JP4900972B2 - 地盤排水構造、およびその施工方法 - Google Patents

地盤排水構造、およびその施工方法 Download PDF

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本発明は、盛土などの地盤において遮水をさせようとする遮水領域に対し、その外部の外部領域からの水の浸透を抑制すると共に、遮水領域外への排水を促進させるようにする地盤排水構造、およびその施工方法に関するものである。
降雨時には、宅地や道路などの地盤には水が溜まり易くなるが、このように水が溜まると、地盤が脆弱化することは経験的に知られている。そして、このように地盤が脆弱化すると、地滑りなどの崩壊が生じたり、地震発生時には地盤が液状化したりする、という不都合が生じがちとなる。
そこで、地盤に水が溜まることを防止するため、従来より地盤排水構造が提案されており、これには、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、地盤において遮水をさせようとする遮水領域とこの遮水領域に水平方向で隣接する外部領域との間に埋め込まれて、上下方向に延びる縦向き排水材が設けられている。そして、上記外部領域から遮水領域に向かうよう地中を流れる水は、上記縦向き排水材の内部に集水されて流下し、この水が上記遮水領域の外部に向けて排水されることとされている。
また、上記従来の技術における排水材は砕石とされ、上記遮水領域である遮水性補強土層の側面と、外部領域である地山の崖面との間に、上記砕石が充填されて排水壁が形成されている。そして、上記したように、外部領域から遮水領域に向かうよう流れる水は上記排水壁の内部に集水されて流下し、その後、排水されるようになっている。
特開2004−232232号公報
ところで、地盤の平面視で、上記遮水領域と、この遮水領域に、ある一方向で隣接する外部領域との間にのみ、上記縦向き排水材が埋め込まれている場合には、例えば、上記一方向に直交する方向で上記遮水領域に隣接する他の外部領域から、上記遮水領域に向かうよう地中を流れる水はそのまま上記遮水領域に浸透して、ここに溜まり、この遮水領域を脆弱化させるおそれがある。
一方、上記したように従来の技術における排水材は砕石であるが、このような砕石は個々の形状や大きさが不均一である。このため、この砕石により排水壁を形成する場合、この排水壁の各部における空隙率や厚さ寸法を互いに均一にすることは容易でない。この結果、上記排水壁の各部における集水や、この集水後の水の流下の性能が不均一となって、上記遮水領域の各部への水の浸透の防止が不十分になるおそれがある。
そこで、上記排水壁の各部の厚さ寸法を全体的に大きくして、集水や水の流下の性能を全体的に向上させることが考えられる。しかし、このようにすると、砕石が多量に必要となって、上記排水壁の形成作業が煩雑かつ高価になり、つまり、地盤排水構造の施工が煩雑かつ高価になるおそれが生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、盛土などの地盤において遮水をさせようとする遮水領域に対し、その外部の外部領域から水が浸透することをより確実に防止して、水が溜まることによる遮水領域の脆弱化を防止し、かつ、このようにした場合でも、地盤排水構造の施工が容易かつ安価にできるようにすることである。
請求項1の発明は、地盤1において遮水をさせようとする遮水領域17とこの遮水領域17に水平方向で隣接する外部領域18との間に埋め込まれて、上下方向に延びる縦向き排水材19が設けられ、上記外部領域18から遮水領域17に向かうよう地中を流れる水Wが、上記縦向き排水材19の内部に集水されて流下し、この水Wが上記遮水領域17の外部に向けて排水されるようにした地盤排水構造において、
上記縦向き排水材19と同構成の他の縦向き排水材21,22が設けられ、上記遮水領域17と外部領域18との境界面に沿って面形状に延びるよう上記各縦向き排水材19,21,22が配置され、かつ、上記地盤1の平面視で、上記各縦向き排水材19,21,22により上記遮水領域17が囲まれるようにしたことを特徴とする地盤排水構造である。
請求項2の発明は、上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが、予め所定形状に形成された形成品であることを特徴とする請求項1に記載の地盤排水構造である。
請求項3の発明は、上記各縦向き排水材19,21,22が互いに連通して、これら縦向き排水材19,21,22のいずれか一方の内部から他方の内部に水Wが流入可能となるようにしたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の地盤排水構造である。
請求項4の発明は、上記遮水領域17が盛土10により形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造である。
請求項5の発明は、上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが形状の排水材とされたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造である。
請求項6の発明は、上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが、上記遮水領域17側の面に対面する遮水材27を備えたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造である。
