JP5667780B2 - 複合成形体 - Google Patents
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Description
(A)芳香族ポリアミド樹脂、(B)スチレン系樹脂、(C)(A)及び(B)成分の相溶化剤を含有し、さらに(D)ガラス繊維又は炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、熱可塑性エラストマーからなる成形体を含む複合成形体であり、
熱可塑性樹脂組成物中の(A)成分の芳香族ポリアミド樹脂と(B)成分のスチレン系樹脂の割合が、(A)成分60〜95質量%、(B)成分5〜40質量%であり、
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものであり、
有機酸の含有量が2000ppm以下である樹脂組成物からなる複合成形体を提供する。
(A’)脂肪族ポリアミド樹脂、(B)スチレン系樹脂、(C)(A’)及び(B)成分の相溶化剤を含有し、さらに(D)ガラス繊維又は炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、熱可塑性エラストマーからなる成形体を含む複合成形体であり、
熱可塑性樹脂組成物中の(A’)成分の脂肪族ポリアミド樹脂と(B)成分のスチレン系樹脂の割合が、(A’)成分60〜95質量%、(B)成分5〜40質量%であり、
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものであり、
有機酸の含有量が3000ppm以下である樹脂組成物からなる複合成形体を提供する。
(A’’)芳香族ポリアミド樹脂と脂肪族ポリアミドからなるポリアミド樹脂、(B)スチレン系樹脂、(C)(A’’)及び(B)成分の相溶化剤を含有し、さらに(D)ガラス繊維又は炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、熱可塑性エラストマーからなる成形体を含む複合成形体であり、
熱可塑性樹脂組成物中の(A’’)成分のポリアミド樹脂と(B)成分のスチレン系樹脂の割合が、(A’’)成分60〜95質量%、(B)成分5〜40質量%であり、
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものであり、
有機酸の含有量が2000ppm以下である樹脂組成物からなる複合成形体を提供する。
<(A)、(A’)、(A”)ポリアミド樹脂>
本発明で用いられるポリアミドは、
(A)芳香族ポリアミド樹脂、
(A’)脂肪族ポリアミド樹脂、
(A”)芳香族ポリアミド樹脂と脂肪族ポリアミド樹脂との組み合わせ、
から選択されるものである。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(B)成分のスチレン系樹脂は、ABS樹脂、AS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、ASS樹脂、PS樹脂、HIPS樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、MABS樹脂、SB樹脂、SBS樹脂、SEBS樹脂、SIS樹脂、SIPS樹脂、SEPS樹脂等を挙げることができる。
一方、塊状重合品のABS樹脂やAS樹脂の場合には、前記の残留する有機酸はない。このため、熱可塑性エラストマーとの複合成形体にしたときには、特に塊状重合品を用いることによる効果が大きい。
乳化重合品のABS樹脂と塊状重合品のAS樹脂を組み合わせたとき、残留有機酸量を調整する目的で、調整量のAS樹脂を配合することができ、
又は(B)成分の中のゴム含有量を調整して、機械的強度を調整する目的で、調整量のAS樹脂を配合することができる。
(A)成分が60〜95質量%、好ましくは65〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%であり、
(B)成分が5〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
(A)成分が60〜95質量%、好ましくは65〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%であり、
(B)成分が5〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
(C)成分の相溶化剤は、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性アクリル樹脂、カルボン酸無水物変性マレイミド樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸無水物変性SEBS樹脂、カルボン酸無水物変性EPDMから選ばれるものを用いることができる。前記各カルボン酸又はその無水物としては、マレイン酸又はその無水物、アクリル酸又はメタクリル酸等を挙げることができる。
