JP6832101B2 - 盛土の補強構造及び盛土の補強方法 - Google Patents

盛土の補強構造及び盛土の補強方法 Download PDF

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本発明は、盛土の補強構造及び盛土の補強方法に関する。
従来、例えば下記特許文献1に示されるように、既設河川堤防の耐浸透性向上や耐震性向上等を図るために、地表上の盛土を補強する盛土の補強構造として、地中に埋設され、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を抑止する土留壁を備えた構成が知られている。
特許第5729754号公報
しかしながら前記従来の盛土の補強構造では、土留壁に過度に大きな断面性能を付与しなければ、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を確実に抑止することが困難であるという問題があった。
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、土留壁の断面性能を過大にすることなく、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を確実に抑止すると同時に盛土の法面を補強することができる盛土の補強構造及び盛土の補強方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、本発明に係る盛土の補強構造は、地表上の盛土を補強する盛土の補強構造であって、前記盛土の法面の下端部に打ち込まれ、地盤のうち、前記盛土を支持する部分の固定層まで到達した土留壁と、前記盛土中に埋設され、前記盛土中に定着される定着機構を有し前記盛土の斜面を補強する管状の補強材と、を備え、前記補強材は、前記盛土中に向けて水平又は水平よりも上り勾配となるように、前記盛土中に埋設され、前記定着機構は、前記補強材を径方向に貫く排水孔と、前記補強材の中空部と、を通して、前記盛土内の水分を外部に排出する排水路を含み、前記土留壁及び前記補強材は、前記排水路の一端部が前記土留壁から、前記盛土に対する反対側に突出した状態で互いに接続されていることを特徴とする。
前記盛土は堤防であり、前記土留壁は前記盛土の裏法面の下端部に打ち込まれ、前記補強材は前記盛土の裏法面から前記盛土中に埋設されていてもよい。
また、本発明に係る盛土の補強方法は、地表上の盛土を補強する盛土の補強方法であって、地盤のうち、前記盛土を支持する部分の固定層まで到達する土留壁を、前記盛土の法面の下端部に打ち込む土留壁埋設工程と、前記盛土中に定着される定着機構を有し前記盛土の斜面を補強する管状の補強材であって、前記定着機構が、前記補強材を径方向に貫く排水孔と、前記補強材の中空部と、を通して、前記盛土内の水分を外部に排出する排水路を含む前記補強材を、前記盛土中に向けて水平又は水平よりも上り勾配となるように、前記盛土中に埋設する補強材埋設工程と、前記排水路の一端部が前記土留壁から、前記盛土に対する反対側に突出した状態で前記土留壁及び前記補強材を互いに接続する接続工程と、を備えることを特徴とする。
前記盛土は堤防であり、前記土留壁埋設工程は、前記土留壁を前記盛土の裏法面の下端部に打ち込み、前記補強材埋設工程は、前記補強材を前記盛土の裏法面から前記盛土中に埋設してもよい。
これらの発明によれば、盛土中に埋設される補強材が、盛土中に定着される定着機構を有しているので、補強材がこの定着機構により盛土中に定着される。そして、盛土中に定着された補強材に土留壁が接続されると、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を抑止する力を、固定層まで到達するように埋設された土留壁のみならず、補強材からも得ることができる。よって、土留壁の断面性能を過大にすることなく、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を確実に抑止することができる。
また、盛土内の水分が排水路により排出され、盛土内の水分量を少なくすることができるため、盛土を固くして崩れにくくすることができ、盛土中に補強材を定着させることができる。さらに、盛土内の水分が、その自重により補強材の排水路を通して盛土の外部に流出されるため、効率的に盛土内の水分を排出することができる。
また、本発明に係る盛土の補強構造では、前記土留壁は、その上端部を地表上に突出させ、かつ前記盛土の法面と対向させた状態で地中に埋設され、前記補強材は、その一端部を前記盛土の法面から突出させた状態で前記盛土中に埋設され、前記土留壁の上端部及び前記補強材の一端部は、互いに接続されていてもよい。