請求項7の発明は、上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが、互いに並設されるパイプ状排水材33を備えたことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造である。
請求項8の発明は、上記遮水領域17の下方に隣接して上記地盤1の一部を構成する下部領域29と上記遮水領域17との間に埋め込まれる横向き排水材30が設けられ、この横向き排水材30の一端部側である上記外部領域18側に上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つの下部が連通する一方、他端部側が水平方向もしくは斜め下方に向かって、上記縦向き排水材19から離れる方向に延出し、上記縦向き排水材19を流下した水が上記横向き排水材30をその一端部側から他端部側に流れ、この水Wが上記遮水領域17の外部に向けて排水されるようにしたことを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造である。
請求項9の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造の施工方法であって、
上記遮水領域17と外部領域18との間にその上方から上記各縦向き排水材19,21,22を埋め込むようにしたことを特徴とする地盤排水構造の施工方法である。
請求項10の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造の施工方法であって、
上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つを上下方向で複数の排水ブロック20により形成し、これら排水ブロック20のうちの最下段である第1段の排水ブロック20を縦向きに設置し、この排水ブロック20の上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域17に盛土10を設置し、次に、上記第1段の排水ブロック20上に第2段の排水ブロック20を縦向きに設置して、これら両排水ブロック20,20の対向縁部同士を互いに連結し、上記第2段の排水ブロック20の上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域17に盛土10を設置し、以下、上記排水ブロック20と盛土10との設置を繰り返して、盛土10の上端が所望高さになるまで、上記排水ブロック20と盛土10との設置を繰り返すことを特徴とする地盤排水構造の施工方法である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、地盤において遮水をさせようとする遮水領域とこの遮水領域に水平方向で隣接する外部領域との間に埋め込まれて、上下方向に延びる縦向き排水材が設けられ、上記外部領域から遮水領域に向かうよう地中を流れる水が、上記縦向き排水材の内部に集水されて流下し、この水が上記遮水領域の外部に向けて排水されるようにした地盤排水構造において、
上記縦向き排水材と同構成の他の縦向き排水材が設けられ、上記遮水領域と外部領域との境界面に沿って面形状に延びるよう上記各縦向き排水材が配置され、かつ、上記地盤の平面視で、上記各縦向き排水材により上記遮水領域が囲まれるようにされている。
このため、次の「主効果」が生じる。
即ち、上記遮水領域については、この遮水領域を上記のように各縦向き排水材により囲めばよい。
このようにすれば、地盤の平面視で、上記外部領域から遮水領域に向かってさまざまな方向から地中を流れる水は、それぞれ上記各縦向き排水材の内部に集水されて流下させられた後、上記遮水領域の外部に向けて排水される。よって、水が上記遮水領域に浸透することが防止され、この遮水領域に水が溜まることによる脆弱化が防止される。この結果、上記遮水領域に地滑りなどの崩壊が生じたり、地震発生時に地盤が液状化したりする、ということが防止される。
請求項2の発明は、上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが、予め所定形状に形成された形成品とされている。
このため、次の第1〜第3の「具体的効果」が生じる。
即ち、第1に、上記形成品とされた縦向き排水材の各部における空隙率や厚さ寸法を互いに均一にすることが容易にできる。よって、これら各縦向き排水材の各部における集水や、この集水後の水の流下の性能を均一にして、この水の排水ができるため、上記遮水領域の各部への水の浸透をより確実に防止することができる。
また、第2に、上記した遮水領域の各部への水の浸透の防止が無用に過度とならないよう上記縦向き排水材自体の仕様を定めたり、複数の縦向き排水材を準備して、これら縦向き排水材を水平方向、および/もしくは縦方向で所定間隔をあけて設置したりすることも容易にできる。そして、このようにすれば、上記遮水領域を、できるだけ最適含水状態にして、この遮水領域を好ましい強度に保持させることができる。
更に、第3に、上記縦向き排水材を、予め所望の大きさや、ある重さ以下に形成することができるため、その取り扱いが容易にできる。よって、この縦向き排水材を用いた地盤排水構造の施工は、精度良く容易かつ安価にできる。
請求項3の発明は、上記各縦向き排水材が互いに連通して、これら縦向き排水材のいずれか一方の内部から他方の内部に水が流入可能となるようにしている。
