JP5667918B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂製のチューブが嵌合されて摩擦溶接される樹脂製のコネクタに関する。
樹脂製のチューブが摩擦溶接(例えばスピン溶接)される樹脂製のコネクタが従来技術として知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第3547764号公報
上記コネクタとして、例えば図5に示すものが考えられる。樹脂製のコネクタ100は、樹脂製のチューブ200との摩擦溶接時にコネクタ保持部材300に保持される。コネクタ100は、チューブ200が挿入されて摩擦溶接される環状のチューブ挿入溝部110cが形成された筒状のチューブ挿入部110と、チューブ挿入部110におけるチューブ挿入溝部110cとは反対側の部分からチューブ挿入部110と直角をなすように延び、パイプが取り付けられる筒状のパイプ取付部(取付部)111とを備えている。そして、チューブ200をチューブ挿入溝部110cに挿入して押し付けながらコネクタ保持部材300をその回転軸周りに回転させることによってチューブ200とコネクタ100との接触面が摩擦熱で溶融し、溶融した樹脂が冷却固化してチューブ200がコネクタ100に溶接される。
しかしながら、チューブ挿入部110とパイプ取付部111との間の中間部112の外表面が球面形状であるため、中間部112とコネクタ保持部材300の底面300aとの間に隙間が存在する。すると、コネクタ100は、チューブ200をチューブ挿入溝部110cに挿入して押し付ける力(以下、押付力という)に対して中間部112を支えるものを備えていないため、不安定である。従って、摩擦溶接時にチューブ挿入溝部110cの中心軸(溶着軸)C1がコネクタ保持部材300の回転軸に対してブレてしまうという課題がある。特に、挿入側端面が斜めに切断されているチューブ200をチューブ挿入溝部110cに押し付けると、押付力がチューブ挿入溝部110cの全周に亘って均一に作用しないため、中間部112とコネクタ保持部材300との接触部分を支点としてコネクタ100が押付力の作用する方向に倒れやすく、溶着軸がブレやすい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、樹脂チューブと樹脂コネクタとの摩擦溶接時における溶着軸のブレ及び樹脂コネクタの倒れを防止することにある。
第1の発明は、樹脂製のチューブとの摩擦溶接時にコネクタ保持部材に保持される樹脂製のコネクタであって、上記チューブが挿入されて摩擦溶接される環状のチューブ挿入溝部が形成された筒状のチューブ挿入部と、上記チューブ挿入部における上記チューブ挿入溝部とは反対側の部分から延び、被取付部材が取り付けられる筒状の取付部と、上記チューブ挿入部と上記取付部との中間部に少なくとも一部が上記チューブ挿入溝部の軸方向から見て該チューブ挿入溝部と同じ位置又はこれよりも径方向外側に位置するように形成され、上記チューブとの摩擦溶接時において上記チューブが上記チューブ挿入溝部に押し付けられたときに上記中間部を少なくとも、上記チューブ挿入溝部の軸方向に関して上記コネクタ保持部材に対して支持する支持部とを備えることを特徴とするものである。
これによれば、チューブ挿入溝部の軸方向から見て該チューブ挿入溝部と同じ位置又はこれよりも径方向外側において、中間部に形成された支持部が中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して支持するので、コネクタが倒れるのを防止することができる。そして、摩擦溶接時においてチューブ挿入溝部がチューブに押し付けられたときに、支持部が中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して支持するので、その押付力を支持部を介してコネクタ保持部材で受けることができ、摩擦溶接時における溶着軸のブレ及びコネクタの倒れを防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記支持部は、上記中間部に上記チューブ挿入溝部の軸方向に延びるように形成されたリブであることを特徴とするものである。
