JP2002107601A - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒

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JP2002107601A
JP2002107601A JP2000301114A JP2000301114A JP2002107601A JP 2002107601 A JP2002107601 A JP 2002107601A JP 2000301114 A JP2000301114 A JP 2000301114A JP 2000301114 A JP2000301114 A JP 2000301114A JP 2002107601 A JP2002107601 A JP 2002107601A
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JP
Japan
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lens
guide shaft
contact surface
bearing
focus lens
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JP2000301114A
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English (en)
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Katsuji Akimoto
勝司 秋元
Akira Kumano
晃 熊野
Eiji Oshima
英司 大嶋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 レンズ移動枠とガイド軸との嵌め合い関係に
おいて、クリアランスを高精度に維持したまま摺動抵抗
と摺動粘性抵抗とを低減させると共に、ゴミ等による悪
影響をも排除する。 【解決手段】 2本のガイド軸11、12と、該ガイド
軸11,12に軸支されると共にリニアモーター18に
よって駆動されて光軸方向に移動するフォーカスレンズ
7を有するレンズ鏡筒において、フォーカスレンズ7を
保持するレンズ保持枠10と少なくとも一方のガイド軸
との軸受構造17を、フォーカスレンズ7の移動精度を
保証するために所定のクリアランスでガイド軸11,1
2又は軸受孔10Cと接するようにされた第1の接触面
と該第1の接触面のクリアランスよりも大きなクリアラ
ンスでガイド軸11,12又は軸受孔10Cと接する第
2の接触面とによって構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ビデオカメラや電
子スチルカメラ等の撮像装置において、フォーカシング
のための動作、特に、ウォブリング動作の応答性を良好
にするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラや電子スチルカメラの普及
に伴い、これらの撮像装置には、誰にでも操作できるよ
うにするために、ファインダ内に被写体を捉えると撮像
レンズのピントが自動的に合うようにした機構、所謂オ
ートフォーカス機構が採用されている。近年では、更
に、オートフォーカス機構の応答性の向上が要求される
ようになってきた。
【0003】オートフォーカス機構の原理は、例えば、
被写体に対するフォーカシング動作課程において、映像
信号の高周波成分が増減する原理を利用した、所謂山登
りコントラスト検出によりフォーカシング動作を行うも
のであり、合焦していない場合に、フォーカスレンズを
光軸方向に移動させて合焦点を検索することによって合
焦させるものである。
【0004】そして、上記オートフォーカス機構を有す
る撮像レンズにあっては、合焦時の動作において、フォ
ーカスレンズ移動方向を判断するために、フォーカスレ
ンズを光軸方向に微少な範囲で往復動させる、所謂ウォ
ブリングが行われる。
【0005】図9及び図10は、上記オートフォーカス
機構を有する従来のレンズ鏡筒において、フォーカスレ
ンズaを保持したレンズ保持枠(移動枠)b及び該レン
ズ保持枠bを光軸方向に移動自在に支持するガイド軸
c、d等を示すものである。
【0006】即ち、上記レンズ保持枠bには保持筒e及
び保持爪fが形成されている。