このため、上記外部領域から上記各縦向き排水材のいずれか一方の内部に集水された水は、この一方の内部から他方の内部に流入した後、上記遮水領域の外部に向けて排水可能とされる。よって、上記各縦向き排水材は上記水の排水につき互いに補完し合うことから、上記遮水領域に水が溜まることは、更に確実に防止されて、前記「主効果」が助長される。
請求項4の発明は、上記遮水領域が盛土により形成されている。
ここで、上記盛土は、地山の斜面部分に宅地造成などとして多用される工法であって、通常、地山に比べて脆弱性は高いものである。しかし、上記したように遮水領域は縦向き排水材により囲まれるため、上記遮水領域に水が溜まることは防止されて、その更なる脆弱化はより確実に防止される。
請求項5の発明は、上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが形状の排水材とされている。
このため、上記形状とされた縦向き排水材は、その表面積を大きく採ることができる分、上記外部領域から遮水領域に向かう水の集水や排水がより効果的に行われ、前記「主効果」がより助長される。
請求項6の発明は、上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが、上記遮水領域側の面に対面する遮水材を備えている。
このため、上記外部領域から遮水領域に向かう水の遮水は、上記遮水材により、より確実に行われて、前記「主効果」がより助長される。
請求項7の発明は、上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが、互いに並設されるパイプ状排水材を備えている。
ここで、上記パイプ状排水材によれば、その径方向外方からの土圧に対し大きい強度を保持できて、その内孔を所定形状に保持させることが容易にできる。よって、上記パイプ状排水材で構成した縦向き排水材は、集水や排水の性能が良好に保たれる。
また、上記したパイプ状排水材は、所望強度を保持したままで断面積を大きくすることが容易にできる。このため、このパイプ状排水材は、面形状排水材と比較して、集水や排水のための断面積をより大きくすることができ、これにより、これら集水や排水をより促進させることができる。
請求項8の発明は、上記遮水領域の下方に隣接して上記地盤の一部を構成する下部領域と上記遮水領域との間に埋め込まれる横向き排水材が設けられ、この横向き排水材の一端部側である上記外部領域側に上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つの下部が連通する一方、他端部側が水平方向もしくは斜め下方に向かって、上記縦向き排水材から離れる方向に延出し、上記縦向き排水材を流下した水が上記横向き排水材をその一端部側から他端部側に流れ、この水が上記遮水領域の外部に向けて排水されるようにしている。
このため、上記縦向き排水材で集水され、流下させられた水は、上記した横向き排水材を通り排水される。よって、この横向き排水材によれば、前記縦向き排水材から排水れた水が遮水領域の外部に、より確実に排水されることから、遮水領域に水が溜まることが更に確実に防止されて前記「主効果」が助長される。
請求項9の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造の施工方法であって、
上記遮水領域と外部領域との間にその上方から上記各縦向き排水材を埋め込むようにしている。
このため、例えば、上記遮水領域と外部領域とが連続する地山である場合には、この地山を掘削するなどの作業をできるだけ不要として、上記各縦向き排水材を直接地盤に埋め込むことができる。よって、上記地盤排水構造の施工は、容易かつ安価にできる。一方、上記遮水領域が盛土である場合には、この遮水領域を設置した後に上記縦向き排水材の設置ができるため、これら両設置作業の互いの干渉を避けて、これら作業を個別にすることができる。よって、上記施工を容易にすることができる。
請求項10の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造の施工方法であって、
上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つを上下方向で複数の排水ブロックにより形成し、これら排水ブロックのうちの最下段である第1段の排水ブロックを縦向きに設置し、この排水ブロックの上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域に盛土を設置し、次に、上記第1段の排水ブロック上に第2段の排水ブロックを縦向きに設置して、これら両排水ブロックの対向縁部同士を互いに連結し、上記第2段の排水ブロックの上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域に盛土を設置し、以下、上記排水ブロックと盛土との設置を繰り返して、盛土の上端が所望高さになるまで、上記排水ブロックと盛土との設置を繰り返すようにしている。
このため、上記排水ブロックを縦向きに設置すると共に、上記遮水領域に盛土を設置する場合、これら両設置作業は互いに干渉することなく順次円滑に進行できると共に、上記外部領域と盛土とにより上記排水ブロックを縦向き姿勢に順次保持させることができる。よって、上記施工方法によれば、上記施工は合理的かつ迅速に達成される。