また、本発明に係る盛土の補強方法では、前記土留壁埋設工程は、前記土留壁を、その上端部を地表上に突出させ、かつ前記盛土の法面と対向させた状態で地中に埋設し、前記補強材埋設工程は、前記補強材を、その一端部を前記盛土の法面から突出させた状態で前記盛土中に埋設し、前記接続工程は、前記土留壁の上端部及び前記補強材の一端部を、互いに接続してもよい。
これらの場合には、土留壁及び補強材の接続作業を容易に行うことができる。
また、本発明に係る盛土の補強構造では、前記土留壁及び前記補強材は、前記盛土の法面の下端部に配置された法面保護部材を介して、互いに接続されていてもよい。
また、本発明に係る盛土の補強方法では、前記接続工程は、前記盛土の法面の下端部に配置された法面保護部材を介して、前記土留壁及び前記補強材を、互いに接続してもよい。
これらの場合には、法面保護部材が、盛土の法面の下端部に配置されているので、法面保護部材が抑え盛土となり、円弧すべりや斜面内すべりが発生するのを抑えることができる。また、土留壁と補強材とが、法面保護部材を介して互いに接続されているので、土留壁及び補強材の相対的な位置を精度よく決めなくても、両者を確実に接続することができる。
また、土留壁の上端部が地表上に突出し、法面保護部材が、土留壁に対して盛土の反対側に配置されていて、土留壁の上端部が法面保護部材により盛土の反対側から支持されている場合には、土留壁の上端部が、例えば盛土の法面の崩れ等に起因して、盛土の反対側に向けて押し込まれて変位するのを抑制することが可能になり、土留壁により、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を確実に抑止することができる。
また、本発明に係る盛土の補強構造では、前記定着機構は、前記補強材のうち盛土中に埋設される外周面に形成された羽根部材を含んでもよい。
この場合には、補強材の羽根部材により、補強材の盛土中からの引き抜き荷重に対する抵抗力を大きくすることができ、簡易な構成で盛土中に補強材を定着させることができる。
本願の請求項1、7に係る発明によれば、土留壁の断面性能を過大にすることなく、地盤のうち、盛土を支持する部分の流動を確実に抑止すると同時に盛土の法面を補強することができる。
本発明の第1実施形態に係る盛土の補強構造を示す断面模式図である。 図1に示す盛土の補強構造における土留壁と補強材との接続状態の一例を示す上面図である。 図1に示す盛土の補強構造の変形例である。 本発明の第2実施形態に係る盛土の補強構造の断面模式図である。 図4に示す盛土の補強構造の変形例である。 図4に示す盛土の補強構造の他の変形例である。
(第1実施形態)
以下、図1及び図2を参照し、本発明の第1実施形態に係る盛土の補強方法及び盛土の補強構造1について説明する。
なお、以下の説明においては、地盤2の地表上の盛土3として河川10の堤防を示し、この盛土3を補強する構造及び方法について説明する。ここで、図1における盛土3に対する河川10側を川表側、その反対側を川裏側と定義し、河川10に沿って延在する方向を、盛土3の奥行方向と定義する。
本実施形態における盛土の補強構造1は、地中に埋設され、地盤2のうち、盛土3を支持する部分の固定層Mまで到達した土留壁5と、盛土3中に埋設され、盛土3中に定着される定着機構を有し盛土の斜面を補強する補強材6と、を備え、土留壁5及び補強材6は、互いに接続されている。ここで、地盤2のうち、盛土3を支持する部分とは、地盤2において、盛土3の下方及びその側方に位置する部分であって、盛土3が盛土重量により沈下し、側方に向けて流動するのを抑えている部分を指す。
土留壁5は、その上端部5aを地表上に突出させ、かつ盛土3の法面4と対向させた状態で地中に埋設されている。本実施形態においては、土留壁5は水平方向に沿う横断面凹凸状の鋼矢板となっている。土留壁5は、盛土3の法面4の下端部4aに、盛土3の奥行方向に沿って複数打ち込まれている。なお、鋼矢板は鉛直方向に延びている。
土留壁5の下端部は、実質的に流動が起こらない固定層Mに到達している。一般に、固定層Mは、例えば地震等の際に、液状化した地盤が盛土重量に耐えられずに液状化面S0に向けて沈下し、側方に向けて移動するといった流動化が比較的起こりやすい液状化層Lの下方に位置している。固定層Mは液状化層Lと比べて、前述のような流動化が起こりにくくなっている。
また、土留壁5の固定層Mへの根入れ深さDは、液状化層Lの層深さ以上であり、かつ3m以上であることが望ましい。