【0007】尚、上記保持筒eは、円筒状を為し、その
両端部にはそれぞれ軸受孔g、gが設けられている。上
記ガイド軸cと保持筒eの軸受孔gとは共に円形の断面
形状及び開口形状を有し、数μのクリアランスを有する
ように高精度でガイド軸cが軸受孔gに挿入されてい
る。また、保持爪fには軸受凹部hが設けられている。
【0008】そして、これら保持筒eの軸受孔g、g及
び保持爪fの軸受凹部hには、図示しないレンズ鏡筒に
保持固定された2つのガイド軸c、dがそれぞれ貫通ま
たは挿入され、これによって、レンズ保持枠bは、図示
しないフォーカス駆動機構によって駆動されると共にガ
イド軸c、dに案内されて光軸方向に移動(摺動)する
ようになっている。
【0009】ところで、レンズ保持枠bの移動に関して
は、上記軸受孔g、gとガイド軸dとの嵌合関係を高精
度にして、ガタをできるだけ小さくすることが望まれて
いる。特に、ウォブリング時においては、ガイド軸cと
軸受孔g、gとの間のガタが小さい程、ウォブリング性
能が向上するが、軸受孔g、gの加工上の問題やガタを
小さくするためにガイド軸cと軸受孔g、gとの間のク
リアランスを小さくし過ぎると摺動抵抗が増してしまう
という問題や製造上の問題によって、上記ガタを小さく
するすることには限界がある。
【0010】そこで、ガイド軸c、dのレンズ保持枠b
可動範囲に相当する部分には、レンズ保持枠bの移動時
におけるガイド軸c、dと軸受孔g、g及び軸受凹部h
の接触部分との間の摺動抵抗(摩擦)を低減するため及
び潤滑剤が上記クリアランスの部分に侵入することによ
ってガイド軸cと軸受孔g、gとの間のガタを小さくす
るために、グリース又はオイル等の潤滑剤が適宜な分量
で塗布される。
【0011】しかしながら、、フォーカスレンズaの移
動は、通常のフォーカシング動作時における移動の際に
は問題とならないが、移動ベクトルが急激に変化するウ
ォブリング動作を行う際には、ガイド軸c、dと軸受孔
g、g及び軸受凹部hの接触部分との間の摺動抵抗(摩
擦抵抗)と、上記したようにガイド軸c、dと軸受孔
g、g及び軸受凹部hとの間に潤滑剤が介在することに
よって生じる抵抗、潤滑剤の粘度とフォーカスレンズa
の移動速度が関係する摺動粘性抵抗(速度抵抗)による
メカ的なロス等によって、問題が生じることがあった。
【0012】即ち、フォーカスレンズaを15ミクロン
程度の微少な範囲でウォブリングを行うために往復動さ
せようとすると、フォーカスレンズaが指示通りの量で
移動しないという問題があった。これらの問題は、特
に、フォーカス駆動機構に移動速度の速いリニアモータ
が使用されている場合には、上記摺動粘性抵抗が大きく
なるので、顕著に現れる。
【0013】特に、摺動粘性抵抗のウォブリング性能に
与える影響が大きく、これを低減するためには、レンズ
鏡筒の製造工程において、ガイド軸c、dに塗布する潤
滑剤の分量及び塗布位置を厳格にコントロールする必要
があり、これによって工程数が増加して、製造コストが
上昇してしまういう問題が発生する。
【0014】更に、ガイド軸cと軸受孔gとの間(前記
クリアランスの部分)に微細なゴミ等が侵入すると、こ
れがガイド軸cと軸受孔gとの間に挟まってレンズ保持
枠bの移動性を損なったり、甚だしい場合には、レンズ
移動枠bが動かなくなってしまうという問題も発生して
いた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、レンズ移動枠とガイド軸との嵌め合い関係にお
いて、クリアランスを高精度に維持したまま摺動抵抗と
摺動粘性抵抗とを低減させると共に、ゴミ等による悪影
響をも排除することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、2本のガイド軸によって支持されたレン
ズ保持枠に保持されると共に、リニアモータで駆動され
て光軸方向に移動するようにされたフォーカスレンズに
おいて、ウォブリング時の動作特性を改善するするため
に為された軸受構造であり、ガイド軸と該ガイド軸が挿
通するレンズ保持枠の軸受孔との嵌合関係において、フ
ォーカスレンズの移動精度を保証するために所定のクリ
アランスでガイド軸又は軸受孔と接する第1の接触面
と、上記所定のクリアランスよりも大きなクリアランス
でガイド軸又は軸受孔と接する第2の接触面とを設け
て、ガイド軸と軸受孔との接触面積を減らすようにした
ものである。
【0017】従って、フォーカスレンズの移動時の摺動