本発明の地盤排水構造に関し、盛土などの地盤において遮水をさせようとする遮水領域に対し、その外部の外部領域から水が浸透することをより確実に防止して、水が溜まることによる遮水領域の脆弱化を防止し、かつ、このようにした場合でも、地盤排水構造の施工が容易かつ安価にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、地盤において遮水をさせようとする遮水領域とこの遮水領域に水平方向で隣接する外部領域との間に埋め込まれて、上下方向に延びる縦向き排水材が設けられる。また、上記外部領域から遮水領域に向かうよう地中を流れる水が、上記縦向き排水材の内部に集水されて流下し、この水が上記遮水領域の外部に向けて排水されるようにしている。上記縦向き排水材と同構成の他の縦向き排水材が設けられ、上記遮水領域と外部領域との境界面に沿って面形状に延びるよう上記各縦向き排水材が配置され、かつ、上記地盤の平面視で、上記各縦向き排水材により上記遮水領域が囲まれるようにしている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1,2に従って説明する。
図1〜3において、符号1は地盤であって、この地盤1の主体は、自然のままの地山2の斜面部分3に相当している。この地山2の斜面部分3の一部分が切土されて凹部5が形成されている。この凹部5の底面6はほぼ水平に延び、この凹部5の地山2側の壁面7はほぼ鉛直に延びている。
上記斜面部分3における凹部5の形成により生じた切土と他からの搬入土により、上記底面6の上面に宅地用の盛土10が形成されている。上記盛土10の上面はほぼ水平に延び、宅地面とされている。また、上記盛土10における地山2と反対側の側面はほぼ鉛直に延びている。この盛土10の側面に沿うように、上記斜面部分3上に擁壁11が立設されている。この擁壁11により、上記盛土10の土圧が支持されて、この盛土10が所定形状に保持されている。
上記擁壁11は、その側面断面視(図1)で、上記斜面部分3上に設置されたコンクリート製の基礎12上に、上下方向に複数積み上げられるコンクリート製壁ブロック13を備えている。これら各壁ブロック13は互いにほぼ同形同大とされている。また、上下方向で、これら各壁ブロック13は互いに係脱可能に係合する構造とされ、この係合により、上下に隣接する各壁ブロック13同士が水平方向で互いに位置ずれする、ということは防止される。上記壁ブロック13の基礎12には、ほぼ水平方向に貫通するパイプ製の通水孔13aが形成されている。
上記したように上下方向に積み上げられた各壁ブロック13同士の間に挟まれた位置から上記地山2側に向かって、ほぼ水平方向に延びると共に、上記盛土10に埋設される補強材14が設けられている。この構造は、いわゆる補強土壁工法といわれる工法によって形成されるもので、これら各補強材14は、上記盛土10を補強して、この盛土10を所定形状に保持可能とする。上記各補強材14の一端部は、上記各壁ブロック13の上端にそれぞれ連結され、他端部側は、上記壁面7にまで延びている。
上記補強材14は多孔性の可撓性シート材で構成され、通水性を有している。具体的には、上記補強材14は、繊維性の網状体と、この網状体の表面にコーティングされる樹脂表皮とを備えたジオグリッドやジオテキスタイルといわれるもので構成される。なお、上記補強材14は多孔性の不織布や金属製の補強材で構成してもよい。
上記盛土10は、地盤1において遮水をさせようとする遮水領域17とされている。上記斜面部分3の傾斜方向Aにおいて、上記遮水領域17とこの遮水領域17に隣接する地山2である外部領域18との間には、上下方向に延びる面形状の縦向き排水材19(具体的には、板形状)が埋め込まれている。この縦向き排水材19はほぼ鉛直に延びている。
また、地盤1の平面視で、上記傾斜方向Aと直交する方向において、上記遮水領域17とこの遮水領域17に隣接する地山2である外部領域18との間にも、上記縦向き排水材19と同構成の他の縦向き排水材21,22が埋め込まれている。この場合、上記各縦向き排水材19,21,22により上記遮水領域17のほぼ全体が囲まれている。また、上記各縦向き排水材19,21,22は、地盤1の平面視で互いに連続するよう配置され、かつ、互いに連通して、これら各縦向き排水材19,21,22のいずれか一方19の内部から他方21,22の内部に水Wが流入可能とされている。
なお、必要に応じ、上記他の縦向き排水材21,22のうち、いずれか一方の縦向き排水材22は設置しなくてもよい。
上記各縦向き排水材19,21,22は予め所定形状に形成された人工的な形成品である。これら各縦向き排水材19,21,22は、それぞれその側面断面視(図2)で、上下方向に複数積み上げられ、互いに連通する排水ブロック20を備えている。これら各排水ブロック20は、全体として横長かつ縦向きの長方形板形状とされ、互いに同形同大とされている。これら各排水ブロック20の高さ寸法は、上記擁壁11の各壁ブロック13の高さ寸法とほぼ同じとされている。また、上記各排水ブロック20は、それぞれ上下方向で隣り合う両補強材14,14間に配置され、つまり、これら各補強材14は、上記各排水ブロック20同士の間に挟まれている。上下方向で隣り合う上記排水ブロック20,20の対向端部同士は上記補強材14を介し、もしくは直接に連結紐などの連結具により互いに連結されている。
図4において、上記各排水ブロック20は、横長かつ縦向きの長方形芯板材23と、この芯板材23の各面からそれぞれ一体的に突出して縦方向に延びる複数の帯板状突条体24と、これら芯板材23と突条体24とを一体的に覆う袋形状の通水性カバー体25とを備えている。
