JP2784314B2 - オープンケーソンの沈設方法 - Google Patents

オープンケーソンの沈設方法

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JP2784314B2
JP2784314B2 JP5246349A JP24634993A JP2784314B2 JP 2784314 B2 JP2784314 B2 JP 2784314B2 JP 5246349 A JP5246349 A JP 5246349A JP 24634993 A JP24634993 A JP 24634993A JP 2784314 B2 JP2784314 B2 JP 2784314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オープンケーソンの沈
設方法に関し、特に道路、鉄道、下水道、地下放水路、
大深度水道、エネルギー貯留大深度型地下タンク用等の
大深度立坑や開削式地下大空洞等を構築するためのオー
プンケーソンの沈設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、立坑を構築する場合、比較的機
械設備が簡単で、工費が安いことから、オープンケーソ
ン工法が有効である。
【0003】このオープンケーソン工法では、鉄筋コン
クリート製のケーソン躯体により、筒状のケーソンを構
築し、その内部を掘削しながら地中に沈下させ、所定の
深さに到達させるようにしている。
【0004】このオープンケーソン工法による場合に
は、深さの浅い立坑を構築する場合には有効であるが、
深さが40メートル以上の大深度立坑を構築する場合に
は、高水圧によりヒービングやボイリングあるいは盤ぶ
くれ、パイピイング等が生じやすく、そのため施工が困
難となるものであった。
【0005】そこで、従来深さ40メートル以上の大深
度立坑を構築するに際しては、高水圧対策等から、連続
地中壁工法またはニューマチックケーソン工法が採用さ
れていた。
【0006】連続地中壁工法では、掘削溝に安定液を満
たし、壁面の崩壊を防ぎながら各種の掘削機で溝孔を掘
削し、スライム処理、鉄筋籠の建て込み、コンクリート
打設など一連の工程を繰り返し、3〜7メートルごとに
順次地下連続壁を築造するとともに、連続壁に沿った支
保工を構築して連続壁を支持するようにしていた。
【0007】また、ニューマチックケーソン工法では、
底部にスラブ構造を設けた作業室から土砂を排出しなが
らこれを沈下させ、所定の支持層に到達させるようにし
たもので、作業室内に浸入する水を排除するため、作業
室に圧縮空気を供給するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の連続地中壁
工法による場合には、3〜7メートルの掘削ごとに鉄筋
籠の建て込みおよびコンクリート打設を行って連続壁の
単位エレメントを築造し、しかも支保工を形成して支持
を行う必要があり、そのため工期が長くかかり、場合に
よっては数年を要することがあるという問題があった。
【0009】また、連続壁下端からの高圧の地下水の浸
透により、ヒービングやボイリングあるいは盤ぶくれ、
パイピング等のおそれが高く、その対応策として根入れ
長さを相当大きくとる必要性が生じ、そのためにコスト
アップが余儀なくされているという問題があった。
【0010】さらに、ニューマチックケーソン工法によ
る場合には、地下水を安全に征服できるが、圧気下での
作業であり、圧力が増加すると、健康管理上、加圧減圧
に多くの時間を要し、実作業時間が極端に短くなり、作
業能率が低下し、工期も長くかかるという問題があっ
た。
【0011】また、大深度に限らず、浅深度の立坑等の
構築に際しても、透水係数の大きい砂質地盤においては
同様の問題があった。
【0012】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、高水圧条件のもとでオー
プンケーソンを安全に沈設可能にすることにより、大深
度立坑や透水係数の大きい砂質地盤などに要する工期の
短縮、コストダウン化、高水圧対策等をすべて解決する
ことのできるオープンケーソンの沈設方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明にあっては、
躯体内に中空部を有するオープンケーソンの沈設方法で
あって、前記オープンケーソンの沈設位置において、該
オープンケーソンの躯体厚さよりやや大きめの幅を有す
る溝孔を所定のオープンケーソン設置深さまで多数形成
して、該溝孔に泥土を充填した後、複数の上下方向に連
通した中空部を有するケーソン躯体を構築する工程と、
前記泥土を前記中空部に滞留させて載荷重として作用さ
