JP5670595B2 - 立坑構築方法 - Google Patents
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Description
この工程によれば、ケーソン躯体の刃口部と水中コンクリートとの接触面に凍結止水部が形成される。凍結止水部によれば、ケーソン躯体の刃口部と水中コンクリートとの接触面から地下水が浸入することが防止されるので、ケーソン躯体と水中コンクリートとの間の止水性を容易に確保することができる。従って、立坑構築における施工性を向上させることができる。
また、水中コンクリートは水圧に対抗してその位置を維持する必要がある。凍結止水部によれば、ケーソン躯体に対する水中コンクリートの接合強度が高まる。そうすると、水中コンクリートは、水中コンクリート自体の重量、ケーソン躯体の重量、及び水中コンクリートに接合されたケーソン躯体とケーソン躯体背面地盤と間の摩擦力をもって、水圧に対抗することになる。この場合には、水中コンクリート自体の重量のみによって水圧に対抗する構造と比較して、水中コンクリートの重量を低減することが可能になる。従って、水中コンクリートの打設作業に要する作業量が低減されるので、立坑構築における施工性を更に向上させることができる。
この改質止水部によれば、ケーソン躯体の刃口部と水中コンクリートとの接触面から地下水が浸入することが防止されるので、ケーソン躯体と水中コンクリートとの間の止水性を容易に確保することができる。また、改質止水部によれば、ケーソン躯体に対する水中コンクリートの接合強度が高まるので、水中コンクリートは、水中コンクリート自体の重量、ケーソン躯体の重量、及び水中コンクリートに接合されたケーソン躯体とケーソン躯体背面地盤との間の摩擦力をもって、水圧に対抗することになる。そうすると、水中コンクリートの重量を低減することが可能になるので、水中コンクリートの打設作業に要する作業量が低減される。従って、立坑構築における施工性を更に向上させることができる。
図3(a)に示されるように、砕石置換工程S1では、砕石置換部8を地上Gから構築する。砕石置換工程S1では、地上Gから連壁掘削機M1によって深さ約130m且つ直径3mの穴10を複数掘削し、その穴10の内部に単粒度の砕石を詰め込む。この砕石置換部8は、複数の穴10のそれぞれに砕石が詰め込まれた部分であり、周囲の地盤と比較して強度及び密度が比較的均質な領域である。砕石置換部8は、周囲の地盤に対して強度及び密度が異なる領域であり、より具体的には周囲の地盤に対して強度及び密度が小さい場合もあるし、刃口部7の地盤の均質性を担保するため、周囲の地盤に対して強度及び密度が大きい場合もある。砕石置換部8は、立坑1の円筒形状に対応する仮想円C1,C2の間において均等間隔で複数形成されている(図4参照)。なお、砕石置換部8は、立坑1の円筒形状に対応するリング状の穴に砕石が詰め込まれたものであってもよい。
ケーソン圧入部設置工程S2では、ケーソン躯体6A,6を砕石置換部8に圧入するためのケーソン圧入部11を設置する。このケーソン圧入部11は、アンカー12とガイド壁16とを備え、アンカー12はアンカー部14とワイヤ13とを有している。まず、ワイヤ13の先端に取り付けられたアンカー部14を砕石置換部8が形成された領域の外周から1m程度外側に離間した円周に沿って等間隔で配置し、それぞれのアンカー部14を砕石置換部8よりも深い位置に掘削機M2を用いて埋め込む(図3(b)及び図4参照)。続いて、ワイヤ13の地上G側の端部を支持するガイド壁16を配置する(図5(a)参照)。
