JP5669300B2 - レンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末装置 - Google Patents

レンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末装置 Download PDF

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本発明は、レンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末装置に関する。
特許文献1には、環状ヨークの内周側にレンズ支持体を移動自在に配置し、レンズ支持体の外周に巻回した環状コイルに通電することにより、環状コイルに生じる電磁力により、レンズ支持体を光軸方向へ移動することが開示されている。
この特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、ヨークは環状の外周側壁と外周側壁から径方向内側へ延出する径方向延出壁とを有しており、ヨークの外周側壁にはその内周側面にマグネットを設けている。
特開2009−210897号公報
一方、特許文献1には記載されていないが、一般に、レンズ駆動装置の組立て後の検査工程では、環状コイルに通電したときに、レンズ支持体の傾き(チルト)、レンズ支持体が動き始める電流(始動電流)、レンズ支持体の移動量(変位量)を検査している。この検査工程で、チルト、始動電流、あるいは変位量のうち少なくとも一つが所定範囲内にない場合には、組立てた後の検査なので、そのまま不良品となり、歩留まりが低いという問題があった。
そこで、本発明は、レンズ駆動装置の組立て後でもチルト、始動電流及び変位量の調整をすることができ、歩留まりの向上を図ることができるレンズ駆動装置、オートフォーカスカメラ及びカメラ付きモバイル端末装置の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、内周にレンズを支持するレンズ支持体と、レンズ支持体の外周に周方向に沿って巻回した環状コイルと、内周側にレンズ支持体を移動自在に配置した環状のヨークと、ヨークに取付けてあり且つ環状コイルの周方向に沿って所定の間隔に配置したマグネットと、レンズ支持体を移動自在に支持するスプリングとを備え、環状コイルに電流を流すことによりマグネットの磁界に対して環状コイルに作用する電磁力によりレンズ支持体をレンズの光軸方向に移動するレンズ駆動装置において、ヨークは外周側壁と、外周側壁から半径方向内方に延出する径方向延出壁とを有し、マグネットは外周側壁の内周側面に取付けて環状コイルの外周側で環状コイルに対向してあり、径方向延出壁にはマグネットに対応した各位置にマグネット調整用の孔が形成してあり、レンズ駆動装置の組立て後にマグネット調整孔に治具を挿入してマグネットに押し当ててマグネットを光軸方向にずらすことにより、環状コイルに対するマグネットの位置を調整可能としてあることを特徴とするレンズ駆動装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ヨークは外周側壁の内周に位置する内周側壁を有し、径方向延出壁は外周側壁と内周側壁とを連結してあり、内周側壁と外周側壁との間に環状コイルを配置してあることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、マグネット調整孔の治具挿入側にはフレームが設けてあり、フレームにはマグネット調整孔の輪郭の一部に沿って外周側に凹む凹部が形成してあることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と、レンズ支持体のレンズの結像側に設けた画像センサとを備えることを特徴とするオートフォーカスカメラである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のオートフォーカスカメラを搭載したことを特徴とするカメラ付きモバイル端末装置である。
請求項1に記載の発明によれば、レンズ駆動装置の組立て後の検査において、チルト、始動電流、又は変位量の少なくとも一つが所定範囲にない場合には、ヨークの径方向延出壁に設けてあるマグネット調整孔から治具を挿入して、治具でマグネットを押し当ててずらすことにより、マグネットの位置を調整することができる。尚、マグネットは、ヨークに磁力により付着しているので、治具を押し当てることによりマグネットはヨークに対してその位置をずらすことができる。
マグネットの位置をずらすことで、環状コイルに対するマグネットの位置を変え、環状コイルに作用するマグネットの磁束密度や磁束線の方向等を変える。このような調整を各マグネットに対して行う。このように、組立て後に各マグネットからのコイルに作用する磁束密度や磁束線の方向を最適化することにより、チルト、始動電流、及び変位量の最適なバランス点を見出してこれらの全てを所定の範囲内に入るように調整することができる。