せると共に、前記中空部より前記溝孔中の泥土を排出さ
せながら1ロット分のオープンケーソンを沈設させる工
程と、前記ケーソン躯体で囲まれた空間の地山を水中掘
削する工程と、を繰返して常に刃口部の根入れをさせな
がら沈設させることを特徴としている。
【0014】第2の発明にあっては、請求項1に加え、
前記泥土の比重を少なくとも1.3以上としたことを特
徴としている。
【0015】
【0016】第の発明にあっては、請求項1に加え、
前記オープンケーソンを沈設させる工程において、所定
のオープンケーソン設置深さより深い地盤に定着させた
アンカー部材を反力として前記オープンケーソンに押圧
力を作用させることを特徴としている。
【0017】第の発明にあっては、請求項1に加え、
前記溝孔が平面的に不連続に形成されることを特徴とし
ている。
【0018】第の発明にあっては、請求項4に加え、
前記溝孔の不連続部分を高圧力水の噴射により掘削する
ことを特徴としている。
【0019】
【作用】第1の発明にあっては、オープンケーソン設置
深さまで多数形成した溝孔内に泥土を充填し、この泥土
を排出させながら1ロット分のオープンケーソンを沈設
することにより、上下方向に連通した複数の中空部を有
するケーソン躯体を泥土中に浮かぶようにして沈設さ
せ、かつ泥土の排出量を調節して重量バランスを取りな
がら沈設させることができ、ケーソン躯体の安定した沈
設が可能となる。
【0020】また、オープンケーソンの沈設時に、ケー
ソン壁外周の地山砂分が崩落して、楔現象により沈下摩
擦抵抗が増大する場合があるが、前記溝孔内に充填した
泥土が滑材として作用し、沈下摩擦抵抗を減少させるこ
とが可能となる。
【0021】さらに、ケーソン刃口の貫入を先行させ、
その後ケーソン躯体で囲まれた空間の地山の水中掘削を
後にすることで、ケーソン躯体周辺への影響を余り気に
することなく効率的に内部掘削をすることができ、工期
を短縮することが可能となる。
【0022】また、ケーソン刃口の貫入を先行させるこ
とにより、水中掘削時における刃口下の掘削が不要とな
り、効率的に沈設を行うことが可能となる。しかも、刃
口周りが余掘状態となることがなく、地山の崩壊や緩み
が防止できることとなる。
【0023】さらに、泥土を中空部に滞留させて載荷重
として作用させることにより、オープンケーソンの沈設
時における浮力調整を容易に行うことが可能で、しか
も、小さな押圧力でオープンケーソンを姿勢制御させな
がら沈設することが可能となる。また、ケーソン自重が
総沈下抵抗に優勢な状況であれば、ケーソン躯体の見掛
の単位体積自重を小さくさせる効果があり、沈設を容易
にさせることが可能となる。
【0024】第2の発明にあっては、泥土の比重を少な
くとも1.3以上とすることにより、ケーソン躯体を緩
かに沈下させて、安定した沈設を行うことが可能とな
る。
【0025】第の発明にあっては、アンカー部材を反
力として用いることにより、オープンケーソンに対する
十分な押圧力を作用させることが可能となる。
【0026】第の発明にあっては、溝孔を平面的に不
連続に形成することにより、溝孔を連続して形成する場
合に比し、溝孔の形成が容易となり、工期の短縮化が可
能となる。
【0027】第の発明にあっては、溝孔の不連続部分
を高圧力水の噴射により掘削することで、不連続部分を
大きくとることが可能となり、溝孔形成時の不連続部分
の水圧差による崩壊を防止し、安定した施工を行うこと
が可能となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】図1〜図9は、本発明の一実施例に係るオ
ープンケーソンの沈設方法を示す図である。
【0030】まず、図1に示すように、オープンケーソ
ンを沈設しようとする位置に、溝孔掘削用のガイドウォ
ール10を設置する。このガイドウォール10は、オー
プンケーソン沈設用の溝孔をトレンチ掘削する際のガイ
ドをなすもので、オープンケーソンの躯体厚さよりやや
大きめの幅に設定されている。また、本実施例では、円
形のオープンケーソンを用いるようにしており、このガ
イドウォール10もオープンケーソンの形状に沿わせて
円形に配設されるようになっている。
【0031】次に、図2に示すように、オープンケーソ
ンの沈設位置に設置したガイドウォール10に沿って、
オープンケーソン沈設用の多数の溝孔12を掘削形成す
る。この場合、溝孔12の掘削に先立って、ガイドウォ
ール10の外周側に鋼矢板14を打設し、防護縁切壁を
形成して、地盤の変形を抑止するようにしている。
【0032】また、溝孔12は、トレンチ掘削により形
成されるもので、図7に示すように、連続する3つの掘
削部16A,16B,16Cを1つのエレメントとして
