JP2003005007A - レンズ鏡筒を備えた装置 - Google Patents

レンズ鏡筒を備えた装置

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JP2003005007A
JP2003005007A JP2001187981A JP2001187981A JP2003005007A JP 2003005007 A JP2003005007 A JP 2003005007A JP 2001187981 A JP2001187981 A JP 2001187981A JP 2001187981 A JP2001187981 A JP 2001187981A JP 2003005007 A JP2003005007 A JP 2003005007A
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lens barrel
lens
group
barrel
sliding
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Takashi Terai
孝志 寺井
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ鏡筒の組立時等における機械的な歪み
の影響に起因する、各レンズ(群)間の相対的な位置ズ
レを抑えることで、結像性能の低下を防止する。 【解決手段】 前鏡筒2と後部鏡筒4の間に設けられる
中間鏡筒3において、その内部にIII群G3を固定す
るとともに、可動群であるII群G2、IV群G4を光
軸方向に沿って移動させるための摺動軸5、6を配置す
る。そして、各摺動軸の一端を前鏡筒2に圧入し、各摺
動軸の一部を、中間鏡筒3の支持壁3sに形成された支
持孔10に圧入することによって、それぞれ支持する。
尚、各摺動軸の他端部については、後部鏡筒4によって
支持しない。組立て時に、前鏡筒2と中間鏡筒3との締
結面において位置ズレが生じた場合でも、レンズ鏡筒内
の固定レンズ(群)や可動レンズ(群)の相対的な位置
関係が大きくずれることなく、ほぼ同軸上に配置される
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動レンズを含む
レンズ鏡筒を備えた装置(撮像装置等)において、レン
ズ及び摺動軸の支持構造に工夫を凝らすことでレンズ鏡
筒の組立におけるレンズ群間の相対的な位置ズレを最小
限に抑えるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図5及び図6は、撮像装置におけるレン
ズ鏡筒(あるいはレンズ鏡胴)の構成例を示したもので
あり、カメラレコーダー等に用いられる、4群ズームレ
ンズの構造例を示したものである。尚、光学系を構成す
るレンズ群については、I群「G1」及びIII群「G
3」が固定群とされ、II群「G2」及びIV群「G
4」が可動群とされているので、当該可動群について光
軸方向に沿う移動制御をそれぞれ行うことでズーミング
やフォーカシングの動作が行われる。
【0003】図5に示す構成例EX1と、図6に示す構
成例EX2について、両者に共通する事項をまとめて列
挙すると、下記のようになる(尚、以下では、I群側を
前方、IV群側を後方と定義する。)。
【0004】・レンズ鏡筒aが、前鏡筒bと後部鏡筒
d、そして両者の間に位置する中間鏡筒cから構成され
ていること。
【0005】・I群G1については前鏡筒b内に保持さ
れ、III群G3については中間鏡筒cの隔壁c3に保
持されることで、各レンズ群が固定されていること。
【0006】・II群G2、IV群G4については、そ
れぞれ保持枠e、fが、2系統の摺動軸g、hに沿って
光軸方向に駆動される構造をもっていること。
【0007】尚、鏡筒内に配置された摺動軸(あるいは
摺動支持軸)g(又はg1、g2)、h(又はh1、h
2)は、光軸方向に沿って互いに平行な位置関係をもっ
て延びており、軸g(又はg1、g2)がII群、IV
群を移動させるための主摺動軸であり、軸h(又はh
1、h2)が副摺動軸(あるいはガイド軸)である。つ
まり、II群G2の保持枠eと一体に形成されたスリー