そのためレンズ駆動装置の製造における歩留まり向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作用効果を奏すると共に、内周側壁はコイルに対していわゆるバックヨークとして機能し、マグネットの磁束密度を高めることができる。マグネットは外周側壁と内周側壁と径方向延出壁とにより3方を囲まれている場合でも、マグネット位置調整孔によりマグネットの位置を容易に調整することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の作用効果を奏すると共に、治具を使用するときに、フレームに形成された凹部で治具をマグネット調整孔に案内できるので、治具の挿入や押し当てを容易にでき、マグネットの位置調整操作がし易い。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の作用効果を奏するオートフォーカスカメラを提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の作用効果を奏するカメラ付きモバイル端末を提供できる。
本実施の形態に係るレンズ駆動装置において、治具の挿入によりマグネットの位置を調整する工程を示す縦断面図であり、(b)は(a)に示すA部を拡大して示す図である。 治具を挿入する前のレンズ駆動装置の斜視図である。 治具に挿入したレンズ駆動装置の斜視図である。 本実施の形態にかかるレンズ駆動装置(シールドケースを含む)の分解斜視図である。 本実施の形態にかかるレンズ駆動装置とシールドケースとを示す斜視図である。
以下に、図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態に係るレンズ駆動装置1は、携帯電話に組み込まれるオートフォーカスカメラのレンズ駆動装置である。
このレンズ駆動装置1は、図1及び図4に示すように、環状のヨーク3と、レンズ支持体5と、ヨーク3の光軸方向前側に配置されるフレーム7及び前側スプリング9と、ヨーク3の後側に配置されるベース8及び後側スプリング11とを備えており、後側スプリング11とヨーク3との間には後側スペーサ17が配置されている。後側スペーサ17は絶縁材で構成されている。図5に示すように、フレーム7の前側にはシールドケース6が配置されており、ヨーク3の開口部以外のレンズ駆動装置1を前側から覆っている。
図4に示すように、ヨーク3は前側から見て外周が平面視四角形であり、内周が平面視円形になっており、外周側壁3aと、内周側壁3bと、外周側壁3aと内周側壁3bとを連結する連結壁(径方向延出壁)3cとからなり、外周側壁3aと内周側壁3bと連結壁(径方向延出壁)3cとで断面が略コ字形状を成している。連結壁(径方向延出壁)3cは外周側壁3a及び内周側壁3bよりも前側に位置する。尚、ヨーク3の角部14は面取りされた形状になっている。
ヨーク3の内周側壁3bは角部14に対応した位置に設けてあり、隣り合う内周側壁3b、3b間には空間12が形成されている。
また、ヨーク3の4つの各角部14にはその外周側壁3aの内周側面にマグネット13がその磁力により固定されている。マグネット13は、通常のレンズ駆動装置1の組立てではヨーク3に対して動くことは無いが、後述するように、治具36で押してずらすことで動かすことができる。また、マグネット13は、内周側壁3bと対向して配置される。
図4に示すように、マグネット13は各々前側から見た平面が対称軸を持つ略台形を成し、外周側がヨーク3の外周側壁3aの内周側面に沿った形状を成し、内周側がレンズ支持体5の外周に沿った円弧状を成している。マグネット13は内周側と外周側とで磁極を異にしており、例えば内周側の面をN極とし、外周側の面をS極としてある。
ヨーク3の連結壁(径方向延出壁)3cには、マグネット13が配置されている各角部にマグネット調整孔21が形成されている。本実施の形態では、マグネット調整孔21は輪郭が円状の孔であり、図2及び図3に示すように、円柱形状の治具36の輪郭と同じ形状で少し大きくしている。
前側スプリング9を間に挟んでヨーク3の前側に取付けられるフレーム7は、ヨーク3の外周形状に沿った四角環形状を成している。フレーム7の角部はヨーク3の角部14と同じ位置にあり、フレーム7の角部の内周側に、外周側に向けて凹んだ凹部23が形成されている。この凹部23は、治具36の輪郭の一部と同じ形状で少し大きくしてあり、換言すればマグネット調整孔21の輪郭の一部と同じ形状でもある。本実施の形態では大きさも同じとした。本実施の形態では、治具36の輪郭とマグネット調整孔21、凹部23とは同じ形状としたが、異なる形状としてもかまわない。