上記突条体24は、上記芯板材23の面方向かつ水平方向で等間隔に配置され、隣り合う両突条体24,24の間には縦方向に延びる排水溝26が形成されている。また、上記芯板材23には通水孔が形成されず、もしくは、通水孔がわずかに形成されるだけであって、非通水性の遮水材27とされている。上記カバー体25は、上記縦向き排水材19の外部からの土砂により、上記排水溝26が塞がれることを防止する。
上記芯板材23と突条体24とはポリプロピレン等の樹脂製であり、上記排水ブロック20にその周りから与えられる土圧などの外力に対抗するよう十分の剛性と強度とを備えている。また、上記カバー体25はポリプロピレン等の樹脂製であり、かつ、長繊維不織布製であり、十分な通水性を有している。
上記遮水領域17の下方に隣接して上記地盤1の一部を構成する下部領域29(凹部5の底面6)と、上記各縦向き排水材19,21,22のそれぞれ最下段の排水ブロック20との間には通水材かつ上記各排水ブロック20の基礎材である砂れき28が連続的に埋め込まれている。上記各最下段の排水ブロック20と砂れき28とは互いに連通し、上記排水ブロック20の内部から砂れき28の内部に水Wが流入可能とされている。また、この砂れき28の上記擁壁11側の端部は、上記通水孔13aを通し、遮水領域17の外部に連通させられている。つまり、上記砂れき28は、上記各縦向き排水材19,21,22の一部である最下段を構成している。
なお、上記遮水領域17と下部領域29との間に、全体的に、上記砂れき28、および/もしくは上記縦向き排水材19のような形成品を設置し、これを横向き排水材30としてもよい。この場合、この横向き排水材30の一端部側である上記外部領域18側に上記各縦向き排水材19,21,22の下部が連通し、上記横向き排水材30の他端部側は上記擁壁11側に向かって、かつ、水平方向もしくは斜め下方に向かって上記各縦向き排水材19,21,22から離れる方向に延出する。
そして、雨天時など、上記地山2の斜面部分3である外部領域18から遮水領域17に向かうよう地中を水Wが流れるとき、この水Wは、上記各縦向き排水材19,21,22のカバー体25を透過して、上記外部領域18側の各排水溝26に集水され、その自重により流下させられる。また、この流下により、上記各縦向き排水材19,21,22の下端部に達した水Wは、上記砂れき28(もしくは、形成品である横向き排水材30を設けた場合には、そのカバー体25を透過して、上面側の各排水溝26)に集水され、その自重により流下させられる。また、この流下により、上記砂れき28(横向き排水材30)における擁壁11側の端部に達した水Wは、上記通水孔13aを通り擁壁11の外部、つまり、遮水領域17の外部に排水される。
また、上記外部領域18から遮水領域17に水Wが浸透しようとすることは、上記各縦向き排水材19,21,22の芯板材23である遮水材27により、より確実に防止される。更に、上記遮水領域17に対し、その上面などから水Wの透水があった場合、この水Wは、上記各縦向き排水材19,21,22のカバー体25を透過して、上記遮水領域17側の各排水溝26に集水され、その自重により流下させられる。また、この流下により、上記各縦向き排水材19,21,22の下端部に達した水Wは、前記と同様に、砂れき28(横向き排水材30)により集水されると共に下方に流下させられて排水される。
よって、上記遮水領域17への透水がより確実に防止される。このため、この透水により遮水領域17が脆弱化して地滑りなどの崩壊が生じる、ということは防止される。なお、上記遮水領域17は、適度に湿った状態、つまり、最適含水比状態で好ましい強度が得られるため、できるだけ、この状態となるよう上記各縦向き排水材19,21,22(横向き排水材30)の仕様が定められる。
図2において、上記下地盤排水構造の施工方法につき説明する。
まず、上記下部領域29の上面に上記砂れき28(横向き排水材30)を敷設する。また、上記基礎12上に擁壁11の第1段(最下段)となる壁ブロック13を積み上げると共に、上記砂れき28(横向き排水材30)上に各縦向き排水材19,21,22の第1段(最下段)となる排水ブロック20をそれぞれ積み上げる。次に、この第1段の壁ブロック13と排水ブロック20との各上端にほぼ同じ高さとなるまで、上記下部領域29(横向き排水材30)の上面に第1層となる盛土10を設置し、この際、ローラ等で締め固めをする。次に、上記第1段の壁ブロック13の上端に上記補強材14の一端部を連結し、この補強材14の他端部側を上記第1層の盛土10の上面に敷設する。また、上記補強材14の他端部を上記各排水ブロック20の上端に連結する。
次に、上記施工を繰り返し、上記盛土10の高さが所望高さになれば、上記地盤排水構造の施工が終了する。
なお、以上は図示の例によるが、前記した各部材の材質はこれに限定されるものではない。また、地盤1は、上記地山2や盛土10の他、補強土壁などの土構造物が含まれる。また、上記擁壁11は各壁ブロック13を一体的にした一体構造であってもよく、矢板など金属板などで構成してもよい。また、上記した盛土10の最上面と上記各縦向き排水材19,21,22の上端面とを全体的に覆うように他の盛土10やアスファルト舗装を施してもよい。また、上記補強材14は必要に応じて設ければ足り、必須のものではない。
また、上記各縦向き排水材19,21,22は、それぞれ各排水ブロック20を一体的にした一体構造であってもよく、芯板材23の外部領域18側の面にのみ、上記突条体24を突設してもよい。また、上記各縦向き排水材19,21,22は上下方向に長い帯形状など長尺材として、上記遮水領域17の外縁部に沿った方向に所定ピッチで断続的に配置してもよい。また、上記縦向き排水材19,21,22は多少傾斜していてもよい。