これによれば、リブが、中間部に、チューブ挿入溝部の軸方向から見てチューブ挿入溝部と同じ位置又は径方向外側においてチューブ挿入溝部の軸方向に延びるように形成され、このリブが中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して支持するので、コネクタが少なくともチューブ挿入溝部の軸方向に直交する直交方向に倒れるのを防止することができる。そして、摩擦溶接時においてチューブ挿入溝部がチューブに押し付けられたときに、このリブが中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して線状に支持するので、その押付力をリブを介してコネクタ保持部材で受けることができ、少なくとも上記直交方向への溶着軸のブレ及びコネクタの倒れを防止することができる。
第3の発明は、上記支持部は、上記中間部における上記チューブ挿入溝部とは反対側の端部に厚み方向が上記チューブ挿入溝部の軸方向に一致するように形成された板状部材であることを特徴とするものである。
これによれば、板状部材が、中間部に、中間部におけるチューブ挿入溝部とは反対側の端部に厚み方向がチューブ挿入溝部の軸方向に一致するように形成され、この板状部材が中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して面状に支持するので、コネクタが倒れるのをより確実に防止することができる。そして、摩擦溶接時においてチューブ挿入溝部がチューブに押し付けられたときに、その押付力を板状部材を介してコネクタ保持部材で受けることができ、溶着軸のブレ及びコネクタの倒れを確実に防止することができる。
第4の発明は、上記支持部は、上記中間部に上記チューブ挿入溝部の軸方向に延びるようにそれぞれ形成された少なくとも3つの棒状部材であることを特徴とするものである。
これによれば、少なくとも3つの棒状部材が、中間部に、上記チューブ挿入溝部の軸方向に延びるようにそれぞれ形成され、これら棒状部材が中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して少なくとも3点で点状に支持するので、中間部を面状で支持する場合と同様の効果が得られる。
本発明によれば、挿入溝部の軸方向から見て該チューブ挿入溝部と同じ位置又はこれよりも径方向外側において、支持部が中間部をチューブ挿入溝部の軸方向に関してコネクタ保持部材に対して支持するので、コネクタが倒れるのを防止することができると共に、摩擦溶接時における溶着軸のブレ及びコネクタの倒れを防止することができる。
本発明の実施形態1に係るコネクタの斜視図である。 実施形態1に係るコネクタの摩擦溶接時の状態を示す図であって、(a)は、図1のIIa−IIa線矢視断面図であり、(b)は、図1のIIb方向から見た側面図である。 実施形態2に係るコネクタを示す図2相当図である。 実施形態3に係るコネクタの摩擦溶接時の状態を示す図であって、(a)は、下側から見た図であり、(b)は、図2(b)相当図である。 コネクタを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂製のコネクタ1の斜視図である。図2は、本実施形態のコネクタ1の摩擦溶接時の状態を示す図であって、(a)は、図1のIIa−IIa線矢視断面図であり、(b)は、図1のIIb方向から見た側面図である。ここで、図2(a)における左右方向及び上下方向をそれぞれ「X方向」及び「Z方向」とし、図2(b)の左右方向を「Y方向」とする。そして、Z方向は、後述のチューブ挿入部10(チューブ挿入溝部10c)の中心軸(溶着軸)C1方向に一致する。コネクタ1は、樹脂製の燃料チューブ2とのスピン溶接(摩擦溶接)時にコネクタ保持部材3に保持される樹脂製のものである。このコネクタ1は、例えば、自動車の燃料タンクの燃料をエンジンに供給する配管等に用いられる。
燃料チューブ2は、内径及び外径がそれぞれ一端側から他端側まで略一定である円管であり、例えばフッ素系樹脂からなる内層と、この内層の外側に積層され、内層と異なる樹脂、具体的にはナイロン系樹脂(例えばナイロン12)からなる外層との2層からなる。
−コネクタ1の構成−
