JP5668585B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノートパソコンといった幅広い分野で用いられている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極と負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をLiイオンが移動することによって動作する。
二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。そのなかでも、電子の受け渡しに直接寄与して活物質として作用する活物質材料の研究開発が活発に行われている。
たとえば、負極活物質として、珪素(Si)またはSiを含む珪素系材料が、これまでに検討されている。たとえば、珪素や酸化珪素などの珪素系材料は、リチウムの吸蔵および放出が可能であり、炭素系材料よりも容量が大きいため実用化が期待されている。本来、珪素系材料はリチウムを含まないため、リチウムを十分に含まない正極活物質と組み合わせての使用は困難である。しかし、近年、珪素系材料に予めリチウムを吸蔵(プレドープ)させることで、珪素系材料の負極活物質としての適用の幅が広がりつつある。
また、現在実用化されているリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物が用いられている。このような正極活物質には、リチウムの他、コバルトやニッケルなどの希少資源を用いるものが多い。また、負極活物質として珪素系材料を含む負極を使用した場合、コバルト酸リチウムで180mAh/g程度の容量しか得られない。そこで、資源的に豊富で安価な材料を用いた正極活物質として、硫黄(S)を含む正極活物質の実用化が検討されている。硫黄の理論容量は、コバルト酸リチウムを遙かに凌ぐ。現在、−CS−CS−結合または−S−S−結合をもつ硫黄系ポリマー材料の他、硫黄とポリアクリロニトリルとを反応させた硫黄変性ポリアクリロニトリル(特許文献1および特許文献2参照)などの硫黄を含有する有機化合物(硫黄含有有機化合物)が、正極活物質として提案されている。
国際公開第2010−044437号パンフレット 特開2010−153296号公報
しかし、上記特許文献に開示されている硫黄変性ポリアクリロニトリル等の硫黄含有有機化合物は、汎用材料よりも高容量であるが、作動電圧が低い。また、硫黄含有有機化合物は元々リチウムを含まないため、負極活物質として珪素系材料を使用する場合には、珪素系材料に対してプレドープが必要となる。一方、リチウム遷移金属酸化物は、作動電圧は高いが、負極活物質として珪素系材料を使用する場合に十分な容量が得られていないのが実状である。
本発明は、上記の問題点に鑑み、異なる特性を示す正極活物質を組み合わせて用いることで、互いの性質をバランス良く補完することが可能なリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、硫黄を含む有機化合物の作動電圧および容量が、汎用の無機化合物と比較して低作動電圧で高容量であっても、硫黄を含む有機化合物と汎用の無機化合物とをエネルギー的にバランス良く組み合わせて使用できることに着目し、以下に述べるリチウムイオン二次電池を完成させるに至った。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池は、
硫黄を含む有機化合物およびリチウムを含む無機化合物を含む正極活物質を含有する正極と、
リチウムが予めドープされた珪素および/または珪素化合物からなる珪素系材料を含む負極活物質を含有する負極と、
非水電解質と、
を備え、4V以上および2V以下に作動電圧を有することを特徴とする。
本発明の第二のリチウムイオン二次電池は、硫黄を含む有機化合物およびリチウムを含む無機化合物を含む正極活物質を含有する正極と、
リチウムが予めドープされた珪素および/または珪素化合物からなる珪素系材料を含む負極活物質を含有する負極と、
非水電解質と、
を備え、電圧の低い領域で充放電した後に、さらに電圧の高い領域で充放電させて用いることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、
(1)正極活物質に含まれる硫黄を含む有機化合物の作動電圧が十分に低く、硫黄を含む有機化合物とリチウムを含む無機化合物とで作動電圧に差があること。さらには、
(2)硫黄を含む有機化合物の単位質量あたりの容量が非常に大きく、これに起因して硫黄を含む有機化合物とリチウムを含む無機化合物とのエネルギー密度の差が小さいこと。により、従来のリチウムイオン二次電池とは全く異なる効果を発現する。