また、上記横向き排水材30を設ける場合には、これを水平方向に長い帯形状など長尺材として、上記下部領域29の上面に連続的に並設し、もしくは、所定ピッチで断続的に並設してもよい。また、上記縦向き排水材19や横向き排水材30はロール形状に巻回して収納可能な可撓性の長尺材であってもよい。
上記構成によれば、縦向き排水材19と同構成の他の縦向き排水材21,22が設けられ、上記地盤1の平面視で、上記各縦向き排水材19,21,22により上記遮水領域17が囲まれるようにされている。
このため、上記遮水領域17については、この遮水領域17を上記のように各縦向き排水材19,21,22により囲めばよい。
このようにすれば、地盤1の平面視で、上記外部領域18から遮水領域17に向かってさまざまな方向から地中を流れる水Wは、それぞれ上記各縦向き排水材19,21,22の内部に集水されて流下させられた後、上記遮水領域17の外部に向けて排水される。よって、水Wが上記遮水領域17に浸透することが防止され、この遮水領域17に水Wが溜まることによる脆弱化が防止される。この結果、上記遮水領域17に地滑りなどの崩壊が生じたり、地震発生時に地盤が液状化したりする、ということが防止される。
また、前記したように、各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが、予め所定形状に形成された形成品とされている。
このため、第1に、上記形成品とされた縦向き排水材19,21,22の各部における空隙率や厚さ寸法を互いに均一にすることが容易にできる。よって、これら各縦向き排水材19,21,22の各部における集水や、この集水後の水Wの流下の性能を均一にして、この水Wの排水ができるため、上記遮水領域17の各部への水Wの浸透をより確実に防止することができる。
また、第2に、上記した遮水領域17の各部への水Wの浸透の防止が無用に過度とならないよう上記各縦向き排水材19,21,22自体の仕様を定めたり、複数の各縦向き排水材19,21,22を準備して、これら各縦向き排水材19,21,22を水平方向、および/もしくは縦方向で所定間隔をあけて設置したりすることも容易にできる。そして、このようにすれば、上記遮水領域17を、できるだけ最適含水状態にして、この遮水領域17を好ましい強度に保持させることができる。
更に、第3に、上記縦向き排水材19を、予め所望の大きさや、ある重さ以下に形成することができるため、その取り扱いが容易にできる。よって、この縦向き排水材19を用いた地盤排水構造の施工は、精度良く容易かつ安価にできる。
また、前記したように、各縦向き排水材19,21,22が互いに連通して、これら縦向き排水材19,21,22のいずれか一方の内部から他方の内部に水Wが流入可能となるようにしている。
このため、上記外部領域18から縦向き排水材19,21,22のいずれか一方の内部に集水された水Wは、この一方の内部から他方の内部に流入した後、上記遮水領域17の外部に向けて排水可能とされる。よって、上記各縦向き排水材19,21,22は上記水Wの排水につき互いに補完し合うことから、上記遮水領域17に水Wが溜まることは、更に確実に防止される。
また、前記したように、遮水領域17が盛土10により形成されている。
ここで、上記盛土10は、地山2の斜面部分3に宅地造成などとして多用される工法であって、通常、地山2に比べて脆弱性は高いものである。しかし、上記したように遮水領域17は縦向き排水材19,21,22により囲まれるため、上記遮水領域17に水が溜まることは防止されて、その更なる脆弱化はより確実に防止される。
また、例えば、地山の斜面部分の一部分を切土して、これにより生じた切土により、上記斜面部分の傾斜方向で、上記一部分の下側に位置する斜面部分の他部分の上面に盛土10を形成することは、一般的に多用されている便利な盛土施工方法である。
そして、上記構成の盛土10が、上記のように切土により構成されたものであるとすると、この切土は別途に選定されたものではなく、現地発生土であるため、低透水性によりその上流側を止水して水位を上昇させてしまったり、これとは逆に、高透水性によりその透水が過度になされたりする可能性がある。しかも、この盛土10は上記のように傾斜面3a上に形成されていて不安定である。よって、上記切土による盛土10では、この盛土10が地滑りにより崩壊を生じ、延いては、この盛土10を支持している基礎地盤である下部領域29が地滑りにより崩壊を生じるなど、不都合を発生するおそれがある。
しかし、上記遮水領域17が盛土施工方法による盛土10であるとしても、前記各縦向き排水材19,21,22によれば、上記外部領域18から遮水領域17への水Wは、より確実に集水されて排水されるため、上記不都合の発生が防止される。
また、前記したように、各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが面形状の排水材とされている。
このため、上記面形状とされた縦向き排水材19,21,22は、その表面積を大きく採ることができる分、上記外部領域18から遮水領域17に向かう水Wの集水や排水がより効果的に行われる。
また、前記したように、各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つが、上記遮水領域17側の面に対面する遮水材27を備えている。
このため、上記外部領域18から遮水領域17に向かう水Wの遮水は、上記遮水材27により、より確実に行われる。