コネクタ1は、燃料パイプ(被取付部材、不図示)を脱着自在な略L字状の所謂クイックコネクタである。コネクタ1は、燃料チューブ2が挿入(嵌合)されてスピン溶接される環状のチューブ挿入溝部10cが形成された中空円筒状のチューブ挿入部10と、このチューブ挿入部10におけるチューブ挿入溝部10cとは反対側の端部から直角に延び、燃料パイプが取り付けられる中空円筒状のパイプ取付部(取付部)11とを備えている。チューブ挿入部10及びパイプ取付部11は、樹脂製であって一体に成形され、図2(b)に示すように、チューブ挿入部10の中空部10a、パイプ取付部11の中空部11aは連続し、中空部10aは、中空部11aよりも径が小さい。
チューブ挿入部10は、燃料チューブ2の外層と同じナイロン系樹脂(例えばナイロン12)からなる。このことにより、後述するチューブ挿入溝部10cの外周面と燃料チューブ2におけるチューブ挿入溝部10cに挿入される側の端部20(以下、挿入側端部という)の外周面とが確実に溶接される。チューブ挿入部10は、パイプ取付部11よりも長さが短い。チューブ挿入部10は、Z方向から見て円環状をなす内側壁部10bと、この内側壁部10bとの間にチューブ挿入溝部10cを形成する、Z方向から見て円環状をなす外側壁部10dとを有している。内側壁部10bは、チューブ挿入部10の中空部10aの外壁を構成し、外側壁部10dよりも燃料チューブ2側に突出している。この突出部10eの外径は、先端側から基端側に行くに従って次第に直線的に大きくなる。内側壁部10bは、外側壁部10dよりも肉厚が薄い。このように内側壁部10bの肉厚が薄いのは、コネクタ1の流路径、即ち、内側壁部10bの内径を確保するためである。一方、内側壁部10bの肉厚を薄くすれば、コネクタ1の流路径を確保することができるため、外側壁部10dの肉厚は厚くすることが可能である。また、内側壁部10bは、チューブ挿入溝部10cに燃料チューブ2をスピン溶接する際に摩擦熱で軟化した燃料チューブ2を支える機能も果たす。
チューブ挿入溝部10cは、チューブ挿入部10の燃料チューブ2側(図2(a),(b)では上側)に向かって開口し、Z方向から見て円環状をなす。チューブ挿入溝部10cの外周径(外側径)は、燃料チューブ2をスピン溶接する前の状態において、開口側から奥側、即ち、Z方向の燃料チューブ2側からその反対側に行くに従って次第に直線的に小さくなる。つまり、チューブ挿入溝部10cの外周面、即ち、外側壁部10dの内周面は、径が開口側から奥側に行くに従って次第に直線的に小さくなるテーパ状をなす。このことにより、チューブ挿入溝部10cに燃料チューブ2をスピン溶接する際、チューブ挿入溝部10cの外周面と燃料チューブ2の挿入側端部20の外周面とが確かに接触し、押付力がチューブ挿入溝部10cの外周面に確かに作用する。
パイプ取付部11は、円筒状のリテーナ11bと、ボディ11cとを有する。リテーナ11bは、チューブ挿入部10よりも外径が大きい円筒部材であって、パイプが内嵌接合される。ボディ11cは、チューブ挿入部10とリテーナ11bとを接続する円筒部材であって、燃料チューブ1の外層と同じナイロン系樹脂(例えばナイロン12)からなる。ボディ11cのチューブ挿入部10側端部は、チューブ挿入溝部10よりも外径が小さい。
チューブ挿入部10とパイプ取付部11との中間部(境界部)には、外表面が球面形状の球面部12が設けられている。この球面部12は、ボディ11cのチューブ挿入溝部10側端部と外径が同一であって、X方向両側に突出するように湾曲し、Y方向においてボディ11cとは反対側に突出するように湾曲している。
球面部12の外表面には、樹脂製のリブ13が一体に形成されている。このリブ13は、Z方向から見てチューブ挿入溝部10cの径方向内側から外側まで延びている。具体的には、リブ13は、Y方向に延びる縦リブ131と、この縦リブ131に直交するようにX方向に延びる横リブ132とを備えている。縦リブ131は、Z方向端面131aが、Y方向に、球面部12の最下端部から球面部12のY方向最突出部と同じ位置まで延在し、且つ、Y方向端面131bが、Z方向に、Z方向端面131aのY方向外側端部から球面部12のY方向最突出部を通過してチューブ挿入部10まで延在するように形成されている。一方、横リブ132は、Z方向端面132aが球面部12の最下端部からX方向両側に球面部12のX方向両端部と同じ位置まで延在し、且つ、X方向両端面132b,132bが、Z方向に、Z方向端面132aのX方向両端部から球面部12のX方向最突出部を通過してチューブ挿入部10まで延在するように形成されている。
−コネクタ保持部材3の構成−