補強材6は、その一端部6cを盛土3の法面4から突出させた状態で、盛土3中に向けて水平又は水平よりも上り勾配となるように盛土3中に埋設され、土留壁5の上端部5a及び補強材6の一端部6cは、互いに接続されている。図示の例では、補強材6のうち、盛土3中に埋設される他端部6dが、盛土3の法面4から突出する一端部6cよりも高い位置に位置するように、補強材6が盛土3中に埋設されている。なお、補強材6の盛土3内への進入深さは、盛土高さの半分以上、かつ2m以上であることが望ましい。
補強材6は、管状をなし、例えば鋼管杭となっている。補強材6の他端部6dの外周面には、その中心軸線回りに螺旋状に延びる羽根部材6aが突設されている。なお、羽根部材6aは補強材6に例えば溶接されている。この羽根部材6aが補強材6の定着機構となっている。すなわち、羽根部材6aは、補強材6の外周面から径方向の外側に突出している形状により、盛土3と強固に係合し、補強材6の盛土3からの引き抜き荷重に対する抵抗力を大きくする。これにより、補強材6が盛土3中に強く定着される。
補強材6には、径方向に貫く排水孔6bが形成されている。排水孔6bは、補強材6に前記中心軸線方向に間隔をあけて複数形成されている。このため、盛土3内の水分を、複数の排水孔6bを通して補強材6の中空部に流入させ、補強材6の一端部6cから排出することができる。すなわち、補強材6の排水孔6bと中空部とにより排水路が形成されている。この排水路が、補強材6の定着機構となっている。この排水路により、盛土3内の水分を排出することで、盛土3内の水分量を少なくし、盛土3内の浸潤面S1を下げることで、河川10からや降雨による浸透水による盛土3内のせん断強さの低下を防止し、盛土3を固くして崩れにくくする。
次に、以上のように構成された盛土の補強構造1の製造方法、つまり盛土の補強方法について説明する。本実施形態における盛土の補強方法は、土留壁5を地中に埋設する土留壁埋設工程と、補強材6を盛土3中に埋設する補強材埋設工程と、土留壁5及び補強材6を互いに接続する接続工程と、を備えている。
土留壁埋設工程は、土留壁5を、その上端部5aを地表上に突出させ、かつ盛土3の法面4と対向させた状態で地中に埋設する。
補強材埋設工程は、盛土3内に、補強材6を、その一端部6cを盛土3の法面4から突出させた状態で盛土3内に埋設する。この工程では、前記中心軸線を水平方向又は水平方向に対してやや上向きに傾けた状態で、補強材6を前記中心軸線回りに回転させながら、盛土3内に進入させる。
ここで、補強材6に羽根部材6aが設けられているため、補強材6を前記中心軸線回りに回転させることで、羽根部材6aにより盛土3の土壌を川裏側に送り出しながら、補強材6を盛土3内に進入させることができる。さらに、補強材6が盛土3内に埋設された後には、羽根部材6aが、補強材6への盛土3内からの引き抜き荷重に対して、大きな抵抗力を発揮する。
接続工程は、土留壁5の上端部5a及び補強材6の一端部6cを、互いに接続する。本実施形態においては、1つの土留壁5に対して1つの補強材6が溶接により接続されている。
なお、接続方法としては、例えばボルト締めやコンクリートによる固着等によるものでもよく、また、1つの土留壁5に対して複数の補強材6を接続する等してもよい。
また、図2に示すように、複数の土留壁5及び補強材6を埋設する場合には、複数の土留壁5を、盛土3の奥行方向に沿って間欠的に埋設し、それらの土留壁5に複数の補強材6を接続してもよく、補強材6のうち、土留壁5と接続されていないものがあってもよい。このような場合には、奥行方向に隣り合う各土留壁5間のピッチ寸法Lは、土留壁5の奥行方向の幅寸法Bの3倍以内であることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態における盛土の補強方法及び盛土の補強構造1によれば、盛土3中に埋設される補強材6が、盛土3中に定着される定着機構を有しているので、補強材6がこの定着機構により盛土3中に定着される。そして、盛土3中に定着された補強材6に土留壁5が接続されると、地盤のうち、盛土3を支持する部分の流動を抑止する力を、固定層Mまで到達するように埋設された土留壁5のみならず、補強材6からも得ることができる。よって、土留壁5の断面性能を過大にすることなく、地盤2のうち、盛土3を支持する部分の流動を確実に抑止することができる。
また、地表上に突出した土留壁5の上端部5aと、盛土3の法面4から突出した補強材6の一端部6cと、を、互いに接続することで、土留壁5及び補強材6を互いに接続する接続工程を容易に行うことができる。