また、前記したように、遮水領域17の下方に隣接して上記地盤1の一部を構成する下部領域29と、上記遮水領域17との間に埋め込まれる横向き排水材30を設け、この横向き排水材30の一端部側である上記外部領域18側に上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つの下部を連通させる一方、他端部側を水平方向もしくは斜め下方に向かって、上記各縦向き排水材19,21,22から離れる方向に延出させ、上記各縦向き排水材19,21,22を流下した水が上記横向き排水材30をその一端部側から他端部側に流れ、この水Wが上記遮水領域17の外部に向けて排水されるようにし、また、上記横向き排水材30を、予め所定形状に形成された形成品としてもよい。
このようにすれば、上記縦向き排水材19,21,22で集水され、流下させられた水Wは、上記した人工的な形成品である横向き排水材30により排水される。よって、この横向き排水材30によれば、前記各縦向き排水材19,21,22から排水れた水Wが遮水領域17の外部に、より確実に排水されることから、遮水領域17に水Wが溜まることが更に確実に防止される。
また、地盤排水構造の施工方法であって、上記遮水領域17と外部領域18との間にその上方から上記各縦向き排水材19,21,22を埋め込むようにしてもよく、この場合、矢板を打ち込むような打ち込み機39を用いて上記縦向き排水材19,21,22を埋め込むようにしてもよい。
上記構成によれば、例えば、上記遮水領域17と外部領域18とが連続する地山2である場合には、この地山2を掘削するなどの作業をできるだけ不要として、上記各縦向き排水材19,21,22を直接地盤1に埋め込むことができる。よって、上記地盤排水構造の施工は、容易かつ安価にできる。一方、遮水領域17が盛土10である場合には、この遮水領域17を設置した後に上記各縦向き排水材19,21,22の設置ができるため、これら両設置作業の互いの干渉を避けて、これら作業を個別にすることができる。よって、上記施工を容易にすることができる。
また、前記したように、地盤排水構造の施工方法であって、上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つを上下方向で複数の排水ブロック20により形成し、これら排水ブロック20のうちの最下段である第1段の排水ブロック20を縦向きに設置し、この排水ブロック20の上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域17に盛土10を設置し、次に、上記第1段の排水ブロック20上に第2段の排水ブロック20を縦向きに設置して、これら両排水ブロック20,20の対向縁部同士を互いに連結し、上記第2段の排水ブロック20の上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域17に盛土10を設置し、以下、上記排水ブロック20と盛土10との設置を繰り返して、盛土10の上端が所望高さになるまで、上記排水ブロック20と盛土10との設置を繰り返すようにしている。
このため、上記排水ブロック20を縦向きに設置すると共に、上記遮水領域17に盛土10を設置する場合、これら両設置作業は互いに干渉することなく順次円滑に進行できると共に、上記外部領域18と盛土10とにより上記排水ブロック20を縦向き姿勢に順次保持させることができる。よって、上記施工方法によれば、上記施工は合理的かつ迅速に達成される。
以下の図5,6は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図5,6に従って説明する。
図5,6において、上記各縦向き排水材19,21,22の少なくともいずれか1つは、上記遮水領域17の外縁部に沿った方向に所定ピッチで配置される多数の縦向きのパイプ状排水材33を備えている。このパイプ状排水材33は高密度ポリエチレン製の樹脂円形パイプで、その径方向からの外力に剛性を有しているが、全体として可撓性を有している。
上記パイプ状排水材33は螺旋形状に延びる骨格線材34と、パイプ状排水材33の軸方向でのこれら骨格線材34の間の隙間を閉じるようこの骨格線材34に一体的に形成される薄肉のパイプ材35とを備えている。このパイプ材35には、微小径の通水孔36が多数形成されている。
なお、上記横向き排水材30を設ける場合には、これも、上記パイプ状排水材33で構成してもよい。
上記パイプ状排水材33によれば、その径方向外方からの土圧に対し大きい強度を保持できて、その内孔を所定形状に保持させることが容易にできる。よって、上記パイプ状排水材33で構成した各縦向き排水材19,21,22や横向き排水材30は、集水や排水の性能が良好に保たれる。
また、上記したパイプ状排水材33は、所望強度を保持したままで断面積を大きくすることが容易にできる。このため、このパイプ状排水材33は、面形状排水材と比較して、集水や排水のための断面積をより大きくすることができ、これにより、これら集水や排水をより促進させることができる。
地盤排水構造の施工方法において、上記各縦向き排水材19,21,22を構成するパイプ状排水材33は、上記遮水領域17と外部領域18との間に打ち込み機39によって次のように埋め込まれる。
即ち、上記打ち込み機39は昇降可能なケーシングパイプ40を備えている。このケーシングパイプ40に上記パイプ状排水材33が挿入されている。このパイプ状排水材33の下端に先端アンカー41が取り付けられ、この先端アンカー41は上記ケーシングパイプ40の下面にその下方から当接させられている。