具体的には、上記(1)から、本発明のリチウムイオン二次電池は、高い作動電圧でも低い作動電圧でも使用可能である。さらに、(2)から、たとえば作動電圧を低い領域で使用した後、高い領域に切り替えて使用しても、切り替えの前後でエネルギー容量の変化を容易に抑制することができる。図1に、リチウムを含む無機化合物としてLiMnO(作動電圧:約4.5V、理論容量:約300mAh/g)および硫黄を含む有機化合物として後述の硫黄変性ポリアクリロニトリル(作動電圧:約1.5V、理論容量:約1600mAh/g)のエネルギー密度を模式的に示す。なお、「硫黄を含む有機化合物」を「有機化合物」、「リチウムを含む無機化合物」を「無機化合物」と略記することもある。いずれも、対極としてSiOを含む負極を想定した値である。図1の斜線部の面積がエネルギー密度に相当する。無機化合物は高作動電圧で低容量、一方、有機化合物は低作動電圧で高容量、であるため、両者のエネルギー密度には大きな差は生じない。したがって、作動電圧が低い有機化合物と作動電圧が高い無機化合物とをバランスの良い質量比で配合することができる。このような正極活物質を含有する正極を備えるリチウムイオン二次電池は、たとえば一つのリチウムイオン二次電池において充放電の電圧を電圧の低い領域から高い領域に切り替えて使用しても、エネルギー容量にほとんど変化がないため、ほぼ一定の出力を保つことができる。
なお、「作動電圧」とは、リチウムイオン二次電池に負荷をかけた状態(実使用時)における両端子間の電圧であって、50%放電時の電圧である。また、エネルギー容量は、リチウムイオン二次電池から取り出せるエネルギー(単位:Wh)、エネルギー密度は、単位質量あたりのエネルギー容量(単位:Wh/g)であって、作動電圧と理論容量との積にほぼ等しい。なお、本明細書では、いずれの数値も、負極にSiOを用いた場合の値である。
また、正極活物質として硫黄を含む有機化合物を使用すると、硫黄を含む有機化合物にはリチウムが含まれないため、充放電に寄与するリチウム量を十分に確保することができない。そこで、リチウムが予めドープされた珪素系材料を含む負極活物質を含有する負極を使用する。珪素系材料に予めリチウムがドープされ、そのリチウムの少なくとも一部が充放電に寄与することで、有機化合物の使用により生じるリチウムの不足が補われる。特に、珪素酸化物は高容量であるため、有機化合物を含有する正極の対極に配合される活物質として好適である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、異なる電池特性を示す正極活物質を組み合わせて用いても、互いの特性をバランス良く補完することが可能である。本発明のリチウムイオン二次電池は、電圧の低い領域でも高い領域でも充放電可能であって、いずれの充放電においても出力をほぼ一定に保つことも容易である。
本発明のリチウムイオン二次電池に使用可能な正極活物質のエネルギー密度を模式的に示す。
以下に、本発明のリチウムイオン二次電池を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限aおよび上限bをその範囲に含む。また、その数値範囲内において、本明細書に記載した数値を任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。
<正極活物質>
正極は、硫黄を含む有機化合物およびリチウムを含む無機化合物を含む正極活物質を含有する。
すでに述べた通り、硫黄(S)は、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能である。非水電解質二次電池材料としては、非水電解液に可溶なSが非水電解液へ溶出するのを抑制するために、Sを含む有機化合物の形態としている。また、S単独では導電性が低いため、導電性を示す構造をもつ有機化合物の一部にSを存在させることで導電性を付与することも可能である。
Sが導入される有機化合物に特に限定はないが、(ポリ)アクリロニトリル等のニトリル類、ナフタレン、アントラセン等のアセン類、などが好ましく、ゴムやピッチ等であってもよい。これらの有機化合物の一部を硫黄に変性させた化合物を使用するとよい。これらの硫黄を含む有機化合物は、負極にSiOを用いた場合の作動電圧が2V以下さらに具体的には1.4〜1.6Vであり低いが、理論容量は1500〜2000mAh/gであり非常に高容量である。正極活物質は、これらの有機化合物のうちの一種あるいは二種以上を含むのが好ましいが、中でも、ポリアクリロニトリルの一部が硫黄に変性した硫黄変性ポリアクリロニトリルを含むとよい。特に、特許文献1および2に開示されている粉末状またはシート状の硫黄変性ポリアクリロニトリルは、負極にSiOを用いた場合の作動電圧が1.5V、理論容量が1600mAh/gであるため、正極活物質として望ましい。