図4に示すように、レンズ支持体5は略円筒形状であり、内周にレンズ(図示を省略する)を保持しており、ヨーク3の内周側をレンズの光軸方向(前後方向)に移動自在に設けられている。レンズ支持体5の外周には環状コイル15が装着されており、環状コイル15はレンズ支持体5に一体に設けたコイル固定部19に接着固定されている。環状コイル15は、ヨーク3の内周側壁3bとマグネット13との間に配置される。したがって、マグネット13は環状コイル15の周方向に沿って所定の間隔に配置されることになる。
前側スプリング9は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部9aと、外周側部9aの内周に配置され平面視円形状の内周側部9bと、外周側部9aと内周側部9bとを連結する4つの腕部9cとで構成されている。
後側スプリング11は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部11aと、外周側部11aの内周に配置され平面視円形状の内周側部11bと、外周側部11aと内周側部11bとを連結する4つの腕部11cとで構成されている。
給電端子体20は後側スペーサ17と後側スプリング11との間に位置する。この給電端子体20から後側スプリング11を介して環状コイル15に電流が供給される。
尚、前側スプリング9の外周側部9aは、フレーム7とヨーク3との間に挟持されており、内周側部9bはレンズ支持体5の前端に固定されている。後側スプリング11の外周側部11aはベース8と後側スペーサ17との間に挟持されており、内周側部11bはレンズ支持体5の後端に固定されている。これにより、レンズ支持体5は前側スプリング9と後側スプリング11とにより、前後方向に移動自在に支持されている。
次に、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の組立て、作用及び効果について説明する。レンズ駆動装置1の組み立てに先立って、環状コイル15をレンズ支持体5の外周に固定する。
レンズ駆動装置1の組立ては、図4に示すように、ベース8に、後側スプリング11、給電端子体20、後側スペーサ17、レンズ支持体5、各マグネット13をその磁力により外周側壁3aの内周側面に固定したヨーク3、前側スプリング9、及びフレーム7をこの順序で組み付ける。
そして、環状コイル15を固定したレンズ支持体5と、マグネット13を内周面に固定したヨーク3との組み付けは、ヨーク3の内周にその後側から前側に向けてレンズ支持体5を挿入して行う。
図2に示すように、組み付け後のレンズ駆動装置1(シールドケース6は取付けていない)において、図1に示すように検査を行う。この検査工程では、レンズ支持体5の前側面に反射ミラーを載置し、その前面側からレーザ光を照射する。その反射光を前側に配置した検査用画像センサで受光する。センサ上の受光位置から、予め実験で求めたデータに対応させることにより、レンズ支持体の傾き(チルト)、レンズ支持体が動き始める電流(始動電流)及びレンズ支持体の移動量(変位量)に変換する。反射ミラーは、チルト測定用の鏡面の反射ミラーと始動電流及び変位量測定用の乱反射ミラーの2枚としても良い。また、1枚の反射ミラーの前側面を鏡面の半透明反射ミラーとし、後側面を乱反射ミラーとしても良い。チルト、始動電流及び変位量の全てが所定範囲内の場合には、良品として次工程に送り、例えば、各マグネット調整孔21から接着剤を注入して硬化させ、マグネット13をヨーク3に接着固定する。さらにシールドケース6を取付けて、レンズ駆動装置1を完成させる。ここで、シールドケース6は前側からマグネット調整孔21を覆うので、外部からはマグネット調整孔21は見えなくなるので外観上の美観が保たれる。
一方、チルト、始動電流又は変位量の少なくともいずれか一つが所定範囲内でない場合、即ち、不良と判定された場合には、所定のマグネット調整孔21に治具36を挿入して、治具36により所定のマグネット13を押し下げて位置を調整し、チルト、始動電流、及び変位量の全てを所定の範囲内に入れ、良品として次工程へ送り、レンズ駆動装置1として完成させる。
この検査後の調整工程では、所定の各マグネット13を少しずつ押し下げてコイルに対するマグネットの位置を変えることを行なう。即ち、マグネット13と環状コイル15との関係では、マグネット13が位置を変えることにより、コイルに作用する磁束線の方向や磁束密度が変わるので、これにより、その部分における推進力が変わるため、チルト、始動電流、変位量が変化する。したがって4つのマグネット13について、所定のマグネットの位置を変えることにより、環状コイル15に作用する磁束密度、磁束線の方向を最適化して、チルト、始動電流、変位量の最適なバランス点を見出して全てを所定の範囲内に調整する。