オープンケーソン構築工程S3では、オープンケーソン2を構築する。まず、図5(a)に示されるように、刃口部7を有するケーソン躯体6Aを砕石置換部8が形成された領域にリフト打設する。続いて、図5(b)に示されるように、砕石置換部8が形成された領域の内側を水中掘削しつつ、ケーソン圧入部11を利用してオープンケーソン2’を沈設させる。当該オープンケーソン2’は、ケーソン躯体6Aの上にケーソン躯体6を順次継ぎ足したものである。ケーソン圧入部11は、アンカー12に反力を取りつつオープンケーソン2’を下方に沈設させる。この水中掘削する工程では、ドリル掘削機M3を利用して掘削する地盤に対して複数の細孔17を形成することにより地盤を崩しやすくする。そして、クラムシェルを有する重機M4を利用して地盤を崩しつつ、土砂を取り除く。
図6(a)に示されるように、水中コンクリート打設工程S4では、オープンケーソン2の地中側開口部に水中コンクリート部3を打設する。詳細には、地上Gのコンクリートポンプ車M6やトラックミキサー車M7から未硬化の水中コンクリートを、ケーソン躯体6の刃口部7を塞ぐようにオープンケーソン2内に供給する。未硬化のコンクリートは、底面18、ケーソン躯体6の内周面6a、及び刃口部7の斜面7aに囲まれた領域に溜まり、水中コンクリート部3が形成される。
図6(b)に示されるように、止水前処理工程S5では、水中コンクリート部3とオープンケーソン2との間を止水する。オープンケーソン2には、凍結管19が埋め込まれている。凍結管19の両端は、冷凍機21に接続され、冷凍機から−20℃程度の塩化カリウムといった冷媒が凍結管19内に流通される。凍結管19は、オープンケーソン2の刃口部7まで延在している。
排水工程S6では、オープンケーソン2と水中コンクリート部3とに囲まれた領域に満たされた水Wを排出する。図7(a)に示されるように、この排水工程S6中も、凍結管19には、冷媒が供給されている。従って、排水工程S6中においても、オープンケーソン2と水中コンクリート部3との接触部には凍結止水部22が形成されているので、地下水がオープンケーソン2に浸入することはない。
底版構築工程S7では、立坑本体構造としての底版4及び側壁4aを構築する。この底版構築工程S7中も、凍結管19には、冷媒が供給されている。従って、底版構築工程S7中においても、オープンケーソン2と水中コンクリート部3との接触部には凍結止水部22が形成されているので、地下水がオープンケーソン2内に浸入することはない。
Claims (3)
- 両端が開口した筒形状のケーソン躯体を利用して、立坑を構築するための立坑構築方法であって、
地盤を砕石で置換した砕石置換部又は前記地盤を土質材料で置換した地盤改質部を前記立坑の筒形状に対応するように地上から構築する工程と、
前記砕石置換部又は前記地盤改質部の周囲に埋め込まれたアンカーと前記アンカーの地上側の端部を支持する前記地上に配置されたガイド壁とを有するケーソン圧入部を構築する工程と、
前記砕石置換部又は前記地盤改質部に囲まれた領域を水中掘削しつつ、前記ケーソン圧入部を利用して前記ケーソン躯体の刃口部側から前記ケーソン躯体を前記砕石置換部又は前記地盤改質部が形成された領域に沈設させる工程と、
前記ケーソン躯体の刃口部を塞ぐように、前記ケーソン躯体の先端部に水中コンクリートを打設する工程と、
前記水中コンクリートを打設する工程の後に、前記ケーソン躯体内に設けられた薬液注入管から薬剤を注出させて、前記ケーソン躯体の前記刃口部と前記水中コンクリートとの接触面を含む前記刃口部の近傍の領域に改質止水部を形成する工程と、
前記改質止水部を形成する工程の後に、前記ケーソン躯体の内部に満たされた水を排水する工程と、
前記水を排水する工程の後に、立坑本体構造を構築する工程と、を備え、
前記改質止水部は、前記立坑本体構造の完成後も前記刃口部と前記水中コンクリートとの間の止水性と接合強度を発揮する立坑構築方法。 - 前記薬剤は、可塑性グラウトからなる、請求項1に記載の立坑構築方法。
- 前記ケーソン躯体は、前記刃口部において前記水中コンクリートと接する位置に配置された補強板部を有し、
前記補強板部は、長辺方向が前記ケーソン躯体の高さ方向に沿い、短辺方向が前記ケーソン躯体の半径方向に沿っている、請求項1又は2に記載の立坑構築方法。
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