また、本実施形態においては、土留壁埋設工程として、鋼矢板を用いた鋼矢板工法を採用している。このため、例えば法面4の下端部4aの土壌を一時的に掘削撤去し、この部分にせん断強度の高いドレーン材を配設するようなドレーン工法と異なり、下端部4aの一時的な掘削撤去により盛土3に弱部ができてしまうことがなく、工期に長期間を要さない。
また、補強材6の定着機構が、補強材6のうち盛土3中に埋設される外周面に形成された羽根部材6aであるので、羽根部材6aにより、補強材6の盛土3中からの引き抜き荷重に対する抵抗力を大きくすることができ、簡易な構成で盛土3中に補強材6を定着させることができる。
また、盛土3中に補強材6が埋設されることにより、盛土3の川裏側の法面4の周辺を補強することができ、川裏側の法面4付近に形成される斜面内すべり面S2を起点として発生する、盛土3の浅い崩壊(斜面内すべり)を防止することができる。
また、補強材6の定着機構が、補強材6を径方向に貫く排水孔6bと、補強材6の中空部と、を通して、盛土3内の水分を外部に排出する排水路であるので、盛土3内の水分が排水路により排出され、盛土3内の水分量を少なくすることができるため、盛土3を固くして崩れにくくすることができ、盛土3中に補強材6を定着させることができる。
また、補強材6が、盛土3中に向けて水平又は水平よりも上り勾配となるように、盛土3中に埋設されているので、盛土3内の水分が、その自重により補強材6の排水路を通して盛土3の外部に流出されるため、効率的に盛土3内の水分を排出することができる。
また、補強材6が盛土3の内部に進入していることで、盛土3の深い崩壊(円弧すべり)の起点となる円弧すべり面S3を、補強材6が進入していない川表側の領域にまで後退させることができる。さらに、土留壁5が固定層Mまで到達するように、地中に埋設されているので、円弧すべりの発生を抑えることができる。
また、盛土の補強構造1の変形例として、図3に示すように、土留壁5及び補強材6を、法面4の下端部4aに埋設された排水升20を介して互いに接続した盛土の補強構造21としてもよい。このような構成とすることで、補強材6をより下方に配置することができるため、仮に補強材6に排水路を有している場合には、盛土3内の浸潤面S1を低い位置まで低下させることができる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、本実施形態における盛土の補強構造11では、土留壁5及び補強材6は、盛土3の法面4の下端部4aに配置された法面保護部材7を介して、互いに接続されている。
本実施形態においては、法面保護部材7として、金属線材により形成された直方体状をなす袋部材と、該袋部材の内部に詰め込まれた砕石と、を備えるふとん籠を採用している。このふとん籠は、法面4の土壌の流出を抑えながら水分が透過できる程度の隙間を備えた多孔質体となっており、配置された箇所の形状に合わせて柔軟に変形しながら、配置された箇所周辺の水分の排出を促進するといった機能を有している。
法面保護部材7は、盛土3の下端部4aに鉛直方向に多段状をなすように複数配置されている。また法面保護部材7は、奥行方向に沿って連続して連なるように複数配置されている。
補強材6の一端部6cは、法面保護部材7よりも川裏側に突出している。そして法面保護部材7は、補強材6を奥行き方向に挟んでいる。ここで、補強材6の一端部6cに溶接された固定フランジ6eが、法面保護部材7の川裏側の端部に固定されている。また、法面保護部材7が、土留壁5の上端部5aに対して盛土3の反対側から当接することで、支持している。
これにより、前述の通り、土留壁5及び補強材6は、盛土3の法面4の下端部4aに配置された法面保護部材7を介して、互いに接続されている。
そして、本実施形態における盛土の補強方法では、接続工程として、盛土3の下端部4aに配置された法面保護部材7を介して、土留壁5及び補強材6を互いに接続する。土留壁埋設工程及び補強材埋設工程を経た後に、法面保護部材7を盛土3の下端部4aに配置し、法面保護部材7を介して土留壁5及び補強材6を互いに接続する。
なお、接続工程としては、法面保護部材7を先に下端部4aに配置した後に、土留壁埋設工程及び補強材埋設工程を行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態における盛土の補強方法及び盛土の補強構造11によれば、法面保護部材7が、盛土3の法面4の下端部4aに配置されているので、法面保護部材7が抑え盛土となり、円弧すべりや斜面内すべりが発生するのを抑えることができる。また、土留壁5と補強材6とが、法面保護部材7を介して互いに接続されているので、土留壁5及び補強材6の相対的な位置を精度よく決めなくても、両者を確実に接続することができる。