抵抗摺動抵抗(摩擦抵抗)及び摺動粘性抵抗(速度抵
抗)を低減させることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明レンズ鏡筒の実施
の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0019】レンズ鏡筒1は、図1に概略的に示すよう
に、光軸方向から見て半円状、全体的には上部が開口し
た略舟形形状を為す主鏡筒2と、該主鏡筒2内外に配置
されたレンズ系を有するズームレンズ機構3等を有する
ものである。
【0020】ズームレンズ機構3は、4群から成るレン
ズ系を有する。即ち、レンズ系は、被写体側(図1にお
ける左側)から順に、主鏡筒2の前面(被写体側)壁2
aの開口部に沿って取着された前玉レンズ4、可動レン
ズ(バリエータレンズ)5、固定レンズ6及び可動レン
ズ(マスターレンズ)7から成る。
【0021】上記可動レンズ5、固定レンズ6及び可動
レンズ(以下、「フォーカスレンズ」という)7はそれ
ぞれ、レンズ保持枠8、9及び10に保持されている。
また、各レンズ保持枠8、9及び10にはそれぞれ、被
写体側から見て斜め上又は斜め下の方向に保持筒8a、
9a、10a及び保持爪8b、9b、10bが一体に突
出形成されている。
【0022】レンズ保持枠8及び9の光軸方向に延びる
略円筒状を為す保持筒8a及び9aには、それぞれ円形
の軸受孔8c、8c、9c、9cが設けられている。ま
た、各保持爪8b、9bにはそれぞれ、軸受凹部8d、
9dが設けられている。
【0023】上記保持筒8a、9a及び保持爪8b、9
bによって、レンズ保持枠8及び9は、図1に示すよう
に、主鏡筒2の斜め上及び斜め下に平行して配設される
2本のガイド軸11、12上に支持される。即ち、保持
筒8aの軸受孔8c、8c及び保持爪9bの軸受凹部9
dをガイド軸11が、また、保持爪8bの軸受凹部8d
及び保持筒9aの軸受孔9c、9cをガイド軸12が、
それぞれ貫通又は係合することによって、各レンズ保持
枠8及び10が摺動自在に保持、または、支持固定され
ることになる。尚、フォーカスレンズ7を保持したレン
ズ保持枠10については後述する。
【0024】上記ガイド軸11、12は、一端部及び他
端部が主鏡筒2に支持固定されている。即ち、図1に示
すように、一端部が主鏡筒2の前面壁2aに形成された
保持孔13、13に挿入固定される。また、ガイド軸1
1、12の他端部は、主鏡筒2の後面壁2bに形成され
た下部が略V字状の開口縁を有する受け座14、14内
に挿入支持されると共に、主鏡筒2の開口部を閉塞する
蓋鏡筒15から下方に垂設された軸押え片15a、15
aによって上方から保持されることによって主鏡筒2に
固定される。尚、上記蓋鏡筒15は、主鏡筒2にネジ止
めによって取り付けられる。
【0025】そして、主鏡筒2の後面壁2bには、撮像
素子を備えた補助鏡筒16が取り付けられる。
【0026】上記可動レンズ5は、リニアモーター等か
ら成る図示しない駆動機構によって駆動されて、ガイド
軸11、12に沿って光軸方向に摺動し、これによって
レンズ系の焦点距離を変更するものである。
【0027】フォーカスレンズ7を保持したレンズ保持
枠10は、一方の軸支部分である係合爪10のみは、レ
ンズ保持枠8、9と同様に、ガイド軸11が軸受凹部1
1d内に挿入されて、係合関係となることによって軸支
される。
【0028】レンズ保持枠10の他方の軸支部分である
保持筒10aは、図1乃至図3に示すように、光軸方向
に延びる略円筒状を為し、光軸方向における両端部には
それぞれ軸受孔10c、10cが設けられ、該軸受孔1
0c、10cにガイド軸12が挿通されることによって
レンズ保持枠10を支持するものである。そして、軸受
孔10c、10cとガイド軸12との間で軸受構造17
が画成される。
【0029】また、フォーカスレンズ7は、後述する駆
動機構によって駆動されて、ガイド軸11、12に沿っ
て光軸方向に摺動し、レンズ系のフォーカシング及び上
記可動レンズ5の移動に伴う結像位置の補正を行うもの
である。
【0030】そして、ズームレンズ機構3はオートフォ
ーカス機構が採用されているものであるので、フォーカ
スレンズ7は、ガイド軸11、12に沿って大きく摺動
する通常のフォーカシング動作に加えて、ウォブリング
動作も行うようになっている。
【0031】フォーカスレンズ7を光軸方向に移動させ
