JP5671383B2 - 採風窓 - Google Patents
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Description
これらの窓は引き違い障子と比較して風を取り込みやすく、採風窓として好まれている。
特許文献2は扉の上下端面から突没する支軸を扉の左右に設けることで扉を左右のどちらにも片開きできる窓構造を開示するが、扉を片方の支軸で支えるものであるために平行に突き出しできるものではない。
特許文献3はXアームを用いた平行突き出し窓を開示するが、障子を左右に片開きできるものではない。
このように障子の上部の左右2ヶ所及び下部の左右の2ヶ所のうち、どちらか一方又はその両方を枠体側とリンクアームにて連結したので左右のリンクアームのうち、どちらか一方を室外側に向けて回動することで左右のうち、どちらの方向にも障子を片開きすることができるのみならず、左右両方のリンクアームを室外側に向けて回動すれば、障子が室外側に向けて平行に突き出した窓になる。
ここで相対的に小さい障子や高さの低い障子にあっては障子の上部のみに設けた左右2ヶ所のリンクアーム、又は、障子の下部のみに設けた左右2ヶ所のリンクアームにて障子を支持することが可能であるが、上下の4ヶ所のリンクアームで障子を支えると、この障子の開閉安定性に優れる。
また、リンクアームの一方が回動連結され、他方がスライド連結されているものであれば枠体と障子とのどちら側が回動連結になっていてもよい。
なお、スライド連結部のスライド方向は左右対向配置されているのが好ましく、スライド構造はリンクアームの他端がスライド移動するものであれば、ガイド部に沿ったレール構造でもガイド溝とこのガイド溝に沿って移動するピン構造であってもよく、その構造に限定はない。
なお、本明細書では窓の外側から見て左右方向を表示する。
また、左右のリンクアームを室外側に向けて回動すれば、障子が平行に室外側に突き出した突き出し窓になる。
ここで、スライド連結部に可変可能に規制したスライド規制手段を設けると、片開きの開き量を大きくしつつ、突き出し量を小さくすることもできる。
さらには、障子の上部及び下部の左右にそれぞれリンクアームで連結すると障子の上部の左右2つのリンクアームのみを室外側に回動すれば、障子の上部側が室外側に突き出した上側片開き窓になり、その逆に下側片開き窓にすることもできる。
特に新築の場合に片開き窓では左右のどちらの方向に開くか判断が付かない場合があり、本発明ではそのような心配も不要である。
本発明に係る窓は窓ガラスをすりガラス等にすることで浴室の換気にも使用できる。
図2に示すように枠体10は上枠13、下枠14及びその左右に位置する室外側から見て左縦枠11と右縦枠12からなる正面視略長方形の枠状になっている。
障子20は上框23、下框24及びその左右の左縦框21及び右縦框22とからなる正面視略長方形の枠状になっていて、その枠内に図示を省略したが、ガラス等のパネル体が水密に嵌め込まれている。
上枠13の内側面(下面)と上框23の外側面(上面)との間であって、障子の左右を2つのリンクアーム33,34にて連結してある。
4つのリンクアーム31〜34はそれぞれ共通の符号a〜fを対応するように付してあり、図1に下側のリンクアーム31,32の構造を示し、これに基づいて以下説明する。
図1にて左側のリンクアーム31は一端31aを下枠14に回動自在な回動軸にて枢着(回動連結)し、他端はピン31b形状になっていて下框24に取り付けたブラケット31cに設けた長孔形状のスライド溝31dに沿って左右方向にスライドする例(スライド連結)になっている。
右側のリンクアーム32は上記リンクアーム31と対向するように配置してあり、リンクアーム32の一端32aは下枠14の内側上面に回動軸で枢着し、他端に設けたピン32bは下框24の外側下面に取り付けたブラケット32cの長孔形状のスライド溝31dにスライド連結してある。
障子の上部側のリンクアーム33,34も同様の構造になっているので説明を省略する。
なお、本実施例では障子の上部と下部とにそれぞれ左右一対、対向配置したリンクアームの例を示したが後述するように左右の縦框の側部を操作部で連結したり、他の手段にて障子の開閉状態を支持できれば障子の上部又は下部の片方のみ左右のリンクアームで支持してもよい。
左右の操作部41,42は対向配置され、その構造は一致するので図6に基づいて操作部41を代表に説明する。
操作部41の本体部41aを縦枠11の枠内の内側面に取り付けてあり、操作杆41bが本体部41aの貫通孔に沿って室外側に突没するようになっていて、操作杆41bの室外側端部が連結アーム41dと回動自在な回動連結部41cにて連結されている。
連結アーム41dの室外側端部は連結孔41eになっていて、障子側に固定した略T字形状の固定プレートの室内側に設けたピン形状の連結ピン41gが上記連結孔41e内に納まるように連結されている。
この連結孔41eは連結ピン41gの外径よりも所定のクリアランスを有し、アソビがあるように大きい内径になっている。
これにより、操作杆41bを室外側に突き出すと、固定プレート41fを介して障子の縦框が室外側に回動又は突き出され、操作杆41bを室内側に向けて引っ張り、回動連結部を回動中心にして上下方向に折り曲げると閉じた状態がロックされる。