上記コネクタ1及び燃料チューブ2は、スピン溶接装置によってスピン溶接される。スピン溶接装置は、スピン溶接時にコネクタ1を保持するコネクタ保持部材3と、このコネクタ保持部材3を自動で回転させる回転機構(不図示)と、燃料チューブ2を保持するチューブ保持部材(不図示)とを有している。チューブ保持部材は、コネクタ保持部材3のZ方向一方側に配置されている。ここでは、本発明に関係のあるコネクタ保持部材3についてのみ説明する。
上記コネクタ保持部材3は、ブロック状の本体部と、この本体部の上記Z方向一方側の面からZ方向に延びる延長部とを有している。本体部には、Y方向に延びてコネクタ1のパイプ取付部11をその後方から受けて収容保持する凹部が形成され、延長部には、この凹部に連続するようにZ方向に延びてコネクタ1のチューブ挿入部10をその下方から受けて収容保持する凹部が形成されている。この2つの凹部は、全体として略L字状をなし、その内部空間によってコネクタ保持空間Sを形成している。コネクタ保持空間Sに収容保持されたチューブ挿入部10は、その中心軸C1がZ方向に延びて上記Z方向一方側に突出している。そして、コネクタ保持部材3は、コネクタ1のチューブ挿入部10が燃料チューブ2の挿入側端部20にZ方向に対向し、且つ、チューブ挿入部10の中心軸C1が燃料チューブ2の中心軸C2と一致するように、コネクタ1をコネクタ保持空間Sに収容保持している。
コネクタ保持空間Sの底面3aには、図2(b)に示すように、そのチューブ挿入部10に対向する部分にパイプ取付部11のボディ11cが載置され、縦及び横リブ131,132のZ方向端面131a,132aがZ方向から見てチューブ挿入溝部10cの径方向内側から外側まで底面3aに接している。従って、リブ13が球面部12を底面3aに対してZ方向に支持しているので、コネクタ1が倒れるのを防止することができる。尚、底面3aのボディ11cのリテーナ11b側部分とチューブ挿入部10側部分との接続部分に対応する位置に段差が設けられている。また、コネクタ保持空間SのX方向両側面3b,3bは、チューブ挿入部10の側面及び横リブ132のX方向両端面132b,132bに対向しており、チューブ挿入部10と球面部12との接続部分に対応する位置に段差が設けられている。さらに、コネクタ保持空間SのY方向側面3cは、チューブ挿入部10の側面及び縦リブ131のY方向端面131bに対向しており、チューブ挿入部10と球面部12との接続部分に対応する位置に段差が設けられている。
−スピン溶接の手順−
次に、スピン溶接装置によるコネクタ1及び燃料チューブ2のスピン溶接の手順を説明する。まず、チューブ保持部材に保持された燃料チューブ2の挿入側端部20を、コネクタ保持部材3に保持されたコネクタ1のチューブ挿入溝部10cに、チューブ挿入溝部10の中心軸C1と燃料チューブ2の中心軸C2とが一致するように押し込む。
そして、燃料チューブ2の挿入側端部20をコネクタ1のチューブ挿入溝部10cに押し込みながら、コネクタ1をそのチューブ挿入部10の中心軸C1周りに回転させると、コネクタ1と燃料チューブ2との接触面が摩擦熱で溶融する。
このとき、チューブ挿入溝部10cの外周径は、上述の如く、開口側から奥側に行くに従って次第に小さくなるため、チューブ挿入溝部10cの外周面と燃料チューブ2の挿入側端部20の外周面とが確かに接触する。一方、チューブ挿入溝部10cの内周径は、上
述の如く、略一定であり、燃料チューブ2の内径よりも小さいため、チューブ挿入溝部10cの内周面と燃料チューブ2の挿入側端部20の内周面とが接触することを抑制することができる。これらのことから、コネクタ1と燃料チューブ2とは、主にチューブ挿入溝部10cの外周面と燃料チューブ2の挿入側端部20の外周面とが接触し、その接触面が摩擦熱で溶融する。
上述のように燃料チューブ2がチューブ挿入溝部10cに挿入されて押し付けられたときに、リブ13は、球面部12をZ方向に関してコネクタ保持部材3の底面3aに対して支持している。即ち、図2(a),(b)に示すように、縦及び横リブ131,132がZ方向から見てそれぞれY及びX方向においてチューブ挿入溝部10cよりも径方向内側及び外側で球面部12をコネクタ保持部材3の底面3aに対して支持している。これにより、スピン溶接時に燃料チューブ2をチューブ挿入溝部10cに押し付けても、その押付力をリブ3を介して底面3aで受けることができるので、コネクタ1の倒れ及び溶着軸のブレを防止することができる。