てフォーカシングを行わせ、また、光軸方向に微少な範
囲で往復動させてウォブリングをおこなわせる駆動機構
としては、リニアモータ18が使用されている。尚、リ
ニアモータ18は、公知の構造を有するものであるの
で、その詳細な構造及び作動原理については説明を省略
するが、図4に示すように、MR(磁気抵抗効果)素子
18a、MRマグネット18b、コイル18c及びヨー
ク18d等を有するものである。
【0032】上記リニアモータ18は、図2及び図3に
示すように、フォーカスレンズ7を保持したレンズ保持
枠10の保持筒10aの上方の部分、即ち、ガイド軸1
2の近傍に配置される。
【0033】尚、レンズ鏡筒1のように、1つの駆動機
構によってフォーカスレンズ7を駆動する方式とする
と、駆動機構が単純となる分、部品点数の削減及びコス
ト的に有利となるが、レンズ保持枠10を含むフォーカ
スレンズ7全体の質量と、ゼロにすることが不可能なガ
イド軸12と軸受孔10c、10cとのクリアランスに
起因するガタと、駆動力が加えられる位置との関係によ
って、特に、ウォブリング時においては全体が縒れてし
まう傾向が強く発生するが、後述するように、軸受構造
17によってガイド軸12とレンズ保持枠10の軸受孔
10c、10cとの嵌合関係を調整することによって、
上記問題を回避させることが可能になる。
【0034】ガイド軸11、12には製造時において、
可動レンズ5及びフォーカスレンズ7の摺動範囲となる
部分の表面に潤滑剤として膜状にグリースが塗布され
る。尚、以下の表1にガイド軸11及び12の外周面に
塗布されるグリースの特性を参考として示す。
【0035】
【表1】
【0036】以上のような構成を有するレンズ鏡筒1
は、2本のガイド軸11、12にレンズ保持枠8、9、
10を挿着した状態で、ガイド軸11、12の一端部を
主鏡筒2の受け座14、14に一旦挿入し、ガイド軸1
1、12の他端部を主鏡筒2の軸受孔に貫通させた状態
で圧入固定する。そして、主鏡筒2に、蓋鏡筒15を組
付け、軸押え片15a、15aでガイド軸11、12を
上方から押さえつけ付けて受け座14、14内でそれぞ
れ保持する。この後、主鏡筒2の前面壁2aに前玉レン
ズ4を位置決め固定することによって、組み立てが完了
する。
【0037】ところで、前述したように、フォーカスレ
ンズ7がウォブリング動作を行う際には、ガイド軸1
1、12と軸受孔10c、10c及び軸受凹部10dの
接触部分との間の摺動抵抗(摩擦抵抗)と、上記したよ
うにガイド軸11、12と軸受孔10c、10c及び軸
受凹部10dとの間に潤滑剤が介在することによって生
じる抵抗、潤滑剤の粘度とフォーカスレンズ7の移動速
度が関係する摺動粘性抵抗(速度抵抗)によるメカ的な
ロスによって、問題が生じることがあった。
【0038】即ち、フォーカスレンズ7を15ミクロン
程度の微少な範囲でウォブリングを行うために往復動さ
せようとすると、フォーカスレンズ7が指示通りに移動
しないという問題があった。これらの問題は、特に、フ
ォーカス駆動機構に移動速度の速いリニアモータが使用
されている場合には、上記摺動粘性抵抗が大きくなるの
で、顕著に現れる。
【0039】これは、特に、摺動粘性抵抗のウォブリン
グ性能に与える影響が大きい。また、ウォブリング時に
関してだけは、ガイド軸12とフォーカスレンズ7の軸
受孔10c、10cとの間のガタが小さい程、ウォブリ
ング性能が向上するが、軸受孔10c、10cの加工上
の問題やガタを小さくするためにガイド軸12と軸受孔
10c、10cとの間のクリアランスを小さくし過ぎる
と摺動抵抗が増してしまうという問題によって、上記ガ
タを小さくするすることには限界がある。
【0040】従って、本発明は、軸受構造17を採用し
て、フォーカスレンズ7の可動範囲においてガイド軸と
該ガイド軸が挿通するレンズ保持枠の軸受孔とが数μの
所定のクリアランスで嵌合する部分を少なくして(部分
的にガイド軸と軸受孔とのクリアランスが広くなる部分
を設ける)摺動抵抗と摺動粘性抵抗とを低減するように
したものである。
【0041】即ち、軸受構造17は、ガイド軸12の外
周面12aに面取り部12b、12bを形成することに
よって、ガイド軸12と軸受孔10c、10cとの嵌合
構造を、間にグリースを挟んで数μmの所定のクリアラ
ンスで接する第1の接触面17a、17a、…と、より
大きなクリアランスで接する第2の接触面17b、17
b、…(面取り部12b、12b、…)とによって構成