そして、上記ケーシングパイプ40は、上記パイプ状排水材33の下端が下部領域29に達するまで、上記先端アンカー41を押動しながら上記遮水領域17と外部領域18との間に打ち込まれる(図5中、パイプ状排水材33を実線、ケーシングパイプ40を二点鎖線図示)。次に、上記パイプ状排水材33と先端アンカー41とを残して、上記ケーシングパイプ40のみが上昇させられる(図5中、一点鎖線)。これにより、上記パイプ状排水材33の埋め込みが終了する。
実施例1を示し、地盤の平面図である。 実施例1を示し、地盤の側面断面図である。 実施例1を示し、地盤の斜視図である。 実施例1を示し、縦向き排水材の部分斜視部分破断図である。 実施例2を示し、図2に相当する図である。 実施例2を示し、パイプ状排水材の図で、(1)は部分側面図、(2)は(1)のII−II線矢視断面図である。
1 地盤
2 地山
3 斜面部分
10 盛土
11 擁壁
13 壁ブロック
13a 通水孔
14 補強材
17 遮水領域
18 外部領域
19 縦向き排水材
20 排水ブロック
21 縦向き排水材
22 縦向き排水材
23 芯板材
24 突条体
25 カバー体
26 排水溝
27 遮水材
28 砂れき
29 下部領域
30 横向き排水材
33 パイプ状排水材
A 傾斜方向
W 水

Claims (10)

  1. 地盤において遮水をさせようとする遮水領域とこの遮水領域に水平方向で隣接する外部領域との間に埋め込まれて、上下方向に延びる縦向き排水材が設けられ、上記外部領域から遮水領域に向かうよう地中を流れる水が、上記縦向き排水材の内部に集水されて流下し、この水が上記遮水領域の外部に向けて排水されるようにした地盤排水構造において、
    上記縦向き排水材と同構成の他の縦向き排水材が設けられ、上記遮水領域と外部領域との境界面に沿って面形状に延びるよう上記各縦向き排水材が配置され、かつ、上記地盤の平面視で、上記各縦向き排水材により上記遮水領域が囲まれるようにしたことを特徴とする地盤排水構造。
  2. 上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが、予め所定形状に形成された形成品であることを特徴とする請求項1に記載の地盤排水構造。
  3. 上記各縦向き排水材が互いに連通して、これら縦向き排水材のいずれか一方の内部から他方の内部に水が流入可能となるようにしたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の地盤排水構造。
  4. 上記遮水領域が盛土により形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造。
  5. 上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが形状の排水材とされたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造。
  6. 上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが、上記遮水領域側の面に対面する遮水材を備えたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造。
  7. 上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つが、互いに並設されるパイプ状排水材を備えたことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造。
  8. 上記遮水領域の下方に隣接して上記地盤の一部を構成する下部領域と上記遮水領域との間に埋め込まれる横向き排水材が設けられ、この横向き排水材の一端部側である上記外部領域側に上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つの下部が連通する一方、他端部側が水平方向もしくは斜め下方に向かって、上記縦向き排水材から離れる方向に延出し、上記縦向き排水材を流下した水が上記横向き排水材をその一端部側から他端部側に流れ、この水が上記遮水領域の外部に向けて排水されるようにしたことを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造。
  9. 請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造の施工方法であって、
    上記遮水領域と外部領域との間にその上方から上記各縦向き排水材を埋め込むようにしたことを特徴とする地盤排水構造の施工方法。
  10. 請求項1から4のうちいずれか1つに記載の地盤排水構造の施工方法であって、
    上記各縦向き排水材の少なくともいずれか1つを上下方向で複数の排水ブロックにより形成し、これら排水ブロックのうちの最下段である第1段の排水ブロックを縦向きに設置し、この排水ブロックの上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域に盛土を設置し、次に、上記第1段の排水ブロック上に第2段の排水ブロックを縦向きに設置して、これら両排水ブロックの対向縁部同士を互いに連結し、上記第2段の排水ブロックの上端とほぼ同じ高さとなるよう上記遮水領域に盛土を設置し、以下、上記排水ブロックと盛土との設置を繰り返して、盛土の上端が所望高さになるまで、上記排水ブロックと盛土との設置を繰り返すことを特徴とする地盤排水構造の施工方法。
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