次に、燃料チューブ2のコネクタ1への押し込み量が予め設定された所定の押し込み量になると、コネクタ1の回転を停止する。そして、コネクタ1及び燃料チューブ2をその溶融した接触面が冷却固化するまで保持する。このとき、コネクタ1と燃料チューブ2とは、上述の如く、主にチューブ挿入溝部10cの外周面と燃料チューブ2の挿入側端部20の外周面とが接触し、その接触面が摩擦熱で溶融するため、主にチューブ挿入溝部10cの外周面と燃料チューブ2の挿入側端部20の外周面とが溶接される。以上のようにして、コネクタ1と燃料チューブ2とのスピン溶接が完了する。その後、コネクタ1に溶接された燃料チューブ2をチューブ保持部材から取り外す。
(効果)
以上より、本実施形態によれば、Z方向から見てチューブ挿入溝部10cの径方向内側及び外側において、リブ13が球面部12をZ方向に関してコネクタ保持部材3の底面3aに対して支持するので、コネクタ1が倒れるのを防止することができる。さらに、スピン溶接時に燃料チューブ2をチューブ挿入溝部10cに押し付けても、その押付力をリブ13を介して底面3aで受けることができるので、スピン溶接時における溶着軸のブレ及びコネクタ1の倒れを防止することができる。
(実施形態2)
実施形態1では、支持部がリブであったが、本実施形態は、図3に示すように、支持部を支持板(板状部材)で構成したものである。図3は、本実施形態のコネクタ1の摩擦溶接時の状態を示す図であって、(a)は、図2(a)に相当する図であり、(b)は、図2(b)に相当する図である。
支持板14は、長方形の樹脂製板部材であって、パイプ取付部11のボディ11cの下端面及び球面部12におけるチューブ挿入溝部10cとは反対側の端部に設けられ、短手方向(X方向)の長さがコネクタ保持部材3の底面3aの幅に等しく、長手方向(Y方向)の長さが底面3aのチューブ挿入部10に対向する部分のY方向長さよりやや長く、その厚み方向がチューブ挿入部10の中心軸C1方向に一致する。そして、支持板14のX方向両側面14a,14aは、図3(a)に示すように、それぞれコネクタ保持空間SのX方向両側面3b,3bに接し、また、Y方向側面14bは、図3(b)に示すように、Y方向側面3cに接している。
これにより、支持板14が、球面部12に、球面部12におけるチューブ挿入溝部10cとは反対側の端部に厚み方向がチューブ挿入溝部10cの中心軸C1方向に一致するように形成され、この支持板14が球面部12を該中心軸C1方向に関してコネクタ保持部材3の底面3aに対して面状に支持するので、コネクタ1が倒れるのをより確実に防止することができる。さらに、スピン溶接時においてチューブ挿入溝部10cが燃料チューブ2に押し付けられたときに、その押付力を支持板14を介して底面3aで受けることができるので、スピン溶接時におけるコネクタ1の倒れ及び溶着軸のブレを防止することができる。
また、コネクタ1をコネクタ保持部材3によって保持した状態でコネクタ1にこれを倒すような力が働いても、支持板14の各側面14a,14a,14bがそれぞれコネクタ保持部材3の各側面3a,3a,3bに接しているので、コネクタ1が倒れるのをより一層確実に防止することができる。
(実施形態3)
本実施形態は、図4に示すように、支持部を支持棒(棒状部材)で構成したものである。図4は、本実施形態のコネクタ1の摩擦溶接時の状態を示す図であって、(a)は、コネクタ保持部材3の底面3aから見た図であり、(b)は、図2(b)に相当する図である。
支持棒15は、球面部12にZ方向に延びるようにそれぞれ形成された3本の棒状部材であって、そのうちの2本の支持棒15,15は、図4(a)に示すように、Z方向から見てチューブ挿入溝部10cの径方向外側においてチューブ挿入部10の中心軸C1を中心としてX方向に対称に配置され、もう1本の支持棒15は、該中心軸C1を中心として上記2本の支持棒15,15と同心円上であって該中心軸C1を通るY方向線上に配置されている。そして、図4(b)に示すように、各支持棒15,15,15のZ方向端面(下端面)15a,15a,15aがコネクタ保持部材3の底面3aに接している。