するようにしたものである。
【0042】詳しくは、図5に示すように、ガイド軸1
2のフォーカスレンズ7のレンズ保持枠10が摺動する
範囲、即ち、保持筒10aの軸受孔10c、10cの可
動範囲の外周面12aには、周方向に90°ずつ離間し
て面取り加工によって削り取られて、4つの略長方形を
した面取り部12b、12b…が形成されている。
【0043】ガイド軸12に面取り加工を施すことによ
って、面取り加工が施されていない部分が、図示したよ
うに、角度で45°の範囲で4カ所残ることとなる。ま
た、直径2mmの本実施の形態におけるガイド軸12の
場合、各面取り部12bの寸法は、具体的には、長手方
向の寸法は約27mmであり、幅が0.76mm程度である。
【0044】従って、上記面取り加工による12b、1
2b、…によって、ガイド軸12のレンズ保持枠10が
摺動する範囲の断面形状は、図6に示すように、45°
の範囲の4つの円弧部分を直線で繋いだ形状、若しく
は、角部が丸くされた四角形と成り、保持筒10aの軸
受孔10c、10cと所定の数μのクリアランスとなる
第1の接触面17a、17a、…の接触面積が、従来の
断面が円形のガイド軸及び開口形状が円形の軸受孔10
cとの比較で約1/2となり摺動抵抗及び摺動粘性抵抗
とが低減されると共に、ガイド軸12と軸受孔10c、
10cとの間に侵入したゴミ等も、図中に斜線で示す各
第2の接触面17b、17b、…と軸受孔10cの内面
との間の部分に逃げるようになって、レンズ移動枠10
の摺動性を損なう等の悪影響を避けることが可能とな
る。
【0045】尚、フォーカスレンズの可動範囲において
ガイド軸と該ガイド軸が挿通するレンズ保持枠の軸受孔
とが数μの所定のクリアランスで嵌合する部分(第1の
接触面)を少なくするには、上記のようにガイド軸を加
工する方法の他、レンズ保持枠10の軸受孔の形状を工
夫することによっても同様の効果が得られる。
【0046】図7は、フォーカスレンズ7を保持したレ
ンズ保持枠10の保持筒10aにおける軸受構造の変形
例20を示すものである。
【0047】即ち、軸受構造20は、フォーカスレンズ
7の可動範囲のガイド軸21の形状を従来のままの円形
断面を有する円柱形状とし、上記ガイド軸21が挿通さ
れるフォーカスレンズ7を保持するレンズ保持枠10の
軸受孔22、22を開口形状で正8角形として、ガイド
軸21と軸受孔22、22との嵌合構造を、間にグリー
スを挟んで数μmの所定のクリアランスで接する第1の
接触面20a、20a、…と、より大きなクリアランス
で接する第2の接触面20b、20b、…とによって構
成するようにしたものである。
【0048】従って、ガイド軸21と各軸受孔22と
は、図示したように、第1の接触面20a、20a、…
が、8角形の軸受孔22の内周面22aとガイド軸の外
周面21aとが接触する部分となり、また、第2の接触
面20b、20b、…が上記第1の接触面20a、20
a、…以外の軸受孔22の内周面22aとなる。
【0049】この軸受構造20によって、摺動抵抗及び
摺動粘性抵抗とが大幅に低減されると共に、ガイド軸2
1と軸受孔22、22との間に侵入したゴミ等も図中に
斜線で示す、第2の接触面20aとガイド軸21の外周
面21aとの間に逃げるようになって、レンズ移動枠1
0の摺動性を損なう等の悪影響を避けることも可能とな
る。尚、上記軸受け構造20においては、第1の接触面
20a、20a、…は、図示したように、周方向に45
°ずつ離間した8角形の各辺の中間部分であり、ガイド
軸21の長手方向に延びる線接触の状態となっている。
【0050】図8は、フォーカスレンズ7を保持したレ
ンズ保持枠10の保持筒10aにおける軸受構造の別の
変形例23を示すものである。軸受構造23は、ガイド
軸21が挿通されるフォーカスレンズ7を保持するレン
ズ保持枠10の軸受孔24、24とガイド軸21との嵌
合構造を、間にグリースを挟んで数μmの所定のクリア
ランスで接する第1の接触面23a、23a、…と、よ
り大きなクリアランスで接する第2の接触面23b、2
3b、…とによって構成するようにしたものである。
【0051】即ち、ガイド軸20は、上記と同様に、全
ての部分が円形断面を有する円柱形状を為すものである
が、該ガイド軸20が挿通されるレンズ保持枠10の基
本的には開口形状が円形をした各軸受孔24の内周面2
4aには、周方向で90°ずつ離間した位置に、断面形
状で略台形状をした4つの溝部24b、24b、…が形