リチウムを含む無機化合物は、リチウムを吸蔵および放出可能な無機化合物であれば特に限定はない。少なくともリチウムを含み、正極活物質に使用可能な既存の無機化合物を使用すればよい。こうした無機化合物は、リチウム(Li)含有遷移金属系酸化物が主流であって、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のような遷移金属元素を含む遷移金属系の複合酸化物の他、これらの遷移金属元素とともにアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)等を含んでもよい。また、Liと遷移金属元素のリン酸塩、ケイ酸塩なども使用可能である。
具体的に正極活物質は、無機化合物として、LiMnO(理論容量:250mAh/g)、LiMn1/3Co1/3Ni1/3(理論容量:180mAh/g)、LiMn(理論容量:100〜120mAh/g)、LiMPO(MはFe、Mn、NiまたはCo(理論容量:100〜120mAh/g))、LiNi1−ZCoZ1 Z2(MはAl、FeまたはMnであって、0.9≦X≦1.3、Z=Z1+Z2、0<Z≦0.5、0<Z1<0.5かつ0<Z2<0.5(理論容量:100〜120mAh/g))、LiY−Z3NiY−Z4 Z’(MはAl、Fe、Co、MnまたはMgであって、0.9≦Y≦1.3、Z’=Z3+Z4、MがAlまたはFeのとき0<Z’≦0.2、Z3=0かつZ4=Z’、MがCoまたはMnのとき0<Z’≦0.5、Z3=0かつZ4=Z’、MがMgのとき0<Z’≦0.2、0<Z3<0.2かつ0<Z4<0.2(理論容量:150mAh/g))、LiSiO(MはFeまたはMn(理論容量は160mAh/g))、LiCoO(理論容量:180mAh/g)、およびLiNiO(理論容量:180mAh/g)を基本組成とするリチウム含有複合酸化物のうちの少なくとも一種を含むのが好ましい。LiNi1−ZCoZ1 Z2の具体例としてLiNi0.8Co0.15Al0.05が挙げられる。これらの無機化合物は、負極にSiOを用いた場合の作動電圧が4V以上、理論容量が100〜250mAh/gであり、前述の硫黄を含む有機化合物と比べて、作動電圧は高く、理論容量は小さい。
なお、列挙した無機化合物は、上記組成を基本組成とすればよく、不可避的に生じる各元素の欠損により、上記組成式からわずかにずれた無機化合物であってもよいことは言うまでもない。また、上記の基本組成のうちの一部を意図的に他の元素で置換した無機化合物であってもよい。このような具体例として、LiNiOのNiの一部をAlで置換したLiNi3/4Al1/4などが挙げられる。
上記の有機化合物および上記の無機化合物を含む正極活物質を含有する正極を備える本発明のリチウムイオン二次電池は、4V以上および2V以下に作動電圧を有する。低電圧側と高電圧側とでバランス良く充放電を行うためには、正極活物質は、本発明のリチウムイオン二次電池における無機化合物のエネルギー容量(Wh)に対する有機化合物のエネルギー容量(Wh)の比が0.1以上さらには0.1以上2.0以下となる質量比に有機化合物および無機化合物が配合されているのが好ましい。なお、有機化合物は、高電圧側での使用により劣化することがあるため、有機化合物の劣化量を見込んで有機化合物が多めになるように配合するとよい。
<負極活物質>
負極は、リチウムを吸蔵および放出可能な珪素および/または珪素化合物からなる珪素系材料を含む負極活物質を含有する。本発明のリチウムイオン二次電池では、正極活物質にリチウムを含まない有機化合物を使用するため、有機化合物に含まれる硫黄が吸蔵するリチウム量を確保するために、珪素系材料に予めリチウムがドープ(プレドープ)されている必要がある。
珪素系材料は、SiO(0.5≦n≦1.5)等と表される珪素酸化物であるとよい。特に、一酸化珪素は、熱処理することで不均化反応を起こし、Si相とSiO相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。また、Si相を覆うSiO相が電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、SiとSiOとに分解されたSiOからなる負極活物質を用いた本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れる。SiOにリチウムをプレドープすると、リチウムはSi相と優先的に反応し、理論的には約4Ah/gまでリチウムをドープすることが可能である。
このとき、珪素系材料に予めドープされるリチウム量は、珪素系材料に対する質量比で1以上さらには1.3以上であるのが好ましい。なお、SiOの理論容量をCSiO、SiO量をMSiO、リチウムの理論容量をCLi、ドープされるリチウム量をMLiとしたとき、MLi/MSiO=CSiO/CLiの関係が成立する。CSiOが4Ah/g、CLiが3.86Ah/gであることから、MLi/MSiO=1.04となる。つまり、目安として、珪素系材料に対するリチウムの質量比が1.04を越えれば、珪素系材料の理論容量を越えるリチウムがプレドープされたことになる。珪素系材料の理論容量以上にリチウムがドープされていれば、硫黄を含む有機化合物が吸蔵および放出する分のリチウムを十分に確保できる。珪素系材料に予めドープされたリチウムの量は、発光分光分析(ICP)により得られるLiとSi(SiOと密度が同じである)との質量比から算出することが可能である。