これにより、支持棒15,15,15が、球面部12に、Z方向から見てチューブ挿入溝部10cよりも外側においてチューブ挿入部10の中心軸C1方向に延びるように形成され、これら支持棒15,15,15が球面部12を該中心軸C1方向に関してコネクタ保持部材3の底面3aに対して3点で支持するので、コネクタ1が倒れるのを確実に防止することができる。さらに、支持棒15,15,15が燃料チューブ2とのスピン溶接時において燃料チューブ2がチューブ挿入溝部10cに押し付けられたときに球面部12をZ方向に関してコネクタ保持部材3の底面3aに対して3点で支持するので、スピン溶接時におけるコネクタ1の倒れ及び溶着軸のブレを防止することができる。
尚、本実施形態では、支持棒15,15,15を、Z方向から見てチューブ挿入溝部10cの径方向外側に設けたが、チューブ挿入溝部10cと同じ位置に設けてもよい。また、3本の支持棒15,15,15によって球面部12を3点で支持したが、4本以上の支持棒を設けて4点以上で支持してもよい。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、パイプ取付部11がチューブ挿入部11から直角に延在しているが、これに限らず、鋭角又は鈍角に延在してもよい。
また、上記実施形態では、支持部をリブ、板状部材又は棒状部材で構成していたが、これに限定されず、例えば、チューブ挿入部10の中心軸C1方向から見てチューブ挿入溝部よりも大きな径の環形状の部材であってもよい。
また、上記実施形態では、中間部の外表面が球面形状であったが、これに限定されず、例えば、チューブ挿入部10の中心軸C1方向から見てチューブ挿入溝部10よりも大きな底面を備えるブロック状であってもよい。これにより、中間部が自らをコネクタ保持部材3の底面3aに対して面状に支持するので、コネクタ1の倒れ及び溶着軸のブレを防止することができる。
また、上記実施形態では、摩擦溶接としてスピン溶接を採用しているが、これに限らず、例えば、超音波溶接や振動溶接などを採用してもよい。
また、上記実施形態では、チューブ挿入部10は、燃料チューブ2の外層と同じナイロン系樹脂からなるが、同じ樹脂である限り、他の樹脂からなってもよい。
さらにまた、上記実施形態では、チューブ挿入溝部10cに燃料チューブ2をスピン溶接する際、コネクタ1を回転させているが、燃料チューブ2を回転させてもよい。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るコネクタは、樹脂チューブと樹脂コネクタとの摩擦溶接時における樹脂コネクタの倒れ及び該コネクタの溶着軸のブレを防止することが必要な用途等に適用することができる。
1 コネクタ
10 チューブ挿入部
10c チューブ挿入溝部
11 パイプ取付部(取付部)
12 球面部(中間部)
13 リブ(支持部)
14 支持板(支持部)
15 支持棒(支持部)
2 燃料チューブ
3 コネクタ保持部材

Claims (4)

  1. 樹脂製のチューブとの摩擦溶接時にコネクタ保持部材に保持される樹脂製のコネクタであって、
    上記チューブが挿入されて摩擦溶接される環状のチューブ挿入溝部が形成された筒状のチューブ挿入部と、
    上記チューブ挿入部における上記チューブ挿入溝部とは反対側の部分から延び、被取付部材が取り付けられる筒状の取付部と、
    上記チューブ挿入部と上記取付部との中間部に少なくとも一部が上記チューブ挿入溝部の軸方向から見て該チューブ挿入溝部と同じ位置又はこれよりも径方向外側に位置するように形成され、上記チューブとの摩擦溶接時において該チューブが上記チューブ挿入溝部に押し付けられたときに上記中間部を少なくとも、上記チューブ挿入溝部の軸方向に関して上記コネクタ保持部材に対して支持する支持部とを備えることを特徴とするコネクタ。
  2. 請求項1記載のコネクタにおいて、
    上記支持部は、上記中間部に上記チューブ挿入溝部の軸方向に延びるように形成されたリブであることを特徴とするコネクタ。
  3. 請求項1記載のコネクタにおいて、
    上記支持部は、上記中間部における上記チューブ挿入溝部とは反対側の端部に厚み方向が上記チューブ挿入溝部の軸方向に一致するように形成された板状部材であることを特徴とするコネクタ。
  4. 請求項1記載のコネクタにおいて、
    上記支持部は、上記中間部に上記チューブ挿入溝部の軸方向に延びるようにそれぞれ形成された少なくとも3つの棒状部材であることを特徴とするコネクタ。
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