成されている。各溝部24bの幅は、図示したように、
周方向の角度で約50°であり、クリアランスが所定の
数μmとなる第1の接触面23a、23a、…は、上記
と同様に、周方向の角度で約40°である。
【0052】従って、ガイド軸20と軸受孔24、24
とは、図示したように、間にグリースを挟んで数μmの
所定のクリアランスで接する部分である第1の接触面2
3a、23a、…の面積が従来よりも大幅に減少して、
図示したように、従来よりも面積比で45%程度とな
り、摺動抵抗及び摺動粘性抵抗とが低減されると共に、
ガイド軸20と軸受孔24、24との間に侵入したゴミ
等も、図中に斜線で示す溝部24b、24b、…である
第2の接触面23b、23b、…とガイド軸20の外周
面との間の部分に逃げるようになって、レンズ移動枠1
0の摺動性を損なう等の悪影響を避けることも可能とな
る。
【0053】尚、各変形例を含む実施の形態において、
レンズ保持枠10の移動に伴う精度を保証する為に、ガ
イド軸と軸受孔とが所定のクリアランスを有する部分で
ある、精度を保証するために数μのクリアランスを有す
る第1の接触面は、ガイド軸との位置関係において、少
なくとも一部が、2つのガイド軸を結んだ直線上に存在
するようにすることが望ましい。
【0054】また、単に、摺動抵抗及び摺動粘性抵抗を
低減するためだけであれば、ガイド軸を可能な限り細く
すること、即ち、ガイド軸と軸受孔との接触面積を減ら
すことが考えられるが、徒にガイド軸を細くすること
は、光学系の光学性能に悪影響を与えることがあるため
に好ましくない。
【0055】上記実施の形態において説明したように本
発明は、2本のガイド軸によって支持されたレンズ保持
枠に保持されると共に、リニアモータで駆動されて光軸
方向に移動するようにされたフォーカスレンズにおい
て、ウォブリング時の動作特性を改善するするために為
された軸受構造であり、ガイド軸と該ガイド軸が挿通す
るレンズ保持枠の軸受孔との嵌合関係において、フォー
カスレンズの移動精度を保証するために所定のクリアラ
ンスでガイド軸又は軸受孔と接する第1の接触面と、上
記所定のクリアランスよりも大きなクリアランスでガイ
ド軸又は軸受孔と接する第2の接触面とを設けて、ガイ
ド軸と軸受孔との接触抵抗を減らして、摺動抵抗及び摺
動粘性抵抗を低減するようにしたものである。
【0056】従って、摺動抵抗及び摺動粘性抵抗が低減
することによって、ウォブリング性能が向上すると共
に、ガイド軸と軸受孔との間に介在する潤滑剤による潤
滑性及び耐久性が向上させることが可能になる。
【0057】尚、前記実施の形態において示した各部の
具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに当
たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、こ
れらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈される
ことがあってはならないものである。
【0058】
【発明の効果】以上に記載したように本発明は、2本の
ガイド軸と、該ガイド軸に軸支されると共にリニアモー
ターによって駆動されて光軸方向に移動するフォーカス
レンズを有するレンズ鏡筒において、フォーカスレンズ
を保持するレンズ保持枠と少なくとも一方のガイド軸と
の軸受構造を、フォーカスレンズの移動精度を保証する
ために所定のクリアランスでガイド軸又は軸受孔と接す
るようにされた第1の接触面と該第1の接触面のクリア
ランスよりも大きなクリアランスでガイド軸又は軸受孔
と接する第2の接触面とによって構成したので、フォー
カスレンズの移動時の各種抵抗を低減することが可能に
なって、特に、ウォブリング動作を正確に行わせること
ができるようになる。
【0059】請求項2に記載した発明にあっては、フォ
ーカスレンズは1つのリニアモータによって駆動される
ので、部品点数及びコストの削減を、フォーカスレンズ
の移動特性に影響を与えることなく達成することができ
る。
【0060】請求項3に記載した発明にあっては、軸受
構造が、ガイド軸のフォーカスレンズの移動による摺動
範囲に形成された面取り部と軸受孔との嵌合関係によっ
て画成される第1の接触面と第2の接触面であるので、
フォーカスレンズの移動時の各種抵抗を低減することが
可能になって、特に、ウォブリング動作を正確に行わせ
ることができるようになる。