ブi2と、IV群G4の保持枠fと一体に形成されたス
リーブi4に対して、主摺動軸が貫通した状態になって
おり、図示しない駆動源(ボイスコイルモータ等)によ
ってこれらのスリーブが光軸方向(図の「L−L」軸)
に摺動される。また、各保持枠のうち、スリーブとは反
対側の部分j2、j4にはU字溝がそれぞれ形成されて
おり、これらが副摺動軸に嵌合(あるいは係合)された
状態で保持枠の移動に従動することで各レンズ群の姿勢
が保たれる(傾かない)ように構成されている。
【0008】構成例EX1とEX2との相違点について
は、摺動軸の構成及び支持構造にあり、その要点を列記
すると下記のようになる。
【0009】・構成例EX1では、摺動軸g、hがそれ
ぞれ1本ずつで構成されているのに対して、構成例EX
2では、各摺動軸が中間鏡筒cの隔壁により分断されて
それぞれ2本ずつの構成となっていること。つまり、後
者では、主摺動軸が2本の軸g1及びg2からなり、副
摺動軸hが2本の軸h1、h2からなっており、軸g1
と軸h1が中間鏡筒cの隔壁c3で仕切られた前側の空
間に配置され、軸g2と軸h2が当該隔壁より後側の空
間に配置されていること。
【0010】・構成例EX1では、各摺動軸の両端部が
それぞれ鏡筒(前鏡筒b及び後部鏡筒d)の支持穴(凹
部)に圧入されており、当該摺動軸の中間部分が、隔壁
c3に形成された孔に遊挿されているのに対して、構成
例EX2では、全軸g1、g2、h1、h2について、
それぞれの端部が鏡筒(前鏡筒b、後部鏡筒d、隔壁c
3)の支持穴(凹部)に圧入されていること。
【0011】つまり、構成例EX1では、摺動軸g、h
の前端が前鏡筒bに形成された支持穴k、kにそれぞれ
圧入されるとともに、摺動軸g、hの中間部分について
は、隔壁c3に形成された孔l、lにそれぞれ挿通され
ており(軸との間に隙間をもっている)、各軸の後端
は、後部鏡筒dに形成された支持穴m、mにそれぞれ圧
入されている。これに対して、構成例EX2では摺動軸
g1、h1の前端が前鏡筒bに形成された支持穴k、k
にそれぞれ圧入されるとともに、各軸の後端は隔壁c3
の前面に形成された支持穴n、nにそれぞれ圧入されて
いる。そして、摺動軸g2、h2については、それらの
前端が隔壁c3の後面に形成された支持穴o、oにそれ
ぞれ圧入されるとともに、各軸の後端が後部鏡筒dに形
成された孔m、mにそれぞれ圧入されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の構成にあっては、各レンズ群の間の相対的な位置関
係(同軸度や軸心倒れ、面間隔等)について精度が悪化
したり、保証されくなった場合に、結像性能への影響が
大きくなってしまうという問題がある。
【0013】尚、レンズ系に係る完成品の精度について
は、構成部品そのものの精度と、組立時の歪み(ネジ締
結時の応力等に起因する。)によって左右されるが、一
般に後者の影響が大きい場合が多く、かつバラツキの程
度が大きいため、結像性能の低下を招かないようにする
には、部品の組み立てに関して高い精度が要求される。
【0014】図7及び図8は、図5や図6に示したレン
ズ鏡筒の構成において、前鏡筒bと中間鏡筒cとの締結
面(連結面)及び中間鏡筒cと後部鏡筒dとの締結面に
おいて組立の歪みや精度不足等によって位置ズレが発生
した場合の状況について説明するためのものであり、こ
れらの図において上方に示す図は、上記締結面での位置
ズレにより引き起こされる各摺動軸の傾き状態を誇張し
て示した図であり、その下方に示す図は、摺動軸の傾き
に起因する、各レンズ群への影響を模式的に示したもの
である(I群の光軸を基準として示す。)。
【0015】図7は構成例EX1において、前鏡筒bが
中間鏡筒cに対して矢印Fに示す方向(光軸に直交する
方向)にずれた状況を示している。この場合には、摺動
軸g、hの前端が圧入されている前鏡筒bが矢印Fの方
向にずれて、各摺動軸が図の左上がりに傾いた状態、つ
まり、各摺動軸の後端(「C」部)を基準として、各軸
の中間部(孔l、lに遊挿された「B」部)が矢印Fの
方向にやや変位し、各軸の前端(「A」部)が矢印Fの
方向の最も変位した状態となる。
【0016】その結果、下図に示すように、I群とII
I群との間の相対的な位置関係においては、矢印F方向