また、土留壁5の上端部5aが地表上に突出し、法面保護部材7が、土留壁5に対して盛土3の反対側に配置されていて、土留壁5の上端部5aが法面保護部材7により盛土3の反対側から支持されているため、土留壁5の上端部5aが、例えば盛土3の法面4の崩れ等に起因して、盛土3の反対側に向けて押し込まれて変位するのを抑制することが可能になり、土留壁5により、地盤のうち、盛土3を支持する部分の流動を確実に抑止することができる。
また、盛土の補強構造11の変形例として、図5に示すように、法面保護部材8としてコンクリートブロックを採用した盛土の補強構造31としてもよい。このように、コンクリートブロックを法面保護部材8として用いることで、容易に法面保護部材8を施工することができる。また、透水性のあるポーラスコンクリートを用いて、補強材6の一端部6cを、法面保護部材8の内部に配設してもよい。
また、盛土の補強構造11の他の変形例として、図6に示すように、法面保護部材9として法面4の下端部4aから高さ方向の全域にかけて施工された法面工を採用した盛土の補強構造41としてもよい。このように、法面工を法面保護部材9として用いることで、高さ方向に複数の補強材6を盛土3中に埋設し、それぞれの補強材6を法面保護部材9と接続することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、地表上に突出した土留壁5の上端部5aと、盛土3の法面4から突出した補強材6の一端部6cと、が、互いに接続されている構成について示したが、このような態様に限られない。土留壁5及び補強材6のうち、いずれか一方又は両方が、地中又は盛土中に埋設された部分において、互いに接続されている構成であってもよい。また、地表上に突出させた土留壁5の一部と、盛土3から突出させた補強材6の一部と、を互いに接続した後に、土を盛ることで埋める態様であっても構わない。
また、上記実施形態においては、土留壁5としての鋼矢板を、下端部4aの地中に鉛直方向に打ち込んだ構成について示したが、このような態様に限られず、土留壁として、鋼管矢板、親杭横矢板、地中連続壁、又は抑止杭等を用いてもよい。また、土留壁5が打ち込まれる場所は、下端部4aから離れた箇所であってもよく、土留壁5が打ち込まれる方向は、鉛直方向に限られず鉛直方向に対して傾いた方向であってもよい。
さらにまた、土留壁5の材質としては鋼製に限られず、例えばコンクリート材、樹脂材、凍土等の壁材であってもよい。
また、上記実施形態においては、補強材6として、定着機構としての羽根部材6a、及び固定フランジ6eを備えた鋼管杭を用いた構成について示したが、補強材6が羽根部材6aを備えず、固定フランジが別体とされた構成であってもよいし、補強材6は鋼以外の材質であってもよい。また、補強材6の埋設は、盛土3の法面4のような傾斜面に対してではなく、垂直な壁面に対してであってもよい。
また、上記実施形態においては、補強材6が定着機構としての排水路を有する構成について示したが、補強材6は排水路を有していなくてもよい。
すなわち、定着機構としては、羽根部材6a及び排水路ではなく、他の構成であってもよい。例えば、盛土3の外表面から、盛土3中に埋設された補強材6に向けて穿設される杭材等により、盛土3中に補強材6を定着させる構成等が挙げられる。
また、第2実施形態においては、法面保護部材7として、金属線材により形成された直方体状をなす袋部材と、該袋部材の内部に詰め込まれた砕石と、を備えるふとん籠を用いた構成について示したが、このような態様に限られない。すなわち、直方体状のふとん籠でなく、円柱形のだるま籠や異形の蛇籠であってもよいし、袋部材は竹材や樹脂材であってもよく、砕石は土塊やセメント塊であってもよい。また法面保護部材としては、多孔質かつ透水性を有さない、例えばセメントにより下端部4aを埋めるような構成のものであってもよい。
また、盛土3の下端部4aにおける、土留壁5、補強材6及び法面保護部材7の位置関係については、第2実施形態において示した態様に限られない。すなわち、土留壁5を法面保護部材7により川表側と川裏側から挟むように法面保護部材7を配置してもよい。また、法面保護部材7であるふとん籠の袋部材の内部に補強材6を通した後に、砕石を袋部材に投入することで、補強材6を法面保護部材7に対して固定してもよい。
また、上記実施形態においては、盛土の補強方法及び盛土の補強構造として、河川10の堤防としての盛土3に対して行う態様について示したが、このような態様に限られない。すなわち、盛土としては、湖畔や貯水池等に設けられる堤防であってもよいし、高速道路の造成地のような水辺を伴わない盛土であってもよく、このような場合には、補強材6は盛土への降雨による浸透水を排出する目的で設けられる。