【0061】請求項4に記載した発明にあっては、軸受
構造が、開口形状が正8角形にされた軸受孔とガイド軸
との嵌合関係によって画成される第1の接触面と第2の
接触面であるので、フォーカスレンズの移動時の各種抵
抗を大幅に低減することが可能になって、特に、ウォブ
リング動作を正確に行わせることができるようになる。
【0062】請求項5に記載した発明にあっては、軸受
構造が、内面に複数の溝部が形成された軸受孔とガイド
軸との嵌合関係によって画成される第1の接触面と第2
の接触面であるので、フォーカスレンズの移動時の各種
抵抗を低減することが可能になって、特に、ウォブリン
グ動作を正確に行わせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図8と共に本発明レンズ鏡筒の実施の
形態を示すものであり、本図はレンズ鏡筒全体の構造を
示す分解斜視図である。
【図2】レンズ鏡筒の垂直断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】フォーカスレンズ及びその駆動機構を示す斜視
図である。
【図5】一方のガイド軸の側面図である。
【図6】軸受構造を概略的に示す図である。
【図7】軸受構造の変形例を概略的に示す図である。
【図8】軸受構造の別の変形例を概略的に示す図であ
る。
【図9】従来のフォーカスレンズの軸支構造を示すもの
であり、本図は斜視図である。
【図10】正面図である。
【符号の説明】
1…レンズ鏡筒、7…フォーカスレンズ、10…レンズ
保持枠、10c…軸受孔、11…ガイド軸、12…ガイ
ド軸、12b…面取り部、17…軸受構造、17a…第
1の接触面、17b…第2の接触面、18…リニアモー
タ、20…軸受構造、20a…第1の接触面、20b…
第2の接触面、21…ガイド軸、22…軸受孔、23…
軸受構造、23a…第1の接触面、23b…第2の接触
面、24…軸受孔、24b…溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大嶋 英司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H044 BD11 BD14 BE02 BE08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本のガイド軸と、該ガイド軸に軸支さ
    れると共にリニアモーターによって駆動されて光軸方向
    に移動するフォーカスレンズを有するレンズ鏡筒におい
    て、 上記フォーカスレンズを保持するレンズ保持枠と少なく
    とも一方のガイド軸との軸受構造が、フォーカスレンズ
    の移動精度を保証するために所定のクリアランスでガイ
    ド軸又は軸受孔と接するようにされた第1の接触面と該
    第1の接触面のクリアランスよりも大きなクリアランス
    でガイド軸又は軸受孔と接する第2の接触面とによって
    構成されていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 フォーカスレンズは1つのリニアモータ
    によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載の
    レンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 軸受構造が、ガイド軸のフォーカスレン
    ズの移動による摺動範囲に形成された面取り部と軸受孔
    との嵌合関係によって画成される第1の接触面と第2の
    接触面であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ
    鏡筒。
  4. 【請求項4】 軸受構造が、開口形状が正8角形にされ
    た軸受孔とガイド軸との嵌合関係によって画成される第
    1の接触面と第2の接触面であることを特徴とする請求
    項1に記載のレンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】 軸受構造が、内面に複数の溝部が形成さ
    れた軸受孔とガイド軸との嵌合関係によって画成される
    第1の接触面と第2の接触面であることを特徴とする請
    求項1に記載のレンズ鏡筒。
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