におけるオフセット変位(あるいはシフト成分)「D」
が発生する。これは、III群が中間鏡筒cの隔壁c3
に取り付けられた固定群であることから明らかである。
【0017】また、I群と、II群及びIV群との間の
相対的な位置関係においては、「θ」で示す角度ずれ
(チルト成分)が発生する。即ち、摺動軸g、hが傾い
た場合には、これに乗ったII群及びIV群が同じ角度
ずれをもつのに対して、I群については矢印F方向にた
だずれるのみで角度ずれは起きないからである。
【0018】図8は構成例EX2において、前鏡筒b及
び後部鏡筒dが中間鏡筒cに対してそれぞれ矢印F、B
に示す方向(光軸に直交する方向)にずれた状況を示し
ている。この場合には、摺動軸g1、h1について、そ
れらの前端が圧入されている前鏡筒bが矢印Fの方向に
ずれて、各摺動軸が図の左上がりに傾いた状態となり、
また、摺動軸g2、h2については、それらの後端が圧
入されている後部鏡筒dが矢印Bの方向にずれて、各摺
動軸が図の右上がりに傾いた状態となる。つまり、各摺
動軸のうち隔壁c3の支持穴に圧入された部分(軸g
1、h1についてはそれらの後端、軸g2、h2につい
てはそれらの前端であり、「B」部参照。)を基準とし
て、軸g1、h1の前端(「A」部)が矢印F方向に変
位し、軸g2、h2の後端(「C」部)が矢印B方向の
変位した状態となる。
【0019】その結果、下図に示すように、I群とII
I群との間の相対的な位置関係においては、オフセット
変位「D」が発生するとともに、I群とII群との間の
相対的な位置関係においては、「θ1」で示す角度ずれ
が発生し、III群とIV群との間の相対的な位置関係
においては、「θ2」で示す角度ずれが発生する(軸g
2、h2の傾きにより、これらに乗ったIV群が、II
I群に対して角度ずれをもつため。)。
【0020】以上のような、摺動軸の支持構造をもった
レンズ鏡筒では、当該鏡筒の構成部品同士の締結面にお
ける位置ズレが、各レンズ群間の同軸度を劣化させるこ
とが分かる。即ち、本来は同軸上にあるべき各レンズ群
が、上記の位置ズレによって、同軸上に乗らなくなって
しまう(図7では、I群、II群、IV群を通る軸に対
して、III群がずれてしまい、また、図8では、I
群、II群、III群を通る軸に対して、IV群がずれ
てしまう。)結果、結像性能も同時に低下するという不
都合が生じる。
【0021】そこで、本発明は、レンズ鏡筒の組立時等
における機械的な歪みの影響に起因する、各レンズ
(群)間の相対的な位置ズレを抑えることで、結像性能
の低下を防止することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために、下記に示す構成を備えたものであ
る。
【0023】・前鏡筒にレンズ又はレンズ群が固定して
保持されること。
【0024】・中間鏡筒には、その内部にレンズ又はレ
ンズ群が固定されるとともに、可動レンズ又は可動レン
ズ群を光軸方向に沿って移動させるための複数の摺動軸
が配置されていること。
【0025】・摺動軸の一端部が前鏡筒に圧入されて支
持されるとともに、当該摺動軸の一部が中間鏡筒内の支
持部に圧入されて支持されていること及び当該摺動軸の
他端部が後部鏡筒により支持されていないこと。
【0026】従って、本発明によれば、レンズ鏡筒を構
成する前鏡筒と中間鏡筒との締結面において位置ズレが
生じた場合でも、各摺動軸が中間鏡筒内の支持部に圧入
された部分を中心として傾くことにより、前鏡筒及び中
間鏡筒内の固定レンズ(又はレンズ群)と、中間鏡筒内
の可動レンズ(又はレンズ群)について、理想的な同軸
上の配置から大きく外れない配置を採ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、撮像装置等、レンズ鏡
筒を備えた装置(光学装置)に関するものであり、例え
ば、固体撮像素子を用いたカメラに適用することができ
るが、これに限らず、フィルム式カメラ等に幅広く適用
できる。
【0028】尚、本発明では、レンズ鏡筒が下記の要素
から構成されることを前提とする。
【0029】・前鏡筒(あるいは固定枠) ・中間鏡筒 ・後部鏡筒。
【0030】中間鏡筒については前鏡筒と後部鏡筒との
間に位置されるとともに、その内部にレンズ又はレンズ