プレドープは、対極に金属リチウムを用いる電気化学的手法が一般的である。また、珪素系材料は、その表面を炭素で被覆されていてもよい。炭素の皮膜は、導電助剤の役割を果たし、負極活物質の導電性が向上する。
<リチウムイオン二次電池>
リチウムイオン二次電池は、上記の正極活物質を含有する正極と、上記の負極活物質を含有する負極と、非水電解質と、で構成される。このリチウムイオン二次電池は、一般の二次電池と同様、正極と負極の間に挟装されるセパレータを含む。
正極は、上記の正極活物質と、正極活物質を結着する結着剤と、を含む。さらに、導電助剤を含んでもよい。結着剤および導電助剤に特に限定はなく、一般の非水電解質二次電池で使用可能なものであればよい。導電助剤は、電極の電気伝導性を確保するためのものであり、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、カーボンファイバなどの粉末状の炭素物質から選ばれる一種または二種以上を混合したものを用いることができる。結着剤は、正極活物質および導電助剤を繋ぎ止める役割を果たすもので、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂などを用いることができる。
正極に対向させる負極は、上記の負極活物質と、負極活物質を結着する結着剤と、を含む。さらに、導電助剤を含んでもよい。結着剤および導電助剤に特に限定はなく、一般の非水電解質二次電池で使用可能なものであればよい。導電助剤は、正極と同様に、炭素物質を用いることができる。結着剤は、正極同様、含フッ素樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
正極および負極は、少なくとも正極活物質または負極活物質が結着剤で結着されてなる活物質層が、集電体に付着してなるのが一般的である。そのため、正極および負極は、活物質および結着剤、必要に応じて導電助剤を含む電極合材層形成用組成物を調製し、さらに適当な溶剤を加えてペースト状にしてから集電体の表面に塗布後、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。この製造方法によれば、作製された電極は、シート状の電極となる。このシート状の電極は、作製する二次電池の仕様に応じた寸法に裁断して用いればよい。
集電体は、金属製のメッシュや金属箔を用いることができる。集電体としては、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、アルミニウム、銅などの金属材料または導電性樹脂からなる多孔性または無孔の導電性基板が挙げられる。多孔性導電性基板としては、たとえば、メッシュ体、ネット体、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、不織布などの繊維群成形体、などが挙げられる。無孔の導電性基板としては、たとえば、箔、シート、フィルムなどが挙げられる。電極合材層形成用組成物の塗布方法としては、ドクターブレード、バーコーターなどの従来から公知の方法を用いればよい。
粘度調整のための溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)などが使用可能である。
セパレータは、正極と負極とを分離し非水電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
非水電解質としての非水電解液は、有機溶媒に電解質であるアルカリ金属塩を溶解させたものである。本発明のリチウムイオン二次電池で使用される非水電解液の種類に特に限定はない。非水電解液としては、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiI、LiClO、NaPF、NaBF、NaAsF、LiBOB等の有機溶媒に可溶なアルカリ金属塩を用いることができる。
リチウムイオン二次電池の形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を非水電解質とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以上、本発明のリチウムイオン二次電池の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