図1(a)に示した状態はリンクアーム31〜34が障子20の上框23、下框24と平行になるように室内側に回動した状態にあり、障子が全閉状態にある。
この状態から操作部41又は42を操作し、左のリンクアーム31,33又は右のリンクアーム32,34の一方を室外側に向けて回動すると、例えば図1(b)に左側のリンクアーム31,33を回動した状態を示すように片開き状態になる。
図2にその状態の室外側から見た状態を示し、図4に室内側から見た状態を示す。
操作部41の連結孔41eと連結ピン41gの間に所定のアソビがあることから、図2(b)に示すように連結アーム41dとのねじれを許容する。
このときの外観図を図3に内観図を図5にそれぞれ示す。
枠体の左右の一対のカム51,52を対向配置し、回動軸51a,52aにて回動自在に設け、左右のカムを同期リンク50aで連結し、この同期リンクの中央部に取り付けたカム操作部50にて左右に回動可能にした。
左右のカム51,52を同期して回動できるように左右のカム51,52に対向して略く字形状のスライド部51b,52bを形成し、この左右の対向配置したスライド部51b,52bに同期リンク50aの両端部をスライド可能に連結してある。
リンクアーム131,132の枠体側は、左右方向のガイド部61a,62aに沿ってガイドされながら左右にスライドするスライダー61,62を設け、このスライダー61,62に回動軸131b,132bを介して軸着した。
このスライダー61,62に対して左右のカム51,52にスライダーの移動をロックするロック規制面51c,52cと所定の範囲のみスライドを規制するスライド規制面51d,52d(図12参照)を設定してある。
図8(a)が閉じた状態で(b)〜(d)がリンクアーム131,132の動きによる障子の片開き変化を示す。
なお、図9にスライダー付近の拡大図、図10にリンクアームとスライダーとの関係を示す。
図10で説明すると、障子が閉じた状態で(a)に示すようにカム操作部50を左に操作すると左のカム51はガイド部61aを開放し、右のカム52はロック規制面52cがスライダー62の左側(内側)に当接し、スライダー62の移動をロックする。
このような状態で図8(c)に示すように操作杆41bを押し出すと、連結アーム41dの外側への突出によりスライダー61がガイド部61aに沿って右に移動し、障子が片開きする。
操作杆41bの押し出し量を二段にしてもよいが、図8に示した例は連結アーム41dから障子側の連結ピン41gを外してさらに大きく片開きした例である。
図11は上記とは反対側に障子を片開きした例を示し、操作は上記と逆になるだけなので、詳細な説明は省略する。
この場合には片開きの開き角度はスライダー61,62の最大スライド量にて定まる。
この状態では、左右のスライダー61,62は左右のカム51,52のスライド規制面51d,52dに当接するまでは移動が許容されるが、それ以上はスライドしないのでこの状態で定まるリンクアーム131,132の回動角度に応じた突き出し量にて障子20が平行に突き出すことになる。
従って、図8〜図11に示すように障子の片開き角度を大きくすることができつつ、突き出し量は小さくできるので、障子の突き出し状態で外から内部が見える範囲を狭くすることができる。
10 枠体
11 左縦枠
12 右縦枠
13 上枠
14 下枠
20 障子
21 左縦框
22 右縦框
23 上框
24 下框
31 リンクアーム
32 リンクアーム
41 操作部
41a 本体部
41b 操作杆
41c 回動連結部
41d 連結アーム
41e 連結孔
41f 固定プレート
41g 連結ピン
42 操作部
50 カム操作部
51 カム
52 カム
52c ロック規制面
52d スライド規制面
61 スライダー
61a ガイド部
62a ガイド部
Claims (2)
- 駆体開口部に取り付けた枠体と、当該枠体の室外側に片開き及び突き出し可能に設けた障子を備え、
枠体は上下略平行配置した上枠及び下枠と、当該上枠と下枠の両端部に位置する左右の縦枠を有し、
障子は上下略平行に配置した上框と下框と、当該上框と下框の両端部に位置する左右の縦框を有し、
上枠と上框の間又は/及び下枠と下框の間は左右のリンクアームでそれぞれ連結するとともに、リンクアームの一端は回動軸連結し、他端はスライド連結することで障子が左右の一方に片開き及び平行して突き出し可能であり、
前記スライド連結したスライド連結部はスライド量を可変可能に規制したスライド規制手段を有し、
前記スライド規制手段は、前記リンクアームの他端に軸着した左右方向にスライド自在のスライダーと、当該スライダーの移動をロック,移動量規制及び移動自在のいずれかに切り換え可能なカムを有することを特徴とする採風窓。 - 前記左縦枠と左縦框及び右縦枠と右縦框はそれぞれ突き出し開閉操作する操作部を有し、
当該操作部は、前記縦枠に設けた室外側に向けて突没する操作杆と、一方に設けた連結ピンと他方に設けた連結孔を介して前記縦框側に設けた連結アームとを回動自在の回動連結部で連結することで当該回動連結部にクリアランスを有するように連結してあることを特徴とする請求項1記載の採風窓。
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