群が固定される構成を有しており、当該鏡筒内部に、可
動レンズ又は可動レンズ群を光軸方向に沿って移動させ
るための複数の摺動軸(スライド用支軸)が配置され
る。
【0031】図1は、本発明に係る構成例を示したもの
であり、カメラレコーダー等の撮像装置への適用を考慮
した4群(I乃至IV群)構成となっている。尚、図に
は、装置1のうち結像系を構成するレンズ鏡筒の部分だ
けを示しており、撮像デバイスやその他の光学部品等は
省略している。
【0032】レンズ鏡筒の構成部品については合成樹脂
材料等で形成されており、第1レンズ群(I群)「G
1」を保持する前鏡筒2、第2レンズ群(II群)「G
2」、第3レンズ群(III群)「G3」、第4レンズ
群(IV群)「G4」を収容する中間鏡筒3、そして後
部鏡筒4とから構成されている。つまり、前鏡筒2は全
4群のうち、I群を固定して保持するものであり、ま
た、当該前鏡筒2と後部鏡筒4との間に位置された中間
鏡筒3は、III群を固定するための支持壁3sをもっ
ている(本例において支持壁3sは中間鏡筒3の隔壁と
して形成されている。)。そして、レンズ鏡筒の内部に
は、可動(レンズ)群であるII群及びIV群を光軸方
向(図の「L−L」線参照)に沿って移動させるために
一対の摺動軸5、6が配置されている。
【0033】尚、本例では、I群G1、II群G2につ
いて3枚のレンズで構成され、III群G3が1枚(よ
って、厳密には「レンズ群」ではなく、「第3レンズ」
である。)、IV群G4が2枚のレンズでそれぞれ構成
されているが、レンズ構成や枚数等の如何には関係なく
本発明を広く適用できることは勿論であり、例えば、図
2に示す装置1Aの構成では、III群G3が3枚のレ
ンズ構成とされている(それ以外の構成は図1の例と同
じである。)。
【0034】また、後部鏡筒4には、既知のように、固
体撮像素子(CCD型、MOS型、CMOS型のイメー
ジセンサー等)や光学部品(赤外線カットフィルタ等)
の取付部が設けられるが、それら既知の部品については
説明及び図示を省略する。
【0035】II群G2、IV群G4については、それ
ぞれの保持枠7、8が摺動軸5、6に沿って光軸方向に
駆動される。つまり、レンズ鏡筒内に配置された摺動軸
5、6は、光軸方向に沿って互いに平行な位置関係をも
って延びており、II群及びIV群を移動させるため軸
5が主摺動軸であり、軸6が副摺動軸である。
【0036】各保持枠7、8に対してそれぞれ一体に形
成されたスリーブ7a、8aが摺動軸5に沿ってレンズ
鏡筒の前後方向にそれぞれ摺動されるようになってお
り、これによりズーミング動作やフォーカシング動作が
行われる(II群がズーミング用、IV群がフォーカス
調整用とされる)。
【0037】即ち、II群G2の保持枠7については、
前鏡筒2と、中間鏡筒3の支持壁(あるいは隔壁)3s
との間に形成される空間に配置されていて、そのスリー
ブ7aに摺動軸5(の前半部分)が貫通した状態で支持
されている。また、IV群G4の保持枠8については、
中間鏡筒3の支持壁3sと後部鏡筒4との間に形成され
る空間に配置されていて、そのスリーブ8aに対して摺
動軸5(の後半部分)が貫通した状態で支持されてい
る。尚、図示しない駆動源によってこれらのスリーブが
摺動されることは周知の通りである。
【0038】各保持枠のうち、それぞれのスリーブが形
成された方とは反対側から連続して延びる部分7b、8
bには、摺動軸6に対するU字溝がそれぞれ形成されて
いる。つまり、これらの部分は、摺動軸6に係合される
被ガイド部として機能し、各部のU字溝が摺動軸6に係
合された状態でそれぞれの保持枠の移動に従動すること
で各レンズ群の姿勢が保たれる。
【0039】摺動軸5、6の支持については、それらの
一端部が前鏡筒2に圧入されて支持されるとともに、各
摺動軸の一部が中間鏡筒3内の支持部(本例では、支持
壁3s)に圧入されて支持されており、かつ各摺動軸の
他端部については後部鏡筒4により何ら支持されていな
い。
【0040】図示の例では、摺動軸5、6の一端部(前
端部)が前鏡筒2に形成された支持穴9、9にそれぞれ
圧入されるという点で(図の「A」部参照。)、図5や
図6の構成例と変わりないが、各摺動軸の一部が中間鏡
