415A (ja) * 1999-10-14 2008-02-07 Shin Etsu Handotai Co Ltd Soiウエーハの製造方法及びsoiウエーハ
US6846718B1 (en) * 1999-10-14 2005-01-25 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for producing SOI wafer and SOI wafer
EP1408551B1 (en) * 2001-07-17 2014-07-02 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for producing bonding wafer
JP4509488B2 (ja) * 2003-04-02 2010-07-21 株式会社Sumco 貼り合わせ基板の製造方法
JP5125194B2 (ja) * 2007-04-10 2013-01-23 信越半導体株式会社 貼り合わせウエーハの製造方法
JP2009111347A (ja) * 2007-10-11 2009-05-21 Sumco Corp 貼り合わせウェーハの製造方法
JP4636110B2 (ja) * 2008-04-10 2011-02-23 信越半導体株式会社 Soi基板の製造方法
JP2010098167A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Shin Etsu Handotai Co Ltd 貼り合わせウェーハの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012169449A (ja) 2012-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4526818B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法
JP5135935B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法
WO2013102968A1 (ja) 貼り合わせsoiウェーハの製造方法
US9093497B2 (en) Method for manufacturing bonded SOI wafer
JP2013534057A (ja) Soi基板に仕上げを施す方法
JP2006210899A (ja) Soiウエーハの製造方法及びsoiウェーハ
WO2002084738A1 (fr) Plaquette de silicium sur isolant et procede de fabrication associe
TWI685019B (zh) 絕緣體上矽晶圓的製造方法
JP2008066500A (ja) 貼り合わせウェーハおよびその製造方法
JP2004186226A (ja) Soiウエーハの製造方法
JP2004087768A (ja) Soiウエーハの製造方法
JP5673180B2 (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法
JP2016201454A (ja) Soiウェーハの製造方法
JP5541136B2 (ja) 貼り合わせsoiウエーハの製造方法
WO2016059748A1 (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法
JP2009283582A (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法及び貼り合わせウェーハ
TWI549192B (zh) Method of manufacturing wafers
JP5703920B2 (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法
JP5125194B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法
JP2012104666A (ja) 貼り合わせウェーハ及びその製造方法
JP2006013179A (ja) Soiウェーハの製造方法
JP2014212172A (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5673180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250