形成され、各溝孔12がエレメント単位で平面的に不連
続に形成されるようになっている。したがって、エレメ
ント間の妻止め材などの端部処理が不要となり、工期の
短縮化が可能となる。この不連続部分の地山18が、隣
接する溝孔12内の水圧差によって容易に崩壊しない程
度の厚さに設定される。
【0033】更に、各溝孔12の幅は、ガイドウォール
10の幅に合せてオープンケーソンの躯体厚さよりやや
大きめに設定され、しかも各溝孔12の深さは所定のオ
ープンケーソン設置深さまで掘削形成される。例えば、
溝孔12の掘削深さは、50m以上に設定される。この
ように、予め溝孔12を所定のオープンケーソン設置深
さまで掘削しておくことによって、オープンケーソン沈
設時におけるケーソン刃口下の掘削を行なうことなくケ
ーソン躯体の沈設が可能となり、工期短縮及びコストダ
ウンが可能となる。
【0034】なお、掘削深さが50m程度までの場合に
は、多軸オーガを用いて上記溝孔を掘削することによ
り、ガイドウォールを必要としないで、さらに工期短縮
・工費低減を図ることも可能となる(図10参照)。
【0035】そして、溝孔12の掘削後、各溝孔12中
の掘削泥水を泥土20に置換する。この泥土20は、比
重が少なくとも1.3以上好ましくは1.4以上になる
ように、掘削土を混合したり、配合成分を調整して作製
する。このように、比重1.3以上の泥土20に置換す
ることにより、ケーソン躯体の沈設を安定して行なえる
ようにしている。また、この泥土20の比重は、沈設し
ようとするケーソン躯体の比重との関係を考慮して適宜
決定されることとなる。
【0036】ついで、図3に示すように、溝孔12上に
ケーソン刃口22を設置し、このケーソン刃口22上に
ケーソン躯体24を構築して連結する。この場合、ケー
ソン刃口22の設置に先立って、鋼矢板14にて形成さ
れた防護縁切壁内の地山を3m程度気中でオープン掘削
を行う。また、各溝孔12の上方部分は、ケーソン刃口
22の沈設初期において刃口支持力を多く必要とするた
め、砂置換して支持部26を形成することにより刃口支
持力を高めるようにしている。したがって、ケーソン刃
口22を溝孔12上に載置し沈設する場合に、支持部2
6によってケーソン刃口22が確実に支持され、安定し
た沈設が可能となる。なお、支持部26は、前記砂置換
に限らず、例えば、溝孔12の上部に泥水固化材を配合
して強度を高めるようにすることも可能で、更には、必
要に応じて深度別に泥水固化材の配合を変え、最適な沈
設状態が得られるようにすることも可能である。
【0037】また、溝孔12と鋼矢板14との間には、
所定のオープンケーソン設置深さより深い地盤にアンカ
ー部材28を定着させ、このアンカー部材28を油圧ジ
ャッキ30を介してケーソン刃口22に接続し、このア
ンカー部材28を反力としてケーソン刃口22に押圧力
を作用させるようにしている。したがって、ケーソン刃
口22に十分な圧入力を付与することが可能となる。な
お、アンカー部材28は、アースアンカー31とアンカ
ー鋼棒32とから構成されている。
【0038】さらに、ケーソン躯体24は、図8および
図9に示すように、上下方向に連通した複数の中空部3
4を有するもので、本実施例では、直径30メートル、
壁厚2〜3メートル程度に設定されている。なお、この
ケーソン躯体24は予め工場で構築され、または現場で
構築される。そして、この中空部34内に排泥管36を
挿通させ、この排泥管36の下端をケーソン刃口22の
下部より露出させるようにしている。また、排泥管36
には、中空部34内の適宜位置に浮力調整用のバルブ3
8が取り付けられている。また、ケーソン躯体24に対
する中空部34の割合は、44%前後とされ、泥土20
と比重バランスできるようにされている。さらに、ケー
ソン刃口22の下端には、刃口金物40が取り付けら
れ、また、刃口金物40の上方にはジベル筋42が予め
取り付けられている。
【0039】次に、図4に示すように、溝孔12上に設
置したケーソン刃口22を油圧ジャッキ30により押圧
して、溝孔12内に圧入し、このケーソン刃口22上に
連結した1ロット分のケーソン躯体24を沈設させる。
また、ケーソン躯体24の圧入時には、排泥管36下端
より泥土20を排出させながら、ケーソン躯体24が溝
孔12内で水中に浮かぶような状態にして沈設させて行
く。この場合、必要に応じ、排泥管36に設けた浮力調
整用のバルブ38を開閉して、ケーソン躯体24の中空
部34内に泥土20を充填し、浮力調整やバランスを取
りながら好適な状態で沈下させるようにしている。ま
た、前記中空部34内に水荷重やコンクリートを充填し
ながらバランスを取ることも可能である。
【0040】さらに、溝孔12間に残された不連続部分
の地山18は、ケーソン躯体24の自重によりケーソン