また、上記実施形態においては、土留壁埋設工程を補強材埋設工程よりも先に行う態様について示したが、このような態様に限られず、補強材埋設工程を先に行った後に、土留壁埋設工程を行ってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 補強構造
2 地盤
3 盛土
4 法面
5 土留壁
5a 上端部
6 補強材
6a 羽根部材
6b 排水孔
6c 一端部
7 法面保護部材
8 法面保護部材
9 法面保護部材

Claims (9)

  1. 地表上の盛土を補強する盛土の補強構造であって、
    前記盛土の法面の下端部に打ち込まれ、地盤のうち、前記盛土を支持する部分の固定層まで到達した土留壁と、
    前記盛土中に埋設され、前記盛土中に定着される定着機構を有し前記盛土の斜面を補強する管状の補強材と、を備え、
    前記補強材は、前記盛土中に向けて水平又は水平よりも上り勾配となるように、前記盛土中に埋設され、
    前記定着機構は、前記補強材を径方向に貫く排水孔と、前記補強材の中空部と、を通して、前記盛土内の水分を外部に排出する排水路を含み、
    前記土留壁及び前記補強材は、前記排水路の一端部が前記土留壁から、前記盛土に対する反対側に突出した状態で互いに接続されていることを特徴とする盛土の補強構造。
  2. 前記盛土は堤防であり、
    前記土留壁は前記盛土の裏法面の下端部に打ち込まれ、
    前記補強材は前記盛土の裏法面から前記盛土中に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。
  3. 前記土留壁は、その上端部を地表上に突出させ、かつ前記盛土の法面と対向させた状態で地中に埋設され、
    前記補強材は、その一端部を前記盛土の法面から突出させた状態で前記盛土中に埋設され、
    前記土留壁の上端部及び前記補強材の一端部は、互いに接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の盛土の補強構造。
  4. 前記土留壁及び前記補強材は、前記盛土の法面の下端部に配置された法面保護部材を介して、互いに接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の盛土の補強構造。
  5. 前記定着機構は、前記補強材のうち前記盛土中に埋設される外周面に形成された羽根部材を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の盛土の補強構造。
  6. 地表上の盛土を補強する盛土の補強方法であって、
    地盤のうち、前記盛土を支持する部分の固定層まで到達する土留壁を、前記盛土の法面の下端部に打ち込む土留壁埋設工程と、
    前記盛土中に定着される定着機構を有し前記盛土の斜面を補強する管状の補強材であって、前記定着機構が、前記補強材を径方向に貫く排水孔と、前記補強材の中空部と、を通して、前記盛土内の水分を外部に排出する排水路を含む前記補強材を、前記盛土中に向けて水平又は水平よりも上り勾配となるように、前記盛土中に埋設する補強材埋設工程と、
    前記排水路の一端部が前記土留壁から、前記盛土に対する反対側に突出した状態で前記土留壁及び前記補強材を互いに接続する接続工程と、を備えることを特徴とする盛土の補強方法。
  7. 前記盛土は堤防であり、
    前記土留壁埋設工程は、前記土留壁を前記盛土の裏法面の下端部に打ち込み、
    前記補強材埋設工程は、前記補強材を前記盛土の裏法面から前記盛土中に埋設することを特徴とする請求項6に記載の盛土の補強方法。
  8. 前記土留壁埋設工程は、前記土留壁を、その上端部を地表上に突出させ、かつ前記盛土の法面と対向させた状態で地中に埋設し、
    前記補強材埋設工程は、前記補強材を、その一端部を前記盛土の法面から突出させた状態で前記盛土中に埋設し、
    前記接続工程は、前記土留壁の上端部及び前記補強材の一端部を、互いに接続することを特徴とする請求項6又は7に記載の盛土の補強方法。
  9. 前記接続工程は、前記盛土の法面の下端部に配置された法面保護部材を介して、前記土留壁及び前記補強材を、互いに接続することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の盛土の補強方法。
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