筒3の支持壁3sに形成された支持孔10、10に圧入
されている点で相違する。即ち、摺動軸の前端をI群固
定枠である前鏡筒2に対して圧入固定するとともに、摺
動軸の中間部分を支持壁3sの支持孔10に圧入するこ
とで(図の「B」部参照。)、各軸の姿勢を固定してい
る。尚、各摺動軸の他端部(後端部)については、従来
のように後部鏡筒4の支持穴に圧入するのではなく、後
部鏡筒4と軸端との間に僅かな間隙を形成している(図
の「C」部参照。)。つまり、各軸が抜け落ちないよ
う、スラスト方向のみを規制すれば良く、また、摺動軸
が傾いたときに軸が後部鏡筒に接触しない(つまり、組
立時の歪みを発生させない)ように配慮している。そし
て、支持孔10、10については、図示のように、R面
(丸面取り)をつけることで断面形状が円弧状をなして
いるので、摺動軸が傾斜する際にストレスが少なく軸の
変形が起き難くなっており、また、これと同等の効果
は、支持孔10の断面形状を台形状にしてその先端部
(摺動軸との当接部分)の幅を狭くするようにした形態
でも得ることができる(鏡筒が樹脂成形されることか
ら、モールド金型で寸法を追い込んで精度を出すのが容
易な点で有利である。)。
【0041】尚、本例では、中間鏡筒3の支持壁3sに
レンズ群(III群)を固定して支持するとともに、当
該支持壁3sに摺動軸5、6の一部を圧入して支持する
構造を採用しているが、レンズ群と摺動軸を支持する部
材をそれぞれ別個に設けても構わない。但し、構成の簡
単化や、レンズ(この場合には、III群)の近傍で各
摺動軸を支持することが精度上好ましいこと及びレンズ
と摺動軸との相対位置を正確に決めることが必要である
といった観点からすると、中間鏡筒内においてレンズ及
び摺動軸を同じ部材で支持する構成が望ましい。即ち、
中間鏡筒3の支持壁3sにレンズ又はレンズ群を固定し
て保持するとともに、その部分からあまり離れていない
近傍位置に支持孔等を形成し、これに摺動軸の一部を圧
入して支持する構成を採用すれば良い。
【0042】上記した構成のレンズ鏡筒を組み立てる場
合に、各摺動軸が互いに平行であって、かつ両者が光軸
に対して平行であるという調整状態が常に保証されるな
らば、各摺動軸の前端(「A」部)と中間部(支持孔1
0、10に挿通された「B」部)との間でII群を移動
させたり、各摺動軸の中間部(「B」部)と後端部
(「C」部)との間でIV群を移動させることに関して
何ら問題はない。
【0043】しかしながら、現実には前記したように、
組立時の歪み等により各レンズ群の相対的な位置関係に
ずれが生じるという問題や、必要な精度が達成されない
という状況が起こる。そのため、高い組立精度を得るに
は、例えば、前鏡筒と中間鏡筒との締結面において両者
を相対的にずらす操作(微小なスライド操作)を行うこ
とにより、各レンズ群が同軸上に配置されるように調整
を行う必要がある。
【0044】図3は、前鏡筒2と中間鏡筒3との締結面
(例えば、ネジ締結による3点支持の構造をもって両者
が結合される。)において組立上の位置ズレが発生した
場合の状況について説明するためのものであり、上方に
示す図は、位置ズレにより引き起こされる各摺動軸の傾
き状態を誇張して示した図であり、その下方に示す図
は、摺動軸の傾きに起因する、各レンズ群への影響を模
式的に示したものである(I群の光軸を基準として示
す。)。尚、図中の「L−L」線が位置ズレ以前の光軸
を示し、「Ki」(i=1、2、4)は、第i群に生じ
るズレ(シフト)又は傾き(チルト)を誇張的に示すこ
とで見易くしたものである(実際のズレ等が目視できる
ものでないことを考慮した。)。
【0045】図には、前鏡筒2が中間鏡筒3に対して矢
印Fに示す方向(光軸に直交する方向)にずれた状況を
示しており、摺動軸5、6の前端が圧入されている前鏡
筒2が矢印Fの方向にずれて、各摺動軸が図の左上がり
に傾いた状態、つまり、各摺動軸の後端(「C」部)を
基準として、各軸の中間部(「B」部)が矢印Fの方向
にやや変位し、各軸の前端(「A」部)が矢印Fの方向
の最も変位した状態となっている。
【0046】その結果、下図に示すように、I群とII
I群との間の相対的な位置関係においては、図7の例と
同様に、矢印F方向におけるオフセット変位「D」が発
生する。