ガラス繊維は、公知のE−ガラス、D−ガラスからなるものを用いることができ、炭素繊維は公知のポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系等からなるものを用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の課題を解決できる範囲内で、上記以外の他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を適宜組み合わせて添加することができる。
(A)成分として芳香族ポリアミドを用いたときには、(B)成分に由来する残留有機酸量が2000ppm以下であり、好ましくは1500ppm以下であり、より好ましくは1000ppm以下であり;
(A’)成分として脂肪族ポリアミドを用いたときには、(B)成分に由来する残留有機酸量が3000ppm以下であり、好ましくは2000ppm以下であり、より好ましくは1500ppm以下であり;
(A”)成分として芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドを用いたときには、(B)成分に由来する残留有機酸量が2000ppm以下であり、好ましくは1500ppm以下であり、より好ましくは1000ppm以下である。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、トランスポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、動的架橋系熱可塑性エラストマー等から選ばれるものを挙げることができる。
本発明の複合成形体は、熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と熱可塑性エラストマーからなる成形体を有するものであり、熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性エラストマーを用い、多色射出成形又はインサート射出成形を適用して得ることができる。
また、各種製品の把手等の用途に適用することで、握ったときの柔らかな手触り感や滑り止めや衝撃吸収等の効果も得ることができる。
表1に示す熱可塑性樹脂組成物をV型タンブラーで混合後、二軸押出機(日本製鋼製、TEX30 シリンダー温度330℃(実施例1〜7、比較例1、4)、260℃(実施例8〜11、比較例2,3,5)にて溶融混錬し、ペレットを得た。ガラス繊維は、サイドフィードを用いて、途中から投入した。
この熱可塑性樹脂組成物ペレットとを330℃にて射出成形し、ISO多目的試験片(金型温度100℃)及び、120角平板(金型温度120℃)を作成した。
各組成物20mgを精密秤量したものをオーブン中に入れた状態にて、250℃で10分間加熱して発生したガスを−50℃の補集管でトラップした。その後、キューリーポイントで再度ガス化した。再度ガス化した試料をガスクロマトグラフィー分析装置(ヒューレットパッカード社製のHP5890II型,検出器:水素炎イオン検出器(FID),検出器温度:300℃)により分析し、試料中の有機酸量を測定した。有機酸量が多いほど、射出成形時の発生ガス量が多くなる。
(測定条件)
オーブン:100℃、5分間
100〜240℃(10℃/分で昇温)
ISO178に準拠して測定した。
ISO179/1eAに準拠して測定した。
ISO75に準拠して測定した。
射出成形で作製した平板(100×100×2mm)の表面をイソプロパノールで脱脂し、2液型アクリルウレタン塗料(カシュー(株)製,ストロン100)で塗装し、乾燥(80℃×2時間)後、JIS K5400-1990の碁盤目テスト法で100マスの残目を数えて、塗装性を評価した。○表示は、100/100を示している。
平らな水平面の上に、縦120mm×横120mm×厚み2mmのサイズに射出成形した平板を、その中央部が水平面と接触するように載置した。このとき、そりが生じている場合には各コーナー部が浮き上がる。
次に、各コーナー部を水平面に固定した後、固定したコーナー部に対して対角線上にあるコーナー部の水平面に対する高さ(持ち上がり高さ)を測定した。これを4つのコーナー部についても測定し、もっとも大きい持ち上がり高さについて、下記の4段階の基準で評価した。
◎:5mm未満
○:5mm以上8mm未満
△:8mm以上10mm未満
×:10mm以上
(7)接着性
ISO多目的試験片を長手方向の半分に切断し、切断した試験片の反ゲート部をISO多目的試験片の金型の反ゲート部分にインサートした後、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステルエラストマー(東レデユポン(株)製のハイトレル-5557)を240℃の成形温度で成形した。
得られた2色成形ISO多目的試験片(引張りダンベル片)を引張り、破断面の観察から界面の接着性を評価した。
○:一部界面に材料破壊が認められるが、大部分の界面は接着状態を維持した