尚、マグネット13は磁力によりヨーク3に固定しているので、治具36の押し当てによりその位置を変えることができる。
治具36の押し込みはチルト、始動電流、及び変位量をパソコン画面を見ながら目視で行い、予めこれらパラメータと押し込み量の関係のデータを集積しておき、どのマグネット13を何μmずらせばよいかパソコン画面に表示するようにしても良い。
本実施の形態によれば、例えば、チルトの場合に5分〜20分の角度調整が可能であった。また、始動電流については、各マグネットに対応する位置での推進力を略同じになるように調整することにより、所定範囲にすることが可能であった。また、変位量においても製品毎のばらつきが少なく一定の範囲内に収めることができた。更に、マグネット13の位置を調整することにより、製品毎の速度にばらつきが少なく且つオートフォーカスにおけるレンズの移動スピードを高めることができた。
本実施の形態によれば、レンズ駆動装置1の組立て後に、マグネット調整孔21からマグネット13の位置を調整することにより、チルト、始動電流、及び変位量を所定範囲内に調整できるから、レンズ駆動装置1の製造における歩留まり向上を図ることができる。
なお、治具36のマグネット13を押す位置は前側から見た平面上マグネット13の対称軸上が望ましい。対称軸上とすることで、マグネット13が傾いてしまうことを防ぐことができる。
ヨーク3において、内周側壁3bはコイル15に対していわゆるバックヨークとして機能し、マグネット13の磁束密度を高めることができる。マグネット13は外周側壁3aと内周側壁3bと連結壁(径方向延出壁)3cとにより3方を囲まれている場合でも、マグネット位置調整孔21によりマグネット13の位置を容易に調整することができる。
フレーム7に形成された凹部23により治具36をマグネット調整孔21に案内できるので、治具36の挿入や押し込みを容易にでき、マグネット13の位置調整操作がし易い。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態において、ヨーク3の各角部14にマグネット調整孔を複数設けて、一つのマグネット13に対して複数個所で治具36を押し当ててマグネット13を移動させるものであっても良い。
マグネット調整孔21は長孔として、長孔の任意の位置でマグネット13を治具36で押してマグネット13を傾けるようにずらしても良い。
ヨーク3には内周側壁3bを設けないで、外周側壁3aと連結壁(径方向延出壁)3cとで、断面略L字を成す形状としても良い。また、内周側壁3bを円環状に設けても良い。
1 レンズ駆動装置
3 ヨーク
3a 外周側壁
3b 内周側壁
3c 連結壁(径方向延出壁)
5 レンズ支持体
7 フレーム
13 マグネット
15 環状コイル
21 マグネット調整孔
23 凹部

Claims (5)

  1. 内周にレンズを支持するレンズ支持体と、レンズ支持体の外周に周方向に沿って巻回した環状コイルと、内周側にレンズ支持体を移動自在に配置した環状のヨークと、ヨークに取付けてあり且つ環状コイルの周方向に沿って所定の間隔に配置したマグネットと、レンズ支持体を移動自在に支持するスプリングとを備え、環状コイルに電流を流すことによりマグネットの磁界に対して環状コイルに作用する電磁力によりレンズ支持体をレンズの光軸方向に移動するレンズ駆動装置において、ヨークは外周側壁と、外周側壁から半径方向内方に延出する径方向延出壁とを有し、マグネットは外周側壁の内周側面に取付けて環状コイルの外周側で環状コイルに対向してあり、径方向延出壁にはマグネットに対応した各位置にマグネット調整用の孔が形成してあり、レンズ駆動装置の組立て後にマグネット調整孔に治具を挿入してマグネットに押し当ててマグネットを光軸方向にずらすことにより、環状コイルに対するマグネットの位置を調整可能としてあることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. ヨークは外周側壁の内周に位置する内周側壁を有し、径方向延出壁は外周側壁と内周側壁とを連結してあり、内周側壁と外周側壁との間に環状コイルを配置してあることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. マグネット調整孔の治具挿入側にはフレームが設けてあり、フレームにはマグネット調整孔の輪郭の一部に沿って外周側に凹む凹部が形成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と、レンズ支持体のレンズの結像側に設けた画像センサとを備えることを特徴とするオートフォーカスカメラ。
  5. 請求項4に記載のオートフォーカスカメラを搭載したことを特徴とするカメラ付きモバイル端末装置。
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