【0047】また、I群と、II群及びIV群との間の
相対的な位置関係においては、「θ」に示す角度ずれが
発生する。
【0048】しかしながら、各レンズ群については、一
点鎖線の直線「Ln」で示す同軸上にほぼ配置される。
これは、摺動軸が傾いた場合に、II群、IV群の姿勢
が傾くが、I群とIII群とのオフセット変位「D」の
間にII群が収まり、II群を通る直線「Ln」上にI
V群がくることに依る。従って、前鏡筒2と中間鏡筒3
との締結面における位置ズレによって、レンズ群全体の
姿勢精度には影響が殆ど及ばない(締結面の位置ズレ量
に応じて直線「Ln」の傾き角度θは変化するが、I乃
至IV群の相対的な位置ズレについては大きな影響が出
ない。)ことが分かる。
【0049】尚、上記した図1乃至図3に示した構成例
では、同じ摺動軸5に対して、II群、IV群のそれぞ
れのスリーブ7a、8aが取り付けられているが、この
ような構成に限らず、例えば、図4に示すように、II
群のスリーブ7aを摺動軸5に取り付け、かつその被ガ
イド部7bを摺動軸6に係合させるとともに、IV群の
スリーブ8aを摺動軸6に取り付け、かつその被ガイド
部8bを摺動軸5に係合させた構成、あるいは当該構成
について摺動軸の主軸、副軸の関係を逆転させた構成
(II群のスリーブ7aを摺動軸6に取り付け、かつそ
の被ガイド部7bを摺動軸5に係合させるとともに、I
V群のスリーブ8aを摺動軸5に取り付け、かつその被
ガイド部8bを摺動軸6に係合させる。)等、各種の実
施形態が可能である。
【0050】しかして、上記した構成によれば、下記に
示す利点が得られる。
【0051】(1)レンズ鏡筒を構成する前鏡筒と中間
鏡筒との締結面に組立上のズレが生じたとしても、各レ
ンズ群の姿勢精度には顕著な影響が及ばないので、従来
の鏡筒構造に比べて組立ての精度を厳しくすべき個所が
少ない。
【0052】(2)前鏡筒と中間鏡筒との締結面におい
て組立て上のズレが発生した場合であっても、各レンズ
群の配置が、図3に示すように、ほぼ一直線上にあり、
従来の鏡筒構造に比べて同軸度の低下が少ない。よっ
て、従来と同等の組立て精度を仮定した場合には、これ
までよりも結像性能の低下を少なく抑えることができ
る。
【0053】(3)前記したように、レンズの姿勢精度
は、鏡筒組立て時の歪みに影響され易いが、本発明で
は、前鏡筒と中間鏡筒との締結の精度のみに依存すると
ともに、図3に示すように締結面での位置ズレが起きた
場合であっても各レンズ群についての同軸配置が殆ど崩
れない。よって、このことを積極的に利用すれば、各群
について同軸上の配置を保ったままで光軸調整を行うこ
とが可能である。つまり、両鏡筒の締結面において両者
を相対的なスライドさせても、図7や図8のようにレン
ズ群間の同軸度が悪化しないので、当該スライド操作に
より、レンズ群の配置精度について容易に微調整を行え
る。尚、そのための調整機構をレンズ鏡筒に付設してお
き、調整後に本固定により両鏡筒を締結する形態と、当
該調整機構をレンズ鏡筒とは別個に用意しておき、両鏡
筒を仮固定の状態で調整した後に両鏡筒を締結する形態
が挙げられる。
【0054】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、前鏡筒と中間鏡筒と
の締結面に位置ズレが生じても、各摺動軸が中間鏡筒内
の支持部に圧入された部分を中心として傾くことによ
り、前鏡筒及び中間鏡筒内の各固定レンズ(又はレンズ
群)と、中間鏡筒内の可動レンズ(又はレンズ群)につ
いて、理想的な同軸配置から大きく外れない配置を採る
ことができる。これによって、レンズ鏡筒の組立時等に
おける機械的な歪みの影響によって各レンズ(群)間の
相対的な位置ズレ等が発生するのを最小限に抑え、結像
性能の劣化を防止することができる。
【0055】請求項2に係る発明によれば、中間鏡筒内
におけるレンズの支持壁に対して摺動軸の一部を圧入し
てこれを支持する構造を用いることで構成の簡単化を図
るとともに、レンズ鏡筒の組立上の歪みに起因して、各
レンズが同軸配置から極力ずれないようにすることがで
きる。
【0056】請求項3に係る発明によれば、中間鏡筒の
支持壁のうち、固定レンズ(あるいはレンズ群)の固定
場所に極力近い位置で各摺動軸の一部を圧入して支持す