刃口22が切り崩していくことができ、しかもこの不連
続部分の地山18が刃口支持力として有効に作用するこ
ととなる。また、不連続部分の地山18の間隔が大き
く、ケーソン躯体24の自重で切り崩しできない場合に
は、ケーソン躯体24の中空部34内に高圧力水を供給
する配管45を挿通させ、この配管45の下端をケーソ
ン刃口22に臨ませ、配管45下端より高圧力水を噴射
させて不連続部分の地山18を掘削しつつ沈下させるこ
とも可能である。
【0041】また、前もって置換しておいた泥土材が上
載荷重やケーソン圧入力を受けて、圧密状態となり、ケ
ーソン躯体24の圧入がスムーズに進まない場合は、中
空部に設けた高圧水力の噴射によって再度流動化させ、
沈設を容易にさせることもできる。
【0042】次に、ケーソン躯体24に囲まれた地山上
に泥水46を供給して、ケーソン躯体24に囲まれた地
山を水中掘削する。この場合、ケーソン刃口22の沈設
が、ケーソン躯体24で囲まれた空間の地山の掘削に先
行するため、水中掘削時に、ケーソン刃口22の下部の
掘削をする必要がなく、沈設が容易となり、工期の短縮
化に寄与し得ることとなる。そして、ケーソン躯体24
の構築と、1ロット分のケーソン躯体24の沈設と、ケ
ーソン躯体24で囲まれた内部空間の地山の水中掘削と
を交互に繰り返して、図5で示す所定のオープンケーソ
ン設置深さまでケーソン躯体24を沈設する。この場
合、1〜2ロット分の長さのケーソン躯体24を内部掘
削深さに先行して圧入しながら進める。
【0043】ついで、図5に示すように、清水46を張
った状態で、底部の床ならしを行い、スライム処理した
後、底部に鉄筋を組み立てて、水中コンクリートを打設
し、底盤基礎部48を形成する。この場合、ケーソン刃
口22には予めジベル筋42が取付けてあるため、底盤
基礎部48とケーソン刃口22とは確実に一体化される
こととなる。さらに、ケーソン躯体24の周りには裏込
め材50を充填してシール処理をしておく。
【0044】そして、図6に示すように、泥水46の排
水処理を行った後、水中で形成した底盤基礎部48上に
気中で鉄筋を組立て、コンクリートを打設して底盤52
を形成する。その後、油圧ジャッキ30その他の機材を
撤去し鋼矢板を引き抜き、さらにはケーソン躯体24の
中空部34内にコンクリートを充填して固化させれば立
坑が完成することとなる。なお、立坑底盤下からの揚圧
力が大きい場合には、底盤基礎部48、底盤52等を重
量コンクリートで形成して、全体重量を増加させて揚圧
力に対抗させることも可能である。
【0045】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施
が可能である。
【0046】例えば、ケーソン躯体は、直径30メート
ル、壁厚2〜3メートルの円形のものを示しているが、
この例に限らず、角形、楕円形等種々の形状や、大小様
々の寸法が採用できることは勿論である。
【0047】また、前記実施例では、溝孔を平面的に不
連続に形成したが、地盤その他の状況によっては、連続
的に形成してもよいことはもちろんである。
【0048】さらに、前記実施例では、アンカー部材2
8をケーソン躯体24の外側に設けるようにしている
が、この例に限らず、ケーソン躯体24に形成した中空
部34内を利用してアンカー部材を設置することによ
り、本設アンカーとしての利用時に有利にすることが可
能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明にあっ
ては、オープンケーソン設置深さまで多数形成した溝孔
内の泥土を排出させながらオープンケーソンを沈設する
ことにより、複数の中空部を有するケーソン躯体を泥土
中に浮かぶようにして沈設させ、かつ泥土の排出量を調
節して重量バランスを取りながら沈設させることがで
き、ケーソン躯体の安定した沈設がなし得るという効果
がある。
【0050】また、オープンケーソンの沈設時に、前記
溝孔内に充填した泥土を滑材として作用させ、沈下摩擦
抵抗を減少させることができるという効果がある。
【0051】さらに、ケーソン刃口の貫入を先行させ、
その後ケーソン躯体で囲まれた空間の地山を水中掘削す
ることで、ケーソン躯体周辺への影響を余り気にするこ
となく、効率的に内部掘削をすることができ、工期を短
縮することができるという効果がある。
【0052】また、ケーソン刃口の貫入を先行させるこ
とにより、水中掘削時における刃口下の掘削が不要とな
り、経済的、かつ効率的に沈設を行うことができ、しか
も、刃口周りが余掘状態となることがなく、地山の崩壊
や緩みが防止できるという効果がある。
【0053】さらに、泥土を中空部に滞留させて載荷重
として作用させることにより、オープンケーソンの沈設