また、以上説明した本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質として、高作動電圧で低容量である無機化合物および低作動電圧で高容量である有機化合物を含むため、高電圧(たとえば作動電圧4V以上)での使用にも、低電圧(たとえば作動電圧2V以下)での使用にも、どちらにも対応できる。また、有機化合物と無機化合物との配合割合を調整することで、充放電に要するエネルギーを作動電圧の大小に関わらず一定に維持することが可能である。そのため、電圧の低い領域で充放電した後に、さらに電圧の高い領域で充放電させる、というように、低電圧での使用と高電圧での使用とを経時的に切り替えてもよい。これにより、電圧の低い領域での充放電特性が低下しても、電圧の高い領域で充放電を行うことができ、有機化合物が劣化しても継続的に使用が可能となる。この際、充放電を行う電圧の領域は、高電圧側と低電圧側とで重ならない方がよい。
ただし、有機化合物は、高電圧を長時間あるいは繰り返し負荷されることにより分解などして劣化する可能性がある。したがって、電圧を切り替えて使用する際は、有機化合物の分解をできるだけ抑制できる方法とするのがよい。たとえば、先に低電圧で繰り返し充放電させてから、その後高電圧で繰り返し充放電させるとよい。また、電圧の低い領域と高い領域とを交互に繰り返して使用してもよいが、その場合には、高電圧での使用時間をできる限り短くして有機化合物の劣化を抑制するとよい。具体的には、通常は低電圧で使用し、高電圧で使用する必要が生じた場合にのみ高電圧で作動させる、といった使用も可能である。

Claims (9)

  1. 硫黄を含む有機化合物およびリチウムを含む無機化合物を含む正極活物質を含有する正極と、
    リチウムが予めドープされた珪素および/または珪素化合物からなる珪素系材料を含む負極活物質を含有する負極と、
    非水電解質と、
    を備え、4V以上および2V以下に作動電圧を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 硫黄を含む有機化合物およびリチウムを含む無機化合物を含む正極活物質を含有する正極と、
    リチウムが予めドープされた珪素および/または珪素化合物からなる珪素系材料を含む負極活物質を含有する負極と、
    非水電解質と、
    を備え、電圧の低い領域で充放電した後に、さらに電圧の高い領域で充放電させて用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  3. 前記正極活物質は、前記無機化合物のエネルギー容量(Wh)に対する前記有機化合物のエネルギー容量(Wh)の比が0.1以上となる質量比で該有機化合物および該無機化合物が配合されている請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記正極活物質は、前記無機化合物のエネルギー容量(Wh)に対する前記有機化合物のエネルギー容量(Wh)の比が0.1以上2.0以下となる質量比で該有機化合物および該無機化合物が配合されている請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記珪素系材料は、珪素酸化物を含む請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記珪素酸化物は、SiO(0.5≦n≦1.5)である請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記珪素系材料に予めドープされるリチウム量は、該珪素系材料に対する質量比で1以上である請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記正極活物質は、前記有機化合物としてポリアクリロニトリルの一部が硫黄に変性した硫黄変性ポリアクリロニトリルを含む請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記正極活物質は、前記無機化合物としてLiMnO、LiMn1/3Co1/3Ni1/3、LiMn、LiMPO(MはFe、Mn、NiまたはCo)、LiNi1−ZCoZ1 Z2(MはAl、FeまたはMnであって、0.9≦X≦1.3、Z=Z1+Z2、0<Z≦0.5、0<Z1<0.5かつ0<Z2<0.5)、LiY−Z3NiY−Z4 Z’(MはAl、Fe、Co、MnまたはMgであって、0.9≦Y≦1.3、Z’=Z3+Z4、MがAlまたはFeのとき0<Z’≦0.2、Z3=0かつZ4=Z’、MがCoまたはMnのとき0<Z’≦0.5、Z3=0かつZ4=Z’、MがMgのとき0<Z’≦0.2、0<Z3<0.2かつ0<Z4<0.2)、LiSiO(MはFeまたはMn)、LiCoO、およびLiNiOを基本組成とするリチウム含有複合酸化物のうちの少なくとも一種を含む請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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