△:大部分が界面で剥離した
×:融着不可(複合成形体が得られない)
PP-1:ポリフタルアミド(PA6T),ダイセルエボニック(株),ベスタミド HT Plus M1000
PA-2:ポリアミド6(PA6),宇部興産(株),UBEナイロン1013B
PA-3:ポリアミド66(PA66),宇部興産(株),UBEナイロン2015B
(B)成分
ABS1:塊状重合ABS樹脂:日本エイアンドエル(株),サンタックAT-08
ABS2:乳化重合ABS樹脂(塩凝固処理):スチレン30質量%、アクリロニトリル10質量%
AS1:塊状重合AS樹脂:ダイセルポリマー(株),050SF
ABS3:乳化重合ABS樹脂(酸凝固処理):スチレン30質量%、アクリロニトリル10質量%
(C)成分
C-1:酸変性マレイミド樹脂:スチレン47質量%、N-フェニルマレイミド51質量%、無水マレイン酸2質量%、ガラス転移温度196℃、重量平均分子量12万、265℃10kgでのメルトフローレート4
C-2:酸変性AS:スチレン71質量%、アクリロニトリル24質量%、メタクリル酸5質量%
(D)成分
D-1:ガラス繊維1,日本電気硝子(株),ECS-03-T-120、長軸長さ/短軸長さ=1.0(図1参照)
D-2:ガラス繊維2,日東紡績(株),CSH 3PA-870S、長軸長さ/短軸長さ=2.0(図1参照)
D-3:ガラス繊維3,日東紡績(株),CSH 3PA-820S、長軸長さ/短軸長さ=4.0(図1参照)
Claims (7)
- (A)芳香族ポリアミド樹脂、(B)スチレン系樹脂、(C)(A)及び(B)成分の相溶化剤を含有し、さらに(D)ガラス繊維又は炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、ポリエステルエラストマーからなる成形体を含む複合成形体であり、
熱可塑性樹脂組成物中の(A)成分の芳香族ポリアミド樹脂と(B)成分のスチレン系樹脂の割合が、(A)成分60〜95質量%、(B)成分5〜40質量%であり、
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものであり、
有機酸の含有量が2000ppm以下である樹脂組成物からなる複合成形体。 - (A’)脂肪族ポリアミド樹脂、(B)スチレン系樹脂、(C)(A’)及び(B)成分の相溶化剤を含有し、さらに(D)ガラス繊維又は炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、ポリエステルエラストマーからなる成形体を含む複合成形体であり、
熱可塑性樹脂組成物中の(A’)成分の脂肪族ポリアミド樹脂と(B)成分のスチレン系樹脂の割合が、(A’)成分60〜95質量%、(B)成分5〜40質量%であり、
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものであり、
有機酸の含有量が3000ppm以下である樹脂組成物からなる複合成形体。 - (A’’)芳香族ポリアミド樹脂と脂肪族ポリアミドからなるポリアミド樹脂、(B)スチレン系樹脂、(C)(A’’)及び(B)成分の相溶化剤を含有し、さらに(D)ガラス繊維又は炭素繊維を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、ポリエステルエラストマーからなる成形体を含む複合成形体であり、
熱可塑性樹脂組成物中の(A’’)成分のポリアミド樹脂と(B)成分のスチレン系樹脂の割合が、(A’’)成分60〜95質量%、(B)成分5〜40質量%であり、
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものであり、
有機酸の含有量が2000ppm以下である樹脂組成物からなる複合成形体。 - (B)成分のスチレン系樹脂がABS樹脂及び/又はAS樹脂を含んでおり、前記ABS樹脂とAS樹脂が、塊状重合で製造されたABS樹脂とAS樹脂を60質量%以上含み、乳化重合で製造されたものを含まないものである、請求項1又は2記載の複合成形体。
- (D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.2〜5.0の範囲のものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の複合成形体。
- (D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が2.0〜5.0の範囲のものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の複合成形体。
- (D)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面形状が略繭玉形又は略長円形のものである、請求項1〜6のいずれか1項記載の複合成形体。
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