時における浮力調整を容易に行うことができ、、しか
も、小さな押圧力でオープンケーソンを姿勢制御させな
がら沈設することができるという効果がある。また、ケ
ーソン自重が総沈下抵抗に優勢な状況であれば、ケーソ
ン躯体の見掛の単位体積自重を小さくさせる効果があ
り、沈設を容易にさせることが可能となる。
【0054】第2の発明にあっては、泥土の比重を少な
くとも1.3以上とすることにより、ケーソン躯体を緩
かに沈下させて安定した沈設を行うことができるという
効果がある。
【0055】第の発明にあっては、アンカー部材を反
力として用いることにより、オープンケーソンに対する
十分な押圧力を作用させることができるという効果があ
る。
【0056】第の発明にあっては、溝孔を平面的に不
連続に形成することにより、溝孔を連続して形成する場
合に比し、溝孔の形成を容易にでき、工期の短縮化がな
し得るという効果がある。
【0057】第の発明にあっては、溝孔の不連続部分
を高圧力水の噴射により掘削することで、不連続部分を
大きくとることができ、溝孔形成時の不連続部分の水圧
による崩壊を防止し、安定した施工を行うことができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係るオープンケーソンの沈設方法に
おけるガイドウォール設置状態を示す断面図である。
【図2】図1の状態から溝孔を掘削して、泥土を充填し
た状態を示す断面図である。
【図3】図2の状態からアンカーを設置してケーソン刃
口を沈設する状態を示す断面図である。
【図4】図3の状態からケーソンの沈設及び水中掘削を
繰返す状態を示す断面図である。
【図5】図4の状態からケーソン沈設及び水中掘削が完
了し、水中で底盤基礎部を形成する状態を示す断面図で
ある。
【図6】図5の状態から泥水を排水して、気中で底盤を
形成する状態を示す断面図である。
【図7】図2の溝孔の掘削状態を示す断面図である。
【図8】図3のケーソン刃口を示す断面図である。
【図9】ケーソン躯体の平面図である。
【図10】溝孔掘削を多軸オーガを用いて行った状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
12 溝孔 20 泥土 22 ケーソン刃口 24 ケーソン躯体 28 アンカー部材 34 中空部 36 排泥管 46 泥水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 智晶 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−281829(JP,A) 特開 平4−70422(JP,A) 特開 平6−108473(JP,A) 特開 昭62−101718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 23/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体内に中空部を有するオープンケーソ
    ンの沈設方法であって、 前記オープンケーソンの沈設位置において、該オープン
    ケーソンの躯体厚さよりやや大きめの幅を有する溝孔を
    所定のオープンケーソン設置深さまで多数形成して、該
    溝孔に泥土を充填した後、 複数の上下方向に連通した中空部を有するケーソン躯体
    を構築する工程と、前記泥土を前記中空部に滞留させて載荷重として作用さ
    せると共に、 前記中空部より前記溝孔中の泥土を排出さ
    せながら1ロット分のオープンケーソンを沈設させる工
    程と、 前記ケーソン躯体で囲まれた空間の地山を水中掘削する
    工程と、 を繰返して常に刃口部の根入れをさせながら沈設させる
    ことを特徴とするオープンケーソンの沈設方法。
  2. 【請求項2】 前記泥土の比重を少なくとも1.3以上
    としたことを特徴とする請求項1記載のオープンケーソ
    ンの沈設方法。
  3. 【請求項3】 前記オープンケーソンを沈設させる工程
    において、 所定のオープンケーソン設置深さより深い地盤に定着さ
    せたアンカー部材を反力として前記オープンケーソンに
    押圧力を作用させることを特徴とする請求項1記載のオ
    ープンケーソンの沈設方法。
  4. 【請求項4】 前記溝孔が平面的に不連続に形成される
    ことを特徴とする請求項1記載のオープンケーソンの沈
    設方法。
  5. 【請求項5】 前記溝孔の不連続部分を高圧力水の噴射
    により掘削することを特徴とする請求項記載のオープ
    ンケーソンの沈設方法。
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