ることにより、当該レンズの近傍で摺動軸の姿勢が規定
されるようになり、前鏡筒と中間鏡筒との締結面におけ
る位置ズレの影響によって同軸度が大きく劣化しない
(各レンズをほぼ同軸配置の状態に保つことができ
る。)。
【0057】請求項4や請求項5に係る発明によれば、
4群構成の結像レンズ系を採用した装置への適用におい
て、レンズ鏡筒の組立上の歪みに起因する結像性能の劣
化を抑え、これまでよりも高い品質を保証することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の構成例を示す断面図であ
る。
【図2】図1とは別の構成例を示す断面図である。
【図3】図1の構成例について、鏡筒組立の歪み等によ
って影響を受ける各レンズ群の位置関係とズレの傾向を
示す説明図である。
【図4】本発明の変形例を示す断面図である。
【図5】従来の構成例を示す断面図である。
【図6】図5とは別の従来例を示す断面図である。
【図7】図8とともに、従来の問題点について説明する
ための図であり、本図は図5の構成例について、鏡筒組
立の歪み等によって影響を受ける各レンズ群の位置関係
とズレの傾向を示す説明図である。
【図8】図6の構成例について、鏡筒組立の歪み等によ
って影響を受ける各レンズ群の位置関係とズレの傾向を
示す説明図である。
【符号の説明】
1…装置、2…前鏡筒、3…中間鏡筒、3s…支持壁、
4…後部鏡筒、5、6…摺動軸、10…支持孔、G1…
第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ
(群)、G4…第4レンズ群

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ又はレンズ群を固定して保持する
    ための前鏡筒と、当該前鏡筒と後部鏡筒との間に位置さ
    れるとともに、その内部にレンズ又はレンズ群が固定さ
    れる中間鏡筒とを備えており、鏡筒内部には可動レンズ
    又は可動レンズ群を光軸方向に沿って移動させるための
    複数の摺動軸が配置された構成を有する、レンズ鏡筒を
    備えた装置において、 上記摺動軸の一端部が上記前鏡筒に圧入されて支持され
    るとともに、当該摺動軸の一部が上記中間鏡筒内の支持
    部に圧入されて支持されており、かつ当該摺動軸の他端
    部が上記後部鏡筒により支持されていないことを特徴と
    するレンズ鏡筒を備えた装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレンズ鏡筒を備えた装
    置において、 中間鏡筒内の支持壁にレンズ又はレンズ群が固定されて
    支持されるとともに、当該支持壁に摺動軸の一部が圧入
    されて支持されることを特徴とするレンズ鏡筒を備えた
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のレンズ鏡筒を備えた装
    置において、 中間鏡筒の支持壁のうち、レンズ又はレンズ群を固定し
    た部分の近傍位置にそれぞれ形成された支持孔に各摺動
    軸の一部が圧入されていることを特徴とするレンズ鏡筒
    を備えた装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のレンズ鏡筒を備えた装
    置において、 前鏡筒に固定された第1レンズ群と中間鏡筒内に固定さ
    れた第3レンズ群、そして、中間鏡筒内に配置された可
    動群である第2レンズ群及び第4レンズ群とによって結
    像レンズ系が構成されることを特徴とするレンズ鏡筒を
    備えた装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のレンズ鏡筒を備えた装
    置において、 前鏡筒に固定された第1レンズ群と中間鏡筒の支持壁に
    固定された第3レンズ群、そして、中間鏡筒内に配置さ
    れた可動群である第2レンズ群及び第4レンズ群とによ
    って結像レンズ系が構成されることを特徴とするレンズ
    鏡筒を備えた装置。
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